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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147460
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】防災用照明器具
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/17 20200101AFI20231005BHJP
   H05B 45/58 20200101ALI20231005BHJP
   H05B 47/20 20200101ALI20231005BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20231005BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20231005BHJP
【FI】
H05B47/17
H05B45/58
H05B47/20
H05B47/16
H05B47/105
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022054964
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】岩本 隆志
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA08
3K273QA34
3K273QA36
3K273QA37
3K273RA12
3K273SA08
3K273SA23
3K273SA32
3K273SA35
3K273SA46
3K273SA48
3K273SA50
3K273TA15
3K273TA18
3K273TA40
3K273TA41
3K273TA42
3K273TA54
3K273TA65
3K273TA69
3K273UA22
3K273UA23
3K273UA24
3K273UA25
3K273UA27
3K273UA29
(57)【要約】
【課題】より適切なタイミングで器具の交換を促すことができる防災用照明器具を提供する。
【解決手段】光源と、主電源の停電時に蓄電部又は外部の非常用電源から電力の供給を受け、前記蓄電部又は外部の非常用電源の電力を基に前記光源を点灯させる電源回路と、前記主電源の正常時に点検指示の入力を受け、前記点検指示の入力に応じて、前記蓄電部又は外部の非常用電源の電力を基に前記光源を所定時間点灯させる点検動作を前記電源回路に実行させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記電源回路の通電時間の計時を行い、前記通電時間が予め設定された耐用時間を経過した後に前記点検指示の入力を受けた際に、前記点検動作を実行させることなく、前記光源を消灯状態とすることにより、器具の寿命を報知する消灯動作を前記電源回路に実行させることを特徴とする防災用照明器具が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
主電源の停電時に蓄電部又は外部の非常用電源から電力の供給を受け、前記蓄電部又は外部の非常用電源の電力を基に前記光源を点灯させる電源回路と、
前記主電源の正常時に点検指示の入力を受け、前記点検指示の入力に応じて、前記蓄電部又は外部の非常用電源の電力を基に前記光源を所定時間点灯させる点検動作を前記電源回路に実行させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記電源回路の通電時間の計時を行い、前記通電時間が予め設定された耐用時間を経過した後に前記点検指示の入力を受けた際に、前記点検動作を実行させることなく、前記光源を消灯状態とすることにより、器具の寿命を報知する消灯動作を前記電源回路に実行させることを特徴とする防災用照明器具。
【請求項2】
前記制御部は、前記電源回路の劣化の判定を行い、前記通電時間が前記耐用時間を経過し、前記点検指示の入力を受ける前に前記電源回路の劣化を判定した際に、前記消灯動作を前記電源回路に実行させることを特徴とする請求項1記載の防災用照明器具。
【請求項3】
前記光源の状態に関する報知を行う光源用報知部と、
前記蓄電部又は外部の非常用電源の状態に関する報知を行う非常電源用報知部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の防災用照明器具。
【請求項4】
前記光源用報知部及び前記非常電源用報知部とは異なる態様で、前記電源回路の前記通電時間に関する報知を行う通電時間用報知部をさらに備えたことを特徴とする請求項3記載の防災用照明器具。
【請求項5】
前記光源用報知部及び前記非常電源用報知部とは異なる態様で、前記消灯動作の実行を報知するための消灯動作用報知部をさらに備えたことを特徴とする請求項3又は4に記載の防災用照明器具。
【請求項6】
外部機器と通信を行うための通信部をさらに備え、
前記制御部は、前記電源回路の前記通電時間を前記通信部を介して前記外部機器に出力可能である請求項1~5のいずれか1つに記載の防災用照明器具。
【請求項7】
前記電源回路は、前記主電源の正常時においては、前記主電源から供給された電力を前記光源に応じた電力に変換し、変換後の電力を前記光源に供給することにより、前記光源を点灯させ、
