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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147497
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】物流システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 63/00 20060101AFI20231005BHJP
   G06Q 10/083 20230101ALI20231005BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20231005BHJP
   G16Y 20/10 20200101ALI20231005BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20231005BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20231005BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20231005BHJP
【FI】
B65G63/00 E
G06Q10/08 300
G16Y10/40
G16Y20/10
G16Y20/20
G16Y40/10
G16Y40/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055021
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】井川 太郎
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 映登
(72)【発明者】
【氏名】大西 誠人
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】搬送車両の待機時間を削減できる物流システムを提供する。
【解決手段】物流システム1は、搬送物30を積載して搬送する搬送車両4が搬送物30の荷役を行う荷役場所である荷受け、荷送り会社3へ入場したこと、及び、荷役場所から出場したことを検知する入出場検知部61と、入出場検知部61により検知された搬送車両4の入出場情報に基づき、荷役場所の構内にいる搬送車両4の台数及び種類を把握する管理装置6の台数情報算出部62と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物を積載して搬送する搬送車両が前記搬送物の荷役を行う荷役場所へ入場したこと、及び、前記荷役場所から出場したことを検知する入出場検知部と、
前記入出場検知部により検知された前記搬送車両の入出場情報に基づき、前記荷役場所の構内にいる前記搬送車両の台数及び種類を把握する管理装置と、
を備える物流システム。
【請求項2】
前記入出場検知部は、前記荷役場所の入場口及び退場口に設けられ、前記搬送車両に設けられ所定の情報を記憶する車両側無線通信部と通信可能な無線通信部が設けられるゲートを有し、
前記ゲートの前記無線通信部が前記車両側無線通信部と通信したときに、前記車両側無線通信部から読み取った情報を前記管理装置に送信する、
請求項1に記載の物流システム。
【請求項3】
前記管理装置は、
前記搬送車両の台数及び種類の情報に基づき、前記荷役場所に入場予定の搬送車両の待機時間を算出する、
請求項1または2に記載の物流システム。
【請求項4】
前記管理装置は、
前記搬送車両の台数及び種類の情報と、日時、天候、季節の少なくとも一部を含む時変情報とに基づき、前記荷役場所に入場予定の搬送車両の待機時間を算出する、
請求項1または2に記載の物流システム。
【請求項5】
前記管理装置は、
前記搬送車両の台数及び種類の情報と、前記待機時間の情報とに基づき、前記荷役場所に入場予定の搬送車両の最適な入場予定時刻を算出する、
請求項3または4に記載の物流システム。
【請求項6】
前記管理装置は、前記算出した前記入場予定時刻を、前記入場予定の搬送車両または前記搬送車両の属する運送会社に通知する、
請求項5に記載の物流システム。
【請求項7】
前記管理装置は、
前記入場予定時刻よりも早く入場した前記搬送車両がいる場合に警告を報知する、
請求項5または6に記載の物流システム。
【請求項8】
前記搬送車両が属する運送会社に設けられる運送側管理装置を備え、
前記荷役場所が複数あり、
前記運送側管理装置は、前記複数の荷役場所にそれぞれ設けられる複数の前記管理装置と通信可能に接続され、
前記複数の管理装置から前記複数の荷役場所における特定の搬送車両の入出場の情報を収集し、前記収集した入出場の情報に基づき前記特定の搬送車両の移動を追跡可能な情報を生成する、
請求項1~7のいずれか一項に記載の物流システム。
【請求項9】
前記移動経路上の前記荷役場所を除く特定場所の通過を検知する通過検知部を備え、
前記運送側管理装置は、前記通過検知部から前記特定場所における前記特定の搬送車両の通過の情報を収集し、前記収集した入出場の情報と通過の情報とに基づき前記特定の搬送車両の前記移動を追跡可能な情報を生成する、
請求項8に記載の物流システム。
【請求項10】
前記運送側管理装置は、
前記特定の搬送車両に関する車両情報と、前記特定の搬送車両を運転する運転手に関する運転手情報とを紐づけて管理しており、
前記特定の搬送車両の前記移動経路の情報に基づき、前記運転手の勤怠管理を行う、
請求項8または9に記載の物流システム。
【請求項11】
前記荷役場所が複数あり、
前記複数の荷役場所にそれぞれ設けられる複数の前記管理装置と通信可能に接続される上位管理装置を備え、
前記上位管理装置は、
前記複数の管理装置から前記複数の荷役場所における前記搬送車両の情報を収集し、前記収集した情報に基づき前記上位管理装置の管理エリア内にいる前記搬送車両の前記移動を追跡可能な情報を生成する、
請求項1~10のいずれか一項に記載の物流システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、物流システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年物流業界においては、搬送車両による輸送の生産性向上及び効率化や、物流従事者にとってより働きやすい労働環境の実現、所謂ホワイト物流を目指す試みが提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、このようなホワイト物流のための一手法として、複数の輸送元から複数の輸送先に、輸送対象を輸送媒体に積載して目標時刻までに輸送するにあたって、単独直送便、単独経由便、集約直送便および集約経由便が予め定める順に、必要に応じて仕立てられる構成が開示されている。これにより、大規模および広範囲なブロック間での、車両等の輸送媒体による効率的な輸送計画を作成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-007530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、現状の物流業務では、一箇所の荷受け、荷送り会社に多くの搬送車両が同じタイミングで集中して入庫する場合などに、各搬送車両が荷役作業を行うまでの待機時間増加するという問題がある。待機時間の増加は、運転手の労働時間延長や、待機中の排気ガスによる温室効果ガスの排出量の増加などを招く。
【0006】
本開示は、搬送車両の待機時間を削減できる物流システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態の一観点に係る物流システムは、搬送物を積載して搬送する搬送車両が前記搬送物の荷役を行う荷役場所へ入場したこと、及び、前記荷役場所から出場したことを検知する入出場検知部と、前記入出場検知部により検知された前記搬送車両の入出場情報に基づき、前記荷役場所の構内にいる前記搬送車両の台数及び種類を把握する管理装置と、を備える。
【0008】
この態様によれば、荷役場所の構内にいる搬送車両の台数情報を簡易かつ高精度に把握することができるので、このように把握できる台数情報を利用して、例えば入庫台数が多い場合には他の車両の入場を制限するなど、荷役場所内にいる搬送車両の台数を調整することが可能となる。これにより、本態様の物流システムは、搬送車両の荷役場所における荷役作業開始までの待機時間を削減することできる。この結果、運転手の労働時間低減や、待機中の排気ガスによる温室効果ガスの排出量の抑制などが可能となり、ホワイト物流の実現につながる。
