IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社 ミックウェアの特許一覧

特開2023-14743表示装置、表示システム及びプログラム
<>
  • 特開-表示装置、表示システム及びプログラム 図1
  • 特開-表示装置、表示システム及びプログラム 図2
  • 特開-表示装置、表示システム及びプログラム 図3
  • 特開-表示装置、表示システム及びプログラム 図4
  • 特開-表示装置、表示システム及びプログラム 図5
  • 特開-表示装置、表示システム及びプログラム 図6
  • 特開-表示装置、表示システム及びプログラム 図7
  • 特開-表示装置、表示システム及びプログラム 図8
  • 特開-表示装置、表示システム及びプログラム 図9
  • 特開-表示装置、表示システム及びプログラム 図10
  • 特開-表示装置、表示システム及びプログラム 図11
  • 特開-表示装置、表示システム及びプログラム 図12
  • 特開-表示装置、表示システム及びプログラム 図13
  • 特開-表示装置、表示システム及びプログラム 図14
  • 特開-表示装置、表示システム及びプログラム 図15
  • 特開-表示装置、表示システム及びプログラム 図16
  • 特開-表示装置、表示システム及びプログラム 図17
  • 特開-表示装置、表示システム及びプログラム 図18
  • 特開-表示装置、表示システム及びプログラム 図19
  • 特開-表示装置、表示システム及びプログラム 図20
  • 特開-表示装置、表示システム及びプログラム 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014743
(43)【公開日】2023-01-31
(54)【発明の名称】表示装置、表示システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20230124BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20230124BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20230124BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20230124BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20230124BHJP
【FI】
G01C21/26 B
G08G1/09 F
G08G1/0969
G09B29/00 Z
G09B29/10 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021118881
(22)【出願日】2021-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】504050275
【氏名又は名称】株式会社 ミックウェア
(74)【代理人】
【識別番号】100140486
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100137947
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 貴文
(72)【発明者】
【氏名】牧野 裕征
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HB11
2C032HC11
2C032HC22
2C032HC27
2C032HC30
2C032HD03
2C032HD16
2C032HD27
2F129AA03
2F129AA11
2F129AA14
2F129BB03
2F129CC19
2F129CC28
2F129CC31
2F129EE02
2F129EE26
2F129EE91
2F129EE93
2F129FF02
2F129FF20
2F129FF37
2F129FF60
2F129GG17
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH20
2F129HH21
2F129HH22
5H181AA01
5H181AA05
5H181AA25
5H181AA26
5H181BB04
5H181CC04
5H181FF05
5H181FF10
5H181FF33
(57)【要約】
【課題】目的地まで案内できる機能を備え、実施するために必要な費用を抑えることができる表示装置等を提供する。
【解決手段】表示装置1は、表示部11と、現在地検出部14と、表示制御部173とを備える。表示部11は、2以上の画素で構成される。表示制御部173は、画素ごとの色を制御して、道路を少なくとも表す地図要素図形105と地図要素図形105の背景となる背景図形106とで構成される地図104を表示部11に表示させる。表示制御部173は、画素のうち、現在地検出部14によって検出されたユーザの過去の位置に対応する画素を地図要素図形105の色にし、残りの画素を背景図形106の色にする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上の画素で構成された表示部と、
ユーザの位置を所定の時間間隔で検出する現在地検出部と、
前記画素ごとの色を制御して、道路を少なくとも表す地図要素図形と前記地図要素図形の背景となる背景図形とで構成される地図を前記表示部に表示させる表示制御部とを備え、
前記表示制御部は、
前記画素のうち前記現在地検出部によって検出された前記ユーザの過去の前記位置に対応する前記画素を前記地図要素図形の色にし、残りの前記画素を前記背景図形の色にすることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
道路を表す道路図形が含まれた地図を表示する表示部と、
ユーザの位置を所定の時間間隔で検出する現在地検出部と、
前記ユーザが訪れたことのある場所が目的地に設定された場合、前記目的地に設定された場所の周辺で前記現在地検出部によって検出された前記ユーザの過去の前記位置に基づき、前記目的地の周辺に存在する道路のうち前記ユーザが通ったことのある前記道路を前記道路図形で表した前記地図を前記表示部に表示させる表示制御部とを備えることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
前記ユーザが移動した履歴に対応する履歴情報として、前記現在地検出部によって検出された前記位置に対応する位置データを2以上記憶する記憶部をさらに備え、
前記記憶部は、
前記ユーザが訪れている場所を登録することが要求されると、前記ユーザが訪れている場所と前記履歴情報とを関連付けて記憶することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記現在地検出部によって検出され前記道路に沿って移動する前記ユーザの前記位置である第1位置と、前記第1位置よりも後方の他の前記第1位置とが前記道路の幅方向に互いにずれている場合、前記第1位置と他の前記第1位置との間の第2位置を求め、前記第2位置を示す第2位置データを前記位置データとして前記記憶部に記憶させる位置データ処理部をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
2以上の表示装置と、前記表示装置とそれぞれ通信するサーバとを備える表示システムであって、
前記表示装置のうちのいずれか1つである第1表示装置は、
ユーザの位置を所定の時間間隔で検出する現在地検出部を備え、
前記サーバは、
前記現在地検出部によって検出された前記ユーザの過去の前記位置に基づいて生成され、前記ユーザが移動した履歴に対応する履歴情報を記憶する記憶部を有し、
前記表示装置のうち前記第1表示装置と異なる第2表示装置は、
2以上の画素で構成された表示部と、
前記画素ごとの色を制御して、道路を少なくとも表す地図要素図形と前記地図要素図形の背景となる背景図形とで構成される地図を前記表示部に表示させる表示制御部とを備え、
前記表示制御部は、前記画素のうち前記現在地検出部によって検出された前記ユーザの過去の前記位置に対応する前記画素を前記地図要素図形の色にし、残りの前記画素を前記背景図形の色にすることを特徴とする表示システム。
【請求項6】
2以上の表示装置と、前記表示装置とそれぞれ通信するサーバとを備える表示システムであって、
前記表示装置のうちのいずれか1つである第1表示装置は、
ユーザの位置を所定の時間間隔で検出する現在地検出部を備え、
前記サーバは、
前記現在地検出部によって検出された前記ユーザの過去の前記位置に基づいて生成され、前記ユーザが移動した履歴に対応する履歴情報を記憶する記憶部を有し、
前記表示装置のうち前記第1表示装置と異なる第2表示装置は、
道路を表す道路図形が含まれた地図を表示する表示部と、
前記ユーザが訪れたことのある場所が目的地に設定された場合、前記履歴情報に基づき、前記目的地に設定された場所の周辺に存在する道路のうち前記ユーザが通ったことのある前記道路を前記道路図形で表した前記地図を前記表示部に表示させる表示制御部とを備えることを特徴とする表示システム。
【請求項7】
2以上の画素で構成された表示部と、ユーザの位置を所定の時間間隔で検出する現在地検出部と、前記表示部と前記現在地検出部とを制御する表示制御部とを備える表示装置において、
前記表示制御部に、前記画素のうち、前記現在地検出部によって検出された前記ユーザの過去の前記位置に対応する前記画素を、道路を少なくとも表す地図要素図形の色にし、残りの前記画素を前記地図要素図形の背景となる背景図形の色にするよう前記画素ごとの色を制御して、前記地図要素図形と前記背景図形とで構成される地図を前記表示部に表示させるステップを実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
道路を表す道路図形が含まれた地図を表示する表示部と、ユーザの位置を所定の時間間隔で検出する現在地検出部と、前記表示部と前記現在地検出部とを制御する表示制御部とを備える表示装置において、
前記表示制御部に、前記ユーザが訪れたことのある場所が目的地に設定された場合、前記目的地に設定された場所の周辺で前記現在地検出部によって検出された前記ユーザの過去の前記位置に基づき、前記目的地の周辺に存在する道路のうち前記ユーザが通ったことのある前記道路を前記道路図形で表した前記地図を前記表示部に表示させるステップを実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、到達すべき目標物まで道案内する道案内プログラムを利用する技術がある。(特許文献1)。特許文献1に開示の道案内プログラムは、Google(登録商標)マップに現在地から目標物までの位置を表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-156642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の技術は、実施される場合、Googleマップ等の詳細な道路情報及びPOI(Point Of Interest)情報を含む地図データが必要となる。詳細な情報を含む地図データの使用には、例えば、地図データを提供する会社等からの地図データの購入、または地図データを提供する会社等への利用料の支払いが必要となる。そのため、特許文献1に開示の技術は、実施するために必要な費用が高くなりやすいという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、ユーザを目的地まで案内できる機能を備え、実施するために必要な費用を抑えることができる表示装置、表示システム及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る表示装置は、表示部と、現在地検出部と、表示制御部とを備える。表示部は、2以上の画素で構成される。現在地検出部は、ユーザの位置を所定の時間間隔で検出する。表示制御部は、画素ごとの色を制御して、地図を表示部に表示させる。この地図は、地図要素図形と背景図形とで構成される。地図要素図形は道路を少なくとも表す。背景図形は地図要素図形の背景となる。表示制御部は、画素のうち現在地検出部によって検出されたユーザの過去の位置に対応する画素を地図要素図形の色にし、残りの画素を背景図形の色にする。
