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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147191
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】プログラム及びゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/798 20140101AFI20231004BHJP
   A63F 13/20 20140101ALI20231004BHJP
   A63F 13/95 20140101ALI20231004BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20231004BHJP
【FI】
A63F13/798
A63F13/20 A
A63F13/95 A
A63F13/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023009581
(22)【出願日】2023-01-25
(62)【分割の表示】P 2022054226の分割
【原出願日】2022-03-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)ウェブサイトの掲載日及びウェブサイトの掲載アドレス ・掲載日:令和4年2月24日 ・掲載アドレス:https://www.carddass.com/dbh/sdbh_bm/news/ugm_005.php ・公開者:株式会社バンダイ (2)公開日及び販売場所 ・公開日:令和4年3月10日 ・販売場所:全国に設置されているゲーム装置 ・公開者:株式会社バンダイ
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福岡 麗南
(72)【発明者】
【氏名】赤井 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】黒田 理人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 亜以子
(72)【発明者】
【氏名】衣川 航平
(57)【要約】
【課題】対戦ゲームにおける興趣性を増大させる。
【解決手段】プログラムは、プレイヤ同士を対戦させる対戦ゲームを実行可能なコンピュータに、第1プレイヤに対応付けられた第1種別キャラクタと、第2プレイヤに対応付けられた第2種別キャラクタと、いずれのプレイヤにも対応付けられていない第3種別キャラクタとをそれぞれ異なるグループに分類する分類処理と、対戦ゲームの進行と分類処理の処理内容を制御する制御処理と、を実行させるプログラムであって、第1プレイヤに係る対戦ゲームの進行が所定の条件を満たした場合に、制御処理において、第3種別キャラクタを第1種別キャラクタと同一のグループに分類するよう分類処理が制御され、第2プレイヤに係る対戦ゲームの進行が所定の条件を満たした場合に、制御処理において、第3種別キャラクタを第2種別キャラクタと同一のグループに分類するよう分類処理が制御される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤ同士を対戦させる対戦ゲームを実行可能なゲーム装置であって、
実物品からの情報取得に基づいて、プレイヤの操作対象となるキャラクタを登録する登録手段と、
前記登録手段により登録された第1プレイヤの操作対象である第1種別キャラクタと、前記登録手段により登録された第2プレイヤの操作対象である第2種別キャラクタと、実物品からの情報取得に基づかずに登録され、プレイヤの操作対象ではない第3種別キャラクタとをそれぞれ異なるグループに分類する分類手段と、
前記対戦ゲームの進行と前記分類手段の動作を制御する制御手段と、
を備え、
各プレイヤには、前記対戦ゲームの進行に応じて変動するランクが対応付けられており、
前記制御手段は、各プレイヤのランクを、前記対戦ゲームの進行中に実行した部分ゲームの結果に応じて増減し、
前記制御手段は、
前記第1プレイヤのランクが所定のランクに至った場合に、前記第3種別キャラクタを前記第1種別キャラクタと同一のグループに分類させるよう前記分類手段を制御し、
前記第2プレイヤのランクが前記所定のランクに至った場合に、前記第3種別キャラクタを前記第2種別キャラクタと同一のグループに分類させるよう前記分類手段を制御するゲーム装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記第3種別キャラクタが前記第1種別キャラクタと同一のグループに分類されたことを条件として、当該第3種別キャラクタによる行動の効果が適用される対象を前記第2種別キャラクタに設定し、
前記第3種別キャラクタが前記第2種別キャラクタと同一のグループに分類されたことを条件として、当該第3種別キャラクタによる行動の効果が適用される対象を前記第1種別キャラクタに設定する請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記第3種別キャラクタが前記第1種別キャラクタと同一のグループに分類されたことを条件として、当該第3種別キャラクタを前記第1プレイヤの操作対象のキャラクタとして設定し、
