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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147302
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
A63F7/02 312Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022054715
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】宮永 真
(72)【発明者】
【氏名】永田 郁男
(72)【発明者】
【氏名】石黒 隆行
(72)【発明者】
【氏名】後藤 雅史
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BA65
2C088BA82
(57)【要約】
【課題】球詰まりの発生を抑制可能となる遊技機の提供。
【解決手段】本開示の遊技機は、遊技球2個以上の幅の幅広部から遊技球が1個ずつ流下する幅狭部に狭くなる流下路を有し、前記流下路内に臨む部分には、遊技球が前記幅広部をその幅方向で並んで流下してきたときに、一方の遊技球が前記幅狭部に先に進入するように、他方の遊技球を受容して前記幅広部内に一旦とどめることが可能な受容凹部が形成されている遊技機である。
【選択図】図19
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球2個以上の幅の幅広部から遊技球が1個ずつ流下する幅狭部に狭くなる流下路を有し、
前記流下路内に臨む部分には、遊技球が前記幅広部をその幅方向で並んで流下してきたときに、一方の遊技球が前記幅狭部に先に進入するように、他方の遊技球を受容して前記幅広部内に一旦とどめることが可能な受容凹部が形成されている遊技機。
【請求項2】
前記受容凹部の底面は、前記幅狭部に向かって下るように形成されている請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記受容凹部の底面の勾配は、前記幅狭部に向かうにつれて水平に近づいている請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記受容凹部は、側方に開口し、前記他方の遊技球の半球分以上を受容する請求項1から3の何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記幅広部は、遊技球が転動する転動路であり、遊技球が上下に並んで通過可能な幅を有し、
前記受容凹部は、側方に開口し、上下に並んだ遊技球のうち上側の遊技球を受容する請求項1から4の何れか1の請求項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記流下路は、前記転動路から下側に屈曲し、その屈曲部分で前記転動路から前記幅狭部へと幅を狭くする請求項5に記載の遊技機。
【請求項7】
前記流下路は、遊技盤の前面を流下してきた遊技球を取り込んで、遊技球を横方向に転動させる転動ステージへと案内する請求項1から6の何れか1の請求項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技球が流下する流下路が、遊技球2個以上の幅から、遊技球が1個ずつ流下する幅に、途中で狭くなる遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-062208号公報(図2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の遊技機では、流下路内で球詰まりが生じ得るため、その抑制が望まれる。
【0005】
本開示の遊技機は、遊技球2個以上の幅の幅広部から遊技球が1個ずつ流下する幅狭部に狭くなる流下路を有し、前記流下路内に臨む部分には、遊技球が前記幅広部をその幅方向で並んで流下してきたときに、一方の遊技球が前記幅狭部に先に進入するように、他方の遊技球を受容して前記幅広部内に一旦とどめることが可能な受容凹部が形成されている遊技機である。
【発明の効果】
【0006】
本開示の遊技機によれば、球詰まりの発生を抑制可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る遊技機の正面図
図2】遊技機の側断面図
図3】(A)反射部材の正面図、(B)(A)のA-A断面における反射部材の断面図
図4】第2実施形態に係る遊技機の正面図
図5】遊技領域の分岐ユニットの正面図
図6】分岐ユニットの図5におけるB-B断面前方斜視図
図7】分岐ユニットの図5におけるB-B平断面図
図8】分岐ユニットの図5におけるB-B断面後方斜視図
図9】分岐ユニットの前方分解斜視図
図10】分岐ユニットの後方斜視図
図11】分岐ユニットの後方分解斜視図
図12】第3実施形態に係る遊技機の正面図
図13】遊技領域の左下部分の拡大正面図
図14】ワープ路の正断面図
図15】第4実施形態に係る遊技機の正面図
図16】遊技領域の左下部分の正面図
図17】ワープ路の正断面図
図18】ワープ路の図16におけるC-C断面図
図19】ワープ路の後面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
以下、図1図3を参照して、本開示の第1実施形態に係る遊技機10について説明する。本実施形態の遊技機10はパチンコ遊技機であって、図1に示すように、前側が前面枠10Zにて覆われており、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して遊技板11の遊技領域R1が視認可能になっている。なお、以下の説明において、特記しない限り「右」及び「左」とは、遊技機10を前方から見た場合の「右」及び「左」を指すものとする。
【0009】
前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には操作ハンドル28が設けられている。操作ハンドル28を回動操作すると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域R1に向けて弾き出される。
【0010】
遊技領域R1の中央部付近には、表示装置13の表示画面13Gが配置されている。表示画面13Gには、遊技に関する種々の演出が表示される。
【0011】
遊技領域R1のうち表示画面13Gの下方における左右方向の中央部には、第1の始動入賞口14A、第2の始動入賞口14Bが、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。表示画面13Gの右側には、始動ゲート18が設けられ、始動ゲート18の下側には、大入賞口15が設けられている。また、遊技領域R1には、複数の一般入賞口(図示せず)が設けられている。上述した各始動入賞口14A,14B、大入賞口15、一般入賞口の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域Rの下端部に設けられたアウト口(図示せず)に全て取り込まれて遊技領域R1の外に排出され、球回収装置(図示せず)に回収される。
【0012】
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなしている。そして、遊技球が始動ゲート18を通過すると、普通図柄当否判定が行われ、普通図柄表示部(図示せず)にて判定結果が表示される。
【0013】