【0007】
上記表示装置は、現在地検出部を利用して地図を作成できるので、ユーザを目的地まで案内できる機能を、費用を抑えて実現できる。
【0008】
本開示の一態様に係る表示装置は、表示部と、現在地検出部と、表示制御部とを備える。表示部は、道路を表す道路図形が含まれた地図を表示する。現在地検出部は、ユーザの位置を所定の時間間隔で検出する。表示制御部は、ユーザが訪れたことのある場所が目的地に設定された場合、地図を表示部に表示させる。当該地図は、目的地に設定された場所の周辺で現在地検出部によって検出されたユーザの過去の位置に基づき表される。当該地図は、目的地の周辺に存在する道路のうちユーザが通ったことのある道路を道路図形で表す。
【0009】
上記表示装置は、現在地検出部を利用して地図を作成できるので、ユーザを目的地まで案内できる機能を、費用を抑えて実現できる。
【0010】
上記いずれかの表示装置において、好ましくは、記憶部をさらに備える。記憶部は、ユーザが移動した履歴に対応する履歴情報として、現在地検出部によって検出された位置に対応する位置データを2以上記憶する。記憶部は、ユーザが訪れている場所を登録することが要求されると、ユーザが訪れている場所と履歴情報とを関連付けて記憶する。
【0011】
上記表示装置は、ユーザが再訪を望む場所を登録できる。
【0012】
上記いずれかの表示装置において、好ましくは、位置データ処理部をさらに備える。位置データ処理部は、第1位置と他の第1位置とが道路の幅方向に互いにずれている場合、第2位置データを位置データとして記憶部に記憶させる。第1位置は、現在地検出部によって検出され道路に沿って移動するユーザの位置である。他の第1位置は、第1位置よりも後方の第1位置である。第2位置データは、第1位置と他の第1位置との間の第2位置を示す位置データである。
【0013】
上記表示装置は、第1位置の誤差を緩和できる。
【0014】
本開示の一態様に係る表示システムは、2以上の表示装置と、サーバとを備える。サーバは、2以上の表示装置とそれぞれ通信する。表示装置のうちのいずれか1つである第1表示装置は、現在地検出部を備える。現在地検出部は、ユーザの位置を所定の時間間隔で検出する。サーバは、記憶部を有する。記憶部は、履歴情報を記憶する。履歴情報は、ユーザが移動した履歴に対応する。履歴情報は、ユーザの過去の位置に基づいて生成される。ユーザの過去の位置は、現在地検出部によって検出される。第2表示装置は、表示装置のうち第1表示装置と異なる装置である。第2表示装置は、表示部と、表示制御部とを備える。表示部は、2以上の画素で構成される。表示制御部は、画素ごとの色を制御して、地図を表示部に表示させる。地図は、地図要素図形と背景図形とで構成される。地図要素図形は道路を少なくとも表す。背景図形は地図要素図形の背景となる。表示制御部は、画素のうち現在地検出部によって検出されたユーザの過去の位置に対応する画素を地図要素図形の色にし、残りの画素を背景図形の色にする。
【0015】
上記表示システムによれば、現在地検出部を利用して地図を作成できるので、ユーザを目的地まで案内できる機能を備える表示装置を、費用を抑えて実現できる。
【0016】
本開示の一態様に係る表示システムは、2以上の表示装置と、サーバとを備える。サーバは、2以上の表示装置とそれぞれ通信する。表示装置のうちのいずれか1つである第1表示装置は、現在地検出部を備える。現在地検出部は、ユーザの位置を所定の時間間隔で検出する。サーバは、記憶部を有する。記憶部は、履歴情報を記憶する。履歴情報は、ユーザが移動した履歴に対応する。履歴情報は、ユーザの過去の位置に基づいて生成される。ユーザの過去の位置は、現在地検出部によって検出される。第2表示装置は、表示装置のうち第1表示装置と異なる装置である。第2表示装置は、表示部と、表示制御部とを備える。表示部は、地図を表示する。この地図には、道路を表す道路図形が含まれる。表示制御部は、ユーザが訪れたことのある場所が目的地に設定された場合、地図を表示部に表示させる。この地図は、履歴情報に基づき、目的地に設定された場所の周辺に存在する道路のうちユーザが通ったことのある道路を道路図形で表す。
【0017】
上記表示システムによれば、現在地検出部を利用して地図を作成できるので、ユーザを目的地まで案内できる機能を備える表示装置を、費用を抑えて実現できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、ユーザを目的地まで案内できる機能を、費用を抑えて実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1実施形態に係る表示システムの構成図。
図2】表示部に表示されたパーソナル地図の一例を示す図。
図3】表示部に表示されたメニュー画面の一例を示す図。
図4】第1位置データ処理部による処理を説明する概念図。
図5】第1位置データ処理部により第2位置データを生成する処理の一例を説明する概念図。
図6】第1位置データ処理部により第2位置データを生成する処理の他の例を説明する概念図。
図7】第1位置データ処理部により第2位置データを生成する処理の他の例を説明する概念図。
図8】第1位置データ処理部により第2位置データを生成する処理の他の例を説明する概念図。
図9】道路図形の描画方法の一例を示す概念図。
図10】パーソナル地図の他の作成方法を説明する図。
図11】パーソナル地図の他の作成方法を説明する図。
図12】道路図形の他の描画方法を示す概念図。
図13】履歴情報の収集処理を示すフローチャート。
図14】サーバへの履歴情報の登録処理を示すフローチャート。
図15】サーバを利用したパーソナル地図の表示処理を示すフローチャート。
図16】ユーザの現在地及びその周辺を示すパーソナル地図を表示部に表示する処理を示すフローチャート。
図17】本発明の第2実施形態に係る表示システムの構成図。
図18】表示装置と車載装置との連携処理を示すフローチャート。
図19】サーバを利用した車載装置によるパーソナル地図の表示処理を示すフローチャート。
図20】実施形態に係る表示装置のハードウェア構成図。
図21】実施形態に係るサーバのハードウェア構成図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
≪第1実施形態≫
図1に示すように、本発明の第1実施形態である表示システム4は、表示装置1と、サーバ2とを備える。本実施形態において、表示システム4は、2以上の表示装置1を含む。2以上の表示装置1は、それぞれ異なるユーザによって保有される。表示装置1は、図2に示すように、シンプルな図形によって構成された略地図のような地図104を生成する。この地図104は、道路を道路図形104aで表す。道路図形104aは、ユーザが移動した履歴に対応した形状である。地図104は、ユーザが通ったことのない道路は表さず、ユーザが通ったことのある道路を道路図形104aで表す。地図104は、ユーザによって登録されていない場所は基本的に示さず、ユーザによって登録された場所を示す。このようなパーソナライズ化された地図104は、一般的な地図との区別のため、本明細書で「パーソナル地図104」と呼ばれる。一般的な地図は、例えば、詳細な道路情報及びPOI情報を含む地図データに基づいて生成される。表示装置1でパーソナル地図104を生成して、表示部11に表示させるプログラムは、本明細書で「地図コンテンツ作成アプリ」又は単に「アプリ」と呼ばれる。
【0021】
図1に示すように、表示装置1は、表示部11と、入力部12と、撮像部13と、現在地検出部14と、第1記憶部15と、第1通信部16と、第1制御部17とを備える。第1制御部17は、第1位置データ処理部171と、第1履歴情報取得部172と、表示制御部173とを備える。本実施形態において、表示装置1は、スマートフォンである。表示装置1は、例えば、タブレット、または携帯端末等であってもよい。
【0022】
サーバ2は、第2記憶部25と、第2通信部26と、第2制御部27とを備える。第2制御部27は、第2位置データ処理部271と、第2履歴情報取得部272とを備える。
【0023】
道路図形104aは、所定幅を有する線状の図形である。道路図形104aは、図2等で内部に斜線が引かれている。道路図形104aの幅は、例えば5mm以上1cm以下である。道路図形104aの幅は、7mm以上8mm以下がより好ましい。パーソナル地図104は、道路図形104aによって、ユーザの過去の経路を示す。道路図形104aは、地図要素図形105に相当する。パーソナル地図104は、地図要素図形105と、地図要素図形105の背景となる背景図形106とで構成されるとも言える。
【0024】
本実施形態において、パーソナル地図104は、ユーザの現在地及び目的地をさらに示す。パーソナル地図104は、例えば矢印状の現在地マーク104dでユーザの現在地を示す。パーソナル地図104は、例えば星形のアイコン104bで目的地を示す。
【0025】
パーソナル地図104は、ユーザによって登録された場所を、例えば四角形のアイコン104cで示す。四角形のアイコン104cは、例えば星形のアイコン104bと同程度の大きさである。四角形のアイコン104cは、建物をイメージしている。本実施形態において、四角形のアイコン104cは、パーソナル地図104に2以上含まれる場合、形状と大きさと色とが全て同じであるが、この構成に限定されない。ユーザによって登録される場所は、例えば、店舗又は施設等が想定されている。パーソナル地図104は、例えば公園や海岸等の建物のない場所がユーザによって登録された場合、建物のない場所も四角形のアイコン104cで示してもよい。本実施形態において、地図要素図形105は、現在地マーク104dと星形のアイコン104bと四角形のアイコン104cとをさらに含む。本発明の他の実施形態において、地図要素図形105は、上記以外のアイコン、マーク又は図形等を含んでもよい。
【0026】
本実施形態において、表示装置1は、リンクとノードで道路ネットワークが表された一般的な地図データを使用せずに、ユーザが移動した履歴に基づいてパーソナル地図104を生成する。パーソナル地図104は、ユーザが通ったことのない道路も含むほぼ全部の道路が網羅された詳細な地図ではない。パーソナル地図104は、実在する道路のうち、ユーザが通ったことのある道路のみを道路図形104aで表す。パーソナル地図104は、建物が存在する場所を表現する場合であっても、その場所がユーザによって登録されていなければ建物を表さない。本実施形態において、パーソナル地図104は、河川、海、山等の自然物からなる地物を表さない。このようなパーソナル地図104は、現在地マーク104dと星形のアイコン104bとの間の道路図形104aによって、ユーザの現在地から目的地までの経路を示す。パーソナル地図104は、ユーザの過去の道筋を、ユーザの現在地から目的地までの経路として示す。表示装置1は、パーソナル地図104を表示部11に表示させることで、ユーザを目的地まで案内できる。
【0027】