前記制御部は、前記電源回路に前記消灯動作を実行させた後、少なくとも前記主電源の正常時においては、前記電源回路に前記消灯動作を継続させることを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の防災用照明器具。
【請求項8】
前記制御部は、前記電源回路に前記消灯動作を実行させた後、前記主電源が停電した場合には、前記蓄電部又は外部の非常用電源の電力を基に前記光源を点灯させる動作を前記電源回路に実行させることを特徴とする請求項1~7のいずれか1つに記載の防災用照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、防災用照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
火災や停電などの非常時に避難口や避難方向を指示するための誘導灯や、停電時に点灯することにより避難経路などを所定の明るさで照らすための非常灯などの防災用照明器具がある。
【0003】
こうした防災用照明器具では、10年程度などの適正な交換時期が決められており、交換時期を過ぎた器具については、交換を行うことが求められている。そこで、防災用照明器具において、器具の通電時間の計時を行うとともに、所定の通電時間が経過した際に、内部の部品の劣化の判定を行い、劣化していると判定した場合に、光源の消灯や蓄電池の充電停止など、意図的に動作を停止させる制御を行うことにより、器具の交換を促すことが提案されている。
【0004】
しかしながら、上記のように、部品の劣化の判定に応じて動作を停止させる制御では、判定のタイミングが部品の劣化具合に依存してしまうため、どのタイミングで動作を停止させる制御が行われるかが不明確であり、防災用照明器具の管理者などが、動作の停止に気が付かない可能性がある。このため、例えば、動作を停止させる制御が行われた状態で、実際に火災や停電などが発生してしまった場合に、防災用照明器具として適切に機能しなくなってしまう恐れがある。
【0005】
また、同じ時期に複数台の防災用照明器具を設置した際にも、各器具の部品の個体差などに応じて、動作を停止させる制御の行われるタイミングが、複数台の防災用照明器具のそれぞれでバラバラになってしまう。このため、同じ時期に設置した複数台の防災用照明器具の交換時期がバラバラになってしまい、管理に手間がかかってしまうことも懸念される。
【0006】
このため、防災用照明器具においては、より適切なタイミングで器具の交換を促せるようにすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010-129209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施形態は、より適切なタイミングで器具の交換を促すことができる防災用照明器具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態によれば、光源と、主電源の停電時に蓄電部又は外部の非常用電源から電力の供給を受け、前記蓄電部又は外部の非常用電源の電力を基に前記光源を点灯させる電源回路と、前記主電源の正常時に点検指示の入力を受け、前記点検指示の入力に応じて、前記蓄電部又は外部の非常用電源の電力を基に前記光源を所定時間点灯させる点検動作を前記電源回路に実行させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記電源回路の通電時間の計時を行い、前記通電時間が予め設定された耐用時間を経過した後に前記点検指示の入力を受けた際に、前記点検動作を実行させることなく、前記光源を消灯状態とすることにより、器具の寿命を報知する消灯動作を前記電源回路に実行させることを特徴とする防災用照明器具が提供される。
【発明の効果】
【0010】
より適切なタイミングで器具の交換を促すことができる防災用照明器具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態に係る誘導灯を模式的に表すブロック図である。
図2】第1の実施形態に係る誘導灯の動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図3】第2の実施形態に係る誘導灯を模式的に表すブロック図である。
図4】第3の実施形態に係る誘導灯を模式的に表すブロック図である。
図5】第4の実施形態に係る誘導灯を模式的に表すブロック図である。
図6】第5の実施形態に係る誘導灯を模式的に表すブロック図である。
図7】第6の実施形態に係る誘導灯を模式的に表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る誘導灯を模式的に表すブロック図である。
図1に表したように、誘導灯10(防災用照明器具)は、光源12と、電源回路14と、表示板16と、蓄電部18と、制御部20と、操作部22と、光源用報知部24と、非常電源用報知部26と、を備える。
【0014】
誘導灯10は、非常時に避難誘導を行うための防災用照明器具である。誘導灯10は、例えば、避難口や避難方向の指示を行う。誘導灯10は、例えば、光を照射するとともに、光の照射にともなって所定のピクトグラム(図柄)を明るく表示することにより、避難口や避難方向の指示を行う。誘導灯10は、避難口の近くに設けられ、避難口の位置を指示する避難口誘導灯でもよいし、矢印のピクトグラムなどにより、避難方向(避難口のある方向)を指示する通路誘導灯でもよい。
