(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147273
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】高い破壊強度を有するポリアミド成形材料、及びそれから製造される成形品
(51)【国際特許分類】
C08L 77/00 20060101AFI20231004BHJP
C08L 77/06 20060101ALI20231004BHJP
C08K 3/04 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
C08L77/00
C08L77/06
C08K3/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023051825
(22)【出願日】2023-03-28
(31)【優先権主張番号】22165144
(32)【優先日】2022-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】521552567
【氏名又は名称】エムス-セイミ アクツィエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】EMS-CHEMIE AG
【住所又は居所原語表記】Via Innovativa 1,7013 Domat/Ems,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】エイプリ エティエンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン ボート
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002CL00W
4J002CL00X
4J002CL03W
4J002CL03X
4J002DA037
4J002EE057
4J002EJ006
4J002EJ036
4J002EU027
4J002EU086
4J002EW066
4J002FD036
4J002FD097
4J002GC00
4J002GG01
4J002GL00
4J002GN00
4J002GQ00
(57)【要約】
【課題】高い破壊強度を有するポリアミド成形材料、及びそれから製造される成形品を提供すること。
【解決手段】本発明は、自動車部品又は電子機器の可視部品に特に適した、高い破壊エネルギーを有するポリアミド成形材料及びそこから製造される成形部品に関する。ポリアミド成形材料は、ポリアミドX及びポリアミドYの混合物であるMと、添加剤と、着色剤と、それ以外の成分を含んでもよく、これにより、優れた破壊エネルギーに加えて、同様に優れたピアノラッカー仕上げ及び高い耐摩擦性を有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分を含むポリアミド成形材料であって、
(a) 以下の成分からなる、93.0~99.9重量%の混合物であるMと、
15.0~50.0重量%の少なくとも1つのポリアミドであるX、及び
50.0~85.0重量%の少なくとも1つのポリアミドであるY、
前記Yは、PA6、PA66、PA6/66、PA610、PA612、PA614、PA616、PA6/12、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
(b) 0.05~5.0重量%の少なくとも1つの添加剤と、
(c) 0.01~2.0重量%の少なくとも1つの着色剤と、を含み、また、
(d) 当該(a)~(c)以外の成分を含んでもよく、
ここで、前記Xは、モノマー単位であるA、B、C、D、及び/又はEに由来するアミド結合したポリアミド単位であるAC、BC及びE、又はAC、BC、AD及びBD、又はAC及びE、を少なくとも含むポリアミドからなる群から選択され、
前記モノマー単位A~Eは、
A:少なくとも1つの環状脂肪族ジアミン、
B:少なくとも1つの非環式脂肪族ジアミン、
C:少なくとも1つの芳香族ジカルボン酸、
D:少なくとも1つの脂肪族ジカルボン酸、
E:少なくとも1つのα,ω-アミノカルボン酸又は少なくとも1つのラクタム、であり、
前記X及び前記Yの合計は、前記Mの100重量%であり、前記成分(a)~(d)の合計は、100重量%である。
【請求項2】
前記少なくとも1つの添加剤(b)を0.10~3.0重量%、及び/又は前記少なくとも1つの着色剤(c)を0.05~2.0重量%、及び/又は前記成分(d)を0~5.0重量%含む
請求項1に記載のポリアミド成形材料。
【請求項3】
前記モノマー単位であるA~Eは、それぞれ互いに独立して、
A:前記環状脂肪族ジアミンは、ビス(4-アミノ-3-メチル-シクロヘキシル)-メタン(MACM)、ビス(4-アミノ-シクロヘキシル)メタン(PACM)、ビス(4-アミノ-3,5-ジメチル-シクロヘキシル)-メタン(TMDC)、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
B:前記非環状脂肪族ジアミンは、1,6-ヘキサンジアミン、2-メチル-1,8-オクタンジアミン、1,9-ノナンジアミン、1,10-デカンジアミン、及び1,12-ドデカンジアミンからなる群から選択され、
C:前記芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸、イソフタル酸、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
D:前記脂肪族ジカルボン酸は、アジピン酸、アゼライン酸、1,10デカン二酸、1,12ドデカン二酸、1,14テトラデカン二酸、1,16ヘキサデカン二酸、シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
E:前記α,ω-アミノカルボン酸又はラクタムは、α,ω-アミノヘキサン酸、α,ω-アミノウンデカン酸、α,ω-アミノドデカン酸、カプロラクタム、ラウロラクタム、及びこれらの混合物からなる群から選択される
請求項1又は2に記載のポリアミド成形材料。
【請求項4】
前記ポリアミド単位であるACは、少なくとも2つの異なる環状脂肪族ジアミン、特にビス(4-アミノ-3-メチル-シクロヘキシル)-メタン(MACM)、及びビス(4-アミノ-シクロヘキシル)メタン(PACM)を含む
請求項1~3のいずれか一項に記載のポリアミド成形材料。
【請求項5】
前記混合物であるMは、前記少なくとも1つのポリアミドであるXを15.0~45.0重量、好ましくは20.0~42.0重量%、特に好ましくは25.0~38.0重量%、及び前記少なくとも1つのポリアミドであるYを55.0~85.0重量%、好ましくは58.0~80.0重量%、特に好ましくは62.0~75.0重量%からなる
請求項1~4のいずれか一項に記載のポリアミド成形材料。
【請求項6】
前記少なくとも1つのポリアミドであるXは、モノマーの総量に対して、芳香族構造単位を有するモノマーを30モル%以上、好ましくは40モル%以上、特に42モル%以上、特に好ましくは30~50モル%、又は40~50モル%、又は42~50モル%の範囲で含む
請求項1~5のいずれか一項に記載のポリアミド成形材料。
【請求項7】
