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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147205
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】濾過ユニット及び食器洗浄機
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/42 20060101AFI20231004BHJP
   B01D 29/01 20060101ALI20231004BHJP
   B01D 29/11 20060101ALI20231004BHJP
   B01D 29/50 20060101ALI20231004BHJP
   B01D 35/027 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
A47L15/42 Z
B01D29/04 510A
B01D29/10 501C
B01D29/26 B
B01D29/24 A
B01D35/02 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023025967
(22)【出願日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】202210324016.2
(32)【優先日】2022-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202220720348.8
(32)【優先日】2022-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】エン ギョウトウ
(72)【発明者】
【氏名】タオ ブォリン
(72)【発明者】
【氏名】フォン ルイシィァン
(72)【発明者】
【氏名】冨山 佳祐
【テーマコード(参考)】
4D116
【Fターム(参考)】
4D116AA26
4D116BB01
4D116BC06
4D116BC27
4D116BC76
4D116EE01
4D116EE02
4D116EE06
4D116FF17B
4D116KK01
4D116QB02
4D116QB04
4D116QB17
4D116QC49
4D116UU20
4D116VV07
4D116VV19
(57)【要約】
【課題】食器洗浄機用の濾過ユニットの濾過効果を向上させる。
【解決手段】食器洗浄機用の濾過ユニットは、内周に開口部を有し、外周が多孔構造12である平面状フィルタと、開口部に嵌め込まれ、かつ平面状フィルタに取り囲まれている筒状フィルタ2と、筒状フィルタ2の外周に被装され、かつ片端が平面状フィルタと接続されており、筒状フィルタ2との間に多孔構造12と連通する水流路が形成されている水タンク3と、を含み、さらに、筒状フィルタ2の外周を取り囲むように設置され、かつ外向きに突起しており、又は、水タンク3の内周を取り囲むように設置され、かつ内向きに突起している突起部4であって、水流路に突起部4において環状くびれ部5を形成させている突起部4を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周に開口部を有し、外周が多孔構造である平面状フィルタと、
前記開口部に嵌め込まれ、かつ前記平面状フィルタに取り囲まれている筒状フィルタと、
前記筒状フィルタの外周に被装され、かつ片端が前記平面状フィルタと接続されており、前記筒状フィルタとの間に前記多孔構造と連通する水流路が形成されている水タンクと、を含む食器洗浄機用の濾過ユニットにおいて、さらに、
前記筒状フィルタの外周を取り囲むように設置され、かつ外向きに突起しており、又は、前記水タンクの内周を取り囲むように設置され、かつ内向きに突起している突起部であって、前記水流路に前記突起部において環状くびれ部を形成させている突起部を含む
食器洗浄機用の濾過ユニット。
【請求項2】
前記筒状フィルタが、筒状粗フィルタと、前記筒状粗フィルタの外周に被装された筒状密フィルタとを含む
請求項1に記載の食器洗浄機用の濾過ユニット。
【請求項3】
前記筒状密フィルタの、前記平面状フィルタ寄りの片端にはラッパ状構造が形成されており、前記ラッパ状構造が、前記平面状フィルタに対向する方向に沿って口径が拡張されている