【0015】
誘導灯10は、例えば、建築内の壁面や天井などに設置される。誘導灯10は、必要に応じて屋外などに設置してもよい。誘導灯10の設置位置は、避難誘導を行う必要のある任意の位置でよい。
【0016】
光源12は、電力の供給に応じて光を照射する。光源12は、例えば、LED(Light Emitting Diode)などの発光素子である。光源12は、有機発光ダイオードや有機エレクトロルミネッセンス発光素子などの他の発光素子でもよいし、電球や蛍光灯などでもよい。光源12は、電力の供給に応じて光を照射可能な任意の素子でよい。
【0017】
電源回路14は、主電源PSと接続される。電源回路14は、主電源PSの正常時においては、主電源PSから供給された電力を光源12に応じた電力に変換し、変換後の電力を光源12に供給することにより、光源12を点灯させる。
【0018】
主電源PSは、例えば、商用電源である。主電源PSの電力は、例えば、交流電力である。例えば、光源12がLEDである場合、電源回路14は、主電源PSから供給された交流電力を光源12に応じた直流電力に変換し、変換後の直流電力を光源12に供給することにより、光源12を点灯させる。なお、主電源PSは、商用電源に限ることなく、自家発電装置などでもよい。主電源PSから電源回路14に供給される電力は、交流電力に限ることなく、直流電力などでもよい。
【0019】
表示板16は、光源12の光の照射方向に設けられる。換言すれば、表示板16は、光源12の前方に設けられる。表示板16は、例えば、光源12の前方に設けられ、光源12の前方を覆う。表示板16は、所定のピクトグラムが描かれた光透過性の部材である。光源12から照射された光は、表示板16を透過して誘導灯10の外部に出射する。これにより、誘導灯10では、光源12から照射された光の照射にともなって、表示板16に描かれた所定のピクトグラムを明るく表示することができる。これにより、誘導灯10では、表示板16に描かれたピクトグラムの内容によって、火災や停電などの非常時に避難する人に対し、避難口や避難方向を指示することができる。
【0020】
なお、誘導灯10においてピクトグラムを明るく表示する方法は、上記に限るものではない。例えば、誘導灯10に液晶ディスプレイなどの表示装置を設け、表示装置にピクトグラムを表示することにより、ピクトグラムを明るく表示できるようにしてもよい。この場合、光源12は、例えばバックライトなど、表示装置に用いられる光源とすればよい。
【0021】
蓄電部18は、主電源PSから電源回路14への電力の供給が途絶えた時に、電源回路14に電力を供給する。換言すれば、蓄電部18は、主電源PSの停電時に電源回路14に電力を供給する。電源回路14は、主電源PSの停電時においては、蓄電部18から電力の供給を受け、蓄電部18から供給された電力を光源12に応じた電力に変換し、変換後の電力を光源12に供給することにより、蓄電部18の電力を基に光源12を点灯させる。これにより、停電などで主電源PSからの電力の供給が途絶えた場合にも、蓄電部18からの電力によって光源12を点灯させ、避難誘導を継続することができる。
【0022】
蓄電部18は、例えば、蓄電池である。蓄電部18は、例えば、大容量のコンデンサなどでもよい。蓄電部18の容量は、主電源PSからの電力の供給が途絶えた場合にも、光源12の点灯を所定時間継続可能な容量に設定される。所定時間は、例えば、20分以上あるいは60分以上などである。所定時間は、例えば、誘導灯10の設置される建築の大きさや形状などに応じて適宜設定すればよい。所定時間は、避難誘導に必要となる任意の時間でよい。蓄電部18は、必要な容量を有する任意の部材でよい。
【0023】
蓄電部18の電力は、例えば、直流電力である。電源回路14は、例えば、主電源PSから供給された交流電力を光源12に応じた直流電力に変換し、変換後の直流電力を光源12に供給する機能を有するとともに、蓄電部18から供給された直流電力を光源12に応じた直流電力に変換し、変換後の直流電力を光源12に供給する機能を有する。
【0024】
例えば、蓄電部18が二次電池やコンデンサなどである場合には、電源回路14は、主電源PSの正常時に、主電源PSからの電力に基づいて蓄電部18を充電する機能をさらに有してもよい。
【0025】
制御部20は、主電源PSの正常時に点検指示の入力を受ける。制御部20は、操作部22と接続され、操作部22から点検指示の入力を受ける。操作部22は、誘導灯10の管理者などが誘導灯10の外側から操作できるように、誘導灯10の外部に露出して設けられる。操作部22は、誘導灯10の管理者などからの操作の入力を受け付け、操作の入力に応じて点検指示を制御部20に入力する。操作部22は、例えば、押しボタン式のスイッチや、ひもを引くことで作動するプルスイッチなどである。但し、操作部22は、これらに限ることなく、管理者などからの操作の入力を受け付け、操作の入力に応じて点検指示を適切に制御部20に入力することが可能な任意の部材でよい。
【0026】
制御部20は、操作部22からの点検指示の入力に応じて、蓄電部18の電力を基に光源12を所定時間点灯させる点検動作を電源回路14に実行させる。点検動作の所定時間は、例えば、20分など、主電源PSの停電時に避難誘導を継続する必要のある最低限の時間である。
