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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147198
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】プリント配線板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20231004BHJP
【FI】
H05K3/46 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021710
(22)【出願日】2023-02-15
(31)【優先権主張番号】P 2022052979
(32)【優先日】2022-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122622
【弁理士】
【氏名又は名称】森 徳久
(72)【発明者】
【氏名】酒井 純
(72)【発明者】
【氏名】島田 志保
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA02
5E316AA15
5E316AA32
5E316AA35
5E316AA43
5E316CC09
5E316CC31
5E316CC32
5E316CC34
5E316CC35
5E316CC37
5E316CC39
5E316CC60
5E316DD01
5E316DD17
5E316DD24
5E316DD32
5E316DD33
5E316EE33
5E316FF07
5E316FF13
5E316FF14
5E316GG15
5E316GG16
5E316GG17
5E316GG22
5E316HH21
(57)【要約】
【課題】高い品質を有するプリント配線板の提供。
【解決手段】プリント配線板は、第1導体層と、第1導体層上に形成されていて、第1導体層を露出するビア導体用の開口と第1面と第1面と反対側の第2面とを有する第1樹脂絶縁層と、第1樹脂絶縁層の第1面上に形成されている第2導体層と、開口内に形成されていて、第1導体層と第2導体層とを接続するビア導体とを有する。第2導体層とビア導体は、シード層とシード層上に形成される電解めっき層とによって形成されている。第2導体層のうち第1面と対向する面は第1面の表面形状に沿って形成されている。第2導体層は導体回路を有している。シード層は、第1層と第1層上に形成される第2層とを有しており、導体回路は、第1樹脂絶縁層に近い方から順に第1層、第2層、電解めっき層で構成されており、導体回路の断面において、第1層の幅は第2層の幅より大きく、電解めっき層の幅は第1層の幅より大きい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導体層と、
前記第1導体層上に形成されていて、前記第1導体層を露出するビア導体用の開口と第1面と前記第1面と反対側の第2面とを有する第1樹脂絶縁層と、
前記第1樹脂絶縁層の前記第1面上に形成されている第2導体層と、
前記開口内に形成されていて、前記第1導体層と前記第2導体層とを接続するビア導体、とを有するプリント配線板であって、
前記第2導体層と前記ビア導体は、シード層と前記シード層上に形成される電解めっき層とによって形成されており、
前記第2導体層のうち前記第1面と対向する面は、前記第1面の表面形状に沿って形成されており、
前記第2導体層は導体回路を有しており、
前記シード層は、第1層と前記第1層上に形成される第2層とを有しており、前記導体回路は、前記第1樹脂絶縁層に近い方から順に前記第1層、前記第2層、前記電解めっき層で構成されており、前記導体回路の断面において、前記第1層の幅は前記第2層の幅より大きく、前記電解めっき層の幅は前記第1層の幅より大きい。
【請求項2】
請求項1のプリント配線板であって、前記第2層の表面は前記電解めっき層と接着している。
【請求項3】
請求項1のプリント配線板であって、前記導体回路の前記シード層の幅は前記導体回路の前記電解めっき層の幅よりも小さく、前記導体回路の幅は、前記シード層と前記電解めっき層の境界部分において最も小さい。
【請求項4】
請求項1のプリント配線板であって、前記導体回路の断面において、前記シード層の側面と前記第1面との間の第1角度は、前記電解めっき層の側面下端部から前記シード層と前記電解めっき層の境界部分に向かう直線と前記第1面との間の第2角度より大きい。
【請求項5】
請求項1のプリント配線板であって、
前記第2導体層と前記第1面上に形成されている第2樹脂絶縁層をさらに有し、
前記第2樹脂絶縁層は樹脂と無機粒子によって形成されており、
前記第2樹脂絶縁層のうち、前記導体回路の前記シード層の側方であって前記導体回路の前記電解めっき層と前記第1面の間に配置される部分に含まれる前記無機粒子の径は1.0μm以下である。
【請求項6】
請求項1のプリント配線板であって、前記第1樹脂絶縁層の前記第1面の算術平均粗さ(Ra)は、0.02μm以上0.06μm以下である。
【請求項7】
請求項1のプリント配線板であって、前記シード層はスパッタで形成される。
