(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014730
(43)【公開日】2023-01-31
(54)【発明の名称】エネルギー供給システム
(51)【国際特許分類】
F24H 15/10 20220101AFI20230124BHJP
F24H 1/00 20220101ALI20230124BHJP
F24H 15/196 20220101ALI20230124BHJP
【FI】
F24H1/18 503Q
F24H1/18 503R
F24H1/00 631A
F24H1/00 602G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021118863
(22)【出願日】2021-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】白木 壮哉
(72)【発明者】
【氏名】御堂 俊哉
【テーマコード(参考)】
3L024
3L122
【Fターム(参考)】
3L024DD23
3L024DD27
3L024HH22
3L122AA02
3L122AA12
3L122AA28
3L122AA54
3L122AA63
3L122AA64
3L122AA77
3L122AB22
3L122AB33
3L122DA13
3L122DA33
3L122EA01
3L122EA22
(57)【要約】
【課題】発電部及び給湯器に備えられている構成を有効利用した簡素な構成により、燃料ガスが供給されないときに、高温の湯水を適切に出湯できるエネルギー供給システムを提供する。
【解決手段】燃料ガスの供給により発電を行う燃料電池型の発電部Mと、熱交換部2を通して貯湯槽3の湯水を循環ポンプ22にて循環させる熱交換流路20と、熱交換流路20に備えられる貯湯側凍結防止ヒータH1と、給湯器Bの内部の湯水流路に備えられる外部凍結防止ヒータとが設けられ、運転制御部Cは、燃料ガスが供給されないときに、循環ポンプ22を駆動する状態で貯湯側凍結防止ヒータH1を作動させて貯湯槽3の湯水を昇温し、かつ、出湯が指示されると、貯湯槽3から供給される槽送出湯水を外部凍結防止ヒータにて昇温して出湯するヒータ加熱式給湯処理を実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガスの供給により発電を行う燃料電池型の発電部と、湯水を貯留する貯湯槽と、前記貯湯槽の湯水を前記発電部での発電に伴う熱が伝えられる熱交換部を通して循環ポンプにて循環させる熱交換流路と、前記貯湯槽から供給される槽送出湯水を前記燃料ガスの燃焼熱で加熱して出湯する給湯器と、運転制御部とを備えるエネルギー供給システムであって、
前記熱交換流路に備えられる貯湯側凍結防止ヒータと、前記給湯器の内部の湯水流路に備えられる外部凍結防止ヒータとが設けられ、
前記運転制御部は、前記燃料ガスが供給されないときに、前記循環ポンプを駆動する状態で前記貯湯側凍結防止ヒータを作動させて前記貯湯槽の湯水を昇温し、かつ、出湯が指示されると、前記槽送出湯水を前記外部凍結防止ヒータにて昇温して出湯するヒータ加熱式給湯処理を実行するエネルギー供給システム。
【請求項2】
前記槽送出湯水に冷水を混合する混合弁が設けられ、
前記運転制御部は、前記ヒータ加熱式給湯処理において、前記冷水を混合させた前記槽送出湯水の温度が設定供給温度になるように又は前記冷水を設定比率で前記槽送出湯水に混合させるように前記混合弁を制御し、かつ、前記冷水が混合された前記槽送出湯水の温度が設定目標温度よりも低いときには、前記外部凍結防止ヒータを作動させて前記槽送出湯水の温度を前記設定目標温度に近づけるようにする請求項1に記載のエネルギー供給システム。
【請求項3】
前記槽送出湯水に冷水を混合する混合弁が設けられ、
前記運転制御部は、前記ヒータ加熱式給湯処理において、前記外部凍結防止ヒータを作動させ、かつ、前記冷水を混合された前記槽送出湯水の温度を、前記給湯器から出湯される湯水の推定出湯温度が設定目標温度になる温度に調整すべく前記混合弁を制御する請求項1に記載のエネルギー供給システム。
【請求項4】
前記槽送出湯水に冷水を混合する混合弁が設けられ、
前記運転制御部は、前記ヒータ加熱式給湯処理において、前記冷水を混合させた前記槽送出湯水の温度を、前記外部凍結防止ヒータを作動させたと仮定した状態において前記給湯器から出湯される湯水の推定出湯温度が設定目標温度になる温度に調整すべく前記混合弁を制御し、かつ、前記冷水が混合された前記槽送出湯水の温度が前記設定目標温度よりも低いときには、前記外部凍結防止ヒータを作動させて前記槽送出湯水の温度を前記設定目標温度に近づけるようにする請求項1に記載のエネルギー供給システム。
【請求項5】
前記給湯器から湯水が供給される浴槽と前記給湯器との間で浴槽水を浴槽水循環ポンプにて循環させる循環流路に、浴槽水加熱ヒータを備え、
前記運転制御部は、湯張りが指示されたときには、前記ヒータ加熱式給湯処理にて出湯する設定湯張り量の湯水を前記浴槽に供給し、その後、前記浴槽水の温度が設定湯張り温度よりも低いときには、前記浴槽水加熱ヒータを作動させた状態で前記浴槽水循環ポンプを駆動して前記浴槽水を昇温するヒータ式湯張り処理を実行する請求項1~4のいずれか1項に記載のエネルギー供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料ガスの供給により発電を行う燃料電池型の発電部と、湯水を貯留する貯湯槽と、前記貯湯槽の湯水を前記発電部での発電に伴う熱が伝えられる熱交換部を通して循環ポンプにて循環させる熱交換流路と、前記貯湯槽から供給される槽送出湯水を前記燃料ガスの燃焼熱で加熱して出湯する給湯器と、運転制御部とを備えるエネルギー供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー供給システムとして、供給される燃料ガスにより発電部で発電を行うと同時に、この発電時に生ずる排熱を熱交換部で回収して貯湯槽の湯水の温度を上昇させ、発電によって得られた電力を利用すると同時に、貯湯槽に蓄えられた高温の湯水を給湯器にて加熱しながら利用する熱電併給システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のエネルギー供給システムでは、燃料ガスが供給されないときに、循環ポンプを駆動させる状態で、熱交換流路に備えられる貯湯側凍結防止ヒータを作動させることにより、燃料ガスが供給されないときにも、貯湯槽の湯水を昇温させて、昇温された貯湯槽の湯水を出湯することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたシステムでは、燃料ガスが供給されないときでも、昇温された貯湯槽の湯水を出湯できるものであるが、貯湯側凍結防止ヒータは凍結を防止することを目的した小さな加熱容量であるため、貯湯槽に貯留される湯水の全体を所定の高温(例えば、70℃)に上昇させるにはかなり長い時間を必要とするものである。
したがって、貯湯槽の湯水を出湯させる際に、貯湯槽の湯水が十分に昇温されていないこと等により、高温の湯水を適切に出湯できない虞があった。
【0006】
ちなみに、エネルギー供給システムとして、貯湯槽に貯留された高温の湯水が高温のまま出湯されるのを回避するため、槽送出湯水に冷水を混合する混合弁を設け、冷水を混合した槽送出湯水の温度が設定供給温度(例えば、35℃)になるように混合弁を制御し、冷水が混合された槽送出湯水の温度が設定目標温度よりも低いときには、槽送出湯水を給湯器にて設定目標温度に加熱(昇温)して出湯するシステムがある。
