(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147415
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】ボイラ、及びプラント
(51)【国際特許分類】
F22B 1/02 20060101AFI20231005BHJP
F23C 10/18 20060101ALI20231005BHJP
F22B 17/18 20060101ALI20231005BHJP
F22B 37/20 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
F22B1/02 C
F23C10/18
F22B17/18
F22B37/20 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022054894
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】516047175
【氏名又は名称】三菱重工パワーインダストリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】矢▲崎▼ 将崇
(72)【発明者】
【氏名】實升 崚大
(72)【発明者】
【氏名】津村 俊一
(72)【発明者】
【氏名】永冨 学
(72)【発明者】
【氏名】多田 幸司
【テーマコード(参考)】
3K064
【Fターム(参考)】
3K064AB01
3K064AD05
3K064AD08
3K064BA13
(57)【要約】
【課題】層中管部のメンテナンスを容易化することができるボイラを提供する。
【解決手段】ボイラは、内部に流動層が形成される火炉と、流動層の内部を延在する層中管部、および層中管部に接続するとともに火炉の炉壁に形成された開口を通過して炉壁の外側に延在する接続管部、を含む少なくとも1つの層中管パネルと、開口を覆うように炉壁の外側に設けられるとともに、炉壁に対して着脱可能に構成されている少なくとも1つのフランジと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に流動層が形成される火炉と、
前記流動層の内部を延在する層中管部、および前記層中管部に接続するとともに前記火炉の炉壁に形成された開口を通過して前記炉壁の外側に延在する接続管部、を含む少なくとも1つの層中管パネルと、
前記開口を覆うように前記炉壁の外側に設けられるとともに、前記炉壁に対して着脱可能に構成されている少なくとも1つのフランジと、を備える、
ボイラ。
【請求項2】
前記接続管部は、前記少なくとも1つのフランジを貫通する貫通部において前記少なくとも1つのフランジに固定されている、
請求項1に記載のボイラ。
【請求項3】
前記少なくとも1つのフランジは、前記貫通部が貫通されている貫通孔を形成するスリーブ部であって、前記接続管部の軸方向に沿って延在するスリーブ部を含む、
請求項2に記載のボイラ。
【請求項4】
前記貫通部は、前記貫通部の外周面に取り付けられたパッキンを介して、前記スリーブ部に固定されている、
請求項3に記載のボイラ。
【請求項5】
前記パッキンは、グランドパッキンであり、
前記グランドパッキンを前記接続管部の軸方向に沿って押圧するパッキン押えをさらに備える、
請求項4に記載のボイラ。
【請求項6】
前記炉壁に取り付けられているプレートであって、前記炉壁から離間して設けられ前記少なくとも1つのフランジの周縁部に当接する当接面部を有するプレートと、
前記少なくとも1つのフランジの前記周縁部と前記プレートの前記当接面部とを締結するボルトと、をさらに備える、
請求項1から5の何れか1項に記載のボイラ。
【請求項7】
前記炉壁は、上下方向に沿って延びるとともに互いに隣接する一対の炉壁管を含み、
前記一対の炉壁管は、互いにフィンを介して接続された炉壁形成部と、前記一対の炉壁管の間に前記開口を形成する開口形成部と、を含む、
請求項1から6の何れか一項に記載のボイラ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの層中管パネルは、前記フィンによって固定される固定部を含む、
請求項7に記載のボイラ。
【請求項9】
前記接続管部は、流体が前記火炉の内部に向かって流通する流入部と、前記火炉の内部から流出した前記流体が流通する流出部と、を含む、
請求項1から8の何れか一項に記載のボイラ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの層中管パネルは、第1層中管パネルと、前記第1層中管パネルとは別の第2層中管パネルと、を含み、
前記少なくとも1つのフランジは、第1フランジと、前記第1フランジとは別の第2フランジと、を含み、
前記第1層中管パネルは、前記第1フランジに固定されており、
前記第2層中管パネルは、前記第2フランジに固定されており、
前記第1フランジと前記第2フランジとは互いに独立して前記炉壁に着脱可能に構成されている、
請求項1から9の何れか一項に記載のボイラ。
【請求項11】
前記流動層は、RPFが投入されるように構成されている、
請求項1から10の何れか一項に記載のボイラ。
【請求項12】
請求項1から11の何れか一項に記載のボイラを備え、
前記少なくとも1つのフランジを前記炉壁から取り外した状態で、前記少なくとも1つの層中管パネルを前記火炉から引き抜き可能な引抜スペースが形成されている、
プラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ボイラ、及びプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
ボイラは、流動層が形成されている火炉を備えていることがある。例えば、特許文献1には、流動層の内部を延在する伝熱管(層中管部)を湾曲した2枚の板部材で挟み込んでいるボイラが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
固形燃料(例えばバイオマス燃料等)を流動層に投入して燃焼させる際に、固形燃料に含まれる腐食成分(例えば、塩化物成分)により層中管部が腐食する場合がある。また、流体が層中管部の内部を流通することにより、層中管部が振動し、層中管部の製品寿命を短くする場合がある。また、流動材が層中管部の外表面に激しく衝突し続けることによる摩耗が発生する場合がある。このため、層中管部は頻繁にメンテナンスされることになる。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、層中管部の振動を抑制して、層中管部をメンテナンスする回数の削減を図れるものの、層中管部のメンテナンスを容易化するものとなっていない。
【0005】
本開示は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、層中管部のメンテナンスを容易化することができるボイラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係るボイラは、内部に流動層が形成される火炉と、前記流動層の内部を延在する層中管部、および前記層中管部に接続するとともに前記火炉の炉壁に形成された開口を通過して前記炉壁の外側に延在する接続管部、を含む少なくとも1つの層中管パネルと、前記開口を覆うように前記炉壁の外側に設けられるとともに、前記炉壁に対して着脱可能に構成されている少なくとも1つのフランジと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示のボイラによれば、層中管部のメンテナンスを容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係るボイラの構成を概略的に示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る炉壁の構成を概略的に示す図である。
【
図3】第1実施形態に係る第1開口側フランジの構成例を説明するための図である。
【
図4】第1実施形態に係る第2開口側フランジの構成例を説明するための図である。
【
図5】第2実施形態に係る炉壁の構成を概略的に示す図である。
【
図6】第2実施形態に係る他方側炉壁管の構成を説明するための図である。
【
図7】幾つかの実施形態に係る第1フランジと第2フランジのレイアウトを示す図である。
【
図8】幾つかの実施形態に係るプラントの構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態によるボイラ及びプラントについて、図面に基づいて説明する。かかる実施の形態は、本開示の一態様を示すものであり、この開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0010】
<第1実施形態>
(構成)
図1は、第1実施形態に係るボイラ1の構成を概略的に示す図である。
図1に例示するように、ボイラ1は、火炉2と、層中管パネル4と、フランジ6と、を含む。
【0011】
火炉2について説明する。火炉2は、筒形状を有しており、内部に流動層7が形成される。
図1に例示する形態では、火炉2は、炉壁8、炉底10、及び天井12によって囲われることで画定される燃焼空間9が内部に形成されている。火炉2は、炉壁8に形成されている供給口14を介して、燃焼空間9に固形燃料A1が供給されるようになっている。供給口14には、固形燃料A1が投入される供給管16が接続されている。固形燃料A1は、燃焼空間9に供給されている流動材A2と混合される。炉底10には、燃焼空間9に燃焼用空気Bを供給するためのエアノズル17が複数設けられている。炉底10には、流動層7から流動材A2を抜き出すための抜き出し管19が接続されている。尚、流動材A2を火炉2に供給するための構成は特に限定されない。火炉2は、供給管16とは別に設けられる流動材用配管を介して、燃焼空間9に流動材A2が供給されるようになっている。
【0012】
固形燃料A1は特に限定されないが、第1実施形態では、固形燃料A1は、RPF(Refuse derived paper and plastics densified Fuel)を含んでいる。流動材A2は特に限定されないが、第1実施形態では、流動材A2は砂を含んでいる。幾つかの実施形態では、固形燃料A1は、流動材A2よりも密度が小さい。幾つかの実施形態では、固形燃料A1は、バイオマス又は褐炭を含む。幾つかの実施形態では、流動材A2は、石灰石を含む。
【0013】
燃焼空間9に供給された固形燃料A1及び流動材A2は、下方から上方に向かって燃焼空間9に吹き込まれる燃焼用空気Bにより流動化されて、燃焼空間9内に流動層7が形成される。流動層7では、固形燃料A1と燃焼用空気Bとが撹拌混合されて、固形燃料A1が燃焼する。固形燃料A1の燃焼によって発生した燃焼ガスGは、燃焼空間9における流動層7より上方の空間(フリーボード)に移動する。そして、燃焼ガスGは、炉壁8の上部に接続されている不図示の燃焼ガスラインを介して、火炉2の外部に排出される。ボイラ1は、火炉2から排出された燃焼ガスGの熱を回収するための熱交換器を含んでいてもよい。