前記第3種別キャラクタが前記第2種別キャラクタと同一のグループに分類されたことを条件として、当該第3種別キャラクタを前記第2プレイヤの操作対象のキャラクタとして設定する請求項1または2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記第3種別キャラクタによる行動の前記対戦ゲームの進行への影響度が、前記第1種別キャラクタ及び前記第2種別キャラクタによるものよりも大きく設定される請求項2または3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記制御手段は、少なくともいずれかのプレイヤのランクが前記所定のランクに至った場合に、前記第3種別キャラクタを行動不可能な状態から行動可能な状態に制御する請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記ゲーム装置は、前記第1種別キャラクタ、前記第2種別キャラクタ及び前記第3種別キャラクタを含むゲーム画面を提示する提示手段を、さらに備え、
前記制御手段は、前記提示手段の動作をさらに制御し、
前記制御手段は、少なくともいずれかのプレイヤのランクが前記所定のランクに至った場合に、前記第3種別キャラクタの外観を視認不可能な態様から視認可能な態様に変化させるよう前記提示手段を制御する請求項1乃至5のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記第3種別キャラクタの外観は、前記視認可能な態様において、前記第1種別キャラクタ及び前記第2種別キャラクタの外観よりも大きい請求項6に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記制御手段は、各プレイヤのランクが、当該プレイヤの操作対象であるキャラクタのうちの前記部分ゲームに参加するキャラクタの数に応じた量だけ増加される請求項1乃至7のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記部分ゲームは、複数種類設けられており、
前記制御手段は、各プレイヤのランクの増減態様を、実行した前記部分ゲームの種類に応じて異ならせる請求項1乃至8のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項10】
前記制御手段は、第1種類の前記部分ゲームに敗北したプレイヤのランクを減少させる請求項9に記載のゲーム装置。
【請求項11】
前記第1種類の部分ゲームの結果には複数の態様が含まれ、
前記制御手段は、前記第1種類の部分ゲームの結果の態様に応じて、当該部分ゲームに敗北したプレイヤのランクの減少量を異ならせる請求項10に記載のゲーム装置。
【請求項12】
前記制御手段は、
第2種類の前記部分ゲームに勝利したプレイヤのランクを増加させ、
第3種類の前記部分ゲームに勝利したプレイヤのランクを減少させる
請求項9乃至11のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項13】
前記対戦ゲームは、フェーズを重ねて進行するものであり、1つのフェーズにおいて複数回の前記部分ゲームが実行され、
前記第3種別キャラクタは、前記第1種別キャラクタと同一のグループ及び前記第2種別キャラクタと同一のグループのそれぞれに分類可能なよう複数体設けられており、
前記制御手段は、
同一のフェーズにおいて前記第1プレイヤ及び前記第2プレイヤのランクが前記所定のランクに至った場合に、第4種類の前記部分ゲームを実行し、
前記第4種類の部分ゲームに敗北したプレイヤの操作対象であるキャラクタを、前記第1種別キャラクタと同一のグループに分類された前記第3種別キャラクタと前記第2種別キャラクタと同一のグループに分類された前記第3種別キャラクタによる行動の効果が適用される対象として設定する
請求項12に記載のゲーム装置。
【請求項14】
前記制御手段は、実行する前記部分ゲームの種類を抽選処理により決定する請求項9乃至13のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項15】
前記対戦ゲームは、いずれか一方のプレイヤの操作対象である全キャラクタの体力が0となったことを条件として終了するものであり、
前記制御手段は、実行した前記部分ゲームに敗北したプレイヤの操作対象であるキャラクタの体力を減少させる請求項9乃至14のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及びゲーム装置に関し、特に各プレイヤに対応付けられたキャラクタを用いて進行する対戦型の電子ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のキャラクタを連携させた攻撃手段が設けられた電子ゲームがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-029610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の電子ゲームでは、基本的にはプレイヤが操作可能なキャラクタは、ゲームの開始当初に登録された味方キャラクタのみであり、興趣性が限定される可能性があった。
【0005】
本発明は、対戦ゲームにおける興趣性を増大させるプログラム及びゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様のプログラムは、プレイヤ同士を対戦させる対戦ゲームを実行可能なコンピュータに、第1プレイヤに対応付けられた第1種別キャラクタと、第2プレイヤに対応付けられた第2種別キャラクタと、いずれのプレイヤにも対応付けられていない第3種別キャラクタとをそれぞれ異なるグループに分類する分類処理と、対戦ゲームの進行と分類処理の処理内容を制御する制御処理と、を実行させるプログラムであって、第1プレイヤに係る対戦ゲームの進行が所定の条件を満たした場合に、制御処理において、第3種別キャラクタを第1種別キャラクタと同一のグループに分類するよう分類処理が制御され、第2プレイヤに係る対戦ゲームの進行が所定の条件を満たした場合に、制御処理において、第3種別キャラクタを第2種別キャラクタと同一のグループに分類するよう分類処理が制御される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、対戦ゲームにおける興趣性を増大させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100のハードウェア構成を例示したブロック図
