(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147175
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】パターン推定装置、パターン推定方法、パターン基準情報生成装置、パターン基準情報生成方法、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06F 16/35 20190101AFI20231004BHJP
G06F 16/33 20190101ALI20231004BHJP
【FI】
G06F16/35
G06F16/33
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199107
(22)【出願日】2022-12-14
(31)【優先権主張番号】P 2022054052
(32)【優先日】2022-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(74)【代理人】
【識別番号】100227019
【弁理士】
【氏名又は名称】安 修央
(72)【発明者】
【氏名】山木 将之
(72)【発明者】
【氏名】井上 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】高橋 由里子
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 美奈枝
(72)【発明者】
【氏名】竹中 草平
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175FA01
5B175FA03
5B175HB03
(57)【要約】
【課題】 様々な周辺状況から特定の要素を抽出し、特定のパターンの事象を推定すること。
【解決手段】 本発明のパターン推定装置10において、実測データ生成部20は、調査対象者における実測データとして、カテゴリ点数及び実測値を含む実測データを生成し、推定部30は、予め設定されたパターン基準情報に含まれる基準値と、前記実測値とを比較し、予め設定した条件を満たす基準値の属するパターンを推定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実測データ生成部及び推定部を含み、
前記実測データ生成部は、取得部、分類部、カテゴリ点数算出部、及び実測値算出部を含み、
前記取得部は、パターン推定対象情報を取得し、
前記分類部は、前記パターン推定対象情報を、予め設定されたカテゴリ、カテゴリ点数及び基準値を含むパターン基準情報を用いて、前記パターン推定対象情報の内容をカテゴリ毎に分類し、
前記カテゴリ点数算出部は、前記パターン基準情報に含まれるカテゴリ及びカテゴリ点数を用いて、前記カテゴリ毎に前記パターン推定対象情報のカテゴリ点数を算出し、
前記実測値算出部は、カテゴリ点数算出部が算出した前記カテゴリ毎の前記カテゴリ点数を用いて、実測値を算出し、
前記実測データ生成部は、パターン推定対象情報の実測データとして、前記カテゴリ点数及び前記実測値を含む実測データを生成し、
前記推定部は、前記パターン基準情報に含まれる基準値と、前記実測データに含まれる実測値とを比較し、予め設定した条件を満たす前記基準値の属するパターンを推定する、パターン推定装置。
【請求項2】
前記推定部は、さらに、前記パターン推定対象情報に含まれるカテゴリ点数と、前記実測データとしてのカテゴリ点数とを予め設定した条件に従って比較し、前記パターン基準情報に含まれるカテゴリ点数に最も近いパターンを推定する、請求項1記載のパターン推定装置。
【請求項3】
さらに、カテゴリ抽出部、調査項目抽出部、及び提示部を含み、
前記カテゴリ抽出部は、前記パターン基準情報における前記カテゴリ点数と、前記実測データにおける前記カテゴリ点数とを比較し、前記実測データにおいて、予め定めた条件を満たすカテゴリを抽出し、
前記調査項目抽出部は、予め設定した条件に従って、パターン推定のために不足する情報を満たすため又はパターン推定の正確度を上げるための調査項目を抽出し、
前記提示部は、抽出した前記調査項目抽出部が抽出した前記調査項目に基づいて提示情報を提示する、請求項1又は2記載のパターン推定装置。
【請求項4】
対応情報出力部を含み、
前記対応情報出力部は、推定したパターンに基づいて、対応情報を出力する、請求項1又は2に記載のパターン推定装置。
【請求項5】
取得部、基準値算出部、及びパターン基準情報生成部を含み、
前記取得部は、カテゴリ情報とカテゴリ点数情報とを取得し、
前記基準値算出部は、前記カテゴリ点数を用いて、基準値を算出し、
前記パターン基準情報生成部は、特定のパターンにおける前記カテゴリ点数及び前記基準値を含むパターン基準情報を生成する、パターン基準情報生成装置。
【請求項6】
前記取得部は、さらに、前記カテゴリに対する重みを示す重み情報を取得し、
前記基準値算出部は、前記カテゴリ点数及び前記重み情報を用いて、前記基準値を算出する、請求項5記載のパターン基準情報装置。
【請求項7】
実測データ生成工程及び推定工程を含み、
前記実測データ生成工程は、取得工程、分類工程、カテゴリ点数算出工程、及び実測値算出工程を含み、
前記取得工程は、パターン推定対象情報を取得し、
前記分類工程は、前記パターン推定対象情報を、予め設定されたカテゴリ、カテゴリ点数及び基準値を含むパターン基準情報を用いて、前記パターン推定対象情報の内容をカテゴリ毎に分類し、
前記カテゴリ点数算出工程は、前記パターン基準情報に含まれるカテゴリ及びカテゴリ点数を用いて、前記カテゴリ毎に前記パターン推定対象情報のカテゴリ点数を算出し、
前記実測値算出工程は、カテゴリ点数算出工程が算出した前記カテゴリ毎の前記カテゴリ点数を用いて、実測値を算出し、
前記実測データ生成工程は、パターン推定対象情報の実測データとして、前記カテゴリ点数及び前記実測値を含む実測データを生成し、
前記推定工程は、前記パターン基準情報に含まれる基準値と、前記実測データに含まれる実測値とを比較し、予め設定した条件を満たす前記基準値の属するパターンを推定する、パターン推定方法。
【請求項8】
取得工程、基準値算出工程、及びパターン基準情報生成工程を含み、
前記取得工程は、カテゴリ情報とカテゴリ点数情報とを取得し、
前記基準値算出工程は、前記カテゴリ点数を用いて、基準値を算出し、
前記パターン基準情報生成工程は、特定のパターンにおける前記カテゴリ点数及び前記基準値を含むパターン基準情報を生成する、パターン基準情報生成方法。
【請求項9】
実測データ生成手順及び推定手順を含み、
前記実測データ生成手順は、取得手順、分類手順、カテゴリ点数算出手順、及び実測値算出手順を含み、
前記取得手順は、パターン推定対象情報を取得し、
前記分類手順は、前記パターン推定対象情報を、予め設定されたカテゴリ、カテゴリ点数及び基準値を含むパターン基準情報を用いて、前記パターン推定対象情報の内容をカテゴリ毎に分類し、
前記カテゴリ点数算出手順は、前記パターン基準情報に含まれるカテゴリ及びカテゴリ点数を用いて、前記カテゴリ毎に前記パターン推定対象情報のカテゴリ点数を算出し、