【請求項8】
請求項1のプリント配線板であって、前記第1層と前記第2層は異なる材料の銅合金の組み合わせ、あるいは前記銅合金と銅の組み合わせからなる。
【請求項9】
請求項8のプリント配線板であって、前記銅合金中の銅の含有量が90wt%以上である。
【請求項10】
請求項1のプリント配線板であって、前記第1層は、アルミニウム、チタン、ニッケル、クロム、カルシウム、マグネシウム、鉄、モリブデン、銀のうちのいずれか1つの金属で形成されており、前記第2層は銅で形成されている。
【請求項11】
請求項1のプリント配線板であって、前記シード層の厚みは、0.02μm以上1.0μm以下である。
【請求項12】
請求項1のプリント配線板であって、前記第1層の厚みは、0.01μm以上0.5μm以下である。
【請求項13】
請求項1のプリント配線板であって、前記第2層の厚みは、0.01μm以上0.9μm以下である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、プリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、絶縁層と絶縁層上に形成されている導体回路を有するプリント配線板を開示する。絶縁層の表面は粗化されている。導体回路は、絶縁層表面の粗化面に追従して形成される無電解めっき膜と、無電解めっき膜上に形成される電解めっき膜とによって形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-214828号公報
【発明の概要】
【0004】
[特許文献1の課題]
特許文献1の技術では、特許文献1の図9に示されるように、無電解めっき膜の一部は絶縁層表面よりも絶縁層の内側に入りこんでいる。無電解めっき膜が除去される時、エッチング量が多いと考えられる。無電解めっき膜が過度に除去されると考えられる。導体回路の幅を設計値に調整することが難しいと考えられる。高い品質を有するプリント配線板が提供されないと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のプリント配線板は、第1導体層と、前記第1導体層上に形成されていて、前記第1導体層を露出するビア導体用の開口と第1面と前記第1面と反対側の第2面とを有する第1樹脂絶縁層と、前記第1樹脂絶縁層の前記第1面上に形成されている第2導体層と、前記開口内に形成されていて、前記第1導体層と前記第2導体層とを接続するビア導体、とを有する。前記第2導体層と前記ビア導体は、シード層と前記シード層上に形成される電解めっき層とによって形成されている。前記第2導体層のうち前記第1面と対向する面は前記第1面の表面形状に沿って形成されており、前記第2導体層は導体回路を有しており、前記シード層は、第1層と前記第1層上に形成される第2層とを有しており、前記導体回路は、前記第1樹脂絶縁層に近い方から順に前記第1層、前記第2層、前記電解めっき層で構成されており、前記導体回路の断面において、前記第1層の幅は前記第2層の幅より大きく、前記電解めっき層の幅は前記第1層の幅より大きい。
【0006】
本発明の実施形態のプリント配線板では、第2導体層のうち第1面と対向する面は前記第1面の表面形状に沿って形成されている。そのため、第2導体層内の導体回路を形成するシード層は第1樹脂絶縁層の内側に入り込まない。シード層が除去される時、エッチング量を少なくすることができる。導体回路が過度にエッチングされ難い。導体回路の幅を設計値に近くすることができる。第1層の幅を第2層の幅より大きく形成することで第2導体層と第1樹脂絶縁層との密着性を高くすることができる。高い品質を有するプリント配線板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態のプリント配線板を模式的に示す断面図。
図2】実施形態のプリント配線板の一部を模式的に示す拡大断面図。
図3A】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図3B】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図3C】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図3D】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す拡大断面図。
図3E】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図3F】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図3G】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図3H】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施形態]
図1は実施形態のプリント配線板2を示す断面図である。図2は実施形態のプリント配線板2の一部を示す拡大断面図である。図1に示されるように、プリント配線板2は、絶縁層4と第1導体層10と第1樹脂絶縁層20と第2導体層30と第1ビア導体40と第2樹脂絶縁層120と第3導体層130と第2ビア導体140を有する。
