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  • 特開-電子黒板システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147131
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】電子黒板システム
(51)【国際特許分類】
   B43L 1/00 20060101AFI20231004BHJP
【FI】
B43L1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022066611
(22)【出願日】2022-03-29
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
2.YouTube
(71)【出願人】
【識別番号】522150551
【氏名又は名称】坂和 勝紀
(71)【出願人】
【識別番号】399054804
【氏名又は名称】株式会社藤村式黒板製作所
(72)【発明者】
【氏名】坂和 勝紀
(57)【要約】
【課題】比較的低コストにて取り入れることができ、多くの人が手馴れているスマホ操作にて手軽に実行できて、抵抗なく受け入れることができ、使用する電子教材に自由性がある電子黒板システムを提供することを課題とする。
【解決手段】プロジェクター1と、前記プロジェクター1にHDMI接続されるキャスト機能とミラーリング機能とを有するストリーミングデバイス2と、前記ストリーミングデバイス2にWi-Fi接続される端末機3とから成り、端末機3に取り込んだ任意の電子教材を用いて実施することが可能であることを特徴とする電子黒板システムである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクターと、前記プロジェクターにHDMI接続されるキャスト機能とミラーリング機能とを有するストリーミングデバイスと、前記ストリーミングデバイスにWi-Fi接続される端末機とから成り、前記端末機に取り込んだ任意の電子教材を用いて実施することが可能であることを特徴とする電子黒板システム。
【請求項2】
前記プロジェクターは、電子黒板機能を搭載した超短焦点壁掛け型のプロジェクターであり、前記端末機はスマートフォンである、請求項1に記載の電子黒板システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子黒板システムに関するものであり、より詳細には、既設の黒板又はホワイトボード等に簡単に装備でき、その装備により黒板等を電子黒板化でき、しかも電子黒板の操作に不慣れな人であっても簡単な操作で使用することができる電子黒板システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
黒板は、主に学校における授業において古くから使用されてきているが、生徒にとってより分かりやすく、より興味をそそる授業を行うために電子黒板が不可欠になってきている。しかし、各教室ごとに従来の黒板等の他に電子黒板を用意することは、予算の面及び設置スペースの面で限度があるだけでなく、パソコン操作等に不慣れな人にとっては扱いに戸惑い、採用を躊躇する場合も起こり得る。このことは、学校に限らず、学習塾や一般のオフィス等においても言えることである。
【0003】
そこで最近は、既存の黒板やホワイトボードを利用し、ボード上部にプロジェクターを配設して電子黒板化(インタラクティブ化)することが一般的になってきている。例えば、従来の板書の授業を活かしながら、デジタルを使って学校の授業をよりよくするための、黒板専用アプリであるKocri(登録商標)が実用化され、広く利用されている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】https://www.sakawa.net/wiiide/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記非特許文献1において提供されている黒板専用アプリの場合、壁掛け型プロジェクターと、無線LAN画像伝送機器と、PC、タブレット、スマートフォン等の端末機器により構成されるシステムにおいて、端末機器にその専用アプリをインストールして使用するものであるが、そのハード機器及び専用アプリのトータルコストが嵩む。また、その実行に際し、その専用アプリの操作に熟達する必要があるため、端末機器の操作に慣れていない、特に年長の教師等にとっては、取っつきにくく、取り入れにくいものである。更に、そこにおいて用いる電子教材は、基本的にその専用アプリに含まれているものに限られていて、自由性に欠ける。換言すれば、そのシステムは、その専用アプリをインストールしない限り、利用することができないものである。
【0006】