第1と第2の始動入賞口14A,14Bは、共に遊技板11から突出した部材の上面に開口を備えたポケット構造をなしている。第1の始動入賞口14Aは、遊技球が1つだけ入る開口幅を有している。第2の始動入賞口14Bは、第1の始動入賞口14Aの真下に配置され、その開口の左右両側には可動翼片14Cが備えられている。これら両可動翼片14Cは、常には起立状態になっており、第2の始動入賞口14Bの上方空間は、常には、第1の始動入賞口14Aを構成する部材と可動翼片14Cとで囲まれて、遊技球が入らないようになっている。そして、上述した普通図柄当否判定で当りとなった場合に、可動翼片14Cが所定期間に亘って横に倒される。すると、第2の始動入賞口14Bの上方空間が側方に開放し、第1の始動入賞口14Aの両脇を通過した遊技球が可動翼片14Cに受け止められて第2の始動入賞口14Bに案内されるようになる(図1に示す状態)。
【0014】
各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞すると、予め定められた所定数の遊技球が賞球として付与されると共に、特別図柄当否判定が行われる。その判定結果は、表示装置13の表示画面13Gにおいて特別図柄13A,13B,13Cの組み合わせで表示される。
【0015】
具体的には、表示画面13Gには、図1に示すように、通常、3つの左、中、右の特別図柄13A,13B,13Cが横並びに停止表示されている。これら各特別図柄13A,13B,13Cは、例えば、「0」~「11」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄13A,13B,13Cごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、第1及び第2の始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したときに、これら3つの特別図柄13A,13B,13Cが、上下方向にスクロール表示され、所定時間後に、例えば、左、右、中の順で各特別図柄13A,13B,13Cが停止表示される。そして、判定結果が当りの場合には、各特別図柄13A,13B,13Cが全て同じ図柄(ゾロ目)で停止表示され、遊技が当り遊技状態に移行する。これに対し、判定結果が外れの場合には、ゾロ目以外の組み合わせで停止表示され、当り遊技状態ではない通常遊技状態が続く。
【0016】
大入賞口15は、遊技板11の前面に開放して横長形状をなしており、通常遊技状態では、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、上記したように当り遊技状態となって当り遊技が行われると、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒れて大入賞口15が開放し、可動扉15Tをガイドにして大入賞口15に遊技球が入賞可能になる。大入賞口15に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が賞球として付与される。
【0017】
さて、遊技領域R1には、各始動入賞口14A,14B、大入賞口15、一般入賞口、始動ゲート18等の役物以外に、遊技球の流下方向を変化させる障害釘50や風車等が配置されている。障害釘50は、図2に示すように、断面円形の棒状の釘本体50Hの先端部にヘッド部50Cを有した構造をなしている。そして、ヘッド部50Cと反対側の基端部50Kが、遊技板11に穿孔された貫通孔11Aに埋設されて、障害釘50が遊技板11の前面から突出している。
【0018】
障害釘50には、第1の始動入賞口14Aの直上で、遊技球1つ分の間隔を空けて横並びに配置される第1の1対の特別障害釘51と、第1の1対の特別障害釘51の直上で、第1の1対の特別障害釘51よりも間隔を開けて横並びに配置される第2の1対の特別障害釘52と、第2の1対の特別障害釘52の直上で、第2の1対の特別障害釘52よりも間隔を開けて横並びに配置される第3の1対の特別障害釘53と、が含まれる。これら1対の特別障害釘51~53の間を通過した遊技球は、第1の始動入賞口14Aに案内されるようになっていて、第1~第3の1対の特別障害釘51~53は、それぞれ、第1の始動入賞口14Aに対して左右対称な位置に配置されている。そして、本実施形態では、これら1対の特別障害釘51~53と、遊技板11の後方から対向する位置に、前面に鏡面36を有する反射部材30が配置されている。
【0019】
遊技板11は、少なくとも一部が透過性を有する板状の樹脂によって形成され、8mmから20mmの厚さを有している。透過性を有する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂、ABS樹脂又はポリスチロール樹脂などが挙げられる。そして、本実施形態では、遊技板11のうち、少なくとも鏡面36と対向する部分が透過性を有していて、鏡面36は、遊技板11を通して遊技機10の前方から視認可能となっている。なお、遊技板11の全面が透過性を有していてもよい。また遊技板11のうち鏡面36と対向する部分は、完全な透明である必要はなく、前方から鏡面36を透視でき得る程度の半透明であっても良い。
【0020】
反射部材30は、図3(A),(B)に示すように、ミラー35と、ミラー35を支持するホルダ31と、を有する。ホルダ31は、樹脂の射出成形品であって、図3(B)に示すように、前枠部材32と後壁部材38とにより構成され、ミラー35を間に挟んで固定している。前枠部材32は、図3(A)に示すように、横長長方形の枠状をなし、その内側は、ミラー35を前方に露出させる開口部32Kとなっている。前枠部材32の1対の短側辺からは、1対の取付片33が側方に張り出している。また、開口部32Kの内面には、図3(B)に示すように、短側辺方向に延びる1対の溝部32Mが形成されている。
【0021】
1対の取付片33は、図3(B)に示すように、前枠部材32の前面よりも前方に突出していて、1対の取付部33の前面33Aは、遊技板11の後面に重ねられ、貫通形成された取付孔33N(図3(A)参照)に図示しないボルトを挿通して遊技板11に螺子止めすることにより前枠部材32が遊技板11に固定される。
【0022】
ミラー35は、横長長方形状をなし、樹脂製のベース板37の前面にアルミニウム等の金属を薄く蒸着して形成された鏡面36を備える(図3(B)参照)。ミラー35の1対の短側辺35Aは、開口部32Kの内面の短辺部分と略同じ長さか、又はそれよりも短くなっていて、開口部32Kの溝部32Mに収容され,接着剤等で固定されている(図3(B)参照)。一方、ミラー35の1対の長側辺の長さは、開口部32Kの内面の長辺方向の長さよりも長くなっている。これにより、ミラー35は、鏡面36が湾曲した状態で前枠部材32に固定される。なお、鏡面36は、ベース板37の前面に銀色塗装が施されることにより形成されてもよいし、シート状に形成された鏡であってもよい。
【0023】
ホルダ31の後壁部材38は、前壁部材32と略同形の横長長方形の板状をなし、前壁部材32の後面に重ねられている。具体的には、図3(B)に示すように、後壁部材38は、その短側辺の外縁から前方に突条38Tが突出し、その突条38Tに、前方に開口する複数の係合凹部38Kが形成されている。そして、その係合凹部38Kを、前壁部材32の1対の取付片33の後面から突出形成された複数の係合突部33Tに係合させることで後壁部材38が前壁部材32に固定される。また、後壁部材38には、その長辺方向の中央部分から前方に、短辺方向に延びる固定リブ39が形成されている。これにより、ミラー35は、鏡面36のうち長辺方向における中央部分が最も前方に張り出した状態でホルダ31に固定される(図3(B)参照)。このとき、鏡面36のうち最も前方に突出した部分は、前壁部材32の取付部33の前面33Aと面一に配置されてもよいし、取付部33の前面33Aよりも後方に配置されてもよい。