前記実測値算出手順は、カテゴリ点数算出手順が算出した前記カテゴリ毎の前記カテゴリ点数を用いて、実測値を算出し、
前記実測データ生成手順は、パターン推定対象情報の実測データとして、前記カテゴリ点数及び前記実測値を含む実測データを生成し、
前記推定手順は、前記パターン基準情報に含まれる基準値と、前記実測データに含まれる実測値とを比較し、予め設定した条件を満たす前記基準値の属するパターンを推定することをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
取得手順、基準値算出手順、及びパターン基準情報生成手順を含み、
前記取得手順は、カテゴリ情報とカテゴリ点数情報とを取得し、
前記基準値算出手順は、前記カテゴリ点数を用いて、基準値を算出し、
前記パターン基準情報生成手順は、特定のパターンにおける前記カテゴリ点数及び前記基準値を含むパターン基準情報を生成することをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン推定装置、パターン推定方法、パターン基準情報装置、パターン基準情報方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、虐待の通告のあった子供に関する情報及び子供のアセスメント情報等から一時保護の蓋然性を判断する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、虐待といっても様々なパターンがあり、また、必ずしも虐待に係る通告がなされるとは限らない。そのため、様々な周辺情報から特定のパターンの虐待の可能性を推知することが必要である。しかし、周辺情報は無数に存在し、当該情報から特定の虐待のパターンを推知することは困難であるという問題があった。そのため、様々な虐待のパターンを特定することが必要である。この点については、虐待に限られず、様々な事象を推定することが求められている。
【0005】
そこで、本発明は、様々な周辺状況から特定の要素を抽出し、特定のパターンの事象を推定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明のパターン推定装置は、
実測データ生成部及び推定部を含み、
前記実測データ生成部は、取得部、分類部、カテゴリ点数算出部、及び実測値算出部を含み、
前記取得部は、パターン推定対象情報を取得し、
前記分類部は、前記パターン推定対象情報を、予め設定されたカテゴリ、カテゴリ点数及び基準値を含むパターン基準情報を用いて、前記パターン推定対象情報の内容をカテゴリ毎に分類し、
前記カテゴリ点数算出部は、前記パターン基準情報に含まれるカテゴリ及びカテゴリ点数を用いて、前記カテゴリ毎に前記パターン推定対象情報のカテゴリ点数を算出し、
前記実測値算出部は、カテゴリ点数算出部が算出した前記カテゴリ毎の前記カテゴリ点数を用いて、実測値を算出し、
前記実測データ生成部は、パターン推定対象情報の実測データとして、前記カテゴリ点数及び前記実測値を含む実測データを生成し、
前記推定部は、前記パターン基準情報に含まれる基準値と、前記実測データに含まれる実測値とを比較し、予め設定した条件を満たす前記基準値の属するパターンを推定する、装置である。
【0007】
本発明のパターン推定方法は、
実測データ生成工程及び推定工程を含み、
前記実測データ生成工程は、取得工程、分類工程、カテゴリ点数算出工程、及び実測値算出工程を含み、
前記取得工程は、パターン推定対象情報を取得し、
前記分類工程は、前記パターン推定対象情報を、予め設定されたカテゴリ、カテゴリ点数及び基準値を含むパターン基準情報を用いて、前記パターン推定対象情報の内容をカテゴリ毎に分類し、
前記カテゴリ点数算出工程は、前記パターン基準情報に含まれるカテゴリ及びカテゴリ点数を用いて、前記カテゴリ毎に前記パターン推定対象情報のカテゴリ点数を算出し、
前記実測値算出工程は、カテゴリ点数算出工程が算出した前記カテゴリ毎の前記カテゴリ点数を用いて、実測値を算出し、
前記実測データ生成工程は、パターン推定対象情報の実測データとして、前記カテゴリ点数及び前記実測値を含む実測データを生成し、
前記推定工程は、前記パターン基準情報に含まれる基準値と、前記実測データに含まれる実測値とを比較し、予め設定した条件を満たす前記基準値の属するパターンを推定する、方法である。
【0008】
本発明のパターン基準情報生成装置は、
取得部、基準値算出部、及びパターン基準情報生成部を含み、
前記取得部は、カテゴリ情報とカテゴリ点数情報とを取得し、
前記基準値算出部は、前記カテゴリ点数を用いて、基準値を算出し、
前記パターン基準情報生成部は、特定のパターンにおける前記カテゴリ点数及び前記基準値を含むパターン基準情報を生成する、装置である。
【0009】
本発明のパターン基準情報方法は、
取得工程、基準値算出工程、及びパターン基準情報生成工程を含み、
前記取得工程は、カテゴリ情報とカテゴリ点数情報とを取得し、
前記基準値算出工程は、前記カテゴリ点数を用いて、基準値を算出し、
前記パターン基準情報生成工程は、特定のパターンにおける前記カテゴリ点数及び前記基準値を含むパターン基準情報を生成する、方法である。
【0010】
本発明の第1のプログラムは、実測データ生成手順及び推定手順を含み、
前記実測データ生成手順は、取得手順、分類手順、カテゴリ点数算出手順、及び実測値算出手順を含み、
前記取得手順は、パターン推定対象情報を取得し、
前記分類手順は、前記パターン推定対象情報を、予め設定されたカテゴリ、カテゴリ点数及び基準値を含むパターン基準情報を用いて、前記パターン推定対象情報の内容をカテゴリ毎に分類し、
前記カテゴリ点数算出手順は、前記パターン基準情報に含まれるカテゴリ及びカテゴリ点数を用いて、前記カテゴリ毎に前記パターン推定対象情報のカテゴリ点数を算出し、
前記実測値算出手順は、カテゴリ点数算出手順が算出した前記カテゴリ毎の前記カテゴリ点数を用いて、実測値を算出し、
前記実測データ生成手順は、パターン推定対象情報の実測データとして、前記カテゴリ点数及び前記実測値を含む実測データを生成し、
前記推定手順は、前記パターン基準情報に含まれる基準値と、前記実測データに含まれる実測値とを比較し、予め設定した条件を満たす前記基準値の属するパターンを推定することをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0011】
本発明の第2のプログラムは、取得手順、基準値算出手順、及びパターン基準情報生成手順を含み、
前記取得手順は、カテゴリ情報とカテゴリ点数情報とを取得し、
前記基準値算出手順は、前記カテゴリ点数を用いて、基準値を算出し、
