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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014747
(43)【公開日】2023-01-31
(54)【発明の名称】高齢者等サポートシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20180101AFI20230124BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20230124BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20230124BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20230124BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20230124BHJP
【FI】
G06Q50/22
B25J13/00 Z
G08B25/10 D
G08B21/02
G08B25/04 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021118888
(22)【出願日】2021-07-19
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】303068176
【氏名又は名称】株式会社 セイフティーワールド
(72)【発明者】
【氏名】吉井 清明
【テーマコード(参考)】
3C707
5C086
5C087
5L099
【Fターム(参考)】
3C707AS34
3C707CS08
3C707KS09
3C707KS10
3C707KS36
3C707KT02
3C707WA02
3C707WA14
3C707WA22
3C707WL05
3C707WM07
3C707WM22
5C086AA22
5C086BA01
5C086BA22
5C086BA24
5C086CA06
5C086CA09
5C086CA12
5C086CA21
5C086CA22
5C086CA25
5C086CB16
5C086EA13
5C087AA02
5C087BB11
5C087BB18
5C087DD03
5C087DD14
5C087DD17
5C087DD25
5C087DD33
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF03
5C087FF04
5C087FF16
5C087FF23
5C087GG07
5C087GG14
5C087GG17
5C087GG35
5C087GG59
5C087GG70
5L099AA13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高齢者に寄り添って丁寧に見守り、健康や安全の緊急度に応じた緊急対応を迅速に、的確に、かつ、確実に実施し、高齢者にとって負担の少ない高齢者等サポートシステムを提供する。
【解決手段】システムにおいて、スマートフォン4は、内蔵するGPS機能を利用して自分の位置を確認し、被見守り者3が住む住居内部のルーター5との距離が、スマートフォンの電波が届く一定以内であることを検知すると、テザリング機能を使いWi-Fiの送受信を開始する。スマートフォン4は、ルーターが、会話型制御機6、観察会話ロボット7、安全確認センサー8、9と繋がっているので、住居内ネットワーク15と繋がる。管理センターネットワークと住居内ネットワークは、インターネットで繋がる。住居内の被見守り者への見守りや住居内安全確認は、上記機器からの情報を人工知能が分析して、被見守り者の健康及び/又はに関し異常であるか正常であるか判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住居に設置される機器であるルーター、前記住居内の住居者である被見守り者へ寄り添い観察と会話により前記被見守り者の健康情報を得る観察会話ロボット、前記見守り者の前記住居内の安全情報を得る安全確認センサー、前記被見守り者が体に装着し健康のコンディションデータを得る健康測定器、会話可能な制御機である会話型制御機、および前期被見守り者が所有するスマートフォンが前記住居内の住居内ネットワークを構成するものであり、
前記スマートフォンと前記ルーターとの距離が前記スマートフォンの電波が届く一定範囲内にある事を検知すると、前記住居内ネットワークが住居外に設置された管理センターとインターネットで繋がる事で、
人工知能が前記住居内ネットワークを構成する機器から得られる前記健康情報と前記安全情報を分析し前記被見守り者の健康や前記住居内の安全について緊急度と緊急度に応じた対応方法を決定し、当該決定により早いタイミングの的確かつ確実なサポートを実施する高齢者等サポートシステム。
【請求項2】
前記住居内の住居者である前記被見守り者が外出する時は、前記被見守り者が携帯する前記スマートフォン、および前記被見守り者が装着する前記健康測定器が外出時ネットワークを形成し、
前記管理センターが前記外出時ネットワークから送られてくる情報で前記被見守り者の緊急度と当該緊急度に応じた対応方法を決定し、当該決定により前記被見守り者の健康を守るサポートを早いタイミングで的確に確実に実施するもので、
前記被見守り者の外出中における前記住居内ネットワークに関し、前記ルーターがホームルーターの場合は、前記人工知能が前記住居内ネットワークに繋がる機器から得られる前記住居内の前記安全情報を受け、当該安全情報を分析し、前記住居内の安全に関する緊急度と緊急度に応じた対応方法を決定し、当該決定により前記住居内の安全を守るサポートを早いタイミングで的確に確実に実施する高齢者等サポートシステム。
【請求項3】
前記被見守り者の前記スマートフォンにかかってきた通話は前記スマートフォンのクラウドに自動記憶させ、通話後に前記クラウドに自動記録された前記通話記録を前記会話型制御機の記憶装置に転送し、前記通話記録を前記人工知能で分析した上で、前記被見守り者が騙され被害を受ける可能性の有無を判定し、
