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特開2023-147455照明制御装置、照明制御方法および照明制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147455
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】照明制御装置、照明制御方法および照明制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/165 20200101AFI20231005BHJP
【FI】
H05B47/165
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022054959
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】元西 洋平
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA05
3K273QA30
3K273QA39
3K273RA12
3K273RA13
3K273RA16
3K273RA17
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA18
3K273TA28
3K273TA29
3K273TA41
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA62
3K273TA66
3K273TA76
3K273TA80
3K273UA12
3K273UA13
3K273UA14
3K273UA18
3K273UA22
(57)【要約】
【課題】ユーザの利便性を向上させることができる照明制御装置を提供する。
【解決手段】照明制御装置は、受付部と、特定部とを有する。受付部は、オブジェクトの選択を受け付ける。特定部は、受け付けたオブジェクトと所定の関係を有する照明機器を特定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オブジェクトの選択を受け付ける受付部と;
前記受付部により受け付けられたオブジェクトと所定の関係性を有する照明機器を制御対象として特定する特定部と;
を有することを特徴とする照明制御装置。
【請求項2】
前記特定部は、前記受付部により受け付けられたオブジェクトと所定の位置関係にある照明機器を制御対象として特定することを特徴とする請求項1に記載の照明制御装置。
【請求項3】
前記特定部は、前記受付部により受け付けられたオブジェクトにあらかじめ紐づけられていた照明機器を制御対象として特定することを特徴とする請求項1に記載の照明制御装置。
【請求項4】
前記特定部により特定された照明機器に対する制御を受け付ける照明制御受付部と;
前記照明制御受付部により受け付けた制御に応じて、前記特定部により特定された照明機器を制御する照明制御部と;
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の照明制御装置。
【請求項5】
前記照明制御部は、前記照明制御受付部が受け付けた制御のシミュレーションを表示し、シミュレーションが選択されると照明機器を制御することを特徴とする請求項4に記載の照明制御装置。
【請求項6】
前記照明制御部は、前記照明制御受付部が受け付けた制御をシミュレーションと対応付けて保持することを特徴とする請求項5に記載の照明制御装置。
【請求項7】
オブジェクトの選択を受け付ける受付工程と;
前記受付工程により選択されたオブジェクトと所定の関係性を有する照明機器を制御対象として特定する特定工程と;
を含むことを特徴とする照明制御方法。
【請求項8】
オブジェクトの選択を受け付ける受付ステップと;
前記受付ステップにより選択されたオブジェクトと所定の関係性を有する照明機器を制御対象として特定する特定ステップと;
をコンピュータに実行させるための照明制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明制御装置、照明制御方法および照明制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スタジオや舞台等では、遠隔操作に従って複数の照明機器を制御する制御システムが導入されている。例えば、このような制御システムの照明制御装置は、DMX512と呼ばれる規格を拡張したRDM(Remote Device Management)と呼ばれる規格に沿って、スタジオや舞台等に設置された照明機器から照明機器の情報を収集し、収集した情報に基づいて、調光や調色を制御し、照明演出を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-224406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、ユーザの利便性向上の観点で改善の余地があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザの利便性を向上させることができる照明制御装置、照明制御方法および照明制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る照明制御装置は、受付部と、特定部とを有する。