請求項2に記載の食器洗浄機用の濾過ユニット。
【請求項4】
前記突起部が前記筒状密フィルタの口径を外向きに0.5~11.5mmに拡張し、又は前記水タンクの口径を内向きに0.5~11.5mm縮小して前記環状くびれ部を形成しており、前記環状くびれ部の隙間幅が0.1~15mmである
請求項3に記載の食器洗浄機用の濾過ユニット。
【請求項5】
前記突起部が前記筒状密フィルタと一体成形されている
請求項2に記載の食器洗浄機用の濾過ユニット。
【請求項6】
前記筒状粗フィルタ及び前記筒状密フィルタはいずれも側壁に貫通孔を有し、前記筒状フィルタが前記貫通孔を介して前記水流路に連通している
請求項2から5のいずれか1項に記載の食器洗浄機用の濾過ユニット。
【請求項7】
前記筒状フィルタは、前記開口部に対応して設置された入水口を有し、前記環状くびれ部の断面積が前記入水口の断面積より小さい
請求項1に記載の食器洗浄機用の濾過ユニット。
【請求項8】
前記突起部が、完全に連続する円環状突起、又は部分的に不連続な円環状突起である
請求項1に記載の食器洗浄機用の濾過ユニット。
【請求項9】
前記水タンクと前記平面状フィルタが接続されている片端には先細部が設置されており、前記先細部は前記平面状フィルタから遠ざかる方向に沿って口径が縮小されており、前記突起部の設置位置が前記先細部の口径の最小部位に対応している
請求項1に記載の食器洗浄機用の濾過ユニット。
【請求項10】
食器を載置する洗浄チャンバと、前記洗浄チャンバ内の食器を洗浄した後の洗浄水を濾過する濾過ユニットとを含む食器洗浄機において、前記濾過ユニットが請求項1から5、7から9のいずれか1項に記載の濾過ユニットである
食器洗浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、濾過設備及び洗浄装置分野に関し、具体的には濾過ユニット及び該濾過ユニットを有する食器洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
生活水準が日増しに向上するにつれて、食器洗浄機もますます広く使用されるようになった。食器洗浄機は洗浄チャンバを含み、洗浄チャンバ内には食器ラック及びシャワーアームが設置されている。ユーザが洗浄前の食器を食器ラックにセットした後、シャワーアームが洗浄用水を噴射して食器を洗浄することで、食器洗浄機の食器に対する洗浄を実現する。
【0003】
食器洗浄機には通常、汚水を濾過するための濾過ユニットが設置されている。汚水は濾過ユニットによって濾過された後、再び洗浄用水として食器の洗浄に使い続けることができるので、洗浄用水の循環利用を実現して、水の使用量を節約し、ユーザの使用コストを引き下げることができる。
【0004】
従来技術の濾過ユニットは、例えば中国特許CN204708799U号明細書で公開されているように、筒状フィルタ及び筒状フィルタを取り囲んで設置された平面状フィルタを含み、平面状フィルタ及び筒状フィルタはいずれも洗浄後の汚水を濾過する役割を果たすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許CN204708799U号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来技術の濾過ユニットは、濾過の際、洗浄用水の負荷が主に平面状フィルタに集中しており、即ち、平面状フィルタを通過する洗浄用水が比較的多く、筒状フィルタを通過するものは比較的少ない。平面状フィルタの濾過精度は筒状フィルタより低いため、洗浄用水が洗浄チャンバから水タンクに入る際に、洗浄過程で平面状フィルタによって濾過された汚染物が四散し、有効に収集することができず、そのため食器洗浄機の最終洗浄効果に影響が生じる。
【0007】
よって、洗浄用水の負荷を有効に分散させ、それにより濾過効果を向上させることができる濾過ユニットをいかにして提供するかということが、解決すべき問題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示における食器洗浄機用の濾過ユニットは、内周に開口部を有し、外周が多孔構造である平面状フィルタと、開口部に嵌め込まれ、かつ平面状フィルタに取り囲まれている筒状フィルタと、筒状フィルタの外周に被装され、かつ片端が平面状フィルタと接続されており、筒状フィルタとの間に多孔構造と連通する水流路が形成されている水タンクと、を含む。食器洗浄機用の濾過ユニットは、さらに、筒状フィルタの外周を取り囲むように設置され、かつ外向きに突起しており、又は、水タンクの内周を取り囲むように設置され、かつ内向きに突起している突起部であって、水流路に突起部において環状くびれ部を形成させている突起部を含む。
