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特開2023-147409通信装置、通信方法、通信プログラムおよび気流可視化システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147409
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】通信装置、通信方法、通信プログラムおよび気流可視化システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/28 20200101AFI20231005BHJP
   G16Z 99/00 20190101ALI20231005BHJP
【FI】
G06F30/28
G16Z99/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022054881
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103090
【弁理士】
【氏名又は名称】岩壁 冬樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124501
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 誠人
(72)【発明者】
【氏名】曽我 隆
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 伸哉
(72)【発明者】
【氏名】山口 健太
【テーマコード(参考)】
5B146
5L049
【Fターム(参考)】
5B146DJ03
5B146DJ14
5B146EA02
5L049DD02
(57)【要約】
【課題】容易に空間における空気の流れを可視化できる通信装置を提供する。
【解決手段】通信装置30は、LiDAR(Light Detection and Ranging)で任意の空間における3次元形状を計測する計測部31と、計測された3次元形状を基に流体解析で使用される任意の空間における空間モデルを生成する生成部32と、任意の空間における空気の流れを解析する流体解析を実行する解析装置に生成された空間モデルを送信する送信部33と、解析装置から送信された解析装置による空気の流れを示す解析結果を表示する表示部34とを備える。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LiDAR(Light Detection And Ranging)で任意の空間における3次元形状を計測する計測部と、
計測された3次元形状を基に流体解析で使用される前記任意の空間における空間モデルを生成する生成部と、
前記任意の空間における空気の流れを解析する流体解析を実行する解析装置に生成された空間モデルを送信する送信部と、
前記解析装置から送信された前記解析装置による前記空気の流れを示す解析結果を表示する表示部とを備える
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
解析装置が流体解析を実行する条件である実行条件を設定する設定部を備え、
送信部は、設定された実行条件を前記解析装置に送信する
請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
解析装置が流体解析を実行するために前記解析装置に投入されたジョブを制御する制御部を備える
請求項1または請求項2記載の通信装置。
【請求項4】
表示部は、解析結果である空気の流れを表示する動画を再生する
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
LiDARで任意の空間における3次元形状を計測し、
計測された3次元形状を基に流体解析で使用される前記任意の空間における空間モデルを生成し、
前記任意の空間における空気の流れを解析する流体解析を実行する解析装置に生成された空間モデルを送信し、
前記解析装置から送信された前記解析装置による前記空気の流れを示す解析結果を表示する
ことを特徴とする通信方法。
【請求項6】
解析装置が流体解析を実行する条件である実行条件を設定し、
設定された実行条件を前記解析装置に送信する
請求項5記載の通信方法。
【請求項7】
コンピュータに、
LiDARで任意の空間における3次元形状を計測する計測処理、
計測された3次元形状を基に流体解析で使用される前記任意の空間における空間モデルを生成する生成処理、
前記任意の空間における空気の流れを解析する流体解析を実行する解析装置に生成された空間モデルを送信する送信処理、および
前記解析装置から送信された前記解析装置による前記空気の流れを示す解析結果を表示する表示処理
を実行させるための通信プログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
解析装置が流体解析を実行する条件である実行条件を設定する設定処理を実行させ、
送信処理で、設定された実行条件を前記解析装置に送信させる
請求項7記載の通信プログラム。
【請求項9】
通信装置と、解析装置とを含む気流可視化システムであって、
前記通信装置は、
LiDARで任意の空間における3次元形状を計測する計測部と、
計測された3次元形状を基に流体解析で使用される前記任意の空間における空間モデルを生成する生成部と、
前記任意の空間における空気の流れを解析する流体解析を実行する前記解析装置に生成された空間モデルを送信する第1送信部と、
前記解析装置から送信された前記解析装置による前記空気の流れを示す解析結果を表示する表示部とを有し、
前記解析装置は、
送信された空間モデルを用いて前記空気の流れを解析する流体解析を実行する解析部と、
前記解析部による前記解析結果を前記通信装置に送信する第2送信部とを有する
ことを特徴とする気流可視化システム。
【請求項10】
通信装置は、解析装置が流体解析を実行する条件である実行条件を設定する設定部を有し、
第1送信部は、設定された実行条件を前記解析装置に送信する
請求項9記載の気流可視化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、通信方法、通信プログラムおよび気流可視化システムに関し、特に空気の流れである気流を簡易に可視化できる通信装置、通信方法、通信プログラムおよび気流可視化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウイルス(COVID-19)の蔓延により、室内空間における空気の流れを良くするために頻繁に換気を行うことがより求められている。換気の効果を把握するために、例えば空気の流れを可視化することが考えられる。空気の流れを可視化するために、例えばスモークを焚く方法が考えられる。