このようなエネルギー供給システムでは、貯湯槽の湯水が貯湯側凍結防止ヒータの作動により高温(例えば、70℃)に昇温されていても、槽送出湯水に冷水が混合される結果、冷水が混合された槽送出湯水の温度が設定目標温度よりも低くなり、設定目標温度よりも低い湯水が出湯される不都合が発生する虞があった。
【0007】
また、貯湯槽の湯水を浴槽に供給して湯張りを行う場合があるが、貯湯槽に貯留されている湯水の量は、一般的に、浴槽に供給する湯水の量よりもかなり少ないため、湯張りを行う場合には、貯湯槽に貯留されている湯水を供給した後に、昇温されていない冷水を浴槽に供給する必要が生じることに起因して、浴槽水の温度がかなり低くなる不都合を生じる虞があった。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、発電部及び給湯器に備えられている構成を有効利用した簡素な構成により、燃料ガスが供給されないときに、高温の湯水を適切に出湯できるエネルギー供給システムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るエネルギー供給システムは、燃料ガスの供給により発電を行う燃料電池型の発電部と、湯水を貯留する貯湯槽と、前記貯湯槽の湯水を前記発電部での発電に伴う熱が伝えられる熱交換部を通して循環ポンプにて循環させる熱交換流路と、前記貯湯槽から供給される槽送出湯水を前記燃料ガスの燃焼熱で加熱して出湯する給湯器と、運転制御部とを備えるものであって、その特徴構成は、
前記熱交換流路に備えられる貯湯側凍結防止ヒータと、前記給湯器の内部の湯水流路に備えられる外部凍結防止ヒータとが設けられ、
前記運転制御部は、前記燃料ガスが供給されないときに、前記循環ポンプを駆動する状態で前記貯湯側凍結防止ヒータを作動させて前記貯湯槽の湯水を昇温し、かつ、出湯が指示されると、前記槽送出湯水を前記外部凍結防止ヒータにて昇温して出湯するヒータ加熱式給湯処理を実行する点にある。
【0010】
この特徴構成によると、燃料ガスが供給されない状況であっても、外部からの電力が供給可能な場合には、循環ポンプを駆動する状態で貯湯側凍結防止ヒータを作動させて、貯湯槽の湯水を昇温する。そして、出湯が指示されると、貯湯槽から供給される槽送出湯水を外部凍結防止ヒータにて昇温して高温の湯水を出湯することができる。
【0011】
つまり、凍結防止のために、熱交換流路に備えられることになる貯湯側凍結防止ヒータと、凍結防止のために、給湯器の内部の湯水流路に備えられることになる外部凍結防止ヒータとを有効利用して、燃料ガスが供給されないときに、高温の湯水を適切に出湯できるものとなる。
【0012】
要するに、本発明のエネルギー供給システムの特徴構成によれば、発電部及び給湯器に備えられている構成を有効利用した簡素な構成により、燃料ガスが供給されないときに、高温の湯水を適切に出湯できる。
【0013】
本発明のエネルギー供給システムの更なる特徴構成は、
前記槽送出湯水に冷水を混合する混合弁が設けられ、
前記運転制御部は、前記ヒータ加熱式給湯処理において、前記冷水を混合させた前記槽送出湯水の温度が設定供給温度になるように又は前記冷水を設定比率で前記槽送出湯水に混合させるように前記混合弁を制御し、かつ、前記冷水が混合された前記槽送出湯水の温度が設定目標温度よりも低いときには、前記外部凍結防止ヒータを作動させて前記槽送出湯水の温度を前記設定目標温度に近づけるようにする点にある。
【0014】
この特徴構成によれば、冷水を混合させた槽送出湯水の温度が設定供給温度になるように又は冷水を設定比率で槽送出湯水混合させるように混合弁を制御することにより、貯湯槽に貯留された高温の湯水が高温のまま出湯されるのを回避する。
そして、冷水が混合された槽送出湯水の温度が設定目標温度よりも低いときには、外部凍結防止ヒータを作動させて槽送出湯水の温度を設定目標温度に近づけるように昇温することにより、設定目標温度に近づけた高温の湯水を適切に出湯できるものとなる。
【0015】
要するに、本発明のエネルギー供給システムの更なる特徴構成によれば、貯湯槽に貯留された高温の湯水が高温のまま出湯されるのを回避しながらも、設定目標温度に近づけた高温の湯水を適切に出湯できる。
【0016】
本発明のエネルギー供給システムの更なる特徴構成は、
前記槽送出湯水に冷水を混合する混合弁が設けられ、
前記運転制御部は、前記ヒータ加熱式給湯処理において、前記外部凍結防止ヒータを作動させ、かつ、前記冷水を混合された前記槽送出湯水の温度を、前記給湯器から出湯される湯水の推定出湯温度が設定目標温度になる温度に調整すべく前記混合弁を制御する点にある。
【0017】
この特徴構成によれば、冷水を混合させた槽送出湯水が外部凍結防止ヒータにて昇温されて出湯されることになる。そして、冷水を混合させた槽送出湯水の温度を、外部凍結防止ヒータにて昇温されて給湯器から出湯される湯水の推定出湯温度が設定目標温度になる温度に調整すべく混合弁が制御されるから、貯湯槽に貯留された高温の湯水が高温のまま出湯されるのを回避しながらも、設定目標温度に近い温度の湯水を適切に出湯することができる。
【0018】
要するに、本発明のエネルギー供給システムの更なる特徴構成によれば、貯湯槽に貯留された高温の湯水が高温のまま出湯されるのを回避しながらも、設定目標温度に近い湯水を適切に出湯できる。
【0019】
本発明のエネルギー供給システムの更なる特徴構成は、
前記槽送出湯水に冷水を混合する混合弁が設けられ、
前記運転制御部は、前記ヒータ加熱式給湯処理において、前記冷水を混合させた前記槽送出湯水の温度を、前記外部凍結防止ヒータを作動させたと仮定した状態において前記給湯器から出湯される湯水の推定出湯温度が設定目標温度になる温度に調整すべく前記混合弁を制御し、かつ、前記冷水が混合された前記槽送出湯水の温度が前記設定目標温度よりも低いときには、前記外部凍結防止ヒータを作動させて前記槽送出湯水の温度を前記設定目標温度に近づけるようにする点にある。
【0020】
この特徴構成によれば、冷水を混合させた槽送出湯水が外部凍結防止ヒータにて昇温されて出湯されると仮定した状態において、冷水を混合させた槽送出湯水の温度を、外部凍結防止ヒータにて昇温されて給湯器から出湯される湯水の推定出湯温度が設定目標温度になる温度に調整すべく混合弁が制御される。
そして、冷水が混合された槽送出湯水の温度が設定目標温度よりも低いときには、外部凍結防止ヒータを作動させて槽送出湯水の温度を設定目標温度に近づけるようにすることになるから、貯湯槽に貯留された高温の湯水が高温のまま出湯されるのを回避しながらも、設定目標温度に極力近い温度の湯水を適切に出湯することができる。
【0021】
要するに、本発明のエネルギー供給システムの更なる特徴構成によれば、貯湯槽に貯留された高温の湯水が高温のまま出湯されるのを回避しながらも、設定目標温度に極力近い湯水を適切に出湯できる。
【0022】
本発明のエネルギー供給システムの更なる特徴構成は、
前記給湯器から湯水が供給される浴槽と前記給湯器との間で浴槽水を浴槽水循環ポンプにて循環させる循環流路に、浴槽水加熱ヒータを備え、