【0024】
そして、鏡面36の長辺方向が、第1~第3の1対の特別障害釘51~53の並び方向と平行となりかつそれら1対の特別障害釘51~53の間の中央位置と、鏡面36のうち長辺方向における中央部分とが対向するように配置されている。これにより、鏡面36は、第1~第3の1対の特別障害釘51~53間の中央部分と対向する位置で最も遊技板11に接近し、中央位置から左右に離れるに従って、遊技板11から離れるように配置される。つまり、第1の1対の特別障害釘51よりも第2の1対の特別障害釘52、第2の1対の特別障害釘52よりも第3の1対の特別障害釘53の方が鏡面36から離れるように配置されることになる。
【0025】
本実施形態によれば、第1~第3の1対の特別障害釘51~53の背後に鏡面36が位置するので、鏡面36にそれら1対の特別障害釘51~53が映り込み、その鏡像を遊技者は前方から視認することとなる。このとき、鏡面36に映る第1~第3の1対の特別障害釘51~53の鏡像が、遊技板11の厚みの分だけ鏡面36よりも奥まった位置に映るため、遊技者に、実物の第1~第3の1対の特別障害釘51~53が遊技板11の前面よりももっと奥側にも立設されているように視覚的な奥行きを感じさせることができ、遊技板11の透明な部分を利用した趣向性の向上が図られる。しかも、第1の始動入賞口14Aへの遊技球の入球は、当り遊技状態に移行させるための重要な入賞口であり、その第1の始動入賞口14Aへと導く第1~第3の1対の特別障害釘51~53に奥行きを感じさせることで、遊技者に、これら1対の特別障害釘51~53に挟まれた領域が広くなっていると感じさせて遊技意欲を向上させることができる。
【0026】
ここで、鏡面36を遊技板11の前面と平行に配置すると、空気中と遊技板11内部との光の屈折率の相違から、実物の障害釘50の釘本体50Hと、鏡面36に映る鏡像の釘本体50Hとが、一直線上に配置されず、折れているように見えて、遊技者に違和感を感じさせてしまうことがある。特に、遊技者と真正面で対向する位置よりも、真正面から左右にずれた位置ほど、遊技者から見たときに、折れているように見えやすくなる。
【0027】
これに対して、本実施形態では、鏡面36を、第1~第3の1対の特別障害釘51~53間の中央部分と対向する位置で最も遊技板11に接近させ、中央位置から左右に離れるに従って、遊技板11から離れるように湾曲させている。つまり遊技者の真正面では、鏡面36を遊技板11の前面と平行に配置して鏡面36の向きを遊技者の方に向け、真正面から左右にずれるほど、鏡面36の向きを遊技者から遠ざかる方向に向くように配置している。これにより、真正面から左右にずれた位置の実物の障害釘50の釘本体50Hと、鏡面36に映る鏡像の釘本体50Hとを、遊技者から見たときに、一直線上に配置されているように見せやすくなり、遊技者に違和感を感じさせにくくして自然な奥行きを感じさせることができる。
【0028】
[第2実施形態]
図4には、第2実施形態の遊技機60が示されている。本実施形態の遊技機60は、パチンコ遊技機であって、その前面の窓部60Mを通して、遊技球が流下可能な遊技領域60Rが視認可能になっている。遊技領域60Rは、遊技盤61の前側に配置され、遊技盤61の前面から突出する包囲壁60Wにより包囲されている。包囲壁60Wにより、遊技球が遊技領域60R外に進出することが規制されている。
【0029】
遊技機60のうち前面のうち窓部60Mより下方には、上皿と下皿が上下2段にして設けられ、下皿の右側には、発射ハンドル67Sが備えられている。
【0030】
遊技領域60Rの中央部付近には、表示装置の表示画面63が配置されている。表示画面63には、遊技に関する種々の演出が表示される。表示画面63は、遊技盤61に形成された開口部61Kを通して前側から視認可能になっている。開口部61Kの開口縁には、前側から装飾枠80が嵌め込まれて固定され、その装飾枠80によって開口部61Kの内側への遊技球の進入が規制されている。
【0031】
発射ハンドル67Sが回動操作されると、その操作量に応じた強度(速度)で、上皿に収容された遊技球が遊技領域60Rに向けて弾き出され、進入口60Kから遊技領域60R内に進入し、流下する。発射ハンドル67Sの操作量によって、遊技領域60Rのうち表示画面63に対して左側の領域か右側の流域かに遊技球を打ち分け可能になっている。
【0032】
遊技領域60Rのうち表示画面63の下方には、第1始動口64A、第2始動口64Bが、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。表示画面63の右側には、始動ゲート68が設けられ、始動ゲート68の下側かつ第1始動口64Aの右側には、大入賞口65が設けられている。また、遊技領域60Rには、複数の一般入賞口66が設けられている。なお、遊技領域60Rには、各始動口64A,64B、大入賞口65、一般入賞口66、始動ゲート68等の役物以外に、遊技球の流下方向を変化させる釘K(図5参照)等が配置されている。上述した各始動口64A,64B、大入賞口65、一般入賞口66の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域60Rの下端部に設けられたアウト口(図示せず)に全て取り込まれて遊技領域60Rの外に排出され、球回収装置(図示せず)に回収される。
【0033】
なお、上述した各役物の構成は、例えば、以下のようになっている。始動ゲート68は、遊技球が1球ずつ通過可能となっていて、始動ゲート68を遊技球が通過すると、普通図柄当否判定が行われる。
【0034】
第1始動口64Aは、遊技球が1つずつ入球可能に常時開放されている。第2始動口64Bは、通常は、開閉部材64Cにより閉塞されている一方で、上述した普通図柄当否判定の結果が当りとなったときには、開閉部材64Cが動いて開放され(普図当り遊技が実行され)、これにより、遊技球が第2始動口64Bに入球可能となる。
【0035】
各始動口64A,64Bに遊技球が入球すると、特別図柄当否判定(以下、適宜、「特図判定」という。)が行われる。なお、各始動口64A,64Bに遊技球が入球した場合には、例えば、所定個数の遊技球が賞球として上皿に払い出される。
【0036】
特図判定の判定結果は、特別図柄表示装置にて表示されると共に、表示装置の表示画面63において特別図柄の組み合わせで表示される。具体的には、表示画面63では、特別図柄が、変動表示後に、確定停止表示される。確定停止表示では、特別図柄が特図判定の判定結果を示す組合せで停止表示され、その組み合わせによって判定結果が報知される。
【0037】
特別図柄当否判定の結果が大当りの場合には、大入賞口65か開放される大当り遊技が実行される。なお、特別図柄当否判定の結果には、小当りが設けられていてもよく、この場合、小当りになると、大入賞口65が例えば大当り遊技よりも短い期間開放される小当り遊技が実行される。特図当否判定の結果が外れの場合には、大当り遊技でも小当り遊技でもない遊技状態が続く。
【0038】
大入賞口65は、横長矩形をなし、通常は、可動扉65Tにて閉塞されている。そして、大当り遊技が実行されると、可動扉65Tが所定期間に亘って前側に倒されて大入賞口65が開放され、可動扉65Tを案内にして、大入賞口65に多くの遊技球が入賞可能となる。ここで、可動扉65Tが、開放されてから閉じるまでの動作をラウンドと称すると、1回の大当り遊技は、所定回数のラウンドが実行されるまで継続する。1回のラウンドは、大入賞口65に所定個数の遊技球が入球した場合、又は、大入賞口65が開放してから所定時間経過した場合に終了する。大入賞口65に遊技球が入賞すると、例えば、1個の入賞につき所定個数の遊技球が賞球として上皿に払い出される。なお、例えば、特図判定の結果に小当りが設けられる構成で、小当りとなって小当り遊技が実行される場合にも、可動扉65Tが前側に倒されて大入賞口65が開放され、遊技球が大入賞口65に入賞可能となる。