【0014】
第1実施形態では、
図1に例示するように、ボイラ1は火炉2の炉壁8に設けられたバーナ18をさらに含み、バーナ18から噴射される燃料を流動層7で燃焼している。バーナ18の燃料は、固形燃料A1であってもよいし、固形燃料A1とは異なっていてもよく例えば、ガスや重油である。なお、ボイラ1は、必ずしもバーナ18を備えている必要はなく、例えば熱風炉方式など、燃焼用空気Bとして熱風が、下方から上方に向かって燃焼空間9に吹き込まれることにより、固形燃料A1を燃焼させる方式のボイラ1であってもよい。
【0015】
層中管パネル4について説明する。
図1に例示するように、層中管パネル4は、流動層7の内部を延在する層中管部20、および層中管部20に接続するとともに火炉2の炉壁8に形成された開口21を通過して炉壁8の外側に延在する接続管部22を含む。
【0016】
図2は、第1実施形態に係る炉壁8の構成を概略的に示す図であって、炉壁8に形成された開口21を火炉2の内部から視た図である。
図2に例示するように、炉壁8は、上下方向D1に沿って延びるとともに互いに隣接する一対の炉壁管23a、23bを含む。一対の炉壁管23a、23bは、互いにフィン25を介して接続された炉壁形成部23cと、一対の炉壁管23a、23bの間に開口21を形成する開口形成部23dと、を含む。一方の炉壁管(以下、一方側炉壁管23aとする)及び他方の炉壁管(以下、他方側炉壁管23bとする)のそれぞれは、上下方向D1に沿って直線状に延在している。
【0017】
第1実施形態では、炉壁8の下部には、第1開口21A(21)及び第2開口21B(21)のそれぞれが形成されている。第1開口21A及び第2開口21Bは、水平方向において互いに向き合っている。第1開口21A及び第2開口21Bのそれぞれは、第1開口21Aを直交する仮想の直線が第2開口21Bも直交するように、炉壁8に形成されている。第1開口21A及び第2開口21Bのそれぞれは、流動層7に面している。
【0018】
層中管パネル4は、一端4aから他端4bに向かって流体Cが流通するように構成されている。一端4aは入口管寄せ24に接続され、他端4bは出口管寄せ26に接続されている。入口管寄せ24から流入される流体Cは、水又は水蒸気であって、流動層7内の燃焼ガスG、固形燃料A1及び流動材A2と熱交換する。そして、この流体Cは水蒸気又は過熱水蒸気となって、出口管寄せ26に流出される。
【0019】
第1実施形態では、
図1に例示するように、接続管部22は、第1開口21Aを通過して炉壁8の外側に延在する第1開口側接続管部22Aと、第2開口21Bを通過して炉壁8の外側に延在する第2開口側接続管部22Bと、を含む。第1開口側接続管部22Aは、流体Cが火炉2の外部から火炉2の内部に向かって流通する流入部27と、火炉2の内部から流出した流体Cが流通する流出部29と、流体Cが火炉2の内部から流出し火炉2の内部に戻る第1管部31と、を含む。第2開口側接続管部22Bは、流体Cが火炉2の内部から流出し火炉2の内部に戻る第2管部33を含む。
【0020】
流入部27は、流体Cが流通する流通方向において、上流側の一端が層中管パネル4の一端4aを含むとともに、下流側の他端が層中管部20に接続されている。流出部29は、流通方向において、下流側の他端が層中管パネル4の他端4bを含むとともに、上流側の一端が層中管部20に接続されている。第1管部31は、U字形状を有しており、両端が層中管部20に接続されている。第2管部33は、U字形状を有しており、両端が層中管部20に接続されている。
【0021】
図1に例示する形態では、上下方向D1に沿って並べられている2つの第1管部31が設けられている。つまり、上側の第1管部31と下側の第1管部31が設けられている。また、上下方向D1に沿って並べられている3つの第2管部33が設けられている。つまり、最も下方に位置する下側の第2管部33と、最も上方に位置する上側の第2管部33と、下側の第2管部33と上側の第2管部33との間に位置する中間の第2管部33と、が設けられている。
【0022】
図1に例示する形態では、層中管部20は、第1層中管30、第2層中管32、第3層中管34、第4層中管36、第5層中管38、及び第6層中管40を含んでいる。第1層中管30~第6層中管40のそれぞれは、第1開口21Aから第2開口21Bに向かって直線状に延在している。第1層中管30~第6層中管40のそれぞれは、下方から第1層中管30、第2層中管32、第3層中管34、第4層中管36、第5層中管38、及び第6層中管40の順となるように配置されている。
【0023】
第1層中管30は、流体Cが流通する流通方向において、上流側の一端が流入部27に接続され、下流側の他端が下側の第2管部33に接続されている。第2層中管32は、流通方向において、上流側の一端が下側の第2管部33に接続され、下流側の他端が下側の第1管部31に接続されている。第3層中管34は、流通方向において、上流側の一端が下側の第1管部31に接続され、下流側の他端が中間の第2管部33に接続されている。第4層中管36は、流通方向において、上流側の一端が中間の第2管部33に接続され、下流側の他端が上側の第1管部31に接続されている。第5層中管38は、流通方向において、上流側の一端が上側の第1管部31に接続され、下流側の他端が上側の第2管部33に接続されている。第6層中管40は、流通方向において、上流側の一端が上側の第2管部33に接続され、下流側の他端が流出部29に接続されている。尚、第1実施形態では、層中管パネル4が流動層7内を3回往復するように構成されているが、本開示はこの形態に限定されない。