当該判定で被害を受ける可能性が有る場合は危険性を前記被見守り者に知らせるとともに被害を防止するための対策を早いタイミングで的確に確実に実施する事を特徴とする高齢者等サポートシステム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は被見守り者に寄り添った見守りと緊急度に応じたサポートを迅速かつ確実に実施する技術に関する。
【従来技術】
【0002】
高齢者などの見守り対象者宅で発生する異常を各高齢者の生活状況に合わせて検出し、サービス利用者に通知することのできる生活見守りシステムの提供(特許文献1)、見守り者が目を離した隙に外出して行方不明になる見守り対象者の捜索を容易にし、見守り者の高齢者や子供の見守り負担の軽減(特許文献2)、得られたデータをインターネットや電話で見守り者や家族へ送付し、見守り対象の状況を精度良く判定することができる安否見守りサーバ装置及びプログラム(特許文献3)、留守中の住宅や一人暮らしまたは高齢者の生活などにおける異常をより確実に、且つ迅速に把握することができると共に、所有者の心の安寧を図ることのできる、新規な構造の見守り型ペットロボットを提供する(特許文献4)、電波環境に依らずにドローン等の装置を適切に遠隔制御可能にする充電用装置、制御方法及びプログラム技術を提供する(特許文献5)技術であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】出願番号 : 特願2003―78204出願日 : 平成15年3月20日 公開日:平成18年10月14日出願人 : 積水化学工業株式会社 発明の名称 : 生活見守りシステム
【特許文献2】出願番号 : 特願2015-243473 出願日 :平成27年12月14日 公開日:平成29年6月22日出願人 : 株式会社インターネット・イノベーション 発明の名称 : 見守りシステム
【特許文献3】出願番号 : 特願2019―218581 出願日 : 令和元年12月3日 公開日:令和3年6月30日出願人 : ソフトバンク株式会社、ノバルス株式会社 発明の名称 : サーバー装置およびプログラム
【特許文献4】出願番号 : 特願2016―242300 出願日 : 平成28年12月14日 公開日:平成30年6月21日出願人 : 株式会社メニコン 発明の名称 : 見守り型ペットロボット
【特許文献5】出願番号 : 特願2020-102805 出願日 : 令和2年6月15日 公開日:令和2年10月15日出願人 : ソフトバンク株式会社 発明の名称 : 充電用装置、制御方法、及びプログラム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の見守り技術では、冷蔵庫の開閉状況、トイレの使用状況(特許文献1)、電気の消費状況等のセンシングと分析により異常を検出するもので、機械的で断片的なので被見守り者の状況が十分把握できていないから、検知精度が悪く、異常の検出が遅れ、緊急対応が確実ではなかった。
【0005】
従来の各種センサーや分析ソフトによる見守り方式(特許文献2,3)は、被見守り者の緊急事態において、従来方式の様に被見守り者が住む地域の支援組織、家族・知人に電話、メール、FAXで連絡しても緊急対応の専門家がいるわけではなく、消防や警察を呼ぶにも誰かが現場の状況を把握した上での報告や説明を要し、早期に確実に対応できるものではない。
【0006】
高齢者は緊急時には、即座に的確に対応できる警備派遣が望ましく警備保障会社を利用したいが、住居の安全が24時間保たれても、依頼人自身の健康保障、緊急事態のサポートに難が有り、負担が大きい割に空白が多いので負担が重かった。
【0007】
また、警備保障会社は、住居内安全に重点を置き高齢者や独居老人に対する直接的な見守りが十分ではなく、インターネット活用が十分できていなかったのでコスト低減に限界があった。
【0008】
見守りロボット(文献4)を見守りに使うには、従来技術では被見守り者への追従技術が十分ではなく、転倒した際の復帰、2階建て家屋での昇降、および段差のある床の移動で課題があり、見守りの役目が果たせなかった。
また、ドローンを見守りロボットとして連続的に使うには、着地転倒時の正常復帰を含め多くの課題が有った。
【0009】
従来の技術では、見守りが住居に限定されており、外出時がカバーされていなかったので、外出中の見守りや緊急時の対応が出来なかった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
住居に設置される機器であるルーター、前記住居内の住居者である被見守り者への観察と会話により前記被見守り者の健康情報を得る観察会話ロボット、前記見守り者の前記住居内の安全を確認する安全確認センサー、前記被見守り者が自分の体に装着し健康情報を得る健康測定器、および会話可能な制御機である会話型制御機が前記住居内の住居内ネットワークを構成するもので、
前記被見守り者が所有するスマートフォンの位置が前記ルーターの位置に対して一定距離内にある事が検知されると、前記住居内ネットワークが住居外に設置された管理センターとインターネットで繋ぐ事で、
前記住居内ネットワークに繋がる機器、および前記スマートフォンから得られる情報により前記被見守り者の健康状態や前記住居内の緊急度と緊急度に応じた対応方法を決定し、前記被見守り者の健康と前記住居の安全を守る対応をする高齢者等サポートシステム。
【0011】
前記住居内の住居者である被見守り者が外出する時は当該被見守り者が前記スマートフォンを携帯し、前記健康測定器を装着し外出時ネットワークを形成し、前記管理センターが外出時ネットワークから送られてくる情報で被見守り者の緊急度と当該緊急度による対応方法を決定し、前記被見守り者の健康を守る対応を実施し、
前記ルーターがホームルーター(家庭内固定用のインターネット端末)、またはモバイルルーター(移動可能なインターネット端末)である場合には前記管理センターが前記住居内ネットワークに繋がる機器からの前記住居内の安全に関する情報を受け、当該情報を分析し、前記住居内の安全に関する緊急度と緊急度に応じた対応方法を決定し、前記住居内の安全を守る対応をする事を特徴とする高齢者等サポートシステム。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、高齢者にも普及が進みつつある前記スマートフォンや前記ホームルーターをインターネット通信に使う事で取り扱いが容易な事、新たなインターネット通信の回線を追加する必要が無い事、従来の固定電話を廃止できる可能性が有る事から住居内の機器構成が単純化し、コストも下がるので高齢者やインターネット弱者にとって採用し易い。