【0003】
また、空気の流れを可視化するために、例えば数値シミュレーションを利用する方法が考えられる。例えば、特許文献1には、数値流体解析により室内外の温度、気流、濃度の分布状況や時間毎の変化を含む温熱空気環境の検討情報を解析結果として出力する温熱気流解析システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-56039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の各方法が用いられた場合、容易に空間における空気の流れを可視化することは困難である。例えば、室内においてスモークを焚く方法が使用された場合、事前に火災報知器を停止することが求められる。また、上記の方法には、空気の流入出口等の条件を変更してスモークを焚くことが難しいという問題もある。
【0006】
また、数値シミュレーションを利用するためには、流体解析に関する知識やスーパーコンピュータを利用するための知識が求められる。スーパーコンピュータを利用するための知識は、例えばLinux(登録商標)コマンド、ジョブ管理システムの利用方法、またはファイルの転送方法である。
【0007】
また、数値シミュレーションを利用して空気の流れを可視化するためには、可視化対象の空間における空間モデルをCAD(Computer Aided Design)システムや設計図等を利用して生成し、スーパーコンピュータを用いて生成された空間モデルに対して流体解析を実行することが求められる。特許文献1に記載されている温熱気流解析システムも、CADデータに基づいてプリプロセッサで室形状モデルを生成している。
【0008】
よって、流体解析に関する知識やスーパーコンピュータを利用するための知識が無い利用者にとって、容易に数値シミュレーションを利用することは困難である。
【0009】
そこで、本発明は、容易に空間における空気の流れを可視化できる通信装置、通信方法、通信プログラムおよび気流可視化システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による通信装置は、LiDAR(Light Detection and Ranging)で任意の空間における3次元形状を計測する計測部と、計測された3次元形状を基に流体解析で使用される任意の空間における空間モデルを生成する生成部と、任意の空間における空気の流れを解析する流体解析を実行する解析装置に生成された空間モデルを送信する送信部と、解析装置から送信された解析装置による空気の流れを示す解析結果を表示する表示部とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明による通信方法は、LiDARで任意の空間における3次元形状を計測し、計測された3次元形状を基に流体解析で使用される任意の空間における空間モデルを生成し、任意の空間における空気の流れを解析する流体解析を実行する解析装置に生成された空間モデルを送信し、解析装置から送信された解析装置による空気の流れを示す解析結果を表示することを特徴とする。
【0012】
本発明による通信プログラムは、コンピュータに、LiDARで任意の空間における3次元形状を計測する計測処理、計測された3次元形状を基に流体解析で使用される任意の空間における空間モデルを生成する生成処理、任意の空間における空気の流れを解析する流体解析を実行する解析装置に生成された空間モデルを送信する送信処理、および解析装置から送信された解析装置による空気の流れを示す解析結果を表示する表示処理を実行させることを特徴とする。
【0013】
本発明による気流可視化システムは、通信装置と、解析装置とを含む気流可視化システムであって、通信装置は、LiDARで任意の空間における3次元形状を計測する計測部と、計測された3次元形状を基に流体解析で使用される任意の空間における空間モデルを生成する生成部と、任意の空間における空気の流れを解析する流体解析を実行する解析装置に生成された空間モデルを送信する第1送信部と、解析装置から送信された解析装置による空気の流れを示す解析結果を表示する表示部とを有し、解析装置は、送信された空間モデルを用いて空気の流れを解析する流体解析を実行する解析部と、解析部による解析結果を通信装置に送信する第2送信部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、容易に空間における空気の流れを可視化できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施形態の気流可視化システムの構成例を示すブロック図である。
図2】空間データ生成部120がSTLファイル形式の3次元データを生成する例を示す説明図である。
図3】空間データ生成部120が簡易的な空間モデルを生成する例を示す説明図である。
図4】動画再生部150が動画ファイルを再生する例を示す説明図である。
図5】第1の実施形態の通信端末100による気流可視化処理の動作を示すフローチャートである。
図6】第1の実施形態の条件設定部130による条件設定処理の動作を示すフローチャートである。
図7】第1の実施形態の制御部140によるジョブ実行処理の動作を示すフローチャートである。
図8】第1の実施形態の動画再生部150による動画再生処理の動作を示すフローチャートである。
図9】第1の実施形態の流体解析装置200による気流可視化処理の動作を示すフローチャートである。
図10】第1の実施形態の解析部210による流体解析処理の動作を示すフローチャートである。
図11】第1の実施形態の動画生成部220による動画生成処理の動作を示すフローチャートである。
図12】本発明の第2の実施形態の気流可視化システムの構成例を示すブロック図である。
図13】第2の実施形態の流体解析装置201による気流可視化処理の動作を示すフローチャートである。
図14】本発明による通信端末100のハードウェア構成例を示す説明図である。
図15】本発明による流体解析装置のハードウェア構成例を示す説明図である。
図16】本発明による通信装置の概要を示すブロック図である。
図17】本発明による気流可視化システムの概要を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施形態1.