【0027】
誘導灯10(防災用照明器具)では、定期的に点検を行うことが求められている。上記のように、点検指示の入力に応じて点検動作を行うことにより、蓄電部18の電力によって光源12を必要な時間点灯させることができるか否かを確認することができる。換言すれば、蓄電部18の劣化などを確認することができる。これにより、実際に主電源PSの停電などが発生した際に、誘導灯10を適切に動作させることができる。
【0028】
電源回路14は、制御部20からの指示に応じて点検動作を開始した後、蓄電部18の電力を基に光源12を所定時間点灯させた後、主電源PSの電力を基に光源12を点灯させるとともに、主電源PSの電力を基に蓄電部18の充電を行う通常動作に戻る。
【0029】
光源用報知部24は、光源12の状態に関する報知を行う。光源用報知部24は、例えば、赤色の光を照射するランプである。光源用報知部24は、例えば、光源12が正常である場合に消灯し、光源12に異常がある場合に点灯又は点滅することにより、光源12の異常を報知する。
【0030】
光源用報知部24は、制御部20と接続されている。光源用報知部24の動作は、制御部20によって制御される。制御部20は、光源12の異常の検出を行い、検出結果に基づいて上記のように光源用報知部24の点灯状態を切り替えることにより、光源12の異常の報知を行う。光源12の異常とは、例えば、光源12の故障や光源12の接続不良などである。光源12の異常は、周知の方法によって検知すればよい。
【0031】
なお、光源用報知部24は、赤色の光を照射するランプに限ることなく、光源12の状態に関する報知を行うことが可能な任意の部材でよい。光源用報知部24の報知の態様は、光の点灯状態による報知に限ることなく、音の出力や文字などの表示などでもよい。光源用報知部24の報知の態様は、光源12の状態に関する報知を適切に行うことが可能な任意の態様でよい。
【0032】
非常電源用報知部26は、蓄電部18の状態に関する報知を行う。非常電源用報知部26は、例えば、緑色の光を照射するランプである。非常電源用報知部26は、例えば、蓄電部18が正常である場合に点灯し、蓄電部に異常がある場合に消灯又は点滅することにより、蓄電部18の異常を報知する。
【0033】
非常電源用報知部26は、制御部20と接続されている。非常電源用報知部26の動作は、制御部20によって制御される。制御部20は、蓄電部18の異常の検出を行い、検出結果に基づいて上記のように非常電源用報知部26の点灯状態を切り替えることにより、蓄電部18の異常の報知を行う。蓄電部18の異常とは、例えば、蓄電部18の電圧の低下や蓄電部18の接続不良などである。蓄電部18の異常は、周知の方法によって検知すればよい。
【0034】
なお、非常電源用報知部26は、光源用報知部24と同様に、蓄電部18の状態に関する報知を行うことが可能な任意の部材でよい。非常電源用報知部26の報知の態様は、光源用報知部24と同様に、蓄電部18の状態に関する報知を適切に行うことが可能な任意の態様でよい。
【0035】
電源回路14は、制御部20からの指示に応じて点検動作を開始した後、例えば、蓄電部18の電力を基に光源12を所定時間点灯させることができなかった場合には、点検動作を異常終了し、通常動作に戻る。制御部20は、電源回路14が点検動作を異常終了した場合には、例えば、非常電源用報知部26の点灯状態を変化させることにより、蓄電部18の異常を報知する。これにより、点検動作の実行により、例えば、蓄電部18の容量の低下などを確認することができる。
【0036】
制御部20は、電源回路14の通電時間の計時を行う。電源回路14の通電時間とは、より詳しくは、主電源PSから電源回路14に電力が供給されている積算の時間である。例えば、外部のスイッチの操作などによって主電源PSから電源回路14への電力の供給が途切れた場合には、途切れるまでの時間が制御部20に記憶され、主電源PSから電源回路14への電力の供給が再開された場合には、記憶された時間から続けて計時が再開される。これにより、電源回路14の積算の通電時間が計時される。
【0037】
制御部20は、操作部22から点検指示の入力を受けた際に、電源回路14の通電時間が予め設定された耐用時間を経過しているか否かを判定する。制御部20は、耐用時間を経過していないと判定した場合には、上記のように、点検動作を電源回路14に実行させる。
【0038】
一方、制御部20は、耐用時間を経過していると判定した場合には、電源回路14に点検動作を実行させることなく、光源12を消灯状態とすることにより、器具の寿命を報知する消灯動作を電源回路14に実行させる。換言すれば、制御部20は、電源回路14の通電時間が予め設定された耐用時間を経過した後に操作部22から点検指示の入力を受けた際には、電源回路14に点検動作を実行させることなく、消灯動作を電源回路14に実行させる。耐用時間は、例えば、100000時間程度に設定される。換言すれば、耐用時間は、例えば、10年程度に設定される。耐用時間は、より具体的には、誘導灯10(防災用照明器具)の適正な交換時期に対応する時間である。
【0039】
制御部20は、電源回路14に消灯動作を実行させた後、少なくとも主電源PSの正常時においては、電源回路14に消灯動作を継続させる。
【0040】