【0009】
本開示における食器洗浄機は、食器を載置する洗浄チャンバと、洗浄チャンバ内の食器を洗浄した後の洗浄水を濾過する濾過ユニットとを含み、濾過ユニットは上記の濾過ユニットである。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、食器洗浄機用の濾過ユニットの濾過効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施の形態における食器洗浄機の部分斜視図
図2】本開示の実施の形態における濾過ユニットの部分斜視図
図3】本開示の実施の形態における濾過ユニットの分解図
図4】本開示の実施の形態における濾過ユニットの断面図
図5図4の部分拡大図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、又は、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0013】
なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0014】
(実施の形態1)
以下、図1~5を用いて、実施の形態1を説明する。
【0015】
[1-1.構成]
本開示では濾過ユニット100を提供する。図1は、本開示の実施の形態における食器洗浄機200の部分斜視図である。図1に示すように、濾過ユニット100は食器洗浄機200に用いられ、食器を洗浄した後に形成される汚水を濾過するために用いられている。濾過ユニット100は食器洗浄機200の洗浄チャンバの下方に設置されている。本開示の別のいくつかの実施の形態では、濾過ユニット100は、図1に示すタイプの食器洗浄機200への設置に限定されるものではなく、他のタイプの食器洗浄機200であってもよいので、ここでは具体的に限定していない。
【0016】
図2は、本開示の実施の形態における濾過ユニット100の部分斜視図である。図2に示すように、さらに、濾過ユニット100は、平面状フィルタ1と、筒状フィルタ2とを含み、平面状フィルタ1及び筒状フィルタ2は、食器を洗浄する際に形成される汚水を個別に濾過する。
【0017】
具体的には、平面状フィルタ1の外周は多孔構造12である。説明しておかなければならないが、ここで言う外周とは、特に平面状フィルタ1の辺縁を指しているわけではなく、開口部11から平面状フィルタ1の辺縁までの領域、例えば図2に示す多孔構造12の位置を指している。本実施の形態における多孔構造12は多くの微細孔からなり(孔径がかなり小さいため、図2に示すことはできない)、洗浄用水で食器を洗浄した後に残る残渣は多孔構造12を通過できないので、濾過の役割を果たしている。
【0018】
平面状フィルタ1の内周は開口部11を有する。筒状フィルタ2は開口部11に嵌め込まれ、かつ平面状フィルタ1によって取り囲まれている。筒状フィルタ2は筒状粗フィルタ21及び筒状粗フィルタ21の外周に被装された筒状密フィルタ22を含む。筒状フィルタ2は、平面状フィルタ1の開口部11に対応して設置された入水口211を有する。筒状粗フィルタ21が入水口211から筒状フィルタ2に流入する汚水に対して第一段階の濾過を行い、筒状粗フィルタ21で濾過された水流は、その後、筒状密フィルタ22でさらに濾過される。筒状密フィルタ22で濾過された水流は相対的によりきれいなので、筒状フィルタ2の濾過精度を有効に高めている。
【0019】
ここで、筒状粗フィルタ21及び筒状密フィルタ22における「粗」、「密」とは、筒状粗フィルタ21が構造形状において筒状密フィルタ22よりも粗いということを表しているわけではなく、濾過能力面での粗濾過、密濾過を意味している。
【0020】