【0013】
また、前記住居内ネットワークに繋がる機器で、前記被見守り者の具体的な健康情報を入手し、緊急度判断や緊急度に応じた対応方法の決定を早期に正確に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】基本構成(今後の技術開発を想定した充実モデル)
図2】簡易構成(幅広い普及を考えた簡易モデル)
図3】外出時構成(外出時の緊急事態対応)
図4】マウス型の観察会話ロボット
図5】マウスドア
図6】マウススロープ
図7】ドッグ型の観察会話ロボット (外観イメージ)
図8】犬の骨格と手根間接
図9】ドッグの足下部
図10】ドッグの起き上がり
図11】ドローン
図12】充電装置と着地台
図13】電磁カプラー部
図14】ドローンの吊り上げ点
図15】吊上げ充電部
図16】ドローンのハンドリング
図17】実施例2
【発明を実施するための形態】
【0015】
最初に基本的な考え方について説明する。本システムは被見守り者3として独居老人を始めとする高齢者を主な対象に、寄り添いによる観察、会話で情報を集め分析し、緊急度に応じたサポートを早期に的確に確実に実施するのが目的である。
【0016】
下記、実施例1,実施例2に共通する警備員の派遣に関して、管理センター1を運用する運用会社と警備保障会社との間で、管理センター1の指示により警備保障会社の警備員を派遣しユーザーへのサポートを実施する契約を締結する。その上で、被見守り者3もしくは被見守り者3の家族が管理会社との間で警備員派遣の契約を締結し料金を支払うことで、被見守り者3の緊急時には管理センター1の指示を受けて緊急対応の専門家である警備員が被見守り者3のところへ派遣される。
被見守り者3は、警備保障会社と常時契約する必要が無く、緊急時だけ警備員の派遣をうけることで経済的負担を軽減すとともに、早期の的確で確実なサポートを受けられる。
【実施例0017】
下記の例では、(0015)の基本方針を実現するもので、
住居2内部で被見守り者3を見守るシステムに関し、被見守り者3の負担を下げるため、高齢者への普及率が高まり、加えて扱いの容易なスマートフォン4を活用するもので、インタ-ネット回線を増加させない事、および固定電話を廃止できることでコストを下げる事が可能である。
観察会話ロボット7を初めとする会話機器にて被見守り者3を観察し、被見守り者3との会話で健康情報を得ることで被見守り者3の健康状態、および住居2内部の安全を検知し、人工知能で緊急度と緊急度に応じた対応方法を決定し、被見守り者3に対するサポートを早期に的確に確実に実施する。
【0018】
図1は実施例1を実現する基本構成、図2は簡易構成である。図1の基本構成は今後の各種開発が出来た場合のモデル、図2の簡易構成は現在時点で出来るだけシステムを簡素化し、幅広い高齢者救済を考えたモデルである。
以下は当該基本構成について説明する。スマートフォン4が自分に内蔵するGPS機能を利用して自分の位置を確認し、被見守り者3が住む住居2内部のルーター5との距離が、スマートフォン4の電波が届く一定以内であることを検知すると、スマートフォン4がテザリング機能を使いワイファイ(Wi-Fi)電波の送受信を開始する。
スマートフォン4は通常、充電器にセットするが、被見守り者3が電話している時もインターネットはテザリングで同時利用できる。
【0019】
このようにして、スマートフォン4のワイファイ電波の送受信が開始されると、ルーター5がスマートフォン4の電波を受け、ルーター5は住居2内部のシステムである会話型制御機6、観察会話ロボット7、安全確認センサー(8.9)と繋がっているので、スマートフォン4と住居内ネットワーク15が繋がり、更に住居外に設置されている管理センターネットワーク14と住居内ネットワーク15はインターネットでつながる事になる。
【0020】
住居内の被見守り者への見守りや住居内安全確認は次の4種類の情報を利用し、これらの情報を人工知能が分析して被見守り者3の健康に関し異常であるか正常であるか、また被見守り者3の住居内安全に関し危険か安全かを判定する。
・ 観察会話ロボット7による被見守り者3の観察情報
・ 会話機器である観察会話ロボット7、会話型制御機6、スマートフォン4(以下 会話機器とする)が人口知能の利用で実施する被見守り者3との会話情報
・ 被見守り者3の身体に装着する健康測定器10からの健康データ情報
・ 安全確認センサー(8,9)のデータ情報
【0021】
前記人工知能は、会話機器を通じた被見守り者3との会話(以下 会話AIとする)、観察会話ロボット7による被見守り者3への追従(以下 追従AIとする)、被見守り者3の健康や被見守り者3の住居内安全の判定と当該判定による緊急度に応じた対応方法の決定(以下 対応決定AIとする)、各種データ分析(以下 分析AIとする)、および画像分析(以下 画像AIとする)を担う。
このうち、会話AIは管理センター1に必要で、その他に会話型制御機6、観察会話ロボット7のうちの全部かいずれかに存在していても良い。
追従AIは会話型制御機6、観察会話ロボット7のうちの全部か、もしくはいずれかに存在していても良い。
対応決定AIは管理センター1に必要である。
分析AIは会話型制御機6、観察会話ロボット7のうちの全部かいずれに存在していても良い。
画像AIは会話型制御機6もしくは会話型制御機6に存在させる。
なお、人工知能を使うケースでも、人工知能以外のソフトウェアで対応できる場合は、人工知能の使用にこだわらない。
【0022】
会話型制御機6は、ルーター型計算機で、被見守り者3との会話が出来るほか、安全確認センサー(8,9)とブルーツース(Bluetooth)で繋がり住居2内部の安全情報の受けとり、住居内ネットワーク15に繋がる機器の制御を担う。
【0023】
選択できる観察会話ロボット7は次の3種類となる。選択方法として下記3種類のうち、1種類を選択、複数種類の組み合わせ、および種類毎に複数とすることで制限はない。
・ オモチャサイズの四輪駆動車で被見守り人3を追従し、パトロールのため移動(以下 移動とする)するロボットで「マウス」と呼ぶ
・ 足の数が2足から6足の人間型、ペット型、昆虫型など愛らしい外形で、マウスと同様移動し、日本家屋の階段を昇降可能なロボットであり、ここでは4本足の犬型を紹介し「ドッグ」と呼ぶ
・ 屋内や庭を飛行する「ドローン」