【0009】
本発明の実施形態の他の観点に係る物流システムでは、前記入出場検知部は、前記荷役場所の入場口及び退場口に設けられ、前記搬送車両に設けられ所定の情報を記憶する車両側無線通信部と通信可能な無線通信部が設けられるゲートを有し、前記ゲートの前記無線通信部が前記車両側無線通信部と通信したときに、前記車両側無線通信部から読み取った情報を前記管理装置に送信する構成でもよい。
【0010】
この態様によれば、搬送車両が荷役場所へ入場するときの入場ゲートの通過時、または、荷役場所から出場するときの出場ゲートの通過時に、搬送車両の入出場検知を簡易かつ迅速に行うことができる。
【0011】
本発明の実施形態の他の観点に係る物流システムでは、前記管理装置は、前記搬送車両の台数及び種類の情報に基づき、前記荷役場所に入場予定の搬送車両の待機時間を算出する構成でもよい。
【0012】
この態様によれば、上述のように簡易かつ高精度に把握した、荷役場所の構内にいる搬送車両の台数情報を利用して待機時間を算出できるので、荷役場所に入場予定の搬送車両の待機時間も高精度に推定することが可能となり、搬送車両の待機時間を削減するような搬送車両の台数調整を精度良く行うことができる。
【0013】
本発明の実施形態の他の観点に係る物流システムでは、前記管理装置は、前記搬送車両の台数及び種類の情報と、日時、天候、季節の少なくとも一部を含む時変情報とに基づき、前記荷役場所に入場予定の搬送車両の待機時間を算出する構成でもよい。
【0014】
この態様によれば、待機時間の推定精度をさらに向上でき、搬送車両の待機時間を削減するような搬送車両の台数調整をさらに精度良く行うことができる。
【0015】
本発明の実施形態の他の観点に係る物流システムでは、前記管理装置は、前記搬送車両の台数及び種類の情報と、前記待機時間の情報とに基づき、前記荷役場所に入場予定の搬送車両の最適な入場予定時刻を算出する構成でもよい。
【0016】
この態様によれば、上述のように高精度に取得できる、荷役場所の構内にいる搬送車両の台数情報と、荷役場所に入場予定の搬送車両の待機時間の情報と、を利用して最適な入場予定時刻も高精度に算出することが可能となる。
【0017】
本発明の実施形態の他の観点に係る物流システムでは、前記管理装置は、前記算出した前記入場予定時刻を、前記入場予定の搬送車両または前記搬送車両の属する運送会社に通知する構成でもよい。
【0018】
この態様によれば、運送会社や搬送車両に対して、待機時間が生じないように適切な入場予定時刻の情報を提供できるので、各車両がこの提供された情報を参考に入場時刻を調整すれば、待機時間を確実に低減できる。
【0019】
本発明の実施形態の他の観点に係る物流システムでは、前記管理装置は、前記入場予定時刻よりも早く入場した前記搬送車両がいる場合に警告を報知する構成でもよい。
【0020】
この態様によれば、荷役作業の予定スケジュールを無視して早いタイミングで割り込むなどの、搬送車両の不正行為や荷役効率を悪化させる行為を抑制でき、作業効率の低減防止を図ることができる。
【0021】
本発明の実施形態の他の観点に係る物流システムは、前記搬送車両が属する運送会社に設けられる運送側管理装置を備え、前記荷役場所が複数あり、前記運送側管理装置は、前記複数の荷役場所にそれぞれ設けられる複数の前記管理装置と通信可能に接続され、前記複数の管理装置から前記複数の荷役場所における特定の搬送車両の入出場の情報を収集し、前記収集した入出場の情報に基づき前記特定の搬送車両の移動を追跡可能な情報を生成する構成でもよい。
【0022】
この態様によれば、運送会社の管理装置が、複数の荷役場所の入出場記録を参照して、自社の特定の搬送車両の移動を追跡可能な情報を生成することができ、この情報を利用して移動経路を精度良く追従できる。
【0023】
本発明の実施形態の他の観点に係る物流システムは、前記移動経路上の前記荷役場所を除く特定場所の通過を検知する通過検知部を備え、前記運送側管理装置は、前記通過検知部から前記特定場所における前記特定の搬送車両の通過の情報を収集し、前記収集した入出場の情報と通過の情報とに基づき前記特定の搬送車両の前記移動を追跡可能な情報を生成する構成でもよい。
【0024】
この態様によれば、運送会社の管理装置が、複数の荷役場所の間の特定場所の通過も把握した上で移動を追跡可能な情報を生成し、この情報を利用して移動経路の追従を行うことが可能となるので、自社の特定の搬送車両の移動経路の追跡精度をさらに向上できる。
【0025】
本発明の実施形態の他の観点に係る物流システムでは、前記運送側管理装置は、前記特定の搬送車両に関する車両情報と、前記特定の搬送車両を運転する運転手に関する運転手情報とを紐づけて管理しており、前記特定の搬送車両の前記移動経路の情報に基づき、前記運転手の勤怠管理を行う構成でもよい。
【0026】
この態様によれば、運送会社は、搬送車両の移動経路の追従データを利用して、運転手の勤怠管理を簡易かつ高精度に行うことが可能となる。
【0027】
本発明の実施形態の他の観点に係る物流システムでは、前記荷役場所が複数あり、前記複数の荷役場所にそれぞれ設けられる複数の前記管理装置と通信可能に接続される上位管理装置を備え、前記上位管理装置は、前記複数の管理装置から前記複数の荷役場所における前記搬送車両の情報を収集し、前記収集した情報に基づき前記上位管理装置の管理エリア内にいる前記搬送車両の前記移動を追跡可能な情報を生成する構成でもよい。
【0028】
この態様によれば、上位管理装置によって、運送会社の枠を超えて、より広範囲にわたる多数の搬送車両の移動を追跡可能な情報を生成し、この情報を利用して移動経路の追従や物流管理を行うことが可能となり、汎用性や利便性を向上できる。
【発明の効果】
【0029】
本開示によれば、搬送車両の待機時間を削減できる物流システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】実施形態に係る物流システムの全体構成を示す図
図2】搬送車両台数管理に係る構成を示す図
図3】搬送車両台数管理に関する機能ブロック図
図4】搬送車両台数管理における入庫調整制御のフローチャート
図5】入場調整制御の効果を説明するための図
図6】事前入場調整制御のフローチャート
図7】搬送車両の移動経路の追跡制御の一例を示す図
図8】物流システムの変形例を示す図
図9】搬送物積載制御に係る構成を示す図
図10】手動運転フォークリフトと搬送物の概略構成図
図11】搬送物積載制御における搬送車両の荷室への積み込み計画の一例について示す図
図12】搬送物積載制御に関する機能ブロック図
図13】搬送物積載制御のフローチャート
図14】運転手管理機能に係る構成を示す図
図15】運転手確認装置の一例を示す模式図
図16】運転手管理機能に関する機能ブロック図
図17】運転手管理機能のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照しながら実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0032】
図1は、実施形態に係る物流システム1の全体構成を示す図である。物流システム1は、トラック等の搬送車両4による物流を管理するためのシステムである。本実施形態の物流システム1は、搬送車両4による輸送の生産性向上及び効率化や、物流従事者にとってより働きやすい労働環境の実現、所謂ホワイト物流を目指すためのシステムである。
【0033】
図1に点線矢印で示すように、物流システム1は、搬送車両4が所属する運送会社2と、搬送車両4により物品の荷送りや荷受けを行う荷送り、荷受け会社3との間で、物流に関するさまざまな情報の授受や共有を行う。荷送り、荷受け会社3は、物品の荷役場所であり、例えば、物品を製造する製造工場、物品を保管する倉庫、物品の納品先である店舗や企業などを含む。
【0034】
なお、図1の例では、運送会社2として3つの運送会社2A、2B、2Cが図示され、荷送り、荷受け会社3として3つの荷送り、荷受け会社3A、3B、3Cが図示されるが、運送会社2及び荷送り、荷受け会社3の数はこれに限られない。
【0035】