前記少なくとも1つのポリアミドであるXは、PA6I/6T/MACMI/MACMT/PACMT/12、PA6I/6T/MACMI/MACMT/MACM12/612、PAMACMI/12、PAMACMT/12、PA10I/MACMI/MACM10/1010、PA10T/MACMT/MACM10/1010、PA10I/10T/MACMI/MAMT/MACM10/1010PAMACMI/MACMT、PAMACMI/MACMT/12、PAMACMI/MACMT/MACM12、PA6I/6T/MACMI/MACMT、PA6I/6T/MACMI/MACMT/12、PA6I/612/MACMI/MACM12、PA6T/12/MACMT/MACM12、PA6I/6T/612/MACMI/MACMT/MACM12、PA6I/6T/MACMI/MACMT/-PACMI/PACMT/MACM12、及びこれらの混合物から選択される
請求項1~6のいずれか一項に記載のポリアミド成形材料。
【請求項8】
PAMACMI/12を含まない
請求項1~6のいずれか一項に記載のポリアミド成形材料。
【請求項9】
前記少なくとも1つのポリアミドであるXは、ASTM-D1003-21に従って、寸法60×60×2mmのプレート上でそれぞれ少なくとも88%の透明度と最大5%のヘイズを有する
請求項1~8のいずれか一項に記載のポリアミド成形材料。
【請求項10】
前記着色剤(c)は、有機染料、特にアントラキノン染料、ペリノン染料、ニグロシン、カーボンブラック、及びこれらの混合物及び組み合わせからなる群から選択される
請求項1~9のいずれか一項に記載のポリアミド成形材料。
【請求項11】
前記着色剤(c)は、カーボンブラックと、ピラゾロン、ペリノン及びアントラキノン、メチン、アゾ及びクマリン染料、及び金属を含む顔料からなる群から選択される少なくとも1つの染料と、の組み合わせを含み、
前記金属を含む顔料は、例えば、無機顔料と、アゾ-、アゾメチン-又はメチン染料の金属錯体、アゾメチン-、キナクリドン-、ジオキサジン-、イソインドリン-、イソインドリノン-、ペリレン-、フタロシアニン-、ピロロピロール-及びチオインジゴ着色剤、及びニグロシンである
請求項1~10のいずれか一項に記載のポリアミド成形材料。
【請求項12】
前記組み合わせ内の前記カーボンブラックの割合は、前記染料の組み合わせに対して20~50重量%である
請求項1~11に記載のポリアミド成形材料。
【請求項13】
前記着色剤(c)は、
カーボンブラック、ソルベントグリーン3、ソルベントレッド52、ソルベントレッド179、又は、カーボンブラック及びポリシンスレンブラックH(溶剤ブラック27、CAS番号72812-34-1)からなり、
前記着色剤(c)に対するカーボンブラックの割合が20~50重量%である
請求項1~12のいずれか一項に記載のポリアミド成形材料。
【請求項14】
前記着色剤(c)は、ピラゾロン、ペリノン及びアントラキノン、メチン、アゾ及びクマリン染料、及び/又は金属を含む顔料、からなる群から選択される少なくとも2つの染料を含み、
前記金属を含む顔料は、例えば、無機顔料と、アゾ-、アゾメチン-又はメチン染料の金属錯体、アゾメチン-、キナクリドン-、ジオキサジン-、イソインドリン-、イソインドリノン-、ペリレン-、フタロシアニン-、ピロロピロール-及びチオインジゴ着色剤、及びニグロシンであり、
カーボンブラックを含まない
請求項1~10のいずれか一項に記載のポリアミド成形材料。
【請求項15】
前記着色剤(c)は、ソルベントグリーン3、ソルベントレッド179及びソルベントブルー97の組み合わせからなる
請求項1~14のいずれか一項に記載のポリアミド成形材料。
【請求項16】
前記少なくとも1つの添加剤(b)は、有機及び無機安定剤、酸化防止剤、抗オゾン剤、熱安定剤、光安定剤、UV安定剤、UV吸収剤又はUVブロッカー、潤滑剤、脱型剤、及びこれらの混合物ならびに組み合わせからなる群から選択される
請求項1~15のいずれか一項に記載のポリアミド成形材料。
【請求項17】
前記添加剤(b)及び着色剤(c)とは異なる少なくとも1つの成分を含み、
前記成分は、柔軟剤、衝撃強度調整剤、縮合触媒、鎖調整剤、特に単機能カルボン酸又はアミン、消泡剤、アンチブロッキング剤、天然層状ケイ酸塩、合成層状ケイ酸塩、ナノスケール充填剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される
請求項1~16のいずれか一項に記載のポリアミド成形材料。
【請求項18】
衝撃強度調整剤を含まない
請求項1~16のいずれか一項に記載のポリアミド成形材料。
【請求項19】
請求項1~18に記載のポリアミド成形材料を含む成形部品であって、
当該成形部品は、自動車、モーターサイクル、キャンプ用車両又は移動式住宅の内外装部品、建物及びファサード部品、装飾構造フレーム、操作ボタン又はレバー、カバー、可視表面、バックライト部品、携帯電話用の開口部、タブレット、電子機器用の筐体、車両の装飾部品、家庭用機器、コンテナ、車両キー、レジャー及び屋外製品からなる群から選択される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い破壊エネルギーを有するポリアミド成形材料及びそれから製造される成形品に関し、特に、自動車部品や電子機器の可視部品に好適である。ポリアミド成形材料は、優れた破壊エネルギーに加えて、同様に優れたピアノラッカー仕上げ及び高い耐摩擦性を有する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、選択されたポリアミド成形材料から形成される透明成形部品に関するものであり、その物理的特性、特に透明性と動的抵抗はポリカーボネートよりも優れている。これらの成形材料の基礎となる透明ポリアミドは、少なくとも2つの脂肪族ジアミンと少なくとも2つの芳香族ジカルボン酸、及び必要に応じてラクタムから形成される。ただし、これらの透明ポリアミドと他のポリアミドとの混合物は、実施例には使用されていない。
【0003】
特許文献2は、透明な環状脂肪族ポリアミドに基づく透明ポリアミド成形材料に関連しており、例えば、住宅部品、家庭部門、スポーツ用品又は玩具分野でも使用される可能性があり、高い破断伸度を有する。成形材料は、他のポリマー、特にポリアミドを含む場合もある。
【0004】
特許文献3は、高い光沢と高いノッチ衝撃強度を持つポリアミド成形材料に関するものである。この成形材料は、これにより、非晶質又は微結晶のコポリアミド6I/6T/MACMI/MACMT/PACMT/Y又はPA6I/6T/MACMI/MACMT/Yに基づく。ここで、Yはラクタム又はω-アミノ酸を表し、エチレン、プロピレン、及び1-ブテンから作られた官能化コポリマーで衝撃変性されている。ブレンド成分としての脂肪族ポリアミドは言及されていない。
【0005】
特許文献4は、ポリアミド成形材料に関するもので、特定の非晶質ポリアミドと特定の半結晶ポリアミドの混合物に基づき、非常に優れた耐応力割れ性と同時に、非常に優れた光学特性、特に高い光透過性と低いヘイズを特徴とする。半結晶ポリアミドは長鎖脂肪族ポリアミドである。
【0006】
特許文献5は、ポリアミド成形材料に関するもので、特定の非晶質又は微結晶ポリアミドと半結晶ポリアミドPA616、PA516、PA1016の混合物に基づき、非常に良好な耐応力割れ性と同時に、非常に良好な光学特性を特徴とする。
【0007】