前記運転制御部は、湯張りが指示されたときには、前記ヒータ加熱式給湯処理にて出湯する設定湯張り量の湯水を前記浴槽に供給し、その後、前記浴槽水の温度が設定湯張り温度よりも低いときには、前記浴槽水加熱ヒータを作動させた状態で前記浴槽水循環ポンプを駆動して前記浴槽水を昇温するヒータ式湯張り処理を実行する点にある。
【0023】
この特徴構成によれば、湯張りが指示されたときには、ヒータ加熱式給湯処理にて出湯する設定湯張り量の湯水を浴槽に供給することになる。尚、設定湯張り量の湯水を浴槽に供給するにあたり、貯湯槽に貯留された高温の湯水が無くなったときには、昇温されていない湯水(冷水)が、浴槽に供給されることになる。
【0024】
そして、設定湯張り量の湯水を浴槽に供給したときに、浴槽水の温度が設定湯張り温度よりも低いときには、浴槽水加熱ヒータを作動させた状態で浴槽水循環ポンプを駆動して浴槽水を昇温することにより、浴槽水の温度が設定湯張り温度に昇温される。
【0025】
要するに、本発明のエネルギー供給システムの更なる特徴構成によれば、燃料ガスが供給されないときに、設定湯張り温度の湯水を設定湯張り量となるように湯張りすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】エネルギー供給システムの構成を示す図である。
【
図4】槽内昇温の制御形態のフローチャートである。
【
図5】給湯時昇温の制御形態のフローチャートである。
【
図6】浴槽給湯の制御形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔全体構成〕
図1に示すように、外部から供給される都市ガス等の燃料ガスによって発電する発電モジュールM(燃料電池型の発電部の一例)と、発電モジュールMで発電された電力を交流に変換する電力変換部1と、発電モジュールMでの発電時に発生する排熱を回収する排熱回収熱交換部2(熱交換部の一例)と、排熱回収熱交換部2で回収した排熱で昇温した湯水を貯留する貯湯槽3と、当該貯湯槽3から排出されて供給される槽送出湯水を燃料ガスの燃焼熱で加熱して出湯する給湯器Bと、システム全体を制御する運転制御装置C(運転制御部の一例)と、を備えて熱電併給型のエネルギー供給システムが構成されている。
つまり、例示するエネルギー供給システムは、発電モジュールM及び貯湯槽3等を備える発電ユニットAと給湯器Bとを備える形態に構成されている。
【0028】
ちなみに、本実施形態では、運転制御装置Cが、発電ユニットAに対して設けられた発電制御装置Pと、給湯器Bに対して設けられた給湯制御装置Qとから構成される場合を例示するが、発電制御装置Pと給湯制御装置Qとを、単一の制御装置として構成する形態で実施してもよい。
発電制御装置P及び給湯制御装置Qは、家屋の内部等に設置したリモートコントローラ(以下、リモコンと呼称)Rにて制御指令が指令され、かつ、リモコンRを介して通信可能に構成されている。
リモコンRは、制御指令として、エネルギー供給システムの全体を運転状態と停止状態とに切換える運転切換指令、給湯用の設定目標温度、湯張りの指令、湯張りを行うときの設定湯張り量及び設定湯張り温度、並びに、後述するヒータ加熱式給湯処理の開始や停止を指令するヒータ給湯切換指令を指令できるように構成され、その他の各種の情報を指令できるように構成されている。
【0029】
発電ユニットAは、発電モジュールMと、電力変換部1と、排熱回収熱交換部2と、貯湯槽3と、運転制御装置Cとを筐体に収容しており、一般家庭の屋外に設置される。
電力変換部1は、交流電力に変換した電力を分電盤5に供給する。分電盤5は、商用電源6から供給される電力と、電力変換部1から供給された電力とを併せて家屋内の電気機器等の電気負荷7に供給する。
【0030】
〔発電モジュールの詳細〕
発電モジュールMは、都市ガス等の燃料ガスが燃料ガス供給路10を介して供給される改質処理部11及び固体酸化物形の複数の燃料電池セルを積層した形態で備えるセルスタック12を、高温容器13の内部に収納する形態に構成されている。
【0031】
改質処理部11は、燃料ガスを水蒸気改質処理して、水素成分が多い改質ガスを生成するものであって、生成された改質ガスが、セルスタック12に供給されるように構成されている。
ちなみに、改質処理部11には、燃料ガスに加えて、水蒸気が供給されることになるが、その構成は周知であるので、本実施形態においては詳細な説明を省略する。
【0032】
図示は省略するが、空気(酸素含有ガス)が高温容器13の内部に供給されている。
そして、セルスタック12が、改質ガスを燃料極に通流させ、かつ、高温容器13の内部に供給された空気(酸素含有ガス)を酸素極に通流させることによって、発電するように構成されている。
【0033】
また、燃料極を通流した後の改質ガスが、酸素極を通流した後の空気(酸素含有ガス)や高温容器13の内部に供給された空気(酸素含有ガス)を用いて燃焼し、その燃焼熱により改質処理部11を加熱するように構成されている。
さらに、改質ガスを燃焼させた排ガスを高温容器13から排出する排ガス路8が、上述した排熱回収熱交換部2を経由する形態で設けられている。つまり、排熱回収熱交換部2が、燃料極を通流した後の改質ガスを燃焼させた排ガスの排熱を回収できるように構成されている。
【0034】
燃料ガス供給路10には、当該燃料ガス供給路10を開閉して燃料ガスの供給を断続するガス開閉弁14と、燃料ガスの供給圧を検出する圧力センサ15とが設けられている。
ちなみに、運転制御装置Cは、圧力センサ15にて検出される燃料ガスの供給圧が設定基準圧力未満になると、発電モジュールM及び給湯器Bに燃料ガスが供給されない状態であると判断して、圧力センサ15にて検出される燃料ガスの供給圧が設定基準圧力以上となるまで、ガス開閉弁14を閉じるように制御する。
運転制御装置Cは、燃料ガスが供給されないときに、後述するヒータ加熱式給湯処理の開始を指令するヒータ給湯切換指令が指令されると、ヒータ加熱式給湯処理を実行し、そして、ヒータ加熱式給湯処理の停止を指令するヒータ給湯切換指令が指令されると、ヒータ加熱式給湯処理を停止するように構成されている。
【0035】
〔排熱回収の詳細〕
貯湯槽3は、密閉型に構成されている。そして、排熱回収熱交換部2を経由する形態で、貯湯槽3の底部と上部とを接続する湯水循環用の循環路20(熱交換流路の一例)が設けられ、貯湯槽3の底部から取出した湯水を当該貯湯槽3の上部に戻す形態で、循環路20を通して湯水を循環させる循環ポンプ22が設けられている。
【0036】
循環路20は、貯湯槽3の底部と排熱回収熱交換部2とを接続する往路20aと、排熱回収熱交換部2と貯湯槽3の上部とを接続する復路20bとからなる。
そして、往路20aには、湯水の流れ方向に沿って、上述した循環ポンプ22、循環路20を流動する湯水を加熱する貯湯側凍結防止ヒータH1、循環路20を流動する湯水を冷却するラジエータ24が設けられている。
尚、ラジエータ24は、貯湯槽3の内部全体に目標温度(例えば、70℃)の湯水が貯湯された状態(沸き上がった状態)等において、循環路20を循環する湯水を冷却するために設けられている。
【0037】
ちなみに、図示は省略するが、循環ポンプ22のポンプ駆動回路及び貯湯側凍結防止ヒータH1のヒータ駆動回路には、商用電源6からの商用電力又は電力変換部1からの電力が供給されるように構成されている。
つまり、循環ポンプ22及び貯湯側凍結防止ヒータH1が、発電ユニットAが停止している場合は、外部電源としての商用電源6の電力にて駆動され、発電ユニットAが発電している場合は、電力変換部1からの電力にて駆動される状態で設けられている。