【0009】
絶縁層4は樹脂を用いて形成される。絶縁層4はシリカ等の無機粒子を含んでもよい。絶縁層4は、ガラスクロス等の補強材を含んでもよい。絶縁層4は、第3面6(図中の上面)と第3面6と反対側の第4面8(図中の下面)を有する。
【0010】
第1導体層10は絶縁層4の第3面6上に形成されている。第1導体層10は信号配線12とパッド14を含む。図に示されていないが、第1導体層10は信号配線12とパッド14以外の導体回路も含んでいる。第1導体層10は主に銅によって形成される。第1導体層10は、絶縁層4上のシード層10aとシード層10a上の電解めっき層10bで形成されている。シード層10aは第3面6上の第1層11aと第1層11a上の第2層11bで形成されている。第1層11aは銅と銅以外の金属を含む銅合金で形成されている。第2層11bは銅で形成されている。電解めっき層10bは銅で形成されている。第1層11aは絶縁層4に接している。
【0011】
第1樹脂絶縁層20は絶縁層4の第3面6と第1導体層10上に形成されている。第1樹脂絶縁層20は第1面22(図中の上面)と第1面22と反対側の第2面24(図中の下面)を有する。第1樹脂絶縁層20の第2面24は第1導体層10と対向する。第1樹脂絶縁層20はパッド14を露出する開口26を有している。第1樹脂絶縁層20は樹脂80と樹脂80内に分散されている多数の無機粒子90で形成されている。樹脂80はエポキシ系樹脂である。樹脂80の例は熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂である。無機粒子90は、例えば、シリカやアルミナである。無機粒子90の径の範囲は0.1μm以上5.0μm以下であって、平均粒子径は0.5μmである。
【0012】
図1に示されるように、無機粒子90は、開口26の内壁面27を形成する第1無機粒子91と、樹脂80内に埋まっている第2無機粒子92を含む。第2無機粒子92の形は球である。第1無機粒子91の形状は球を平面で切断することで得られる。第1無機粒子91の形状は第2無機粒子92を平面で切断することで得られる。第1無機粒子91の形状と第2無機粒子92の形状は異なる。
【0013】
図1に示されるように、第1樹脂絶縁層20の第1面22はほとんど樹脂80で形成されている。第1面22から無機粒子90(第2無機粒子92)は少量露出する。第1樹脂絶縁層20の第1面22には凹凸が形成されていない。第1面22は荒らされていない。第1面22は平滑に形成されている。第1面22の算術平均粗さ(Ra)は、0.02μm以上0.06μm以下である。
【0014】
開口26の内壁面27は樹脂80と第1無機粒子91で形成されている。第1無機粒子91は平坦部を有する。内壁面27は樹脂80と第1無機粒子91の平坦部とで形成されている。内壁面27は平滑に形成されている。
【0015】
第1無機粒子91の平坦部は第1無機粒子91の周りに形成されている樹脂80の面(内壁面27を形成する面)を延長することで得られる面とほぼ一致する。図3Eに内壁面27が示されている。図3E中に内壁面27を形成する樹脂の面80aと平坦部91aが示されている。図3E中に実質的な直線で描かれている平坦部91aは平面を意味している。図3Eに示される断面において平坦部91aは平面である。平坦部91aは完全な平面でなくてもよい。平坦部91aは実質的な平面であってほぼ平滑な面である。
【0016】
図3Eに示される断面では、開口26の形状は略逆台形に示されている。しかしながら、実際の開口26の形状は略逆円錐台形状である。そのため実際の開口26の内壁面(側壁)27は略曲面である。すなわち、平坦部91aと樹脂80で形成される共通な面は略曲面で形成される内壁面(側壁)27を含む。
【0017】
第2導体層30は第1樹脂絶縁層20の第1面22上に形成されている。第2導体層30は第1信号配線32と第2信号配線34とランド36を含む。図に示されていないが、第2導体層30は第1信号配線32と第2信号配線34とランド36以外の導体回路も含んでいる。第1信号配線32と第2信号配線34はペア配線を形成している。第2導体層30は主に銅によって形成される。第2導体層30は、第1面22上のシード層30aとシード層30a上の電解めっき層30bで形成されている。シード層30aは第1面22上の第1層31aと第1層31a上の第2層31bで形成されている。第1層31aは銅と銅以外の金属を含む銅合金で形成されている。第2層31bは銅で形成されている。電解めっき層30bは銅で形成されている。第1層31aは第1面22に接している。第2層31bは電解めっき層30bと接着している。第2導体層30のうち第1樹脂絶縁層20の第1面22と対向する面は第1面22の表面形状に沿って形成されている。第2導体層30は第1樹脂絶縁層20の第1面22の内側に入り込まない。
【0018】