【0024】
フランジ6について説明する。フランジ6は、開口21を覆うように炉壁8の外側に設けられるとともに、炉壁8に対して着脱可能に構成されている。第1実施形態では、
図1に例示するように、ボイラ1には、第1開口21Aを覆う第1開口側フランジ6Aと、第2開口21Bを覆う第2開口側フランジ6Bと、が設けられている。第1開口側接続管部22Aは、第1開口側フランジ6Aを貫通する貫通部42において第1開口側フランジ6Aに固定されている。第1開口側フランジ6Aは、流入部27及び流出部29のそれぞれによって貫通されている。
【0025】
第1開口側フランジ6A及び第2開口側フランジ6Bのそれぞれは、炉壁8に対して着脱可能に構成されていれば、特に限定されない。
図3を参照して、第1開口側フランジ6Aが炉壁8に対して着脱可能である構成の一例について説明する。
図3は、第1実施形態に係る第1開口側フランジ6Aの構成例を説明するための図である。
【0026】
尚、第1実施形態では、第1開口側フランジ6Aは、流入部27及び流出部29のそれぞれによって貫通されているが、流入部27及び流出部29が貫通される構成は同じであるため、流出部29が貫通される構成の説明は省略する。尚、幾つかの実施形態では、流入部27が貫通される構成と流出部29が貫通される構成とは互いに異なっていてもよい。
【0027】
第1実施形態では、
図3に例示するように、第1開口側フランジ6Aは、貫通部42が貫通されている貫通孔44を形成するスリーブ部46を含む。スリーブ部46は、第1開口側接続管部22Aの流入部27の軸方向D2に沿って延在する。流入部27の軸方向D2は、第1開口21Aに対して交差する方向であり、軸方向D2のうち火炉2の内部に向かう方向を軸方向D2の一方とし、軸方向D2の一方とは反対方向を軸方向D2の他方とする。
【0028】
図3に例示する形態では、第1開口側フランジ6Aは、軸方向D2と交差する方向に沿って延在する板状の本体部48を備える。本体部48は、第1開口21Aを軸方向D2の他方から覆っている。本体部48には、軸方向D2に沿って貫通する孔51が形成されている。スリーブ部46は、筒形状を有し、孔51と貫通孔44とが連通されるように、本体部48の軸方向D2の他方側の他面52から延在している。孔51は、軸方向D2から視た場合に、貫通部42が貫通可能な開口面積を有しているが、貫通孔44の開口面積より小さくなるように構成されている。つまり、本体部48は、軸方向D2から視た場合に、貫通孔44に突出している突出部54を含む。本体部48とスリーブ部46とは一体的に構成されている。
【0029】
第1実施形態では、
図3に例示するように、流入部27は、貫通部42の外周面56に取り付けられたパッキン58を含む。パッキン58は、貫通部42が貫通孔44に貫通されている際に、スリーブ部46によって押しつぶされることで、貫通部42の外周面56とスリーブ部46の内周面57との間の隙間53を埋める。この際、貫通部42は、パッキン58を介して、スリーブ部46に固定されている。つまり、第1開口側接続管部22Aは、貫通部42において第1開口側フランジ6Aに固定されている。
【0030】
第1実施形態では、パッキン58はグランドパッキン59である。そして、
図3に例示するように、ボイラ1はグランドパッキン59を軸方向D2の一方に沿って押圧するパッキン押え60をさらに備える。
図3に例示する形態では、グランドパッキン59は、突出部54より軸方向D2の他方側に位置している。スリーブ部46は、スリーブ部46の先端部(軸方向D2の他方側の他端部)から軸方向D2と交差する方向において貫通孔44側とは反対側に延在する延在部62をさらに含む。パッキン押え60は、延在部62に当接される当接部64と、当接部64から軸方向D2の一方に沿って延び、隙間53に挿入される筒状の押圧部66と、を含む。延在部62と当接部64とは、例えば、ボルト65によって締結される。グランドパッキン59は、当接部64が延在部62に締結されるとともに押圧部66によって押圧され、突出部54と押圧部66との間に挟み込まれる。
【0031】
第1実施形態では、
図3に例示するように、ボイラ1は、炉壁8に取り付けられているプレート70と、第1開口側フランジ6Aをプレート70に締結するためのボルト82と、を備える。プレート70は、炉壁8から離間して設けられる当接面部78を有する。当接面部78は、第1開口側フランジ6Aの周縁部80に当接する。第1開口側フランジ6Aの周縁部80は、第1開口側フランジ6Aを軸方向D2から視た場合に、本体部48のうち第1開口21Aよりも外側の部分(非重複の部分)である。
【0032】
図3に例示する形態では、プレート70は、炉壁8の外周面72に接続されているプレート本体部74と、プレート本体部74から軸方向D2の他方に延在するプレート延在部76と、をさらに有している。当接面部78は、プレート延在部76の先端(軸方向D2の他方側の他端)から軸方向D2と交差する方向において第1開口21Aから離間するように延在している。そして、ボルト82が第1開口側フランジ6Aの周縁部80とプレート70の当接面部78とを締結している。
【0033】
図3に例示する形態では、炉壁8の内面84には、耐火材86が打設されている。耐火材86は、炉壁8の第1開口21Aを軸方向D2の一方から覆っている。耐火材86は、例えば、セメントである。