前記パターン基準情報生成手順は、特定のパターンにおける前記カテゴリ点数及び前記基準値を含むパターン基準情報を生成することをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、様々な周辺状況から特定の要素を抽出し、特定のパターンの事象を推定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施形態1の装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1の装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態1の装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態2の装置の一例の構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態2の装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施形態2の装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のパターン推定装置において、例えば、前記推定部は、さらに、前記パターン推定対象情報に含まれるカテゴリ点数と、前記実測データとしてのカテゴリ点数とを予め設定した条件に従って比較し、前記パターン基準情報に含まれるカテゴリ点数に最も近いパターンを推定する、という態様であってもよい。
【0015】
本発明のパターン推定装置は、例えば、さらに、カテゴリ抽出部、調査項目抽出部、及び提示部を含み、
前記カテゴリ抽出部は、前記パターン基準情報における前記カテゴリ点数と、前記実測データにおける前記カテゴリ点数とを比較し、前記実測データにおいて、予め定めた条件を満たすカテゴリを抽出し、
前記調査項目抽出部は、予め設定した条件に従って、パターン推定のために不足する情報を満たすため又はパターン推定の正確度を上げるための調査項目を抽出し、
前記提示部は、抽出した前記調査項目抽出部が抽出した前記調査項目に基づいて提示情報を提示する、という態様であってもよい。
【0016】
本発明のパターン基準情報生成装置において、例えば、前記取得部は、さらに、前記カテゴリに対する重みを示す重み情報を取得し、
前記基準値算出部は、前記カテゴリ点数及び前記重み情報を用いて、前記基準値を算出する、という態様であってもよい。
【0017】
本発明のパターン推定方法において、例えば、前記推定工程は、さらに、前記パターン推定対象情報に含まれるカテゴリ点数と、前記実測データとしてのカテゴリ点数とを予め設定した条件に従って比較し、前記パターン基準情報に含まれるカテゴリ点数に最も近いパターンを推定する、という態様であってもよい。
【0018】
本発明のパターン推定方法は、例えば、さらに、カテゴリ抽出工程、調査項目抽出工程、及び提示工程を含み、
前記カテゴリ抽出工程は、前記パターン基準情報における前記カテゴリ点数と、前記実測データにおける前記カテゴリ点数とを比較し、前記実測データにおいて、予め定めた条件を満たすカテゴリを抽出し、
前記調査項目抽出工程は、予め設定した条件に従って、パターン推定のために不足する情報を満たすため又はパターン推定の正確度を上げるための調査項目を抽出し、
前記提示工程は、抽出した前記調査項目抽出工程が抽出した前記調査項目に基づいて提示情報を提示する、という態様であってもよい。
【0019】
本発明のパターン基準情報生成方法において、例えば、前記取得工程は、さらに、前記カテゴリに対する重みを示す重み情報を取得し、前記基準値算出工程は、前記カテゴリ点数及び前記重み情報を用いて、前記基準値を算出する、という態様であってもよい。
【0020】
本発明の第1のプログラムは、例えば、本発明のパターン推定方法の各工程を、手順として、コンピュータに実行させるためのプログラムである。本発明の第2のプログラムは、本発明のパターン基準情報生成方法の各工程を、手順として、コンピュータに実行させるためのプログラムである。以下の説明において、例えば、前記パターン推定方法及び前記パターン基準情報生成方法をまとめて、「本発明の方法」ともいうことがある。また、以下の説明において、例えば、前記第1のプログラム及び前記第2のプログラムをまとめて、「本発明のプログラム」ということがある。
【0021】
本発明の記録媒体は、本発明のプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0022】
本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0023】
[実施形態1]
実施形態1は、本発明のパターン推定装置の例である。
【0024】
図1~
図3を用いて、本実施形態のパターン推定装置10(以下、「本装置10」ともいう)について説明する。
図1は、本実施形態のパターン推定装置10の一例の構成を示すブロック図である。
図1に示すとおり、パターン推定装置10は、実測データ生成部20及び推定部30を含み、実測データ生成部20は、取得部21、分類部22、カテゴリ点数算出部23、実測値算出部24を含む。さらに、本装置10は、例えば、
図1に示すように、例えば、カテゴリ抽出部40、調査項目抽出部50及び提示部60を含んでもよい。また、図示していないが、パターン推定装置10は、例えば、対応情報出力部を含んでもよい。なお、本実施形態のパターン推定装置10において、カテゴリ抽出部40、調査項目抽出部50及び提示部60並びに前記対応情報出力部は、任意の構成であり、あってもよいし、なくてもよい。
【0025】
本装置10は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。前記各部は、例えば、内部バスにより相互に接続されていてもよい。
【0026】
また、本装置10は、前記通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、WWW(World Wide Web)、電話回線、LAN(Local Area Network)、SAN(Storage Area Network)、DTN(Delay Tolerant Networking)、LPWA(Low Power Wide Area)、L5G(ローカル5G)、等があげられる。無線通信としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ローカル5G、LPWA等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態(Ad Hoc通信)、インフラストラクチャ(infrastructure通信)、アクセスポイントを介した間接通信等であってもよい。
【0027】
本装置10は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置10は、例えば、本発明のプログラム又は本発明のプログラムを含むアプリケーションがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末、ウエアラブル端末等であってもよい。本装置10は、例えば、メインメモリ上にロードされたアプリケーション(本発明のプログラム等)によって前記各部の機能を実現可能である。さらに、本装置10の各部の全部又は一部が、サーバ上で実現されてもよい。本装置10は、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0028】