以下で、これら3種類の観察会話ロボットで共通の内容を説明する場合は観察会話ロボットとする。
【0024】
観察会話ロボットが「マウス」のケース
被見守り者3の住居2は2階建ての日本家屋を想定し、マウス16は被見守り者3に追従して移動、観察、会話し、必要に応じて単独パトロールするもので、次の機能や条件を満たす。
・ ドア29を通過できる仕組み(図5
・ 階段32横のスロープ33を昇降する仕組み(図6
・ 被見守り者3への追従機能
・ 被見守り者3が踏んでも躓かない様に被見守り者3経っている時は一定の距離を保つ機能
・ 被見守り者3がマウス16を踏んでも壊れない耐久性
・ 被見守り者3に追従し住居2内部を移動する機能と能力
・ 被見守り者3を観察し被見守り者3と会話する機能と能力
【0025】
「マウス」(1)ドア29を通過できる仕組み
住居2内部では図5の様に各部屋のドア29の下部に小さなドアであるマウスドア30を設け、マウスドア30の上部にヒンジ31がありマウス16の押す力でマウスドア30が開き重力で閉まる方式となっている。トイレ、風呂、あるいは大変狭い空間は例外空間とし、当該例外空間にはマウスは入らず、ドアの外で待機して状況を観察するため、当該例外空間にはマウスドア30は設置しない。
【0026】
「マウス」(2)階段32横のスロープ33を昇降する仕組み
図6の昇降すべき階段32について、階段32の傾斜が50度を超えない範囲であれば、階段32の片方の端にマウス16が昇降する滑り止め付きのマウススロープ33を設ける。車の登坂力最高はランドクルーザーやジープで土の道路で45度の登坂力が有る。これに対して図6のマウススロープ33に関する説明やデータでも書いているようにマウススロープ33では樹脂による強い滑り止めを施すことから50度のスロープでも登坂が出来る。また後部への転倒はマウス16の下部に重いリチウム充電電池21(図4)や駆動モーター22(図4)を設置し重心を下げることで対策できる。
因みに、日本住宅の階段の角度は過去データで45度前後とされており、新住宅では傾斜角度が小さくなる傾向である。
もし、マウススロープ33を設置しない場合は、各階ごとにマウス16をおく。
【0027】
「マウス」(3)被見守り者3への追従機能
被見守り者3への追従は、図4で説明すると、
赤外線カメラ17の画像情報から人工知能(追従AI)が人間の温度域と温度域形状から説明するとを認識の上、被見守り者3が向いている方向を検知、赤外線距離センサー28による被見守り者3との距離を測定、マウス16内部のGPS24がマウス16自身の位置を測定し、更にこれら測定値を人工知能(追従AI)が分析してマウス16の制御機18に移動の指示を出して実施する。
【0028】
「マウス」(4)被見守り者3が踏んでも躓かない様に距離を保つ機能
図4で、被見守り者3が踏んで躓かないために被見守り者3が立っている状態を可視光線カメラ19や赤外線カメラ17が検知すると、赤外線距離センサー28による距離計測から人工知能(追従AI)が指示し、被見守り者3の歩幅以内には近づかないよう制御する。
【0029】
「マウス」(5)被見守り者3がマウス16を踏んでも壊れない耐久性
図4で、マウス16のフレームや外装板は軽量で耐荷重が大きい金属で例えばジュラルミンを使い、車軸やタイヤ23に荷重がかからないよう、仮にマウス16の上へ大きな荷重がかかった場合は、バネ式サスペンションのバネが圧縮しタイヤ23の下部がマウス16の下部と同じ位置になり、荷重をマウス16のフレームが受ける構造とする。
【0030】
「マウス」(6)被見守り者3に追従し住居2内部を独力で移動する機能と能力
前記の様に、マウス16は被見守り者3に追従し、単独でパトロールして住居2の内部の必要な個所は移動できる。
マウス16が転倒した場合の処置は、マウス16が小型で軽量であることから、マウス16もしくは会話型制御機6から警告を出し、同時に管理センター1に連絡し、被見守り者3が簡単に復帰できる場合は被見守り者3が復帰させ、そうでない場合は管理センター1に連絡して管理センター1が対応する。
【0031】
「マウス」(7)被見守り者3を観察し被見守り者と会話する機能と能力
次の内容は、観察会話ロボットであるマウス16、ドッグ34、およびドローン44において共通で被見守り者3の次のような異常状況を確認する。
・倒れた
・動かなくなった、あるいは動きがおかしい
・けがをした
・姿が見えなくなった
・トイレに入って出てこない
・風呂に入って出てこない
これらの異常状況を含め、異常を発見するには被見守り者3との会話が重要になる。会話は人工知能(会話AI)が観察会話ロボットを通じて次の様に実施する。
(a)観察会話ロボットが前記異常状態を検知した時、被見守り者に話しかけて状況を確認する(観察会話ロボットの他に会話型制御機6、スマートフォン4も会話AIを利用し被見守り者3に話しかけることが出来る)
(b)話しかけによる会話の反応、会話の内容を確認する
(c) 会話のチャンス作りにスケジュール管理を利用する
【0032】
観察会話ロボットの会話機能は、前記の様に会話型制御機6、スマートフォン4と共通であり、説明が重なることを防ぐため、全部の会話機器に関し3種の共通機能を次に説明する。
「会話機器」の共通機能1
(a)会話機器が前記異常状態を観察した時、被見守り者3に話しかけて状況を確認する。
会話機器が被見守り者3に状況確認のため話しかけ、その会話内容を人工知能(会話AI)が分析して緊急度を判定し、緊急度に応じた対応方法を決定し、その決定に従って管理センター1が対応する。
【0033】
「会話機器」の共通機能2
(b)会話機器が人工知能(会話AI)を利用して被見守り人3に話しかけ、被見守り人3の返答状況、および返答の内容について分析する。
被見守り人3の返答からの返答に関しては、問いに対して的が外れてないか、表現が正しいか、舌のもつれが無いか、時間が掛かっていないかを人工知能(分析AI)が分析し、痴呆症、脳障害の有無や程度、および進捗度を分析し、緊急事態が予想される場合は、その事態に備える。
【0034】
「会話機器」の共通機能3
(c)会話のチャンス作りにスケジュール管理を利用する
被見守り者3の日スケジュールを予め家族を始めとする世話人が起床、薬の服用、血圧や脈拍の測定、食事、運動、入浴、外出、就寝、その他のスケジュールを入力設定しておく。時間管理により予定時刻になったスケジュールを人工知能(会話AI)が会話機器を通じて被見守り者3へ告げる事により、人工知能(会話AI)と被見守り者3との会話材料を与え、必要な情報を得る。