受付部は、オブジェクトの選択を受け付ける。特定部は、選択されたオブジェクトと所定の関係性を有する照明機器を特定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザの利便性を向上させることができる照明制御装置、照明制御方法および照明制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、照明制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、照明制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、照明制御装置による照明機器の特定の一例を示す図である。
図4図4は、照明制御装置による照明機器の特定および制御の一例を示す図である。
図5図5は、照明制御装置による照明機器の制御の一例を示す図である。
図6図6は、照明制御装置による照明機器の制御の一例を示す図である。
図7図7は、照明制御装置による特定の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施形態に係る照明制御装置、照明制御方法および照明制御プログラムを説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明する照明制御装置、照明制御方法および照明制御プログラムは、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。
【0010】
以下に説明する実施形態に係る照明制御装置100は、受付部121と、特定部122とを有する。受付部121は、オブジェクトの選択を受け付ける。特定部122は、受け付けられたオブジェクトと所定の関係性を有する照明機器10を制御対象として特定する。
【0011】
以下に説明する実施形態に係る特定部122は、受付部121により受け付けられたオブジェクトと所定の位置関係にある照明機器10を制御対象として特定する。
【0012】
以下に説明する実施形態に係る特定部122は、受付部121により受け付けられたオブジェクトにあらかじめ紐づけられていた照明機器10を制御対象として特定する。
【0013】
以下に説明する実施形態に係る照明制御装置100は、照明制御受付部123と、照明制御部124とを有する。照明制御受付部123は、特定部122により特定された照明機器10に対する制御を受け付ける。照明制御部124は、照明制御受付部123により受け付けた制御に応じて、特定部122により特定された照明機器10を制御する。
【0014】
以下に説明する実施形態に係る照明制御部124は、照明制御受付部123が受け付けた制御のシミュレーションを表示し、シミュレーションが選択されると照明機器10を制御する。
【0015】
以下に説明する実施形態に係る照明制御部124は、照明制御受付部123が受け付けた制御をシミュレーションと対応付けて保持する。
【0016】
[実施形態]
(照明制御システムの構成)
以下、図1を用いて実施形態に係る照明制御システム1の構成について説明する。図1は、照明制御システム1の構成の一例を示すブロック図である。実施形態に係る照明制御システム1は、複数の照明機器10(図1では、照明機器10-1~照明機器10-nとして示す。個々を区別する必要のない場合、「照明機器10」と総称する)、複数のノード20(図1では、ノード20-1~ノード20-nとして示す。個々を区別する必要のない場合、「ノード20」と総称する)、ハブ30、照明制御装置100を有する。なお、照明制御システム1に含まれる照明機器10およびノード20の種別や数などは、任意に変更可能である。
【0017】
照明制御システム1において、照明機器10は、DMX規格に従った通信プロトコルや、DMXを拡張したRDM規格に沿った通信方式により、ノード20や照明制御装置100と双方向通信を行うことができる。また、照明機器10は、LED(Light Emitting Diodes)等の半導体発光素子を有し、制御信号に従って、明るさ、範囲、色彩等を変化させることで、スタジオや舞台等の照明演出を行う。照明機器10は、スタジオや舞台等の任意の空間に設置される設備であって、照明機器10等を吊るなどして支持するバトンに設置される。図1の例では、バトンB1には、照明機器10-1~照明機器10-nが設置されることを示している。なお、照明機器10は、バトンに設置されていないものを含んでよい。
【0018】