第1ビア導体40は開口26内に形成されている。第1ビア導体40は第1導体層10と第2導体層30を接続する。図1では第1ビア導体40はパッド14とランド36を接続する。第1ビア導体40はシード層30aとシード層30a上の電解めっき層30bで形成されている。第1ビア導体40を形成するシード層30aと第2導体層30を形成するシード層30aは共通である。第1層31aは内壁面27に接している。
【0019】
第2樹脂絶縁層120は第1樹脂絶縁層20の第1面22と第2導体層30上に形成されている。第2樹脂絶縁層120は第5面122(図中の上面)と第5面122と反対側の第6面124(図中の下面)を有する。第2樹脂絶縁層120の第6面124は第2導体層30と対向する。第2樹脂絶縁層120はランド36を露出する開口126を有している。第2樹脂絶縁層120は、樹脂180と樹脂180内に分散されている多数の無機粒子190で形成されている。樹脂180、無機粒子190は、第1樹脂絶縁層20の樹脂80、無機粒子90と同様である。無機粒子190は、開口126の内壁面127を形成する第1無機粒子191と、樹脂180内に埋まっている第2無機粒子192を含む。第2無機粒子192の形は球である。第1無機粒子191の形状は球を平面で切断することで得られる。第1無機粒子191の形状と第1無機粒子91の形状は同様である。
【0020】
第2樹脂絶縁層120の第5面122はほとんど樹脂180で形成されている。第5面122から無機粒子190(第2無機粒子192)は少量露出する。第2樹脂絶縁層120の第5面122には凹凸が形成されていない。第5面122は荒らされていない。第5面122は平滑に形成されている。
【0021】
開口126の内壁面127は樹脂180と第1無機粒子191で形成されている。内壁面127は樹脂180と第1無機粒子191の平坦部とで形成されている。内壁面127は平滑に形成されている。第1無機粒子191の平坦部と第1無機粒子91の平坦部91aは同様である。
【0022】
第3導体層130は第2樹脂絶縁層120の第5面122上に形成されている。第3導体層130は第1信号配線132と第2信号配線134とランド136を含む。図に示されていないが、第3導体層130は第1信号配線132と第2信号配線134とランド136以外の導体回路も含んでいる。第1信号配線132と第2信号配線134はペア配線を形成している。第3導体層130は主に銅によって形成される。第3導体層130は、第5面122上のシード層130aとシード層130a上の電解めっき層130bで形成されている。シード層130a、電解めっき層130bは第2導体層30のシード層30a、電解めっき層30bと同様である。シード層130aは第5面122上の第1層131aと第1層131a上の第2層131bで形成されている。第1層131aは銅と銅以外の金属を含む銅合金で形成されている。第2層131bは銅で形成されている。電解めっき層130bは銅で形成されている。第1層131aは第5面122に接している。第3導体層130のうち第2樹脂絶縁層120の第5面122と対向する面は第5面122の表面形状に沿って形成されている。第3導体層130は第2樹脂絶縁層120の第5面122の内側に入り込まない。
【0023】
第2ビア導体140は開口126内に形成されている。第2ビア導体140は第2導体層30と第3導体層130を接続する。図1では第2ビア導体140はランド36とランド136を接続する。第2ビア導体140はシード層130aとシード層130a上の電解めっき層130bで形成されている。第2ビア導体140を形成するシード層130aと第3導体層130を形成するシード層130aは共通である。第1層131aは内壁面127に接している。
【0024】
図2は、第2導体層30の第1信号配線32の拡大断面図を示す。図2に示されるように、第1信号配線32は、第1樹脂絶縁層20の第1面22上のシード層30aと、シード層30a上の電解めっき層30bによって形成されている。シード層30aは、第1面22上の第1層31aと第1層31a上の第2層31bを備える。第1層31aは第1面22に接している。第1面22と対向する第1層31aの面は第1面22の表面形状に沿って形成されている。第2層31bは電解めっき層30bと接着している。電解めっき層30bは第2層31bの直上に形成されている。
【0025】
図2に示されるように、第1信号配線32のシード層30aの幅(図中左右方向の長さ)は、電解めっき層30bの幅よりも小さい。第1信号配線32の幅は、シード層30aと電解めっき層30bの境界部分Bにおいて最も小さい。第1層31aの幅D2は第2層31bの幅D3より大きく、電解めっき層30bの幅D1は第1層31aの幅D2より大きい。第1信号配線32の断面において、シード層30aの側面と第1面22との間の第1角度θ1は、電解めっき層30bの側面下端部から境界部分Bに向かう直線と第1面22との間の第2角度θ2より大きい。
【0026】
図2に示されるように、幅D1は第1信号配線32の側面間の距離である。幅D1は第1信号配線32の上面近くで測定される。第1信号配線32の上面は第1面22から離れている面である。幅D2は第1面22上で測定される。幅D3は第2層31bと電解めっき層30bとの間の界面で測定される。
【0027】