図3に例示する形態では、耐火材86、プレート70、及び第1開口側フランジ6Aによって囲われることで第1空間88が形成されている。
【0034】
次に、
図4を参照して、第2開口側フランジ6Bが炉壁8に対して着脱可能である構成の一例について説明する。
図4は、第1実施形態に係る第2開口側フランジ6Bの構成例を説明するための図である。
【0035】
図4に例示する形態では、第2開口側フランジ6Bは、軸方向D2と交差する方向に沿って延在する板状の本体部100を備える。本体部100は、第2開口21Bを軸方向D2の一方から覆っている。
【0036】
図4に例示する形態では、ボイラ1は、炉壁8に取り付けられている第2開口側プレート102と、第2開口側フランジ6Bを第2開口側プレート102に締結するための第2開口側ボルト104と、を備える。第2開口側プレート102は、炉壁8から離間して設けられる当接面部106を有する。当接面部106は、第2開口側フランジ6Bの周縁部108に当接する。第2開口側フランジ6Bの周縁部108は、第2開口側フランジ6Bを軸方向D2から視た場合に、本体部100のうち第2開口21Bよりも外側の部分(非重複の部分)である。
【0037】
図4に例示する形態では、第2開口側プレート102は、炉壁8の外周面72に接続されている第2開口側プレート本体部110と、第2開口側プレート本体部110から軸方向D2の一方に延在する第2開口側プレート延在部112と、をさらに有している。当接面部106は、第2開口側プレート延在部112の先端(軸方向D2の一方側の一端)から軸方向D2と交差する方向において第2開口21Bから離間するように延在している。そして、第2開口側ボルト104が第2開口側フランジ6Bの周縁部108と第2開口側プレート102の当接面部106とを締結している。
【0038】
尚、
図4に例示する形態では、耐火材86、第2開口側プレート102、及び第2開口側フランジ6Bによって囲われることで第2空間114が形成されている。第2管部33は、第2空間114内に配置されている。第2管部33層中管部20は、耐火材86によって支持されている。
【0039】
(作用・効果)
第1実施形態に係るボイラ1の作用・効果について説明する。第1実施形態によれば、層中管部20のメンテナンスが必要となった場合に、炉壁8から耐火材86を取り除くとともに、入口管寄せ24から流入部27を取り外し、出口管寄せ26から流出部29を取り外す。そして、第1開口側フランジ6Aを炉壁8から取り外し、第1開口側接続管部22Aを火炉2の外部(軸方向D2の他方)に向かって引っ張ることで、層中管パネル4を火炉2から取り出すことができる。このため、層中管部20の交換や補修といったメンテナンスを容易化することができる。
【0040】
尚、本開示は、層中管パネル4の全部が火炉2から取り出される構成に限定するものではない。不図示であるが、幾つかの実施形態では、流入部27は、貫通部42を含む一方側流入部と、一方側流入部より軸方向D2の他方側に位置し層中管パネル4の一端4aを含む他方側流入部と、を含み、一方側流入部は他方側流入部に対して脱着可能に構成されてもよい。このような構成によれば、火炉2から取り出す層中管パネル4の体積を小さくすることができる。
【0041】
第1実施形態によれば、
図2に例示して説明したように、一対の炉壁管23a、23bの間にフィン25を設けないようにすることで、接続管部22が通過する開口21を容易に形成することができる。
【0042】
第1実施形態によれば、第1開口側接続管部22Aは第1開口側フランジ6Aに固定されているので、第1開口側フランジ6A又は第1開口側接続管部22Aを火炉2の外部に向かって引っ張ることで、第1開口側フランジ6Aとともに層中管パネル4を火炉2から取り出すことができる。また、第1実施形態によれば、第1開口側接続管部22Aは流入部27及び流出部29を含むので、第1開口側フランジ6Aを引っ張ることで、層中管部20の全部を火炉2から取り出すことができる。
【0043】
従来の流動層ボイラでは、RPFに含まれている腐食成分によって流動層内の伝熱管(層中管部)が腐食されてしまうため、RPFを流動層に投入することが難しい。しかしながら、第1実施形態に係るボイラ1によれば、層中管部20の交換や補修といったメンテナンスを容易化するので、速やかにボイラ1を稼働可能な状態にすることができる。よって、流動層7にRPFを投入して燃焼させ、RPFの燃焼によって発生するエネルギを回収することができる。
【0044】
第1実施形態によれば、貫通部42の外周面56にグランドパッキン59が取り付けられているので、第1開口側フランジ6Aを第1開口側接続管部22Aに強固に固定させつつ、流動材A2が火炉2の外部に漏れ出さないように第1空間88の気密性を向上させることができる。尚、第1実施形態では、パッキン58はグランドパッキン59であったが、本開示はこの形態に限定されない。パッキン58は、例えば、Oリングであってもよい。
【0045】
尚、第1実施形態では、第1開口側フランジ6Aを第1開口側接続管部22Aに固定させつつ、第1空間88の気密性を確保するため、貫通部42の外周面56とスリーブ部46の内周面57との間にグランドパッキン59が設けられていたが、本開示はこの形態に限定されない。幾つかの実施形態では、スリーブ部46は、スリーブ部46の内周面57が貫通部42の外周面56に当接されるように、貫通孔44が形成されてもよい。
【0046】