制御部20は、電源回路14に消灯動作を実行させた後、主電源PSが停電した場合には、蓄電部18の電力を基に光源12を点灯させる動作を電源回路14に実行させる。この場合、電源回路14は、消灯動作中においても、主電源PSの電力を基に蓄電部18の充電を行う。但し、電源回路14は、消灯動作中においては、蓄電部18の充電も停止してもよい。
【0041】
図2は、第1の実施形態に係る誘導灯の動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図2に表したように、誘導灯10の制御部20は、主電源PSからの電力の供給に応じて動作を開始すると、まず、主電源PSの電力を基に光源12を点灯させるとともに、主電源PSの電力を基に蓄電部18の充電を行う通常動作を電源回路14に実行させる(図2のステップS101)。
【0042】
制御部20は、電源回路14に通常動作を実行させた場合、例えば、光源12及び蓄電部18の異常の検出を行い、検出結果を光源用報知部24及び非常電源用報知部26から報知する。制御部20は、例えば、光源12及び蓄電部18が正常である場合には、赤色光のランプである光源用報知部24を消灯させ、緑色光のランプである非常電源用報知部26を点灯させることにより、光源12及び蓄電部18のそれぞれの正常を報知する。
【0043】
また、制御部20は、主電源PSからの電力の供給に応じて動作を開始すると、電源回路14の通電時間の計時を開始する。
【0044】
制御部20は、電源回路14に通常動作を実行させ、電源回路14の通電時間の計時を開始した後、操作部22からの点検指示の入力を待機する(図2のステップS102)。制御部20は、点検指示が入力されていない場合には、電源回路14に通常動作を実行させ、電源回路14の通電時間を計時する処理を繰り返す。
【0045】
一方、制御部20は、操作部22から点検指示が入力されると、続けて、電源回路14の通電時間が予め設定された耐用時間を経過しているか否かの判定を行う(図2のステップS103)。
【0046】
制御部20は、耐用時間を経過していないと判定した場合には、蓄電部18の電力を基に光源12を所定時間点灯させる点検動作を電源回路14に実行させる(図2のステップS104)。
【0047】
制御部20は、点検動作を電源回路14に実行させた後、点検結果が正常か否かを判定する(図2のステップS105)。換言すれば、制御部20は、蓄電部18の電力を基に光源12が所定時間点灯したか否かを判定する。
【0048】
制御部20は、点検結果が正常であると判定した場合には、電源回路14に通常動作を実行させる処理に戻る。
【0049】
一方、制御部20は、点検結果が正常ではないと判定した場合には、異常時動作を実行する(図2のステップS106)。換言すれば、制御部20は、蓄電部18の電力を基に光源12を所定時間点灯させることができなかった場合に、異常時動作を実行する。異常時動作は、例えば、非常電源用報知部26により、蓄電部18の異常を報知する動作である。制御部20は、例えば、緑色光のランプである非常電源用報知部26を点滅させることにより、蓄電部18の異常を報知する。なお、異常時動作においては、例えば、光源12を消灯させてもよい。異常時動作は、蓄電部18の異常を報知可能な任意の動作でよい。
【0050】
制御部20は、ステップS103において、耐用時間を経過していると判定した場合には、電源回路14に点検動作を実行させることなく、光源12を消灯状態とすることにより、器具の寿命を報知する消灯動作を電源回路14に実行させる(図2のステップS107)。
【0051】
このように、本実施形態に係る誘導灯10では、制御部20が、電源回路14の通電時間が予め設定された耐用時間を経過した後に操作部22から点検指示の入力を受けた際に、電源回路14に点検動作を実行させることなく、消灯動作を電源回路14に実行させる。このため、誘導灯10では、耐用時間が経過している場合には、操作部22を操作して点検指示を制御部20に入力した際に、誘導灯10が点灯した状態から消灯した状態に切り替わることになる。これにより、誘導灯10では、操作部22を操作した誘導灯10の管理者などに、適切に異常を気付かせることができる。すなわち、誘導灯10が適正な交換時期となったことを誘導灯10の管理者などに適切に報知し、誘導灯10の交換を促すことができる。
【0052】
従って、本実施形態に係る誘導灯10では、例えば、耐用時間の経過に応じて消灯動作を行う際にも、誘導灯10の管理者などが誘導灯10の消灯に気が付かずに放置されてしまうことなどを抑制することができる。例えば、消灯動作が行われた状態で、実際に火災や停電などが発生してしまい、誘導灯10が適切に機能しなくなってしまうなどを抑制することができる。本実施形態に係る誘導灯10では、例えば、部品の劣化の判定に応じて光源12を消灯させる制御を行う場合などと比べて、より適切なタイミングで器具の交換を促すことができる。
【0053】
また、1つの建築内などに誘導灯10が複数台設置された場合、複数台の誘導灯10の点検は、同じ日に行われる可能性が高い。このため、本実施形態に係る誘導灯10では、同じ時期に複数台の誘導灯10を設置した際にも、消灯動作の行われるタイミングが、複数台の誘導灯10のそれぞれでバラバラになってしまうことを抑制することができる。例えば、新しい器具の発注などを複数台の誘導灯10のそれぞれで同時に行うことができる。このように、本実施形態に係る誘導灯10では、同じ時期に設置した複数台の誘導灯10の交換時期がバラバラになってしまい、管理に手間がかかってしまうことも抑制することができる。