[構成の説明]
以下、本発明の第1の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の気流可視化システムの構成例を示すブロック図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態の気流可視化システム1000は、通信端末100と、流体解析装置200とを含む。気流可視化システム1000は、空気の流れを簡易に可視化できるシステムである。
【0018】
また、図1に示すように、本実施形態の通信端末100は、スキャナ110と、空間データ生成部120と、条件設定部130と、制御部140と、動画再生部150とを有する。通信端末100は、例えばiPhone(登録商標)、またはiPad(登録商標)である。
【0019】
また、図1に示すように、本実施形態の流体解析装置200は、解析部210と、動画生成部220とを有する。流体解析装置200は、例えばクラウドコンピューティングで実現されたスーパーコンピュータ(以下、クラウドスパコンとも呼ぶ。)、またはクラウドスパコンの管理サーバである。
【0020】
スキャナ110は、LiDARスキャナである。LiDARは、光を対象物に照射し、照射された光が跳ね返ってくるまでの時間を基に対象物までの距離を計測する技術である。なお、バージョンがiPhone 12 Pro以降のiPhoneと、バージョンが11インチiPad Pro(2nd)または12.9インチiPad Pro(4th)以降のiPadには、LiDARスキャナが具備されている。
【0021】
空間データ生成部120は、簡易的な空間モデルを生成する機能を有する。空間データ生成部120は、スキャナ110で計測された空間における3次元形状をSTL(Standard Triangulated Language)形式の3次元データで格納する。次いで、空間データ生成部120は、格納された3次元データをスムージングすることによって空間モデルを生成する。
【0022】
図2は、空間データ生成部120がSTLファイル形式の3次元データを生成する例を示す説明図である。図2の上部は、任意の室内空間を示す。図2の上部に示す室内空間として、部屋、会議室、店舗等の空間が想定される。
【0023】
図2に示すように、通信端末100のスキャナ110は、通信端末100のカメラ(図示せず)の位置から物体までの距離を測定できるLiDARスキャナの機能を利用して、空間における3次元形状を測定する。図2の上部に示す室内空間を計測すると、スキャナ110は、計測された空間における3次元形状のデータを空間データ生成部120に入力する。
【0024】
次いで、空間データ生成部120は、入力された空間における3次元形状のデータを基に、図2の下部に示すSTLファイル形式の3次元データを生成する。図2の下部は、LiDARスキャナで取り込まれたSTLファイルを示す。
【0025】
次いで、空間データ生成部120は、計測された3次元データに対してスムージングを実行することによって、空間が1つ以上の立方体で構成された簡易的な空間モデルを生成する。
【0026】
図3は、空間データ生成部120が簡易的な空間モデルを生成する例を示す説明図である。図3の上部は、STLファイル形式の3次元データを示す。また、図3の下部は、3次元データに対してスムージングを実行することによって生成された空間モデルを示す。
【0027】
スキャナ110が空間における3次元形状を測定する際、通信端末100のカメラの精度や撮影時の手振れの影響により、平面に凹凸が生じたり、図2の下部に示すスキャニング漏れが発生したりすることがある。凹凸やスキャニング漏れが発生している3次元形状を示すSTLファイル形式の3次元データがそのまま流体解析の入力データとされると、流体解析の演算量が膨大になる可能性や、正しい解析結果が得られない可能性がある。
【0028】
例えば、STLファイル形式の3次元データでは、形状が三角形の組み合わせで表現されている。また、平面が凹凸のある形状で構成される場合もある。すなわち、STLファイル形式の3次元データは、流体解析の入力データとしてそのまま使用されるには格子点数が多いデータである。よって、STLファイル形式の3次元データがそのまま使用されると、解析に要する演算量が多くなる問題がある。
【0029】
また、3次元データにスキャニング漏れが存在すると、流体解析の入力データが正しく生成されない。すなわち、LiDARスキャナで取り込まれた空間データを直接流体解析に使用することは難しい。3次元データに対するスムージングは、上記の課題を解決するために実行される処理である。
【0030】
条件設定部130は、空間における空気の流れに関する条件を設定する機能を有する。具体的には、条件設定部130は、空間における空気の流入口の位置、大きさ、および流量をそれぞれ設定する。また、条件設定部130は、空間における空気の流出口の位置、大きさ、および流量をそれぞれ設定する。
【0031】
条件設定部130は、空間データ生成部120により生成された空間モデルを視覚的に捉えながら空気の流入口と流出口、流量等の流体解析の条件を設定する。すなわち、条件設定部130は、エディタやCADシステム等を介さずに、容易に解析条件を変更できる。
【0032】
制御部140は、データを転送する機能と、ジョブを実行する機能とを有する。例えば、制御部140は、条件設定部130により設定された条件が規定されたファイル等を流体解析装置200に転送する。また、制御部140は、流体解析装置200へのジョブの投入や、ジョブの状態監視も行う。
【0033】