第2樹脂絶縁層120のうち、第1信号配線32のシード層30aの側方であって、電解めっき層30bと第1面22の間に配置される特定部分Sには第2無機粒子192が含まれる。特定部分Sに含まれる第2無機粒子192の径は他の部分に含まれる第2無機粒子192の径より小さい。特定部分Sに含まれる第2無機粒子192の径は例えば1.0μm以下である。特定部分Sの幅は図2のCに相当する。特定部分Sの幅は1.0μm程度である。(図2参照)
【0028】
電解めっき層30bの側面が仮想的に第1面22まで延長される。側面は幅D1を測定するために用いられる面である。延長することで得られる面は仮想的な面と称される。仮想的な面は電解めっき層30bの側面を含まない。仮想的な面と第1面22と第1信号配線32の側面で囲まれる部分が特定部分Sである。
【0029】
図2は第1信号配線32を例示するが、第2導体層30内の他の導体回路(第2信号配線34とランド36)も第1信号配線32と同様の構成を有する。第3導体層130内の導体回路(第1信号配線132、第2信号配線134、ランド136)も第1信号配線32と同様の構成を有する。
【0030】
[実施形態のプリント配線板2の製造方法]
図3A図3Hは実施形態のプリント配線板2の製造方法を示す。図3A図3C図3E図3Hは断面図である。図3Dは拡大断面図である。図3Aは絶縁層4と絶縁層4の第3面6上に形成されている第1導体層10を示す。第1導体層10はセミアディティブ法によって形成される。第1層11aと第2層11bはスパッタで形成される。電解めっき層10bは電解めっきで形成される。
【0031】
図3Bに示されるように、絶縁層4と第1導体層10上に第1樹脂絶縁層20と保護膜50が形成される。第1樹脂絶縁層20の第2面24が絶縁層4の第3面6と対向している。第1樹脂絶縁層20の第1面22上に保護膜50が形成されている。第1樹脂絶縁層20は樹脂80と無機粒子90(第2無機粒子92)を有する。無機粒子90は樹脂80内に埋まっている。
【0032】
保護膜50は第1樹脂絶縁層20の第1面22を完全に覆っている。保護膜50の例は、ポリエチレンテレフタレート(PET)製のフィルムである。保護膜50と第1樹脂絶縁層20との間に離型剤が形成されている。
【0033】
図3Cに示されるように、保護膜50の上からレーザ光Lが照射される。レーザ光Lは保護膜50と第1樹脂絶縁層20を同時に貫通する。第1導体層10のパッド14に至るビア導体用の開口26が形成される。レーザ光Lは例えばUVレーザ光、CO2レーザ光である。開口26によりパッド14が露出される。開口26が形成される時、第1面22は保護膜50で覆われている。そのため、開口26が形成される時、樹脂が飛散しても、第1面22に樹脂が付着することが抑制される。
【0034】
図3Dは、レーザ光照射後の開口26の内壁面27bを示す。内壁面27bは樹脂80と樹脂80から突出している無機粒子90で形成されている。内壁面の形状を制御するため、レーザ光照射後の内壁面27bは処理される。樹脂80から突出している無機粒子90を選択的に除去することが好ましい。これにより、無機粒子90から第1無機粒子91が形成される。例えば、レーザ光照射後の内壁面27bを薬品で処理することで、樹脂80から突出している無機粒子90が選択的に除去される。あるいは、レーザ光照射後の内壁面27bをプラズマで処理することで、樹脂80から突出している無機粒子90が選択的に除去される。選択的に除去することは、無機粒子90のエッチング速度が樹脂80のエッチング速度より大きいことを含む。例えば、両者のエッチング速度差は10倍以上である。あるいは、両者のエッチング速度差は50倍以上である。あるいは、両者のエッチング速度差は100倍以上である。レーザ光照射後の内壁面27bを処理することで、平坦部を有する第1無機粒子91(図1参照)が得られる。レーザ光照射後の内壁面27bを処理するための条件を制御することで、内壁面27の形状を制御することができる。条件の例は、温度、濃度、時間、ガスの種類や圧力である。無機粒子90のエッチング速度と樹脂のエッチング速度が制御される。
【0035】
第1樹脂絶縁層20にレーザ光Lを照射することで、樹脂80に埋まっている第2無機粒子92の一部がレーザ光照射後の内壁面27bを形成する。図3Dに示されるように、レーザ光照射後の内壁面27bを形成する第2無機粒子92は、樹脂80から突出している突出部分Pと樹脂80に埋まっている部分Eで形成される。レーザ光照射後の内壁面27bが処理される。例えば、四フッ化メタンを含むガスのプラズマで内壁面27bが処理される。突出部分Pが選択的に除去され、実施形態の内壁面27が形成される。第2無機粒子92から第1無機粒子91が形成される。図3Eに示されるように、突出部分Pを選択的に除去することで、平坦部91aを有する第1無機粒子91が形成される。平坦部91aは平面である。球の形を持つ第2無機粒子92が平面で切断されると、第1無機粒子91の形状が得られる。内壁面27は平坦部91aと樹脂80の面80aで形成され、平坦部91aの露出面91bと樹脂80の面80aはほぼ同一平面上に位置する。例えば、スパッタで内壁面27b上にシード層30aが形成されると、突出部分Pはスパッタ膜の成長を阻害する。例えば、内壁面27b上に連続しているシード層30aが形成されない。あるいは、シード層30aの厚みを大きくしなければならない。微細な導体回路を形成することができない。実施形態では、突出部分Pが除去される。スパッタで形成されるシード層30aの厚みを薄くできる。スパッタで形成されるシード層30aの厚みが薄くても、連続しているシード層30aが得られる。内壁面27が平坦部91aの露出面91bと樹脂80の面80aで形成されると、薄い厚みを有する第1層31aと第2層31bを形成することができる。第1層31aの厚みと第2層31bの厚みが薄いので、幅D1と幅D2、幅D3を容易に制御することができる。幅D1と幅D2、幅D3が目標通りに形成される。