ノード20は、DMX規格に従った通信プロトコルや、DMXを拡張したRDM規格に沿った通信方式により、照明機器10や照明制御装置100と双方向通信が可能な制御情報を分配する分配器である。ノード20は、照明制御装置100と照明機器10との通信を中継する装置であり、例えば、DMXノードやRDMノードと称される装置により実現される。具体的には、ノード20は、イーサネット(登録商標)等の有線または無線によるネットワークによって、双方向通信が可能な態様でハブ30と接続され、ハブ30を介して、照明制御装置100等と通信する。
【0019】
また、図1の例において、ノード20は、照明機器10と同様、バトンに設置される。図1の例では、バトンB1には、ノード20-1が設置され、バトンB2には、ノード20-2が設置され、バトンBnには、ノード20-nが設置される。また、ノード20は、自身が設置されるバトンに関する情報と、自身に接続される照明機器10の情報とを記憶する。言い換えれば、ノード20は、バトンと照明機器10との対応関係を示した、照明機器10の配置情報を記憶する。なお、ノード20は、バトンに設置されなくてもよい。
【0020】
ハブ30は、イーサネット(登録商標)等の有線または無線によるネットワークによって、照明制御装置100と双方向通信が可能な態様で接続され、照明制御装置100と各ノード20-1~20-nとの通信を中継する中継器である。
【0021】
照明制御装置100は、双方向性を有する制御信号(例えば、RDM規格に対応する制御信号)を照明機器10との間で通信可能な制御装置である。照明制御装置100は、ユーザ(例えば、照明制御装置100を操作するオペレータ)から照明機器10に対する操作指令を受け付けると、照明機器10-1~10-nに付与された制御アドレスを含む制御信号を生成し、ハブ30を介してノード20-1~20-nに制御信号を送信する。ノード20-1~20-nは、照明制御装置100から受信した制御信号を、例えば、RDM規格に沿った信号(RDM信号)に変換し、制御アドレスが示す照明機器10に対して出力する。これにより、照明制御装置100は、照明機器10-1~10-nを制御する。このように、照明制御装置100は、例えば、RDM対応の制御信号に含まれる制御アドレスを用いて、照明機器10-1~10-nの特定または遠隔制御を行う。照明制御装置100は、制御装置の一例である。
【0022】
(照明制御装置100が実行する処理の概要)
実施形態に係る照明制御装置100は、仮想空間上で照射対象となるオブジェクトの選択を受け付け、照射対象として受け付けられたオブジェクトと所定の関係性を有する照明機器10を制御対象として特定する。これにより、照明制御装置100は、調光操作や照明に関する深い知識を有しないユーザによる照射対象となるオブジェクトと照明機器10との対応付けを容易とし、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0023】
(照明制御装置の構成)
以下、図2を用いて実施形態に係る照明制御装置100の構成について説明する。図2は、照明制御装置100の構成の一例を示すブロック図である。照明制御装置100は、各照明機器10に対して制御を行う操作者による操作を受け付ける。例えば、照明制御装置100は、調光操作卓あるいは調光卓と称される装置である。なお、照明制御装置100は、例えばデスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PC、スマートフォン、タブレット型端末などであってもよい。また、照明制御装置100は、フェーダー等を有して照明機器10に対する操作を受け付けるいわゆる照明制御卓であってもよい。また、照明制御装置100は、HMD(Head Mounted Display)であってもよい。
【0024】
実施形態に係る照明制御装置100は、通信部110と、制御部120と、記憶部130とを有する。通信部110は、ハブ30などを介して照明機器10との間で情報の送受信を行う通信装置であり、例えば、NIC(Network Interface Card)等の通信装置によって実現される。例えば、通信部110は、後述する特定部122によって特定された照明機器10を制御するために照明機器10と通信する。
【0025】
記憶部130は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部130には、照明制御装置100が特定するオブジェクトと、照明機器10との情報が登録される。オブジェクトの一例としては、照射対象となるオブジェクトの位置情報、オブジェクトと関係づけられた照明機器10の情報が含まれる。また、照明機器10の情報の一例としては、製造会社名、機器型番、UID、制御アドレス、使用するチャンネル数、使用するモード、点灯時間、通電時間、質量、パーソナリティー設定、位置情報、オブジェクトとの関係性といった情報が含まれる。
【0026】