【0038】
往路20aにおける循環ポンプ22の上流側箇所には、貯湯槽3の底部から取出した湯水の温度を検出する温度センサとしての冷水側センサ25が設けられている。
また、復路20bには、排熱回収熱交換部2にて加熱された湯水の温度を検出する温度センサとしての温水側センサ26が設けられている。
【0039】
また、バイパス路20cが、往路20aにおける冷水側センサ25と循環ポンプ22との間に相当する流路部分と、復路20bとを接続する状態で設けられている。
そして、復路20bを流動する湯水を貯湯槽3の上部に流動させる貯湯槽流動状態と復路20bを流動する湯水をバイパス路20cに流動させるバイパス流動状態とに切換える3方切換え式のバイパス弁21が設けられている。
そして、凍結防止のために、貯湯側凍結防止ヒータH1を作動させる場合等においては、バイパス流動状態に切換えることができるように構成されている。
【0040】
ちなみに、給水路30には、給水路用凍結防止ヒータH2が備えられ、出湯路31には、出湯路用凍結防止ヒータH3が備えられている。
そして、発電制御装置Pが、外気温度が低下する等により、凍結防止のために貯湯側凍結防止ヒータH1を作動させるときには、給水路用凍結防止ヒータH2及び出湯路用凍結防止ヒータH3を併せて作動させるように構成されている。
尚、貯湯側凍結防止ヒータH1、給水路用凍結防止ヒータH2及び出湯路用凍結防止ヒータH3を、発電側ヒータHaと総称する。
【0041】
そして、発電制御装置Pが、発電モジュールMの作動状態において、冷水側センサ25及び温水側センサ26の検出情報に基づいて、貯湯槽3に温度成層を形成する状態で貯湯すべく、循環路20を通して貯湯槽3の上部に供給される湯水の温度が目標温度(例えば、70℃)になるように循環路20を通して流動する湯水循環量を調整する形態で、循環ポンプ22の作動を制御する排熱回収式貯湯処理を実行するように構成されている。
尚、貯湯槽3に貯留されている湯水の温度を検出する温度センサ(図示せず)にて、貯湯槽3に貯留されている湯水の全体が目標温度(例えば、70℃)になることが検出されると、循環路20を通した湯水の循環を停止するように構成されている。
ちなみに、上記目標温度は、夏季、冬季、中間期等の季節に応じて、自動的に異なる温度を設定してもよく、また、リモコンRにて使用者の好みの温度を設定するように構成してもよい。
【0042】
したがって、貯湯槽3に貯湯した湯水を、貯湯槽3の上部に接続した出湯路31を通して給湯器Bに供給し、給湯器Bが、給湯栓38や浴槽50(
図2参照)等の湯水消費箇所に出湯できるように構成されている。
ちなみに、貯湯槽3に貯湯した湯水が出湯されると、貯湯槽3の下部に接続した給水路30を通して、上水道等の給水源より給水されることになる。
【0043】
また、発電制御装置P(運転制御装置)が、燃料ガスが供給されていないときに、ヒータ加熱式給湯処理の開始を指令するヒータ給湯切換指令が指令されると、貯湯側凍結防止ヒータH1を作動させかつ循環ポンプ22を設定駆動条件にて駆動させた状態で、循環路20を通して湯水を循環させて、貯湯槽3に貯留されている湯水を昇温させるように構成され、かつ、貯湯槽3に貯留されている湯水の温度を検出する温度センサ(図示せず)にて、貯湯槽3に貯留されている湯水の全体が目標温度(例えば、70℃)になることが検出されると、循環路20を通した湯水の循環を停止するように構成されている。
そして、貯湯槽3から供給される槽送出湯水が、給湯器Bに装備した後述する外部凍結防止ヒータHbにて加熱(昇温)されながら、給湯器Bから出湯されるように構成されている。
【0044】
(出湯構成の詳細)
出湯路31には、給水路30から分岐した状態で設けられた分岐路30Aから供給される冷水と出湯路31を通流する槽送出湯水とを混合する混合弁33が設けられている。
給水路30の分岐路30Aには、給水側温度センサ35が設けられ、出湯路31における混合弁33の上流側箇所には、冷水を混合させる前の槽送出湯水の温度を計測する上流側温度センサ37が設けられ、出湯路31における混合弁33の下流側箇所には、冷水を混合させた後の槽送出湯水の温度を計測する下流側温度センサ36が設けられている。
【0045】
そして、発電制御装置Pが、燃料ガスが供給されている発電モジュールMの作動状態及び燃料ガスが供給されていない状態のときに、給湯栓38が開かれるあるいは湯張りが開始される等に応じて槽送出湯水を給湯器Bに供給する際には、給水側温度センサ35及び上流側温度センサ37の検出情報に基づくフィードフォワード制御、及び、下流側温度センサ36の検出情報に基づくフィードバック制御により、冷水を混合させた槽送出湯水の温度が設定供給温度(例えば、35℃)になるように混合弁33を制御するように構成されている。
尚、燃料ガスが供給されていない状態の場合等において、冷水を混合する前の槽送出湯水の温度が設定供給温度(例えば、35℃)未満であるときには、槽送出湯水を冷水の混合を行わずに給湯器Bに供給することになる。
【0046】
続いて、後述の如く、燃料ガスが供給されている発電モジュールMの作動状態においては、給湯制御装置Qが、供給される槽送出湯水を燃料ガスの燃焼熱により設定目標温度(例えば、40℃)に昇温させて出湯するように構成されている。
また、給湯制御装置Qが、燃料ガスが供給されていない状態のときには、供給される槽送出湯水を、給湯器Bに装備した後述する外部凍結防止ヒータHbにて設定目標温度(例えば、40℃)に近づけるように昇温(加熱)して出湯するように構成されている。
【0047】
また、分岐路30Aからの冷水を、出湯路31における混合弁33の下流側箇所に供給する冷水路32が設けられ、この冷水路32を開閉する冷水路開閉弁34が設けられている。
そして、例えば、貯湯槽3の殺菌対策等により貯湯槽3の湯水を使用できない場合等において、冷水路32を開き、冷水路32からの冷水を給湯器Bに供給して加熱することによって、設定目標温度(例えば、40℃等)の湯水を出湯できるように構成されている。
【0048】
ちなみに、燃料ガスが供給されていない状態のときに、冷水を混合させた槽送出湯水の温度が設定供給温度(例えば、35℃)になるように混合弁33を制御することに代えて、冷水を設定比率で槽送出湯水に混合させるように混合弁33を制御する形態で実施してもよい。
【0049】
〔給湯器の詳細〕
給湯器Bは、
図2に示すように、基本的には、湯水を浴槽50や給湯栓38に供給する湯水供給処理、暖房用の熱媒を床暖房パネル、浴室暖房乾燥機等の熱消費端末51に循環供給する熱媒供給処理、及び、浴槽50の浴槽水を追焚きする追焚き処理を行うように構成されている。
【0050】
つまり、給湯制御装置Qが、リモコンRや浴室リモコンR2の指令に基づいて、給湯器Bの作動を制御して、湯水を浴槽50や給湯栓38に供給する湯水供給処理、熱消費端末51に循環供給する熱媒供給処理、及び、浴槽50の浴槽水を追焚きする追焚き処理を実行するように構成されている。
ちなみに、浴室リモコンR2は浴槽50が設置された浴室Yの内部における浴槽50に隣接する壁面等に設けられる。
【0051】
本実施形態の給湯器Bは、発電ユニットAの出湯路31から供給される槽送出湯水が流動する入水路52からの水を加熱して、加熱後の湯水を給湯栓38や浴槽50に供給する給湯用加熱部F、及び、熱消費端末51に循環供給する熱媒を加熱する熱媒用加熱部Gを備えている。