【0036】
開口26を形成することは、突出部分Pを有する無機粒子(第2無機粒子92)90を形成することを含む。突出部分Pは開口26の内壁面27を形成する樹脂80から突出している。第1無機粒子91は無機粒子(第2無機粒子92)90の突出部分Pを除去することで形成される。開口26の内壁面27は第1無機粒子91の露出面91bを含む。第1無機粒子91の露出面91bは突出部分Pを除去することで形成される。
【0037】
球の形を持つ第2無機粒子92を平面で切断することで第1無機粒子91の形状を得ることは、無機粒子90の突出部分Pを除去することを含む。実際の開口26の内壁面27は略曲面である。突出部分Pを除去することで平坦部91aが形成されるので、平坦部91aの露出面91bは曲面を含む。すなわち、平坦部91aと樹脂80で共通な面を形成することは実質的な曲面で形成される内壁面27を形成することを含む。
【0038】
内壁面27上に凹凸が形成されない。内壁面27は平滑に形成される。レーザ光照射後の内壁面27bを処理するための条件を制御することで、凹凸の大きさが制御される。
【0039】
開口26内が洗浄される。開口26内を洗浄することにより開口26形成時に発生する樹脂残渣が除去される。開口26内の洗浄はプラズマによって行われる。即ち洗浄はドライプロセスで行われる。ドライプロセスのガス種は、ハロゲン系ガス(フッ素系ガス、塩素系ガス等)とOガスの混合ガス、あるいはハロゲン系ガス(フッ素系ガス、塩素系ガス等)、Oガスの単独のガスである。洗浄はデスミア処理を含む。第1樹脂絶縁層20の第1面22は保護膜50で覆われているためプラズマの影響を受けない。第1樹脂絶縁層20の第1面22には凹凸が形成されない。第1面22は荒らされない。
【0040】
レーザ光照射後の内壁面27bを処理することが開口26内を洗浄することを含む場合、開口26内を洗浄することを削除することができる。
【0041】
図3Eに示されるように、開口26内を洗浄することの後に、第1樹脂絶縁層20から保護膜50が除去される。レーザ光照射後の内壁面27bを処理することが開口26内を洗浄することを含む場合、レーザ光照射後の内壁面27bを処理することの後に、第1樹脂絶縁層20から保護膜50が除去される。レーザ光照射後の内壁面27bが処理される時、保護膜50は第1樹脂絶縁層20の第1面22を覆っている。保護膜50除去後、第1樹脂絶縁層20の第1面22を荒らすことは行われない。そのため、第1面22は平滑に形成される。第1面22の算術平均粗さ(Ra)は、0.02μm以上0.06μm以下である。
【0042】
図3Fに示されるように、第1樹脂絶縁層20の第1面22上にシード層30aが形成される。シード層30aはスパッタによって形成される。シード層30aの形成はドライプロセスで行われる。シード層30aは第1層31aと、第1層31a上に第1層31aとは異なる材料で形成される第2層31bとを有する。第1層31aと第2層31bは異なる材料の銅合金の組み合わせ、あるいは銅合金と銅の組み合わせからなる。第1層31aは銅合金で形成されている。銅合金と第1樹脂絶縁層20との密着強度は、銅と第1樹脂絶縁層20との密着強度より大きい。第2層31bは銅合金あるいは銅で形成される。銅合金中の銅の含有量は90wt%以上である。銅の含有量が高いほど電気抵抗を低くできるため接続信頼性が向上する。シード層30aの厚みは、0.02μm以上1μm以下、好ましくは0.03μm以上0.5μm以下、さらに好ましくは0.05μm以上0.3μm以下である。第1面22の算術平均粗さ(Ra)は、0.02μm以上0.06μm以下である。シード層30aの厚みは、0.02μm以下であると、シード層30aを第1樹脂絶縁層20の表面全体に均一に形成することが困難である。厚みが1.0μm以上であると、シード層が除去される時、電解めっき層30bの配線幅の制御が難しい。第1層31aが第1面22上にスパッタで形成される。第1層31aの厚みは、0.01μm以上0.5μm以下、好ましくは0.02μm以上0.3μm以下、さらに好ましくは0.03μm以上0.1μm以下である。第1層31aは0.01μm以下であると、第1層31aと第1樹脂絶縁層20間の密着性が低下する。第1層31aは0.5μm以上であると、配線抵抗値が高くなる。第2層31bが第1層31a上にスパッタで形成される。第2層31bの厚みは、0.01μm以上0.9μm以下、好ましくは0.02μm以上0.3μm以下、さらに好ましくは0.03μm以上0.2μm以下である。第2層31bは0.01μm以下であると、配線抵抗値が高くなる。第2層31bが0.9μm以上であると、第1層31aは薄く形成されるため配線と第1樹脂絶縁層20間の密着性が低下する。シード層30aは第1面22の表面形状に沿って形成されている。第2導体層30内の導体回路(第1信号配線32と第2信号配線34とランド36)を形成するシード層30aは第1樹脂絶縁層20の内側に入り込まない。シード層30aが除去される時、エッチング量を小さくすることができる。導体回路が過度にエッチングされ難い。導体回路の幅を設計値に近くすることができる。シード層30aは開口26から露出するパッド14の上面と開口26の内壁面27にも形成される。第1層31aは銅と銅以外の金属を含む銅合金で形成される。第2層31bは銅で形成される。