運送会社2A、2B、2Cには、それぞれ個別の管理装置5A、5B、5C(運送側管理装置)が設けられる。管理装置5A、5B、5Cは、各運送会社2A、2B、2Cに属する搬送車両4A、4B、4Cの物流管理を行う。同様に、荷送り、荷受け会社3A、3B、3Cには、それぞれ個別の管理装置6A、6B、6Cが設けられる。管理装置6A、6B、6Cは、各荷送り、荷受け会社3A、3B、3Cの物流管理を行う。
【0036】
各運送会社2A、2B、2Cの管理装置5A、5B、5Cと、各荷送り、荷受け会社3A、3B、3Cの管理装置6A、6B、6Cとは、有線や無線のネットワークを介して通信可能に接続される。これにより、各運送会社2A、2B、2Cの管理装置5A、5B、5Cと、各荷送り、荷受け会社3A、3B、3Cの管理装置6A、6B、6Cとの間で物流に関する情報の授受や共有を行うことができる。同様に、各運送会社2A、2B、2Cの管理装置5A、5B、5Cの間や、各荷送り、荷受け会社3A、3B、3Cの管理装置6A、6B、6Cの間で、物流に関する情報の授受や共有を行うことができる。
【0037】
なお、以下の説明では、管理装置5A、5B、5Cを纏めて「管理装置5」と表記し、管理装置6A、6B、6Cを纏めて「管理装置6」と表記し、搬送車両4A、4B、4Cを纏めて「搬送車両4」と表記する場合がある。
【0038】
本実施形態の物流システム1は、ホワイト物流を目指すための機能として、主に「搬送車両台数管理」、「搬送物積載制御」、「運転手管理」などの機能を備える。以下、各機能について個別に説明する。
【0039】
<搬送車両台数管理>
図2図8を参照して搬送車両台数管理の機能について説明する。図2は、搬送車両台数管理に係る構成を示す図である。図2に示すように、搬送車両台数管理は、主に物流システム1に属する荷送り、荷受け会社3(荷役場所)において実施される。
【0040】
図2に示すように、搬送車両4の車体には、車両識別用のRFIDタグ11が付加されている。RFIDタグ11には、搬送車両4に関する「車両情報」が記録されている。車両情報とは、搬送車両4の識別情報(車両ID)、車種、荷室41のサイズ、所属する運送会社2、荷受けまたは荷下ろしする搬送物30、などに関する情報を含む。なお、RFIDタグ11にこれらの車両情報のすべてを記録する構成ではなく、識別情報などのトリガとなり得る情報のみを記録し、外部のデータベースなど記録されている車両情報と関連付けられており、RFIDタグ11の識別情報に基づき必要な情報を取得する構成でもよい。
【0041】
荷送り、荷受け会社3の入場ゲート7と、出場ゲート8には、それぞれRFIDリーダ9、10が設置されている。入場ゲートのRFIDリーダ9は、搬送車両4が入場ゲート7を通過して会社3の敷地内に入場するときに、当該車両4のRFIDタグ11を読み取り、管理装置6に送信する。管理装置6は、RFIDリーダ9から受信する情報に基づき搬送車両4の入場を検知できる。同様に、出場ゲート8のRFIDリーダ10は、搬送車両4が出場ゲート8を通過して会社3の敷地外に出場するときに、当該車両4のRFIDタグ11を読み取り、管理装置6に送信する。管理装置6は、RFIDリーダ10から受信する情報に基づき搬送車両4の出場を検知できる。管理装置6は、これらの入出場に関する情報に基づき、現在会社3内にいる搬送車両4の台数を管理することができる。
【0042】
なお、搬送車両4におけるRFIDタグ11の付加位置は、図2では車両の運転席の側面を例示しているが、入出場時にRFIDリーダ9、10により読み取り可能な位置であればよく、例えば運転席の前面、側面、上面や、荷室41の側面、上面、後面などの任意の位置でよい。
【0043】
図3は、搬送車両台数管理に関する機能ブロック図である。図3に示すように、管理装置6は、搬送車両台数管理機能に関して、入出場検知部61と、台数情報算出部62と、待機時間算出部63と、入場予定時刻算出部64と、入場予定受信部65と、入場予定調整部66と、を有する。
【0044】
入出場検知部61は、入場ゲート7のRFIDリーダ9が搬送車両4のRFIDタグ11から車両情報(車両ID)を読み取ったのに応じて、搬送車両4の入場を検知する。また、出場ゲート8のRFIDリーダ10が搬送車両4のRFIDタグ11を読み取ったのに応じて、搬送車両4の出場を検知する。入出場検知部61は、これらの搬送車両4の入出場の情報を台数情報算出部62に出力する。
【0045】
台数情報算出部62は、入出場検知部61の検知結果と、これまで把握している台数の情報に基づき、現在会社3内にいる搬送車両4の台数を算出して、台数情報を更新する。台数情報算出部62は、更新した台数情報を待機時間算出部63に出力する。
【0046】
待機時間算出部63は、台数情報算出部62から提供される最新の台数情報に基づき、今後荷役作業を行う予定の搬送車両4の待機時間を算出する。
【0047】
入場予定時刻算出部64は、待機時間算出部63により算出された待機時間の情報に基づき、今後荷役作業を行う予定の搬送車両4の最適な入場予定時刻を算出する。最適な入場予定時刻とは、例えば、当該会社3に入場後に待機時間を要さずに荷役作業を行うことができる時刻である。
【0048】
入場予定受信部65は、運送会社2の管理装置5から、各会社2の搬送車両4の入場予定の情報を受信する。
【0049】
入場予定調整部66は、入場予定時刻算出部64により算出された最適な入場予定時刻の情報と、各運送会社2から受信した入場予定の情報とを比較して、現在の入場予定では待機時間が発生する可能性が高い場合に、最適な入場予定時刻を運送会社2に通知して、入場予定の調整を促す。なお、入場予定調整部66は、運送会社2の管理装置5を経ずに、該当の搬送車両4に直接通知する構成でもよい。
【0050】
図4は、搬送車両台数管理における入場調整制御のフローチャートである。
【0051】
ステップS11では、管理装置6の入場予定受信部65により、運送会社2の管理装置5から、自社の搬送車両4の入場予定が受信される。
【0052】
ステップS12では、管理装置6の入出場検知部61により、搬送車両4が自社3の入場ゲート7から入場したこと、または出場ゲート8から出場したことが検知される。このとき、入場ゲート7のRFIDリーダ9、または出場ゲート8のRFIDリーダ10は、該当車両4のRFIDタグ11から読み取った車両IDなどの情報を入出場情報として管理装置6に送信する。
【0053】
ステップS13では、台数情報算出部62により、ステップS12にて検知された入出場情報に基づき、自社3の構内に現在いる搬送車両4の台数の情報が更新される。ここで「構内」とは、建物や敷地等の管理範囲の内を意味する。
【0054】
ステップS14では、待機時間算出部63により、ステップS13にて更新された最新の台数情報に基づき、荷役作業までの待機時間の情報が更新される。
【0055】
なお、ステップS14の待機時間の更新処理では、日時、天候、季節の少なくとも一部を含む時変情報に基づき、待機時間の更新量が変動する構成としてもよい。例えば五十日(ごとおび:毎月5日、10日、15日、20日、25日と、30日または月末日)などの特定に日には、物流量が増える可能性が高いため、1台当たりの荷役作業の所要時間を他の日より多めに設定する処理などが考えられる。
【0056】
ステップS15では、入場予定時刻算出部64により、ステップS14にて更新された待機時間情報に基づき、入場予定の搬送車両4の最適な入場予定時刻(最適入場時刻)が算出される。
【0057】
ステップS16では、入場予定調整部66により、入場予定の搬送車両4の運送会社2の管理装置5に、ステップS15で算出した最適入場時刻の情報が提供される。
【0058】
ステップS17では、運送会社2の管理装置5により、ステップS16にて提供された最適入場時刻の情報に基づき、対象の搬送車両4のスケジュールが更新されて、各搬送車両4に提供される。
【0059】
なお、図4の入場調整制御では、ステップS11の入場検知時に、該当車両の入場予定時刻と比較して、例えば予定より所定時間以上早く入場した搬送車両4に対して、管理装置6が警告を報知する構成としてもよい。これにより、予め設定された入庫スケジュールを守らずに特定の搬送車両4が早いタイミングに割り込むなどの、運送会社側の不正行為や作業効率を悪化させる行為などを抑制できる。
【0060】
図5は、入場調整制御の効果を説明するための図である。図5の例では、一箇所の荷受け、荷送り会社3に6台の搬送車両4A~4Fが入庫する状況を考える。この会社3では、同時に荷役作業が可能な搬送車両の台数が2台とする。
【0061】
