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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147309
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】カートン用注出口
(51)【国際特許分類】
   B65D 41/04 20060101AFI20231005BHJP
   B65D 41/34 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B65D41/04 200
B65D41/34 112
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022054724
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000175397
【氏名又は名称】三笠産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】弁理士法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】南 健太
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA05
3E084AA12
3E084AA34
3E084BA01
3E084CA01
3E084DA01
3E084DB02
3E084DB12
3E084EA02
3E084EB02
3E084EB03
3E084FA09
3E084FB01
3E084FB04
3E084FB09
3E084GA01
3E084GB01
3E084HA03
3E084HB02
3E084HC01
3E084HD04
3E084KA12
3E084LB02
3E084LB07
3E084LC01
3E084LD01
(57)【要約】
【課題】上蓋のオーバーランを防止し、金型からの離型を容易にし、密封性の向上を図り、開封時、開閉時の操作性を向上させたカートン用注出口を提供する。
【解決手段】中栓基部5はカートン内部に連通する開孔7を有し、ネジ筒4は外周面に雄ネジ部9を有し、ノズル筒6は中栓基部5の開孔に続くノズル口10を有する。中栓基部側の外周にネジ筒4の内周面20に続く接続部11を有し、上蓋3内周面にネジ筒4の雄ネジ部9にネジ接合する雌ネジ部12を有し、ノズル口10に挿入する第1インナーリング13とネジ筒内側に挿入する第2インナーリング14を有する。第2インナーリング14は、一側先端の端面17がノズル筒6の接続部11に当接してオーバーラン防止部18を形成し、一側先端の外周面19がネジ筒4の内周面20に当接して変形抑止部21を形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートンに装着する中栓と、中栓に装着する上蓋を備え、
中栓は、中栓軸心方向の一側のネジ筒と、他側の中栓基部と、ネジ筒内側のノズル筒を有し、
中栓基部は、カートン内部に連通する開孔を有し、中栓基部の外周にカートンに接合するカートン接合部を有し、
ネジ筒は、外周面に雄ネジ部を有し、
ノズル筒は、中栓基部の開孔に続くノズル口を有し、中栓基部側の外周にネジ筒の内周面に続く接続部を有し、
上蓋は、内周面にネジ筒の雄ネジ部にネジ接合する雌ネジ部を有し、内側天面にノズル口に挿入する第1インナーリングとネジ筒内側に挿入する第2インナーリングを有し、上蓋の軸心周りの外周面にローレットを有し、
第2インナーリングは、上蓋の軸心方向において一側先端の端面がノズル筒の接続部に当接してオーバーラン防止部を形成し、一側先端の外周面がネジ筒内周面に当接して変形抑止部を形成することを特徴とするカートン用注出口。
【請求項2】
ノズル筒は、接続部に続く円錐状の裾部に径方向内側への変形が容易な薄肉の変形容易部を有することを特徴とする請求項1に記載のカートン用注出口。
【請求項3】