ここで、製造会社名とは、照明機器10の製造会社名である。機器型番とは、製造会社によって定められた照明機器10の型番である。UIDとは、RDM規格で用いられる装置ごとの固有の番号であり、各照明機器10-1~10-nに予め付与される12桁の16進数で表される情報である。また、制御アドレスとは、DMXのデータリンク上におけるアドレス、すなわち、照明制御装置100が照明機器10を制御する際に用いる制御アドレスである。また、チャンネル数とは、照明機器10の制御に用いられる制御アドレスの数である。例えば、チャネル数が「4」の照明機器10は、照度(I)、赤色(R)、青色(B)、緑色(G)のそれぞれに対して個別の制御アドレスが設定されることで、照度、赤色、青色、緑色のそれぞれを個別に制御することができる。
【0027】
また、点灯時間とは、照明機器10の光源を点灯させた時間の合計を示す情報である。また、通電時間とは、照明機器10に電力が供給された時間の合計を示す情報である。また、質量とは、照明機器10の質量を示す情報である。また、パーソナリティー設定とは、照明機器10の動作のモードを示す情報である。また、位置情報とは、設置された舞台上における照明機器10の位置に関する情報である。また、オブジェクトとの関係性とは、事前に関係付けられた照射対象となるオブジェクトに関する情報である。
【0028】
制御部120は、各種の情報処理を実行する演算装置であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路を採用できる。制御部120は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これにより制御部120は、受付部121と、特定部122と、照明制御受付部123と、照明制御部124として機能する。なお、これらの機能部は、それぞれが異なるハードウェアに実装されてもよい。また、制御部120は、その他の機能部を備えてもよい。
【0029】
受付部121は、オブジェクトの選択を受け付ける。例えば、受付部121は、照明機器10やオブジェクトなどを3D空間上に仮想表示した画面上において、照射対象となる出演者の立ち位置として表示されたオブジェクトの選択を受け付ける。なお、受付部121によって選択されるオブジェクトは1つに限定されず、複数のオブジェクトを選択することも可能である。
【0030】
特定部122は、受付部121により受け付けられたオブジェクトと所定の関係性を有する照明機器10を制御対象として特定する。例えば、特定部122は、受付部121により受け付けられたオブジェクトと所定の位置関係を有する照明機器10を制御対象として特定する。具体的には、特定部122は、受付部121によって3D空間上で仮想表示され、選択された照射対象となるオブジェクトの位置から、例えば5mの範囲内にある照明機器10を、制御対象として特定する。また、例えば、特定部122は、受付部121によって3D空間上で仮想表示され、選択された照射対象となるオブジェクトの正面から右方向45度~60度の間にある照明機器10を、制御対象として特定する。なお、照明機器10は、複数のオブジェクトと所定の関係性を有し、それぞれの制御対象として特定されてもよい。
【0031】
また、例えば、特定部122は、受付部121により受け付けられたオブジェクトにあらかじめ紐づけられていた照明機器10を制御対象として特定する。例えば、特定部122は、オブジェクトを効果的に照らすことができるとして、事前にオブジェクトと対応付けられていた照明機器10を、あらかじめ紐づけられていた制御対象として特定する。また、例えば、特定部122は、照明機器10の種類から制御対象を特定する。なお、ここで特定されるものは照明機器10に限定されず、例えば、照明機器10を吊り下げるバトンであってもよい。
【0032】
照明制御受付部123は、特定部122により特定された照明機器10に対する制御を受け付ける。例えば、照明制御受付部123は、特定部122によって特定された照明機器10に対する、点灯、消灯、あるいは所定の明るさへ変更といった制御を受け付ける。また、例えば、照明制御受付部123は、画面上のフリック操作などにより、特定部122によって特定された照明機器10の明るさを一括して制御する。また、例えば、照明制御受付部123は、特定部122によって特定された複数の照明機器10を一括して所定に明るさに変更するといった制御の内容を受け付ける。ここで、照明制御受付部123は、制御対象として特定される操作対象以外については視認性を低下させてもよい。例えば、照明制御受付部123は、操作対象以外のオブジェクトや照明機器10を半透明、または非表示にする。
【0033】
照明制御部124は、照明制御受付部123により受け付けた制御に応じて、特定部122により特定された照明機器10を制御する。例えば、照明制御部124は、照明制御受付部123によって受け付けた、特定部122で特定された照明機器10に対する点灯、消灯、所定の明るさへ変更するといった制御を行う。また、例えば、照明制御部124は、照明制御受付部123が受け付けた制御のシミュレーションを表示し、シミュレーションが選択されると照明機器10を制御する。また、例えば、照明制御部124は、照明制御受付部123が受け付けた制御をシミュレーションと対応付けて保持する。
【0034】