図2に、本装置10のハードウエア構成のブロック図を例示する。本装置10は、例えば、中央処理装置(CPU、GPU等)101、メモリ102、バス103、記憶装置104、入力装置105、出力装置106、及び通信デバイス107等を含んでもよい。なお、これらは例示であって、本装置10のハードウエア構成は、前記各部の処理を実行可能であれば、これに限定されない。また、本装置10に含まれる中央処理装置101等の数も
図2の例示に限定されるものではなく、例えば、複数の中央処理装置101が本装置10に含まれていてもよい。本装置10のハードウエア構成の各部は、それぞれのインタフェース(I/F)により、バス103を介して相互に接続されている。
【0029】
中央処理装置101は、本装置10の全体の制御を担う。本装置10において、中央処理装置101により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。中央処理装置101は、例えば、取得部21、分類部22、カテゴリ点数算出部23、実測値算出部24、及び推定部30として機能する。また、中央処理装置101は、例えば、カテゴリ抽出部40、調査項目抽出部50、提示部60、及び対応情報出力部としても機能する。
【0030】
バス103は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、外部記憶装置(外部データベース等)、外部入力装置、外部出力装置、等があげられる。本装置10は、例えば、バス103に接続された通信デバイス107により、外部ネットワーク(前記通信回線網)に接続でき、外部ネットワークを介して、他の装置と接続することもできる。
【0031】
メモリ102は、例えば、メインメモリ(主記憶装置)が挙げられる。中央処理装置101が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置104に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ102が読み込み、中央処理装置101は、メモリ102からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、RAM(ランダムアクセスメモリ)である。また、メモリ102は、例えば、ROM(読み出し専用メモリ)であってもよい。
【0032】
記憶装置104は、例えば、前記メインメモリ(主記憶装置)に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置104には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置104は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、HD(ハードディスク)、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO、DVD、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置104は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ(HDD)、及びソリッドステートドライブ(SSD)であってもよい。
【0033】
本装置10において、メモリ102及び記憶装置104は、ログ情報、外部データベース(図示せず)や外部の装置から取得した情報、本装置10の各処理によって生じた情報、本装置10が各処理を実行する際に用いる情報等の種々の情報を記憶することも可能である。なお、少なくとも一部の情報は、例えば、メモリ102及び記憶装置104以外の外部サーバに記憶されていてもよいし、複数の端末にブロックチェーン技術等を用いて分散して記憶されていてもよい。
【0034】
本装置10は、例えば、さらに、入力装置105、及び出力装置106等のユーザインターフェイスを含んでもよい。入力装置105は、例えば、文字、数字、画面上に表示された物の位置、画像、音等を入力する装置であり、具体的には、デジタイザ(タッチパネル等)、キーボード、マウス、スキャナ、撮像装置、マイク、センサ等が挙げられる。出力装置106は、例えば、表示装置(LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ)、プリンター、スピーカー等が挙げられる。入力装置105及び出力装置106は、例えば、それらを組み合わせたタッチパネル等のユーザインターフェイスでもよい。
【0035】
次に、本実施形態のパターン推定方法の一例を、
図3のフローチャートに基づき説明する。本実施形態のパターン推定方法は、例えば、
図1及び
図2に示すパターン推定装置10を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態のパターン推定方法は、
図1及び
図2に示すパターン推定装置10の使用には限定されない。
【0036】
まず、取得部21により、パターン推定対象情報を取得する(S11、取得工程)。パターン推定対象情報は、特に制限されず、例えば、何らかの状態の把握や判定に必要な項目を含むものであればよい。前記パターン推定対象情報の形式は、特に制限されず、例えば、紙でもよいし、電子ファイルに記入する形でもよく、Web上の登録サイトに登録する形でもよいし、チャットシステムでの回答や、音声問合せによる音声での回答登録でもよい。前記パターン推定対象情報の具体例としては、例えば、ヒアリング、アセスメント、アンケート、テスト、モニタリング、調査、検査等があげられる。具体例として、本装置10が発生した児童虐待のパターンを推定する場合、前記パターン推定対象情報としては、例えば、保護者の心身の状態、性格的問題の有無、依存症の有無、家事・育児能力等の調査対象となる保護者(養育者ともいう)に対するヒアリング情報;子供の心身の発達状態、精神の状態、日常的世話の欠如の有無、行動・情緒的問題の有無、子の医師・気持ち等の、調査対象となる子供(被養育者ともいう)に対するヒアリング情報;母親の妊娠・出産前後に置ける状況、虐待の継続性、保護者からの子供への感情・態度、虐待自覚の有無、養育意欲の有無、養育知識の有無等の養育状況・態度に関するヒアリング情報;家族問題の有無、ドメスティックバイオレンスの有無、経済問題の有無、生活環境、保護者以外の子供を守る人間の有無等の、家庭に関するヒアリング情報;社会的支援の有無、関係機関の協力態度、援助効果の有無等の、サポートに関するヒアリング情報;等があげられる。また、前記パターン推定情報は、例えば、各情報に関し、その程度や確度の情報を含んでもよい。前記パターン推定情報が、例えば、ヒアリングシートに回答する形式で得られる情報である場合、例えば、前記ヒアリングシートにおける回答項目に、「不明」「はい」「やや」「疑い」「いいえ」等の選択箇所を設けることで、各項目に対する程度や確度の情報を得ることができる。また、取得部21は、前記パターン推定対象情報を、例えば、本装置10の外部から取得してもよいし、本装置10のメモリ102及び記憶装置104等に予め記憶しておき、メモリ102又は記憶装置104から取得してもよい。