図2】本発明の実施形態及び変形例に係る乱入キャラクタの登場に係る一連の演出を説明するための図
図3】本発明の実施形態に係るゲーム処理を例示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、複数のプレイヤを対戦させる対戦ゲームを実行可能なゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、プレイヤ同士の対戦ゲームを実行することが可能な任意の機器に適用可能である。
【0011】
《ゲーム装置のハードウェア構成》
図1は、本実施形態に係るゲーム装置100のハードウェア構成を示したブロック図である。
【0012】
制御部101は、CPU等のプロセッサであり、ゲーム装置100が備える各ハードウェアの動作制御、及びゲームのプレイ体験の提供機能を含む各種機能の実現に係る制御を行う。具体的には制御部101は、例えば記憶装置102に記憶されている必要なプログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより該当の制御を行う。
【0013】
記憶装置102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的な情報記憶が可能な装置である。記憶装置102は、ゲーム装置100を動作させるためのオペレーティングシステムやプレイ体験を提供するゲームに係るプログラムに加え、各種制御の実現に必要となるパラメータの情報や、プレイ体験を提供するゲームに係る各種データを記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各プログラムの展開領域としてだけでなく、各種ハードウェアの動作や各種制御の過程で出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられるものであってよい。
【0014】
GPU104は、ゲームのプレイ体験の提供中に提示されるゲーム画面やその他の画面・画像の生成に係る、各種の描画処理を実行する描画装置である。GPU104は、不図示のGPUメモリを含み、記憶装置102から読み出された各種グラフィックスデータを展開し、所定の演算を行って画面をはじめとする各種の画像を生成する。GPU104により生成された画面や画像は、例えばゲーム装置100が具備する提示装置110が含む表示装置に表示されることで、プレイヤに提示される。
【0015】
提示装置110は、ゲーム装置100が備える情報提示機能を備えた装置である。1つの態様では、提示装置110は、GPU104により生成された画面を表示する、液晶ディスプレイ等の表示装置を含む。またゲーム装置100における情報提示の手段は、表示装置や照明装置のような視覚的な情報提示を実現するものに限られるものではなく、聴覚的な情報提示を実現するスピーカ等の音声出力装置、触覚的な情報提示を実現する力覚提示装置等、他の種類の情報提示手段を含むものであってよい。その場合、提示する情報は、例えば記憶装置102から読み出されたデータや、制御部101が随時構成したデータであってよい。
【0016】
操作I/F105は、ゲーム装置100が備える操作入力を受け付けるユーザインタフェースである。操作I/F105は、操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。1つの態様において、操作I/F105は、例えば決定入力用のボタンや選択入力用のボタン等の操作部材や各種センサ等を含む。また提示装置110がタッチ入力を検出可能な表示装置を含む態様では、操作I/F105は、当該表示装置に設けられた、タッチ入力検出センサを含む。
【0017】
通信I/F106は、ゲーム装置100が備える外部装置との通信インタフェースである。通信I/F106と外部装置との間の情報通信は、インターネット等の広域通信網(WAN)を介して行われるものであってもよいし、LAN等を介して行われるものであってもよい。通信I/F106が行う情報通信は、有線及び無線のいずれで行われるものであってもよく、後者の場合、例えば近距離無線通信や近接無線通信も含み得る。
【0018】
支払装置120は、ゲーム装置100の利用に係る代価の支払いを受け付ける装置である。代価は、例えば不図示の投入口に所定の金額の硬貨や相当するコインが投入されたこと、あるいは所定の電子マネーに係るチップとの通信に基づく決済処理が完了したこと等により支払われたものとして扱うことができる。支払装置120は、代価の支払いがなされたことを検出すると、その旨を示す制御信号を制御部101に出力する。以下の説明では特に断りのない限り、ゲーム装置100は、いずれのプレイヤにも利用されていない状態(スタンバイ状態)において代価の支払いが検出された場合に、その状態を、ゲームのプレイ体験を提供可能な状態に切り替え、プレイヤへのサービス提供を開始するものとする。
【0019】
リーダ130は、ゲーム装置100が備える実物品からの情報取得を行う装置である。リーダ130の情報取得方式は、例えば撮像装置により実物品の外観に付されたコードを読み取る方式を用いることができる。別の態様では、リーダ130の情報取得方式は、例えば実物品に内蔵された所定のチップから情報を読み出す方式や、ゲーム装置100に実物品を装着した際の装着部における所定のスイッチの入力態様や接続端子の導通態様等を監視する方式等、任意の情報取得方式を採用することもできる。リーダ130により取得された情報は、制御部101に伝送され、例えばゲームの進行やサービス提供内容を制御するために用いられる。
【0020】