本実施形態において、表示部11は、アプリが立ち上げられている間、メニューアイコン101を表示する。図2及び図3に示されるように、メニューアイコン101は、例えば表示部11の右上に表示される。表示部11は、メニューアイコン101がユーザによってタップされることで、図3に示すようなメニュー画面102を表示する。メニュー画面102は、例えば、「お気に入り登録」、「登録情報の共有」、及び「目的地の検索」という文字がそれぞれ示されたコマンドボタン102a~102cを含む。
【0028】
表示部11は、2以上の画素で構成される。画素は、表示部11の画面を構成する最小単位である。表示部11は、ユーザにより「お気に入り登録」のコマンドボタン102aがタップされた場合、例えば、図2に示すような登録画面103を表示する。登録画面103は、例えば「お気に入り」、「店名」、「写真」、「メモ」、及び「ジャンル」という文字がそれぞれ示されたコマンドボタン103a~103eを含む。本実施形態において、表示装置1は、ユーザによって「お気に入り」のコマンドボタン103aがタップされたときのユーザの現在地を、ユーザが気に入った場所として登録する。登録は、ユーザの現在地を示す位置データを第1記憶部に記憶することである。本明細書において、登録された場所の位置データは、「登録情報」とも呼ばれる。すなわち登録情報は、上記登録動作が行われたときのユーザの現在地を示す位置データを含む。ユーザの現在地は、現在地検出部14によって検出される。現在地検出部14によって取得される位置データは、本明細書で「第1位置データ」とも呼ばれる。なお表示装置1は、第1位置データを補正又は調整した位置データを登録情報とする構成であってもよい。
【0029】
パーソナル地図104は、このようにして登録された場所を四角形のアイコン104cで示す。すなわち、四角形のアイコン104cは、ユーザが訪れたことのある場所のうち、ユーザが所定の登録動作を行った場所を示す。表示装置1は、例えば、ユーザが街を歩いていてたまたま見つけた店舗等をユーザのお気に入りの場所として登録できる。表示装置1は、ユーザが再度訪れたい店舗又は施設等の備忘録として利用できる。
【0030】
表示部11は、店名、メモ又はジャンルのコマンドボタン103b、103d又は103eがタップされた場合、図示しないスクリーンキーボードを表示する。スクリーンキーボードは、登録された場所の名称、又は、登録された場所に関するユーザのメモ等の入力に利用される。ユーザによってスクリーンキーボードから入力された文字データは、第1記憶部15に記憶される。第1制御部17は、写真のコマンドボタン103cがタップされた場合、撮像部13を起動させる。本実施形態において、撮像部13により撮影される被写体は、例えば店舗等の外観及び内装、ならびに提供された商品等が想定される。
【0031】
本実施形態において、登録情報は、登録された場所の名称、登録された場所についてのユーザのメモ及び登録された場所のジャンルをそれぞれ示す文字データ、ならびに写真データをさらに含む。名称は、例えば店名、施設名又は観光地の名称等である。ジャンルは、例えば飲食、衣料品、美容、又は観光施設等である。登録された場所が飲食店の場合、ジャンルは、より具体的にラーメン又はすし等の料理名であってもよい。ユーザのメモは、登録された場所に関してユーザが覚えておきたい内容である。
【0032】
なお、表示装置1は、ユーザの登録動作によって登録情報を生成する構成に限定されず、例えばユーザが訪れた全ての店舗、施設及び観光地等の場所の登録情報を自動で生成する構成であってもよい。
【0033】
表示装置1は、ユーザの操作によって、登録情報を図1に示すサーバ2に送信できる。例えば、表示装置1は、図3に示す「登録情報の共有」のコマンドボタン102bがユーザによってタップされた場合、登録情報をサーバ2に送信する。サーバ2は、2以上の表示装置1それぞれから登録情報を集約し、登録できる。表示装置1は、集約された登録情報をサーバ2から取得してパーソナル地図104を生成することもできる。そのため、パーソナル地図104は、表示装置1又はサーバ2に登録されている全ての場所を示すことができる。
【0034】
目的地は、表示装置1及びサーバ2の少なくともいずれか一方に登録されている場所の中からユーザによって選択される。表示部11は、「目的地の検索」のコマンドボタン102cがタップされた場合、例えば、表示装置1に登録されている場所、又は、サーバ2に登録されている場所のどちらから目的地を検索するかユーザに選択させる図示しない画面を表示する。表示装置1又はサーバ2のどちらか一方が選択された後、表示部11は、例えば、選択されたほうに登録されている場所の名称のリストを表示する。このリストは、目的地の候補をユーザに提示する。これにより、目的地の選択が可能になる。リストは、例えば、登録情報を利用して生成される。リストは、登録された場所のジャンル、写真データ及びメモ等を、登録された場所の名称に対応付けて表示させてもよい。表示部11は、ユーザによって選択された目的地を図2に示すような星形のアイコン104bで示したパーソナル地図104を表示する。なお、表示部11がパーソナル地図104を表示している状態で、四角形のアイコン104cで示されている場所が目的地に設定された場合、四角形のアイコン104cは、星形のアイコン104bに変化する。
【0035】
目的地は、例えば、パーソナル地図104が表示部11に表示されている場合、四角形のアイコン104cがユーザにタップされることで選択されてもよい。すなわち、目的地は、パーソナル地図104が示す1又は2以上の登録済みの場所の中からユーザによって選択されてもよい。また、目的地の候補は、登録済みの場所の中からユーザによって指定された選択条件でフィルタリングされてユーザに提示されてもよい。選択条件は、例えば1又は2以上の候補が表示部11に提示され、その候補の中からユーザによって決定される。上記リスト又はパーソナル地図104は、目的地の候補として、選択条件でフィルタリングされた場所のみを示してもよい。選択条件は、例えば、表示システム4を利用する所定数以上のユーザによって、お気に入りとしてサーバ2に登録された場所である。所定数以上のユーザによって登録された場所は、人気があると推定される。表示部11は、選択条件の設定により、例えば人気のある場所を目的地の候補として優先的に示すことができる。このように、表示システム4は、目的地の検索のために、表示装置1又はサーバ2に記憶されている登録情報にフィルターをかけて、目的地の候補の数を絞ることができる。
【0036】
パーソナル地図104は、目的地が設定されていない場合、星形のアイコン104bを含まず、現在地マーク104dと道路図形104aと背景図形106とで構成されてもよい。本実施形態において、パーソナル地図104は、アプリのデフォルトの画面に設定されている。そのため、アプリの起動直後の表示部11は、パーソナル地図104を表示する。アプリの起動直後のパーソナル地図104は、目的地が設定されていなければ、ユーザの現在地を基準とする所定の範囲を、現在地マーク104dと道路図形104aとで表現する。なお、表示装置1は、ユーザの現在地を含む所定の範囲ではなく、ユーザによって指定された任意の地点を含む所定の範囲を示すパーソナル地図104を生成できる構成であってもよい。
【0037】
入力部12は、ユーザの入力操作によって、ユーザの要求を第1制御部17に伝える。入力部12は、ユーザの要求に対応する要求情報を第1制御部17に伝える。本実施形態において、表示部11及び入力部12は、表示機能及び入力検出機能を有するタッチパネルで構成される。タッチパネルは、例えば液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイで構成される。入力部12は、ユーザの指などが接触または近接した位置を検出することで入力を検出する。入力部12は、例えば、ユーザにより「お気に入り登録」のコマンドボタン102aがタップされた場合、ユーザが訪れている場所を登録する要求を第1制御部17に伝える。これにより表示部11は、登録画面103を表示することができる。
【0038】
入力部12は、ユーザの入力操作によって、選択条件を第1制御部17に伝えることができる。第1履歴情報取得部172は、選択条件に合う登録情報を第1記憶部15から取得する。これにより表示部11は、選択条件でフィルタリングされた場所の名称を示すリスト、又は、選択条件でフィルタリングされた場所を四角形のアイコン104cで示すパーソナル地図104を表示できる。また、サーバ2に登録された場所から選択条件に基づいて目的地が選択される場合、第1履歴情報取得部172は、まず、選択条件を示す条件情報をサーバ2に送信する。第2履歴情報取得部272は、選択条件に合う登録情報を第2記憶部25から取得する。これにより、サーバ2は、選択条件に合った登録情報及び履歴情報を表示装置1に送信できる。表示部11は、サーバ2から送信された登録情報及び履歴情報に基づき、目的地の候補の名称を示すリスト、又は、目的地の候補の場所を四角形のアイコン104cで示すパーソナル地図104を表示できる。
【0039】
撮像部13は、例えば、被写体を撮像して写真データを取得するカメラである。撮像部13は、レンズ、撮像素子、及び信号処理回路を含んで構成される。撮像部13は、レンズの先にある被写体の像を撮像素子の受光面状に結像させ、撮像素子によって取得された信号を変換することで写真データを取得する。写真データは、第1記憶部15に記憶される。
【0040】
現在地検出部14は、表示装置1を保持したユーザの現在地を検出する。このような現在地検出部14は、ユーザの過去の位置を示す第1位置データを取得する。現在地検出部14は、アプリが立ち上げられている間、所定の時間間隔で第1位置データを取得する。本実施形態において、第1位置データは、緯度及び経度を示すデータである。以下、第1位置データが示す位置は、「第1位置」とも呼ばれる。本実施形態において、現在地検出部14は、GPS(Global Positioning System)センサを含んで構成される。現在地検出部14は、第1位置データとともに、第1位置データが取得されたときの日時を示す時刻データを取得する。本実施形態において、時刻データは、GPSセンサから取得される。時刻データは、表示装置1に備わる図示しない内部タイマなどから取得されてもよい。なお、現在地検出部14は、GPSセンサを含む構成に限定されるものではなく、ユーザの位置を検出できる構成であればよい。現在地検出部14は、ユーザが移動する速度を示す速度データをさらに取得する構成であってもよい。
【0041】
第1記憶部15は、各種の情報を記憶する。第1記憶部15は、記憶装置で構成される。記憶装置は、例えば、フラッシュメモリ、及びフラッシュメモリ内蔵で取り外し可能なmicroSDカードなどの少なくともいずれかひとつである。
【0042】
本実施形態において、第1記憶部15は、表示装置1が実行する各種のプログラム等を記憶する。プログラムは、地図コンテンツ作成アプリを含む。
【0043】
第1記憶部15は、現在地検出部14によって取得された2以上の第1位置データを記憶する。第1記憶部15は、第1位置データを時刻データと関連付けて記憶する。2以上の第1位置データと時刻データとは、ユーザが移動した軌跡を示す。第1記憶部15は、さらに速度データを記憶する構成であってもよい。
【0044】