スケジュールの変更は人工知能(会話AI)が会話機器を通じた被見守り者3との会話で聞き出し、更新させる。
【0035】
観察会話ロボットが「ドッグ」のケース
ドッグ34もマウス16と同様に、可視光線カメラ19、マイクとスピーカー27、ライト20、ワイファイルーター26、赤外線カメラ17、赤外線距離センサー28、GPS24、および重力センサー(3次元加速度センサー)25を備え、被見守り者3の移動に対しては追従し、会話できる位置を保ちながら会話し、追従は前記追従AIが制御する。
【0036】
またドッグ34もマウス16と同様に、被見守り者3の住居2は2階建ての日本家屋を想定し、前記のように被見守り者3に追従して移動し、観察し、会話する。
その上で、転倒時に独力で起き上がる事で被見守り者が通常の生活で行く可能性が有る住居2内部の領域へ独力で移動できる機能と能力を持たせる。
このため、ドッグ34は次の条件を満たすことを説明する。
(1) 階段を昇降できる仕組みと機能
(2) 転倒時に自ら起き上がる機能
(3) ドアの開閉を被見守り者へ促す機能
(4) 被見守り者への追従機能
(5) 被見守り者を観察し被見守り者と会話する機能
【0037】
「ドッグ」(1)階段を昇降できる仕組みと機能
ドッグ34の足裏37は同サイズの犬に比べて接地面積が大きく、弾力と摩擦力の大きい樹脂製のすべり止めを装着する。
階段を上る時には、左前足を(1)、右前足を(2)、左後足を(3)、右後足を(4)、全足の足裏が階段の踏み板や床を踏む。当該足裏と当該踏み板や当該床との接触面積が最大になるよう制御され固定されている状態を全足固定とする時、
ドッグが階段を上昇開始する状態(ドッグが最初の階段に向かっている)からの動きは、例えば次のステップとなる。
NO1:(1)の左前足を上げ最初の階段の踏み板に足裏を置き、全足固定
NO2:体を上に上げながら(2)の右前足を最初の階段の踏み板に足裏を置き、全足固定
この様に左右の前足を先に1段上に進め、次に後足を上げる時に二つの前足で体重を支えるのが静的な動きではバランス上も優れる。
NO3:(3)の左後足を床上で一歩前に進め、全足固定
NO3:(4)の右後足を床上で一歩前に進め、全足固定
これで、ドッグの前足が最初の階段にかかり1歩上昇し、後足も一歩前進した。
そして、後足が最初の階段の直前に来たところから1段上がるには次のステップとなる。
NO1:(1)の左前足を上げ1段上の階段の踏み板に足裏を置き、全足固定
NO2: 体を上に上げながら(2)の右前足を上げ、左前脚が上がった階段の踏み板に足裏を置き、全足固定
NO3:(3)の左後足を上げて最初の階段の踏み板に足裏を置き、全足固定
NO4:(4)の右後足足を上げて最初の階段の踏み板に足裏を置き全足固定
この状態でドッグの四足が1段分上昇できた。このような動作を繰り返し、階段を上る事が出来る。降りるときは逆の動作となる。
【0038】
「ドッグ」(2)転倒時に自ら起き上がる機能
図10のように、ドッグが転倒時は次のステップで立ち上がる。なお下記で説明する回転軸は、体の後部から頭に向けた体の軸とする。
ステップ0:ドッグは自らの転倒を重力センサー(図は省略)で検知する
ステップ1:内蔵するカメラで周囲の状況を把握し、起き上がり動作が可能な目標位置決定した上で、転倒したままの状態を保ちながら前足と後足で当該目標位置へ移動し、四足を伸ばす(図10,A―a、B―b)
ステップ2:前足を頭の方向に後足を頭と逆方向に伸ばし円柱状態になりうつ伏せへの回転に備える。うつぶせ状態への回転方向は時計回りとは反対の左回りとなる(図10,B―a、B―b)
ステップ3:ステップ2の状態から、次の動作を同時に実施する。
後足のうち下側の右後足を伸ばした状態から、足先を強めに床につけ下半身を前に押し出すよう背中の方向に向けて適切な力で蹴り、首と上半身を垂直方向で上に持ち上げながら左回り方向に傾けつつ首と上半身を左回りの方向にねじる。これらの動きにより体全体を反時計回りに90度回転させ、うつ伏せ状態になる(図10,C―a、C―b)
ステップ4:体のバランスを保ちつつ畳んだ前足と後足を伸ばしながら立ち上がる(図10,D―a、D―b)
上記、起き上がりのステップは、何度か試行し分析AIにより改善する事で、より円滑で確実な起き上がり動作にできる。
【0039】
「ドッグ」(3)ドアの開閉を被見守り者へ促す機能
ドッグ34が小さい場合は、マウスドア30の様に、部屋のドアの中にドッグドアを作成する場合が有る。
しかし、ドッグ34は通常、マウス16に比べサイズが大きいのでドッグドアの作成が難しい場合には、住居内の部屋のドア29が全閉しないようドアを開けたまま固定するか、ドッグ34が被見守り者3へ会話でドアを開けるよう依頼する方法しか選択できない。
【0040】
「ドッグ」(4)被見守り者への追従機能
マウス16の場合と同様である。
【0041】
「ドッグ」(5)被見守り者を観察し被見守り者と会話する機能
前記会話機器の共通機能であり省略する。
【0042】
観察会話ロボットの「ドローン」のケース
ドローン44は広い空間を持つ部屋や庭などの屋外における被見守り者3の見守りに適する。
図11のドローン44は移動にプロペラ45を使い空中を飛ぶ。このようにドローン44の移動方法はマウス16やドッグ34とは異なるが、被見守り者3へ追従するための分析と判断、被見守り者3の観察方法、および会話方法はマウス16やドッグ34と基本的に同様である。また、ドローン44は緊急事態に住居周辺の安全確認を実施する場合がある。
今回発明したドローン44の自動充電方式は2ケース有り、それぞれを自動充電1,および自動充電2として説明する。また、自動充電1の応用でドローン44を目標円内63Cの中心に移動させる方法、および多種多数のドローンの発進や格納などについて説明する。
【0043】
「ドローン」の自動充電1説明1
マウス16やドッグ34は従来技術で充電装置まで移動し充電することが可能であり、説明は省いたが、このドローン44の自動充電が参考になる。
さて、ドローン44は従来技術で出発地へ自己帰還できても、正確な着地位置や方向に合わせる事が難しいので、自動充電するための装置や仕組みが必要になる。なお、ドローンは運転時間が短いので複数機の運用を前提としている。