【0037】
次に、分類部22により、前記パターン推定対象情報を、予め設定されたカテゴリ、カテゴリ点数及び基準値を含むパターン基準情報を用いて、前記パターン推定対象情報の内容をカテゴリ毎に分類する(S12、分類工程)。例えば、前記ヒアリングシート又は前記アセスメントシートの調査対象者が、後記実施形態2記載の「状態A1」及び「状態C2」に該当する旨を回答した場合には、それぞれ「カテゴリA」及び「カテゴリC」に分類する。また、前記パターン基準情報は、例えば、後記実施形態2記載のパターン基準情報生成装置70が生成するパターン基準情報でもよいし、任意に設定するものでもよい。前者の場合、本装置10は、例えば、パターン基準情報生成装置70と通信可能であってもよいし、パターン基準情報生成装置70をパターン基準生成部70として有していてもよい。また、本装置10は、通信回線網を介して、パターン基準情報生成装置70から前記パターン基準情報を取得してもよいし、パターン基準情報生成装置70が生成したパターン基準情報を記憶した外部のデータベースから前記パターン基準情報を取得してもよい。
【0038】
次に、カテゴリ点数算出部23により、前記パターン基準情報のカテゴリ点数及び基準値を用いて、前記パターン推定対象情報について、カテゴリ毎にカテゴリ点数を算出する(S13、カテゴリ点数算出工程)。例えば、調査対象者が後記実施形態2記載の「状態A1」及び「状態C2」に該当する場合には、それぞれ「カテゴリA」及び「カテゴリC」に分類するカテゴリ点数の算出にあたっては、「カテゴリA:1点」、「カテゴリC:2点」等とする。また、カテゴリ点数の算出にあたっては、例えば、前記選択肢の点数を合算する。
【0039】
次に、実測値算出部24により、前記カテゴリ点数を用いて、実測値を算出し(S14、実測値算出工程)、前記カテゴリ点数と前記実測値を含む実測データを生成する(S15、実測データ生成工程)。実測値算出部24は、例えば、実測値の算出にあたり、前記カテゴリ点数を合算して前記ヒアリング値を算出できる。また、前記パターン基準情報の生成時において、前記カテゴリに対する重み情報が取得されている場合、実測値算出部24は、例えば、前記重み情報に基づいて、各前記カテゴリ点数を一定の割合で加算の上、各前記カテゴリ点数を合算することで前記実測値を算出してもよい。
【0040】
次に、推定部30により、前記基準値と前記実測値とを比較し予め設定した条件を満たす前記基準値の属するパターンを推定する(S16、推定工程)。また、推定部30は、例えば、前記パターン基準情報としてのカテゴリ点数と前記実測データとしてのカテゴリ点数とを、予め設定した条件に従って比較し、前記カテゴリ点数算出工程が算出したカテゴリ点数に最も近いパターンを推定してもよいし、各パターンとの類似度を算出して比較して推定してもよいし、学習済みモデルにより推定してもよい。
【0041】
本装置10が、例えば、カテゴリ抽出部40、調査項目抽出部50及び提示部60を含む場合、さらに、カテゴリ抽出部40により、前記カテゴリごとに、前記パターン基準情報における前記カテゴリ点数と、前記実測データにおける前記カテゴリ点数とを比較し、予め定めた条件を満たすカテゴリを抽出し(S17)、差異があった場合には、調査項目抽出部50において、パターン推定のために不足する情報を満たすため又はパターン推定の正確度を上げるために必要な調査項目を抽出し、提示部60において、抽出した前記調査項目に基づいて提示情報を提示し(S19)、終了することもできる(END)。カテゴリ抽出部40の処理における前記予め設定した条件とは、例えば、前記パターン基準情報における前記カテゴリ点数と、前記実測データにおける前記カテゴリ点数とを比較し、不足するものを抽出してもよい。前記提示情報は、特に制限されず、例えば、前記抽出された調査項目に対応する質問、必要な調査項目、推奨行動情報等があげられる。前記推奨行動情報は、例えば、推定したパターンであった場合に推奨される行動の情報であり、例えば、調査対象者に推奨される行動でもよいし、調査対象者を調査する調査員に推奨される行動でもよい。提示部60による前記提示情報の提示の方法は、前記提示情報を確認可能な方法であれば特に制限されず、例えば、テキスト情報の提示、音声情報の提示、アラート表示等があげられる。具体例として、虐待が行われていると推定される場合、調査対象となる保護者と調査員とが接する場合がある。この場合において、虐待のパターンや、保護者の性格等に応じ、推奨される調査員の対応方法が異なる場合がある。このため、提示部60は、前記調査項目に基づく提示情報として、推定されるパターンに対応した調査員の対応方法(例えば、声のかけ方、話題の振り方等)等を提示(出力)できる。また、提示部60は、例えば、さらに、前記保護者またはその親族への提示情報(推奨行動情報)として、推定される虐待のパターン等に応じて、利用可能な制度、サービス(行政又は民間のいずれでもよい)等の情報を提示してもよい。このような態様によれば、例えば、虐待が推定される過程への保護者に対し、より適切な調査を行うための情報を提示できる。
【0042】
本装置10が、例えば、前記対応情報出力部を含む場合、前記対応情報出力部は、推定したパターンに基づいて対応情報を出力してもよい(対応情報出力工程)。具体的に、前記対応情報出力部は、例えば、対応判定モデルに前記判定対象情報及び前記虐待のパターンを入力して、前記対応情報を出力できる。前記対応判定モデルは、例えば、入力された前記判定対象情報及び前記虐待のパターンから対応情報を生成するように学習されたモデルである。前記対応判定モデルは、例えば、後述する対応学習部により構築してもよいし、予めメモリ102及び記憶装置104に記憶されていてもよいし、通信回線網を介して外部の学習済みモデル製造装置から取得してもよい。前記対応情報は、例えば、被養育者又は養育者に対し、推奨される行動の情報である。具体例として、前記対応情報は、例えば、被養育者の保護の要否(例えば、被養育者の緊急一時保護の要否、一時保護の要否、一時保護の検討の要否)、養育者及び被養育者の家庭への援助要否、援助の継続要否、経過観察の要否、行政支援の提案要否及び提案する行政支援の種類、医療機関への連絡要否、警察への連絡要否、被養育者の所属組織(例えば、学校)への連絡要否等があげられる。前記対応情報出力部が出力する対応情報は、例えば、1つでもよいし、2以上の複数でもよい。後者の場合、例えば、対応情報毎のスコアや適切度を併せて出力してもよい。
【0043】
前記対応判定モデルは、例えば、前記パターンを入力する入力層と、前記対応情報を出力する出力層と、入力層と出力層との間に設けられる少なくとも1層の中間層とを含む。前記対応判定モデルは、人工知能ソフトウェアの一部であるプログラムモジュールであってもよい。前記多層化ネットワークとしては、例えば、ニューラルネットワーク等が挙げられる。前記ニューラルネットワークとしては、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(Convolution Neural Network:CNN)等が挙げられるが、CNNに限定されず、CNN以外のニューラルネットワーク、SVM(Support Vector Machine)、ベイジアンネットワーク、回帰木等の他の学習アルゴリズムで構築された学習済みモデルであってもよい。