本実施形態の表示システム4は、移動体で移動するユーザへの経路案内は想定していない。移動体は、例えば、電車、自動車及び二輪車等の車両、自転車、船舶並びに飛行機等である。本実施形態の表示システム4は、徒歩で移動するユーザへの経路案内を主に想定している。そのため、本実施形態において、第1制御部17は、ユーザが所定の速度以上で移動している場合に取得された第1位置データを第1記憶部15に記憶させないように構成されている。第1制御部17は、例えば、現在地検出部14から取得した速度データに基づき、ユーザが所定の速度以上で移動しているか否か判断する。第1制御部17は、例えば、第1位置データと直前に取得された他の第1位置データとに基づき、ユーザが所定の速度以上で移動しているか否か判断する。これにより、第1記憶部15は、ユーザが所定の速度未満で移動している場合に取得された第1位置データのみを記憶できる。なお、上記の構成に限定されず、表示システム4は、ユーザが所定の速度以上で移動している場合に取得された第1位置データを第1記憶部15に記憶させる構成であってもよい。
【0045】
現在地検出部14によって検出される第1位置は、ユーザの実際の位置からずれることがある。そのため、本実施形態において、第1位置データ処理部171は、第1位置データに基づいて第2位置データを生成する。第2位置データは、現在地検出部14によって取得された第1位置データの誤差を補正又は抑制したデータである。図5に示すように、第2位置202は、例えば、道路220の幅方向220bにおいて、2以上の第1位置201の平均の位置を示す。第2位置202は、例えば、道路220の幅方向220bにおいて、2以上の第1位置201の間の位置を示す。第2位置データは、2以上の第1位置201間で道路220の延伸方向220aに点在する第2位置202を示す。
【0046】
また、現在地検出部14は、たとえ同じ道路であっても、ユーザが通るたびに以前とは異なる第1位置データを取得する可能性が高い。例えば、図4に示すように、ユーザが道路220の端部221を通る場合、現在地検出部14は、二点鎖線で囲んで示すように、道路220の端部221で延伸方向220aに点在する2以上の第1位置201を検出する。一方、ユーザが道路220の中心部222を通る場合、現在地検出部14は、例えば、図4において二点鎖線で囲んで示すように、道路220の中心部222で延伸方向220aに点在する2以上の第1位置201を検出する。これらの第1位置データに基づいて生成されたパーソナル地図104は、実際には1本の道路220を互いに並行する2本以上の道路図形104aで表現する可能性がある。道路図形104aの描画には、道路220の延伸方向220aに点在する位置を示す一連の位置データが1本の道路につき1組あればよい。第1位置データ処理部171は、2組以上の一連の第1位置データをまとめて、一連の第2位置データを1組生成する。第1位置データ処理部171による第2位置データの生成方法の具体例は後述する。
【0047】
一連の第2位置データは、ユーザが移動した履歴に対応する。以下において、一連の第2位置データは、「履歴情報」とも呼ばれる。履歴情報は、第1記憶部15に記憶される。表示装置1は、登録情報と同様に、履歴情報をサーバ2に送信できる。サーバ2は、2以上の表示装置1にそれぞれ記憶されている履歴情報を集約し、登録できる。表示装置1は、集約された2以上の異なるユーザの履歴情報をサーバ2から取得してパーソナル地図104を生成することもできる。なお、表示装置1は第2位置データを生成しない構成であってもよい。すなわち、履歴情報は、一連の第1位置データであってもよい。このような履歴情報は、サーバ2に送信された後、第2位置データに変更されてもよい。この場合、第2位置データは、例えば第2位置データ処理部271によって生成される。
【0048】
第1通信部16は、サーバ2と通信する。第1通信部16は、サーバ2に履歴情報及び登録情報を送信できる。第1通信部16は、第2記憶部25に登録されている履歴情報及び登録情報をサーバ2から受信できる。第1通信部16は、例えば、NIC(Network Interface Card、ネットワークインタフェースカード)等によって実現される。
【0049】
第1制御部17は、表示装置1に備わる各構成要素を制御する。本実施形態において、第1制御部17は、表示部11と、入力部12と、撮像部13と、現在地検出部14と、第1記憶部15と、第1通信部16とを制御する。第1制御部17は、例えば、図3に示す「登録情報の共有」のコマンドボタン102bがタップされた場合、第1通信部16に第1記憶部15が記憶している履歴情報及び登録情報をサーバ2へ送信させる。
【0050】
本実施形態において、第1位置データ処理部171は、第1位置データの集まりに対して所定の処理を施すことで、主たる移動方向に対して交わる方向の変位を減少させた第2位置データの集まりを生成できる。例えば、図5に示すように、ユーザが道路220を通過した際に、現在地検出部14が第1位置201を検出する。第1位置201は、現在地検出部14の精度によって位置がずれる場合があるため、実際に通った位置とは異なる第1位置201が検出されることがある。そこで、第1位置データ処理部171は、所定の第1位置201に対応する第2位置202を示す第2位置データを生成するために、ユーザの進行方向223と、第1位置201の前後の5~10箇所程度の他の第1位置201とに基づいて、所定の加重平均を求める演算を行う。このようにすると、現在地検出部14の精度によって位置ずれが生じた場合であっても、直線状または滑らかな曲線状に連続する第2位置202を示す第2位置データの集まりを生成することができる。なお、上記の加重平均に用いる係数は任意に設定してよいし、係数を1として単純平均を求めてもよい。
【0051】
第1位置データ処理部171は、上記の処理で第2位置データを生成する構成に限定されない。第1位置データ処理部171は、例えば、図6で示すような第1位置201aを示す第1位置データと、第1位置201bを示す第1位置データと、第1位置201cを示す第1位置データに基づき、第2位置データを生成する構成であってもよい。現在地検出部14は、各第1位置201を第1位置201a、201b、201cの順で検出するものとする。すなわち、第1位置201aを示す第1位置データは、第1位置201bを示す第1位置データよりも前に取得されたデータである。より具体的に、第1位置201aを示す第1位置データは、第1位置201bを示す第1位置データの直前に取得されたデータである。以下では、第1位置201a及びその第1位置データは、第1位置201b及びその第1位置データとの区別のため、他の第1位置201a又は他の第1位置データとも記載する。他の第1位置201aは、ユーザの進行方向223に対して、第1位置201bよりも後方に位置する。第1位置201bと他の第1位置201aとは、道路220の幅方向220bに互いにずれている。
【0052】
図6に示すように、第1位置データ処理部171は、第1位置201bと他の第1位置201aとを対角とする仮想の矩形203aを生成し、この矩形203aの対角線203b同士の交点を第2位置202として求める。このようにして求められた第2位置202を示す第2位置データは、第1位置201bを示す第1位置データの誤差を補正又は抑制したデータである。
【0053】
第1位置データ処理部171は、現在地検出部14によってさらに第1位置データが取得された場合、第1位置201cと第1位置201bとを対角とする仮想の矩形204aを新たに生成し、この矩形204aの対角線203b同士の交点を仮位置204bとして求める。また第1位置データ処理部171は、第1位置201cと先ほど求めた第2位置202とを対角とする仮想の矩形205aをさらに生成し、この矩形205aの対角線203b同士の交点を2つ目の仮位置205bとして求める。第1位置データ処理部171は、2つの仮位置205b及び204bを対角とする仮想の矩形206を新たに生成し、この矩形206の対角線203b同士の交点を第2位置202として新たに求める。このようにして求められた第2位置202を示す第2位置データは、第1位置201cを示す第1位置データの誤差を補正又は抑制したデータである。
【0054】
なお、第1位置データ処理部171は、上記の第2位置202を求める処理において、仮想の矩形203a,204a,205a,206を利用する構成に限定されず、多角形を利用する構成であればよい。多角形は、例えば任意の三角形または四角形等である。
【0055】
また第1位置データ処理部171は、当該処理において仮想の矩形203a,204a,205a,206を用いず、連続して取得された2つの第1位置201において、第1位置201bと他の第1位置201aとの中点を第2位置202とする処理を行ってもよい。また、連続して取得された3つの第1位置201において、これらの第1位置201を頂点とする三角形の重心を第2位置202とする処理を行ってもよい。同様に、連続して取得された4以上の第1位置201を頂点として形成される多角形の重心を第2位置202とする処理を行ってもよい。また、連続して取得された2以上の第1位置201において、所定の係数を用いた加重平均を求めることで第2位置202を求める処理を行ってもよい。
【0056】
さらに第1位置データ処理部171は、図7に示すように、道路220の幅方向220bにおいて第1位置201bと他の第1位置201aとの間の第2位置202aを求める構成であってもよい。第1位置データ処理部171は、第1位置201bから道路220の幅方向220bへ延びる仮想の線210a上又はこの線210aの周囲に第2位置202aを決定する。本実施形態において、仮想の線210aの周囲は、線210aから所定の長さの範囲である。所定の長さは、例えば、第1位置201bと他の第1位置201aとの道路220の延伸方向220aにおける長さの1/3以上1/5以下の値である。第2位置202aと他の第1位置201aとの幅方向距離d1は、第1位置201bと他の第1位置201aとの幅方向距離dよりも短い。本実施形態において、第2位置202aは、仮想の線210a上で、かつ、道路220の幅方向220bにおける第1位置201bと他の第1位置201aとの中間となる。すなわち、本実施形態において、第1位置201bと第2位置202aとの幅方向距離d1と、第2位置202aと他の第1位置201aとの幅方向距離d2とは等しい。このようにして求められた第2位置202aを示す第2位置データは、第1位置201bを示す第1位置データの誤差を道路220の幅方向220bにおいて補正又は抑制したデータである。そのため、本実施形態において、第1位置データ処理部171は、補正対象の第1位置データが示す第1位置201から道路220の延伸方向220aに延ばした線上には第2位置202を設定しない構成である。
【0057】
なお、第1位置データ処理部171は、第2位置データの生成のために、直前に取得された他の第1位置データを用いる構成に限定されず、2つ前又は3つ前などに取得された第1位置データを用いる構成であってもよい。
【0058】
第1位置データ処理部171は、現在地検出部14によってさらに第1位置データが取得された場合、同様にして第2位置データを生成する。この場合、第1位置データ処理部171は、第1位置201cから道路220の幅方向220bに延びる仮想の線210b上又はこの線210bの周囲に第2位置202bを求める。第2位置202bは、第1位置201cと第1位置201bとの間にある。又は、第1位置データ処理部171は、第1位置201cから道路220の幅方向220bに延びる仮想の線210b上又はこの線210bの周囲に第2位置202cを求める。第2位置202cは、第1位置201cと他の第1位置201aとの間にある。第2位置202b又は202cを示す第2位置データは、第1位置201cを示す第1位置データの誤差を補正又は抑制したデータである。なお、第1位置データ処理部171は、例えば、所定の時間間隔で連続して取得された2以上の第1位置データに基づき、道路220の延伸方向220aを判断する。道路220の幅方向220bは、道路220の延伸方向220aに直交する方向である。
【0059】