【0039】
例えば、遊技状態には、通常状態よりも第2始動口64Bが開放されやすい時短状態が設けられていてもよい。例えば、時短状態は、所定の開始条件が成立すると設定され、このような開始条件としては、例えば、大当り遊技の終了や、特図判定で特定の特別図柄が確定停止表示されることや、通常状態において特図判定で大当り以外の判定結果(外れ又は小当り)が所定回数連続すること、等が挙げられる。時短状態は、例えば、次の大当り遊技が開始されるか、又は、次の大当り遊技の開始前に特図判定が所定回数行われるか、の何れかの条件が成立すると終了する。なお、時短状態では、第2始動口64Bが開放され易くなるので、遊技領域60Rのうち始動ゲート68がある右側の領域に向かって遊技球を発射する、いわゆる右打ちが行われる。
【0040】
遊技領域60Rには、遊技盤61よりも前側に突出し、遊技球に衝突して遊技球の流下方向を変化させる突出部(以下、適宜、「障害突出部」と呼ぶこととする。)が設けられている。本実施形態の例では、このような障害突出部として、多数の釘Kや樹脂製の障害突出部等が設けられている。また、それら障害突出部の中には、遊技球が通過する通路の分岐部に設けられ、分岐した通路に遊技球を振り分ける振分部(例えば、風車)として機能するものもある。なお、これら障害突出部は、その前側を遊技球が通過できないように、遊技盤61を前側から覆う透明板(例えばガラス板等)との間隔が、遊技球1個未満になる配置になっている。
【0041】
遊技領域60Rには、遊技球の通路が分岐する分岐部が複数設けられている。本実施形態の例では、図4及び図5に示すように、遊技領域60Rのうち開口部61Kの左側の領域に、分岐部71(図6参照)を内部に有する分岐ユニット70が設けられている。図5に示すように、分岐ユニット70には、上流から遊技球を受け入れる受入口72と、受入口72から受け入れた遊技球を排出する第1排出口73と第2排出口74とが設けられている。なお、本実施形態では、例えば、分岐ユニット70は樹脂製である。
【0042】
図6に示すように、分岐ユニット70には、受入口72から進入してきた遊技球を、受けて斜め下方に(本実施形態の例では、右下がりに)転動させる転動路75が形成されている。そして、分岐ユニット70内の流下路は、転動路75の終端部(下端部)で、上述の分岐部71により、第1排出口73へとつながる第1排出路73Rと、第2排出口74へとつながる第2排出路74Rと、に分岐する。
【0043】
本実施形態の例では、転動路75の延長上に、第1排出路73Rの入口が配置され、第2排出路74Rの入口は、転動路75の側方に(本実施形態の例では、遊技盤61側に)配置されている。第1排出路73Rは、上下方向に延び、転動路75を転動してきた遊技球を、下方に開口する第1排出口73まで落下させる。第2排出路74Rは、転動路75の終端部から脇にそれるように延びて、遊技盤61の後側へと向かい、さらに遊技盤61に沿って斜め下方に(本実施形態の例では、右下がりに)延びてから遊技盤61より前側に戻る。このように、第2排出路74Rは、第1排出路73Rを遊技盤61の後側に迂回する迂回路74Uを有する。そして、第2排出路74Rは、迂回路74Uの終端部から下方に延びてから、第2排出路74Rの終端部であり斜め下方に(本実施形態の例では、右下がりに)延びるスロープ部74Sに至り(図9参照)、その終端である第2排出口74から遊技球を排出する。なお、第2排出路74Rを、第1排出路73Rを前側に迂回させる構成としてもよい。
【0044】
ここで、図6図8に示すように、分岐ユニット70には、転動路75内に突出する突部76が設けられている。本実施形態の例では、突部76は、転動路75の終端(下流側の端)に設けられていて、転動路75と第1排出路73Rとの境目に配置されている。具体的には、突部76は、転動路75の底面であり遊技球が転動する転動面75Mから突出している。従って、転動路75に進入した遊技球は、突部76に向かって転動してくることになる。また、本実施形態の例では、転動面75Mのうち突部76に上流側から隣接する部分は、陥没していてその底面に、迂回路74Uに向かって下るスロープ部75Sが形成されている。そして、分岐部71では、突部76に向かって転動してきた遊技球が、そのまま進んで突部76を乗り越えると(通り越すと)、第1排出路73Rへと進入する一方で、突部76に衝突して突部76を乗り越えられないと(跳ね返されると)、スロープ部75Sにより第2排出路74Rへと誘導され、第2排出路74Rに進入する。即ち、分岐ユニット70は、転動路75を転動する遊技球の勢いが比較的強いと、その遊技球を第1排出口73から排出し易くなる一方で、前記勢いが比較的弱いと、その遊技球を第2排出口74から排出し易くなる(勢いが強い遊技球ほど、第2排出路74Rよりも第1排出路73Rに進入し易くなっている)。
【0045】
ここで、遊技領域60Rを、遊技球の排出が第2排出口74からなされるよりも第1排出口73からなされる方が遊技者にとって有利な特典が付与され易い構成にすることが考えられる。しかしながら、この構成では、例えば、遊技球の滑りを良くして(例えば、遊技球に油を付ける、いわゆる油球ゴト等をされて)、遊技球を転動路75で減勢(減速)され難くすることにより、第1排出口73から排出され易くすることが可能であるため、遊技者が不正に利益を得ることが可能となる。特に、分岐ユニット70が樹脂製である場合には、遊技球が油の付いた油球になっていると、遊技球が分岐ユニット70内でより滑り易くなり、遊技球を減勢させ難くなる。
【0046】
これに対し、本実施形態の遊技機60では、後述のように、逆に、遊技領域60Rが、遊技球の排出が第1排出口73からなされるよりも第2排出口74からなされる方が遊技者にとって有利になっていて、特典が付与され易くなっている(例えば大きな特典が見込まれる)。従って、例えば遊技球の滑りを良くする等して不正に利益を得ることを抑制可能となる。
【0047】
また、本実施形態の例では、分岐部71よりも上流側となる転動路75に、遊技球を蛇行させる蛇行部77が形成されている。従って、蛇行部77が無い場合よりも、転動路75上で遊技球を減速させ易くすることが可能となり、遊技球を第2排出口74から排出し易くなる。その結果、遊技者に有利になるという期待感を抱かせることが可能となり、遊技の趣向性を高めることが可能となる。
【0048】
蛇行部77は、図7に示すように、転動路75内に蛇行突部が前後から交互に突出してなる。具体的には、蛇行突部としては、転動路75内に後側から突出する後側突部77Uと、転動路75内に前側から突出する前側突部77Mと、が設けられている。本実施形態の例では、分岐ユニット70には、前後に合わされて遊技球の通路(転動路75や第1排出路73等)を形成する前側部材70Mと後側部材70Uとが設けられ(図9参照)、前側突部77Mは、前側部材70Mから突出し、後側突部77Uは、後側部材70Uから突出している(図7及び図8参照)。なお、図10に示すように、分岐ユニット70は、遊技盤61に前側から取り付けられ、後側部材70Uが遊技盤61に前側から重ねられる。また、図11に示すように、後側部材70Uには、後側カバー70Cが後側から取り付けられ、後側部材70Uと後側カバー70Cの間に、上述の迂回路74Uが形成されている。
【0049】