【0054】
また、本実施形態に係る誘導灯10では、制御部20が、電源回路14に消灯動作を実行させた後、少なくとも主電源PSの正常時においては、電源回路14に消灯動作を継続させる。このように、耐用時間が経過した場合には、誘導灯10を消灯させたままとすることにより、耐用時間が経過した状態で誘導灯10が継続して使用されてしまうことをより適切に抑制することができる。耐用時間の経過した誘導灯10の交換をより適切に促すことができる。
【0055】
但し、消灯動作は、必ずしも主電源PSの正常時に継続するものでなくてもよい。消灯動作は、例えば、点検動作を行う所定時間のみ実行し、所定時間の経過後には、光源12を点灯させる通常の動作に復帰させるようにしてもよい。消灯動作を実行する所定時間は、必ずしも消灯動作を実行する所定時間と同じでなくてもよい。
【0056】
さらに、本実施形態に係る誘導灯10では、制御部20が、電源回路14に消灯動作を実行させた後、主電源PSが停電した場合には、蓄電部18の電力を基に光源12を点灯させる動作を電源回路14に実行させる。これにより、実際の非常時などにおいては、誘導灯10を適切に機能させることができる。例えば、実際の非常時などにおいて、適切に避難の誘導などを行うことができる。
【0057】
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態に係る誘導灯を模式的に表すブロック図である。
図3に表したように、誘導灯10aは、通電時間用報知部28をさらに備える。なお、上記実施形態と機能・構成上実質的に同じものについては、同符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0058】
通電時間用報知部28は、光源用報知部24及び非常電源用報知部26とは異なる態様で、電源回路14の通電時間に関する報知を行う。
【0059】
通電時間用報知部28は、例えば、青色光や黄色光など、赤色及び緑色と異なる色の光を照射するランプである。通電時間用報知部28は、例えば、通電時間が耐用時間未満である場合に消灯し、通電時間が耐用時間以上である場合に点灯又は点滅することにより、通電時間が耐用時間を経過したことを報知する。通電時間用報知部28は、例えば、通電時間が耐用時間に近付いた際に点滅し、通電時間が耐用時間を経過した際に点灯するなど、通電時間が耐用時間に近いことをさらに報知できるようにしてもよい。
【0060】
通電時間用報知部28は、制御部20と接続されている。通電時間用報知部28の動作は、制御部20によって制御される。制御部20は、電源回路14の通電時間の計時を行い、計時の結果に基づいて上記のように通電時間用報知部28の点灯状態を切り替えることにより、電源回路14の通電時間に関する報知を行う。
【0061】
なお、通電時間用報知部28は、青色や黄色の光を照射するランプに限ることなく、通電時間に関する報知を行うことが可能な任意の部材でよい。通電時間用報知部28の報知の態様は、光の点灯状態による報知に限ることなく、音の出力や文字などの表示などでもよい。通電時間用報知部28は、例えば、通電時間を数値や図柄などで表示する表示装置などでもよい。通電時間用報知部28の報知の態様は、通電時間に関する報知を適切に行うことが可能な任意の態様でよい。
【0062】
このように、誘導灯10aは、通電時間用報知部28をさらに備える。これにより、例えば、電源回路14の通電時間が耐用時間を経過したか否かなどを誘導灯10aの管理者などにより分りやすく報知することができる。
【0063】
(第3の実施形態)
図4は、第3の実施形態に係る誘導灯を模式的に表すブロック図である。
図4に表したように、誘導灯10bは、消灯動作用報知部30をさらに備える。消灯動作用報知部30は、光源用報知部24及び非常電源用報知部26とは異なる態様で、消灯動作の実行を報知するための報知部である。誘導灯10bは、通電時間用報知部28と消灯動作用報知部30とを備える。この場合、消灯動作用報知部30は、例えば、光源用報知部24、非常電源用報知部26、及び通電時間用報知部28のそれぞれと異なる態様で、消灯動作の実行に関する報知を行う。
【0064】
消灯動作用報知部30は、例えば、青色光や黄色光など、赤色及び緑色と異なる色の光を照射するランプである。消灯動作用報知部30は、例えば、消灯動作が行われていない場合に消灯し、消灯動作が行われている場合に点灯又は点滅することにより、消灯動作が行われているか否かを報知する。
【0065】
消灯動作用報知部30は、制御部20と接続されている。消灯動作用報知部30の動作は、制御部20によって制御される。制御部20は、電源回路14に消灯動作を実行させているか否かに基づいて上記のように消灯動作用報知部30の点灯状態を切り替えることにより、消灯動作の実行に関する報知を行う。
【0066】
なお、消灯動作用報知部30は、青色や黄色の光を照射するランプに限ることなく、消灯動作の実行に関する報知を行うことが可能な任意の部材でよい。消灯動作用報知部30の報知の態様は、光の点灯状態による報知に限ることなく、音の出力や文字などの表示などでもよい。消灯動作用報知部30の報知の態様は、消灯動作の実行に関する報知を適切に行うことが可能な任意の態様でよい。
【0067】