第1位置データ処理部171は、現在地検出部14によって新たに取得された第1位置データに基づき、第1記憶部15に記憶されている履歴情報を更新できる。例えばユーザがある道を再度通ろうとする場合、第1記憶部15は、ユーザが前にその道を通ったときに生成された第2位置データをすでに記憶している可能性がある。図8は、第1記憶部15にすでに記憶されている第2位置データの示す第2位置202eを、二点鎖線で囲んで示す。第1位置データ処理部171は、現在地検出部14によって新たに第1位置データが取得された場合、第1位置データの示す第1位置201が、第2位置202eを基準とした第1所定範囲230に含まれるかどうか判断する。第1所定範囲230は、例えば、第2位置202eを中心として設定される。第1位置201が第1所定範囲230に含まれる場合、第1位置データ処理部171は、第1記憶部15に記憶されている第2位置データの示す第2位置202eと、第1所定範囲230にある第1位置201との間に、第2位置202fを新たに求める。新たな第2位置202fは、道路220の幅方向220bにおいて、第1位置201と第2位置202eとの間にある。新たな第2位置202fは、第1位置201から道路220の幅方向220bへ延ばした仮想の線210c上又はこの線210cの周辺にある。本実施形態において、新たな第2位置202fは、仮想の線210c上で、かつ、道路220の幅方向220bにおける第1位置201と他の第2位置202eの中間となる。第1位置データ処理部171は、新たに求められた第2位置202fを示す第2位置データを第1記憶部15に記憶させる。本実施形態において、第1位置データ処理部171は、第1記憶部15にすでに記憶されていた第2位置データを、新しく生成された第2位置データで上書きする。これによって、第1記憶部15に記憶されている第2位置データが更新される。
【0060】
第1所定範囲230は、例えば、実際の道路220の幅を考慮して設定されることが好ましい。例えば、第1所定範囲230は、道路220の幅方向の長さが1m以上10m以下である。第1所定範囲230は、道路220の幅方向の長さが3m以上5m以下であるとより好ましい。第1所定範囲230は、第1記憶部15に記憶されている第2位置データに基づいて道路220の延伸方向220aの長さが設定されてもよい。例えば、第1所定範囲230は、互いに隣接する第2位置202e間の距離と等しくなるように、道路220の延伸方向220aの長さが設定される。
【0061】
第1位置データ処理部171は、現在地検出部14によって新たに取得された第1位置データの示す第1位置201が第1所定範囲230外の場合、その第1位置201が第2所定範囲231内か否か判断する。第2所定範囲231は、例えば、第2位置202eを中心として設定される。第2所定範囲231は、第1所定範囲230よりも道路220の幅方向の長さが大きい。第2所定範囲231は、例えば、道路220の幅方向の長さが2m以上12m以下である。第2所定範囲231は、道路220の幅方向の長さが5m以上7m以下であるとより好ましい。本実施形態において、第2所定範囲231は、道路220の延伸方向220aの長さが第1所定範囲230と等しい。第1位置データ処理部171は、新たに取得された第1位置データの示す第1位置201が第1所定範囲230外かつ第2所定範囲231内の場合、その第1位置データを誤差の大きい無効なデータと判断し、その第1位置データを利用した第2位置データの生成又は更新を行わない。
【0062】
第1位置データ処理部171は、現在地検出部14によって新たに取得された第1位置データの示す第1位置201が第2所定範囲231外の場合、その第1位置データを有効な第1位置データとして第1記憶部15に記憶させる。すなわち、第1位置データ処理部171は、第2所定範囲231外の第1位置201を示す第1位置データを、ユーザが初めての道路220を通っているときに取得されたデータとして扱う。第1位置データ処理部171は、第2所定範囲231外の第1位置201を示す第1位置データを、第1記憶部15に記憶済みの第1位置データ及び第2位置データとは別の道路220に対応するデータとして扱う。第1位置データ処理部171は、第2所定範囲231外の第1位置201を示す2以上の第1位置データを利用して、前述した処理方法で第2位置データを新たに生成する。第1位置データ処理部171は、生成した一連の第2位置データからなる履歴情報を第1記憶部15に記憶させる。
【0063】
このようにして、第1位置データ処理部171は、第1位置データから第2位置データを生成する。第1位置データ処理部171は、第2位置データを生成することで、2組以上の一連の第1位置データを1組の一連の第2位置データに集約できる。第1位置データ処理部171は、1本の道路220に対して一連の第2位置データが2組以上の生成されることを抑制して、道路220ごとに一連の第2位置データを1組ずつ生成できる。
【0064】
第1履歴情報取得部172は、要求情報又は選択条件に基づき、第1記憶部15から、履歴情報、又は、履歴情報及び登録情報を取得する。例えば、第1履歴情報取得部172は、目的地が設定された場合、第1記憶部15から全ての履歴情報及び登録情報を取得する。又は、第1履歴情報取得部172は、目的地が設定された場合、ユーザの現在地と目的地とを含む所定の範囲に対応する履歴情報及び登録情報を第1記憶部15から選択的に取得してもよい。
【0065】
第1履歴情報取得部172は、例えば、第1記憶部15に履歴情報及び登録情報が記憶されている場合、パーソナル地図104を表示部11に表示させるための要求情報が第1制御部17に入力されると、第1記憶部15から履歴情報及び登録情報を取得する。第1履歴情報取得部172は、例えば、第1記憶部15に登録情報が記憶されずに履歴情報が記憶されている場合、パーソナル地図104を表示部11に表示させるための要求情報が第1制御部17に入力されると、第1記憶部15から履歴情報を取得する。このように第1履歴情報取得部172は、ユーザによって登録された場所がない場合でも、パーソナル地図104の生成のため、履歴情報を取得できる。この場合、表示部11は、建物を表すアイコン104cを含まず、道路図形104aと背景図形106とで構成されたパーソナル地図104を表示する。なお、上記処理は、表示部11に表示するパーソナル地図104の範囲内の履歴情報及び登録情報に基づいて行ってもよい。
【0066】
本実施形態において、第1履歴情報取得部172は、例えば、サーバ2に登録された場所から目的地が選択される場合、サーバ2に対して、第2記憶部25に記憶されている履歴情報及び登録情報の送信を要求する。この要求に基づき、第2履歴情報取得部272は、第2記憶部252から履歴情報及び登録情報を取得する。第2履歴情報取得部272は、取得した履歴情報及び登録情報を、第2通信部26より表示装置1に送信させる。
【0067】
表示制御部173は、表示部11を制御する。表示制御部173は、例えば、図3に示すメニュー画面102、スクリーンキーボード、登録画面及びパーソナル地図104等を表示させるように表示部11を制御する。
【0068】
表示制御部173は、表示部11の各画素を、地図画像情報に基づいた色で点灯させる。地図画像情報は、表示部11の各画素の色を指定する情報を含む。地図要素図形105及び背景図形106の色は、予めそれぞれ決められている。本実施形態において、背景図形106の色は、地図要素図形105の色と異なる色である。本実施形態において、背景図形106の色は、1色である。しかしながら、背景図形106の色は、地図要素図形105と背景図形106とが目視で区別できれば、特に限定されない。地図要素図形105及び背景図形106は、それぞれ単色であっても複色であってもよい。
【0069】
表示制御部173は、第1履歴情報取得部172によって取得された履歴情報及び登録情報、並びに現在地検出部14によって検出されたユーザの現在地の少なくともいずれか1つに基づき、パーソナル地図104用の地図画像情報を生成する。本実施形態において、地図画像情報は、道路図形104aに対応する画素を道路図形104aの色にするための情報を含む。地図画像情報は、例えば、目的地を表す星形のアイコン104bに対応する画素をそのアイコン104bの色にするための情報を含む。地図画像情報は、例えば、建物を表す四角形のアイコン104cに対応する画素をそのアイコン104cの色にするための情報を含む。地図画像情報は、例えば、現在地マーク104dに対応する画素を現在地マーク104dの色にするための情報を含む。地図画像情報は、例えば、背景図形106に対応する画素を背景図形106の色にするための情報を含む。
【0070】
表示制御部173は、例えば、目的地が選択された場合、目的地の周辺でユーザが過去に通ったことのある道路220の位置を示すため、履歴情報に基づき、2以上の第2位置202に対応する画素を道路図形104aの色で点灯させる。表示制御部173は、登録情報に基づき、目的地の第1位置データに対応する画素を星形のアイコン104bの色に点灯させる。表示制御部173は、ユーザの現在地に対応する画素を現在地マーク104の色に点灯させる。表示制御部173は、登録情報に基づき、登録済みの場所の第1位置データに対応する画素を四角形のアイコン104cの色に点灯させる。表示制御部173は、地図要素図形105に対応しない画素を背景図形106の色に点灯させる。これによって、パーソナル地図104が、表示部11に表示される。
【0071】
表示制御部173は、表示部11に道路図形104aを表示させる場合、図9(a)に示すように、2以上の第2位置202にそれぞれ対応する位置202Aを中心とした矩形240を描画する。本実施形態において、矩形240は、正方形である。矩形240の1辺240aの長さLは、例えば5mm以上1cm以下である。1辺240aの長さLは、7mm以上8mm以下がより好ましい。本実施形態において、矩形240は、それぞれ同じ角度で描画される。すなわち、矩形240は、辺240aが他の矩形240の辺240aに対して平行又は垂直となる。表示制御部173は、矩形240の各頂点240bのうち、隣接する他の矩形240側にある頂点240bが、他の矩形240の頂点240bと一致しない場合、それぞれの頂点240bを結ぶ線分241を描画する。
【0072】
このようにして、表示制御部173は、図9(b)に示すような2以上の矩形240が連なった形状の道路図形104aを描画する。図9(b)において、道路図形104aの縁242は点線で示されている。表示制御部173は、矩形240及び互いに向き合う線分241の間の範囲にある画素を、道路図形104aの色に設定し、道路図形104aを描画する。道路図形104aは、矩形240の辺240a又は線分241により、縁242が形成される。表示制御部173は、矩形240ごとの大きさの調整又は線分241の利用により、均一な幅の道路図形104aを表示部に表示させることができる。図9(b)のような均一な幅の道路図形104aは、例えば、互いに向かい合って平行に延びる線分241間の距離を、矩形240の一辺と同じ距離になるよう調整することによって得られる。なお、道路図形104aを形成する矩形240の辺240aの長さを調整することで、道路図形104aの幅を均一にする方法を採ってもよい。
【0073】
表示制御部173は、さらに、登録情報に含まれる第1位置データと対応する位置に、建物を表す四角形のアイコン104cを描画できる。表示制御部173は、さらに、目的地と対応する位置に、星形のアイコン104bを描画できる。表示制御部173は、さらに、現在地検出部14によって検出されたユーザの現在地に基づき、現在地マーク104dを描画できる。このようにして、表示制御部173は、ユーザが通ったことのある道路220と、登録済みの場所と、目的地と、ユーザの現在地とを示すパーソナル地図104を描画できる。このようなパーソナル地図104は、一般的な地図データに基づいて生成された地図と異なり、ユーザが通ったことのない道路220に対応する位置が背景図形106となる。なお、表示制御部173は、道路図形104aの描画に第2位置データを利用する構成に限定されない。表示制御部173は、履歴情報が一連の第1位置データである場合、第1位置データを道路図形104aの描画に利用する構成であってもよい。