具体的には、制御部140は、生成された空間モデルと条件が規定されたファイルとを流体解析装置200にSSH(Secure Shell)プロトコルを利用して転送する。また、制御部140は、流体解析を実行するために流体解析装置200のジョブ管理システム(図示せず)に対してジョブを投入したり、ジョブの状態を監視したりする。
【0034】
解析部210は、空間における空気の流れを可視化するための流体解析を実行する機能を有する。例えば、解析部210は、流体解析アプリケーションを実行する。
【0035】
具体的には、解析部210は、空間データ生成部120で生成された空間モデルを入力として、流体解析アプリケーションを実行する。
【0036】
実行された流体解析アプリケーションは、空気の流れを表示する動画ファイルを生成する動画生成部220の入力データになる実行結果(可視化ファイル)を出力する。
【0037】
動画生成部220は、解析部210による解析結果を基に、空気の流れを表示する動画ファイルを生成する機能を有する。動画生成部220は、生成された動画ファイルを通信端末100に転送する。
【0038】
動画生成部220は、例えば可視化アプリケーションを起動し、予め用意されたコマンドファイルを実行することによって動画ファイルを生成してもよい。また、動画生成部220は、例えばSSHプロトコルを利用して、生成された動画ファイルを通信端末100に転送する。
【0039】
動画再生部150は、動画生成部220から転送された動画ファイルを再生する機能を有する。動画ファイルが再生されると、利用者は、空間における空気の流れを視覚的に確認できる。
【0040】
図4は、動画再生部150が動画ファイルを再生する例を示す説明図である。動画再生部150は、例えば、図4に示す再生用ページを通信端末100の画面上に表示する。
【0041】
利用者は、表示された再生用ページにおける解析結果(「output01」~「output05」)の中から描画する解析結果を選択する。次いで、利用者は、ボタン「結果を描画」を押下する。本例では、利用者が解析結果「output03」を選択したとする。
【0042】
ボタン「結果を描画」が押下されると、動画再生部150は、選択された解析結果に対応する動画ファイルを選択し、選択された動画ファイルを再生する。動画ファイルが再生されると、例えば、空間における空気の流れを表示する動画が通信端末100の画面上で再生される。
【0043】
なお、流体解析装置200は、利用者がLiDARスキャナで取り込んだ空間における3次元形状を示すSTLファイル形式の3次元データをそのまま使用して流体解析を実行してもよい。
【0044】
以上のように、本実施形態の通信端末100は、LiDARで任意の空間における3次元形状を計測するスキャナ110と、計測された3次元形状を基に流体解析で使用される任意の空間における空間モデルを生成する空間データ生成部120とを備える。また、通信端末100は、任意の空間における空気の流れを解析する流体解析を実行する流体解析装置200に生成された空間モデルを送信する制御部140と、流体解析装置200から送信された流体解析装置200による空気の流れを示す解析結果を表示する動画再生部150とを備える。動画再生部150は、例えば解析結果である空気の流れを表示する動画を再生する。
【0045】
また、通信端末100は、流体解析装置200が流体解析を実行する条件である実行条件を設定する条件設定部130を備える。制御部140は、設定された実行条件を流体解析装置200に送信する。
【0046】
また、制御部140は、流体解析装置200が流体解析を実行するために流体解析装置200に投入されたジョブを制御する。
【0047】
また、本実施形態の流体解析装置200は、送信された空間モデルを用いて空気の流れを解析する流体解析を実行する解析部210と、解析部210による解析結果を通信端末100に送信する動画生成部220とを有する。
【0048】
[動作の説明]
以下、本実施形態の通信端末100の空気の流れを可視化する動作を図5を参照して説明する。図5は、第1の実施形態の通信端末100による気流可視化処理の動作を示すフローチャートである。
【0049】
最初に、スキャナ110は、LiDARスキャナの機能を利用して、空気の流れを可視化する対象の空間における3次元形状を測定する(ステップS110)。次いで、スキャナ110は、計測された空間における3次元形状のデータを空間データ生成部120に入力する。
【0050】
次いで、空間データ生成部120は、入力された空間における3次元形状のデータを基に、STLファイル形式の3次元データを生成する。次いで、空間データ生成部120は、生成されたSTLファイル形式の3次元データに対してスムージングを実行することによって、簡易的な空間モデルを生成する(ステップS120)。次いで、空間データ生成部120は、生成された空間モデルを条件設定部130に入力する。
【0051】
次いで、条件設定部130は、条件設定処理を実行する(ステップS130)。次いで、制御部140は、ジョブ実行処理を実行する(ステップS140)。次いで、動画再生部150は、動画再生処理を実行する(ステップS150)。
【0052】
流体解析の条件を変更して再度解析を実行したい場合(ステップS160におけるYes)、利用者は、通信端末100に対してステップS130~S150の各処理を再度実行するように指示する。流体解析の条件を変更しない場合(ステップS160におけるNo)、通信端末100は、気流可視化処理を終了する。
【0053】
次に、図5に示す気流可視化処理を構成する副処理であるステップS130の条件設定処理を、図6を参照して説明する。図6は、第1の実施形態の条件設定部130による条件設定処理の動作を示すフローチャートである。