図3は、本開示の実施の形態における濾過ユニット100の分解図である。図3に示すように、筒状粗フィルタ21及び筒状密フィルタ22はいずれも側壁に貫通孔6を有している。具体的には、貫通孔6は第1貫通孔212及び第2貫通孔222を含む。筒状粗フィルタ21は第1貫通孔212を、筒状密フィルタ22は第2貫通孔222を有する。第2貫通孔222は水タンク3(図4に示す)と連通している。つまり、筒状フィルタ2に入った洗浄用水は2回濾過され、洗浄用水中の食べ滓が充分に濾過されて筒状粗フィルタ21又は筒状密フィルタ22の側壁部位に留まるので、濾過後の洗浄用水を再度循環利用することができる。
【0021】
図4は、本開示の実施の形態における濾過ユニット100の断面図である。図4に示すように、濾過ユニット100はさらに水タンク3を含む。水タンク3は筒状フィルタ2の外周に被装され、かつ片端が平面状フィルタ1と接続されている。平面状フィルタ1及び筒状フィルタ2が水流の濾過を行った後、水流は水タンク3内に一時的に保存され、その後、引き続き食器の洗浄に用いることで水資源の循環利用を実現しており、用水量を節約でき、ユーザの水使用コストを引き下げることができる。
【0022】
さらに、多孔構造12は水タンク3と連通している。水流は平面状フィルタ1の多孔構造12、水タンク3の順に沿って水流路aを形成する。筒状フィルタ2は貫通孔6を介して水流路aと連通している。水流は筒状粗フィルタ21、筒状密フィルタ22及び水タンク3の順に沿って中間水路bを形成する。
【0023】
図5は、図4の部分拡大図である。図4及び図5に示すように、突起部4が筒状密フィルタ22の外周を取り囲むように設置され、かつ外向きに突起することで、水流路aに突起部4において環状くびれ部5を形成させている。本開示の他のいくつかの実施の形態では、突起部4は筒状密フィルタ22に設置されるとは限らず、その他の位置、例えば水タンク3の内周に設置され、内向きに突起していてもよい。
【0024】
取り囲むように突起部4を設置することにより、水流路aに沿って水タンク3に進入する流量を相対的に減少させ、中間水路bから水タンク3に進入する流量を相対的に増加させている。筒状フィルタ2の濾過精度の方が高いので、中間水路bの流量の増加は、汚水中の汚染物を筒状フィルタ2によって濾過、収集し、汚染物が四散することを回避するには有利である。
【0025】
平面状フィルタ1の表面は、洗浄しやすくするために食べ滓を収集するので、通常は残渣を捕捉しやすいよう大きめに設置されているが、この場合、平面状フィルタ1が濾過する洗浄用水量が多くなりすぎて、濾過効果が悪くなりやすい。そのため、環状くびれ部5を設置して平面状フィルタ1表面から流入する洗浄用水量を制限することで、平面状フィルタ1表面を大きめに設置してより多くの食べ滓を捕捉することができるようにしつつ、平面状フィルタ1の表面から流入する水量を制限して濾過効果を保障している。
【0026】
突起部4を設置することで、流水が水タンク3と洗浄ポンプ(未表示)の吸入口との間に一定方向の流動を生成することを実現し、汚染物の有効な収集を促進することにより、食器洗浄機200の洗浄効果を高めている。水流は、洗浄チャンバを経由して水タンク3に入った後、水タンク3と洗浄ポンプが接続された固定吸入口から洗浄ポンプ内に入り、さらに洗浄ポンプを経て再度洗浄チャンバ内に入ることで、洗浄の循環動作を実現している。
【0027】
本実施の形態では、突起部4が筒状密フィルタ22の口径を外向きに0.5~11.5mm拡張させ、又は水タンク3の口径を内向きに0.5~11.5mm縮小させて環状くびれ部5を形成しており、環状くびれ部5の隙間の幅は0.1~15mmである。実際の実験及び試験により、隙間幅が0.1~15mmである環状くびれ部5が、水流路aの部位に狭い流路を形成し、それによって平面状フィルタ1を通過する洗浄用水の流量を有効に制御することで、平面状フィルタ1及び筒状フィルタ2をそれぞれ通過する洗浄用水の流量を調節しやすくなり、洗浄用水の水流が平面状フィルタ1に過度に集中することを回避している。それにより、平面状フィルタ1及び筒状フィルタ2によって濾過される濾過量及び濾過精度の両方に配慮することができるので、濾過ユニット100の濾過効果を高めるには有利である。
【0028】