提供装置140は、予め収容した実物品を提供する機能を具備した装置である。本実施形態のゲーム装置100は、例えばサービス提供の開始時等の所定の条件が満たされた場合に、制御部101による制御を受けて提供装置140が規定数の実物品を提供するよう構成される。1つの態様において、提供装置140は、内蔵するストッカに収容された実物品を、その収容順に提供することができる。また別の態様では、提供装置140は、収容された実物品に対して、所定の加工を施した上で提供することもできる。提供装置140により提供される実物品は、1つの態様では、リーダ130によって取得可能な情報が付された物品とすることもできる。
【0021】
本実施形態では、ゲーム装置100の筐体にこれらのハードウェア構成が内蔵されるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、提示装置110、支払装置120、リーダ130及び提供装置140の少なくともいずれかは、ゲーム装置100の筐体外部に設けられ、ゲーム装置100と接続されることにより利用可能に構成されるものであってもよい。
【0022】
《対戦ゲームの概要》
以下、このようなハードウェア構成を有する本実施形態のゲーム装置100でプレイ体験が提供される対戦ゲームについて、その概要を説明する。
【0023】
なお、対戦ゲームは、1台のゲーム装置100を複数のプレイヤで利用する場合に、当該プレイヤ同士を対戦させるよう実施されるものであってもよいし、複数のプレイヤが各々異なるゲーム装置100を利用する場合に、当該プレイヤ同士を対戦させるよう実施されるものであってもよい。後者の場合、複数のゲーム装置100がネットワークを介して不図示のゲームサーバに設けられたゲームセッションに接続することで、互いの操作入力の情報やゲームの進行を共有して対戦ゲームを成立させることができる。ここで、ゲームサーバを介して対戦ゲームを実施する態様では、当該ゲームサーバにおいて、いずれのゲーム装置100を利用するプレイヤ同士を対戦させるかを決定するマッチング処理が行われるものであってよい。また発明の理解を容易にすべく、本実施形態の対戦ゲームは2人のプレイヤを対戦させるものとして説明するが、本発明の実施がこれに限られるものではなく、3人以上のプレイヤ同士が対戦する対戦ゲームにも適用可能であることは容易に理解されよう。また別の態様において、対戦ゲームは、思考プログラムやAI等とプレイヤとの間で行われるもの(1人用ゲームプレイ)を含んでもよい。
【0024】
本実施形態のゲーム装置100において実行される対戦ゲームでは、各プレイヤは対戦ゲームの開始前に使用する1以上のキャラクタを登録し、各プレイヤの操作対象としてゲームに登場させることができる。使用するキャラクタの登録は、本実施形態ではプレイヤが実物品の情報をリーダ130に読み取らせることで行われる。ここで、ゲーム装置100において対戦ゲームに使用可能な実物品はカードであり、カードには対応付けられたキャラクタを一意に特定する情報が付されているものとする。従って、プレイヤは、ゲーム装置100が有する不図示の載置面にカードを載置することで、当該カードに付された情報をリーダ130に読み取らせ、当該カードに対応付けられたキャラクタを操作対象のキャラクタとして登録することができる。
【0025】
またリーダ130は、載置面に載置されたカードの各々について載置面上の位置を取得可能に構成されており、カードの移動(載置位置の時間推移)をプレイヤによる操作入力として取得することができる。即ち、プレイヤは、載置面に載置したカードを移動操作することで、対戦ゲームに係る操作入力を行うこともできる。
【0026】
本実施形態の対戦ゲームはフェーズを重ねて進行するものであり、各フェーズの開始前に、当該フェーズでの操作対象のキャラクタに行わせる行動の決定に係る操作入力を受け付ける期間(行動決定期間)が設けられる。各プレイヤは、当該期間において載置面に載置しているカードを移動することで、各カードに対応付けられたキャラクタに行わせる行動を指定することができる。本実施形態では、載置面には、フェーズにおいて攻撃行動を行うキャラクタを載置する領域と、攻撃行動を行わずに回復・防御行動を行うキャラクタを載置する領域とが設けられ、各プレイヤは行動決定期間において使用するキャラクタに係るカードの載置位置を変更する移動操作により、いずれの行動を行わせるかを指定することができる。
【0027】
各フェーズの内容については後述するが、各フェーズでは、該当のキャラクタの攻撃行動の成否を決定するための1以上の部分ゲーム(ミニゲーム)が実行され、基本的には各攻撃行動の解決がなされる。対戦ゲームは、このような攻撃行動の結果、いずれかのプレイヤの操作対象である全てのキャラクタの体力が0となった、あるいは、規定数のフェーズが進行したことを条件としてプレイ体験が終了するよう構成される。
【0028】
〈乱入キャラクタの登場〉
ところで、このように各プレイヤが開始前に登録したキャラクタのみが登場する態様では、例えばゲームの展開が固定的になり得る、優勢劣勢が序盤で確定し得る等、対戦ゲームの興趣性が限定的となり得る。本実施形態のゲーム装置100では、より興趣性の高いプレイ体験を提供すべく、本発明に係る第3種別キャラクタとしての、各プレイヤの操作対象ではない乱入キャラクタを対戦ゲームに登場させる。当該乱入キャラクタが登場する対戦ゲームは、例えばゲーム装置100において選択可能なゲームモードの1つとして設けられるものであってよい。
【0029】