このように、誘導灯10bは、消灯動作用報知部30をさらに備える。これにより、例えば、電源回路14の通電時間が耐用時間を経過し、消灯動作が行われたことによって誘導灯10bが消灯していることを誘導灯10bの管理者などにより分りやすく報知することができる。
【0068】
誘導灯10bは、通電時間用報知部28と消灯動作用報知部30とを備える。誘導灯10bは、必ずしも通電時間用報知部28を備えていなくてもよい。また、例えば、通電時間が耐用時間以上である場合に報知部を点滅させ、通電時間が耐用時間以上となった後、消灯動作が行われた場合に報知部を点灯させるなど、1つの報知部に通電時間用報知部28の機能と消灯動作用報知部30の機能とを持たせてもよい。
【0069】
(第4の実施形態)
図5は、第4の実施形態に係る誘導灯を模式的に表すブロック図である。
図5に表したように、誘導灯10cは、外部機器2と通信を行うための通信部32をさらに備える。外部機器2は、例えば、専用のリモコンである。この場合、通信部32と外部機器2との間の通信は、無線通信である。通信部32は、例えば、外部機器2と双方向の通信を行う。外部機器2は、例えば、スマートフォンなどの携帯型の端末などでもよい。外部機器2は、例えば、誘導灯10cの管理者などが利用する据え置き型の端末などでもよい。この場合、通信部32と外部機器2との間の通信は、有線通信でもよい。また、例えば、据え置き型の端末と有線で通信を行う場合などには、通信部32と外部機器2との間の通信は、通信部32から外部機器2に向かう方向のみの一方向の通信でもよい。
【0070】
通信部32は、制御部20と接続されている。制御部20は、電源回路14の通電時間を通信部32を介して外部機器2に出力可能である。制御部20は、例えば、外部機器2からの要求に応じて電源回路14の通電時間を表す情報を外部機器2に出力する。
【0071】
外部機器2は、例えば、表示部4を有する。外部機器2は、誘導灯10cから受信した通電時間を表す情報を表示部4に表示する。外部機器2は、例えば、受信した通電時間を表す情報を基に、数値や図柄などで電源回路14の通電時間を表示部4に表示する。
【0072】
このように、電源回路14の通電時間は、外部機器2の表示部4に表示できるようにしてもよい。これにより、例えば、電源回路14の通電時間が耐用時間を経過したか否かなどを誘導灯10cの管理者などにより分りやすく報知することができる。
【0073】
また、このように、外部機器2と通信を行うための通信部32を備える場合には、点検指示を外部機器2から通信部32を介して制御部20に入力してもよい。換言すれば、制御部20は、操作部22からに限ることなく、通信部32を介して外部機器2から点検指示の入力を受ける構成としてもよい。この場合、誘導灯10cは、必ずしも操作部22を備えなくてもよい。誘導灯10cの制御部20は、操作部22及び外部機器2の双方からの点検指示の入力を受けられるようにしてもよい。
【0074】
(第5の実施形態)
図6は、第5の実施形態に係る誘導灯を模式的に表すブロック図である。
図6に表したように、誘導灯10dにおいて、電源回路14は、整流回路40と、平滑コンデンサ41と、トランス42と、電源制御回路43と、ダイオード44、45と、平滑コンデンサ46、47と、充電回路48と、非常時点灯回路50と、常時点灯回路52と、を有する。
【0075】
整流回路40は、主電源PSから供給された交流電力を整流し、整流電力に変換する。整流回路40は、例えば、ダイオードブリッジ回路である。整流回路40は、例えば、主電源PSから供給された交流電力を全波整流する。
【0076】
平滑コンデンサ41は、整流回路40によって整流された整流電力を平滑化することにより、整流回路40から出力された整流電力を直流電力に変換する。平滑コンデンサ41は、変換した直流電力をトランス42の一次側の巻線に供給する。
【0077】
電源制御回路43は、スイッチング素子を有し、スイッチング素子のスイッチングにより、トランス42の一次側の巻線に電流を流す状態と、トランス42の一次側の巻線に流れる電流を遮断する状態と、を切り替える。
【0078】
トランス42は、2つの二次側の巻線を有する。ダイオード44は、トランス42の一方の二次側の巻線から出力される電流を整流して平滑コンデンサ46に供給する。平滑コンデンサ46は、トランス42の一方の二次側の巻線の出力を平滑化することにより、直流電力を出力する。
【0079】
ダイオード45は、トランス42の他方の二次側の巻線から出力される電流を整流して平滑コンデンサ47に供給する。平滑コンデンサ47は、トランス42の他方の二次側の巻線の出力を平滑化することにより、直流電力を出力する。電源回路14は、例えば、絶縁型フライバックコンバータである。
【0080】
充電回路48は、平滑コンデンサ46から出力された直流電力を基に、蓄電部18の充電を行う。これにより、電源回路14では、主電源PSの正常時に、主電源PSの電力を基に、蓄電部18の充電が行われる。
【0081】
非常時点灯回路50は、主電源PSの停電時に、蓄電部18の電力を基に、光源12に電力を供給することにより、主電源PSの停電時に光源12を点灯させる動作を行う。
【0082】
常時点灯回路52は、平滑コンデンサ47から出力された直流電力を基に、光源12に電力を供給することにより、主電源PSの正常時に光源12を点灯させる動作を行う。
【0083】