詳細には、本実施形態の例では、後側突部77Uは、前側突部77Mよりも1つ多く設けられていて、図7の例では、例えば、3つの後側突部77Uと、2つの前側突部77Mが設けられている。そして、転動路75を蛇行させる蛇行突部のうち最も下流側に配置される蛇行突部が、後側突部77Uになっているので、蛇行部77を抜ける際に、遊技球がこの後側突部77Uに衝突して前側に移動し易くなる。即ち、蛇行部77により、遊技球が第2排出路74Rの入口とは反対側に向かうこととなる。従って、転動路75を転動してきた遊技球が第2排出路74Rにばかり入るようになるという事態を抑制できる。
【0050】
図5に示すように、本実施形態の例では、第1排出路73Rは、遊技領域60Rにおける分岐ユニット70外の第1ルート81へとつながっていて、第1排出口73から排出された遊技球は、第1ルート81を流下する。本実施形態の例では、第1ルート81は、分岐ユニット70から下側に延び、第1始動口64Aへの入球が困難なルートになっている。例えば、第1ルート81は、第1始動口64Aへの入球ができないルートになっていてもよい。なお、第1ルート81は、第1始動口64Aへ非常にまれであるが入球可能な(例えば、遊技球が1000個流下して10個以下入球可能な)ルートになっていてもよい。また、第1ルート81には、分岐する部分が設けられていてもよく、例えば、このような分岐部分で釘K等により遊技球が振り分けられ、一般入賞口66又はアウト口等に入球する。なお、本実施形態の例では、第1ルート81は、第2入賞口64Bにも入球が困難なルートになっている。
【0051】
本実施形態の例では、第2排出路74Rは、遊技領域60Rにおける分岐ユニット70外の第2ルート82へとつながっていて、第2排出口74から排出された遊技球は、第2ルート82を流下する。本実施形態の例では、第2ルート82は、分岐ユニット70から側方に(右側に)延び、第1始動口64Aへの遊技球の入球が、第1ルート81よりも容易なルートになっている。従って、ほとんど一般入賞口66又はアウト口にしか入球可能とならない第1ルート81を遊技球が流下する場合に比べて、第2ルート82を遊技球が流下する方が、大当り遊技の実行につながる可能性があり、遊技者に有利である。具体的には、第2ルート82は、斜め下方に(本実施形態の例では、右下がりに)複数連なった釘Kの列である道釘列MK上を斜め下方に延びてから、1対の樹脂突部84の間まで延び(図4参照)、さらに1対の樹脂突部84から真下に延びて第1始動口64Aへと至る。
【0052】
なお、1対の樹脂突部84は、装飾枠80のうち下辺部から前側に突出し、釘K等と同様に遊技球の障害となる上述の障害突出部である。また、道釘列MKには、釘K同士の間隔が遊技球1個未満となった部分以外に、遊技球1個が通れる間隔となった部分が設けられていてもよい。この場合、道釘列MK上を流下する遊技球は、1対の樹脂突部84の間にまで到達できないこともあり得るため、第2排出口74から排出された遊技球が、必ずしも第1始動口64Aに入球できるとは限らない。本実施形態の例では、第1始動口64Aは、1対の樹脂突部84の間の真下にあるので、1対の樹脂突部84の間を流下する遊技球は、第1始動口64Aへとほぼ全て入球することとなる。
【0053】
本実施形態では、上述のように、分岐ユニット70の転動路75内に突出する突部76が設けられ、転動路75を転動してきた遊技球が、この突部76を乗り越えると、第1排出路73Rにそのまま進む一方で、突部76を乗り越えられないと、第2排出路74Rに誘導される。即ち、分岐した流下路を有する今までにない構成の遊技機が提供できる。
【0054】
なお、本実施形態では、突部76は、転動面75Mの幅方向に延びる突条になっているが、この形状に限定されるものではない。また、本実施形態において、突部76は、分岐ユニット70のうち転動路75を囲む部分において、転動路75内に上側から臨む天井面に形成されていてもよいし、転動路75を前後方向で挟んで対向する側面の少なくとも一方に形成されていてもよい。なお、遊技領域60Rを、遊技球が第2ルート82よりも第1ルート81に進入した方が遊技者に有利になる構成としてもよい。
【0055】
[第3実施形態]
図12には、第3実施形態の遊技機60が示されている。本実施形態の遊技機60は、上記第2実施形態に対して、遊技領域60Rの構成のみが異なっていて、遊技盤61及びそれに取り付けられる部材が異なっている。
【0056】
本実施形態では、第1及び第2始動口64A,64B、大入賞口65、始動ゲート68、一般入賞口66の構成は、上記第2実施形態と同様である。本実施形態では、装飾枠80の下辺部に、転動ステージ85が形成されている(図13参照)。転動ステージ85は、遊技球が横方向に転動可能なものであり、第1始動口64Aの上方となる部分に、遊技球を転動ステージ85から落下させることが可能な排出口85Kが形成されている。排出口85Kは、転動ステージ85の前端壁の上端側部分を切除した形状になっている。
【0057】
装飾枠80の左下部には、樋構造のワープ路86が設けられている。ワープ路86は、遊技領域60Rのうち表示画面63より左側の遊技領域60Rに開口する入口を有すると共に、右下がりに延びてその末端に出口を有する。ワープ路86の出口は、転動ステージ85の左端部と連絡されていて、ワープ路86に入球した遊技球は、転動ステージ85へと到達できる。なお、本実施形態では、例えば、ワープ路86は、遊技球が1球ずつ通過可能な太さになっている。
【0058】
遊技領域60Rには、上記第2実施形態と同様に、遊技盤61の前側に突出し、遊技球に衝突して遊技球の流下方向を変化させる障害突出部が設けられている。本実施形態でも、このような障害突出部として、多数の釘Kや樹脂製の障害突出部等が設けられている。また、それら障害突出部の中には、遊技球が流下する流下路の分岐部に設けられ、遊技球を振り分ける振分部として機能するものもある。例えば、このような振分部として機能する釘Kも設けられている。例えば、このような釘Kとして、上述のワープ路86の上流側で、ワープ路86へ向かうルートと、ワープ路86からそれるルートとに、遊技球を振分可能なものも設けられている。
【0059】
また、本実施形態では、上記振分部として風車62が設けられている。風車62は、釘等の支軸に、回転体が回転自在に取り付けられてなる。風車62は、上流からの遊技球が衝突すると、左回転して遊技球を左下側に誘導して第1ルート91を流下させるか、又は、右回転して遊技球を右下側に誘導して第2ルート92を流下させる(図13参照)。
【0060】
第1ルート91は、第1始動口64Aへの入球が困難なルートになっていて、例えば、第1始動口64Bへの入球ができないルートになっていてもよい。なお、第1ルート91は、第1始動口64Aへ非常にまれであるが入球可能な(例えば、遊技球が1000個流下して10個以下入球可能な)ルートになっていてもよい。また、第1ルート91には、分岐する部分が設けられていてもよく、例えば、このような分岐部分で釘K等により遊技球が振り分けられ、一般入賞口66又はアウト口等に入球する。なお、本実施形態の例では、第1ルート91は、第2始動口64Bへの入球も困難なルートになっている。
【0061】
第2ルート92は、第1始動口64Aへの遊技球の入球が、第1ルート91よりも容易なルートになっている。従って、ほとんど一般入賞口66又はアウト口にしか入球可能とならない第1ルート91を遊技球が流下する場合に比べて、第2ルート92を遊技球が流下する方が、大当り遊技の実行につながる可能性があり、遊技者に有利である。具体的には、第2ルート92は、斜め下方に(本実施形態の例では、右下がりに)複数連なった釘Kの列である道釘列MK上を斜め下方に延びてから、第1始動口64Aへと至る(図13及び図14参照)。
【0062】