本実施の形態では、環状くびれ部5の断面積が入水口211の断面積より小さいことにより、水流路aに環状くびれ部5において比較的狭い通路を形成させ、平面状フィルタ1を通って水流路aから水タンク3に流入する洗浄用水量を制限し、筒状フィルタ2の入水口211から水タンク3に流入する洗浄用水量より少なくすることで、筒状フィルタ2に平面状フィルタ1よりも多くの洗浄用水を濾過させている。また、筒状フィルタ2は平面状フィルタ1に比べて濾過精度がより高いので、濾過ユニット100の濾過量を保証すると同時に、濾過精度も高めているので、濾過ユニット100全体の濾過効果を高めるには有利である。
【0029】
本実施の形態では、筒状密フィルタ22の平面状フィルタ1寄りの片端にはラッパ状構造221が形成されている。ラッパ状構造221は平面状フィルタ1に対向する方向に沿って口径が拡張し、筒状密フィルタ22と水タンク3との間の隙間、即ち水流路aの断面積を、洗浄用水の流動方向に沿って徐々に小さくしている。それにより平面状フィルタ1を通って水タンク3に流入する洗浄用水の流量及び濾過量を減らすことができ、またそれに対応して筒状フィルタ2を通る洗浄用水の流量及び濾過量を増やしている。筒状フィルタ2の濾過精度の方が高いので、濾過ユニット100の全体的な濾過精度が向上している。
【0030】
さらに、水タンク3と平面状フィルタ1が接続されている片端には先細部31が設置されている。先細部31は平面状フィルタ1から遠ざかる方向に沿って口径が縮小している。突起部4の設置位置は先細部31の口径の最小部位に対応しており、即ち、環状くびれ部5の位置は先細部31の口径の最小部位に対応しているので、もとの濾過効果を保証すると同時に、突起部4の突起の距離が長すぎることによる構造強度の低下を回避することもできるので、全体の安定性を向上させるには有利である。
【0031】
本実施の形態では、突起部4は完全に連続した円環状突起であり、筒状フィルタ2の外周全体を連続して取り囲むように設置され、かつ外向きに突起しており、又は水タンク3の内周全体を取り囲むように設置され、かつ内向きに突起しており、環状くびれ部5を均一に形成することができるので、平面状フィルタ1の各方向から来る洗浄用水を有効的に減少させることができる。
【0032】
本開示の別のいくつかの実施の形態では、突起部4は完全な円環状突起構造に限定されるわけではなく、部分的に不連続な円環状突起であってもよい。また、部分的に不連続な円環状突起は、流路の断面積に部分的に大小のある環状くびれ部5を水流路aに形成することができ、かつ筒状フィルタ2の外周又は水タンク3の内周表面の一部において、円弧状突起を設置したり、設置しなかったりすることにより、部分的に不連続な円環状突起を実現することができる。該部分的に不連続な円環状突起により形成される環状くびれ部5は、水流路a内で流路の断面積に部分的に大小のあるものとして形成されるので、流路の断面積が比較的大きい部分では食べ滓を通過させて、洗浄用水中に紛れ込んでいる食べ滓が環状くびれ部5で詰まり、平面状フィルタ1を通過する洗浄用水量を減らしすぎて、濾過ユニット100の濾過効果全体に影響が出ることを防止している。また、濾過ユニット100は、具体的な使用シーンによって突起部4の具体的な構造形式を変更することができるので、濾過ユニット100の適用性及び融通性を向上させるには有利である。
【0033】
本実施の形態では、突起部4と筒状密フィルタ22を一体成形しており、一体成形は加工製造がしやすいので、製造コストを減らすには有利である。本開示の別のいくつかの実施の形態では、突起部4と筒状密フィルタ22は個別に製造した後で接続するという方式で作製することもでき、ここでは具体的に限定していない。
【0034】
当業者であれば、各実施の形態における具体的な技術特徴に対して適宜分割や連結を行うことができることを理解することができる。具体的な技術特徴に対するこの種の分割や結合は、技術手法が本開示の原理から逸脱することを招くわけではないので、分割又は結合された技術手法は、すべて本開示の範囲内に入る。本願の記述において、「複数」は、別途明確で具体的な限定がない限り、2つ又はそれ以上を意味する。
【0035】
以上は本開示の好適な実施例にすぎず、本開示を限定するために用いられるものではない。本開示の主旨及び原則の中で行われる修正、同等の置換及び改良などは、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるものとする。