具体的には、照明制御部124は、シミュレーションとして記憶部130に記憶されたシミュレーションの内容を表示させ、保存されたシミュレーションの選択によって、特定部122で特定された制御対象となる照明機器10に対して、所定の明るさへ変更するといった制御を行う。なお、シミュレーションはあらかじめ設定されたものであってもよいし、その場でユーザ操作を受け付けシミュレートして、画面上でOKボタン等の操作が行われた場合に照明制御部124が、照明機器10に対する制御を行ってもよい。
【0035】
上述した照明制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)とRAM(Random Access Memory)、EEPROM、フラッシュメモリなどを有するコンピュータが、所定の記録媒体に登録された制御プログラムを読み取り、読み取った制御プログラムを実行することにより、実現されてもよい。
【0036】
次に、図3図4を用いて、実施形態に係る照明制御装置100が実行する処理の概要について説明する。まず、図3は、実施形態に係る照明制御装置100による照明機器10の特定を示す図である。図3に示すように、照明制御装置100は、3D空間上にオブジェクトや照明機器10などを仮想表示させる。図3(1)は、オブジェクトである。また、図3(2)と(3)とは、照明機器10である。まず、照明制御装置100は、ユーザ操作によるオブジェクトの選択を受け付け、図3(1)を照射対象のオブジェクトとして受け付ける。そして、照明制御装置100は、所定の条件により、図3(2)と(3)との照明機器10を、制御対象として特定する。例えば、照明制御装置100は、図3(1)とあらかじめリンクが設定された照明機器10という条件により、図3(2)と(3)との照明機器10を、制御対象として特定する。また、例えば、照明制御装置100は、図3(1)のオブジェクトの後方にある照明機器10という条件により、図3(2)と(3)との照明機器10を、制御対象として特定する。
【0037】
次に、図4は、実施形態に係る照明制御装置100による照明機器10の制御を示す図である。図4に示すように、照明制御装置100は、3D空間上にオブジェクトや照明機器10などを仮想表示させる。図4(1)は、照明制御装置100によって選択されたオブジェクトである。図4(2)には、照明制御装置100によって選択されたオブジェクトを基準とした立体方向が表示されている。この立体方向を操作することによって、該当する立体方向に存在する照明機器10を一括で制御する。例えば、照明制御装置100は、ユーザによる図4(2)の後ろ方向の部分のフリック操作を受け付けることにより、図4(1)のオブジェクトの後ろ方向にある照明機器10の照明の強さを一括して上昇させるシミュレーションを行う。
【0038】
次に、図5は、実施形態に係る照明制御装置100による照明機器10の制御を示す図である。図5に示すように、照明制御装置100は、3D空間上にオブジェクトや照明機器10などを仮想表示させる。図5(1)~(3)は、オブジェクトである。このうち、図5(2)は、照明制御装置100によって照射対象として選択を受け付けたオブジェクトである。図5(4)~(6)は、図5(2)のオブジェクトと所定の関係性を有し、制御対象として特定された照明機器10である。このとき、照明制御装置100は、ユーザによる画面上オブジェクト部分のフリック操作により、3D空間上で照明機器10の制御をシミュレートする。例えば、照明制御装置100は、ユーザによる画面上の図5(2)のオブジェクトを下から上方向へと動かすようなフリック操作を受け付けて、制御対象として特定された、図5(4)~(6)の照明機器10の照明の強さを上昇させるシミュレートを行う。
【0039】
次に、図6は、実施形態に係る照明制御装置100による照明機器10の制御を示す図である。図6に示すように、照明制御装置100は、3D空間上にオブジェクトや照明機器10などを仮想表示させる。図6(1)は、ユーザ選択により受け付けられたオブジェクトである。図6(2)は、キーライトとしての役割を持つ照明機器10である。キーライトはメインの光源であり、被写体を明るく照らす目的で用いられる。図6(3)は、フィルライトとしての役割を持つ照明機器10である。フィルライトは、キーライトの斜め前方反対側に配置され、キーライトで照らされない部分を照らす目的で用いられる。図6(4)は、バックライトとしての役割を持つ照明機器10である。バックライトは、被写体の輪郭を浮かび上がらせる目的で用いられる。ここで、照明制御装置100は、制御対象として特定されないオブジェクトや照明機器10を非表示にする、または半透明にするなどして操作対象以外の視認性を下げてもよい。
【0040】