ここで、上述のように第1ルート91と第2ルート92とに遊技球を振り分ける風車62の上方には、遊技盤61よりも前側に突出する上記障害突出部としての1対の対向部93が配置されている。1対の対向部93は、互いに横方向で対向し、遊技球がそれらの間を流下すれば、風車62に到達するように配置されている。従って、1対の対向部93の配置は、第1ルート91と第2ルート92との何れに遊技球が振り分けられるかに影響を与えるため、重要になる。
【0063】
本実施形態の例では、1対の対向部93のうち左側の対向部93Lは、上下方向に遊技球1個未満の間隔で複数並んだ釘K(いわゆる寄り釘)の列で構成される。また、1対の対向部93のうち右側の対向部93Rは、樹脂製の上記障害突出部で構成される。具体的には、右側の対向部93Rは、ワープ路86を構成する樋構造の樹脂部材の一部になっている。詳細には、右側の対向部93Rは、ワープ路86の入口の下側に配置され(具体的には、ワープ路86の入口の下側開口縁を形成し)、釘Kが植設される板状の遊技盤61の前面に重なるように張り出している。
【0064】
右側の対向部93Rは、風車62への流下路に臨む左側面で、遊技球を風車62へと案内する。この左側面は、上下方向に延びた面(例えば平端面)になっている。また、右側の対向部93Rの上面は、右下がりに傾斜していて、ワープ路86に進入してきた遊技球を転動させて下側(ワープ路86の奥側)へと案内する転動面になっている。
【0065】
本実施形態では、上述のように、遊技球の入球により特典が付与され得る入球部(第1始動口64A)が設けられ、それへの遊技球の入球が困難な第1ルート91か、それより当該入球が容易な第2ルート92かに、遊技球が風車62によって振り分けられる。そして、本実施形態の遊技機60では、風車62へ遊技球を案内する1対の対向部93のうち少なくとも一方の対向部93が、樹脂製の障害突出部を含んでいる。これにより、1対の対向部93の両方が釘のみからなる従来の構成に対して、樹脂製の対向部93に衝突した遊技球の挙動が、今までにない挙動となり得るため、新鮮な印象を抱かせることが可能となる。また、風車62へと至る遊技球の流下路を挟んで対向する対向部93の少なくとも一方が、樹脂製の剛体で構成されることで、遊技球の流下の安定化を図ることが可能となる。このように、対向部93の姿勢の傾き等が生じ難くなることで、風車62によって遊技球が第2ルート92側へ異常に振り分けられ易くなるといった事態を抑制可能となる。本実施形態の例では、樹脂製の障害突出部は、1対の対向部93のうち第2ルート92側の対向部93に含まれている。
【0066】
なお、左側の対向部93Lを樹脂製の障害突出部で構成してもよい。この場合、右側の対向部93Rを釘Kで構成してもよいし、左右の対向部93L、93Rに、共に、樹脂製の障害突出部が含まれてもよい。また、対向部93を複数の障害突出部を並べて(詳細には遊技球1個未満の間隔で並べて)形成する場合、それら障害突出部のうち最も下流側(風車62に近い側)に樹脂製の障害突出部を少なくとも配置するようにしてもよい。
【0067】
なお、図12及び図13に示す遊技領域60Rには、第1始動口64Aや始動ゲート68、一般入賞口66等の入球口に対して、上側に遊技球1個未満の間隔を空けて配置される1対の釘K2が設けられている(第1始動口64Aの上のいわゆる命釘、始動ゲート68の上のいわゆるスルー釘等)。この構成では、この1対の釘K2の間を遊技球が流下すれば、そのすぐ下の上記入球口に必ず遊技球が入球することになる。このような1対の釘K2の少なくとも一方の代わりとして、樹脂製の障害突出部が設けられてもよい。
【0068】
[第4実施形態]
図15には、第4実施形態の遊技機60が示されている。本実施形態では、上記第3実施形態に対して、ワープ路86の構成が異なっていて、上記第3実施形態に比べて、ワープ路86の入口から途中までが広くなっている(図16及び図17参照)。本実施形態の例では、遊技球の流下路(例えばワープ路86)として、その入口側の幅広部86Wから、出口側の幅狭部86Nへと途中で狭くなった流下路が設けられている(図17及び図19参照)。本実施形態の例では、幅広部86Wは、遊技球2個以上の幅を有し、幅狭部86Nは、遊技球が1個ずつ流下する幅になっている(図17及び図18参照)。なお、本実施形態では、例えば、ワープ路86の幅広部86Wは、遊技球2個ずつ流下可能な幅になっている。
【0069】
ここで、ワープ路86等の遊技球の流下路が、途中で下流側に狭くなっている場合、その途中部分で球詰まりが生じるおそれがある。これに対し、本実施形態の遊技機60には、以下のような特徴的な構成が備えられている。即ち、図19に示すように、遊技球の流下路(同図の例ではワープ路86)内に臨む部分に、受容凹部90が形成されている。受容凹部90は、遊技球が流下路をその流下路の幅方向で並んで流下してきた場合に、一方の遊技球が幅狭部86Nに先に進入するように、他方の遊技球を受容して幅広部86W内に一旦とどめることが可能になっている。
【0070】
本実施形態の例では、幅広部86Wは、遊技球が2つ上下に並んで通過可能な幅を有している。幅広部86Wに上下に並んだ1対の遊技球が入ってくると、ワープ路86の内面には、幅広部86Wから幅狭86Nへ狭くなるところで、上側の遊技球が突き当る部分があるが、ここに受容凹部90が設けられている。受容凹部90は、流下してくる上側の遊技球と対向するように側方に(本実施形態の例では、左側に)開口している(図17参照)。そして、上側の遊技球が、受容凹部90に受容されると、受容凹部90の底面に一時的に支持されると共に、上側の遊技球の下には、1対の遊技球のうちのもう一方である下側の遊技球がいるため、上側の遊技球は、幅狭部86Nへと流下できずに、幅広部86W内に一旦とどまることとなる(図19参照)。そして、下側の遊技球が幅狭部86Nに進入すると、上側の遊技球も続いて幅狭部86Nへと流下する。
【0071】
本実施形態の例では、受容凹部90の底面が、幅狭部86Nに向かって下るように形成されている。従って、受容凹部90から遊技球を落下させ易くすることが可能となる。これにより、上側の遊技球を幅広部86Wから幅狭部86Nへとよりスムーズに流下させることが可能となる。また、受容凹部90の底面の勾配は、幅狭部86Nに向かうにつれて水平に近づいている。従って、この勾配が一定である場合よりも、受容凹部90内に遊技球をとどめ易くなり、球詰まりの発生をより抑制可能となる。また、受容凹部90は、側方に開口すると共に、下側の遊技球の半球分以上を受容する。従って、受容凹部90の底面が、遊技球の重心位置の下方に配置されることとなり、受容凹部90による遊技球の受容を容易にすることが可能となる。なお、受容凹部90が、遊技球を半球未満だけ受容する大きさになっていてもよい。この場合、例えば、受容凹部90の底面が水平になっていてもよい。
【0072】
また、本実施形態の例では、幅が途中で狭くなる流下路(例えばワープ路86)において、遊技球が転動する転動路(幅広部86W)が上下に遊技球が並んで通過可能となっていると共に、前記途中で転動路(幅広部86W)から下側に屈曲した構成になっている(その屈曲部分で転動路(幅広部86W)から幅狭部86Nへと幅を狭くしている)。このような構成では、幅広部86Wで上下に並んだ遊技球を、幅狭部86Nで上下に並んだまま落下(即ち、落下方向に並んだまま落下)させることが可能となり、遊技球が1個ずつ流下可能な幅狭部86Nへの流下をスムーズにすることが可能となる。
【0073】
[他の実施形態]
(1)前記第1実施形態では、鏡面36を、遊技者の真正面から左右に離れるに従って遊技板11から離れるように湾曲させていたが、屈曲させてもよいし、遊技板11の前面に対して傾斜させてもよい。これによっても、実物の障害釘50の釘本体50Hと鏡面36に映る鏡像の釘本体50Hとを、遊技者から見たときに、一直線上に配置されているように見せやすくすることができる。