特許文献6は、脂肪族ホモ又はコポリアミドと透明ホモ又はコポリアミド、及び必要に応じて充填剤、補強材、添加剤を含むポリアミド混合物から作られた成形材料の使用が記載されている。提案されている用途は、飲料水、特に容器又は導管のための成形部品の製造であり、その使用目的において、加工された成形材料の少なくとも領域が飲料水に実質的に直接さらされている。実施例では、脂肪族ポリアミドとしてPA12のみが使用されている。
【0008】
ポリアミド66のような完全脂肪族ポリアミドは、確かに高い機械耐性を持つが、結晶である。結晶は光を屈折又は散乱するため、成形材料はチンダル効果によって絹のような外観や、縞状の外観になる。そのため、結晶性ポリアミド成形材料は、見た目が美しく高品質であり、装着状態で視認できる部品を製造するためには、透明度が低すぎ、ヘイズが高すぎる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1930373号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第3336131号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第3450481号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第3502164号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第3502191号明細書
【特許文献6】欧州特許出願公開第2055743号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来技術では、高いエネルギー吸収後の寸法安定性(破壊エネルギーに基づいて決定できる)を失うだけであり、したがって、特に衝撃のような機械的負荷に対して、安全性が向上すると同時に優れた外観を持つポリアミド成形材料を提供する、という問題は、解決されていなかった。このようにして製造された成形材料から作られた成形部品は、特に自動車部品や電子機器の可視部品として使用される。同時に、ポリアミド成形材料は、好ましくは、いわゆるピアノラッカー仕上げであるため、高い光沢と対になる最も暗い黒の印象を伝える。さらに、ポリアミド成形材料は、付加的かつ同時に研磨剤の影響に対する高い安定性を有するため、耐摩擦性があることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この問題は、請求項1に記載の発明による成形材料及び特許請求項13に記載の成形部品で解決される。
【発明の効果】
【0012】
これにより、従属特許請求項は有利な改良をもたらす。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[用語の定義]
<ポリアミド及びそのモノマーの表記及び略号>
本発明の意味において、用語「ポリアミド」(略号:PA)は、包括的な用語として理解され、ホモポリアミドとコポリアミドからなる。ポリアミド及びそのモノマーの選択された呼称及び略号は、DIN EN ISO規格16396-1:2015に定義されたものに対応する。ここで使用されている略号は、以下、モノマーのIUPAC名の同義語として使用され、特に、以下のモノマーの略号が見られる。
MACM:ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン(3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタンとも表記される。CAS番号:6864-37-5)、
PACM:ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン(4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタンとも表記される。CAS番号:1761-71-3)、
TMDC:ビス(4-アミノ-3,5-ジメチルシクロヘキシル)メタン(3,3’、5,5’-テトラメチル-4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタンとも表記される。CAS番号:65962-45-0)、
T:テレフタル酸(CAS番号:100-21-0)、
I:イソフタル酸(CAS番号:121-95-5)、
BAC:1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(CAS番号:2549-93-1)。
【0014】
<量>
本発明によるポリアミド成形材料は、成分(a)~(d)を含むか、又は、成分(a)~(d)のみからなることが好ましい。これにより、成分(a)~(d)の合計が100重量%になるという規定する。個々の成分(a)~(d)の量の表示範囲は、成分(a)~(d)の合計が100重量%になる厳格な規定が満たされる限り、個々の成分のそれぞれ任意の量が、指定された範囲内で選択することができるように理解されるべきである。
【0015】
<非晶質又は微結晶ポリアミド>
非晶質又は微結晶ポリアミドは、DIN EN ISO11357-3(2018)に従った示差走査熱量測定(DSC)において、加熱速度20K/minでの融解熱を示し、25J/g以下、特に22J/g以下が好ましく、0~20J/gが最も好ましい。
【0016】
微結晶ポリアミドもまた、ガラス転移温度に加えて融点を有する。しかしながら、ASTM D1003-21(2021)に従って測定したところ、厚さ2mmの微結晶ポリアミドから製造されたプレートが依然として透明であり、即ち、微結晶ポリアミドは、光透過量が少なくとも88%又は少なくとも90%であり、ヘイズが最大3%であるような小さな寸法を有する形態を有する。
【0017】
非晶質ポリアミドは、微結晶ポリアミドと比較して、融合熱を持たないか、ほぼ検出されない非常に低い融合熱しか持たない。DIN EN ISO11357-3(2018)に従った示差走査熱量測定(DSC)において、非晶質ポリアミドの加熱速度20K/minでの融合熱は、好ましくは5J/g以下、特に好ましくは3J/g以下、0~1J/gが最も好ましい。非晶質ポリアミドは、その非晶質であるため融点を持たない。
【0018】
本発明の意味において、半結晶ポリアミドは、DIN EN ISO11357-3(2018)に基づく示差走査熱量測定(DSC)において、加熱速度20K/minでの融合熱が、好ましくは25J/g以上、特に好ましくは30J/g以上、最も好ましくは35J/g以上を示すポリアミドをいう。厚さ2mmの半結晶ポリアミドから製造されたプレートは透明ではなく、即ち、ASTM D1003-21(2021)に従って測定したその光透過率が88%未満、及び/又はヘイズが5%よりも大きい。
【0019】
<透明ポリアミド>
本発明の意味において、透明ポリアミドは、ASTM D1003-21(2021)に従って、厚さ2mmのプレート上で測定した光透過率が、少なくとも88%又は少なくとも90%であり、ヘイズが最大5%、好ましくは最大3%であるものと定義される。以下、透明ポリアミドを扱う場合、常に非晶質又は微結晶のポリアミドを意味し、これらは透明性及び融解熱に関して上記の定義を満たす。
【0020】
<本発明の概要>
したがって、本発明は、以下の成分を含む、又は好ましくは以下の成分からなるポリアミド成形材料に関する。
(a) 以下からなる93.0~99.9重量%の混合物であるMと、
15.0~50.0重量%の少なくとも1つのポリアミドであるX、及び
50.0~85.0重量%の少なくとも1つのポリイミドであるY、