【0044】
前記対応判定モデルは、例えば、前記パターンと対応情報との組を教師データとして用いた機械学習によって生成できる。前記対応判定モデルの生成については、後述する。なお、前記対応判定モデルは、例えば、予め生成された学習済モデルでもよい。また、前記学習済モデルは、前記教師データと、既に生成された学習済モデルとを用いて、再学習させた学習済モデル(派生モデル)でもよい。前記虐待事例データは、例えば、前述の通りであり、虐待のパターンと、前記虐待パターンにおける被養育者情報及び養育者情報の少なくとも一方とを含む。さらに、前記学習済モデルは、前記教師データを用いて生成した学習済モデルを用いて転移学習することにより得られた学習済モデルでもよいし、前記教師データを用いて生成した学習済モデルをモデル圧縮することに生成した学習済モデルでもよい。
【0045】
本実施形態のパターン推定装置10によれば、例えば、アセスメントデータ内に様々な要素が盛り込まれ、回答の組合せが多量に想定される場合において、当該ヒアリングシートに対する回答から推測されるパターン(例えば、虐待であれば、ネグレクト・精神的虐待・身体的虐待等のパターン)を正確かつ短時間に把握することが可能となる。このため、例えば、虐待の被害の深刻化を未然に防ぐことができるようになる。
【0046】
[実施形態2]
図4は、本実施形態のパターン基準情報生成装置70(以下、「本装置70」ともいう)の一例の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、本装置70は、取得部71、基準値算出部72、及び、パターン基準情報生成部73を含む。
【0047】
本装置70は、例えば、前記各部を含む1つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。前記各部は、例えば、内部バスにより相互に接続されていてもよい。
【0048】
また、本装置70は、前記通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、例えば、前述と同様である。
【0049】
本装置70は、例えば、システムとしてサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置70は、例えば、本発明のプログラム又は本発明のプログラムを含むアプリケーションがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC、例えば、デスクトップ型、ノート型)、スマートフォン、タブレット端末、ウエアラブル端末等であってもよい。本装置70は、例えば、メインメモリ上にロードされたアプリケーション(本発明のプログラム等)によって前記各部の機能を実現可能である。さらに、本装置70の各部の全部又は一部が、サーバ上で実現されてもよい。本装置70は、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0050】
図5に、本装置70のハードウエア構成のブロック図を例示する。本装置70のハードウエア構成は、中央処理装置201が、取得部71、基準値算出部72、及びパターン基準情報生成部73を含む点を除き、
図2に示す本装置10のハードウエア構成と同様である。
【0051】
次に、本実施形態のパターンデータ生成方法の一例を、
図6のフローチャートに基づき説明する。本実施形態のパターンデータ生成方法は、例えば、
図4及び
図5に示すパターンデータ生成装置70を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態のパターン生成方法は、
図4及び
図5に示すパターンデータ生成装置70の使用には限定されない。
【0052】
まず、取得部71により、カテゴリ情報とカテゴリ点数情報とを取得する(S21、取得工程)。前記カテゴリ情報は、カテゴリに関する情報であり、具体的には、前記カテゴリは、「カテゴリA」、「カテゴリB」、「カテゴリC」等とし、例えば、「親」、「環境」、「社会」等が挙げられる。また、カテゴリ情報には、(カテゴリAに属する)「状態A1」及び「状態A2」、(カテゴリBに属する)「状態B1」及び「状態B2」、並びに(カテゴリCに属する)「状態C1」及び「状態C2」等とし、例えば、「予期せぬ妊娠」、「無関心」、「手帳」等といった要素に関する情報を含んでもよい。前記カテゴリは、例えば、1種類でもよいし2種類以上の複数でもよいが、2種類以上の複数であることが好ましい。前記カテゴリ点数情報は、前記カテゴリに付与された点数に関する情報である。例えば、「カテゴリA:3点」「カテゴリB:2点」等の情報が挙げられ、また、前記要素に関する点数として「状態A1:1点」、「状態A2:2点」、「状態B1:1点」、「状態B2:2点」、「状態C1:1点」、「状態C2:2点」等の情報を含んでもよい。
【0053】
取得部71は、例えば、前記カテゴリに対する重みを示す重み情報を取得してもよい。また、取得部71は、例えば、前記カテゴリ情報及び前記基準点情報並びに前記重み情報を、本装置70の外部から取得してもよいし、本装置70のメモリ202及び記憶装置204等に予め記憶しておき、メモリ202又は記憶装置204から取得してもよい。
【0054】
次に、基準値算出部72により、前記カテゴリ点数を用いて、基準値を算出する(S22、基準値算出工程)。基準値算出部72は、例えば、前記基準値を算出するにあたり、各前記カテゴリ点数を合算することで前記基準値を算出してもよい。また、基準値算出部72による処理はこれには限定されず、例えば、S21において、前記重み情報が取得されている場合、前記重み情報に基づいて各前記カテゴリ点数を一定の割合で加算の上、各カテゴリ点数を合算することで前記基準値を算出してもよい。
【0055】
次に、パターン基準情報生成部73により、特定のパターンにおける前記カテゴリ点数及び前記基準値を含むパターン基準情報を生成し(S23、パターン基準情報生成工程)、処理を終了する(END)。前記パターン基準情報は、例えば、前記カテゴリ点数及び前記基準値に基づいて、「パターン(1):基準値3点」、「パターン(2):基準値10点」、「パターン(3):基準値15点」等と分類できる。前記パターン基準情報の具体例としては、例えば、「パターン(1):ネグレクト」、「パターン(2):身体的虐待」、「パターン(3):精神的虐待」等と分類できる。
【0056】
[実施形態3]