図12で、ドローン44の充電では充電装置57を使用する。ドローン44を円盤着地台63の中に有る目標円内63Cの中心を目標に着地させる。円盤着地台63内へ転倒なく着地出来た場合を「着地OK」とする。着地OKの確認のため、充電装置57の伸縮アーム1(57-1)に搭載している赤外線カメラ58や赤外線距離センサー59を使う。赤外線カメラ58では画像処理AIが分析し、赤外線距離センサー59ではドローン44を水平方向で連続的にスキャンしたデータを分析AIして判定する。
また、別の着地OK確認方法として、図12の円盤着地台63の外側の円周に位置や角度を確認する表示(以下 確認表示とする)を3箇所以上設置し、図11のドローン44に搭載の可視光線カメラ53、赤外線カメラ50、赤外線距離センサー(49a、49b)で獲得する確認表示のデータを分析AIで分析し判定する方法がある。
【0044】
「ドローン」の自動充電1説明2
上記によりドローン44の着地OKが出た場合は、ドローン44が向いている水平方向が充電装置57から見て給電に適する方向(以下 給電角度とする)を向いているかを確認する。ドローン44を給電角度にするには、図12の円盤着地台63を回転させ赤外線カメラ58と画像AIによる判定、もしくは赤外線距離センサー59と分析AIによる判定により給電角度で停止させる。
なお、図12の充電装置57に赤外線受光器を設け、図11のドローン44の赤外線距離センサー49bからの赤外線を受光する事でも給電角度を検知する事が出来る。
もし、着地OKではない場合、ドローン44が上昇可能な場合にはドローン44を上昇させ、再度着地を試みる。着地OKにならない場合には、警報を出し、被見守り者3や被見守り者3の関係者が対応するか、管理センター1への連絡でメンテナンス要員が現地に行き対応する。
【0045】
「ドローン」の自動充電1説明3
図12で円盤着地台63が給電角度に固定されると、充電装置57の伸縮アーム1(57-1)、伸縮アーム2(57-2)、伸縮アーム3(57-3)〈以下 伸縮アーム1~3の全体を伸縮アームとする〉が伸び、赤外線距離センサー59による計測で電磁石固定アーム61の先端に有る電磁石コイル65がドローン44の磁性体プレート66に接する手前で伸縮アームを停止させる。次に図13のリニアアクチュエータ64による制御と駆動により電磁石固定アーム61を伸ばし電磁石コイル65が磁性体プレート66に接するよう停止させた上で電磁石コイル65に直流電流を流し電磁石コイル65と磁性体プレート66を結合させ、ドローン44を伸縮アームに結合させることで固定する。
磁性体プレート66は鉄、ケイ素鉄、パーマロイ、 ソフトフェライト、センダスト、パーメンジュール、電磁ステンレス、アモルファスに代表される磁性体材料をプレート状に形成したものである。
なお、伸縮アーム1(57-1)には2本のタイヤ62がついており、伸縮アーム全体では合計6本のタイヤとなる。伸縮アームの駆動では当該駆動をリードする伸縮アーム3(57-3)が動く方向や移動距離に合わせ全体が強調して動く。図12の最左線57Lは伸縮アームが左に寄った位置、最右線57Rは右に寄った位置を示す。
【0046】
「ドローン」の自動充電1説明4
ドローン44が固定されると、充電装置57がリニアアクチュエータ64により電磁カップリングアーム60を伸ばし、電磁カプラー68の位置をドローン44の電磁カップリングプレート67に接するよう停止させる。電磁カプラー68に交流電流を流し、充電装置57の電磁カプラー68とドローン44の電磁カプラー69が電磁的につながり、交流電流が交直変換器70に流れ交直変換されて直流電流が直流導線71に供給され、ドローン44のリチウム充電電池54が充電される。
【0047】
「ドローン」の自動充電1説明5
前記「ドローン」の自動充電1説明3では、ドローン44の固定に電磁力を利用した。他の方法として、電磁力の代わりに吸盤の真空圧を利用した方法がある。磁性体プレート66が無い状態で、電磁石固定アーム61の先に、磁石コイルではなく吸盤を取り付け、当該吸盤を電磁カップリングプレート67に密着させ、吸盤の内部圧力を真空にして、電磁石固定アーム61と電磁カップリングプレート67を結合させ、ドローン44を固定するものである。
【0048】
自動充電1を応用しドローン44を目標円内63Cの中心に移動させる方法
図11でドローン44の側面に設置した電磁カップリングプレート67、磁性体プレート66を正面に設置すること(以下 結合機器の正面設置とする)、および円盤着地台63の表面に設置脚44fとの摩擦の少ない樹脂が有る事が前提条件になる。
図12の円盤着地台63を回転させ、ドローン44の正面を伸縮アームの方向に向けさせる。次に、「ドローン」の自動充電1説明3で説明したと同様に、伸縮アームの先に有る電磁石固定アーム61を伸ばし電磁石コイル65が磁性体プレート66に接するよう停止させ、電磁石コイル65に直流電流を流し磁力で電磁石コイル65と磁性体プレート66を結合させ、ドローン44を伸縮アームに結合させる。その上で、伸縮アームを収縮させドローン44を引っ張って目標円内63Cの中心に移動させる。
【0049】
結合機器の正面設置に合わせて、図13のように電磁カプラー69、および交直変換器70をドローン44の正面に設置し、自動充電1をドローン44の正面で実施する方法もある。
【0050】
「ドローン」の自動充電2説明1
図16のドローン用ハンドリングロボット85を使う転倒対策を含めた自動充電方式を説明する。なお、図14図15図16のドローン44bは説明の混乱を避けるため、ドローン44と異なる符号44bをつけたが実質はドローン44と考えて良い。
図14のドローン44bの上部では吊上バランス点72を設定し、吊上バランス点72の周りに吊上部磁性体プレート74を4枚設置している(図14で吊上バランス点72の左上、右上、左下、右下の4箇所)。吊上バランス点とは、ドローン44bを紐で一点吊りする時、ドローン44bの水平バランスが維持される点である。同様に吊上部磁性体プレート74も4枚にそれぞれ紐をつけて4点吊りした時、ドローン44bの水平バランスが維持できるよう設定されている。
【0051】
「ドローン」の自動充電2説明2
図15のドローン用ハンドリングロボット85には、先端アーム86に取り付けた吊上充電ハンド75、および吊上充電ハンド75の内部に電磁石固定アーム78が4本、電磁カップリングアーム77が1本ある。また電磁石固定アーム78にはそれぞれリニアアクチュエータ80と電磁石コイル79が装備されおり、電磁カップリングアーム77にはリニアアクチュエータ80と電磁カプラー76が装備されている。先端アーム86は関節部の関節的な動きに加えて先端アーム86の軸を中心とした回転もできる。