前記Yは、PA6、PA66、PA6/66、PA610、PA612、PA614、PA616、PA6/12、及びこれらの混合物からなる群から選択され、
(b) 0.05~5.0重量%の添加剤と、
(c) 0.01~2.0重量%の少なくとも1つの着色剤と、
(d) 当該(a)~(c)以外の成分を含んでもよく、
ここで、少なくとも1つのポリアミドであるXは、モノマー単位A、B、C、D、及び/又はEに由来するアミド結合したポリアミド単位であるAC、BC及びE、又はAC、BC、AD及びBD、又はAC及びE、を少なくとも含むポリアミドからなる群から選択され、
モノマー単位A、B、C、D、及びEは以下の定義を有し、
A:少なくとも1つの環状脂肪族ジアミン、
B:少なくとも1つの非環式脂肪族ジアミン、
C:少なくとも1つの芳香族ジカルボン酸、
D:少なくとも1つの脂肪族ジカルボン酸、
E:少なくとも1つのα,ω-アミノカルボン酸又は少なくとも1つのラクタム、であり、
XとYの合計は、Mの100重量%であり、成分(a)~(d)の合計は、100重量%である。
【0021】
驚くべきことに、本発明によるポリアミド成形材料は、引張応力や衝撃的な機械的荷重の影響などにより、極めて高いエネルギー吸収を有し、したがって、従来から知られているポリアミド組成物よりも、機械的荷重に対して遅れて破壊することが見出された。このように、本発明によるポリアミド成形材料は、従来からの組成物よりも安全性に関して優れている。同時に、当該組成物は、優れた外観を有し、高品質の用途、例えば、車両の内装のような取り付けられた状態で見える部品などに使用することができる。
【0022】
<ポリアミド混合物>
本発明によるポリアミド成形材料に含まれるポリアミド混合物Mは、ポリアミドXを15.0~50.0重量%、及びポリアミドYを50.0~85.0重量%含む。混合物中のポリアミドYの%。これにより、成分X及びYの重量比は、混合物Mの100重量%に加算される。混合物中のポリアミドXの量は、ポリアミドYの量よりも少ない、即ち、ポリアミドXの量が混合物に対して50重量%未満であることが好ましい。同様に、ポリアミドYの量は、50重量%より大きいことが好ましい。
【0023】
ポリアミド混合物Mは、少なくとも1種のポリアミドXが15.0~45.0重量%であることが好ましく、より好ましくは20.0~42.0重量%、特に好ましくは25.0~38.0重量%である、即ち、少なくとも1つのポリアミドYの相補的な割合は、55.0~85.0重量%であることが好ましく、より好ましくは58.0~80.0重量%、特に好ましくは62.0~75.0重量%である。
【0024】
<ポリアミドX>
ポリアミドXは透明なポリアミドであり、ポリアミドXのモノマーの総量に対して、脂肪族構造単位のみを持つモノマーを少なくとも50mol%含むことが好ましい。ポリアミドXは好ましくは非晶質又は微結晶である。
【0025】
脂肪族構造単位のみを持つモノマーの少なくとも50mol%は、脂肪族ジアミン、脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ラクタム、又は脂肪族アミノカルボン酸である。したがって、ポリアミドXは、脂肪族構造単位のみを持つ少なくとも50mol%のモノマーと、芳香族構造単位を含むモノマー50mol%以下とからなる。
【0026】
さらに、ポリアミドXは透明であり、少なくとも88%又は少なくとも90%の透明度、及び最大で5%、好ましくは3%のヘイズを有することがより好ましい(それぞれ、後に説明される測定方法を用いて決定される)。
【0027】
本発明の好ましい一実施形態によれば、ポリアミドXは非晶質である。
【0028】
本発明の別の好ましい一実施形態によれば、ポリアミドXは芳香族構造単位を有する少なくとも1つのモノマーを含む。
【0029】
ポリアミドXは、0.5gのポリマーを100mlのm-クレゾールに溶解した溶液において、ISO307:2007に従って測定した20℃での相対粘度が、1.35~2.40、特に1.40~1.90、より特に1.45~1.80の範囲であることが好ましい。
例えば、少なくともポリアミド単位AC、BC、及びEを有するポリアミドの相対粘度は、1.50~1.75、特に1.59~1.64の範囲であることが好ましい。
例えば、少なくともポリアミド単位AC、BC、AD、及びBDを有するポリアミドの相対粘度は、1.60~1.85、特に1.70~1.75の範囲であることが好ましい。
例えば、少なくともポリアミド単位AC及びEを有するポリアミドの相対粘度は、1.40~1.65、特に1.51~1.57の範囲であることが好ましい。
【0030】
ポリアミドXの場合、モノマー単位A~Eは、好ましくは、以下からなる群から互いに独立して選択される。
A:(環状脂肪族ジアミン) ビス(4-アミノ-3-メチル-シクロヘキシル)-メタン(MACM)、ビス(4-アミノ-シクロヘキシル)メタン(PACM)、ビス(4-アミノ-3,5-ジメチル-シクロヘキシル)-メタン(TMDC)、及びこれらの混合物、
B:(非環式脂肪族ジアミン) 1,6-ヘキサンジアミン、2-メチル-1,8-オクタンジアミン、1,9-ノナンジアミン、1,10-デカンジアミン、1,12-ドデカンジアミン、好ましくは1,6-ヘキサンジアミン及び1,10-デカンジアミンから選択される、
C:(芳香族ジカルボン酸) テレフタル酸、イソフタル酸及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはテレフタル酸及びイソフタル酸の混合物、
D:(脂肪族ジカルボン酸) アジピン酸、アゼライン酸、1,10-デカン二酸、1,12-ドデカン二酸、1,14-テトラデカン二酸、1,16-ヘキサデカン二酸、シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸、及びこれらの混合物、
E:(α,ω-アミノカルボン酸又はラクタム) α,ω-アミノヘキサン酸、α,ω-アミノウンデカン酸、α,ω-アミノドデカン酸、カプロラクタム、ラウロラクタム、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0031】
別の好ましい実施形態によれば、ポリアミドXのポリアミド単位ACは、少なくとも2つの異なる、好ましくは正確に2つの異なる環状脂肪族ジアミン、特に、ビス(4-アミノ-3-メチル-シクロヘキシル)-メタン(MACM)及びビス(4-アミノ-シクロヘキシル)-メタン(PACM)を含む。
【0032】
さらに、ポリアミドXにはポリアミド単位AC及びBCが必須に含まれていることが好ましい。
【0033】
同様に、ポリアミドXにはモノマー単位Dが含まれていないことが好ましい。
【0034】
特に、ポリアミドXにはポリアミド単位AC,BC,Eが含まれていることが好ましく、ポリアミドXはポリアミド単位AC,BC,Eからなることが最も好ましい。
【0035】
また、モノマーの総量に対して、ポリアミドXには30モル%以上、好ましくは40モル%以上、特に42モル%以上、特に芳香族構造単位を持つモノマーが30~50モル%又は40~50モル%又は42~50モル%の範囲で含まれていることがさらに有利である。
【0036】