このような条件下において、図5(A)に示すように、6台の搬送車両4A~4Fが同時刻に入庫した場合、同時に二台ずつしか荷役作業ができないので、最初の二台の搬送車両4A、4Bはすぐに入庫して荷役作業を行うことができる。しかし、次の二台の搬送車両4C、4Dは、先の二台4A、4Bの荷役時間の間は荷役作業ができないので待機時間となり、その後に荷役作業を行う。荷役時間を1時間と仮定すると、搬送車両4C、4Dは1時間の待機時間を要する。さらに次の二台の搬送車両4E、4Fは、先の四台分の荷役時間の間は荷役作業ができないので、その間は待機時間となり、その後に荷役作業を行う。図5の例では、搬送車両4E、4Fは2時間の待機時間を要する。すなわち、延べ3時間分の待機時間となる。
【0062】
一方、本実施形態の入場調整制御によって各車両の最適入場時刻A、Bを算出して調整すると、図5(B)に示すように、三台目、四台目の二台の搬送車両4C、4Dは、最適入場時刻Aが先の二台4A、4Bの荷役時間の終了時刻に設定されるので、この時刻に入庫するように調整すれば、搬送車両4C、4Dの待機時間を無くすことができる。さらに、五台目、六台目の搬送車両4E、4Fは、最適入場時刻Bが先の二台4C、4Dの荷役時間の終了時刻に設定されるので、この時刻に入庫するように調整すれば、搬送車両4E、4Fの待機時間も無くすことができる。すなわち、図5(A)で発生していた延べ3時間分の待機時間を削減できる。
【0063】
なお、図4に示した入場調整制御は、搬送車両4の入出場の検知に基づきリアルタイムで入場時刻を調整するパターンである。しかし、荷受け、荷送り会社3のそれぞれの同時に荷役作業が可能な台数は、各会社の荷役作業スペースなどに応じて予め決まっているので、例えば前日に各運送会社2から入場予定を受信して、事前に該当日の各時刻の待機時間を予測して、入場時刻を予め調整するよう通知する構成とすることも可能である。このような構成について図6を参照して説明する。
【0064】
図6は、事前入場調整制御のフローチャートである。
【0065】
ステップS21では、管理装置6の入場予定受信部65により、運送会社2の管理装置5から、該当日(例えば翌日)の自社の搬送車両4の入庫予定が受信される。
【0066】
ステップS22では、台数情報算出部62により、ステップS21にて受信した各運送会社2の入場予定の情報に基づき、該当日の各時刻において、自社3の構内にいる予定の搬送車両4の台数の情報が算出される。
【0067】
ステップS23では、待機時間算出部63により、ステップS22にて算出された各時刻の台数情報に基づき、各時刻における荷役作業までの待機時間の情報が予測される。なお、ステップS23の待機時間の予測処理でも、図4のステップS14と同様に、日時、天候、季節の少なくとも一部を含む時変情報に基づき、待機時間が変動する構成としてもよい。
【0068】
ステップS24では、入場予定時刻算出部64により、ステップS23にて予測された待機時間情報に基づき、各時刻に入場予定の搬送車両4の最適入場時刻が予測される。
【0069】
ステップS25では、入場予定調整部66により、入場予定の搬送車両4の運送会社2の管理装置5に、ステップS24で予測した最適入場時刻が提供される。運送会社2の管理装置5は、提供された最適入場時刻の情報に基づき、対象の搬送車両4の待機時間を減らすように、スケジュールを事前に調整することができる。
【0070】
また、本実施形態に係る搬送車両台数管理の構成を利用して、特定の搬送車両4について、この車両4が所属する運送会社2の管理装置5が、当該車両4の移動経路16を追跡することもできる。図7は、搬送車両4の移動経路16の追跡制御の一例を示す図である。
【0071】
図7に示すように、特定の搬送車両4について、例えば同日に複数(図7の例では2つ)の荷受け、荷送り会社3A、3Bを巡るケースを考える。この搬送車両4が所属する運送会社2の管理装置5は、各会社の管理装置6A、6Bからこの車両4の入出場の情報を収集することができる。この入出場情報を利用して、この車両4が自社から出発して複数の荷受け、荷送り会社3A、3Bを経由して運送会社に帰着するまでの移動経路16を追跡することができる。
【0072】
また、荷受け、荷送り会社3A、3Bなどの荷受け場所以外にも、移動経路16上の任意の箇所(特定場所)に通過を検知できる装置を設置することもできる。例えば、図7に示すように、高速道路の料金所12やサービスエリア13などの特定場所に、RFIDリーダ14、15などの通過検知装置を設置することができる。各RFIDリーダ14、15が車両4のRFIDタグ11を検知すると、このRFIDリーダ14、15が設置される特定場所を通過した時刻を含む通過情報が管理装置5に送信される。これにより、管理装置5は、荷役場所の入出場情報に加えて特定場所の通過情報も収集できるので、複数の荷受け、荷送り会社3A、3Bの間の移動経路も高精度に追跡することが可能となり、この車両4が自社から出発して複数の荷受け、荷送り会社3A、3Bを経由して運送会社に帰着するまでの移動経路16をさらに高精度に追跡することができる。
【0073】
さらに、搬送車両4のRFIDタグ11に、この車両4を運転している運転手の情報も紐づけておけば、車両4のトラッキングによって取得した移動経路16の情報を利用して、運転手の勤怠管理も簡易かつ高精度に実施できる。
【0074】
図8は、物流システムの変形例を示す図である。図8に示すように、変形例の物流システム1Aは、上位管理装置17を備える。上位管理装置17は、各運送会社2の管理装置5A、5B,5Cと、荷送り、荷受け会社3の管理装置6A,6B、6Cと通信可能に接続される。図8に示すように、上位管理装置17が、各運送会社2A、2B、2C及び荷送り、荷受け会社3A,3B、3Cのすべての情報を集約して、上位管理装置17の管理エリア内の各搬送車両4A、4B、4Cによる物流管理やトラッキングを行う構成でもよい。
【0075】
また、上位管理装置17が、荷送り、荷受け会社3の管理装置6A,6B、6Cから搬送車両4の台数情報や、待機時間、最適入庫時間などの情報を集約して保存しておき、これらの情報を各運送会社2の管理装置5A、5B,5Cが参照可能な構成でもよい。この場合、各運送会社2の管理装置5A、5B,5Cは、上位管理装置17から配送ルートに係る荷役場所の必要な情報を取得して、自社の搬送車両4の配送スケジュールを作成、更新することができる。
【0076】
本実施形態に係る物流システム1による搬送車両台数管理機能の効果について説明する。
【0077】
本実施形態の物流システム1は、搬送物30を積載して搬送する搬送車両4が搬送物30の荷役を行う荷役場所である荷受け、荷送り会社3へ入場したこと、及び、荷役場所から出場したことを検知する入出場検知部61と、入出場検知部61により検知された搬送車両4の入出場情報に基づき、荷役場所の構内にいる搬送車両4の台数及び種類を把握する管理装置6の台数情報算出部62と、を備える。
【0078】
この構成により、荷役場所の構内にいる搬送車両4の台数情報を簡易かつ高精度に把握することができるので、このように把握できる台数情報を利用して、例えば入庫台数が多い場合には他の車両の入場を制限するなど、荷役場所内にいる搬送車両4の台数を調整することが可能となる。これにより、本実施形態の物流システム1は、搬送車両4の荷役場所における荷役作業開始までの待機時間を削減することできる。この結果、運転手の労働時間低減や、待機中の排気ガスによる温室効果ガスの排出量の抑制などが可能となり、ホワイト物流の実現につながる。
【0079】
また、本実施形態の物流システム1において、入出場検知部61は、情報取得先として、搬送車両4に貼付されるRFIDタグ11と、荷役場所の入場口及び退場口に設けられ、RFIDタグ11を読み取り可能なRFIDリーダ9、10が設けられるゲート7、8と、を有する。入出場検知部61は、ゲート7,8のRFIDリーダ9,10が搬送車両4のRFIDタグ11を検知したときに、読み取った情報を管理装置6に送信する。
【0080】
この構成により、搬送車両4が荷役場所である荷受け、荷送り会社3へ入場するときの入場ゲート7の通過時、または、荷受け、荷送り会社3から出場するときの出場ゲート8の通過時に、RFIDリーダ9、10により非接触でRFIDタグ11を読み取ることができるので、搬送車両4の入出場検知のためにゲートで搬送車両4が逐次停止する必要がなく、搬送車両4の入出場検知を簡易かつ迅速に行うことができる。
【0081】