【0074】
本実施形態において、表示制御部173は、道路220の種類に関係なく、一律の幅で道路図形104aを描画する。しかしながらこの構成に限定されず、表示制御部173は、道路図形104aの幅を対応する道路220の種類に応じて異ならせる構成であってもよい。また、表示制御部173は、対応する道路220の種類に応じて道路図形104aの幅や色などを変更する構成であってもよい。またパーソナル地図104は、交差点を表す箇所の周囲に目印となる建物のアイコンを含んでもよい。表示制御部173は、例えば、パーソナル地図104が表示部11に表示されている場合、ユーザによってタップされた位置に目印のアイコンを描画できるように構成されてもよい。目印のアイコンは、例えば、郵便局、警察署、またはコンビニ等である。目印のアイコンは、例えば、ユーザによってタップされた位置にリストで2種類以上表示されて、ユーザにより選択される。また表示制御部173は、例えば、サーバ2とは別のサーバから、目印となる建物の位置データとそれらの建物を表す画像データとを取得して、目印のアイコンを含んだパーソナル地図104を描画してもよい。別のサーバは、例えば、コンビニ等の店舗や施設が運営するサーバである。
【0075】
また表示制御部173は、道路図形104aを作成する際、図12に示すように、第2位置202に対応する位置202Aを中心として、近接した位置202Aに応じて傾いた矩形243を描画してもよい。矩形243は上記矩形240と同様の大きさであるが、隣接する位置202Aの位置に応じて角度が変更される。例えば、第2位置202に隣接する2つの位置202Aをつなぐ直線に沿った辺を有するよう、矩形243が描画される。
【0076】
表示システム4は、本実施形態のように、第1記憶部15に記憶されている履歴情報及び登録情報、又は、第2記憶部25に記憶されている履歴情報及び登録情報に基づいてパーソナル地図104を生成する構成に限定されない。表示システム4は、第1記憶部15に記憶されている履歴情報及び登録情報と、第2記憶部25に記憶されている履歴情報及び登録情報とをマージしてパーソナル地図104を生成してもよい。
【0077】
例えば、表示システム4がサーバ2に登録されている場所を目的地としてパーソナル地図104を生成する場合について、図10を参照しながら説明する。表示装置1は、例えば図10(a)に示すように、ユーザの現在地から登録済みの場所までの道路220に対応した履歴情報及び登録情報を第1記憶部15に記憶する。第1記憶部15は、目的地に対応する登録情報及び履歴情報を記憶していない。サーバ2は、例えば図10(b)に示すように、目的地及びその周辺の道路220に対応した履歴情報及び登録情報を第2記憶部25に記憶している。この場合、第1履歴情報取得部172は、第2記憶部25に記憶されている履歴情報及び登録情報の送信をサーバ2に要求し、サーバ2から履歴情報及び登録情報を取得する。表示制御部173は、第1記憶部15に記憶されている履歴情報及び登録情報とサーバ2から取得した履歴情報及び登録情報とに基づき、図10(c)のように、表示装置1に登録済みの場所と、サーバに登録済みの場所と、目的地と、ユーザの現在地とを示すパーソナル地図104を表示部11に表示させる。このパーソナル地図104は、これらの場所を繋ぐ道路220を表す道路図形104aを含む。そのため、パーソナル地図104は、ユーザの現在地から目的地までの経路を示すことができる。
【0078】
本実施形態において、表示制御部173は、第1記憶部15に記憶されている履歴情報と、サーバ2から取得された履歴情報とが重複する場合、サーバ2から取得された履歴情報を優先して利用する。本実施形態において履歴情報が重複するとは、例えば、各履歴情報の示す第2位置が前述した第2所定範囲231にあることを意味する。表示制御部173は、登録情報についても同様に、登録情報が重複する場合には、サーバ2から取得された登録情報を優先して利用する。
【0079】
次に、例えば、ユーザが表示装置1に登録された場所を目的地としてパーソナル地図104を表示部11に表示させようとするが、現在地から目的地までの経路の一部に関する履歴情報が不足する場合について、図11を参照しながら説明する。表示装置1は、図11(a)に示すように、目的地の周辺の道路220に対応する履歴情報と、目的地に対応する登録情報と、登録済みの場所に対応する登録情報とを第1記憶部15に記憶している。第1記憶部15は、現在地マーク104eと、目的地の周辺の道路220に対応する道路図形104aの端部104fとの間に対応する履歴情報を記憶していない。この場合、第1履歴情報取得部172は、少なくとも現在地マーク104eと道路図形104aの端部104fとの間に対応する履歴情報をサーバ2に要求する。このとき、第1履歴情報取得部172は、例えばユーザの現在地を示す現在地データと、道路図形104aの端部104fに対応する第2位置データとをサーバ2に送信する。サーバ2は、この要求に対応する履歴情報を表示装置1に送信する。表示制御部173は、第1記憶部15に記憶されている履歴情報及び登録情報と、サーバ2から送信された履歴情報とに基づき、図11(b)に示すようにユーザの現在地から目的地までの経路を道路図形104aで示したパーソナル地図104を表示部11に表示させることができる。
【0080】
表示システム4は、このように目的とするパーソナル地図104を作成するために不足する部分だけの履歴情報及び登録情報を表示装置1に送信することで、サーバ2から表示装置1に対して送信する情報のデータ量を減少させることができる。又は、表示システム4は、サーバ2から表示装置1に対して、ユーザの現在地から目的地までの道路等に対応する履歴情報及び登録情報を送信するようにしてもよい。これにより、表示システム4は、サーバ2に記憶されているより正確な履歴情報を利用することができたり、第1記憶部15にはない登録情報に基づいて目的地までの目印を表示させることができる。
【0081】
なお、このような第1制御部17の機能は、ソフトウェアにより実現される。ソフトウェアはプログラムとして記述され、第1記憶部15に格納される。図示しないCPUは、第1記憶部15に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、第1制御部17の各機能を実現する。
【0082】
第2通信部26は、表示装置1と通信する。第2通信部26は、ユーザの要求に応じて、第2記憶部25に記憶されている履歴情報及び登録情報を表示装置1に送信する。第2通信部26は、表示装置1から、履歴情報及び登録情報を受信する。第2通信部26は、例えば、NIC等によって実現される。
【0083】
第2記憶部25は、各種の情報を記憶する。第2記憶部25は、記憶装置によって実現される。記憶装置は、例えば、RAM(Random Access Memory)、もしくはフラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、または光ディスク等である。本実施形態において、第2記憶部25は、履歴情報及び登録情報を記憶する。
【0084】
第2履歴情報取得部272は、表示装置1から送信された要求情報に基づき、第2記憶部25から履歴情報及び登録情報を取得する。第2履歴情報取得部272は、要求情報に基づき、例えば、ユーザの現在地、目的地、目的地の候補又はユーザによって指定された任意の地点から所定の半径の範囲に対応する履歴情報及び登録情報を取得する。第2履歴情報取得部272は、第2通信部26を介して、第2記憶部25から取得した履歴情報及び登録情報を表示装置1に送信する。
【0085】
第2履歴情報取得部272は、表示装置1から送信された条件情報に基づき、第2記憶部25から履歴情報及び登録情報を取得する。第2履歴情報取得部272は、例えば、特定のジャンルの店舗を選択条件とする場合、そのジャンルの店舗に対応する登録情報を第2記憶部25から取得する。第2履歴情報取得部272は、例えば、所定数以上のユーザによって高く評価された店舗を選択条件とする場合、それに合致する店舗に対応する登録情報を第2記憶部25から取得する。所定数は、例えば、全ユーザの10%、20%、または50%である
【0086】
第2履歴情報取得部272は、要求情報及び条件情報に基づき、ユーザの現在地又はユーザによって指定された任意の地点から所定の半径の範囲にあり、かつ、選択条件に合致する履歴情報及び登録情報を第2記憶部25から取得してもよい。なお、所定の半径の範囲は、選択条件で指定されていても良い。
【0087】
第2位置データ処理部271は、第1位置データ処理部171と同様に、第1位置データ又は第2位置データを処理する。表示装置1は個人が所有するスマートフォンなどであるため、第1位置データ処理部171は、基本的に1名のユーザが歩くことで得られるログ情報を処理する。これに対して、サーバ2は自身で現在地を検出せず、複数の表示装置1から送信された第1位置データ又は第2位置データに対する処理を行う。第2位置データ処理部271は、2以上のユーザがそれぞれ歩いて得られる第1位置データ又は第2位置データを処理する。
【0088】
第2位置データ処理部271は、2以上の表示装置1からそれぞれ送信された履歴情報を集約して第2記憶部25に記憶させる。第2位置データ処理部271は、例えば、各履歴情報の示す第2位置が前述した第1所定範囲230に含まれる場合、前述の処理方法で新たに第2位置を求めて、新たに求めた第2位置を示す第2位置データを第2記憶部25に記憶させる。
【0089】
第2位置データ処理部271は、表示装置1から送信された登録情報を第2記憶部25に記憶させる前に、登録情報に問題がないかどうか検査する。例えば、第2位置データ処理部271は、登録情報の示す第1位置201に店舗又は施設等のPOIが存在するかどうか検査する。例えば、第2位置データ処理部271は、インターネット上の地図データサービス等にアクセスし、登録情報に示す第1位置に実際に店舗又は施設等が存在するか否か確認する。第1位置201に店舗または施設等があることが確認できなかった場合、第2位置データ処理部271は、その登録情報を第2記憶部25に記憶させない。又は、第2位置データ処理部271は、第1位置201に施設又は店舗等が存在しない可能性があることを示す注意情報を登録情報に含ませる。注意情報は、パーソナル地図104の生成に利用できる。例えば、表示制御部173は、建物を表す四角形のアイコン104cと対応付けて注意情報を示したパーソナル地図104を表示部11に表示させる。第2位置データ処理部271は、他の表示装置1から送信された登録情報と同一の第1位置201を示す登録情報を、問題がないと判断してもよい。すなわち、第2位置データ処理部271は、2以上のユーザによってそれぞれ生成された登録情報のうち、同一の第1位置201を示す2以上の登録情報を問題がないと判断してもよい。
【0090】
[履歴情報の収集処理]
表示装置1における履歴情報の収集処理は、図13のフローチャートに示す手順で行われる。なお、それぞれの処理についての具体的な内容について、既に説明したものについてはその説明を省略する。
【0091】
ステップS1において、第1制御部17は、入力部12にアプリを起動させる要求情報が入力された場合、アプリを起動させる。このとき、第1制御部17は、第1記憶部15からアプリのプログラムを読みだして実行する。
【0092】
ステップS2で、現在地検出部14は、第1位置データ及び時刻データを取得する。
【0093】