【0054】
最初に、条件設定部130は、入力された空間モデルにおける空気の流入口の場所を指定する(ステップS131)。次いで、条件設定部130は、空間モデルにおける空気の流入口の大きさを指定する(ステップS132)。次いで、条件設定部130は、空間モデルにおける空気の流入条件を指定する(ステップS133)。なお、指定される空気の流入条件には、空気の流入量が含まれる。
【0055】
次いで、条件設定部130は、入力された空間モデルに別の空気の流入口を設定するか否かを判定する(ステップS134)。別の空気の流入口を設定する場合(ステップS134におけるYes)、条件設定部130は、再度ステップS131~S133の各処理を実行する。
【0056】
別の空気の流入口を設定しない場合(ステップS134におけるNo)、条件設定部130は、空間モデルにおける空気の流出口の場所を指定する(ステップS135)。次いで、条件設定部130は、空間モデルにおける空気の流出口の大きさを指定する(ステップS136)。次いで、条件設定部130は、空間モデルにおける空気の流出条件を指定する(ステップS137)。なお、指定される空気の流出条件には、空気の流出量が含まれる。
【0057】
次いで、条件設定部130は、入力された空間モデルに別の空気の流出口を設定するか否かを判定する(ステップS138)。別の空気の流出口を設定する場合(ステップS138におけるYes)、条件設定部130は、再度ステップS135~S137の各処理を実行する。
【0058】
別の空気の流出口を設定しない場合(ステップS138におけるNo)、条件設定部130は、空間モデルと指定された各条件が規定されたファイルとを制御部140に入力する(ステップS139)。入力した後、条件設定部130は、図5に示す気流可視化処理に戻る。
【0059】
次に、図5に示す気流可視化処理を構成する副処理であるステップS140のジョブ実行処理を、図7を参照して説明する。図7は、第1の実施形態の制御部140によるジョブ実行処理の動作を示すフローチャートである。
【0060】
最初に、制御部140は、条件設定部130から入力された、流体解析の対象となる入力データを選択する(ステップS141)。入力データには、空間モデルと、条件設定部130により指定された各条件とが含まれている。
【0061】
次いで、制御部140は、選択された入力データを流体解析装置200に転送する(ステップS142)。次いで、制御部140は、入力データを基に流体解析を実行するジョブを流体解析装置200に投入する(ステップS143)。
【0062】
次いで、制御部140は、投入されたジョブの状況を確認する(ステップS144)。確認した時にジョブがまだ終了していない場合(ステップS145におけるNo)、制御部140は、所定時間の経過後に再度ジョブの状況を確認する(ステップS144)。
【0063】
確認した時にジョブが終了している場合(ステップS145におけるYes)、制御部140は、図5に示す気流可視化処理に戻る。
【0064】
次に、図5に示す気流可視化処理を構成する副処理であるステップS150の動画再生処理を、図8を参照して説明する。図8は、第1の実施形態の動画再生部150による動画再生処理の動作を示すフローチャートである。なお、図8に示す動画再生処理は、後述する図9に示す気流可視化処理が終了した後に実行される。
【0065】
利用者が描画する解析結果を選択すると、動画再生部150は、選択された解析結果に対応する動画ファイルを選択する(ステップS151)。
【0066】
次いで、動画再生部150は、選択された動画ファイルを再生する(ステップS152)。動画ファイルを再生した後、動画再生部150は、図5に示す気流可視化処理に戻る。
【0067】
次に、本実施形態の流体解析装置200の空気の流れを可視化する動作を図9を参照して説明する。図9は、第1の実施形態の流体解析装置200による気流可視化処理の動作を示すフローチャートである。
【0068】
ステップS143において入力データを基に流体解析を実行するジョブが投入された流体解析装置200の解析部210は、流体解析処理を実行する(ステップS210)。
【0069】
次いで、動画生成部220は、動画生成処理を実行する(ステップS220)。動画生成処理を実行した後、流体解析装置200は、気流可視化処理を終了する。
【0070】
次に、図9に示す気流可視化処理を構成する副処理であるステップS210の流体解析処理を、図10を参照して説明する。図10は、第1の実施形態の解析部210による流体解析処理の動作を示すフローチャートである。
【0071】
最初に、解析部210は、入力データに含まれる空間モデルを入力とする(ステップS211)。次いで、解析部210は、流体解析アプリケーションを実行する(ステップS212)。
【0072】
次いで、解析部210は、実行結果を基に、動画生成部220の入力データになる可視化ファイルを出力する(ステップS213)。
【0073】
次いで、解析部210は、出力された可視化ファイルを動画生成部220に入力する。入力した後、解析部210は、図9に示す気流可視化処理に戻る。
【0074】
次に、図9に示す気流可視化処理を構成する副処理であるステップS220の動画生成処理を、図11を参照して説明する。図11は、第1の実施形態の動画生成部220による動画生成処理の動作を示すフローチャートである。
【0075】
最初に、動画生成部220は、解析部210から可視化ファイルを取得する(ステップS221)。次いで、動画生成部220は、可視化アプリケーションに対して予め用意されたコマンドファイルを取得する(ステップS222)。