なお、入出場検知部61の情報取得先は、RFIDタグ11とRFIDリーダ9,10に限られない。ゲート7,8には、少なくとも、搬送車両4に設けられ所定の情報を記憶する車両側無線通信部と通信可能な無線通信部が設けられればよい。この場合、入出場検知部61は、ゲート7,8の無線通信部が車両側無線通信部と通信したときに、車両側無線通信部から読み取った情報を管理装置6に送信する。
【0082】
この構成により、搬送車両4が荷役場所である荷受け、荷送り会社3へ入場するときの入場ゲート7の通過時、または、荷受け、荷送り会社3から出場するときの出場ゲート8の通過時に、搬送車両4の入出場検知を簡易かつ迅速に行うことができる。なお、この場合の「車両側無線通信部」としては、RFIDタグ11以外にも、例えばDSRC(Dedicated Short Range Communications:狭域通信)端末や、スマートフォン等のBluetooth(登録商標)機器などの近距離無線通信を行うものが挙げられる。
【0083】
また、入出場検知部61の情報取得先は、近距離無線通信を用いるもの以外にも、入出場が検知可能なものであればよく、例えばICチップ内蔵の運転免許証やマイナンバーカードなどを用いる構成でもよい。この場合、ゲート7,8には、カードを挿入する構造のリーダ装置が設けられ、挿入されたカードから車両IDなどの入出場を検知しうる情報を読み取ることができる。また、車両に付加されるバーコード等を読み取る構成などでもよい。
【0084】
また、本実施形態の物流システム1において、管理装置6の待機時間算出部63は、搬送車両4の台数及び種類の情報に基づき、荷役場所に入場予定の搬送車両4の待機時間を算出する。
【0085】
この構成により、上述のように簡易かつ高精度に把握した、荷役場所の構内にいる搬送車両4の台数情報を利用して待機時間を算出できるので、荷役場所に入場予定の搬送車両4の待機時間も高精度に推定することが可能となり、搬送車両4の待機時間を削減するような搬送車両4の台数調整を精度良く行うことができる。
【0086】
また、本実施形態の物流システム1において、管理装置6の待機時間算出部63は、搬送車両4の台数及び種類の情報と、日時、天候、季節の少なくとも一部を含む時変情報とに基づき、荷役場所に入場予定の搬送車両4の待機時間を算出する構成としてもよい。
【0087】
この構成により、待機時間の推定精度をさらに向上でき、搬送車両4の待機時間を削減するような搬送車両4の台数調整をさらに精度良く行うことができる。
【0088】
また、本実施形態の物流システム1において、管理装置6の入場予定時刻算出部64は、搬送車両4の台数及び種類の情報と、待機時間の情報とに基づき、荷役場所に入場予定の搬送車両4の最適な入場予定時刻を算出する。
【0089】
この構成により、上述のように高精度に取得できる、荷役場所の構内にいる搬送車両4の台数情報と、荷役場所に入場予定の搬送車両4の待機時間の情報と、を利用して最適な入場予定時刻も高精度に算出することが可能となる。
【0090】
また、本実施形態の物流システム1において、管理装置6の入場予定調整部66は、入場予定時刻算出部64により算出した入場予定時刻の情報を、入場予定の搬送車両4またはこの搬送車両4の属する運送会社2に通知する。
【0091】
この構成により、運送会社2や搬送車両4に対して、待機時間が生じないように適切な入場予定時刻の情報を提供できるので、各車両4がこの提供された情報を参考に入場時刻を調整すれば、待機時間を確実に低減できる。
【0092】
また、本実施形態の物流システム1において、管理装置6は、入場予定時刻よりも早く入場した搬送車両4がいる場合に警告を報知する構成としてもよい。
【0093】
この構成により、荷役作業の予定スケジュールを無視して早いタイミングで割り込むなどの、搬送車両4の不正行為や荷役効率を悪化させる行為を抑制でき、作業効率の低減防止を図ることができる。
【0094】
また、本実施形態の物流システム1は、搬送車両4が属する運送会社2に設けられる運送側管理装置5を備える。荷受け、荷送り会社3などの荷役場所が複数ある。運送側管理装置5は、複数の荷役場所3にそれぞれ設けられる複数の管理装置6と通信可能に接続され、複数の管理装置6から複数の荷役場所3における特定の搬送車両4の入出場の情報を収集し、収集した入出場の情報に基づき、特定の搬送車両4の移動を追跡可能な情報を生成する。ここで、「移動を追跡可能な情報」とは、リアルタイムに生成するものは走行軌跡や走行履歴であるものである。また、このようにリアルタイムに生成された情報を利用して、移動経路16の追跡を事後的に行うことができる。
【0095】
この構成により、運送会社2の管理装置5が、複数の荷役場所3の入出場記録を参照して、自社の特定の搬送車両4の移動を追跡可能な情報を生成することができ、この情報を利用して移動経路16を精度良く追従できる。
【0096】
また、本実施形態の物流システム1は、移動経路16上の荷役場所3を除く特定場所(例えば図7に示す料金所12やサービスエリア13など)の通過を検知する通過検知部14、15を備える。運送会社2の運送側管理装置5は、通過検知部14、15から特定場所12、13における特定の搬送車両4の通過の情報を収集し、上記の複数の荷役場所3から収集した入出場の情報と、通過検知部14、15から収集した通過の情報とに基づき、特定の搬送車両4の移動を追跡可能な情報を生成する。
【0097】
この構成により、運送会社2の管理装置5が、複数の荷役場所3の間の特定場所12、13の通過も把握した上で移動を追跡可能な情報を生成し、この情報を利用して移動経路16の追従を行うことが可能となるので、自社の特定の搬送車両4の移動経路の追跡精度をさらに向上できる。
【0098】
また、本実施形態の物流システム1において、運送会社2の管理装置5は、特定の搬送車両4に関する車両情報と、特定の搬送車両4を運転する運転手に関する運転手情報とを紐づけて管理しており、特定の搬送車両4の移動経路16の情報に基づき、運転手の勤怠管理を行う。
【0099】
この構成により、運送会社2は、搬送車両4の移動経路の追従データを利用して、運転手の勤怠管理を簡易かつ高精度に行うことが可能となる。
【0100】
また、本実施形態の物流システム1は、荷役場所3が複数あり、複数の荷役場所3にそれぞれ設けられる複数の管理装置6と通信可能に接続される上位管理装置17を備える構成でもよい。上位管理装置17は、複数の管理装置6から複数の荷役場所3における搬送車両4の情報を収集し、収集した情報に基づき上位管理装置17の管理エリア内にいる搬送車両4の移動を追跡可能な情報を生成する。
【0101】
この構成により、上位管理装置17によって、運送会社2の枠を超えて、より広範囲にわたる多数の搬送車両4の移動を追跡可能な情報を生成し、この情報を利用して移動経路の追従や物流管理を行うことが可能となり、汎用性や利便性を向上できる。
【0102】
<搬送物積載制御>
図9図13を参照して、搬送物積載制御について説明する。図9は、搬送物積載制御に係る構成を示す図である。図10は、手動運転フォークリフト50と搬送物30の概略構成図である。図9に示すように、搬送物積載制御は、主に物流システム1に属する荷送り、荷受け会社3(荷役場所)において、搬送物30を搬送車両4に積みだす荷送り作業において実施される。
【0103】
図9に示すように、荷送り、荷受け会社3には、例えば倉庫などの管理領域20内に、搬送物30が保管されている。管理領域20内には、手動運転フォークリフト50が配置されている。手動運転フォークリフト50は、搬送車両4から搬送物30を受け取って管理領域20内に載置する荷受け作業や、管理領域20から搬送物30を取り出して搬送車両4に積み込む見送り作業などの荷役作業を行う機械である。
【0104】
なお、本実施形態では、運転手が搭乗して運転手が手動運転で操作する手動運転フォークリフト50が適用される構成を例示しているが、自動運転式フォークリフトを適用する構成でもよい。自動運転式フォークリフトは、搭載される各種センサ類の情報に基づき自己位置検出や搬送対象物の特定や搬送を自動的に行うことができる自律走行可能な装置であり、例えば管理装置6からの指令に応じて荷役作業を自動的に行う。
【0105】
管理領域20では、搬送物30が載置される複数の載置スペース21が設けられる。載置スペース21は、例えば図9に示すように略矩形状であり、矩形状の各辺に沿って複数の搬送物30を直列に隣接して載置できる程度の面積で設定される。また、複数の載置スペース21の間には通路22が設けられる。通路22の幅は、例えば手動運転フォークリフト50が通行可能なように、手動運転フォークリフト50の幅より大きく設定される。