第1インナーリングがノズル口の内周面に当接して最内側シール部を形成し、第2インナーリングの一側先端の端面がノズル筒の接続部に当接して中間シール部を形成し、第2インナーリングの一側先端の外周面がネジ筒の内周面に当接して最外側シール部を形成し、これらの多重のシール部からなる密封構造を上蓋の外側と中栓の内側との間に備えることを特徴とする請求項1また2に記載のカートン用注出口。
【請求項4】
上蓋の雌ネジ部は、ネジ山を上蓋の軸心周りにおいて間欠的に形成し、外部侵入水の排水路を有することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のカートン用注出口。
【請求項5】
上蓋は、開口側に中栓基部の外周に嵌合する環状のTEバンドを有することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のカートン用注出口。
【請求項6】
上蓋は、ローレットが上蓋の軸心から放射状に配置した複数の板状突起からなり、上蓋の軸心周りにおいて板状突起の相互間が離隔して指掛かりを形成するとともに、各板状突起が上蓋の径方向外側に向けて伸びて、上蓋に加える軸心周りのトルクを増加させる入力部をなすことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のカートン用注出口。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙等の素材からなるカートンに設けるカートン用注出口に関し、特にスコアレスに貢献する技術に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カートン用注出口には、例えば、特許文献1に記載するものがある。これは、液体用紙容器に取り付けられるもので、スパウトとキャップとからなるプラスチック樹脂製の口栓である。スパウトを構成する樹脂は、ポリエチレン樹脂を主成分とし、かつバイオマスポリエチレン樹脂を5重量%以上含む。
【0003】
スパウトには、外側面に外ネジ条が設けられ、内側面に開口部を封鎖する封鎖板と該封鎖板に連結した第1係合部が設けられている。封鎖板はスパウトの内側面と周状薄肉部を介して連結されている。キャップには、スパウトの外ネジ条と螺合する内ネジ条と、第1係合部と係合する第2係合部が設けられ、外ネジ条と内ネジ条が螺解されるときに、第1係合部と第2係合部が係合し、封鎖板がキャップと共に回動されて周状薄肉部が破断される。
【0004】
また、特許文献2に記載するものは、口栓本体とキャップとを備える注出口栓である。キャップのインナーリングは、外周面に第1の外径を有する第1の領域と第2の外径を有する第2の領域とを有する。口栓本体の側壁は、内周面に第1の内径を有する第1の領域と第2の内径を有する第2の領域とを有する。キャップが口栓本体に螺着された状態において、インナーリングの第1の領域と口栓本体の側壁の第1の領域とが全周にわたって密着し、インナーリングの第2の領域と口栓本体の側壁の第2の領域とが全周にわたって密着する。インナーリングの第1の領域と口栓本体の側壁の第1の領域とが密着した領域と、インナーリングの第2の領域と口栓本体の側壁の第2の領域とが密着した領域との間に空間を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-189641
【特許文献2】特開2019-34790
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、カートンに設ける注出口には、プルオープン付きのものと、スコアレスのものがある。
【0007】
プルオープン付きのものは、開封時の操作として、上蓋を取り外す操作、プルオープンを引っ張ってスコアで破断させる操作の2ステップの動作が必要である。
【0008】
スコアレスのものは、注出口に栓体を押し込んで、未開封時、開封後の密封性を確保しており、上蓋を緊密に装着するので、開封時に上蓋を回すために力を要する。このため、上蓋に十分な力を加えるために上蓋の外周面にローレットを設けている。
【0009】
しかし、従来のローレットは多数の細かな溝を形成したものであるために、開封時に使用者が指によって上蓋に力を加える際に、指がローレット上で滑り、開封性を十分に確保することができていない。
【0010】