【0036】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、食器洗浄機200用の濾過ユニット100は、内周に開口部11を有し、外周が多孔構造12である平面状フィルタ1と、開口部11に嵌め込まれ、かつ平面状フィルタ1に取り囲まれている筒状フィルタ2と、筒状フィルタ2の外周に被装され、かつ片端が平面状フィルタ1と接続されており、筒状フィルタ2との間に多孔構造12と連通する水流路が形成されている水タンク3と、を含み、さらに、筒状フィルタ2の外周を取り囲むように設置され、かつ外向きに突起しており、又は、水タンク3の内周を取り囲むように設置され、かつ内向きに突起している突起部4であって、水流路に突起部4において環状くびれ部5を形成させている突起部4を含む。この態様によると、平面状フィルタ1及び筒状フィルタ2はそれぞれ洗浄用水に対する濾過を行っており、洗浄用水は平面状フィルタ1及び筒状フィルタ2でそれぞれ濾過された後、引き続き食器の洗浄に用いることができる。濾過後の洗浄用水は水タンク3内に貯蔵されており、食器洗浄機200が洗浄を行う際には、水タンク3からの水を使用することができる。これにより洗浄用水の循環利用を実現し、食器洗浄機200の用水量を節約して、ユーザの使用コストを引き下げることができる。突起部4を設置して水流路の部位に環状くびれ部5を形成することにより、平面状フィルタ1を通過して水流路を流れる洗浄用水を減少させ、洗浄用水の水流が過度に平面状フィルタ1に集中して流入することを回避し、洗浄用水が平面状フィルタ1と筒状フィルタ2にそれぞれ濾過される割合をかなり合理的にすることで、濾過量と濾過精度の両方に配慮することができるので、濾過ユニット100の濾過効果を引き上げるには有利である。
【0037】
また、本実施の形態において、筒状フィルタ2が、筒状粗フィルタ21と、筒状粗フィルタ21の外周に被装された筒状密フィルタ22とを含む。この態様によると、筒状粗フィルタ21が筒状フィルタ2に流入する洗浄用水に対して第一段階の粗濾過を行い、筒状粗フィルタ21によって濾過された洗浄用水が、その後、筒状密フィルタ22によってさらに細かく濾過されることにより、洗浄用水に対する二段階濾過を実現することができる。二段階濾過は、一段階濾過に比べて洗浄用水に対する濾過がより徹底的になり、それにより筒状フィルタ2の濾過精度及び濾過効果が有効に高められる。
【0038】
また、本実施の形態において、筒状密フィルタ22の、平面状フィルタ1寄りの片端にはラッパ状構造221が形成されており、ラッパ状構造221が、平面状フィルタ1に対向する方向に沿って口径が拡張されている。この態様によると、筒状密フィルタ22と水タンク3との間の隙間、即ち水流路の断面積を、洗浄用水の流動方向に沿って徐々に小さくすることで、平面状フィルタ1を通って水タンク3に流れ込む洗浄用水の流量及び濾過量を減らすことができ、それに対応して、筒状フィルタ2を通過する洗浄用水の流量及び濾過量を増加させることができる。筒状フィルタ2の濾過精度の方が高いので、濾過ユニット100の全体的な濾過精度を向上させることができる。
【0039】
また、本実施の形態において、突起部4が筒状密フィルタ22の口径を外向きに0.5~11.5mmに拡張し、又は水タンク3の口径を内向きに0.5~11.5mm縮小して環状くびれ部5を形成しており、環状くびれ部5の隙間幅が0.1~15mmである。この態様によると、隙間幅が0.1~15mmである環状くびれ部5に、水流路の部位に狭い流路を形成させ、それによって平面状フィルタ1を通過する洗浄用水の流量を有効に制御することで、平面状フィルタ1及び筒状フィルタ2をそれぞれ通過する洗浄用水の流量が調節しやすくなり、洗浄用水の水流が平面状フィルタ1に過度に集中することを回避することができる。それにより、平面状フィルタ1及び筒状フィルタ2によって濾過される濾過量及び濾過精度の両方に配慮することができるので、濾過ユニット100の濾過効果を高めるには有利である。
【0040】
また、本実施の形態において、突起部4が筒状密フィルタ22と一体成形されている。この態様によると、加工製造がしやすくなるので、製造コストを減らすには有利である。
【0041】