【0076】
次いで、動画生成部220は、可視化アプリケーションを起動させ、起動した可視化アプリケーションに対してコマンドファイルを実行することによって動画ファイルを生成する(ステップS223)。次いで、動画生成部220は、生成された動画ファイルを通信端末100に転送する(ステップS224)。転送した後、動画生成部220は、図9に示す気流可視化処理に戻る。
【0077】
[効果の説明]
本実施形態のスキャナ110は、LiDARスキャナの機能を利用して空間における3次元形状を計測する。また、空間データ生成部120は、スムージング機能を用いて、計測された3次元形状を基に流体解析で使用される空間モデルを生成する。また、条件設定部130は、生成された空間モデルを視覚的に捉えながら空気の流入口、流出口、および流量をそれぞれ設定する。
【0078】
また、本実施形態の制御部140は、生成された空間モデルをクラウドスパコンの管理サーバに対してSSHプロトコルを利用して転送する。また、制御部140は、転送された空間モデルを入力とする流体解析を実行するために、クラウドスパコンのジョブ管理システムに対してジョブの投入とジョブの状態監視を実行する。また、動画再生部150は、流体解析の実行結果である空気の流れを表示する動画を再生する。
【0079】
よって、本実施形態のスマートフォンやタブレットである通信端末100は、LiDARスキャナで計測された空間情報を入力とする流体解析をスーパーコンピュータに実行させ、空気の流れを示す解析結果の動画を画面上に表示するため、空間における空気の流れを簡単に可視化できる。
【0080】
流体解析の詳しい知識を有さない利用者が、本実施形態の通信端末100を実現するiPhoneやiPadを使用すれば、iPhoneやiPadのLiDARスキャナを利用して簡単に流体解析の入力モデルを生成できる。また、流体解析の知識やスーパーコンピュータを利用するための技術を有さない利用者が、iPhoneやiPadを介して簡単に流体解析を実行できる。
【0081】
さらに、本実施形態の通信端末100の利用者は、空気の流入および流出の位置や流量を容易に変更できる。すなわち、通信端末100の利用者は、空間モデルを修正せずに、簡単に流体解析の条件が変更された場合の効果を検証できる。
【0082】
実施形態2.
[構成の説明]
次に、本発明の第2の実施形態を図面を参照して説明する。図12は、本発明の第2の実施形態の気流可視化システムの構成例を示すブロック図である。
【0083】
図12に示すように、本実施形態の気流可視化システム1001は、流体解析装置201を含む。流体解析装置201は、例えばクラウドスパコンの管理サーバである。
【0084】
また、図12に示すように、本実施形態の流体解析装置201は、条件設定部130と、制御部140と、動画再生部150と、解析部210と、動画生成部220とを有する。
【0085】
本実施形態の気流可視化システム1001は、第1の実施形態の気流可視化システム1000と異なり、利用者が直接操作して空気の流れを表示する動画を再生できる流体解析装置201を含む。
【0086】
[動作の説明]
以下、本実施形態の流体解析装置201の空気の流れを可視化する動作を図13を参照して説明する。図13は、第2の実施形態の流体解析装置201による気流可視化処理の動作を示すフローチャートである。
【0087】
最初に、利用者は、CADシステム等を用いて空間モデルを生成する(ステップS301)。次いで、利用者は、生成された空間モデルが格納されたファイルを流体解析装置201に入力する(ステップS302)。
【0088】
次いで、利用者は、流体解析装置201にログインし、流体解析に求められる条件の設定をテキストエディタ等で実行する。条件設定部130は、利用者による設定を基に、流体解析の条件を設定する(ステップS303)。ステップS303の処理は、例えば図6に示す条件設定処理である。
【0089】
次いで、利用者は、クラウドスパコンのジョブ管理システムを利用して、流体解析を実行する。具体的には、制御部140は、利用者の指示に基づいて、空間モデルと指定された各条件とを含む入力データを基に流体解析を実行するジョブを解析部210に投入する(ステップS304)。
【0090】
次いで、解析部210は、流体解析を実行する(ステップS305)。ステップS305の処理は、例えば図10に示す流体解析処理である。
【0091】
次いで、動画生成部220は、可視化アプリケーションを起動させ、起動した可視化アプリケーションに対して流体解析で得られた可視化ファイルを入力として空気の流れを表示する動画ファイルを生成する(ステップS306)。ステップS306の処理は、例えば図11に示す動画生成処理である。
【0092】
次いで、動画再生部150は、生成された動画ファイルを再生することによって、空間における空気の流れを表示する(ステップS307)。ステップS307の処理は、例えば図8に示す動画再生処理である。
【0093】
流体解析の条件を変更して再度解析を実行したい場合(ステップS308におけるYes)、利用者は、流体解析装置201に対してステップS303~S307の各処理を再度実行するように指示する。流体解析の条件を変更しない場合(ステップS308におけるNo)、流体解析装置201は、気流可視化処理を終了する。
【0094】
[効果の説明]
本実施形態の流体解析装置201は、条件設定部130と、制御部140と、動画再生部150とを有する。すなわち、流体解析装置201の利用者は、第1の実施形態の通信端末100を利用しなくとも、空気の流れを表示する動画を直接再生できる。