図6(5)は、照明機器10による照明効果のシミュレーションの表示である。例えば、図6(5a)は、図6(2)のキーライトとしての役割を持つ照明機器10と、図6(3)のフィルライトとしての役割を持つ照明機器10と、図6(4)のバックライトとしての役割を持つ照明機器10とを点灯させた場合の照明効果をシミュレートしたものである。図6(5b)は、図6(2)のキーライトとしての役割を持つ照明機器10のみを点灯させた照明効果をシミュレートしたものである。図6(5c)は、図6(3)のフィルライトとしての役割を持つ照明機器10のみを点灯させた照明効果をシミュレートしたものである。図6(5d)は、図6(4)のバックライトとしての役割を持つ照明機器10のみを点灯させた照明効果をシミュレートしたものである。
【0041】
照明制御装置100は、各照明機器10による照明効果のシミュレーションとして、図6(5)を表示することにより、ユーザが希望する照明効果の選択を容易にする。このとき、照明制御装置100は、ユーザ操作を受け付けて、シミュレーションの内容を、実世界の照明機器10に反映させるといった制御を行うこともできる。
【0042】
(フローチャート)
次に、図7を用いて、実施形態に係る照明制御装置100が実行する特定の処理手順について説明する。図7は、実施形態に係る照明制御装置100において実行される照明機器10の設定の処理手順を示すフローチャートである。図7に示すように、まず、照明制御装置100は、受け付けられたオブジェクトと所定の関係性を有する照明機器10を制御対象として特定する(ステップS11)。このとき、照明制御装置100は、制御対象となる照明機器10を特定できない場合(ステップS11“YES”)、再び制御対象となる照明機器10の特定を行う。そして、照明制御装置100は、制御対象となる照明機器10を特定できた場合(ステップS11“NO”)、特定された照明機器10を制御対象として設定する(ステップS12)。
【0043】
上述してきたように、実施形態に係る照明制御装置100は、受付部121と、特定部122とを有する。受付部121は、オブジェクトの選択を受け付ける。また、特定部122は、受付部121により受け付けられたオブジェクトと所定の関係性を有する照明機器10を制御対象として特定する。これにより、実施形態に係る照明制御装置100は、調光操作や照明に関する知識が不足しているユーザに対しても、照明の特定を容易とする。つまり、照明制御装置100は、照射対象となるオブジェクトを効果的に照らす照明機器10を容易に特定し、ユーザの利便性を確保することができる。
【0044】
また、上述してきたように、実施形態に係る照明制御装置100において、特定部122は、受付部121により受け付けられたオブジェクトと所定の位置関係にある照明機器10を制御対象として特定する。これにより、実施形態に係る照明制御装置100は、ユーザ所望の照明効果を発揮する位置にある照明機器10を容易に特定することができる。
【0045】
また、上述してきたように、実施形態に係る照明制御装置100において、特定部122は、受付部121により受け付けられたオブジェクトにあらかじめ紐づけられていた照明機器10を制御対象として特定する。これにより、実施形態に係る照明制御装置100は、ユーザ所望の照明効果を有するとして、事前にオブジェクトと対応付けられた照明機器10を容易に特定し、ユーザの利便性を確保することができる。
【0046】
また、上述してきたように、実施形態に係る照明制御装置100は、特定部122により特定された照明機器10に対する制御を受け付ける照明制御受付部123と、照明制御受付部123により受け付けた制御に応じて、特定部122により特定された照明機器10を制御する照明制御部124をさらに有する。これにより、実施形態に係る照明制御装置100は、特定した照明機器10に対する制御を容易とし、ユーザの利便性を確保することができる。
【0047】
また、上述してきたように、実施形態に係る照明制御装置100において、照明制御部124は、照明制御受付部123が受け付けた制御のシミュレーションを表示し、シミュレーションが選択されると照明機器10を制御する。これにより、実施形態に係る照明制御装置100は、特定した照明機器10に対する制御の内容をシミュレートすることができる。また、これにより、実施形態に係る照明制御装置100は、シミュレートした制御内容を、実世界の照明機器10に容易に反映させ、ユーザの利便性を確保することができる。
【0048】
また、上述してきたように、実施形態に係る照明制御装置100において、照明制御部124は、照明制御受付部123が受け付けた制御をシミュレーションと対応付けて保持する。これにより、実施形態に係る照明制御装置100は、シミュレートした制御の内容を保持し、再表示を可能とすることで、シミュレートした制御の内容を再現する負担を軽減し、ユーザの利便性を確保することができる。
【0049】
[変形例]
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0050】
1 照明制御システム
10 照明機器
20 ノード
30 ハブ
100 照明制御装置
110 通信部
120 制御部
121 受付部
122 特定部
123 照明制御受付部
124 照明制御部
130 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7