乱入キャラクタは、通常プレイヤが操作対象とすることができるキャラクタ(通常キャラクタ:カードを読み取らせることで登録可能なキャラクタ)よりも、対戦ゲームの進行への影響度が大きく設定されたキャラクタである。より詳しくは、対戦ゲームに登場し得るキャラクタの各々については、例えば記憶装置102に含まれるキャラクタDB(データベース)で各種情報が管理されており、当該データベースにおいて通常キャラクタと乱入キャラクタとは種別が異なるキャラクタとして管理される。当該データベースで各キャラクタについて管理される情報には、攻撃力、防御力、体力等の対戦ゲームの進行の決定にあたり参照されるパラメータを含んでおり、通常キャラクタと乱入キャラクタとは対戦ゲームの進行への影響度との観点で、後者の方が有利となるようにこれらのパラメータが設定されるものとする。例えば、1つの態様では、通常キャラクタの各々に対して割り当てられる攻撃力は、対戦相手の操作対象のキャラクタ全ての体力を0にして対戦ゲームの勝利条件を達成するまでに最短6回のフェーズの進行が必要となるような値範囲を基準に設定される一方で、乱入キャラクタに対して割り当てられる攻撃力は、通常キャラクタの攻撃力よりも最大値が3倍に設定された値範囲等を基準に設定される。またこのような強力なパラメータを有することをプレイヤに容易に知らしめるべく、乱入キャラクタの外観は、通常キャラクタの外観よりも大きい、大型のキャラクタとして設定され、ゲーム画面に提示されるものとする。
【0030】
従って、本実施形態の対戦ゲームには、1人のプレイヤの操作対象であるキャラクタと、対戦相手のプレイヤの操作対象であるキャラクタと、いずれのプレイヤの操作対象でもない乱入キャラクタの3種類のキャラクタが登場する。対戦ゲーム中、これらのキャラクタは各々異なるグループに分類されて管理され、グループ単位で行動の管理、及び行動の効果が適用される対象を決定する制御が行われる。
【0031】
ここで、発明の理解を容易にすべく、対戦ゲームに関与する2つのゲーム装置100のうちの一方の観点で対戦ゲームの進行を説明するにあたり、以下では、当該一方のゲーム装置100を利用するプレイヤを「自プレイヤ」とし、当該自プレイヤの操作対象のキャラクタ(通常キャラクタ)を「自操作キャラクタ」、当該自操作キャラクタが分類されるグループを「自グループ」として言及する。また、他方のゲーム装置100を利用するプレイヤを「相手プレイヤ」とし、当該相手プレイヤの操作対象のキャラクタ(通常キャラクタ)を「相手操作キャラクタ」、当該相手操作キャラクタが分類されるグループを「相手グループ」として言及する。また乱入キャラクタが分類されるグループを「乱入グループ」として言及する。
【0032】
故に、上記行動の効果が適用される対象の管理は、自グループと相手グループと乱入グループの3種類を用いて行われる。例えば、自グループに属するキャラクタが攻撃行動を行う場合にその効果が適用される対象は、相手グループに属するキャラクタから決定され、乱入グループに属するキャラクタからは決定されないよう管理される。また同様に、例えば、相手グループに属するキャラクタが攻撃行動を行う場合にその効果が適用される対象は、自グループに属するキャラクタから決定され、乱入グループに属するキャラクタからは決定されないよう管理される。
【0033】
乱入キャラクタが登場する対戦ゲームに係る処理は、ゲーム装置100のサービス提供後に該当のゲームモードの選択に係る操作入力が受け付けられたことに応じて実行される。各プレイヤの操作対象のキャラクタが登録されて対戦ゲームが開始すると、まず乱入キャラクタがゲームフィールドに登場する演出がなされるが、乱入キャラクタは対戦ゲームの開始時には行動不可能な状態に制御されて、対戦ゲームの進行に関与しない状態となる。そして、対戦ゲーム中に所定の条件が満たされた場合に、乱入キャラクタは行動可能な状態に制御されて、対戦ゲームの進行に関与する状態となる。このような行動制御は、上述したように、乱入キャラクタが通常キャラクタよりも対戦ゲームの進行を有利にせしめるパラメータを有しており、対戦ゲームの開始時から行動可能としてしまうとゲームの進行に対する影響度が大きいため、他のゲームモードの対戦ゲームについて想定されているプレイ時間が担保されない、即ち、各プレイヤのプレイ時間が短縮され得ることに依る。
【0034】
乱入キャラクタを行動不可能な状態にする制御は、例えば、登場した乱入キャラクタを封印する表示演出を介して行われるものであってよい。具体的には、対戦ゲームの開始時には、まず図2(a)に示されるように、対戦ゲームに係るゲームフィールドに乱入キャラクタ201が登場した後、例えば特定のNPC(Non-Player Character)によって当該乱入キャラクタが図2(b)に示されるような球体オブジェクト211に封印される、一連の演出提示がなされ、乱入キャラクタが行動不可能な状態に制御される。このとき、球体オブジェクト211に封印された乱入キャラクタ201は、図示されるように、その外観が一時的に視認不可能な状態となる。
【0035】
また図示されるように乱入キャラクタが封印された球体オブジェクト211には鍵穴212が設けられており、対戦ゲームにおいて鍵が完成した場合に当該封印が解かれ、球体オブジェクト211から乱入キャラクタが解放可能に構成される。このとき、乱入キャラクタは、視認不可能な状態から再度視認可能な状態となってゲーム画面に表れ、行動可能な状態となる。解放後、乱入キャラクタは、いずれかのグループのキャラクタに対して攻撃行動を行い、対戦ゲームの進行に関与する。
【0036】
ここで、乱入キャラクタの攻撃行動の対象となるグループは、当該乱入キャラクタを解放したプレイヤ、即ち、鍵を完成させたプレイヤ(またはグループ)がいずれであったかによって決定される。以下に詳細を説明するが、鍵は、対戦ゲームの開始時に自プレイヤと相手プレイヤのそれぞれに初期状態(未完成)のものが提供され、その後に行われるフェーズのプレイヤごとの進行に応じて完成状態まで変化させることができるゲーム要素である。本実施形態の対戦ゲームでは、より早期に完成状態に至った鍵によって乱入キャラクタの解放が行われるものとし、解放した乱入キャラクタは、当該鍵を完成させたプレイヤの味方となって相手操作キャラクタに対する攻撃行動を1回のみ行って退場するよう構成される。従って、乱入キャラクタは、自プレイヤがより早期に鍵を完成させた場合には、乱入グループから自グループに分類が変更となり、相手グループに属するキャラクタ(相手操作キャラクタ)を対象として攻撃行動を行う。また反対に、相手プレイヤがより早期に鍵を完成させた場合には、乱入キャラクタは乱入グループから相手グループに分類が変更となり、自グループに属するキャラクタ(自操作キャラクタ)を対象として攻撃行動を行う。