第1実施形態によれば、プレート70が設けられていることで、炉壁8に干渉することなく第1開口側フランジ6Aを炉壁8に取り付けることができる。
【0047】
尚、第1実施形態では、炉壁8に第2開口21Bが形成され、第2管部33が第2開口21Bを通過していたが、本開示はこの形態に限定されない。不図示であるが、幾つかの実施形態では、炉壁8に第2開口21Bが形成されず、流体Cが流通する流通方向において、第1層中管30の下流側の他端及び第2層中管32の上流側の一端が流動層7内に位置する。そして、層中管部20は、第1層中管30の下流側の他端と第2層中管32の上流側の一端とを接続する接続管を含む。この場合、ボイラ1は、第1開口側フランジ6Aだけを含み、第2開口側フランジ6Bを含まない。
【0048】
<第2実施形態>
本開示の第2実施形態に係るボイラ1について説明する。第2実施形態に係るボイラ1は、層中管パネル4が固定部134をさらに備える点で第1実施形態と異なる。第2実施形態において、第1実施形態の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0049】
(構成)
図5は、第2実施形態に係る炉壁8の構成を概略的に示す図であって、第1開口21Aを火炉2の内部から視た図である。第1開口21Aは、一対の炉壁管23a、23bの開口形成部23dに形成されている。
図5に例示する形態では、一方側炉壁管23aが上下方向D1に沿って直線状に延在しているのに対して、他方側炉壁管23bは、一方側炉壁管23a側とは反対側に突出する部分を含んでいる。具体的には、他方側炉壁管23bは、下側炉壁管部124と、下側炉壁管部124より上方に位置する上側炉壁管部126と、下側炉壁管部124の上端125から上方に向かうにつれて一対の炉壁管23a、23bの間の長さd1が大きくなる第1拡大部128と、上側炉壁管部126の下端127から下方に向かうにつれて長さd1が大きくなる第2拡大部130と、第1拡大部128と第2拡大部130とを接続する接続部132と、を含む。他方側炉壁管23bは、下方から順に下側炉壁管部124、第1拡大部128、接続部132、第2拡大部130、及び上側炉壁管部126を含む。開口形成部23dは、一方側炉壁管23aと接続部132との間に位置している。
【0050】
下側炉壁管部124、上側炉壁管部126、及び接続部132のそれぞれは、長さd1が一定となるように上下方向D1に沿って延在している。つまり、下側炉壁管部124、上側炉壁管部126、及び接続部132のそれぞれは、一方側炉壁管23aに対して互いに平行となるように上下方向D1に沿って延在している。接続部132と一方側炉壁管23aとの間の長さは、下側炉壁管部124と一方側炉壁管23aとの間の長さ及び上側炉壁管部126と一方側炉壁管23aとの間の長さのそれぞれより大きい。
【0051】
図6は、第2実施形態に係る他方側炉壁管23bの構成を説明するための図である。
図6に例示するように、下側炉壁管部124及び上側炉壁管部126のそれぞれは、軸方向D2における位置が一方側炉壁管23aと互いに重複するように配置されている。第1拡大部128は、下側炉壁管部124の上端125から上方に向かうにつれて軸方向D2の他方に向かって延在している。第2拡大部130は、上側炉壁管部126の下端127から下方に向かうにつれて軸方向D2の他方に向かって延在している。接続部132は、一方側炉壁管23aよりも軸方向D2の他方側にずれている。
【0052】
第2実施形態では、
図5及び
図6に例示するように、層中管パネル4は、フィン25によって固定される固定部134を含む。
図5及び
図6に例示する形態では、固定部134は、第1開口側接続管部22Aのうち最も下方に位置する流入部27の下部に設けられている。固定部134の下面には上方に向かって凹む凹部136(
図6参照)が形成されている。凹部136には、フィン25が差し込まれている。
【0053】
(作用・効果)
第2実施形態に係るボイラ1の作用・効果について説明する。層中管パネル4には、流動層7の温度が上昇することにより熱伸びが発生し、熱伸びに対する応力によって耐火材や層中管パネル4が損傷する虞がある。第2実施形態によれば、層中管パネル4のうち流入部27と第1層中管30との境界付近に位置する固定部134を熱伸びの起点とすることができる。このため、耐火材や層中管パネル4への影響を最小限に抑え、損傷を抑制することができる。尚、本開示は、固定部134の設置位置を限定するものではなく、固定部134は第1管部31、流出部29、又は第2管部33の何れかに設けられてもよい。
【0054】
第1開口側接続管部22Aが大径である場合、一方側炉壁管23a及び他方側炉壁管23bのそれぞれが上下方向D1に沿って直線状に延在していると、第1開口側接続管部22Aが通過可能な第1開口21Aを確保することが難しい場合がある。第2実施形態によれば、
図5に例示して説明したように、一方側炉壁管23aと接続部132(他方側炉壁管23bのうち一方側炉壁管23a側とは反対側に突出する部分)との間に第1開口21Aが形成されている。このため、第1開口側接続管部22Aが大径であっても、第1開口側接続管部22Aが通過可能な第1開口21Aを確保することができる。さらに第2実施形態によれば、
図6に例示して説明したように、接続部132は一方側炉壁管23aよりも軸方向D2の他方側にずれている。このため、第1開口21Aの径を大きくすることが容易となる。
【0055】