【0052】
そして、給湯用加熱部Fにて加熱された湯水を給湯栓38に供給する給湯路53が設けられ、当該給湯路53を流動する湯水を浴槽50に供給する湯張路89が、給湯路53から分岐する状態で設けられている。
また、熱媒用加熱部Gと熱消費端末51との間で熱媒を循環させる熱媒循環回路Jと、当該熱媒循環回路Jを通して熱媒を循環させる熱媒循環ポンプJpとが設けられている。
【0053】
(給湯用加熱部及び熱媒用加熱部の構成)
給湯用加熱部Fは、入口側に入水路52が接続され且つ出口側に給湯路53が接続される給湯用熱交換器54、当該給湯用熱交換器54を加熱する給湯バーナ55、及び、当該給湯バーナ55に燃焼用空気を供給する給湯用送風ファン56を備えて、給湯用熱交換器54を流動する湯水を給湯バーナ55の燃焼ガスにて加熱するように構成されている。
【0054】
熱媒用加熱部Gは、熱媒循環回路Jの戻り路57が入口側に接続され且つ出口側に熱媒循環回路Jの往き路58が出口側に接続される熱媒加熱用熱交換器59、当該熱媒加熱用熱交換器59を加熱する熱媒加熱バーナ60、及び、当該熱媒加熱バーナ60に燃焼用空気を供給する熱媒用送風ファン61を備えて、熱媒加熱用熱交換器59を流動する熱媒を熱媒加熱バーナ60の燃焼ガスにて加熱するように構成されている。
【0055】
給湯用加熱部Fに装備された給湯バーナ55には、一般家庭用の燃料ガスを供給する給湯側ガス供給路62が接続され、熱媒用加熱部Gに装備された熱媒加熱バーナ60には、一般家庭用の燃料ガスを供給する熱媒側ガス供給路63が接続されている。
給湯側ガス供給路62及び熱媒側ガス供給路63には、燃料ガス供給量を調整する電磁式のガス比例弁64、燃料ガスの供給を断続する断続弁65が設けられている。
尚、図示を省略するが、給湯バーナ55や熱媒加熱バーナ60の近くには、点火用のイグナイタ及び着火を検出するフレームロッドが設けられることになる。
【0056】
(給湯用構成)
入水路52には、給水温度を検出する給水サーミスタ66と給水量を検出する水量センサ67とが設けられ、入水路52における給水サーミスタ66及び水量センサ67よりも下流側の箇所が、給湯用熱交換器54を迂回する給水バイパス路68にて、給湯路53に接続されている。
【0057】
給湯路53と給水バイパス路68との接続箇所には、給湯用熱交換器54からの湯量と給水バイパス路68からの水量との混合比を調整するミキシング弁69が設けられ、給湯路53における給水バイパス路68の接続箇所よりも上流側には、給湯用熱交換器54から送出される湯水の温度を検出する出湯サーミスタ70が設けられ、給湯路53における給水バイパス路68の接続箇所よりも下流側には、上流側から順に、ミキシング弁69にて混合された後の湯水の温度を検出する給湯サーミスタ71、湯水の量を調整する水比例弁72、一般給湯の割込みを検出する割込み検出用水量センサ73が設けられている。
【0058】
ちなみに、割込み検出用水量センサ73は、浴槽50に出湯する湯張りを行っているときに、給湯栓38が開かれたことを検出することになり、その検出により、湯張りが中断されることになる。
【0059】
(熱媒循環用構成)
熱媒循環回路Jの戻り路57には、膨張タンク74が介装され、戻り路57における膨張タンク74よりも下流側の箇所に、上述した熱媒循環ポンプJpが、膨張タンク74内の温水を吸引して熱媒加熱用熱交換器59に送出する形態で設けられている。
【0060】
熱媒循環回路Jの往き路58には、熱媒加熱用熱交換器59にて加熱されたのちの熱媒の温度を検出する熱媒サーミスタ75(熱媒温度検出部の一例)、及び、熱消費端末51への熱媒の供給を断続する端末用熱動弁76が設けられている。
また、往き路58における熱媒サーミスタ75よりも下流側箇所と戻り路57における膨張タンク74よりも上流側箇所とが、熱消費端末51を迂回させて温水を循環させるための循環バイパス路77にて接続されている。
【0061】
(追焚用構成)
熱媒循環回路Jの往き路58における循環バイパス路77の接続箇所よりも下流側箇所と熱媒循環回路Jの戻り路57における循環バイパス路77の接続箇所よりも上流側箇所とを接続する追焚き路78が設けられ、その追焚き路78には、浴槽50内の浴槽水を追焚するための追焚用熱交換器79と追焚用熱動弁80とが設けられている。
【0062】
浴槽50の内部の浴槽水が循環する浴槽水循環回路K(循環流路の一例)が、浴槽50の側壁部下方側に装備された循環アダプタ81に接続され且つ追焚用熱交換器79に接続される状態で設けられている。
つまり、浴槽水循環回路Kにおける浴槽水戻り路82が、循環アダプタ81と追焚用熱交換器79とを接続する状態で設けられ、浴槽水循環回路Kにおける浴槽水往き路83が、追焚用熱交換器79と循環アダプタ81とを接続する状態で設けられ、浴槽水戻り路82に、浴槽水循環回路Kを通して浴槽水を循環させる浴槽水循環ポンプ84が設けられている。
【0063】
ちなみに、追焚用熱交換器79は、浴槽水循環回路Kを流動する浴槽水と熱媒循環回路Jを流動する熱媒とを熱交換する液々熱交換器であり、且つ、浴槽水循環回路Kを流動する浴槽水を加熱する浴槽水加熱部Dに相当する。
【0064】
したがって、端末用熱動弁76を閉弁し且つ追焚用熱動弁80を開弁した状態で熱媒循環ポンプJpを作動させることにより、熱媒加熱用熱交換器59にて加熱された熱媒が、熱消費端末51を迂回した状態で追焚用熱交換器79に循環供給されることになる。
そして、その状態において、浴槽水循環ポンプ84を作動させることにより、浴槽50の内部に貯留された浴槽水を、浴槽水戻り路82及び浴槽水往き路83を通して追焚用熱交換器79に循環供給することにより、浴槽50内の浴槽水の追焚きを行えるように構成されている。
【0065】
浴槽水戻り路82には、上流側から順に、浴槽50から戻ってくる浴槽水の温度を検出する浴槽水温度検出センサ85、浴槽水戻り路82の内部の湯水の圧力を検出することによって浴槽内水位を検出する水位センサ86、水流スイッチ87、及び、上述の浴槽水循環ポンプ84が設けられている。
また、浴槽水往き路83には、追焚用熱交換器79にて加熱された浴槽水の温度を検出する浴槽往温検出センサ88が設けられている。
【0066】
(湯張用構成)
給湯路53における給水バイパス路68と割込み検出用水量センサ73との間の箇所から、給湯路53からの湯水を浴槽50に供給するための上述の湯張路89が分岐されて、その湯張路89が、浴槽水戻り路82に接続されている。
この湯張路89には、上流側から順に、湯張路89を開閉する湯張電磁弁90と、湯張逆止弁91とが設けられている。
【0067】
また、湯張路89における湯張電磁弁90と湯張逆止弁91との間には、空気層形成用ホッパ92が介装されている。
空気層形成用ホッパ92には、湯水を排水する排水路93と、その排水路93を開閉する電磁式の排水弁94とが設けられ、排水路93の端部が、浴槽水戻り路82における浴槽水循環ポンプ84と水流スイッチ87との間の箇所に接続されている。
尚、空気層形成用ホッパ92の構成及びその機能は周知であるので、本実施形態においては詳細な説明を省略する。
【0068】
したがって、湯張電磁弁90を開弁すると、給湯用加熱部Fにて加熱されたのち湯張路89を通して供給される湯水が、浴槽水戻り路82に供給され、浴槽水戻り路82に供給された湯水が、浴槽50の存在側と追焚用熱交換器79の存在側の両側に向けて分流する形態で通流することになる。つまり、湯張路89を通して供給される湯水が、浴槽水往き路83及び浴槽水戻り路82を通して浴槽50に供給されることになる。