本実施形態のプログラムは、本発明の方法の各工程を、手順として、コンピュータに実行させるためのプログラムである。本発明において、「手順」は、「処理」と読み替えてもよい。本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてもよい。前記記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)である。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、フラッシュメモリー(例えば、SSD(Solid State Drive)、USBフラッシュメモリー、SD/SDHCカード等)、光ディスク(例えば、CD‐R/CD‐RW、DVD‐R/DVD‐RW、BD‐R/BD‐RE等)、光磁気ディスク(MO)、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。また、本実施形態のプログラム(例えば、プログラミング製品、又はプログラム製品ともいう)は、例えば、外部のコンピュータから配信される形態であってもよい。前記「配信」は、例えば、通信回線網を介した配信でもよいし、有線で接続された装置を介した配信であってもよい。本実施形態のプログラムは、配信された装置にインストールされて実行されてもよいし、インストールされずに実行されてもよい。
【0057】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0058】
この出願は、2022年3月29日に出願された日本出願特願2022-054052を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
【0059】
<付記>
上記の実施形態及び実施例の全部又は一部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
実測データ生成部及び推定部を含み、
前記実測データ生成部は、取得部、分類部、カテゴリ点数算出部、及び実測値算出部を含み、
前記取得部は、パターン推定対象情報を取得し、
前記分類部は、前記パターン推定対象情報を、予め設定されたカテゴリ、カテゴリ点数及び基準値を含むパターン基準情報を用いて、前記パターン推定対象情報の内容をカテゴリ毎に分類し、
前記カテゴリ点数算出部は、前記パターン基準情報に含まれるカテゴリ及びカテゴリ点数を用いて、前記カテゴリ毎に前記パターン推定対象情報のカテゴリ点数を算出し、
前記実測値算出部は、カテゴリ点数算出部が算出した前記カテゴリ毎の前記カテゴリ点数を用いて、実測値を算出し、
前記実測データ生成部は、パターン推定対象情報の実測データとして、前記カテゴリ点数及び前記実測値を含む実測データを生成し、
前記推定部は、前記パターン基準情報に含まれる基準値と、前記実測データに含まれる実測値とを比較し、予め設定した条件を満たす前記基準値の属するパターンを推定する、パターン推定装置。
(付記2)
前記推定部は、さらに、前記パターン推定対象情報に含まれるカテゴリ点数と、前記実測データとしてのカテゴリ点数とを予め設定した条件に従って比較し、前記パターン基準情報に含まれるカテゴリ点数に最も近いパターンを推定する、付記1記載のパターン推定装置。
(付記3)
さらに、カテゴリ抽出部、調査項目抽出部、及び提示部を含み、
前記カテゴリ抽出部は、前記パターン基準情報における前記カテゴリ点数と、前記実測データにおける前記カテゴリ点数とを比較し、前記実測データにおいて、予め定めた条件を満たすカテゴリを抽出し、
前記調査項目抽出部は、予め設定した条件に従って、パターン推定のために不足する情報を満たすため又はパターン推定の正確度を上げるための調査項目を抽出し、
前記提示部は、抽出した前記調査項目抽出部が抽出した前記調査項目に基づいて提示情報を提示する、付記1又は2記載のパターン推定装置。
(付記4)
対応情報出力部を含み、
前記対応情報出力部は、推定したパターンに基づいて、対応情報を出力する、付記1から3のいずれかに記載のパターン推定装置。
(付記5)
取得部、基準値算出部、及びパターン基準情報生成部を含み、
前記取得部は、カテゴリ情報とカテゴリ点数情報とを取得し、
前記基準値算出部は、前記カテゴリ点数を用いて、基準値を算出し、
前記パターン基準情報生成部は、特定のパターンにおける前記カテゴリ点数及び前記基準値を含むパターン基準情報を生成する、パターン基準情報生成装置。
(付記6)
前記取得部は、さらに、前記カテゴリに対する重みを示す重み情報を取得し、
前記基準値算出部は、前記カテゴリ点数及び前記重み情報を用いて、前記基準値を算出する、付記5記載のパターン基準情報装置。
(付記7)
実測データ生成工程及び推定工程を含み、
前記実測データ生成工程は、取得工程、分類工程、カテゴリ点数算出工程、及び実測値算出工程を含み、
前記取得工程は、パターン推定対象情報を取得し、
前記分類工程は、前記パターン推定対象情報を、予め設定されたカテゴリ、カテゴリ点数及び基準値を含むパターン基準情報を用いて、前記パターン推定対象情報の内容をカテゴリ毎に分類し、
前記カテゴリ点数算出工程は、前記パターン基準情報に含まれるカテゴリ及びカテゴリ点数を用いて、前記カテゴリ毎に前記パターン推定対象情報のカテゴリ点数を算出し、
前記実測値算出工程は、カテゴリ点数算出工程が算出した前記カテゴリ毎の前記カテゴリ点数を用いて、実測値を算出し、
前記実測データ生成工程は、パターン推定対象情報の実測データとして、前記カテゴリ点数及び前記実測値を含む実測データを生成し、
前記推定工程は、前記パターン基準情報に含まれる基準値と、前記実測データに含まれる実測値とを比較し、予め設定した条件を満たす前記基準値の属するパターンを推定する、パターン推定方法。
(付記8)
前記推定工程は、さらに、前記パターン推定対象情報に含まれるカテゴリ点数と、前記実測データとしてのカテゴリ点数とを予め設定した条件に従って比較し、前記パターン基準情報に含まれるカテゴリ点数に最も近いパターンを推定する、付記7記載のパターン推定方法。
(付記9)
さらに、カテゴリ抽出工程、調査項目抽出工程、及び提示工程を含み、
前記カテゴリ抽出工程は、前記パターン基準情報における前記カテゴリ点数と、前記実測データにおける前記カテゴリ点数とを比較し、前記実測データにおいて、予め定めた条件を満たすカテゴリを抽出し、
前記調査項目抽出工程は、予め設定した条件に従って、パターン推定のために不足する情報を満たすため又はパターン推定の正確度を上げるための調査項目を抽出し、
前記提示工程は、抽出した前記調査項目抽出工程が抽出した前記調査項目に基づいて提示情報を提示する、付記7又は8記載のパターン推定方法。
(付記10)
対応情報出力工程を含み、
前記対応情報出力工程は、推定したパターンに基づいて、対応情報を出力する、付記7から9のいずれかに記載のパターン推定方法。
(付記11)
取得工程、基準値算出工程、及びパターン基準情報生成工程を含み、
前記取得工程は、カテゴリ情報とカテゴリ点数情報とを取得し、
前記基準値算出工程は、前記カテゴリ点数を用いて、基準値を算出し、
前記パターン基準情報生成工程は、特定のパターンにおける前記カテゴリ点数及び前記基準値を含むパターン基準情報を生成する、パターン基準情報生成方法。
(付記12)
前記取得工程は、さらに、前記カテゴリに対する重みを示す重み情報を取得し、