そこで本発明は、比較的低コストにて取り入れることができ、多くの人が手馴れているスマホ操作にて手軽に実行できて、抵抗なく受け入れることができ、使用する電子教材に自由性がある電子黒板システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための請求項1に係る発明は、プロジェクターと、前記プロジェクターにHDMI接続されるキャスト機能とミラーリング機能とを有するストリーミングデバイスと、前記ストリーミングデバイスにWi-Fi接続される端末機とから成り、前記端末機に取り込んだ任意の電子教材を用いて実施することが可能であることを特徴とする電子黒板システムである。
【0008】
好ましくは、前記プロジェクターは、電子黒板機能を搭載した超短焦点壁掛け型のプロジェクターであり、前記端末機はスマートフォンである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は上記のような構成であって、専用アプリの拘束を受けることなく、市販のプロジェクターと、極めて廉価なストリーミングデバイスと、多くの人が所有するスマートフォンとWi-Fi環境と、投写するための任意のボードがあれば実施可能となるので、低コストにて導入でき、用いる電子教材にも自由性があるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る電子黒板システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る電子黒板システムを実施するための形態につき、添付図面を参照して説明する。本発明に係る電子黒板システムは、電子黒板機能を搭載した、好ましくは超短焦点壁掛け型のプロジェクター1と、プロジェクター1にHDMI接続されるストリーミングデバイス2と、ストリーミングデバイス2にWi-Fi接続される端末機と、スクリーンとして機能するボードとから成る。
【0012】
ストリーミングデバイス2は、キャスト機能とミラーリング機能とを有するデバイスである。端末機としては主にスマートフォン3が想定されているが、タブレットやパソコン等であってもよい。また、ボードは、好ましくは、黒板、ホワイトボード等の書き消し及び投写が可能なボードで、既設の黒板、ホワイトボード等をそのまま利用することができる。プロジェクター1は、その投写画面がボード上の広範囲に広がるように、通例、ボードの中央上部に設置される。
【0013】
ストリーミングデバイス2は、キャスト機能とミラーリング機能とを有するもので、例えば、広く出回っていて、5千円以下で入手できるグーグル社のクロームキャストを用いることが推奨される。ここにキャスト機能とは、スマートフォン3やタブレット、あるいは、パソコンで視聴している動画を、ストリーミングデバイス2に転送し、それを大画面のテレビで視聴可能にする機能である。本発明の場合は、テレビではなく、プロジェクター1を介してボードに、より大きく投写することになる。また、ミラーリング機能は、スマートフォン3やタブレット等のコンテンツ画面を、プロジェクター1を介してそのままボードに投写する機能である。
【0014】
プロジェクター1とストリーミングデバイス2とスマートフォン3により構成される本発明に係る電子黒板システムの実施に際しては、先ず、プロジェクター1とストリーミングデバイス2をHDMI接続し、また、Wi-Fi環境下において、スマートフォン3をストリーミングデバイス2にWi-Fi接続する。かくして、何ら専用アプリを必要とすることなく、本発明に係る電子黒板システムを構築することが可能となる。
【0015】
本システムを教育現場において実施する場合は、スマートフォン3において教材等のコンテンツを作成保存しておく。教材は、市販されている電子教材や、無償で提供されている教材をインストールしてそのまま利用することができ、また、それを教師が独自にカスタマイズしたものを用いることもできる。更に、テレビやYouTube等の画面を利用することもできる。
【0016】
操作者は、ボードから離れた位置においてスマートフォン3を手元操作(片手操作が可能)して、その表示部に選択表示させたコンテンツ画面を、ストリーミングデバイス2を介してそのままプロジェクター1からボードにミラーリング投写させることができる。最近では、老若男女を問わず、多くの人がスマートフォン3の操作に慣れているので、何ら抵抗なく、本発明に係るシステムを取り入れることができる、
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明に係るシステム、上記のように、専用アプリを用いることなく、市販のプロジェクターと、極めて廉価なストリーミングデバイスと、多くの人が所有するスマートフォンとWi-Fi環境と、投写するための任意のボードを用意し、スマートフォンに任意の電子教材をインストールすれば実施可能となるので、低コストにて手軽に導入でき、用いる電子教材にも自由性があるというメリットがあり、産業上の利用可能性がある。
【符号の説明】
【0018】
1 プロジェクター
2 ストリーミングデバイス
3 スマートフォン
図1