【0037】
このように本実施形態の対戦ゲームは、開始の時点では各プレイヤの操作対象でなく、通常キャラクタよりも攻撃力の高い乱入キャラクタを如何に味方にするかによって戦況が変化するため、従前の相手操作キャラクタのみを考慮する対戦ゲームよりも戦略性の高い興趣体験を提供することができる。また他の観点では、いずれのグループに属するキャラクタへの攻撃行動を行うかが判明していない、乱入キャラクタという不確定要素を登場させることで、他のゲームモードよりも対戦ゲームの進行内容を多様化させ、興趣体験の幅を拡げることができる。
【0038】
〈鍵の状態〉
各プレイヤに提供される鍵には、対戦ゲームの進行に応じて変動するランクが設けられ、当該ランクによって鍵の完成度がどの程度であるかが管理される。ランクは、例えば初期状態において0(初期値)に設定され、最大値である10まで増加可能に構成されるものであってよい。本実施形態の対戦ゲームでは、鍵のランクを変動させる要素として、以下の2種類の項目が設けられ、制御部101は対戦ゲームに係る処理の実行中、都度、ランク変動の判断及びその変動量の決定を行う。
【0039】
(1)攻撃行動に参加するキャラクタの数
鍵のランク変動に係る1つ目の項目は、各フェーズにおいて攻撃行動に参加するキャラクタの数である。例えば、自プレイヤは、任意のフェーズについて3体の自操作キャラクタに攻撃行動をとらせる(グループの攻撃行動に参加させる)と決定した場合、鍵のランクを「3」上昇させることができる。
【0040】
本実施形態のゲーム装置100で通常のゲームモードにおいてプレイ体験が提供される対戦ゲームでは、各プレイヤは各フェーズに係る行動決定期間に、各操作対象のキャラクタに当該フェーズで行わせる行動を設定することができる。操作対象である通常キャラクタの各々には行動ゲージが設けられており、当該行動ゲージのポイントを消費することで攻撃行動を行うことが可能に構成される。故に、攻撃行動に必要なポイントが残存していないキャラクタについては攻撃行動に参加させることができない。従って、所望の進行状況において所望のキャラクタに攻撃行動を行わせられるよう、プレイヤは、各フェーズに係り操作対象のキャラクタに行わせる行動を見極める必要がある。
【0041】
これに対し、乱入キャラクタが登場するゲームモードに係る対戦ゲームでは、さらに、攻撃行動に参加するキャラクタの数に応じた量だけ鍵のランクが上昇するよう構成することで、各プレイヤがとり得る戦略の幅を増大させることができる。即ち、当該ゲームモードでは、各プレイヤは、例えば、より早いフェーズにおいて操作対象のキャラクタに攻撃行動をとらせて鍵のランクを早々に上昇させるプレイスタイルと、従来通りに対戦ゲームの進行を見定めて、操作対象のキャラクタに攻撃行動をとらせるフェーズを随時決定するプレイスタイルを選択することができる。このように戦略の幅を拡張することで、より対戦ゲームの興趣性を高めることができる。
【0042】
(2)各フェーズで実行される部分ゲームの結果
鍵のランク変動に係る2つ目の項目は、各フェーズにおいて実行される部分ゲームの勝敗である。本実施形態の対戦ゲームでは、各フェーズにおいて行われた攻撃行動による効果は、当該フェーズにおいて実行された複数回の部分ゲームの結果に基づいて決定される。より詳しくは、各部分ゲームは、いずれか一方のプレイヤに係る攻撃行動に参加するキャラクタが攻撃側として、他方のプレイヤに係るキャラクタが被攻撃側として選択され、各プレイヤの当該ゲームに対する操作入力に基づいてその勝敗が決定される。そして、決定した勝敗結果と各キャラクタのパラメータとに基づいて、攻撃側の攻撃行動に起因する被攻撃側のキャラクタに適用される効果(体力の減少量)が決定される。また、実行された部分ゲームの結果に応じて、少なくともいずれかのプレイヤに係る鍵のランクの変動制御が行われる。ここで、部分ゲームには様々な種類が設けられており、それらはランク変動の態様によって次の3種類に分類することができる。
【0043】
第1種類の部分ゲームは、敗北したプレイヤに係る鍵のランクが減少されるゲームである。第1種類の部分ゲームは、一態様において、どれだけ所定のタイミングに近いタイミングで操作入力がなされたかを競うゲームであってよい。この場合、ゲームの結果は、勝利プレイヤによる操作入力が所定のタイミングと同時または同時とみなすことができるタイミングであった第1の態様と、それ以外の第2の態様に分類されるものであってよい。例えば、フェーズにおいて第1種類の部分ゲームが実行され、自プレイヤが勝利した場合、相手プレイヤに係る鍵のランクが減少されるが、結果が第2の態様のときよりも第1の態様のときの方が、その減少量が大きく設定されるものであってよい。より詳しくは、例えば、結果が第1の態様である場合には、相手プレイヤに係る鍵のランクの減少量は「2」、第1の態様である場合には「1」である等、減少量が異なって設定されるものであってよい。
【0044】
第2種類の部分ゲームは、勝利したプレイヤに係る鍵のランクが増加されるゲームである。例えば、フェーズにおいて第2種類の部分ゲームが実行され、自プレイヤが勝利した場合、自プレイヤに係る鍵のランクが「1」増加される。
【0045】
第3種類の部分ゲームは、勝利したプレイヤに係る鍵のランクが減少されるゲームである。当該第3種類の部分ゲームは、例えば乱入キャラクタが行動可能な状態となるタイミングをプレイヤが調整することができる要素として導入されるものである。例えば、フェーズにおいて第3種類の部分ゲームが実行され、自プレイヤが勝利した場合、自プレイヤに係る鍵のランクが「1」減少される。
【0046】