特に、ポリアミドXは、PA6I/6T/MACMI/MACMT/PACMT/12、PA6I/6T/MACMI/MACMT/MACMT/12/612、PAMACMI/12、PAMACMT/12、PA10I/MACMI/MACM10/1010、PA10T/MACMT/MACM10/1010、PA10I/10T/MACMI/MAMT/MACM10/1010PAMACMI/MACMT、PAMACMI/MACMT/12、PAMACMI/MACMT/MACM12、PA6I/6T/MACMI/MACMT、PA6I/6T/MACMI/MACMT/12、PA6I/612/MACMI/MACM12、PA6T/12/MACMT/MACM12、PA6I/6T/612/MACMI/MACMT/MACM12、PA6I/6T/MACMI/MACMT/-PACMI/PACMT/MACM12及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0037】
<ポリアミドY>
ポリアミドYは、少なくとも1つの非環式脂肪族ポリアミドである。ポリアミドYは、PA6、PA66、PA6/66、PA610、PA612、PA614、PA616、PA6/12及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0038】
ポリアミドYは、ISO307:2007に従って、1.0gの重合体を100mlの硫酸に溶かした溶液中、20℃で測定した相対粘度が、2.10~3.60、特に2.30~3.50、さらに特に2.40~2.80の範囲であることが好ましい。
【0039】
驚くべきことに、観察された破壊エネルギーの改善は、まず特定のポリアミドXとYの選択と組み合わせによって得られ、同時に、成形材料の高品質な部品への適合を可能にする外観を得ることができる。
【0040】
<添加剤(b)>
本発明による成形材料は、成分(b)として、有機安定剤及び無機安定剤、特に、酸化防止剤、抗オゾン剤、熱安定剤、光安定剤、UV安定剤、UV吸収剤又はUVブロッカー、潤滑剤、脱型剤、及びこれらの混合物ならびに組み合わせからなる群から好ましくは選択される少なくとも1つの添加剤を含む。
【0041】
少なくとも1つの添加剤の量は、成分(a)~(d)の合計に対してそれぞれ0.05~5.0重量%、好ましくは0.10~3.0重量%、さらに好ましくは0.20~2.5重量%、特に好ましくは0.25~2.3重量%である。
【0042】
少なくとも1つの添加剤として安定剤を使用する場合、これは1つの好ましい実施形態にしたがって、以下からなる群から選択することができる。
・1価又は2価の銅の化合物、特に1価又は2価の銅と有機酸又は無機酸、又は1価又は2価のフェノールとの塩、1価又は2価の銅の酸化物、又は銅塩とアンモニア、アミン、アミド、ラクタム、シアン化物、ホスフィンとの錯体化合物、好ましくはヒドロハル酸、シアン化水素酸、又は脂肪族カルボン酸の銅塩のCu(I)又はCu(II)塩であり、
ここで、1価の銅化合物は、特にCuCl、CuBr、CuI、CuCN、及びCu2Oが好ましく、2価の銅化合物は、特にCuCl2、CuSO4、CuO、酢酸銅(II)又はステアリン酸銅(II)、又はこれらの化合物の混合物が好ましく、
これらの銅化合物は、そのまま又は好ましくは濃縮物の形で使用され、濃縮物は、好ましくはポリアミドX又はYと同一又は実質的に同一の化学的性質を持つポリマーであり、濃縮物は、高濃度(マスターバッチ)で銅塩又は銅化合物を含み、銅化合物は、Nal、KI、NaBr、KBrのようなアルカリハロゲン化物を含む追加の金属ハロゲン化物と組み合わせて使用されることがより特に好ましく、
ここで、金属ハロゲン化物と銅のモル比は0.5~20、好ましくは1~10、特に好ましくは2~7であり、
・二級芳香族アミンに基づく安定剤、
・立体障害フェノールに基づく安定剤、
・亜リン酸塩とホスホン酸塩、
・N,N’-オキサミド、ヒドロキシフェニルトリアジン、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、ジベンゾイルメタン、アミノヒドロキシベンゾイル安息香酸エステル、ヒドロキシベンゾフェノン、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)、及び
・上記の安定剤の混合物。
【0043】
本発明による、二級芳香族アミンに基づく使用可能な安定剤の特に好ましい例は、フェニレンジアミンとアセトンとの付加物(Naugard A)、フェニレンジアミンとリノール酸との付加物、Naugard445、N,N’-ジナフチル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジナフチル-p-フェニレンジアミン、又はこれらの2つ以上の混合物である。
【0044】
本発明による、立体障害フェノールに基づく使用可能な安定剤の特に好ましい例は、N,N’-ヘキサメチレン-ビス3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオンアミド、ビス(3,3-ビス(4’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチルフェニル)-ブタン酸)-グリコールエステル、2,1’-チオエチル-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオン酸エステル、4-4’-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-tert。-ブチルフェノール)、トリエチレングリコール-3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-プロピオン酸エステル、又はこれらの安定剤の2つ以上の混合物である。
【0045】
好ましい亜リン酸塩及び亜リン酸塩は、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸ジフェニルアルキル、亜リン酸ジアルキル、亜リン酸トリス(ノニルフェニル)、亜リン酸トリラウリル、亜リン酸トリオクタデシル、亜リン酸ジステアリルペンタエリスリトール、亜リン酸トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)、亜リン酸ジイソデシルペンタエリスリトール、亜リン酸ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトール、亜リン酸ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトール、亜リン酸ジイソデシル-オキシ-ペンタエリスリトール、亜リン酸ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)ペンタエリスリトール、亜リン酸ビス(2,4,6-トリス-(tert-ブチルフェニル))ペンタエリスリトール、亜リン酸トリステアリルソルビトール、亜リン酸テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4、4’-ビフェニレンジホスフォナイト、6-イソオクチルオキシ-2、4、8、10-テトラ-tert-ブチル-12H-ジベンズ-[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、6-フルオロ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12-メチル-ジベンズ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)メチルホスファイト、及び亜リン酸ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)エチル、特に好ましくは、亜リン酸トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)フェニルと亜リン酸トリス(Hostanox(R)PAR24:Clariant,Baselの市販品)である。