制御部20は、例えば、充電回路48、非常時点灯回路50、及び常時点灯回路52の動作を制御することにより、光源12の点灯、及び蓄電部18の充電を制御する。
【0084】
また、誘導灯10dにおいて、制御部20は、電源回路14の劣化の判定を行う。換言すれば、制御部20は、電源回路14に設けられた部品の劣化の判定を行う。制御部20は、例えば、平滑コンデンサ41又は平滑コンデンサ47の劣化の判定を行う。
【0085】
制御部20は、例えば、平滑コンデンサ41又は平滑コンデンサ47の電圧を検出する。平滑コンデンサ41又は平滑コンデンサ47の容量が正常である場合には、平滑コンデンサ41又は平滑コンデンサ47の電圧は、実質的に一定である。一方、平滑コンデンサ41又は平滑コンデンサ47の経時劣化により、平滑コンデンサ41又は平滑コンデンサ47の容量が低下すると、平滑コンデンサ41又は平滑コンデンサ47の電圧には、リップル成分のノイズが重畳するようになる。そこで、制御部20は、平滑コンデンサ41又は平滑コンデンサ47の電圧に重畳するリップル成分が所定の閾値を超えた際に、平滑コンデンサ41又は平滑コンデンサ47が劣化したと判定する。制御部20は、例えば、平滑コンデンサ41又は平滑コンデンサ47の電圧に重畳するリップル成分が所定の閾値を超えた回数が、所定回数以上となった際に、平滑コンデンサ41又は平滑コンデンサ47が劣化したと判定してもよい。
【0086】
誘導灯10dにおいて、制御部20は、通電時間が耐用時間を経過し、点検指示の入力を受ける前に電源回路14の劣化を判定した際に、消灯動作を電源回路14に実行させる。
【0087】
このように、電源回路14の通電時間が耐用時間以上となり、点検指示の入力を受ける前に電源回路14の劣化が判定された際に、消灯動作を電源回路14に実行させるようにしてもよい。この場合には、例えば、電源回路14の劣化具合を考慮した、より適切なタイミングで消灯動作を実行させることができる。換言すれば、誘導灯10dの管理者などに対し、電源回路14の劣化具合を考慮したタイミングで器具の交換を促すことができる。
【0088】
なお、電源回路14に設けられた部品の劣化の判定方法は、上記の方法に限定されるものではない。例えば、平滑コンデンサ41又は平滑コンデンサ47の経時劣化により、平滑コンデンサ41又は平滑コンデンサ47の容量が低下すると、平滑コンデンサ41又は平滑コンデンサ47の発熱量が増加する。従って、平滑コンデンサ41又は平滑コンデンサ47の温度を検出し、平滑コンデンサ41又は平滑コンデンサ47の温度が所定温度以上となった際に、平滑コンデンサ41又は平滑コンデンサ47が劣化したと判定してもよい。
【0089】
劣化を判定する部品は、平滑コンデンサ41又は平滑コンデンサ47に限ることなく、電源回路14に設けられた任意の部品でよい。電源回路14に設けられた部品の劣化の判定方法は、上記に限ることなく、部品の劣化を適切に判定可能な任意の方法でよい。
【0090】
電源回路14の構成は、上記に限ることなく、主電源PSや蓄電部18の電力を基に、光源12を点灯させることが可能な任意の構成でよい。劣化を判定する部品、及び部品の劣化の判定方法は、電源回路14の構成などに応じて適宜選択すればよい。
【0091】
(第6の実施形態)
図7は、第6の実施形態に係る誘導灯を模式的に表すブロック図である。
図7に表したように、誘導灯10eでは、蓄電部18が省略され、電源回路14が、外部の非常用電源EPから電力の供給を受ける。電源回路14は、主電源PSの停電時に、外部の非常用電源EPから電力の供給を受け、外部の非常用電源EPの電力を基に、光源12を点灯させる。
【0092】
このように、電源回路14は、内部に設けられた蓄電部18から電力の供給を受ける構成に限ることなく、外部の非常用電源EPから電力の供給を受ける構成でもよい。換言すれば、誘導灯10eは、電池内蔵形の誘導灯に限ることなく、電源別置形の誘導灯でもよい。
【0093】
なお、上記各実施形態では、防災用照明器具の一例として、誘導灯を示している。防災用照明器具は、誘導灯に限ることなく、例えば、停電時に点灯することにより避難経路などを所定の明るさで照らすための非常灯などでもよい。非常灯には、主電源PSの正常時に消灯する専用形の非常灯がある。従って、電源回路14は、必ずしも主電源PSの正常時に光源12を点灯させる機能を有しなくてもよい。電源回路14は、少なくとも主電源PSの停電時に蓄電部18又は外部の非常用電源EPから電力の供給を受け、蓄電部18又は外部の非常用電源EPの電力を基に光源12を点灯させる機能を有すればよい。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0095】
2…外部機器、 4…表示部、 10、10a~10e…誘導灯(防災用照明器具)、 12…光源、 14…電源回路、 16…表示板、 18…蓄電部、 20…制御部、 22…操作部、 24…光源用報知部、 26…非常電源用報知部、 28…通電時間用報知部、 30…消灯動作用報知部、 32…通信部、 40…整流回路、 41…平滑コンデンサ、 42…トランス、 43…電源制御回路、 44、45…ダイオード、 46、47…平滑コンデンサ、 48…充電回路、 50…非常時点灯回路、 52…常時点灯回路、 EP…非常用電源、 PS…主電源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7