このように複合的な項目により鍵のランク変動が制御されることにより、乱入キャラクタをどのようなタイミングでいずれのプレイヤに係るグループに分類させるかの読み合いが含められるため、より興趣性の高いプレイ体験を提供することができる。
【0047】
《ゲーム処理》
以下、本実施形態のゲーム装置100において実行される、乱入キャラクタが登場するゲームモードに係る対戦ゲームのプレイ体験を提供するゲーム処理について、図3のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記憶装置102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本ゲーム処理は、例えば乱入キャラクタが登場するゲームモードが選択されてマッチング処理が行われ、各プレイヤに係る使用キャラクタの登録が完了して対戦ゲームの開始条件が満たされた際に開始されるものとして説明する。
【0048】
また本実施形態では発明の理解を容易にすべく、各部分ゲームの勝敗や攻撃行動の効果の適用及び鍵のランク変動に係る演算が、対戦ゲームに参加するプレイヤが使用するゲーム装置100の各々で実行されたゲーム処理にて行われるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、各ゲーム装置100にて対戦ゲームの進行を共通化すべく、下記のゲーム処理のうちの少なくとも一部のステップで行われる各種の演算はいずれか一方のゲーム装置100において実行されて他方のゲーム装置100に結果が共有されるものであってもよいし、ゲームサーバ等の外部装置において実行されて、各ゲーム装置100に結果が共有されるものであってもよい。
【0049】
S301で、制御部101は、乱入キャラクタの登場に係る一連の演出を提示装置110に提示する。一連の演出は、上述したように、乱入キャラクタがゲームフィールドに登場し、封印され、行動不可能な状態になる様子を示す内容である。また当該演出に、各プレイヤに初期状態の鍵が提供される様子を示す内容も含まれる。一連の演出の提示が終わると、制御部101は、処理をS302に移す。
【0050】
S302で、制御部101は、対戦ゲームに登場するキャラクタの分類を行う。上述したように対戦ゲームの開始時には、自プレイヤに対応付けられた自操作キャラクタは自グループに、相手プレイヤに対応付けられた相手操作キャラクタは相手グループに、いずれのプレイヤにも対応付けられていない乱入キャラクタは乱入グループに分類される。制御部101は、キャラクタの分類が終わると、対戦ゲームの各フェーズに係る処理を開始する。
【0051】
S303で、制御部101は、現在のフェーズの行動決定期間に係る処理を実行する。当該処理は、所定の制限時間内に、各プレイヤの操作対象キャラクタに係るカードの移動操作を受け付け、各キャラクタにとらせる行動を決定する処理を含む。制御部101は、行動決定期間の制限時間が経過すると、処理をS304に移す。
【0052】
S304で、制御部101は、現在のフェーズにおいて攻撃行動を行うキャラクタの数に基づいて、各プレイヤの鍵のランクを更新する。
【0053】
S305で、制御部101は、現在のフェーズに係る部分ゲームの実行を制御する。本ステップの処理は、例えば、所定の順番で自プレイヤと相手プレイヤを交互に所定回数攻撃側に選択し、第1種類の部分ゲーム、第2種類の部分ゲーム、及び第3種類の部分ゲームのうちから抽選で選択された部分ゲームを実行し、各プレイヤによりなされた操作入力に基づいて結果を導出するものであってよい。従って、制御部101は、各部分ゲームの実行ごとに結果の判断を行い、攻撃側のキャラクタによる攻撃行動の効果を被攻撃側のキャラクタに反映させる処理を行う。また制御部101は、実行した部分ゲームの種類に応じて、当該部分ゲームの結果に対応するプレイヤの鍵のランクを更新する。例えば、制御部101が第2種類の部分ゲームを実行した場合には、当該部分ゲームに勝利したプレイヤに係る鍵のランクを1上昇させる処理を行う。現在のフェーズに係る部分ゲームの全てを実行すると、制御部101は処理をS306に移す。
【0054】
S306で、制御部101は、現在のフェーズについて、いずれかのプレイヤに係る鍵のランクが最大値に至ったか否か、即ち、いずれかのプレイヤに係る鍵が完成したか否かを判断する。制御部101は、いずれかのプレイヤに係る鍵が完成したと判断した場合は処理をS307に移し、完成していないと判断した場合は処理をS311に移す。
【0055】
S307で、制御部101は、先に鍵が完成したプレイヤがいずれであるかを判断する。制御部101は、先に鍵が完成したプレイヤが自プレイヤであると判断した場合は処理をS308に移し、相手プレイヤであると判断した場合は処理をS309に移す。
【0056】
S308で、制御部101は、乱入キャラクタの属するグループを乱入グループから自グループに変更する。
【0057】
一方、S306において先に鍵が完成したプレイヤが相手プレイヤであると判断した場合には、制御部101はS309で、乱入キャラクタの属するグループを乱入グループから相手グループに変更する。
【0058】
S310で、制御部101は、乱入キャラクタを行動可能な状態に制御し、該当のグループを対象とした乱入キャラクタの攻撃行動に係る処理を実行し、その効果を対戦ゲームの進行に反映させる。具体的には制御部101は、自グループと相手グループのうちの乱入キャラクタが属していないグループを対象として、乱入キャラクタに係る攻撃行動を発動させる処理を実行し、その結果を対象となったグループのキャラクタのパラメータに反映させる。例えば、乱入キャラクタが自グループに属している場合、制御部101は、相手グループに属するキャラクタを対象として攻撃行動の効果を適用する処理を行う。なお、本ステップの処理は、乱入キャラクタの解放、グループ分類及び攻撃行動の様子を示す内容の一連の演出を、提示装置110に提示することを含むものであってよい。