【0043】
図3Gに示されるように、シード層30a上にめっきレジスト60が形成される。めっきレジスト60は、第1信号配線32と第2信号配線34とランド36(図1)を形成するための開口を有する。
【0044】
図3Hに示されるように、めっきレジスト60から露出するシード層30a上に電解めっき層30bが形成される。電解めっき層30bは銅で形成される。電解めっき層30bは開口26を充填する。第1面22上のシード層30aと電解めっき層30bによって、第1信号配線32と第2信号配線34とランド36が形成される。第2導体層30が形成される。開口26内のシード層30aと電解めっき層30bによって、第1ビア導体40が形成される。第1ビア導体40は、パッド14とランド36を接続する。第1信号配線32と第2信号配線34はペア配線を形成する。
【0045】
めっきレジスト60が除去される。電解めっき層30bから露出するシード層30aがエッチングで除去される。第2導体層30と第1ビア導体40が同時に形成される。第1層31aの幅は第2層31bの幅より大きく、電解めっき層30bの幅は第1層31aの幅より大きい。シード層30aのエッチング速度は電解めっき層30bのエッチング速度より大きい。シード層のエッチング速度は電解メッキ層のエッチング速度の1.1倍から1.5倍である。スパッタで形成されるシード層30aは、電解めっき層30bに比べ、金属結晶部に対するアモルファス構造部の割合が高い。一般にアモルファス構造部は結晶欠陥を多く有する。結晶欠陥を多く有するほどエッチング速度が大きい。シード層30aのエッチング速度は、電解めっき層30bのエッチング速度より大きい。そのため、シード層30aが除去される時、電解めっき層30bのエッチング量が小さい。導体回路が過度にエッチングされ難い。導体回路の幅を設計値に近くすることができる。シード層30aがエッチングで除去されると、第2導体層30の導体回路(第1信号配線32、第2信号配線34、ランド36)のシード層30aの幅が電解めっき層30bの幅より小さい。第1層31aは銅合金で形成され、第2層31bは銅で形成されると、第1層31aのみが合金である。そのため、両者のエッチング速度差を大きくすることができる。シード層30aを除去するためのエッチング液として、第1層31aより第2層31bをより溶解するエッチング液が好ましい。配線の幅(配線の側壁間の距離)は第2層31bと電解めっき層30bとの境界部分Bで最も小さい。境界部分Bで最も応力が大きいので、第1層31aと第1樹脂絶縁層20との密着性が向上する。
【0046】
第1無機粒子91の平坦部91aが内壁面27を形成するので、第1層31aの厚みを小さくすることができる。第1層31aの厚みは電解めっき層30bの厚みより十分薄い。そのため、第1層31aを形成する粒子の配向性は電解めっき層30bを形成する粒子の配向性より小さくなりやすい。あるいは、第1層31aの密度は電解めっき層30bの密度より小さくなりやすい。あるいは、第1層31aの結晶性は電解めっき層30bの結晶性より小さくなりやすい。第1無機粒子91の平坦部91aが内壁面27を形成するので、第2層31bの厚みを小さくすることができる。第2層31bの厚みは電解めっき層30bの厚みより十分薄い。そのため、第2層31bを形成する粒子の配向性は電解めっき層30bを形成する粒子の配向性より小さくなりやすい。あるいは、第2層31bの密度は電解めっき層30bの密度より小さくなりやすい。あるいは、第2層31bの結晶性は電解めっき層30bの結晶性より小さくなりやすい。このため、第1層31aと第2層31bのエッチング速度は電解めっき層30bのエッチング速度より大きい。電解めっき層30bから露出するシード層30aが除去されると、電解めっき層30bの幅D1は第1層31aの幅D2より大きい。電解めっき層30bの幅D1は第2層31bの幅D3より大きい。電解めっき層30bのエッチング速度はシード層30aのエッチング速度より小さい。そのため、電解めっき層30bを溶解するために消費されるエッチング液中の溶解成分の量は小さい。実施形態によれば、溶解成分がシード層30aに十分に到達する。シード層30aが効率的に溶解する。目標値の幅を有する信号配線を形成することができる。第1層31aは第2層31bで覆われている。第2層31bを溶解するために溶解成分が消費される。そのため、第1層31aの溶解量を第2層31bの溶解量より小さくすることができる。電解めっき層30bから露出するシード層30aが除去されると、第1層31aの幅D2は第2層31bの幅D3より大きい。