図7は、幾つかの実施形態に係る第1フランジ6Cと第2フランジ6Dのレイアウトを示す図である。
図7では、炉壁8を火炉2の外側(軸方向D2の他方側)から視ている。幾つかの実施形態では、ボイラ1には、第1層中管パネル4A(4)と、第1層中管パネル4Aとは別の第2層中管パネル4B(4)と、第1フランジ6C(6)と、第1フランジ6Cとは別の第2フランジ6D(6)と、が設けられている。
図7に例示するように、第1層中管パネル4Aは、グランドパッキン59によって第1フランジ6Cに固定さている。第2層中管パネル4Bは、グランドパッキン59によって第2フランジ6Dに固定されている。第1フランジ6Cと第2フランジ6Dとは互いに独立して炉壁8に着脱可能に構成されている。第1フランジ6Cは、第1ボルト82A(82)を介して、炉壁8に対して着脱可能に炉壁8の外側に設けられている。第2フランジ6Dは、第1ボルト82Aとは別の第2ボルト82B(82)を介して、炉壁8に対して着脱可能に炉壁8の外側に設けられている。第1フランジ6Cと第2フランジ6Dとは、炉壁8の幅方向(上下方向D1及び軸方向D2のそれぞれに直交する方向)に沿って互いに間隔を空けて配置されている。
【0056】
図7に例示する構成によれば、第1層中管パネル4Aの層中管部20のメンテナンスが必要となった場合に、第1層中管パネル4Aだけを火炉2から取り出することができる。同様に、第2層中管パネル4Bの層中管部20のメンテナンスが必要となった場合に、第2層中管パネル4Bだけを火炉2から取り出することができる。このため、第1層中管パネル4A及び第2層中管パネル4Bのそれぞれを個別にメンテナンスすることができる。
【0057】
図8は、幾つかの実施形態に係るプラント200の構成を概略的に示す図である。
図8に例示するように、プラント200はボイラ1を備えており、第1開口側フランジ6Aが炉壁8から取り外された状態で、層中管パネル4を火炉2から引き抜き可能な引抜スペース140が形成されている。
【0058】
引抜スペース140は、第1開口21Aから軸方向D2の他方側に延びる領域を含んでいる。軸方向D2における層中管パネル4の一端から他端までの長さをL1とし、引抜スペース140の軸方向D2の長さをL2とすると、L2>L1を満たす。引抜スペース140は、例えば駐車場のような屋外に形成されてもよいし、建屋の内部のような屋内に形成されてもよい。
図8に例示する形態では、火炉2は地面150に配置されており、フランジ6は地面150に近接した炉壁8の下部に取り付けられている。
【0059】
図8に例示する構成によれば、層中管パネル4を切断したり、又は曲げたりすることなく、層中管パネル4を火炉2から取り出すことができる。
図8に例示する構成によれば、フランジ6が炉壁8の下部に取り付けられているので、高所作業の量を低減することができる。
【0060】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0061】
[1]本開示に係るボイラ(1)は、
内部に流動層(7)が形成される火炉(2)と、
前記流動層の内部を延在する層中管部(20)、および前記層中管部に接続するとともに前記火炉の炉壁(8)に形成された開口(21)を通過して前記炉壁の外側に延在する接続管部(22)、を含む少なくとも1つの層中管パネル(4)と、
前記開口を覆うように前記炉壁の外側に設けられるとともに、前記炉壁に対して着脱可能に構成されている少なくとも1つのフランジ(6)と、を備える。
【0062】
上記[1]に記載の構成によれば、層中管部のメンテナンスが必要となった場合に、フランジを炉壁から取り外し、接続管部を火炉の外部に向かって引っ張ることで接続管部及び層中管部を含む層中管パネルを火炉から取り出すことができる。このため、層中管部の交換や補修といったメンテナンスを容易化することができる。
【0063】
[2]幾つかの実施形態では、上記[1]に記載の構成において、
前記接続管部は、前記少なくとも1つのフランジを貫通する貫通部(42)において前記少なくとも1つのフランジに固定されている。
【0064】
上記[2]に記載の構成によれば、フランジ又は接続管部を火炉の外部に向かって引っ張ることで、フランジとともに接続管部及び層中管部を含む層中管パネルを火炉から取り出すことができる。
【0065】
[3]幾つかの実施形態では、上記[2]に記載の構成において、
前記少なくとも1つのフランジは、前記貫通部が貫通されている貫通孔(44)を形成するスリーブ部であって、前記接続管部の軸方向(D2)に沿って延在するスリーブ部(46)を含む。
【0066】
上記[3]に記載の構成によれば、接続配管の貫通部がスリーブ部の貫通孔を貫通することで、フランジを接続配管に固定させつつ、接続配管のうち貫通部より炉壁側の部分の周辺空間の気密性を向上させることができる。
【0067】
[4]幾つかの実施形態では、上記[3]に記載の構成において、
前記貫通部は、前記貫通部の外周面(56)に取り付けられたパッキン(58)を介して、前記スリーブ部に固定されている。
【0068】
上記[4]に記載の構成によれば、上記[3]に記載の構成と比較して、フランジを接続配管により強固に固定させつつ、接続配管のうち貫通部より炉壁側の部分の周辺空間の気密性を向上させることができる。
【0069】
[5]幾つかの実施形態では、上記[4]に記載の構成において、
前記パッキンはグランドパッキン(59)であり、
前記グランドパッキンを前記接続管部の軸方向に沿って押圧するパッキン押え(60)をさらに備える。
【0070】