【0069】
給湯器Bの内部の湯水流路Lに、外部凍結防止ヒータHbが設けられている。つまり、入水路52における給水バイパス路68の分岐箇所よりも上流側流路部分、入水路52における給水バイパス路68の分岐箇所よりも下流側流路部分、給湯路53における給湯用熱交換器54とミキシング弁69との間の流路部分、給湯路53におけるミキシング弁69と湯張路89の分岐箇所との間の流路部分、及び、給湯路53における湯張路89の分岐箇所よりも下流側となる流路部分に、外部凍結防止ヒータHbが設けられている。
【0070】
給湯制御装置Qが、外気温センサ(図示せず)等の検出情報に基づいて、凍結のおそれがあると判断すると、5つの外部凍結防止ヒータHbを作動させて、給湯器Bの湯水流路Lの内部の湯水の凍結を防止することになる。
ちなみに、給湯制御装置Qは、燃料ガスが供給されないときに、ヒータ加熱式給湯処理の開始を指令するヒータ給湯切換指令が指令されて、後述するヒータ加熱式給湯処理を実行する際にも、5つの外部凍結防止ヒータHbを作動させることになる。
【0071】
また、浴槽水循環回路Kの浴槽水往き路83における追焚用熱交換器79の下流側流路部分に、浴槽水加熱ヒータHyが備えられている。
給湯制御装置Qは、後述するヒータ加熱式給湯処理にて湯張りを行った後、浴槽水加熱ヒータHyを作動させた状態で、浴槽水循環回路Kを通して浴槽水を循環させることにより、浴槽水を昇温する処理を実行するように構成されており、その詳細は、後述する。
【0072】
ちなみに、図示は省略するが、5つの外部凍結防止ヒータHb、浴槽水加熱ヒータHy、及び、浴槽水循環ポンプ84は、商用電源6からの電力が供給されている。
つまり、5つの外部凍結防止ヒータHb、浴槽水加熱ヒータHy、及び、浴槽水循環ポンプ84は、発電ユニットAの発電が停止している状態においても、外部電源としての商用電源6の電力にて駆動される状態で設けられている。
【0073】
(給湯器の運転制御)
給湯器Bは、上記した機器類を装備するものであって、上述の説明から明らかな如く、湯水供給処理として、加熱した湯水を給湯栓38に供給する一般給湯処理及び加熱した湯水を浴槽50に供給する湯張処理を実行し、また、加熱した熱媒を熱消費端末51に循環供給する熱媒供給処理、及び、浴槽50の浴槽水を追焚きする追焚き処理を実行するように構成されている。
【0074】
すなわち、給湯制御装置Qが、リモコンRや浴室リモコンR2の指令情報、及び、給湯器Bが装備したセンサ類の検出情報に基づいて、給湯器Bが装備した機器類を作動させて、燃料ガスが供給されているときには、給湯処理に対応する一般給湯運転、湯張処理に対応する自動湯張運転、自動湯張運転に続いて行うキープ運転、浴槽50に追加で湯張り給湯する足し湯運転、熱媒供給処理に対応する端末加熱運転、及び、追焚き処理に対応する追焚運転等を実行するように構成されている。
【0075】
また、給湯制御装置Qが、燃料ガスが供給されていないときに、ヒータ加熱式給湯処理の開始を指令するヒータ給湯切換指令が指令されると、ヒータ加熱式給湯等処理に対応する処理として、5つの外部凍結防止ヒータHbを作動させる処理を実行する。
さらに、ヒータ加熱式給湯処理の開始を指令するヒータ給湯切換指令が指令されているときに、湯張りが指示されたときには、ヒータ加熱式給湯処理にて出湯する設定湯張り量の湯水を浴槽50に供給し、その後、浴槽水の温度が設定湯張り温度よりも低いときには、浴槽水加熱ヒータHyを作動させた状態で浴槽水循環ポンプ84を駆動して浴槽水を昇温するヒータ式湯張り処理を実行するように構成されている。
【0076】
以下、一般給湯運転、端末加熱運転、自動湯張運転、及び、追焚運転の各運転について説明を加える。
ちなみに、給湯制御装置Qは、これらの運転に加えて、後述の如く、燃料ガスの供給が停止している状態でヒータ加熱式給湯処理を開始するヒータ給湯切換指令が指令されると、ヒータ加熱式給湯処理に対応する処理、及び、ヒータ式湯張り処理を実行する。
【0077】
(一般給湯運転)
給湯制御装置Qは、燃料ガスが供給されているときに、給湯栓38が開かれて水量センサ67による検出水量が所定量以上になると、一般給湯運転を実行する。
一般給湯運転においては、給湯用加熱部Fにおける給湯用送風ファン56を駆動した後、断続弁65を開弁してイグナイタにより給湯バーナ55に点火し、水量センサ67の検出水量、給水サーミスタ66の検出水温、出湯サーミスタ70の検出温度及び給湯サーミスタ71の検出温度に基づいて、給湯サーミスタ71の検出温度が設定目標温度(例えば、40℃)になるように、ガス比例弁64の開度及びミキシング弁69の開度を調節する処理が実行される。
そして、水量センサ67により通水が検出されなくなると、断続弁65を閉弁して給湯バーナ55の燃焼を停止し、給湯用送風ファン56を停止して、一般給湯運転が終了されることになる。
【0078】
(端末加熱運転)
給湯制御装置Qは、燃料ガスが供給されているときに、端末加熱運転の開始が指令されると、端末加熱運転を実行する。
端末加熱運転においては、端末用熱動弁76を開弁し且つ追焚用熱動弁80を閉弁した状態で熱媒循環ポンプJpを作動させて、熱媒循環回路Jを通して熱媒を循環させ、それに併せて、熱媒用加熱部Gにおける熱媒用送風ファン61を駆動した後、断続弁65を開弁してイグナイタにより熱媒加熱バーナ60に点火し、熱媒サーミスタ75の検出温度が目標循環温度(例えば70℃)になるように、ガス比例弁64の開度を調節する処理が実行される。
【0079】
(自動湯張運転)
給湯制御装置Qは、燃料ガスが供給されているときに、湯張り指令が指令されると、自動湯張運転を実行するように構成されている。
自動湯張運転では、浴槽50に湯を供給する注湯処理とその注湯処理を停止して水位センサ86の検出水位を判定する判定処理を交互に実行する処理を、水位センサ86の検出水位が目標水位以上になるまで繰り返し、水位センサ86の検出水位が目標水位以上になると、浴槽水の温度が目標湯張温度になるように追焚する追焚処理を実行した後、自動湯張運転を終了する。
【0080】
給湯制御装置Qは、注湯処理では、湯張電磁弁90を開弁し、且つ、上述の一般給湯運転と同様に給湯バーナ55に点火し、水量センサ67の検出水量、給水サーミスタ66の検出水温、出湯サーミスタ70の検出温度及び給湯サーミスタ71の検出温度に基づいて、給湯サーミスタ71の検出温度が設定された目標湯張温度になるように、ガス比例弁64の開度及びミキシング弁69の開度を調節する。そして、注湯用設定時間が経過すると、上述した判定処理のために、湯張電磁弁90を閉弁し、且つ、給湯バーナ55の燃焼を一旦停止するように構成されている。
【0081】
また、給湯制御装置Qは、追焚処理では、端末用熱動弁76を閉弁し且つ追焚用熱動弁80を開弁した状態で熱媒循環ポンプJp及び浴槽水循環ポンプ84を作動させて、浴槽50内の湯水を浴槽水戻り路82及び浴槽水往き路83を通して循環させ、それに併せて、熱媒用加熱部Gにおける熱媒用送風ファン61を駆動した後、断続弁65を開弁してイグナイタにより熱媒加熱バーナ60を点火することになり、さらに、浴槽往温検出センサ88の検出温度が追焚用設定出湯温度(例えば60℃)になるように、ガス比例弁64の開度を調節することになる。
【0082】