【0047】
第1信号配線32の断面において、シード層30aの側面と第1面22との間の第1角度θ1は、電解めっき層30bの側面下端部から境界部分Bに向かう直線と第1面22との間の第2角度θ2より大きい。シード層30aのエッチング速度は電解めっき層30bのエッチング速度より大きいため、第1角度θ1が第2角度θ2より大きい。その結果、境界部分Bの深さを小さくすることができる。そのため、応力集中を緩和することができる。
【0048】
第2樹脂絶縁層120のうち、第1信号配線32のシード層30aの側方であって、電解めっき層30bと第1面22の間に配置される特定部分Sには第2無機粒子192が含まれる。特定部分Sに含まれる第2無機粒子192の径は他の部分に含まれる第2無機粒子192の径より小さい。特定部分Sに含まれる第2無機粒子192の径は例えば1.0μm以下である。特定部分Sは小さな径を有する第2無機粒子192と第2樹脂絶縁層120の樹脂180で充填される。特定部分Sに形成されている樹脂絶縁層内の樹脂の含有量はそれ以外の部分の樹脂絶縁層内の樹脂の含有量より大きい。そのため、シード層30aと電解めっき層30b間の界面に発生する応力が緩和される。
【0049】
その後、第2導体層30と第1面22上に、第2樹脂絶縁層120と第3導体層130と第2ビア導体140が形成される。第2樹脂絶縁層120と第3導体層130と第2ビア導体140は、第1樹脂絶縁層20と第2導体層30と第1ビア導体40と同様の方法で形成される。実施形態のプリント配線板2(図1)が得られる。
【0050】
実施形態のプリント配線板2では、第2導体層30のうち第1面22と対向する面は第1面22の表面形状に沿って形成されている。そのため、第2導体層30内の導体回路(第1信号配線32、第2信号配線34、ランド36)を形成するシード層30aは第1樹脂絶縁層20の第1面22より内側に入り込まない。シード層30aを薄くすることができる。シード層30aの厚みのバラツキを小さくすることができる。シード層30aが除去される時、エッチング量が小さい。導体回路が過度にエッチングされ難い。導体回路の幅を設計値に近くすることができる。高い品質を有するプリント配線板2が提供される。
【0051】
実施形態のプリント配線板2では第1樹脂絶縁層20の第1面22はほとんど樹脂80で形成されている。第1面22では無機粒子90が少量露出する。同様に第2樹脂絶縁層120の第5面122はほとんど樹脂180で形成されている。第5面122では無機粒子190が少量露出する。第1面22、第5面122には凹凸が形成されない。第1樹脂絶縁層20の第1面22近傍部分の比誘電率の標準偏差が大きくなることが抑制される。第2樹脂絶縁層120の第5面122近傍部分の比誘電率の標準偏差が大きくなることが抑制される。第1面22、第5面122の比誘電率は場所によって大きく変わらない。第1信号配線32と第2信号配線34が第1面22に接していても、第1信号配線32と第2信号配線34間の電気信号の伝搬速度の差を小さくすることができる。同様に、第1信号配線132と第2信号配線134が第5面122に接していても、第1信号配線132と第2信号配線134間の電気信号の伝搬速度の差を小さくすることができる。そのため、実施形態のプリント配線板2ではノイズが抑制される。実施形態のプリント配線板2にロジックICが実装されても、第1信号配線32、132で伝達されるデータと第2信号配線34、134で伝達されるデータがロジックICにほぼ遅延なく到達する。ロジックICの誤動作を抑制することができる。第1信号配線32、132の長さと第2信号配線34、134の長さが5mm以上であっても、両者の伝搬速度の差を小さくすることができる。第1信号配線32、132の長さと第2信号配線34、134の長さが10mm以上、20mm以下であっても、ロジックICの誤動作を抑制することができる。高い品質を有するプリント配線板2が提供される。
【0052】
[実施形態の別例]
実施形態の別例では、シード層10a、30a、130aの第1層11a、31a、131aは、ケイ素、アルミニウム、チタン、ニッケル、クロム、炭素、酸素、スズ、カルシウム、マグネシウム、鉄、モリブデン、銀、のうちのいずれか1つの金属で形成される。第2層11b、31b、131bは銅で形成される。実施形態と別例では、第2層11b、31b、131bが銅で形成される場合、銅の含有量(原子量%)は99.9%以上である。99.95%以上が好ましい。
【符号の説明】
【0053】
2 :プリント配線板
4 :絶縁層
10 :第1導体層
20 :第1樹脂絶縁層
22 :第1面
24 :第2面
26 :開口
30 :第2導体層
30a :シード層
30b :電解めっき層
31a :第1層
31b :第2層
32 :第1信号配線
40 :第1ビア導体
120 :第2樹脂絶縁層
190 :無機粒子
191 :第1無機粒子
192 :第2無機粒子
B :境界部分
L :レーザ光
S :特定部分
θ1 :第1角度
θ2 :第2角度
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H