【0095】
本発明は、空間における空気の流れを視覚的に捉えることが求められる分野で利用されることが考えられる。
【0096】
以下、第1の実施形態の通信端末100のハードウェア構成の具体例を説明する。図14は、本発明による通信端末100のハードウェア構成例を示す説明図である。
【0097】
図14に示す通信端末100は、CPU(Central Processing Unit )11と、主記憶部12と、通信部13と、補助記憶部14とを備える。また、ユーザが操作するための入力部15や、ユーザに処理結果または処理内容の経過を提示するための出力部16を備える。
【0098】
通信端末100は、図14に示すCPU11が各構成要素が有する機能を提供するプログラムを実行することによって、ソフトウェアにより実現される。
【0099】
すなわち、CPU11が補助記憶部14に格納されているプログラムを、主記憶部12にロードして実行し、通信端末100の動作を制御することによって、各機能がソフトウェアにより実現される。
【0100】
なお、図14に示す通信端末100は、CPU11の代わりにDSP(Digital Signal Processor)を備えてもよい。または、図14に示す通信端末100は、CPU11とDSPとを併せて備えてもよい。
【0101】
主記憶部12は、データの作業領域やデータの一時退避領域として用いられる。主記憶部12は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0102】
通信部13は、有線のネットワークまたは無線のネットワーク(情報通信ネットワーク)を介して、周辺機器との間でデータを入力および出力する機能を有する。
【0103】
補助記憶部14は、一時的でない有形の記憶媒体である。一時的でない有形の記憶媒体として、例えば磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory )、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory )、半導体メモリが挙げられる。
【0104】
入力部15は、データや処理命令を入力する機能を有する。また、出力部16は、データを出力する機能を有する。
【0105】
また、図14に示すように、通信端末100において、各構成要素は、システムバス17に接続されている。
【0106】
補助記憶部14は、第1の実施形態の通信端末100において、スキャナ110、空間データ生成部120、条件設定部130、制御部140、および動画再生部150を実現するためのプログラムを記憶している。
【0107】
なお、通信端末100は、例えば内部に図1に示すような機能を実現するLSI(Large Scale Integration)等のハードウェア部品が含まれる回路が実装されてもよい。
【0108】
また、各実施形態の流体解析装置200~201のハードウェア構成の具体例を説明する。図15は、本発明による流体解析装置のハードウェア構成例を示す説明図である。
【0109】
図15に示す流体解析装置は、CPU21と、主記憶部22と、通信部23と、補助記憶部24とを備える。また、ユーザが操作するための入力部25や、ユーザに処理結果または処理内容の経過を提示するための出力部26を備える。
【0110】
流体解析装置は、図15に示すCPU21が各構成要素が有する機能を提供するプログラムを実行することによって、ソフトウェアにより実現される。
【0111】
すなわち、CPU21が補助記憶部24に格納されているプログラムを、主記憶部22にロードして実行し、流体解析装置の動作を制御することによって、各機能がソフトウェアにより実現される。
【0112】
なお、図15に示す流体解析装置は、CPU21の代わりにDSPを備えてもよい。または、図15に示す流体解析装置は、CPU21とDSPとを併せて備えてもよい。
【0113】
主記憶部22は、データの作業領域やデータの一時退避領域として用いられる。主記憶部22は、例えばRAMである。
【0114】
通信部23は、有線のネットワークまたは無線のネットワーク(情報通信ネットワーク)を介して、周辺機器との間でデータを入力および出力する機能を有する。
【0115】
補助記憶部24は、一時的でない有形の記憶媒体である。一時的でない有形の記憶媒体として、例えば磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリが挙げられる。
【0116】
入力部25は、データや処理命令を入力する機能を有する。入力部25は、例えばキーボードやマウス等の入力デバイスである。
【0117】
出力部26は、データを出力する機能を有する。出力部26は、例えば液晶ディスプレイ装置等の表示装置、またはプリンタ等の印刷装置である。
【0118】
また、図15に示すように、流体解析装置において、各構成要素は、システムバス27に接続されている。
【0119】
第1の実施形態の流体解析装置200において、補助記憶部24は、解析部210、および動画生成部220を実現するためのプログラムを記憶している。
【0120】
なお、流体解析装置200は、例えば内部に図1に示すような機能を実現するLSI等のハードウェア部品が含まれる回路が実装されてもよい。
【0121】
また、第2の実施形態の流体解析装置201において、補助記憶部24は、条件設定部130、制御部140、動画再生部150、解析部210、および動画生成部220を実現するためのプログラムを記憶している。
【0122】
なお、流体解析装置201は、例えば内部に図12に示すような機能を実現するLSI等のハードウェア部品が含まれる回路が実装されてもよい。