【0106】
本実施形態では、搬送物30は、図10に示すように、パレット31(パレット状部材)と、パレット31に載置される物品群32とを含むものである。
【0107】
パレット31にはRFIDタグ33が付加されている。RFIDタグ33には、このパレット31に載置されている物品群32に関する「物品情報」が記録される。物品情報とは、物品の識別情報、種類、製造年月日、パレット31への積載数や荷姿(積層高さや面積、パレット31上の載置位置、パレット31のサイズなど)に関する情報を含む。なお、RFIDタグ33にこれらの物品情報のすべてを記録する構成ではなく、識別情報などのトリガとなり得る情報のみを記録し、外部のデータベースなど記録されている物品情報と関連付けられており、RFIDタグ33の識別情報に基づき必要な情報を取得する構成でもよい。
【0108】
図9に示すように、管理領域20の入庫口23には、入庫ゲート24が設けられる。入庫ゲート24には、RFIDリーダが設けられ、入庫口23を通過するRFIDタグ33の情報を読み取り、管理装置6に送信する。同様に、管理領域20の出庫口25には、出庫ゲート26が設けられる。出庫ゲート26には、RFIDリーダが設けられ、出庫口25を通過するRFIDタグ33の情報を読み取り、管理装置6に送信する。
【0109】
図10に示すように、手動運転フォークリフト50は、本体51と、フォーク52と、昇降機構53と、駆動輪54と、操舵輪55と、運転席56と、表示装置57と、コントローラ58と、を有する。フォーク52は、本体51の前方に突出して配置される一対の長尺状の部材であり、それぞれの上面が略同一平面上となるよう配置される。昇降機構53は、本体51の前面に設置され、フォーク52を上下方向に移動させる。駆動輪54は、移動のための駆動力を出力する車輪であり、例えば本体51の前部かつ下部に設置される。操舵輪55は、運転席の作業員のハンドル操作に従って動き、車両の進行方向を変える車輪であり、例えば本体51の後部かつ下部に設置される。
【0110】
運転席56は、例えば本体51の上部に設置される。運転席56にはハンドルや各種レバーが設置され、運転席56に搭乗した作業員によって操作される。表示装置57は、例えば運転席56の前方など、運転席56に搭乗した作業員が視認できる位置に設置される。表示装置57には、管理装置6から提供される搬送物の積載手順などの作業指示情報などが表示され、作業員は表示装置57に表示される作業指示を確認しながら作業を実行することができる。
【0111】
手動運転フォークリフト50は、図10に示すように、フォーク52をパレット31側面の開口部に挿入した状態で、昇降機構53によりフォーク52を上昇させることで、フォーク52の上面によってパレット31を上方に持ち上げることができる。そして、パレット31を持ち上げた状態で、駆動輪54によって前後方向および左右方向に移動することによって、パレット31を搬送することができる。手動運転フォークリフト50は、これらの動作を、運転席56に搭乗する作業員の手動操作に応じて、コントローラ58が、駆動輪54、操舵輪55、昇降機構53などの動作を適宜制御することによって実施することができる。
【0112】
図10に示すように、手動運転フォークリフト50の本体51にRFIDリーダ59が搭載される構成でもよい。RFIDリーダ59は、例えば図10に示すように電波59AをRFIDタグ33に送信して、この電波59Aに応じてRFIDタグ33から出力される上記の物品情報を読み取ることができる。
【0113】
RFIDリーダ59は、搭載されている手動運転フォークリフト50の周囲にあるRFIDタグ33から情報を読み取り可能なように受信範囲が設定される。これにより、例えば図10に示すように、手動運転フォークリフト50のフォーク52により把持されているパレット31に付加されているRFIDタグ33から上記の物品情報を非接触で読み取ることができる。また、手動運転フォークリフト50の周囲にあり、自機のフォーク52により把持されていないパレット31のRFIDタグ33からも情報を非接触で読み取ることができる。
【0114】
管理装置6は、フォークリフト50による荷受け作業の際に、例えばフォークリフト50に搭載されているRFIDリーダ59によりタグ情報を読み取って、管理領域20のどの場所に載置されたかを特定する位置情報と、物品情報と紐づけて記録することによって、管理領域20内のどの場所にどの物品が保管されているかを示す管理領域マップ67(図12参照)を作成することができる。
【0115】
管理装置6は、荷送り作業の際には、この管理領域マップ67を利用して、適切な物品を適切な積み方や順番で搬送車両4の荷室41に積み込むように計画を作ることができる。
【0116】
また、荷送り、荷受け会社3には、例えば管理領域20に隣接する位置などに、荷送り作業の対象の搬送車両4を停車させるための荷送りスペース27が設けられる。任意の搬送車両4がこの荷送りスペース27に停車したことを検知すると、管理装置6は、この搬送車両4の車種や積み込む物品の情報を特定し、各フォークリフトに積み込み計画の指示を出力する。
【0117】
なお、この荷送りスペース27を含むエリアに、荷送りスペース27に停車した車両から、この車両に付加されている車両特定用のRFIDタグ11を読み取るための、RFIDリーダなどの検知装置28を設けてもよい。これにより、所定の荷送りスペース27に停車した車両の誤認を防止できる。
【0118】
本実施形態の搬送物積載制御では、管理装置6が、荷受け作業の対象の搬送車両4に対する適切な搬送物30の積み込み計画を決定する。図11は、搬送物積載制御における搬送車両4の荷室41への積み込み計画の一例について示す図である。
【0119】
搬送物30は、パレット31上に積載される物品群32の量に応じて高さが異なる場合がある。このような場合でも、複数の搬送物30を積載したときに、できるだけ高さH1が揃うように搬送物30の組み合わせを考慮するのが好ましい。さらに、この搬送物30の積載高さH1は、搬送車両4の荷室41の高さHにできるだけ近いのが好ましい。これにより、荷室41の上部の空きスペースを減らし、積載効率を向上できる。
【0120】
例えば図11の例では、ある搬送物30Aを搬送しており、荷室41には、二段に積載された搬送物30D、30Eと、同じく二段に積載されている搬送物30F、30Gと、一段のみ載置されている搬送物30B、30Cがある。このとき、搬送物30Aを一段の搬送物30B、30Cのどちらかに積載すると、荷室41の延べ面積が増えずに載置する搬送物を増やせる。
【0121】
さらに、この例では、搬送物30B、30Cの高さが異なり、搬送物30Cの高さと、搬送物30Aの高さの和が、既に二段で積層されている搬送物30D、30Eや搬送物30F、30Gの高さH1と略同一になる。この場合、一段のみ載置されている搬送物30B、30Cのうち、積載時の高さを揃えられる搬送物30Cの上に搬送物30Aを積載するのが好ましい。搬送物30の積層高さH1を揃えることができると、荷室41の全域に亘って偏りなくバランスよく搬送物30を載置することができる。これにより、極端に高く積層される部分がなくなるので、搬送物の荷崩れなどのトラブル発生を抑制できる。したがって、管理装置6は、搬送物30Aを搬送中のフォークリフト50に対して、搬送物30Cの上に搬送物30Aを載置するように指令を出力する。フォークリフト50の作業員は、表示装置57に表示されるこれらの指示を参照して、搬送中の搬送物30Aを所定の位置に載置することができる。
【0122】
なお、図11の例のように、積層される複数の搬送物30の高さH1を揃えるように載置場所の決定を行うためには、管理装置6の積み込み計画部70(図12参照)は、例えば物品情報のうち荷姿に関する情報を利用することができる。「荷姿」とは、輸送する際の荷物の外観を表す物流用語であり、本実施形態では、荷姿情報にはパレット梱包のサイズや重量などの情報が含まれる。
【0123】
また、複数の搬送物30を垂直方向に積載するように載置場所を決定する場合には、図11に示す積載高さH1以外にも判断基準を設けてもよい。例えば各搬送物30の重量を考慮して、上方に積載される搬送物の重量によって下方の搬送物が変形しないように、積層する搬送物間の重量バランスを判断基準としてもよい。
【0124】