【0046】
熱安定剤の好ましい一実施形態は、IrgatecNC66(BASFから入手可能)とCuI及びKIに基づく銅安定剤との組み合わせからなる。特に、CuI及びKIのみに基づく熱安定剤が好ましい。
【0047】
別の好ましい実施形態によれば、成分(b)の熱安定剤は、フェノール系熱安定剤、亜リン酸系熱安定剤、アミン系熱安定剤、又はこれらの混合物又は組み合わせの群から選択され、特に成分Cは、以下の群から選択されるのが好ましい。
トリエチレングリコールビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸塩、ペンタエリスリトール-テトラキス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エステル)、N,N’-ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、トリス-(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)亜リン酸塩、トリス-(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)亜リン酸塩、又はこれらの混合物。
【0048】
好ましい有機安定剤は、Irganox245、Irganox1010、Irganox1098、HostanoxPAR24、又はIrgafos168のようなフェノール及び/又は亜リン酸塩化合物である。成分(D)として特に好ましいのは、Irganox1010(CAS6683-19-8、フェノール性抗酸化物質)とAnox20(CAS6683-19-8、フェノール性抗酸化物質)の混合物を7:3とHostanoxPAR24(CAS:31570-04-4、亜リン酸トリス(2,4-ジタート-ブチルフェニル))の2重量部の割合で10重量部混合したものである。
【0049】
好ましいUV安定剤は、例えば、N-(2-エトキシフェニル)-N’-(2-エチルフェニル)オキサミド(Tinuvin312)、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヘキシルオキシフェノール(Tinuvin1577)、2-(4,6-ジアリール-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-(アルコキシ置換基)-フェノール(Tinuvin1600)、2-tert-ブチル-6-(5-クロロベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチルフェノール(Tinuvin326)、2-(ベンゾトリアゾール-2-イル)-4、6-ビス(2-フェニルプロパン-2-イル)フェノール(Tinuvin234)、ビス(2,2,6,6,-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート(Tinuvin770DF)、2-(2-ヒドロキシフェニル)-ベンゾトリアゾール誘導体(Tinuvin Carboprotect)、2-(ベンゾトリアゾール-2-イル)-4、6-ビス(2-メチルブタン-2-イル)フェノール(Tinuvin328)、2-(ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-[[3-(ベンゾトリアゾール-2-イル)-2-ヒドロキシ-5-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)フェニル]メチル]-4-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)フェノール(Tinuvin360)、ポリ[[6-[(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジオール][(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)-イミノ]-1,6-ヘキサンジイル[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)-イミノ]](Chimasorb944FD、1-(4-メトキシフェニル)-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパン-1、3-ジオン(Parsol1577)、及びこれらの混合物である。
【0050】
加工助剤の好ましい一実施形態は、アルミニウム塩、アルカリ塩、アルカリ土類金属塩、10~44のC原子、好ましくは14~44のC原子を持つ脂肪酸のエステル又はアミドであり、金属イオンであるNa、Mg、Ca及びAlが好ましく、Ca又はMgが特に好ましい。特に好ましい金属塩は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム及びモンタン酸カルシウムであり、ステアリン酸アルミニウムでもある。脂肪酸は1価又は2価である。例として挙げられているのは、ペラルゴン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、マルガリン酸、ドデカン二酸、ベヘン酸、特に好ましくはステアリン酸、カプリン酸、またモンタン酸(30~40のC原子を持つ脂肪酸の混合物)である。別の好ましい実施形態によれば、加工助剤、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリン、Abril1033又はACRAWAXCが適している。
【0051】
<着色剤(c)>
成分(c)は、ポリアミド成形材料を黒色に着色するのに適した着色剤又は着色剤の混合物である。黒色の着色及び外観は、目視評価に基づいて行われる。着色剤は有機又は無機の染料又は顔料である。染料は通常は光を散乱しないが、代わりにある可視波長の光を吸収する着色剤である。染料はしばしば高分子マトリックス中のある濃度で溶解する。顔料は有機又は無機染料であり、一般に高分子マトリックス中に不溶性の不連続粒子として存在する。特定の染料を顔料又は染料として指定するかどうかは、高分子マトリックス、染料の濃度、結晶性、温度、及びその他の要因によって決まる。本発明に関しては、好ましい着色剤は、ポリアミド成形材料に、成形品の着色に必要な濃度で可溶であり、これらはカーボンブラックと組み合わせて使用することもできる。
【0052】
本発明によれば、着色剤は、成形材料を黒色かつ大部分が不透明に着色するのに十分な量及び組み合わせで使用される。使用される着色剤の具体的な量は、特に、熱可塑性マトリックスにおけるその溶解度及び消衰係数に依存し、及び1つ以上の追加の着色剤と組み合わせて使用されるかどうかに依存する。
【0053】
成分(a)~(d)の合計に対する成分(c)の割合は、0.05~2.0重量%の範囲にあることが好ましい。本発明の好ましい一実施例によれば、成分(a)~(d)の合計に対する成分(c)の割合は、0.08~1.5重量%、特に0.10~1.0重量%であることが好ましい。
【0054】