【0059】
S311で、制御部101は、対戦ゲームの終了条件が満たされたか否かを判断する。制御部101は、対戦ゲームの終了条件が満たされたと判断した場合は処理をS312に移して、結果表示等の終了時処理を実行して本ゲーム処理を完了する。また制御部101は、対戦ゲームの終了条件が満たされていないと判断した場合はフェーズを次のフェーズに移し、処理をS303に戻す。
【0060】
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置によれば、対戦ゲームにおける興趣性を増大させることができる。より詳しくは、乱入キャラクタという不確定要素が登場し、その解放に向けた行動選択と、対戦相手のキャラクタに対する行動選択の2種類の興趣要素をプレイヤに提供することができるため、より戦略性の高い対戦ゲームを実現することができる。
【0061】
なお、本実施形態では、結果に応じて鍵のランク変動の態様が異なる3種類の部分ゲーム(第1種類の部分ゲーム、第2種類の部分ゲーム及び第3種類の部分ゲーム)が各フェーズにおいて実行されるものとして説明したが、本発明の実施はこれの全てが実行されるものに限られるものではなく、少なくともいずれかの種類の部分ゲームが実行されるものであってもよい。あるいは、それに代えて、もしくはそれに加えて、他の種類の部分ゲームが実行されるものであってもよいことは言うまでもない。
【0062】
また、本実施形態では乱入キャラクタが行う行動が攻撃行動であるものとして説明したが、乱入キャラクタが解放後に行う行動は攻撃行動に限られるものではない。乱入キャラクタが行う行動は、当該行動の効果が乱入キャラクタの属さないグループのキャラクタに適用される行動であれば、攻撃行動に限定されるものではない。
【0063】
[変形例1]
上述した実施形態では、対戦ゲームの開始時に1体の乱入キャラクタが登場し、当該乱入キャラクタが、より早くに鍵を完成させた一方のプレイヤに味方して、他方のプレイヤに係るキャラクタに対する攻撃行動を行う態様について説明した。即ち、上述した実施形態の対戦ゲームでは、1体の乱入キャラクタを味方にすることができたプレイヤが、その後の対戦ゲームの進行を有利に進行させられる態様であったが、本発明の実施はこれに限られるものではない。
【0064】
対戦ゲームは、例えば、乱入キャラクタは、自プレイヤ用と他プレイヤ用の2体が登場するものとし、いずれのプレイヤも鍵を完成させることができれば、当該プレイヤに対応付けられた乱入キャラクタを解放して味方にすることが可能に構成されるものであってもよい。当該態様では、各プレイヤは所望のタイミングで、該プレイヤに対応付けられた乱入キャラクタを味方にし、攻撃行動を行わせることができるため、乱入キャラクタの解放タイミングを含めて、より戦略性の高い対戦ゲームのプレイ体験を提供することができる。
【0065】
ところで、乱入キャラクタは、通常キャラクタよりも攻撃行動の効果として表れるパラメータ変化(体力減少量)が大きく設定されるため、同一のフェーズにおいて各プレイヤに係る乱入キャラクタが解放された場合、自グループと相手グループの双方に属する全キャラクタの体力が0になり、対戦ゲームの勝敗がつかなくなる状況が想定される。このため、本変形例の対戦ゲームでは、同一のフェーズにおいて自プレイヤに係る鍵のランクと相手プレイヤに係る鍵のランクが最大値に至った場合に、第4種類の部分ゲームがさらに実行され、当該部分ゲームの結果に基づいて決定される1つのグループに属するキャラクタに対して、2体の乱入キャラクタの攻撃行動が行われるよう構成されるものとする。具体的には、第4種類の部分ゲームに敗北したプレイヤに対応付けられたキャラクタが、自プレイヤ用の乱入キャラクタ及び相手プレイヤ用の乱入キャラクタの攻撃行動の対象として設定され、乱入キャラクタの攻撃行動の効果が適用されるよう処理される。例えば、自プレイヤに係る鍵と相手プレイヤに係る鍵とが同一のフェーズで完成した際、実行された第4種類の部分ゲームに自プレイヤが勝利した場合は、相手グループに属する相手操作キャラクタが2体の乱入キャラクタの攻撃行動の対象として設定される。換言すれば、同一のフェーズにおいて解放された2体の乱入キャラクタは、いずれも、第4種類の部分ゲームに勝利した自プレイヤに係る自グループに分類され、その結果、相手グループに属する相手操作キャラクタを対象として攻撃行動を行うよう制御される。
【0066】
このように構成することで、より緊張感のある対戦ゲームを実現することができる。
【0067】
[変形例2]
上述した実施形態及び変形例では、乱入キャラクタは解放時に一時的にいずれかのプレイヤに係るグループに分類され、攻撃行動を行った後に退場するものとして説明した。即ち、上述した実施形態及び変形例では、乱入キャラクタは解放を条件として、いずれのプレイヤの操作入力に基づくことなく攻撃行動を行うものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。解放時、乱入キャラクタは一時的にいずれかのプレイヤに係るグループに分類されるのではなく、その後のフェーズにおいても継続して分類され、その後のフェーズにおいては当該グループに対応するプレイヤの操作入力に応じて行動する操作対象のキャラクタになるものとしてもよい。即ち、プレイヤは鍵を完成させて乱入キャラクタを解放した後は、当該乱入キャラクタを操作対象のキャラクタとして使用することができるよう構成されてもよい。
【0068】
[その他の実施形態]
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0069】
100:ゲーム装置、101:制御部、102:記憶装置、103:メモリ、104:GPU、110:提示装置、105:操作I/F、106:通信I/F、120:支払装置、130:リーダ、140:提供装置
図1
図2
図3