【0123】
また、通信端末100および流体解析装置200~201は、CPU等の素子を用いるコンピュータ機能を含まないハードウェアにより実現されてもよい。例えば、各構成要素の一部または全部は、汎用の回路(circuitry )または専用の回路、プロセッサ等やこれらの組み合わせによって実現されてもよい。これらは、単一のチップ(例えば、上記のLSI)によって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各構成要素の一部または全部は、上述した回路等とプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0124】
また、流体解析装置200~201の各構成要素の一部または全部は、演算部と記憶部とを備えた1つまたは複数の情報処理装置で構成されていてもよい。
【0125】
各構成要素の一部または全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントアンドサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。
【0126】
例えば、流体解析装置200~201がクラウドスパコンで実現される場合、流体解析装置200~201は、管理サーバと演算サーバ(スーパーコンピュータ)とで構成される。
【0127】
次に、本発明の概要を説明する。図16は、本発明による通信装置の概要を示すブロック図である。本発明による通信装置30は、LiDARで任意の空間における3次元形状を計測する計測部31(例えば、スキャナ110)と、計測された3次元形状を基に流体解析で使用される任意の空間における空間モデルを生成する生成部32(例えば、空間データ生成部120)と、任意の空間における空気の流れを解析する流体解析を実行する解析装置(例えば、流体解析装置200)に生成された空間モデルを送信する送信部33(例えば、制御部140)と、解析装置から送信された解析装置による空気の流れを示す解析結果を表示する表示部34(例えば、動画再生部150)とを備える。
【0128】
そのような構成により、通信装置は、容易に空間における空気の流れを可視化できる。
【0129】
また、通信装置30は、解析装置が流体解析を実行する条件である実行条件を設定する設定部(例えば、条件設定部130)を備え、送信部33は、設定された実行条件を解析装置に送信してもよい。また、設定部は、実行条件として空間モデルにおける空気の流入口、流出口、および流量をそれぞれ設定してもよい。
【0130】
そのような構成により、通信装置は、容易に流体解析の実行条件を設定できる。
【0131】
また、通信装置30は、解析装置が流体解析を実行するために解析装置に投入されたジョブを制御する制御部(例えば、制御部140)を備えてもよい。
【0132】
そのような構成により、通信装置は、容易に流体解析を実行する解析装置を制御できる。
【0133】
また、表示部34は、解析結果である空気の流れを表示する動画を再生してもよい。
【0134】
そのような構成により、通信装置は、利用者に空気の流れをより分かりやすい態様で提示できる。
【0135】
また、図17は、本発明による気流可視化システムの概要を示すブロック図である。本発明による気流可視化システム40は、通信装置50と、解析装置60とを含む気流可視化システムであって、通信装置50は、LiDARで任意の空間における3次元形状を計測する計測部51(例えば、スキャナ110)と、計測された3次元形状を基に流体解析で使用される任意の空間における空間モデルを生成する生成部52(例えば、空間データ生成部120)と、任意の空間における空気の流れを解析する流体解析を実行する解析装置60に生成された空間モデルを送信する第1送信部53(例えば、制御部140)と、解析装置60から送信された解析装置60による空気の流れを示す解析結果を表示する表示部54(例えば、動画再生部150)とを有し、解析装置60は、送信された空間モデルを用いて空気の流れを解析する流体解析を実行する解析部61(例えば、解析部210)と、解析部61による解析結果を通信装置50に送信する第2送信部62(例えば、動画生成部220)とを有する。
【0136】
そのような構成により、気流可視化システムは、容易に空間における空気の流れを可視化できる。
【0137】
また、通信装置50は、解析装置60が流体解析を実行する条件である実行条件を設定する設定部(例えば、条件設定部130)を有し、第1送信部53は、設定された実行条件を解析装置60に送信してもよい。また、設定部は、実行条件として空間モデルにおける空気の流入口、流出口、および流量をそれぞれ設定してもよい。
【0138】
そのような構成により、気流可視化システムは、容易に流体解析の実行条件を設定できる。
【符号の説明】
【0139】
11、21 CPU
12、22 主記憶部
13、23 通信部
14、24 補助記憶部
15、25 入力部
16、26 出力部
17、27 システムバス
30、50 通信装置
31、51 計測部
32、52 生成部
33 送信部
34、54 表示部
40、1000、1001 気流可視化システム
53 第1送信部
60 解析装置
61、210 解析部
62 第2送信部
100 通信端末
110 スキャナ
120 空間データ生成部
130 条件設定部
140 制御部
150 動画再生部
200、201 流体解析装置
220 動画生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17