また、カートン用注出口は、注出用の開孔を有する中栓をカートンに装着し、中栓の開孔を塞ぐ上蓋を中栓にネジ接合する構造が一般的である。この構造において、上蓋を過剰に締めすぎてオーバーランすると、上蓋と中栓のネジの嵌合に不具合が生じ、シール性を確保できなくなり、密封性が損なわれる問題がある。
【0011】
また、中栓を製造する際の離型時には、中栓の構造に起因する理由によって、金型から中栓を強制的に引き抜く必要があり、この離型時にネジ部に変形や損傷が生じることがある。
【0012】
本発明は、上記課題を解決するものであり、上蓋のオーバーランを防止し、金型からの離型を容易にし、密封性の向上を図り、開封時、開閉時の操作性を向上させたカートン用注出口を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本発明に係るカートン用注出口は、カートンに装着する中栓と、中栓に装着する上蓋を備え、中栓は、中栓軸心方向の一側のネジ筒と、他側の中栓基部と、ネジ筒内側のノズル筒を有し、中栓基部は、カートン内部に連通する開孔を有し、中栓基部の外周にカートンに接合するカートン接合部を有し、ネジ筒は、外周面に雄ネジ部を有し、ノズル筒は、中栓基部の開孔に続くノズル口を有し、中栓基部側の外周にネジ筒の内周面に続く接続部を有し、上蓋は、内周面にネジ筒の雄ネジ部にネジ接合する雌ネジ部を有し、内側天面にノズル口に挿入する第1インナーリングとネジ筒内側に挿入する第2インナーリングを有し、上蓋の軸心周りの外周面にローレットを有し、第2インナーリングは、上蓋の軸心方向において一側先端の端面がノズル筒の接続部に当接してオーバーラン防止部を形成し、一側先端の外周面がネジ筒内周面に当接して変形抑止部を形成することを特徴とする。
【0014】
本発明に係るカートン用注出口において、ノズル筒は、接続部に続く円錐状の裾部に径方向内側への変形が容易な薄肉の変形容易部を有することを特徴とする。
【0015】
本発明に係るカートン用注出口において、第1インナーリングがノズル口の内周面に当接して最内側シール部を形成し、第2インナーリングの一側先端の端面がノズル筒の接続部に当接して中間シール部を形成し、第2インナーリングの一側先端の外周面がネジ筒の内周面に当接して最外側シール部を形成し、これらの多重のシール部からなる密封構造を上蓋の外側と中栓の内側との間に備えることを特徴とする。
【0016】
本発明に係るカートン用注出口において、上蓋の雌ネジ部は、ネジ山を上蓋の軸心周りにおいて間欠的に形成し、外部侵入水の排水路を有することを特徴とする。
【0017】
本発明に係るカートン用注出口において、上蓋は、開口側に中栓基部の外周に嵌合する環状のTEバンドを有することを特徴とする。
【0018】
本発明に係るカートン用注出口において、上蓋は、ローレットが上蓋の軸心から放射状に配置した複数の板状突起からなり、上蓋の軸心周りにおいて板状突起の相互間が離隔して指掛かりを形成するとともに、各板状突起が上蓋の径方向外側に向けて伸びて、上蓋に加える軸心周りのトルクを増加させる入力部をなすことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
上記の構成により、第2インナーリングがオーバーラン防止部と変形抑止部を兼ねる構造を実現できる。すなわち、第2インナーリングの一側先端の端面がノズル筒の接続部に当接して当て止めされることで、上蓋を過剰に締め過ぎることが無くなるとともに、使用者に最適な締め付け位置に達したことを知らせることで使用者の労力を軽減できる。また、第2インナーリングの一側先端の外周面がネジ筒内周面に当接することで、上蓋の締め付け時にネジ筒に作用する径方向内側への力に対して第2インナーリングがバックアップとして作用し、ネジ筒の変形を抑止する。結果としてネジ接合の不具合により密封性が損なわれることが無くなる。
【0020】
ノズル筒が薄肉の変形容易部を有することで、成形時にアンダーカットとなるネジ部を容易に離型させることができる。すなわち、ノズル筒が薄肉の変形容易部において変形することで、ネジ筒の変形を許容し、離型時のネジ部の損傷を防止できる。
【0021】
よって、上蓋の装着時における第2インナーリングによるネジ筒の変形の抑止と、離型時のネジ筒の変形の容易化の相反する課題を同時に実現できる。