適切な着色剤は、一般に可視波長域で高い吸光係数と高い熱安定性を有する。したがって、着色剤の高い熱安定性は、230℃~300℃の温度範囲で射出成形又は押出の際に着色された成形材料の製造及び加工中に顕著な変色又は熱劣化が観察されない場合に存在する。さらに、着色剤は、成形中において、機械的特徴の許容できない損失やガス状副産物の形成につながる可能性のあるポリマーに影響を与えたり劣化させたりしない。
【0055】
合成着色剤は、一般にコールタール又は石油中間体から得られる。熱可塑性材料に使用するために、多くの異なる種類の染料が利用できる。カラーインデックスには、多くの異なる化学クラスの着色剤がリストされており、例えば、ニトロソ、ニトロ、モノアゾ、ジアゾ、トリアゾ、ポリアゾ、アゾ、スチルベン、カロテノイド、ジフェニルメタン、トリアリールメタン、キサンテン、キノリン、アクリジン、メチン、チアゾール、インダミン、インドフェノール、アジン、オキサジン、チアジン、硫黄、ラクトン、アミノケトン、ヒドロキシケトン、アントラキノン、インジグロイド、フタロシアニン、ニグロシン、カーボンブラック、無機顔料などがある。
【0056】
着色剤又は着色剤の組み合わせは、ピラゾロン、ペリノン及びアントラキノン、メチン、アゾ及びクマリンの着色剤及び/又は無機顔料とアゾ、アゾメチン又はメチンの着色剤の金属錯体のような金属を含む顔料、アゾメチン、キナクリドン、ジオキサジン、イソインドリン、イソインドリノン、ペリレン、フタロシアニン、ピロロピロール、チオインジゴの着色剤からなる群から選択されるのが好ましく、カーボンブラックを添加してもよい。
【0057】
無機顔料の例は、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、塩基性炭酸鉛、塩基性硫酸鉛又はケイ酸鉛、リトポン、二酸化チタン(アナタス、ルチル)、酸化亜鉛、硫化亜鉛、プルシアンブルーのような金属酸化物、クロム酸鉛、スルホクロム酸鉛、チタン酸クロムアンチモン、酸化クロム、酸化第二鉄、コバルトブルー、コバルトクロマイトブルー、コバルトニッケルグレー、マンガンブルー、マンガンバイオレット、モリブデートオレンジ、モリブデン酸塩レッド、チタン酸ニッケルアンチモン、ウルトラマリンブルー、及び三硫化アンチモンのような金属硫化物、硫化カドミウム、硫化カドミウム、硫化セレン化カドミウム、ケイ酸ジルコニウム、ジルコニウムバナジウムブルー、ジルコニウムプラセオジムイエローである。分散染料は、例えば、アントラキノン系のようなポリマー可溶性染料として、アルキルアミノ、アミノ、アリールアミノ、シクロヘキシルアミノ、ヒドロキシ、ヒドロキシアミノ、又はフェニルメルカプトアントラキノンが適しており、また、アゾ染料の金属錯体、特にモノアゾ染料の1:2クロム錯体又はコバルト錯体、及びベンズチアゾール系、クマリン系、オキサリン系又はチアジン系の蛍光発色染料も適している。
【0058】
少なくとも1つの発色剤は、有機染料、特にアントラキノン系染料、ペリノン系染料、ニグロシン、カーボンブラック、及びこれらの混合物及び組み合わせからなる群から選択されることが特に好ましい。
【0059】
少なくとも1つの着色剤(c)は、カラーインデックス一般名称(CIGN)として以下に列挙された少なくとも1つの着色剤を含有することが好ましい。ソルベントグリーン3(CAS番号:128-80-3)、ソルベントグリーン28(CAS番号:28198-05-2)、ソルベントレッド52(CAS番号:81-39-0)、ソルベントレッド111(CAS番号:82-38-2)、ソルベントレッド135(CAS番号:20749-68-2)、ソルベントレッド169(CAS番号:27354-18-3)、ソルベントレッド179(CAS番号:89106-94-5)、ソルベントレッド207(CAS番号:10114-49-5)、ディスパースレッド22(CAS番号:2944-28-7)、Vat Red41(CAS番号:522-75-8)、ソルベントオレンジ60(CAS番号:61969-47-9)、ソルベントオレンジ63(CAS番号:16294-75-0)、ソルベントバイオレット13(CAS番号:81-48-1)、ソルベントバイオレット14(CAS番号:8005-40-1)、ソルベントバイオレット50、ディスパースブルー73(CAS番号:12222-78-5)、ソルベントブルー97(CAS番号:61969-44-6)、ソルベントブルー101(CAS番号:6737-68-4)、ソルベントブルー104(CAS番号:116-75-6)、ソルベントブルー138(CAS番号:110157-96-5)、ディスパースイエロー160(CAS番号:75216-43-2)、ソルベントイエロー84(CAS番号:12239-76-8)、ソルベントイエロー93(CAS番号:4702-90-3)、ソルベントイエロー98(CAS番号:12671-74-8)、ソルベントイエロー163(CAS番号:13676-91-0)、ソルベントイエロー160:1(CAS番号:35773-43-4)、及びこれらの混合物。これらの着色剤は熱安定性が良い。
【0060】
フタロシアニン構造の着色剤としては、例えば、ピグメントブルー15:1(CAS番号:147-14-8)、ピグメントブルー15:3(CAS番号:147-14-8)、ピグメントブルー16(CAS番号:574-93-6)、ピグメントグリーン7(CAS番号:1328-53-6)が好ましい。
【0061】
成分(c)としては、ソルベントブラウン53(CAS番号:64696-98-6)、ピグメントブラウン23(CAS番号:35869-64-8)、ピグメントブラウン24(CAS番号:68186-90-3)、ピグメントブラウン25(CAS番号:6992-11-6)、ピグメントオレンジ68(CAS番号:42844-93-9)、ソルベントオレンジ60(CAS番号:61969-47-9)、ソルベントオレンジ63(CAS番号:16294-75-0)、ピグメントブラウン6(CAS番号:52357-70-7)がさらに好ましい。
【0062】
特に好ましい染料は、ソルベントレッド52、ソルベントレッド135、ソルベントレッド179、ソルベントバイオレット13、ソルベントバイオレット14、ソルベントバイオレット36、ソルベントバイオレット50、ディスパースブルー73、ソルベントイエロー93、ソルベントグリーン3、ディスパースイエロー160、ソルベントブルー97、及びこれらの染料の少なくとも1つを含む混合物である。
【0063】
特に、以下の染料混合物群から選択される着色剤が好ましい。
・ソルベントグリーン3、及びソルベントレッド179
・ソルベントレッド52、及びソルベントブルー97
・ソルベントグリーン3、ソルベントブルー97、及びソルベントレッド179
・ソルベントグリーン3、ソルベントレッド52、及びソルベントレッド179
ここで、染料混合物は、さらにカーボンブラックを含んでいてもよい。染料混合物は、好ましくは染料混合物に対して50重量%までカーボンブラックを含み、特に20~50重量%含むことが好ましい。
【0064】
着色剤としては以下の成分の混合物が最も好ましい。
・20~40重量%のソルベントグリーン3
・0~20重量%のソルベントレッド52
・15~35重量%のソルベントレッド179
・40~60重量%のカーボンブラック
ここで、各成分の合計は、混合物(成分c)の100重量%である。成分(a)~(d)の合計に対するこの着色剤混合物(c)の量は、0.7~0.8重量%が好ましい。
【0065】