【0052】
「ドローン」の自動充電2説明3
図16では、ドローン44bが転倒しているところへ、ドローン用ハンドリングロボット85の先端アーム86についた吊上充電ハンド75が接近し停止し、図15の吊上充電ハンド75内部の4本の電磁石固定アーム78がそれぞれのペアになる図14の4つの吊上部磁性体プレート74に接近するよう制御され、最後はリニアアクチュエータ80により電磁石コイル79が吊上部磁性体プレート74に接する位置で停止する。次に電磁石コイル79に直流電流が流され電磁石コイル79と吊上部磁性体プレート74が磁力で結合する事で、ドローン用ハンドリングロボット85がドローン44bを結合させ固定する。
次にドローン用ハンドリングロボット85がドローン44bを持ち上げ、転倒から復帰させつつ目標円内63Cの中心の位置、および目標の方向に調整し、置く事が出来る。
当然、ドローン用ハンドリングロボット85はドローン44bが転倒していない場合は、目標円内63Cから外れた位置に着地したドローン44bを容易に目標円内63Cの中心位置で、方向調整し置くことができる。
【0053】
「ドローン」の自動充電2説明4
ドローン用ハンドリングロボット85はドローン44bを結合させた状態で充電出来る。当該結合状態で、ドローン用ハンドリングロボット85は電磁カップリングアーム77の先端に有る電磁カプラー76をドローン用ハンドリングロボット85の各アーム、およびリニアアクチュエータ80の制御により吊上部プレート73のバランス点72に接するよう停止させ、電磁カプラー76に交流電流を流すと、ドローン44b側の電磁カプラー82に交流電流が流れ、交直変換器83による交直変換で直流電流に変換しドローン44bのリチウム充電電池を充電する事が出来る。
【0054】
「多種多数のドローンの発進や格納」
上記ドローンの自動充電2の技術は、多種多数のドローンの取り扱いに応用できる。
ドローン用ハンドリングロボット85用の吊上充電ハンド75を多種のドローン用に用意すれば、吊上充電ハンド75を自動交換するだけでサイズや形状の異なる多種のドローンを持ち上げ、指示する位置に方向角度も設定して置くことが出来る。
更に、ドローン格納庫、数台のドローン用ハンドリングロボット85、ドローン移送用のベルトコンベア、およびエレベータをセットすれば、自動で多数のドローンを格納し、充電し、必要時に必要とするドローンを運びだし、発信させることが出来るようになる。逆のプロセスで次々着地するドローンをきちんと格納する事も出来る。
【0055】
上記、ドローンの移送にはドローンの破損を防ぎ、ドローン用ハンドリングロボット85の操作によりドローンの出し入れが自動でできる保護ボックスを用意し、ドローンを保護ボックスに収納させて移送する事が望ましい。
前記保護ボックスは透明で不燃性の高い樹脂で、外部との通気性を確保し、上部や側面には製造番号、仕様、製造年月日、電池最終交換日、製造メーカ、電池メーカと電池型番、メンテナンス担当者名、およびメンテナンス電話番号の情報が記録されたQRコードを貼り付ける。
【0056】
観察会話ロボット7のうち、ドローン44は積載するリチウム充電電池54の容量の制限から、連続的な見守りにおいては、前記のように、複数ロボット(以下 複数機という)の運用が前提であり、マウス16やドッグ34においても、複数ロボットの運用が必要になる場合がある。そこで、観察会話ロボット共通の課題として、連続運転、獲得データ、電池容量管理について説明する。
【0057】
「観察会話ロボットの連続運転」
飛行中のドローン44(以下 現ドローンとする)から、次のドローン(以下 次ドローンとする)への引継ぎでは、現在飛行中で被見守り者3への見守りを実施中の現ドローンのリチウム充電残量や飛行の状態から、分析AIにより引継ぎの時間と場所が予想されるため、次ドローンは引継ぎに間に合うように飛び立ち、空中で衝突の無い場所に待機し、引継ぎ可能が確認できて引き継ぎ完了とし、現ドローンは帰還する。
【0058】
「観察会話ロボットのデータ管理」
複数の観察会話ロボットの運用であっても、データは共通なので、種類ごとのデータは整理して連続性や繋がりを持たせ分析や制御に活用できるようにし、一つのファイルにまとめ管理センター1,会話型制御機6に保存する。また当該ファイルをバックアップや使い勝手の良さから、マイクロソフトやグーグルのクラウドに保存する。当該クラウドは記憶容量の問題から、古いデータは保存期間を決め、保存期間を過ぎたファイルは消去する。
観察会話ロボット間で、獲得したデータや情報に差が出た場合は、分析AIを使ってデータ取得時の条件との整合性や合理的な判定で修正もしくは調整する。
【0059】
「観察会話ロボットの充電管理」
ドローン44のリチウム充電電池54の残電気容量は、帰還時に30%以上を残すことを目標にし、マウス16やドッグ34も同様とする。
3日を超える長期停止の場合は、満充電がリチウム充電電池54を痛めるので、自動で放電させ、残電気容量を60~80%に留める。
【0060】
会話以外で被見守り者3の情報を得る方法として身体に装着する健康測定器10は被見守り者3の健康データを直接計測するので重要である。
健康測定器10は被見守り人3が住居2内部にいる場合と住居外にいる場合のいずれのケースでも被見守り者3の健康判断に利用できる。
健康測定器10は腕、首、腰に装着する測定器で、脈拍数、血圧、歩数、移動距離、睡眠時間、健康測定器10の位置を計測してスマートフォン4、もしくは会話型制御機6に無線で送付し、対応決定AIが被見守り者3との会話からえら得られるデータ、および観察会話ロボット7が被見守り者を観察したデータと合わせて総合的に緊急度を判定し、緊急度に応じて対応方法を決定する。
【0061】
また、住居2の内部安全を確認するための安全確認センサー(8,9)には安全確認用の火災センサー、ガスセンサー、施錠センサー、カメラ、マイク、人感センサー、およびドア開閉センサーが有り、いずれも会話型制御機6に無線で繋がり、人工知能(対応決定AI)が被見守り人3の健康、住居3内部の安全に関して判定する。
図1図2図12では安全確認センサー(8,9)の様に2種類としているが、種類や個数を限定しない。
【0062】
被見守り者3が外出する際にはスマートフォン4を携帯する。
その際、次のケースは緊急性と位置付けられる。
・被見守り者3がスマートフォン4の緊急スイッチを押した場合