【0074】
(2)前記第1実施形態では、鏡面36を、遊技者の真正面から左右に離れるに従って遊技板11から離れるように湾曲させていたが、湾曲させず、遊技板11と平行な平坦面にしてもよい。この場合には、敢えて、鏡面36に映る鏡像の釘本体50Hを、実物の障害釘50の釘本体50Hとは変形した形状で遊技者に見せることで、遊技の趣向性を向上させることができる。このとき、前記第1実施形態のように鏡面36をホルダ31に固定せずに、直接遊技板11の後面に貼り付けてもよい。また、鏡面36を、ランダムな凹凸面にしてもよい。
【0075】
(3)前記第1実施形態では、鏡面36を第1の始動入賞口14Aの直上の障害釘51,52,53と対向する位置に配置したが、遊技領域R1のその他の領域に配置される障害釘50と対向する位置に配置してもよい。この場合、障害釘50の位置に応じて、実物の釘本体50Hと鏡面36に映る鏡像の釘本体50Hとが、一直線上に配置されているように見えやすくするために鏡面36の向きを調整してもよいし、しなくてもよい。
【0076】
また、障害釘50に限らず、遊技領域R1上に配置されて、遊技板11から前方に突出し、基端部が遊技板11に埋設されるその他の特定部品、例えば、各種入賞口14B,15や始動ゲート18等の役物や風車等と対向する位置に鏡面36を配置してもよい。また、特定部品が備えられない領域に鏡面36を配置してもよい。この場合、その領域を通過する遊技球を鏡面36に映すことで、流下する遊技球が奥行き方向にもう一つ出現するように見せることができ、遊技球の動きの趣向性を向上させることができる。
【0077】
<付記>
以下、前述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、前記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0078】
1.第1の特徴群
本開示は、遊技機に関し、例えば、特開2016-073701号公報(段落[0013])には、遊技球が前面を流下する遊技板の少なくとも一部が透明になっているものが開示されている。上述した従来の遊技機に対し、透明な部分を利用した趣向性の向上が求められている。これに対し、本発明群によれば、透明な部分を利用した趣向性の向上が図られる。
【0079】
[特徴1]
遊技球が前面を流下しかつ少なくとも一部が透明な遊技板と、
前記遊技板の後側に設けられ、前記遊技板を通して視認可能な鏡面を備える遊技機である。
【0080】
特徴1によれば、遊技板の厚みの分だけ鏡面よりも奥まった位置に、遊技板の前面の鏡像を遊技者に視認させることで奥行きを感じさせることができ、遊技板の透明な部分を利用した趣向性の向上が図られる。
【0081】
[特徴2]
前記鏡面は、湾曲するか、又は、屈曲するか、又は、前記遊技板の前面に対して傾斜している特徴1に記載の遊技機である。
【0082】
特徴2によれば、遊技板の前面の鏡像を、実物とは変形した形状で遊技者に見せることができ、より一層趣向性の向上が図られる。
【0083】
[特徴3]
前記遊技板から前方に突出すると共に基端部が前記遊技板に埋設され、遊技者が前記鏡面に映して視認可能な特定部品を備える特徴1又は2に記載の遊技機である。
【0084】
鏡面に映す対象物としては、特徴3のように、遊技板に埋設されて前方に突出した特定部品が挙げられる。
【0085】
[特徴4]
前記特定部品は、遊技球と衝突する複数の障害釘である特徴3に記載の遊技機である。
【0086】
特定部品として、特徴4のように、障害釘が挙げられる。
【0087】
[特徴5]
前記複数の障害釘には、前記鏡面に映る鏡像の前記障害釘と実物の前記障害釘とからなる棒体が、空気中と前記遊技板内部との光の屈折率の相違から、前記鏡面が平坦面であるとすると、屈曲して見える場所に配置される特別障害釘が含まれている特徴4に記載の遊技機である。
【0088】
障害釘として、特徴5のように、鏡面が平坦面である場合に、鏡面に映る鏡像の障害釘と実物の障害釘とからなる棒体が、空気中と前記遊技板内部との光の屈折率の相違から、屈曲して見える場所に配置される特別障害釘を含んでいてもよい。
【0089】
[特徴6]
前記特別障害釘を映す前記鏡面は、それが平坦面である場合に比べて、前記棒体が遊技者にとって真っ直ぐ見えるように湾曲するか又は前記遊技板の前面に対して傾斜している特徴5に記載の遊技機である。
【0090】
特徴6によれば、特別障害釘を映す鏡面を、湾曲又は遊技板の前面に対して傾斜させることで、鏡面に映る鏡像の障害釘と実物の障害釘とからなる棒体を真っ直ぐに見えるようにするので、遊技者に違和感を感じさせにくくして自然な奥行きを感じさせることができる。
【0091】
[特徴7]
遊技者から左右に分かれて配置されている1対の前記特別障害釘を備え、
それら1対の障害釘の後ろの前記鏡面は、それら1対の特別障害釘の間の中央位置が最も前に張り出し、中央位置から左右に離れるに従って後方に向かうように湾曲又は屈曲している特徴6に記載の遊技機である。
【0092】
特徴7によれば、鏡面を1対の特別障害釘の間の中央位置が最も前に張り出させ、中央位置から左右に離れるに従って後方に向かうように湾曲又は屈曲させるので、鏡面に映る鏡像の特別障害釘と実物の特別障害釘とからなる棒体を真っ直ぐに見えるようにすることができる。これにより、遊技者に、1対の特別障害釘が奥行き方向に長く延びているように見せて、1対の特別障害釘に挟まれた領域が広くなっているように感じさせることができる。
【0093】
[特徴8]
前記1対の特別障害釘に挟まれた遊技球の通過領域の下方には、遊技球が入賞可能な入賞口が備えられている特徴7に記載の遊技機である。
【0094】
特徴8によれば、1対の特別障害釘に挟まれた遊技球の通過領域の下方に入賞口が備えられているので、1対の特別障害釘に挟まれた領域が広くなっていると感じている遊技者に、入賞口に遊技球が入りやすくなっていると感じさせて遊技意欲を向上させることができる。
【0095】
[第1の特徴群の構成要素と実施形態上の各部位との対応関係]
遊技機:遊技機10、透明板:透明板11、入賞口:第1の始動入賞口14A、鏡面:鏡面36、特定部品:障害釘50、障害釘:障害釘50、特別障害釘:第1の特別障害釘51,第2の特別障害釘52,第3の特別障害釘53、棒体:鏡像の障害釘50Hと実物の障害釘50H
【0096】
2.第2の特徴群
本開示は、遊技機に関する。従来から、遊技球が通過する通路が設けられた遊技機が知られている(例えば、特開2003-062208号公報(図2))。しかしながら、前述した特許文献の構成は、登場してから久しく新鮮味に欠けるため、遊技球の通路の今までにない構成が求められている。これに対し、本特徴群によれば、今までにない構成の遊技機の提供が可能となる。
【0097】
[特徴1]
遊技球が通過する通路として、第1の通路(75,73R)と、その途中から分岐した第2の通路(74R)と、が設けられ、
前記第1の通路内に突出し、遊技球が通り越せない場合にその遊技球が前記第2の通路に誘導される突部(76)を備える遊技機。
【0098】
[特徴2]
前記突部は、遊技球が転動する転動面から突出している特徴1に記載の遊技機。
【0099】
[特徴3]
前記第1と第2の通路は、前記第1の通路に入ってきた遊技球が、前記第2の通路に振り分けられた場合に、前記第2の通路に振り分けられない場合よりも、遊技者に有利になるように構成されている特徴1又は2に記載の遊技機。
【0100】
[特徴4]
遊技球が入球すると、当否判定が行われるか又は賞球が払い出される入球部が設けられ、