図12は、搬送物積載制御に関する機能ブロック図である。図12に示すように、管理装置6は、搬送物積載制御に関して、管理領域マップ67と、荷室情報取得部68と、積み込み物品情報取得部69と、積み込み計画部70と、を有する。また、フォークリフト50のコントローラ58は、表示制御部58Aと、物品確認部58Bとを有する。
【0125】
管理領域マップ67は、管理領域20内のどの場所にどの物品が保管されているかを示すマップ情報を記憶する。管理領域マップ67には、例えば管理領域20の載置されている搬送物30の位置情報と、当該搬送物30の物品情報とが紐づけて記録されている。
【0126】
荷室情報取得部68は、荷送り作業の対象の搬送車両4の荷室41に関する荷室情報を取得する。荷室情報は、例えば荷室41の高さH、床面の寸法、容積、などの情報を含む。荷室情報は、例えば、車両識別用のRFIDタグ11に記録されているか、または、RFIDタグ11に記録されている識別情報と紐づけて外部のデータベースなどに記録されている。荷室情報取得部68は、荷送りスペース27に停車した搬送車両4に付加さえているRFIDタグ11から、検知装置28を用いて読み出した情報に基づき荷室情報を取得する。
【0127】
積み込み物品情報取得部69は、荷送り作業の搬送車両4に積み込む物品に関する積み込み物品情報を取得する。積み込み物品情報は、例えば物品の種類や個数などの情報を含む。積み込み物品情報は、例えば、車両識別用のRFIDタグ11に記録されているか、または、RFIDタグ11に記録されている識別情報と紐づけて外部のデータベースなどに記録されている。積み込み物品情報取得部69は、荷送りスペース27に停車した搬送車両4に付加さえているRFIDタグ11から、検知装置28を用いて読み出した情報に基づき積み込み物品情報を取得する。
【0128】
積み込み計画部70は、取得された荷室情報及び積み込み物品情報に基づき、管理領域マップ67を参照して荷送り作業の工程を計画し、最適な積み込み計画を作成する。積み込み計画とは、例えば、管理領域20内に保管されている物品群からどの物品を、どの組み合わせで選択し、どの順番で、荷室41内のどの位置に積み込むか、の情報を含む。
【0129】
積み込み計画部70の計画決定処理には、機械学習分野の予測器(モデル)を用いる手法や、線形計画法などの最適化手法や、シミュレーションによる探索手法、所定の関数を用いて算出する手法など、任意の手法を適用できる。
【0130】
表示制御部58Aは、管理装置6から送信される積み込み計画の情報に基づき、フォークリフト50の表示装置57を介して作業員に積み込み手順を提示する。
【0131】
物品確認部58Bは、フォークリフト50に搭載されるRFIDリーダ59を用いて、フォークリフト50が把持しているパレット31に付加されているRFIDタグ33から物品情報を取得する。物品確認部58Bは、管理装置6から送信される積み込み計画の情報に基づき、フォークリフト50が正しい搬送物30を搬送しているかを確認する。また、物品確認部58Bが取得した物品情報を、表示制御部58Aを介して表示装置57に表示させ、これにより作業員に現在搬送している物品の種類などの情報を提示する構成でもよい。
【0132】
図13は、搬送物積載制御のフローチャートである。
【0133】
ステップS31では、検知装置28等により、荷送りスペース27に搬送車両4が停車したことが確認される。
【0134】
ステップS32では、管理装置6の荷室情報取得部68により、荷送り作業の対象の搬送車両4に付加されているRFIDタグ11に記録されている情報から、当該車両4の荷室41に関する荷室情報が取得される。
【0135】
ステップS33では、管理装置6の積み込み物品情報取得部69により、荷送り作業の対象の搬送車両4に付加されているRFIDタグ11に記録されている情報から、当該車両4に積み込む物品に関する積み込み物品情報が取得される。
【0136】
ステップS34では、管理装置6の積み込み計画部70により、ステップS32で取得した荷室情報と、ステップS33で取得した積み込み物品情報と、管理領域マップ67から取得した現在の管理領域20内の物品の保管状況の情報と、管理領域20内の各物品の荷姿情報と、に基づき、積み込みレイアウトが作成される。積み込みレイアウトは、例えば、荷送り作業の対象の搬送車両4の荷室41のどの位置にどの物品を積み込むかの組み合わせ情報を含む。
【0137】
ステップS35では、積み込み計画部70により、ステップS34にて決定された積み込みレイアウトに基づき、最適な積み込み計画が作成される。積み込み計画とは、例えば、管理領域20内に保管されている物品群からどの物品を、どの組み合わせで選択し、どの順番で、荷室41内のどの位置に積み込むか、の情報を含む。積み込み計画部70は、作成した積み込み計画の情報をフォークリフト50に送信する。
【0138】
ステップS36では、フォークリフト50の表示制御部58Aにより、表示装置57に積み込み計画が表示される。
【0139】
ステップS37では、フォークリフト50の作業員が表示装置57に表示される指示に従って、管理領域20内から順次所定のパレット31(搬送物30)を荷室41に積み込む。
【0140】
なお、本実施形態に係る搬送物積載制御の構成を利用して、特定の搬送物30についてトレサビリティを簡易に向上できる。例えば、物品32の流通経路上の各地でRFIDタグ33を検知できる設備を設ければ、パレット31の移動に伴って、パレット31に積載されている物品32の流通状況の把握や在庫の管理を自動的かつ非接触で容易に行うことが可能となる。また、このようにトレサビリティを向上できると、物品32の自動発注なども精度良く実施することが可能となり、倉庫などの管理領域20の荷役作業以外の他の作業の効率化にも繋げることができる。
【0141】
また、本実施形態では、RFIDタグ33が搬送物30のパレット31に付加され、RFIDタグ33には、パレット31に載置される物品群32に関する物品情報が記録されている。この構成により、物品群32のすべてにRFIDタグ33を貼付する工程を省略でき、物品群32の情報をパレット31のRFIDタグ33に纏めて記録できるので、物品32に関する情報をより簡易に管理装置6等が収集でき、物品の管理を容易にできる。また、パレット31に載置される物品群32の荷姿は状況に応じて変動し得るが、物品群32が載置されるパレット31の形状は物品の載置状況によらず不変なので、RFIDタグ33の貼付位置も一定にできる。これにより、RFIDタグ33に情報を書き込む際にタグの貼付位置を探索する作業が不要となり、RFIDタグ33への情報の書き込み作業の手間を軽減できる。この結果、搬送物30の管理を効率良く行うことができる。
【0142】
本実施形態に係る物流システム1による搬送物積載制御の効果について説明する。
【0143】
本実施形態の物流システム1は、搬送物30に付加され、搬送物30に関する搬送物情報(物品情報)が関連付けられる識別タグ(RFIDタグ33)と、荷役場所3における搬送物30の荷役を搬送物情報に基づき管理する管理装置6と、を備える。搬送物情報は、該当搬送物30の荷姿に関する荷姿情報と関連付けられている。管理装置6の積み込み計画部70は、荷姿情報と、搬送物30を積載して搬送する搬送車両4の荷室41の規模に関する荷室情報とに基づき、荷室41により多くの搬送物30を積載できるように、荷役場所3に保管されている複数の搬送物の中から積載対象の搬送物の最適な組み合わせと、荷室41上の載置場所を決定する。
【0144】
この構成により、搬送車両4の荷室41の規模に応じて、当該搬送車両4への荷積みを最大化、最適化することができるので、搬送車両4の便数を削減することが可能となる。この結果、運転手の労働時間低減や、搬送車両の排気ガスによる温室効果ガスの排出量の抑制などが可能となり、ホワイト物流の実現につながる。
【0145】
また、本実施形態の物流システム1において、荷姿情報は、搬送物30の高さ情報を含む。管理装置6の積み込み計画部70は、複数の搬送物30を荷室41に積層したときに、積層された搬送物30の合計高さH1が、荷室41の内部の高さHに近くなるように、積載対象の搬送物30の最適な組み合わせと、荷室41上の載置場所とを決定する。
【0146】
この構成により、荷室41内に無駄な隙間がなくなるように搬送物を配置することを簡便に行うことが可能となり、荷室41の収容能力を最大限使って搬送物30を積み込むことが可能となるので、搬送車両4への荷積みをより一層最大化できる。
【0147】