【0022】
上蓋の外側と中栓の内側との間に、多重のシール部からなる密封構造を備えることで、スコアレスキャップとしての密封性が向上する。
【0023】
上蓋の雌ネジ部のネジ山を間欠的に形成することで、製造時の外部侵入水、例えばシャワー冷却水が上蓋内に侵入しても、ネジ山の掛けた箇所が排水路として機能し、外部侵入水を確実に排出することができる。
【0024】
ローレットの放射状の板状突起が、指掛かりを形成し、上蓋に加える軸心周りのトルクを増加させる入力部をなすことで、開封時、開封後の開閉時の上蓋の脱着操作を容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施の形態に係るカートン用注出口を示す断面図
図2】同実施の形態に係るカートン用注出口を示す正面図
図3】同実施の形態に係るカートン用注出口を示す平面図
図4】同実施の形態に係るカートン用注出口の上蓋を示す斜視図
図5】同実施の形態に係るカートン用注出口の上蓋を示す正面図
図6】同実施の形態に係るカートン用注出口の中栓を示す斜視図
図7】同実施の形態に係るカートン用注出口の中栓を示す正面図
図8】同実施の形態に係るカートン用注出口の中栓を示す底面図
図9】本発明の他の実施の形態に係るカートン用注出口の上蓋を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係るカートン用注出口の実施の形態を図1から図8を参照して説明する。
(実施例1)
図1から図8において、本発明に係るカートン用注出口は、スコアレスキャップをなし紙等からなるカートン1に装着する中栓2と、中栓2に装着する上蓋3を備えている。
【0027】
中栓2は、中栓軸心方向の一側がネジ筒4をなし、他側が中栓基部5をなし、ネジ筒4の内側にノズル筒6を有している。
【0028】
中栓基部5は、カートン1の内部に連通する開孔7を有し、外周にカートン1に掛かり合うカートン接合部8を有している。
【0029】
ネジ筒4は、外周面に雄ネジ部9を有し、ノズル筒6は、中栓基部5の開孔7に続くノズル口10を有しており、中栓基部側の外周にネジ筒4の内周面に続く接続部11を有している。
【0030】
上蓋3は、軸心周りの外周面に大型のローレット50を有している。ローレット50は上蓋の軸心から放射状に配置した複数の、ここでは8枚の板状突起51からなり、上蓋3の軸心周りにおいて板状突起51の相互間が離隔して指掛かりを形成するとともに、各板状突起51が上蓋3の径方向外側に向けて伸びて、上蓋3に加える軸心周りのトルクを増加させる入力部52をなす。
【0031】
また、上蓋3は、内周面にネジ筒4の雄ネジ部9にネジ接合する雌ネジ部12を有しており、内側天面にノズル口10に挿入する第1インナーリング13とネジ筒4の内側に挿入する第2インナーリング14を有している。上蓋3の雌ネジ部12は、ネジ山15を上蓋3の軸心周りにおいて間欠的に形成しており、ネジ山15の欠落部が外部侵入水の排水路16をなす。
【0032】
第2インナーリング14は、上蓋3の軸心方向において一側先端の端面17がノズル筒6の接続部11に当接してオーバーラン防止部18を形成しており、一側先端の外周面19がネジ筒4の内周面20に当接して変形抑止部21を形成している。
【0033】
第1インナーリング13はノズル口10の内周面22に当接して最内側シール部23を形成している。第2インナーリング14は、一側先端の端面17がノズル筒6の接続部11に当接して中間シール部24を形成し、一側先端の外周面19がネジ筒4の内側面に当接して最外側シール部25を形成している。よって、上蓋3の外側と中栓2の内側との間には、多重のシール部からなる密封構造が存在する。
【0034】
また、ノズル筒6は、尖がり状に突出する形状をなし、ノズル口10を形成する直筒部26と、接続部11から直筒26に続く円錐状の裾部27を有し、裾部27に径方向内側への変形が容易な薄肉の変形容易部28を有している。
【0035】
さらに、上蓋3は、開口側に中栓基部5の外周に嵌合する環状のTEバンド29を、ブリッジ30を介して保持している。TEバンド29は、内周面に形成した径方向内側に突出する係合部31において、中栓基部5の外周面に形成したアンダーカットからなるTEバンド保持部32に、中栓基部5の軸心方向において掛かり合って抜け止めされている。