カーボンブラックは、好ましくは粒度分布d90<200nm(粒子の少なくとも90%が200nmより小さいことを意味する)であるタイプが使用される。粒度分布は、例えば、走査型透過電子顕微鏡(STEM)によって決定することができる。これらのタイプのカーボンブラックは、例えば、Color Black FW 1ビーズ、Corax N115、Black Pearls1100、Black Pearls1150、又はBlack Pearls880である。
【0066】
着色剤の存在は、特に前述の量と品質において、黒いピアノラッカー仕上げを特徴とする透明ポリアミドに基づくポリアミド成形材料を提供することができる。
【0067】
<添加剤(d)>
本発明によるポリアミド成形材料は、成分(a)~(d)の合計に対する割合で、例えば0~10重量%の添加剤(成分d)をさらに含むことができる。
【0068】
本発明の好ましい一実施形態によれば、ポリアミド成形材料中の成分(d)の割合は、成分(a)~(d)の合計に対して、それぞれ0~5.0重量%、特に0.10~2.0重量%の範囲であることが好ましい。
【0069】
別の好ましい実施形態は、少なくとも1つの添加剤(d)が、モノマー、特にラクタム、柔軟剤、衝撃強度調整剤、縮合触媒、連鎖調整剤、特に単官能カルボン酸又はアミン、消泡剤、アンチブロッキング剤、天然層状ケイ酸塩、合成層状ケイ酸塩、ナノスケール充填剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0070】
本発明によるポリアミド成形材料から成形部品を製造することができ、この成形部品は、特に、自動車、モーターサイクル、キャンプ用車両又は移動式住宅用の内外装部品、建物及びファサード部品、装飾構造フレーム、操作ボタン又はレバー、カバー、可視表面、バックライト部品、携帯電話用の開口部、タブレット、電子機器用の筐体、車両の装飾部品、家庭用機器、コンテナ、車両キー、レジャー及び屋外製品からなる群から選択される。
【0071】
本発明による主題については、ここに示す具体的な実施例に限定されず、以下の例に基づいてより詳細に説明する。本出願の範囲では、以下の測定方法が用いられた。
【0072】
<ヘイズ、透明度>
ASTM D1003-21に従って、透明度とヘイズは、BYK GardnerのHaze Gard Plus測定装置を使用して、CIE光源Cを使用して、23℃で2mm厚のプレート(60mm×60mm表面)で測定された。
【0073】
<相対粘度、ηrel>
ISO307(2007)に従って、20℃での相対粘度を測定した。この目的のために、100mlのm-クレゾールに高分子顆粒0.5gを計量し、規格の第11項に基づいて相対粘度(RV)の計算をRV=t/t0によって計算を実施した。
【0074】
<引張弾性率>
ISO527(2012)に従って、引張弾性率と引張強さの決定は、ISO/CD3167(2003)規格に従って製造されたISOテストロッド(A1型、寸法170×20/10×4mm)を用いて、23℃の温度で1mm/分の引張速度で行われた。
【0075】
<降伏応力と降伏伸び>
ISO527(2012)に従って、降伏応力と降伏伸びの決定は、ISO/CD3167(2003)に従って製造されたISOテストロッド(A1型、寸法170×20/10×4mm)を用いて、23℃の温度で50mm/分の引張速度で行われた。
【0076】
<破断応力と破壊伸び>
ISO527(2012)に従って、破壊応力と破断伸びの決定は、ISO/CD3167(2003)に従って製造されたISOテストロッド(A1型、寸法170×20/10×4mm)を用いて、23℃の温度で50mm/分の引張速度で行われた。
【0077】
<シャルピー衝撃強度>
ISO179/2*eU(1997,*2=搭載)に従って、シャルピー衝撃強度の決定は、ISO/CD3167(2003)に従って製造されたISOテストロッド(B1型、寸法80×10×4mm)を用いて、23℃の温度で行われた。
【0078】
<シャルピーノッチ衝撃強度>
ISO179/2*eA(1997,*2=搭載)に従って、シャルピーノッチ衝撃強度の決定は、ISO/CD3167(2003)に従って製造されたISOテストロッド(B1型、寸法80×10×4mm)を用いて、23℃の温度で行われた。
【0079】
<光沢60%>
ISO2813(2015)に従って、光沢の決定は、角度60°、温度23℃で、寸法60×60×2mmのプレートにミノルタMulti Gloss268機器を使用して行われた。光沢度は無次元光沢単位(GU)で示される。乾燥状態の試験片は、射出成形後、乾燥した環境、即ちシリカゲル上にて室温で少なくとも48時間保存された。
【0080】
<温度湿度調整>
ISO527(2012)に従って、温度湿度調整は実施された。これにより、試験片は23±2℃、相対湿度50±10°で16時間保存された。
【0081】
<破壊エネルギー>
ISO527(2012)に従って、破壊エネルギーは、引張試験の応力-ひずみ曲線の曲線下表面で表される。
【0082】
<耐擦過性>
試験装置:DIN EN ISO105-X12準拠のクロックメーター、又は必要な試験条件を設定できるその他の試験装置(テスト力:9N、テストパス:104±3mm)、
テストヘッド:DIN55654:2015準拠のラビングアダプタC、
試験装置/ラビング媒体:DIN55654:2015準拠の研磨紙、
砥粒:酸化アルミニウム製、セミオープンスプレッド、グレイン5μm、フレキシブルに押出されたPESフィルムに完全に樹脂接着されたグレイン(例:3MTM 261X1)、研磨紙の切断は、正確な幅25mm、最小長さ75mmで行われ、
光沢測定装置:光沢測定は、20°の角度で反射計を使用して行われる(DIN ENISO2813:2015準拠)、
サンプルの準備:テストの施行には、150mm×100mmの最小サンプルサイズが必要であり、条件は前述のように設定される。
【0083】
<テスト管理>
1.温度湿度調整
2.流水、ぬるま湯での洗浄
3.スクラッチ前の光沢レベルの測定、光沢度の測定は測定角度20°で行う。
4.ラビング/スクラッチ:各手順の前に、新しいラビング媒体をクランプし、手順は5回のダブルストロークで構成され、9Nの荷重で行う。
ラビング痕が均一でない場合(縞模様、シミ)は、繰り返し試験を行う。
5.ラビング後、試料は室温で24時間保存される。
6.ラビング痕の光沢測定:摩擦方向に対して測定方向が90°となるように、光沢測定装置の位置合わせを行う。
光沢測定装置の測定開口部が、負荷面に接触するように注意し、この場合、ラビング痕の最初と最後の10mmは測定しない。
【0084】
摩擦抵抗は、初期の光沢レベルに対する相対的な光沢の変化(%)として表される。測定角度は20°である。光沢の相対的な変化は次のように計算される。
(初期光沢レベル-ラビング後の光沢レベル)×100/初期光沢レベル
使用例と比較例で使用した材料を表1にまとめる。
【表1】
【0085】
本発明に係るポリアミド成形材料(例)を表2に、本発明によらない化合物(比較例)を表3に示し、それぞれ求めた測定値を示す。量の情報は重量比で示す。
【表2】
【表3】
【0086】
例1~11及び比較例1~9で得られた測定値を表4及び表5に示す。
【表4】
【表5】
【0087】
実施例から明らかなように、高い破壊エネルギーを得るためには、ポリアミドXとYの特定の組み合わせが必要である。同時に、好ましい視覚効果(ピアノブラック)が得られるだけでなく、それによって耐摩擦性も完全に驚くほど増加する可能性がある。
【外国語明細書】