そして、浴槽水温度検出センサ85の検出温度が目標湯張温度以上になると、断続弁65を閉弁させて熱媒加熱バーナ60の燃焼を停止させ、熱媒用送風ファン61を停止させて追焚処理を終了する。
【0083】
(追焚運転)
給湯制御装置Qは、追焚運転の開始が指令されると、排水弁94を閉弁した状態で浴槽水循環ポンプ84を作動させ、その後、設定経過時間(例えば、10秒)経過すると、浴槽水温度検出センサ85の検出温度を読み込む。
【0084】
浴槽水温度検出センサ85の検出温度が目標湯張温度よりも低い場合は、上述した追焚処理と同様に、端末用熱動弁76を閉弁し且つ追焚用熱動弁80を開弁した状態で熱媒循環ポンプJp及び浴槽水循環ポンプ84を作動させて、浴槽50内の湯水を浴槽水戻り路82及び浴槽水往き路83を通して循環させ、それに併せて、熱媒用加熱部Gにおける熱媒用送風ファン61を駆動した後、断続弁65を開弁してイグナイタにより熱媒加熱バーナ60を点火することになり、さらには、浴槽往温検出センサ88の検出温度が追焚用設定出湯温度(例えば60℃)になるように、ガス比例弁64の開度を調節して、浴槽水を加熱する。
【0085】
そして、浴槽水温度検出センサ85の検出温度が目標湯張温度以上になると、その時点から設定追加時間(例えば、30秒)の間、浴槽水の加熱を継続した後、断続弁65を閉弁させて熱媒加熱バーナ60の燃焼を停止させ、熱媒用送風ファン61を停止させて追焚運転を終了する。
【0086】
(ヒータ加熱式給湯処理の詳細)
運転制御装置Cは、燃料ガスが供給されないときに、ヒータ加熱式給湯処理の開始を指令するヒータ給湯切換指令が指令されると、ヒータ加熱式給湯処理を実行する。
すなわち、発電制御装置Pが、循環ポンプ22を駆動する状態で貯湯側凍結防止ヒータH1を作動させて貯湯槽3の湯水を昇温する処理を実行し、かつ、給湯制御装置Qが、出湯が指示されると、つまり、給湯栓38が開かれて水量センサ67による検出水量が所定量以上になる又は湯張りが指示されると、槽送出湯水を外部凍結防止ヒータHbにて昇温して出湯する処理を実行する。
【0087】
本実施形態では、ヒータ加熱式給湯処理において、発電制御装置Pが、冷水を混合された槽送出湯水の温度が設定供給温度(例えば、35℃)になるように又は冷水を設定比率で槽送出湯水に混合させるように混合弁33を制御し、かつ、給湯制御装置Qが、冷水が混合された槽送出湯水の温度、つまり、給水サーミスタ66にて検出される槽送出湯水の温度が設定目標温度よりも低いときには、5つの外部凍結防止ヒータHbを作動させて槽送出湯水の温度を設定目標温度(例えば、40℃)に近づけるようにする。
【0088】
ちなみに、本実施形態では、5つの外部凍結防止ヒータHbの全てを一挙に作動させる形態を例示するが、給水サーミスタ66にて検出される槽送出湯水の温度と設定目標温度との差に基づいて、5つの外部凍結防止ヒータHbのうちの作動させるヒータ数を変化させて、外部凍結防止ヒータHbによる加熱量を調整する形態で実施してもよい。
【0089】
(ヒータ式湯張り処理の詳細)
運転制御装置Cは、燃料ガスが供給されないときに、ヒータ加熱式給湯処理の開始を指令するヒータ給湯切換指令が指令されている状態で、湯張りが指示されたときには、ヒータ加熱式給湯処理にて出湯する設定湯張り量の湯水を浴槽50に供給し、その後、浴槽水の温度が設定湯張り温度よりも低いときには、浴槽水加熱ヒータHyを作動させた状態で浴槽水循環ポンプ84を駆動して浴槽水を昇温するヒータ式湯張り処理を実行するように構成されている。
【0090】
すなわち、ヒータ加熱式給湯処理にて加熱されている湯水を浴槽50に供給する注湯処理とその注湯処理を停止して水位センサ86の検出水位を判定する判定処理を交互に実行する処理を、水位センサ86の検出水位が目標水位(設定湯張り量の一例)になるまで繰り返し、水位センサ86の検出水位が目標水位以上になると、浴槽水の温度が設定湯張り温度になるように昇温する処理を実行する。
【0091】
給湯制御装置Qは、注湯処理では、湯張電磁弁90を開弁し、且つ、給水サーミスタ66にて検出される槽送出湯水の温度が設定湯張り温度よりも低いときには、5つの外部凍結防止ヒータHbを作動させる。
【0092】
また、給湯制御装置Qは、浴槽水の温度を設定湯張り温度に昇温する際には、浴槽水加熱ヒータHyを作動させた状態で浴槽水循環ポンプ84を駆動し、そして、浴槽水温度検出センサ85の検出温度が設定湯張り温度以上になると、浴槽水加熱ヒータHy及び浴槽水循環ポンプ84を停止させて、処理を終了する。
【0093】
(制御作動の詳細)
次に、燃料ガスが供給されないときに、ヒータ加熱式給湯処理の開始を指令するヒータ給湯切換指令が指令されている状態における運転制御装置Cの制御作動、つまり、湯温管理制御を、
図3~
図6のフローチャートに基づいて説明する。
図3に示すように、湯温管理制御においては、先ず、槽内昇温の処理(#100)を実行し、出湯が指示されると、つまり、給湯操作があった場合には(#01のYes)、給湯時昇温の処理(#200)を実行する。
【0094】
また、湯張りが指示されたとき、つまり、湯張り操作があった場合には(#02のYes)、ヒータ式湯張り処理に相当する浴槽給湯の処理を実行する(#300)。
その後、燃料ガスが供給される状態になるあるいはヒータ加熱式給湯処理の停止を指令するヒータ給湯切換指令が指令されることにより、処理終了であると判断した場合には(#3のYes)、湯温管理制御の処理を終了し、処理終了でないと判断した場合には(#3のNo)には、#100の処理に移行する。
【0095】
〔槽内昇温の処理〕
図4に示すように、槽内昇温の処理(#100)では、冷水側センサ25の検出情報に基づいて槽内温度を取得し(#101)、取得された温度が目標温度(例えば、70℃)に相当する設定値未満である場合には(#102のNo)、循環ポンプ22を駆動する処理(#103)及び貯湯側凍結防止ヒータH1を作動させるヒータONの処理(#104)を実行し、その後、
図3に示すフローチャートに移行する。
【0096】
冷水側センサ25の検出情報に基づいて、槽内温度が設定値以上に達したと判断した場合には(#102のYes)、貯湯側凍結防止ヒータH1を停止するヒータOFFの処理(#105)及び循環ポンプ22を停止する処理(#106)を実行し、その後、
図3に示すフローチャートに移行する。
【0097】
〔給湯時昇温の処理〕
図5に示すように、給湯時昇温の処理(#200ステップ)では、冷水を混合させた槽送出湯水の温度が設定供給温度(例えば、35℃)になるように混合弁33を制御するあるいは冷水を設定比率で槽送出湯水に混合させるように混合弁33を制御する形態で、槽送出湯水を給湯器Bに供給する出湯開始の処理を実行し(#201)、続いて、給水サーミスタ66にて検出される温度を出湯温度として取得する処理を実行する(#202)。
【0098】
出湯温度が設定目標温度としての設定値未満であるか否かを判断し(#203)、設定値未満である場合には、5つの外部凍結防止ヒータHbを作動させるヒータONの処理を実行し(#204)、設定値未満でない場合には、5つの外部凍結防止ヒータHbを停止させるヒータOFFの処理を実行し(#205)、その後、
図3に示すフローチャートに移行する。
【0099】
〔浴槽給湯の処理〕