前記基準値算出工程は、前記カテゴリ点数及び前記重み情報を用いて、前記基準値を算出する、付記10記載のパターン基準情報生成方法。
(付記13)
実測データ生成手順及び推定手順を含み、
前記実測データ生成手順は、取得手順、分類手順、カテゴリ点数算出手順、及び実測値算出手順を含み、
前記取得手順は、パターン推定対象情報を取得し、
前記分類手順は、前記パターン推定対象情報を、予め設定されたカテゴリ、カテゴリ点数及び基準値を含むパターン基準情報を用いて、前記パターン推定対象情報の内容をカテゴリ毎に分類し、
前記カテゴリ点数算出手順は、前記パターン基準情報に含まれるカテゴリ及びカテゴリ点数を用いて、前記カテゴリ毎に前記パターン推定対象情報のカテゴリ点数を算出し、
前記実測値算出手順は、カテゴリ点数算出手順が算出した前記カテゴリ毎の前記カテゴリ点数を用いて、実測値を算出し、
前記実測データ生成手順は、パターン推定対象情報の実測データとして、前記カテゴリ点数及び前記実測値を含む実測データを生成し、
前記推定手順は、前記パターン基準情報に含まれる基準値と、前記実測データに含まれる実測値とを比較し、予め設定した条件を満たす前記基準値の属するパターンを推定することをコンピュータに実行させるためのプログラム。
(付記14)
前記推定手順は、さらに、前記パターン推定対象情報に含まれるカテゴリ点数と、前記実測データとしてのカテゴリ点数とを予め設定した条件に従って比較し、前記パターン基準情報に含まれるカテゴリ点数に最も近いパターンを推定する、付記13記載のプログラム。
(付記15)
さらに、カテゴリ抽出手順、調査項目抽出手順、及び提示手順を含み、
前記カテゴリ抽出手順は、前記パターン基準情報における前記カテゴリ点数と、前記実測データにおける前記カテゴリ点数とを比較し、前記実測データにおいて、予め定めた条件を満たすカテゴリを抽出し、
前記調査項目抽出手順は、予め設定した条件に従って、パターン推定のために不足する情報を満たすため又はパターン推定の正確度を上げるための調査項目を抽出し、
前記提示手順は、抽出した前記調査項目抽出手順が抽出した前記調査項目に基づいて提示情報を提示する、付記13又は14記載のプログラム。
(付記16)
対応情報出力手順を含み、
前記対応情報出力手順は、推定したパターンに基づいて、対応情報を出力する、付記13から15のいずれかに記載のプログラム。
(付記17)
取得手順、基準値算出手順、及びパターン基準情報生成手順を含み、
前記取得手順は、カテゴリ情報とカテゴリ点数情報とを取得し、
前記基準値算出手順は、前記カテゴリ点数を用いて、基準値を算出し、
前記パターン基準情報生成手順は、特定のパターンにおける前記カテゴリ点数及び前記基準値を含むパターン基準情報を生成することをコンピュータに実行させるためのプログラム。
(付記18)
前記取得手順は、さらに、前記カテゴリに対する重みを示す重み情報を取得し、
前記基準値算出手順は、前記カテゴリ点数及び前記重み情報を用いて、前記基準値を算出する、付記17記載のプログラム。
(付記19)
実測データ生成手順及び推定手順を含み、
前記実測データ生成手順は、取得手順、分類手順、カテゴリ点数算出手順、及び実測値算出手順を含み、
前記取得手順は、パターン推定対象情報を取得し、
前記分類手順は、前記パターン推定対象情報を、予め設定されたカテゴリ、カテゴリ点数及び基準値を含むパターン基準情報を用いて、前記パターン推定対象情報の内容をカテゴリ毎に分類し、
前記カテゴリ点数算出手順は、前記パターン基準情報に含まれるカテゴリ及びカテゴリ点数を用いて、前記カテゴリ毎に前記パターン推定対象情報のカテゴリ点数を算出し、
前記実測値算出手順は、カテゴリ点数算出手順が算出した前記カテゴリ毎の前記カテゴリ点数を用いて、実測値を算出し、
前記実測データ生成手順は、パターン推定対象情報の実測データとして、前記カテゴリ点数及び前記実測値を含む実測データを生成し、
前記推定手順は、前記パターン基準情報に含まれる基準値と、前記実測データに含まれる実測値とを比較し、予め設定した条件を満たす前記基準値の属するパターンを推定することをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記20)
前記推定手順は、さらに、前記パターン推定対象情報に含まれるカテゴリ点数と、前記実測データとしてのカテゴリ点数とを予め設定した条件に従って比較し、前記パターン基準情報に含まれるカテゴリ点数に最も近いパターンを推定する、付記19記載の記録媒体。
(付記21)
さらに、カテゴリ抽出手順、調査項目抽出手順、及び提示手順を含み、
前記カテゴリ抽出手順は、前記パターン基準情報における前記カテゴリ点数と、前記実測データにおける前記カテゴリ点数とを比較し、前記実測データにおいて、予め定めた条件を満たすカテゴリを抽出し、
前記調査項目抽出手順は、予め設定した条件に従って、パターン推定のために不足する情報を満たすため又はパターン推定の正確度を上げるための調査項目を抽出し、
前記提示手順は、抽出した前記調査項目抽出手順が抽出した前記調査項目に基づいて提示情報を提示する、付記19又は20記載の記録媒体。
(付記22)
対応情報出力手順を含み、
前記対応情報出力手順は、推定したパターンに基づいて、対応情報を出力する、付記19から21のいずれかに記載の記録媒体。
(付記23)
取得手順、基準値算出手順、及びパターン基準情報生成手順を含み、
前記取得手順は、カテゴリ情報とカテゴリ点数情報とを取得し、
前記基準値算出手順は、前記カテゴリ点数を用いて、基準値を算出し、
前記パターン基準情報生成手順は、特定のパターンにおける前記カテゴリ点数及び前記基準値を含むパターン基準情報を生成することをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記24)
前記取得手順は、さらに、前記カテゴリに対する重みを示す重み情報を取得し、
前記基準値算出手順は、前記カテゴリ点数及び前記重み情報を用いて、前記基準値を算出する、付記23記載の記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明によれば、アセスメントデータにおいて様々な要素が盛り込まれ、回答の組合せが多量に想定される場合において、当該アセスメントデータの内容から推測される特定のパターンの事象を予測することが可能となる。このため、本発明は、例えば、リスクの拡大を防ぐためにアセスメントデータが作成される分野(医療・福祉・教育等)全てにおいて有用である。
【符号の説明】
【0061】
10 パターン推定装置
20 実測データ生成部
21 取得部
22 分類部
23 カテゴリ点数算出部
24 実測値算出部
30 推定部
40 カテゴリ抽出部
50 要素抽出部
60 提示部
70 パターン基準情報生成装置
71 取得部
72 基準値算出部
73 パターン基準情報生成部
101 中央処理装置
102 メモリ
103 バス
104 記憶装置
105 入力装置
106 表示装置
107 通信デバイス
201 中央処理装置
202 メモリ
203 バス
204 記憶装置
205 入力装置
206 表示装置
207 通信デバイス