上記[5]に記載の構成によれば、パッキン押えがグランドパッキンを押圧する力の大きさを調整することで、フランジを接続配管に固定させる事と接続配管のうち貫通部より炉壁側の部分の周辺空間の気密性を確保することの両方を容易に実現することができる。
【0071】
[6]幾つかの実施形態では、上記[1]から[5]の何れか1つに記載の構成において、
前記炉壁に取り付けられているプレートであって、前記炉壁から離間して設けられ前記少なくとも1つのフランジの周縁部(80)に当接する当接面部(78)を有するプレート(70)と、
前記少なくとも1つのフランジの前記周縁部と前記プレートの前記当接面部とを締結するボルト(82)と、をさらに備える。
【0072】
上記[6]に記載の構成によれば、プレートが設けられていることで、炉壁に干渉することなくフランジを炉壁に取り付けることができる。
【0073】
[7]幾つかの実施形態では、上記[1]から[6]の何れか1つに記載の構成において、
前記炉壁は、上下方向(D1)に沿って延びるとともに互いに隣接する一対の炉壁管(23a、23b)を含み、
前記一対の炉壁管は、互いにフィン(25)を介して接続された炉壁形成部(23c)と、前記一対の炉壁管の間に前記開口を形成する開口形成部(23d)と、を含む。
【0074】
上記[7]に記載の構成によれば、一対の炉壁管の間にフィンを設けないようにすることで、接続管部が通過する開口を容易に形成することができる。
【0075】
[8]幾つかの実施形態では、上記[7]に記載の構成において、
前記少なくとも1つの層中管パネルは、前記フィンによって固定される固定部(134)を含む。
【0076】
層中管パネルには、流動層の温度が上昇することにより熱伸びが発生し、熱伸びに対する応力によって層中管パネルが損傷する虞がある。上記[8]に記載の構成によれば、層中管パネルのうち固定部を熱伸びの起点とすることができる。このため、層中管パネルの損傷を抑制することができる。
【0077】
[9]幾つかの実施形態では、上記[1]から[8]の何れか1つに記載の構成において、
前記接続管部は、流体(C)が前記火炉の内部に向かって流通する流入部(27)と、前記火炉の内部から流出した前記流体が流通する流出部(29)と、を含む。
【0078】
上記[9]に記載の構成によれば、フランジを火炉の外部に向かって引っ張ることで、層中管部を火炉から取り出すことができる。
【0079】
[10]幾つかの実施形態では、上記[1]から[9]の何れか1つに記載の構成において、
前記少なくとも1つの層中管パネルは、第1層中管パネル(4A)と、前記第1層中管パネルとは別の第2層中管パネル(4B)と、を含み、
前記少なくとも1つのフランジは、第1フランジ(6C)と、前記第1フランジとは別の第2フランジ(6D)と、を含み、
前記第1層中管パネルは、前記第1フランジに固定されており、
前記第2層中管パネルは、前記第2フランジに固定されており、
前記第1フランジと前記第2フランジとは互いに独立して前記炉壁に着脱可能に構成されている。
【0080】
上記[10]に記載の構成によれば、第1層中管パネルの層中管部のメンテナンスが必要となった場合に、第1層中管パネルの接続管部を火炉の外部に向かって引っ張ることで第1層中管パネルだけを火炉から取り出することができる。同様に、第2層中管パネルの層中管部のメンテナンスが必要となった場合に、第2層中管パネルの接続管部を火炉の外部に向かって引っ張ることで第2層中管パネルだけを火炉から取り出することができる。このため、第1層中管パネル及び第2層中管パネルのそれぞれを個別にメンテナンスすることができる。
【0081】
[11]幾つかの実施形態では、上記[1]から[10]の何れか1つに記載の構成において、
前記流動層は、RPFが投入されるように構成されている。
【0082】
上記[11]に記載の構成によれば、流動層にRPFが投入されるボイラに適用することができる。特に、層中管を腐食させる塩化物成分を一定以上含有するため、活用(熱回収)できずに焼却処分されていた多くのRPFを燃料として活用することが可能となる。
【0083】
[12]幾つかの実施形態に係るプラントは、
上記[1]から[11]の何れか1つに記載のボイラを備え、
前記少なくとも1つのフランジを前記炉壁から取り外した状態で、前記少なくとも1つの層中管パネルを前記火炉から引き抜き可能な引抜スペース(140)が形成されている。
【0084】
[12]に記載の構成によれば、層中管パネルを切断したり、又は曲げたりすることなく、層中管パネルを火炉から取り出することができる。
【符号の説明】
【0085】
1 ボイラ
2 火炉
4 層中管パネル
4A 第1層中管パネル
4B 第2層中管パネル
6 フランジ
6A 第1開口側フランジ
6B 第2開口側フランジ
6C 第1フランジ
6D 第2フランジ
7 流動層
8 炉壁
20 層中管部
21 開口
21A 第1開口
21B 第2開口
22 接続管部
22A 第1開口側接続管部
22B 第2開口側接続管部
23a 一方側炉壁管
23b 他方側炉壁管
23c 炉壁形成部
23d 開口形成部
25 フィン
27 流入部
29 流出部
42 貫通部
44 貫通孔
46 スリーブ部
56 貫通部の外周面
58 パッキン
59 グランドパッキン
60 パッキン押え
70 プレート
78 当接面部
80 周縁部
82 ボルト
82A 第1ボルト
82B 第2ボルト
134 固定部
140 引抜スペース
200 プラント
A1 固形燃料
A2 流動材
C 流体
D1 上下方向
D2 軸方向