図6に示すように、浴槽給湯の処理(#300ステップ)では、冷水を混合させた槽送出湯水の温度が設定供給温度(例えば、35℃)になるように混合弁33を制御するあるいは冷水を設定比率で槽送出湯水に混合させるように混合弁33を制御する形態で、槽送出湯水を給湯器Bに供給し、かつ、湯張電磁弁90を開いて出湯開始の処理を実行し(#301)、続いて、給水サーミスタ66にて検出される温度を出湯温度として取得する処理を実行する(#302)。
【0100】
その後、出湯温度が設定湯張り温度としての設定値未満であるか否かを判断し(#303)、設定値未満である場合には、5つの外部凍結防止ヒータHbを作動させるヒータONの処理を実行し(#304)、設定値未満でない場合には、5つの外部凍結防止ヒータHbを停止させるヒータOFFの処理を実行する(#305)。
【0101】
続いて、上述した判定処理にて検出する水位が目標水位(設定湯張り量の一例)であるか否かを判別し(#306)、目標水位以上になると、湯張電磁弁90を閉じて出湯を停止する処理を実行する(#307)。
次に、浴槽水循環ポンプ84を駆動した状態で検出される浴槽水温度検出センサ85の検出温度を、浴槽水温度として取得する処理を実行し(#308)、続いて、浴槽水温度が設定湯張り温度としての設定値以上であるか否かを判別する(#309)。
【0102】
#309処理にて、浴槽水温度が設定値以上でないと判別した場合には、浴槽水加熱ヒータHyを作動させるヒータONの処理(#310)、及び、浴槽水循環ポンプ84を駆動する浴槽水循環ポンプ駆動の処理(#311)を実行した後に、#308処理に移行する。
【0103】
#309処理にて、浴槽水温度が設定値以上であると判別した場合には、浴槽水循環ポンプ84及び浴槽水加熱ヒータHyを停止させる浴槽水循環ポンプ停止、ヒータOFFの処理を実行し(#312)、その後、
図3に示すフローチャートに移行する。
【0104】
〔別実施形態〕
上記実施形態では、運転制御装置Cが、ヒータ加熱式給湯処理において、冷水を混合された槽送出湯水の温度が設定供給温度(例えば、35℃)になるように又は冷水を設定比率で槽送出湯水に混合させるように混合弁33を制御し、かつ、冷水が混合された槽送出湯水の温度が設定目標温度よりも低いときには、外部凍結防止ヒータHbを作動させて槽送出湯水の温度を設定目標温度に近づけるようにする形態を例示した。
【0105】
ヒータ加熱式給湯処理の別形態として、運転制御装置Cが、ヒータ加熱式給湯処理において、外部凍結防止ヒータHbを作動させ、かつ、冷水を混合させた槽送出湯水の温度を、給湯器Bから出湯される湯水の推定出湯温度が設定目標温度になる温度に調整すべく混合弁33を制御する形態で実施してもよい。
つまり、推定出湯温度は、下流側温度センサ36にて検出される温度と、外部凍結防止ヒータHbにて昇温されることが予測される設定上昇温度とを加えた温度であり、推定出湯温度が設定目標温度になるようにすべく、混合弁33を制御して、冷水が混合される槽送出湯水の温度を調整することになる。この形態の場合には、ヒータ加熱式給湯処理においては、外部凍結防止ヒータHbが一義的に作動されることになる。
【0106】
さらに、ヒータ加熱式給湯処理の別形態として、運転制御装置Cが、ヒータ加熱式給湯処理において、冷水を混合させた槽送出湯水の温度を、外部凍結防止ヒータHbを作動させたと仮定した状態において給湯器Bから出湯される湯水の推定出湯温度が設定目標温度になる温度に調整すべく混合弁33を制御し、かつ、冷水が混合された槽送出湯水の温度が設定目標温度よりも低いときには、外部凍結防止ヒータHbを作動させて槽送出湯水の温度を設定目標温度に近づけるようにする形態で実施してもよい。
【0107】
つまり、推定出湯温度は、下流側温度センサ36にて検出される温度と、外部凍結防止ヒータHbを作動させたと仮定したときに昇温されることが予測される設定上昇温度とを加えた温度であり、推定出湯温度が設定目標温度になるようにすべく、混合弁33を制御して、冷水が混合される槽送出湯水の温度を調整することになる。
そして、給水サーミスタ66にて検出される冷水が混合された槽送出湯水の温度が設定目標温度よりも低いときには、外部凍結防止ヒータHbを作動させて槽送出湯水の温度を設定目標温度に近づけるようにすることになる。
【0108】
ちなみに、外部凍結防止ヒータHbを作動させると仮定するときに、複数(5つ)の外部凍結防止ヒータHbのうちの一部(例えば3つ)を作動させると仮定して、設定上昇温度を予測し、外部凍結防止ヒータHbを作動させて槽送出湯水の温度を設定目標温度に近づける際に、槽送出湯水の温度と設定目標温度との温度差に基づいて、5つの外部凍結防止ヒータHbのうちで作動させるヒータ数を制御して、槽送出湯水の温度を設定目標温度に近づけるようにしてもよい。
【0109】
〔その他の別実施形態〕
(a)上記実施形態では、ヒータ加熱式給湯処理において、循環ポンプ22を予め設定した設定駆動条件にて駆動させる場合を例示したが、貯湯側凍結防止ヒータH1にて昇温される湯水の温度、つまり、循環路20を通して貯湯槽3の上部に供給される湯水の温度が、目標温度(例えば、70℃)になるように循環路20を通して流動する湯水循環量を調整すべく循環ポンプ22の駆動を制御する形態で実施してもよい。
【0110】
(b)上記実施形態では、ヒータ式湯張り処理において、ヒータ加熱式給湯処理にて出湯する設定湯張り量の湯水を浴槽50に供給するにあたり、水位センサ86にて検出される水位が目標水位になるように制御する場合を例示したが、例えば、湯張路89に流量計を装備して、湯張りを開始してから流量計にて検出される総流量が設定湯張り量に相当する流量になることにより、設定湯張り量の湯水を浴槽50に供給したと判別する形態で実施してもよい。
【0111】
(c)上記実施形態では、5つの外部凍結防止ヒータHbを備える場合を例示したが、外部凍結防止ヒータHbの設置数やその設置位置は、給湯器Bの具体構成に応じて種々変更できる。
【0112】
(d)上記実施形態では、給湯器Bとして、浴槽水循環回路Kが、熱媒循環回路Jからの熱媒が供給される追焚用熱交換器79に対して接続する形態に構成されるものを例示したが、例えば、浴槽水循環回路Kを、追焚用バーナにて加熱される熱交換部に対して接続する形態に構成する等、給湯器Bの具体構成は種々変更できる。
【0113】
(e)貯湯側凍結防止ヒータH1及び外部凍結防止ヒータHbに対して供給する電流値を、凍結防止のために供給する電流値よりも、湯水を昇温する際に供給する電流値を大きくできるようにして、湯水を昇温する際の加熱容量を、凍結防止を行う際の加熱容量よりも大きくする形態で実施してもよい。
【0114】
(f)上記実施形態では、燃料ガスが供給されないときに、ヒータ加熱式給湯処理の開始を指令するヒータ給湯切換指令がリモコンRから指令されると、ヒータ加熱式給湯処理を実行する形態を例示したが、燃料ガスが供給されないことが検出されると、ヒータ加熱式給湯処理を自動的に実行する形態で実施してもよい。
【0115】
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明は、供給される燃料ガスによって発電部で発電を行い、発電時に生ずる排熱で加熱された湯水を貯湯槽に貯留するエネルギー供給システムに利用できる。
【符号の説明】
【0117】
2 熱交換部
3 貯湯槽
20 熱交換流路
22 循環ポンプ
33 混合弁
50 浴槽
84 浴槽水循環ポンプ
B 給湯器
C 運転制御装置
M 発電部
H1 貯湯側凍結防止ヒータ
Hb 外部凍結防止ヒータ
Hy 浴槽水加熱ヒータ
K 循環流路
L 湯水流路