前記第1と第2の通路は、前記第1の通路に入ってきた遊技球が、前記第2の通路に振り分けられた場合に、前記第2の通路に振り分けられない場合よりも、前記入球部に入球し易くなるように構成されている特徴1から3の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0101】
[特徴5]
前記第2の通路が分岐する前記途中よりも上流側に遊技球を蛇行させる蛇行部が形成されている特徴1から4の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0102】
[特徴6]
前記第2の通路は、前記第1の通路の脇にそれるように形成され、
前記蛇行部は、前記蛇行部を通過した遊技球を前記第2の通路の入口側とは反対側に向かわせる特徴5に記載の遊技機。
【0103】
[特徴7]
前記第2の通路は、前記第1の通路を遊技盤の後側に迂回する特徴1から6の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0104】
3.第3の特徴群
本開示は、遊技機に関する。従来から、遊技球が入球可能な入球口や風車等の遊技機構成部の上流側に、1対の釘が設けられ、それら釘の間を通過した遊技球が遊技機構成部に到達できる遊技機が知られている(特開2003-062208号公報(図2))。しかしながら、上述した従来の構成は、登場してから久しく新鮮味に欠けるため、新たな構成の遊技機が望まれる。これに対し、本特徴群によれば、今までにない構成の遊技機の提供が可能となる。
【0105】
[特徴1]
遊技球が第1のルートを流下すると入球困難である一方で、遊技球が第2のルートを流下すると、前記第1のルートを流下する場合よりも入球容易であり、その入球により特典が付与され得る入球部と、
前記第1のルートか前記第2のルートかに遊技球を振り分ける振分部と、
遊技盤よりも前側に突出する突出部を有して横方向で互いに対向し、互いの間を遊技球が通過すれば、遊技球が前記振分部又は前記入球部に到達する第1と第2の対向部と、を備え、
前記第1と第2の対向部のうち少なくとも一方の対向部には、樹脂製の前記突出部が含まれる遊技機。
【0106】
[特徴2]
前記第1と第2の対向部のうち他方の対向部には、前記障害突出部としての釘が含まれる特徴1に記載の遊技機。
【0107】
[特徴3]
前記振分部は、風車であり、
前記第1と第2の対向部は、遊技球がそれら対向部の間を通過すれば、前記風車に到達するように配置されている特徴1又は2に記載の遊技機。
【0108】
[特徴4]
前記樹脂製の障害突出部は、その障害突出部が含まれる前記対向部において、前記振分部又は前記入球部に最も近い特徴1から3の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0109】
[特徴5]
前記樹脂製の障害突出部は、前記第1と第2の対向部のうち前記第2のルート側の対向部に含まれている特徴1から4の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0110】
[特徴6]
前記入球部は、遊技球が入球可能に常時開放されている特徴1から5の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0111】
[特徴7]
前記樹脂製の障害突出部は、釘が植設される前記遊技盤に前方から重なっている特徴1から6の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0112】
[特徴8]
前記樹脂製の障害突出部は、前記遊技盤を貫通する開口部の開口縁に支持されている特徴1から7の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0113】
[特徴9]
前記樹脂製の障害突出部が設けられる前記対向部は、複数の前記障害突出部が遊技球1個未満の間隔で連なってなり、前記樹脂製の障害突出部は、その対向部において最も下流側に配置されている特徴1から8の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0114】
[特徴10]
前記第1と第2の対向部は、遊技球がそれら対向部の間を通過すれば、前記振分部に到達するように配置され、
前記樹脂製の突出部は、前記第1と第2の対向部のうち前記第2のルート側の対向部に含まれている特徴1から9の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0115】
4.第4の特徴群
本開示は、遊技機に関する。従来から、遊技球が流下する流下路が、遊技球2個以上の幅から、遊技球が1個ずつ流下する幅に、途中で狭くなる遊技機が知られている(例えば、特開2003-062208号公報(図2))。しかしながら、上述の遊技機では、流下路内で球詰まりが生じ得るため、その抑制が望まれる。
【0116】
[特徴1]
遊技球2個以上の幅の幅広部から遊技球が1個ずつ流下する幅狭部に狭くなる流下路を有し、
前記流下路内に臨む部分には、遊技球が前記幅広部をその幅方向で並んで流下してきたときに、一方の遊技球が前記幅狭部に先に進入するように、他方の遊技球を受容して前記幅広部内に一旦とどめることが可能な受容凹部が形成されている遊技機。
【0117】
[特徴2]
前記受容凹部の底面は、前記幅狭部に向かって下るように形成されている特徴1に記載の遊技機。
【0118】
[特徴3]
前記受容凹部の底面の勾配は、前記幅狭部に向かうにつれて水平に近づいている特徴2に記載の遊技機。
【0119】
[特徴4]
前記受容凹部は、側方に開口し、前記他方の遊技球の半球分以上を受容する特徴1から3の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0120】
[特徴5]
前記幅広部は、遊技球が転動する転動路であり、遊技球が上下に並んで通過可能な幅を有し、
前記受容凹部は、側方に開口し、上下に並んだ遊技球のうち上側の遊技球を受容する特徴1から4の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0121】
[特徴6]
前記流下路は、前記転動路から下側に屈曲し、その屈曲部分で前記転動路から前記幅狭部へと幅を狭くする特徴5に記載の遊技機。
【0122】
[特徴7]
前記流下路は、遊技盤の前面を流下してきた遊技球を取り込んで、遊技球を横方向に転動させる転動ステージへと案内する特徴1から6の何れか1の特徴に記載の遊技機。
【0123】
なお、本明細書及び図面には、特許請求の範囲に含まれる技術の具体例が開示されているが、特許請求の範囲に記載の技術は、これら具体例に限定されるものではなく、具体例を様々に変形、変更したものも含み、また、具体例から一部を単独で取り出したものも含む。
【符号の説明】
【0124】
10 遊技機
11 遊技板
14A 第1の始動入賞口
36 鏡面
50 障害釘
51 第1の特別障害釘
52 第2の特別障害釘
53 第3の特別障害釘
60 遊技機
60R 遊技領域
61 遊技盤
62 風車
64A 第1始動口
70 分岐ユニット
71 分岐部
73R 第1排出路
74R 第2排出路
75 転動路
75M 転動面
76 突部
77 蛇行部
81 第1ルート
82 第2ルート
85 転動ステージ
86 ワープ路
86N 幅狭部
86W 幅広部
90 受容凹部
91 第1ルート
92 第2ルート
93 対向部
93L 左側の対向部
93R 右側の対向部
K 釘
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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