【0036】
カートン接合部8は、TEバンド29の外側に、中栓基部5の軸心周りに間欠的に形成された隆起部33を有し、切り欠き部34が排水路35をなす。隆起部33の外側面には、径方向外側に突出してカートン1の表面側に掛かり合う複数の仮保持部36を適当間隔で設けている。そして、隆起部33の外側にはカートン1の裏面側に掛かり合うフランジ部37を有している。
【0037】
また、TEバンド29は上蓋軸心方向で上蓋3に対向する位置に当たり止め部29aを有し、上蓋3は上蓋軸心周りで当たり止め部29aに掛かり合う上蓋掛かり部3aを有し、製造工程において中栓2に上蓋3を装着する時に蓋掛かり部3aが上蓋軸心周りで当たり止め部29aに掛かり合って、ブリッジ30の破断を防止する。
【0038】
上記構成の作用を説明する。本発明に係るカートン用注出口によれば、第2インナーリング14がオーバーラン防止部18と変形抑止部21を兼ねる構造を実現できる。
【0039】
すなわち、第2インナーリング14の一側先端の端面17がノズル筒6の接続部11に当接して当て止めされることで、上蓋3を過剰に締め過ぎることが無くなるとともに、使用者に最適な締め付け位置に達したことを知らせることで使用者の労力を軽減できる。
【0040】
また、第2インナーリング14の一側先端の外周面19がネジ筒6の内周面20に当接することで、上蓋3の締め付け時にネジ筒4に作用する径方向内側への力に対して第2インナーリング14がバックアップとして作用し、ネジ筒6の変形を抑止する。
【0041】
結果として、上蓋3の雌ネジ部12と中栓基部3の雄ネジ部9のネジ接合の不具合により密封性が損なわれることが無くなる。
【0042】
ノズル筒6が薄肉の変形容易部28を有することで、成形時にアンダーカットとなる雄ネジ部9を容易に離型させることができる。すなわち、ノズル筒6が薄肉の変形容易部28において変形することで、ネジ筒4の径方向内側への変形を許容し、離型時の雄ネジ9の損傷を防止できる。
【0043】
よって、上蓋3の装着時における第2インナーリング14によるネジ筒4の変形の抑止と、離型時のネジ筒4の変形の容易化の相反する課題を同時に実現できる。
【0044】
上蓋3の外側と中栓2の内側との間に、多重のシール部からなる密封構造を備えることで、スコアレスキャップとしての密封性が向上する。
【0045】
上蓋3の雌ネジ部9のネジ山を間欠的に形成することで、製造時の外部侵入水、例えばシャワー冷却水が上蓋3の内部に侵入しても、ネジ山の掛けた箇所が排水路16として機能し、外部侵入水を確実に排出することができる。
【0046】
ローレットの放射状の板状突起51が、指掛かりを形成し、上蓋3に加える軸心周りのトルクを増加させる入力部をなすことで、開封時、開封後の開閉時の上蓋3の脱着操作を容易に行える。
(実施例2)
上記の実施例1では、上蓋3に形成するローレット50が8枚の板状突起51を備える構成を例示したが、図9に示すように、上蓋3に形成するローレット50は12枚の板状突起51を備えることも可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 カートン
2 中栓
3 上蓋
3a 蓋掛かり部
4 ネジ筒
5 中栓基部
6 ノズル筒
7 開孔
8 カートン接合部
9 雄ネジ部
10 ノズル口
11 接続部
12 雌ネジ部
13 第1インナーリング
14 第2インナーリング
15 ネジ山
16 排水路
17 端面(第2インナーリング)
18 オーバーラン防止部
19 外周面(第2インナーリング)
20 内周面(ネジ筒)
21 変形抑止部
22 内周面(ノズル口)
23 最内側シール部
24 中間シール部
25 最外側シール部
26 直筒部
27 裾部
28 変形容易部
29 TEバンド
29a 当たり止め部
30 ブリッジ
31 係合部
32 TEバンド保持部
33 隆起部
34 切り欠き部
35 排水路
36 仮保持部
37 フランジ部
50 ローレット
51 板状突起
52 入力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9