ステップS3で、第1位置データ処理部171は、ステップS2で取得された第1位置データに基づき、第2位置データを生成して第1記憶部15に記憶させる。
【0094】
ステップS4で、第1制御部17は、入力部12からお気に入り登録の要求情報が入力された場合、ステップS5の処理に進む。第1制御部17は、お気に入り登録を行わない場合、ステップS6の処理に進む。
【0095】
ステップS5で、第1制御部17は、登録情報を第1記憶部15に記憶させる。
【0096】
ステップS6で、第1制御部17は、アプリを終了しない場合、ステップS2に戻って処理を繰り返す。これにより履歴情報が生成される。
【0097】
[サーバへの履歴情報及び登録情報の登録処理]
サーバ2への履歴情報及び登録情報の登録処理は、図14のフローチャートに示す手順で行われる。サーバ2への登録処理は、例えば、図3に示す「登録情報の共有」のコマンドボタン102bがユーザによってタップされると開始される。なお、本実施形態の表示システム4では、履歴情報及び登録情報のいずれか一方のみをサーバ2に登録できるようにしてもよい。
【0098】
ステップS11で、第1制御部17は、履歴情報及び登録情報をサーバ2に共有する要求情報が入力部12から入力されたことを検出する。
【0099】
ステップS12で、第1履歴情報取得部172は、第1記憶部15から履歴情報及び登録情報を取得する。
【0100】
ステップS13で、第1制御部17は、ステップS12で取得した履歴情報及び登録情報をサーバ2に送信するように第1通信部16を制御する。
【0101】
ステップS14で第2通信部26が履歴情報及び登録情報を受信すると、ステップS15で、第2位置データ処理部271は、ステップS14で受信された登録情報を検査する。
【0102】
ステップS16で、第2位置データ処理部271は、ステップS15で検査した登録情報が問題ないかどうか判断する。第2位置データ処理部271は、登録情報に問題がある場合、サーバ2への登録処理をステップS18に進める。第2位置データ処理部271は、登録情報に問題がない場合、サーバ2への登録処理をステップS17に進める。
【0103】
ステップS17で、第2位置データ処理部271は、ステップS14で受信された履歴情報及び登録情報を第2記憶部25に記憶させる。第2位置データ処理部271は、ステップS14で受信された履歴情報に基づき、第2記憶部25に記憶されている履歴情報を更新する場合もある。
【0104】
ステップS18で、第2位置データ処理部271は、ステップS14で受信された履歴情報を第2記憶部25に記憶させる。第2位置データ処理部271は、ステップS14で受信された履歴情報に基づき、第2記憶部25に記憶されている履歴情報を更新する場合もある。これによってサーバ2への登録処理が終了する。
【0105】
[サーバを利用した地図の表示処理]
サーバ2を利用した地図の表示処理は、図15のフローチャートに示す手順で行われる。この表示処理は、サーバ2に登録されている場所が目的地に設定されると開始される。
【0106】
ステップS21で、第1制御部17は、目的地の選択条件が入力部12から入力されたことを検出する。
【0107】
ステップS22で、第1制御部17は、ステップS21で検出した選択条件を示す条件情報をサーバ2に送信するように第1通信部16を制御する。
【0108】
ステップS23で第2通信部26が条件情報を受信すると、ステップS24で第2履歴情報取得部272は、条件情報が示す選択条件に合致する履歴情報及び登録情報を第2記憶部25から取得する。
【0109】
ステップS25で、第2制御部27は、ステップS24で取得した履歴情報及び登録情報を表示装置1に送信するように第2通信部26を制御する。
【0110】
ステップS26で第1通信部16が履歴情報及び登録情報を受信すると、ステップS27で表示制御部173は、履歴情報及び登録情報に基づき地図画像情報を生成する。
【0111】
ステップS28で、表示制御部173は、ステップS27で表示制御部173により生成された地図画像情報に基づき、表示部11にパーソナル地図104を表示させる。これによって、サーバ2を利用したパーソナル地図104の表示処理が終了する。
【0112】
[ユーザの現在地周辺のパーソナル地図104の表示処理]
ユーザの現在地周辺のパーソナル地図104の表示処理は、図16のフローチャートに示す手順で行われる。
【0113】
ステップS31で、第1制御部17は、ユーザの現在地周辺のパーソナル地図104を表示させる要求が入力部12に入力されたことを検出する。
【0114】
ステップS32で、現在地検出部14は、ユーザの現在地を示す第1位置データを取得する。第1履歴情報取得部172は、この第1位置データをサーバ2に送信するように第1通信部16を制御する。
【0115】
ステップS33で第2通信部26が第1位置データを受信すると、ステップS34で、第2履歴情報取得部272は、第1位置データに基づき、ユーザの現在地周辺の履歴情報を第2記憶部25から取得する。
【0116】
ステップS35で、第2制御部27は、ステップS34で取得した履歴情報を表示装置1に送信するように第2通信部26を制御する。
【0117】
ステップS36で第1通信部16が履歴情報を受信すると、ステップS37で表示制御部173は、履歴情報に基づき地図画像情報を生成する。
【0118】
ステップS38で表示制御部173は、ステップS37で表示制御部173により生成された地図画像情報に基づき、表示部11にパーソナル地図104を表示させる。これによって、ユーザの現在地周辺のパーソナル地図104の表示処理が終了する。
【0119】
以上のように本実施形態の表示装置1は、表示部11と、現在地検出部14と、表示制御部173とを備える。表示部11は、2以上の画素で構成される。表示部11は、パーソナル地図104を表示する。現在地検出部14は、ユーザの現在地を所定の時間間隔で検出する。表示制御部173は、画素ごとの色を制御する。表示制御部173は、道路220を少なくとも表す地図要素図形105と背景図形106とで構成されるパーソナル地図104を表示部11に表示させる。背景図形106は、地図要素図形105の背景である。表示制御部173は、画素のうち現在地検出部14によって検出されたユーザの過去の第1位置201に対応する画素を地図要素図形105の色にする。表示制御部173は、残りの画素を背景図形106の色にする。このようにして表示制御部173は、ユーザが訪れたことのある場所が目的地に設定された場合、目的地に設定された場所の周辺で現在地検出部14によって検出されたユーザの過去の第1位置201に基づき、目的地の周辺の道路220のうち、ユーザが通ったことのある道路220を道路図形104aで表したパーソナル地図104を表示部11に表示させる。
【0120】
表示装置1は、ユーザ自身、又は、別のユーザが訪れたことのある場所を目的地とする場合、道路ネットワークをリンクとノードとで表す詳細な一般的な地図データを使用することなく、表示部11に目的地までのパーソナル地図104を表示させることができる。そのため、表示装置1は、目的地まで案内する機能を実施するために必要な費用を抑えることができる。
【0121】
≪第2実施形態≫
本実施形態の第2実施形態である表示システム4Aは、さらに車載装置3を含む点が第1実施形態と異なる。以下の説明では、第1実施形態と異なる点を中心に説明を行い、第1実施形態と同様の構成や処理についてはその説明を省略する。
【0122】
図17に示すように、車載装置3は、第3表示部31と、第3入力部32と、第3現在地検出部34と、第3記憶部35と、第3通信部36と、第3制御部37とを備える。第3制御部37は、第3表示制御部373と、第3連携部374とを備える。本実施形態において、車載装置3は、移動体に搭載されたナビゲーション装置である。本実施形態において、移動体は、車両である。
【0123】
本実施形態の表示装置1は、第1制御部17が第1連携部174を備える点が第1実施形態と異なる。なお、第1表示部11、第1入力部12、第1現在地検出部14、及び第1表示制御部173は、車載装置3の構成要素と差別化するために単に名称を変えたに過ぎず、第1実施形態と同様の構成である。また、車載装置3の第3表示部31、第3入力部32、第3現在地検出部34、第3記憶部35、第3通信部36、及び第3制御部37は、それぞれ表示装置1の第1表示部11、第1入力部12、第1現在地検出部14、第1記憶部15、第1通信部16、及び第1制御部17と類似の機能を有しており、その説明の一部を省略することがある。
【0124】
第3表示部31は、道路ネットワークがリンクとノードとで表された地図データに基づき、第3表示部31に地図を表示する。この地図データは、第3記憶部35に記憶されている。第3入力部32は、ユーザからの要求が入力される。本実施形態において第3表示部31及び第3入力部32は、タッチパネルで構成される。タッチパネルは、例えば液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイである。ユーザからの要求は、例えば、目的地までの地図を第3表示部31に表示させることを示す。なお、本実施形態において、第3表示部31は、目的地の周辺にある駐車場など、目的地までの周辺までの地図を示す。
【0125】
第3現在地検出部34は、車載装置3を搭載した移動体の現在地を検出する。第3現在地検出部34は、移動体を利用しているユーザの現在地を検出する。第3現在地検出部34は、車載装置3の位置を示す位置データを取得する。位置データは、移動体を利用しているユーザの位置を示す。第3現在地検出部34は、所定の時間間隔で位置データを取得する。本実施形態において、位置データは、緯度及び経度を示すデータである。本実施形態において、第3現在地検出部34は、GPSセンサである。第3現在地検出部34は、位置データが取得されたときの日時を示す時刻データを、位置データとともに取得する構成であってもよい。
【0126】
第3記憶部35は、各種の情報を記憶する。第3記憶部35は、記憶装置によって実現される。記憶装置としては、例えば、RAM、もしくはフラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、ハードディスク、または、光ディスク等が挙げられる。
【0127】
第3通信部36は、第1通信部16及び第2通信部26とそれぞれ通信する。
【0128】
第3連携部374は、第2記憶部25に記憶されている履歴情報及び登録情報をサーバ2から取得する。第3連携部374は、目的地の候補を第3表示部31に表示させる要求が第3入力部32に入力された場合、サーバ2に選択条件を知らせる。第2履歴情報取得部272は、選択条件に合致する登録情報を第2記憶部25から取得する。第2履歴情報取得部272は、第2通信部26を介して登録情報を車載装置3に送信する。これによって、第3表示部31は、選択条件を満たす目的地の候補がフィルタリングされて表示される。
【0129】
第3連携部374及び第1連携部174は、車載装置3と表示装置1とを連携させる。第3連携部374は、移動体が目的地の周辺に到着すると、第3通信部36を介して、表示装置1に移動体の位置及び目的地を伝える。移動体の位置を示す位置データは、本明細書で「移動体位置データ」と呼ばれる。
【0130】
第1表示制御部173は、車載装置3から受信した移動体位置データ、履歴情報及び登録情報に基づき、表示制御部173に目的地までのパーソナル地図104を第1表示部11に表示させる。
【0131】