・健康測定器10の情報を管理センターの人工知能(対応決定AI)が分析し異常と判断した場合
・スマートフォン4からの発信電波が止まった場合
・健康測定器当該10もしくはスマートフォン4で被見守り者3の動きが一定時間検知されず、管理センター1から電話で被見守り者3に呼びかけても返事が無い場合
・被見守り者3が管理センター1へ電話し体調不良などを訴え人工知能(対応決定AI)が緊急と判断した場合
【0063】
人工知能(対応決定AI)が健康状態を分析し、緊急度を決定すると、人工知能(対応決定AI)の次のステップとして対応方法を決定する。
緊急度が高い場合は警備保障会社の警備員の派遣が選択肢に有り、消防が被見守り者のいる現地に到着する時刻が警備員より早く消防だけで対応できる場合は消防に任せ、警備員が現地に到着する時刻が消防より早い場合とか警備員で対応できる場合は警備員を派遣するなどを人工知能(対応決定AI)が分析し管理センター1から指示を出し対応する。
【0064】
被見守り者3が、管理センター1を利用したインターネットサービスである a(医療、健康、法律、および金融の相談)、b(介護、マッサージ、清掃、各種修理の申し込み)、c(食品、日用雑貨、家電などの配達付き購入)を希望する場合は、予め、被見守り者3が管理センター1に会話型制御機6やスマートフォン4で申し込み契約する。
契約後、管理センター1が適切な候補を選択し、被見守り者3の会話型制御機6やスマートフォン4にサービス利用するための案内、および入力や決定ボタンを含めた会話型制御機6やスマートフォン4の画面設定をする。
被見守り者3が当該サービスを受ける場合は、サービス利用画面から前記のa(相談)、b(申し込み)、c(購入)の対象先を選択し、具体的条件を伝えて実施する。
この際、円滑にサービス実施に至らない場合、トラブルなどが有った場合には、管理センター1が状況を把握し解決させる。
【実施例0065】
本例は、実施例1で管理センター1との無線接続をスマートフォン4としていた代わりにホームルーター87(モバイルルータを使う場合もあるがここではホームルーターで総称する)を使うところが異なるだけで、他の内容は実施例1と同様である。
管理センターネットワーク14とホームルーター87がインターネットで常に結ばれ、それにより管理センターネットワーク14と住居内ネットワーク15が結ばれることになる。
実施例2では、インターネットの無線回線がスマートフォン4とホームルーター87の2回線となり、固定費やランニングコストが負担増となるものの、被見守り者3が外出中にも、住宅2内部の安全情報が被見守り者3に届くほか、インターネットが2回線となる事で被見守り人3が住居2にいる時もスマートフォン4がホームルーター87のバックアップになり得るところから管理センターネットワーク14と住居内ネットワーク15で形成するシステムの安定性が増す。
【符号の説明】
【0066】
1:管理センター
2:被見守り者の住居
3:被見守り者
4:スマートフォン
5:ルーター
6:会話型制御機
7:観察会話ロボット
8:センサー1:ブルーツースのCASE1(到達距離100m未満)
9:センサー2:ブルーツースのCASE1(到達距離100m未満)
10:健康測定器
11:管理センタースタッフ
12:管理センターサーバー
13:管理センターデータベース
14:管理センターネットワーク
15:住居内ネットワーク
15b;外出時ネットワーク
16:マウス(マウス型の観察会話ロボット)
17:赤外線カメラ
18:制御機
19:可視光線カメラ
20:ライト
21:リチウム充電電池
22:駆動モーター
23:タイヤ
24:GPS
25:重力センサー(3次元加速度センサー)
26:ワイファイルーター
27:マイクとスピーカー
28:赤外線距離センサー
29:住居内の部屋のドア
30:マウスドア(ドア内ドア)
30f:マウスドアが前に開いたケース
30b:マウスドアが後ろに開いたケース
31:ヒンジ
32:被見守り者住居の階段
33:マウススロープ(マウスが昇降するスロープ)
34:ドッグ(犬タイプの観察会話ロボット)
イメージ図
35:犬の骨格図
36:犬の骨格にあたる手根間接の位置
37:ドッグの足裏
高摩擦樹脂
38:ドッグ前足上部金属フレーム
手根間接より上部の骨に相当する。
38f:ドッグ足の上部金属フレームが前に傾いた状態
38b:ドッグ足の上部金属フレームが後に傾いた状態
39:関節に相当するドッグの足の回転軸
40:回転軸下部のフレーム
41:ドッグの胴体
42:ドッグの足
43:ドッグが転倒した床
44:ドローン(観察会話ロボット)
44b:ドローン(観察会話ロボット)
説明の混乱を避けるため44とは別の番号を用意した。実質的に44と44bとの差はない
44f:設置脚
45:プロペラ
46:駆動モーター
47:重力センサー(3次元加速度センサー)
48:GPS
49a:赤外線距離センサー(下側の距離)
49b:赤外線距離センサー(正面側の距離)
50:赤外線カメラ
51:ワイファイルーター
52:ライト
53:可視光線カメラ
54:リチウム充電電池
55:マイクとスピーカー
56:制御機
57:充電装置
57-1:伸縮アーム1
57-2:伸縮アーム2
57-3:伸縮アーム3
57-b:充電装置台
57L:最左線
57R:最右線
58:赤外線カメラ
59:赤外線距離センサー
60:電磁カップリングアーム
61:電磁石固定アーム
62:タイヤ
伸縮アーム用:合計6本
63:円盤着地台
63c:目標円内
64: リニアアクチュエータ
65:電磁石コイル
66:磁性体プレート
67:電磁カップリングプレート
セラミックス、ガラス、耐熱樹脂
68:電磁カプラー(充電装置側)
69:電磁カプラー(ドローン側)
70:交直変換器
71:直流導線
72:吊上バランス点
吊上点はバランスを保って吊り上げる事が出来る点
73:吊上部プレート
74:吊上部磁性体プレート(合計4個)
75:吊上充電ハンド
中に4個の電磁石と1個の給電用カプラーを装備
76:電磁カプラー
77:電磁カップリングアーム
78:電磁石固定アーム
79:電磁石コイル
80:リニアアクチュエータ
81:ドローン外装板
82:電磁カプラー
83:交直変換器
84:直流導線
85:ドローン用ハンドリングロボット
86:先端アーム
87:ホームルーター



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17