また、本実施の形態において、筒状粗フィルタ21及び筒状密フィルタ22はいずれも側壁に貫通孔6を有し、筒状フィルタ2が貫通孔6を介して水流路に連通している。この態様によると、洗浄用水が筒状フィルタ2に進入すると、まず筒状粗フィルタ21側壁の第1貫通孔212から流出し、その後、さらに筒状密フィルタ22側壁の第2貫通孔222から流出し、最終的に水流路に入って、さらなる循環利用を待つ。つまり、筒状フィルタ2に入った洗浄用水は、2回の濾過により、洗浄用水中の食べ滓が充分に濾過され、筒状粗フィルタ21又は筒状密フィルタ22の側壁の部位に留まるので、濾過後の洗浄用水を再度循環利用することができる。
【0042】
また、本実施の形態において、筒状フィルタ2は、開口部11に対応して設置された入水口211を有し、環状くびれ部5の断面積が入水口211の断面積より小さい。この態様によると、環状くびれ部5の断面積が筒状フィルタ2の入水口211の断面積より小さいことにより、水流路に環状くびれ部5において比較的狭い通路を形成させることで、平面状フィルタ1を通って水流路から水タンク3に流入する洗浄用水量を制限し、筒状フィルタ2の入水口211から水タンク3に流入する洗浄用水量より少なくして、筒状フィルタ2に平面状フィルタ1よりも多くの洗浄用水を濾過させることができる。筒状フィルタ2は平面状フィルタ1に比べて濾過精度がより高いため、濾過ユニット100の濾過量を保証すると同時に、濾過精度も高めているので、濾過ユニット100全体の濾過効果を高めるには有利である。
【0043】
また、本実施の形態において、突起部4が、完全に連続する円環状突起、又は部分的に不連続な円環状突起である。完全に連続した円環状突起は、筒状フィルタ2の外周全体を連続して取り囲むように設置され、かつ外向きに突起しており、又は水タンク3の内周全体を取り囲むように設置され、かつ内向きに突起している。この態様によると、環状の水流路全体に環状くびれ部5を均一に形成することができるので、平面状フィルタ1の各方向から来る洗浄用水を有効的に減少させることができる。また、
部分的に不連続な円環状突起は、流路の断面積に部分的に大小のある環状くびれ部5を水流路aに形成することができ、かつ筒状フィルタ2の外周又は水タンク3の内周表面の一部において、円弧状突起を設置したり、設置しなかったりすることにより、部分的に不連続な円環状突起を実現することができる。該部分的に不連続な円環状突起により形成される環状くびれ部5は、水流路a内で流路の断面積に部分的に大小のあるものとして形成されるので、流路の断面積が比較的大きい部分では食べ滓を通過させて、洗浄用水中に紛れ込んでいる食べ滓が環状くびれ部5で詰まり、平面状フィルタ1を通過する洗浄用水量を減らしすぎて、濾過ユニット100の濾過効果全体に影響が出ることを防止している。また、濾過ユニット100は、具体的な使用シーンによって突起部4の具体的な構造形式を変更することができるので、濾過ユニット100の適用性及び融通性を向上させるには有利である。
【0044】
また、本実施の形態において、水タンク3と平面状フィルタ1が接続されている片端には先細部31が設置されており、先細部31は平面状フィルタ1から遠ざかる方向に沿って口径が縮小されており、突起部4の設置位置が先細部31の口径の最小部位に対応している。この態様によると、突起部4の設置位置は先細部31の口径の最小部位に対応しており、つまり、環状くびれ部5の位置が先細部31の口径の最小部位に対応しているので、もとの濾過効果を保証すると同時に、突起部4の突起距離が長すぎることによる構造強度の低下を回避することができ、濾過ユニット100全体の加工性及び安定性を高めるには有利である。
【0045】
また、本実施の形態において、食器を載置する洗浄チャンバと、洗浄チャンバ内の食器を洗浄した後の洗浄水を濾過する濾過ユニット100とを含む食器洗浄機200において、濾過ユニット100が上記のいずれかに記載の濾過ユニット100である。
【0046】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本開示は、食器洗浄機に利用可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 平面状フィルタ
2 筒状フィルタ
3 水タンク
4 突起部
5 環状くびれ部
6 貫通孔
11 開口部
12 多孔構造
21 筒状粗フィルタ
22 筒状密フィルタ
31 先細部
100 濾過ユニット
200 食器洗浄機
211 入水口
212 第1貫通孔
221 ラッパ状構造
222 第2貫通孔
a 水流路
b 中間水路
図1
図2
図3
図4
図5