本実施形態において、表示装置1は、車載装置3と組み合わせて使用できる。表示装置1は、ユーザが移動体を降りてから目的地までのラストワンマイルのパーソナル地図104を第1表示部11に表示できる。ラストワンマイルは、徒歩で移動できる比較的短い区間である。ラストワンマイルのパーソナル地図104は、第1記憶部15に記憶されている履歴情報及び登録情報、並びに第2記憶部25に記憶されている履歴情報及び登録情報がそれぞれマージされて生成されてもよい。
【0132】
[車載装置との連携処理]
表示装置1と車載装置3との連携処理は、図18のフローチャートに示す手順で行われる。連携処理は、表示装置1及び車載装置3の双方が立ち上がっている場合に実施される。
【0133】
ステップS41で、第3連携部374は、第3入力部32に選択条件が入力されたことを検出する。
【0134】
ステップS42で、第3連携部374は、条件情報をサーバ2に送信するように第3通信部36を制御する。
【0135】
ステップS43で第2通信部26が条件情報を受信すると、ステップS44で、第2履歴情報取得部272は、選択条件に合致する履歴情報及び登録情報を取得する。
【0136】
ステップS45で、第2制御部27は、履歴情報及び登録情報を車載装置3に送信するように第2通信部26を制御する。
【0137】
ステップS46で第3通信部36が履歴情報及び登録情報を受信すると、ステップS47で、第3制御部37は、第3入力部32により目的地が選択されたかどうか判断する。第3制御部37は、目的地が選択された場合、連携処理をステップS48に進める。
【0138】
ステップS48で、第3表示制御部373は、第3記憶部35に記憶されている地図データに基づき、目的地までの詳細な地図を第3表示部31に表示させる。
【0139】
ステップS49で、第3連携部374は、ユーザの現在地及び目的地を表示装置1との間で共有する要求があったかどうか判断する。第3連携部374は、現在地と目的地を表示装置1との間で共有する要求があった場合、連携処理をステップS50に進める。
【0140】
ステップS50で、第3連携部374は、ユーザの現在地を示す移動体位置データ、履歴情報及び登録情報を表示装置1に送信するように第3通信部36を制御する。
【0141】
ステップS51で第1通信部16が車載装置3の現在地を示す位置データ及び目的地情報を受信すると、ステップS52で、第1表示制御部173は、目的地までの地図を第1表示部11に表示させる。
【0142】
[サーバを利用した車載装置で地図の表示処理]
車載装置3は、表示装置1と連携することなく、サーバ2に登録された登録情報を利用した地図の表示及び目的地までのルート表示を行うことができる。このようなサーバ2を利用した車載装置3での地図の表示は、図19のフローチャートに示す手順で行われる。すなわち、上記の表示装置1と車載装置3との連携処理におけるS41~S48の処理によって、車載装置3での地図の表示処理を行うことができる。
【0143】
≪ハードウェアによる実現例≫
表示装置1は、図20に示すようなハードウェア構成によって実現される。表示装置1は、CPU51と、ROM(Read Only Memory)52と、RAM(Random Access Memory)53と、タッチパネル54と、ストレージ装置55と、SDホストモジュール56と、音声出力部57と、第1通信部16と、カメラ59と、GPSセンサ60と、バス61とを備える。これらの構成要素は、1以上のハードウェアである半導体集積回路などにより実現されるが、これに限定されない。
【0144】
CPU51は、演算処理装置および制御装置として機能する。CPU51は、各種プログラムに従って表示装置1の動作全般を制御する。CPU51は、ROM52に記憶されている各種プログラムを、RAM53を作業領域として実行する。CPU51は、プログラムを実行することで表示装置1の第1制御部17として機能する。
【0145】
ROM52は、CPU51が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。ROM52は、例えば、第1制御部17で実行されるプログラムを記憶する。ROM52は、表示装置1の第1記憶部15の一部である。
【0146】
RAM53は、CPU51が制御を実行する際に使用するプログラムを一時的に記憶する。またRAM53は、CPU51が制御を実行する際に適宜変化する変数等を一時的に記憶する。RAM53は、表示装置1の第1記憶部15の一部である。
【0147】
タッチパネル54は、画像を表示する表示部としての機能と、ユーザの入力を受け付ける入力部としての機能を併せ持つ。タッチパネル54は、表示装置1の表示部11及び入力部12である。
【0148】
ストレージ装置55は、例えば磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイス等によって実現される。ストレージ装置55は、CPU51が実行するプログラム、および外部から取得したデータを含む各種のデータ等を格納する。ストレージ装置55は、表示装置1の第1記憶部15の一部である。
【0149】
SDホストモジュール56は、挿入されている記録媒体であるSDカードに対して、情報の読み出し及び書き込みを行う。SDホストモジュール56は、記録媒体から読み出した情報を、例えばRAM53に出力する。
【0150】
音声出力部57は、入力された音声データに基づいて音声を出力する。音声出力部57は、スピーカである。
【0151】
第1通信部16は、サーバ2及びその他の機器との間で通信する。第1通信部16による通信は、主に無線通信であるが、有線通信であってもよい。また、第1通信部16は近距離無線通信により通信してもよい。
【0152】
カメラ59は、レンズ、撮像素子及び画像処理装置を含んで構成され、被写体を撮像する。カメラ59は、表示装置1の撮像部13である。
【0153】
GPSセンサ60は、GPS衛星から送信される電波を受信することで、GPSセンサ60の現在地を緯度及び経度のデータを取得する。GPSセンサ60は、さらに時刻データを取得してもよい。GPSセンサ60は、表示装置1の現在地検出部14である。
【0154】
バス61は、表示装置1の各構成を接続する。これにより表示装置1の各構成が、相互にデータの送受信を行うことできる。
【0155】
車載装置3は、表示装置1と比較して、カメラ59を含まない構成となっている点を除いて表示装置1と同様のハードウェア構成であるため、具体的な個々の要素の説明を省略する。
【0156】
サーバ2は、図21に示すようなハードウェア構成によって実現される。サーバ2は、CPU51と、ROM52と、RAM53と、ストレージ装置55と、第2通信部26と、バス61とを備える。サーバ2のCPU51、ROM52、RAM53及びストレージ装置55は、表示装置1の同様の構成であるため具体的な説明を省略することがある。
【0157】
CPU51は、プログラムを実行することで第2制御部27として機能する。ROM52、RAM53、及びストレージ装置55は、それぞれ第2記憶部25の一部である。
【0158】
以上、本発明の第1実施形態及び第2実施形態について説明したが、装置構成や制御方法等は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0159】
例えば、表示装置1は、登録情報を生成する場合、写真データに対応付けられた位置データを利用する構成であってもよい。
【0160】
例えば、表示装置1は、表示部11に表示される内容をユーザの好みにカスタマイズできるようにしてもよい。
【0161】
上記以外の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。また上記実施形態および変形例の構成がそれぞれ組み合わせられてもよい。これらの実施形態に基づいて適宜変更することで得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0162】
1…表示装置、11…表示部、第1表示部、12…入力部、第1入力部、13…撮像部、14…現在地検出部、第1現在地検出部、15…第1記憶部、16…通信部、第1通信部、17…第1制御部、171…第1位置データ処理部、172…第1履歴情報取得部、173…表示制御部、第1表示制御部、174…第1連携部、2…サーバ、25…第2記憶部、26…第2通信部、27…第2制御部、271…第2位置データ処理部、272…第2履歴情報取得部、3…車載装置、31…第3表示部、32…第3入力部、34…第3現在地検出部、35…第3記憶部、36…第3通信部、37…第3制御部、373…第3表示制御部、374…第3連携部、4…表示システム、105…地図要素図形、106…背景図形
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2022-07-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路を表す道路図形が含まれた地図を表示する表示部と、
ユーザの位置を所定の時間間隔で検出する現在地検出部と、
前記ユーザが訪れたことのある場所が目的地に設定された場合、前記目的地に設定された場所の周辺で前記現在地検出部によって検出された前記ユーザの過去の前記位置に基づき、前記目的地の周辺に存在する道路のうち前記ユーザが通ったことのある前記道路を前記道路図形で表した前記地図を前記表示部に表示させる表示制御部とを備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記ユーザが移動した履歴に対応する履歴情報として、前記現在地検出部によって検出された前記位置に対応する位置データを2以上記憶する記憶部をさらに備え、
前記記憶部は、
前記ユーザが訪れている場所を登録することが要求されると、前記ユーザが訪れている場所と前記履歴情報とを関連付けて記憶することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記現在地検出部によって検出され前記道路に沿って移動する前記ユーザの前記位置である第1位置と、前記第1位置よりも後方の他の前記第1位置とが前記道路の幅方向に互いにずれている場合、前記第1位置と他の前記第1位置との間の第2位置を求め、前記第2位置を示す第2位置データを前記位置データとして前記記憶部に記憶させる位置データ処理部をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
2以上の表示装置と、前記表示装置とそれぞれ通信するサーバとを備える表示システムであって、
前記表示装置のうちのいずれか1つである第1表示装置は、
ユーザの位置を所定の時間間隔で検出する現在地検出部を備え、
前記サーバは、
前記現在地検出部によって検出された前記ユーザの過去の前記位置に基づいて生成され、前記ユーザが移動した履歴に対応する履歴情報を記憶する記憶部を有し、
前記表示装置のうち前記第1表示装置と異なる第2表示装置は、
道路を表す道路図形が含まれた地図を表示する表示部と、
前記ユーザが訪れたことのある場所が目的地に設定された場合、前記履歴情報に基づき、前記目的地に設定された場所の周辺に存在する道路のうち前記ユーザが通ったことのある前記道路を前記道路図形で表した前記地図を前記表示部に表示させる表示制御部とを備えることを特徴とする表示システム。
【請求項5】
道路を表す道路図形が含まれた地図を表示する表示部と、ユーザの位置を所定の時間間隔で検出する現在地検出部と、前記表示部と前記現在地検出部とを制御する表示制御部とを備える表示装置において、
前記表示制御部に、前記ユーザが訪れたことのある場所が目的地に設定された場合、前記目的地に設定された場所の周辺で前記現在地検出部によって検出された前記ユーザの過去の前記位置に基づき、前記目的地の周辺に存在する道路のうち前記ユーザが通ったことのある前記道路を前記道路図形で表した前記地図を前記表示部に表示させるステップを実行させることを特徴とするプログラム。