また、本実施形態の物流システム1において、荷姿情報は、搬送物30の重量情報を含む構成でもよい。この場合、管理装置6の積み込み計画部70は、複数の搬送物30を荷室41に積載したときに、荷室41の床面が受ける搬送物30による荷重が略均等となるように、積載対象の搬送物30の最適な組み合わせと、荷室41上の載置場所とを決定する。
【0148】
この構成により、搬送物30を積み込んだ後の荷室41の荷重バランスが良くなるように搬送物を配置することを簡便に行うことが可能となるので、搬送車両4への荷積みをより一層効率化できる。また、このように荷重バランスを考慮して荷積みを行えば、荷済み後の搬送車両4が偏った負荷を受けることなく効率的な走行が可能となるので、燃費向上にもつながる。
【0149】
また、本実施形態の物流システム1は、荷役場所3内で搬送物30の荷役を行う手動運転式の搬送装置(フォークリフト50)を備える。搬送装置50は、搬送装置50を運転する作業員が視認できる表示装置57を有する。管理装置6は、決定した積載対象の搬送物30の最適な組み合わせと、荷室41上の載置場所の情報を表示装置57に表示して作業員に指示する。
【0150】
この構成により、搬送装置50の運転手に荷積み作業の工程をわかりやすく提示することができる。
【0151】
また、本実施形態の物流システム1において、上記の識別タグがRFIDタグ33であるのが好ましい。この構成により、搬送物30に係る搬送物情報を、RFIDリーダなどを用いて非接触で簡便に取得することができ、荷役業務を効率化できる。
【0152】
また、本実施形態の物流システム1は、搬送車両4に付加され、当該搬送車両4の荷室情報が関連付けられる車両識別用のRFIDタグ11と、車両識別用RFIDタグ11を読み取り可能なRFIDリーダ28と、を備える。管理装置6は、RFIDリーダ28を介して車両識別用RFIDタグ11から荷室情報を取得する。
【0153】
この構成により、搬送車両4の荷室41に関する荷室情報を、RFIDリーダ28などを用いて非接触で簡便に取得することができ、荷役業務を効率化できる。
【0154】
また、本実施形態の物流システム1において、RFIDリーダ28は、搬送車両4が搬送物30を荷室41に搬入する位置(荷送りスペース27)に進入したときに当該搬送車両4に付加されている車両識別用RFIDタグ11を読み取り可能な位置に設置されるのが好ましい。
【0155】
この構成により、荷送りスペース27に進入した搬送車両4の荷室情報を確実に取得することが可能となるので、対象車両の誤認を防止できる。
【0156】
なお、管理装置6の荷室情報の取得先は、RFIDタグ11とRFIDリーダ28に限られない。物流システム1は、少なくとも、当該搬送車両4の荷室情報が関連付けられる車両側無線通信部と通信可能な無線通信部を備える構成であればよい。この場合、管理装置6は、無線通信部を介して車両側無線通信部から荷室情報を取得する。また、無線通信部は、搬送車両4が搬送物30を荷室41に搬入する位置に進入したときに車両側無線通信部と通信可能な位置に設置される。
【0157】
この構成により、搬送車両4の荷室41に関する荷室情報を、車両側無線通信部と無線通信部との通信によって簡易かつ迅速に取得することができ、荷役業務を効率化できる。なお、この場合の「車両側無線通信部」としては、RFIDタグ11以外にも、例えばDSRC(Dedicated Short Range Communications:狭域通信)端末や、スマートフォン等のBluetooth(登録商標)機器などの近距離無線通信を行うものが挙げられる。
【0158】
また、荷室情報の取得先は、近距離無線通信を用いるもの以外にも、搬送車両4側から情報を取得可能なものであればよく、例えばICチップ内蔵の運転免許証やマイナンバーカードなどを用いる構成でもよい。この場合、会社3側には、カードを挿入する構造のリーダ装置が設けられ、挿入されたカードから荷室情報を読み取ることができる。また、車両に付加されるバーコード等を読み取る構成などでもよい。
【0159】
<運転手管理>
図14図17を参照して、運転手管理機能について説明する。図14は、運転手管理機能に係る構成を示す図である。図14に示すように、運転手管理機能は、主に物流システム1に属する運送会社2において実施される。
【0160】
運送会社2は、例えば図14に示すように、本社201と、1または複数(図14では3つ)の営業所202A、202B、202Cから構成される。各営業所202A、202B、202Cに搬送車両4が配置される。各搬送車両4の配送ルートなどの管理は、本社201の管理装置5によって一括して行われる。
【0161】
特に本実施形態では、各営業所202A、202B、202Cの運転手確認装置18A、18B、18Cが設置される。運転手確認装置18A、18B、18Cは、搬送車両4を運転する社員Pに対して、乗車前に健康状態などを確認して、車両を運転できる状態か否かを確認するための装置である。なお、以下の説明では、運転手確認装置18A、18B、18Cを纏めて「運転手確認装置18」と表記する場合がある。
【0162】
図15は、運転手確認装置18の一例を示す模式図である。図15に示すように、運転手確認装置18は、リーダ装置181と、撮像装置182と、体温計測部183と、酒気帯び計測部184と、表示装置185と、制御装置186と、を備える。
【0163】
リーダ装置181は、例えば社員証190など、確認対象の社員Pが所持し、身分を証明する物品に内蔵されているNFCタグ191から、社員Pの本人確認用の情報を読み取る。社員Pは、社員証190をリーダ装置181にタッチして、情報を読み取らせることができる。
【0164】
なお、NFCタグ191が内蔵されているものであれば、例えばスマートフォンなどの他の物品を用いてもよい。また、本人確認が可能であればNFCタグ191に限らず、例えばICチップ内蔵の運転免許証やマイナンバーカードなどを用いる構成でもよい。この場合、リーダ装置181はカードを挿入する構造のものであり、挿入されたカードから情報を読み取る。また、社員証190等に付加されるバーコード等を読み取る構成などでもよい。
【0165】
撮像装置182は、社員Pの本人確認用の顔画像を撮像する。なお、図15に示すように、撮像装置182の付近にも表示装置を設け、撮像装置182の撮像画像と、本人確認の結果を表示する構成でもよい。
【0166】
体温計測部183は、確認対象の社員Pの体温を計測する。例えば図15に示すように、社員Pの顔画像を撮像し、撮像画像を用いて表面温度を計測して表示する構成など、任意の周知の手法を用いることができる。
【0167】
酒気帯び計測部184は、確認対象の社員Pが酒気帯び状態か否かを確認する。例えば図15に示すように、チューブなどの計測装置に社員Pが息を吹きかけ、呼気中のアルコール濃度を計測して表示する構成など、任意の周知の手法を用いることができる。
【0168】
表示装置185は、リーダ装置181、撮像装置182、体温計測部183、及び酒気帯び計測部184による検査をクリアし、乗務可能と判断された社員Pに対して、本日の配送ルートなどの業務情報を表示する。なお表示装置185は、運転手確認装置18の一部ではなく、例えば社員Pが所持して搬送車両4に持ち込み可能なタブレットなどの端末装置であってもよいし、業務情報が記載された印刷物を出力する印刷装置など、他の構成でもよい。
【0169】
制御装置186は、リーダ装置181、撮像装置182、体温計測部183、酒気帯び計測部184、及び表示装置185の動作を制御する。また、制御装置186は、リーダ装置181、撮像装置182、体温計測部183、酒気帯び計測部184が取得した情報に基づき、確認対象の社員Pが乗務可能な状態か否かを判断する。制御装置186は、社員Pの検査結果の情報を管理装置5に出力し、業務情報を取得する。
【0170】
図16は、運転手管理機能に関する機能ブロック図である。図16に示すように、運転手確認装置18の制御装置186は、本人確認部187と、体調確認部188と、業務情報提示部189と、を有する。また、管理装置5は、運転手管理機能に関して、運転手情報記録部501と、ルート計画部502と、を有する。
【0171】
本人確認部187は、リーダ装置181によりNFCタグ191から読み取られた社員Pの本人確認用の情報と、撮像装置182により撮像された社員Pの顔画像とに基づき、確認対象の社員Pの認証を行う。
【0172】
体調確認部188は、体温計測部183により計測された社員Pの体温の情報と、酒気帯び計測部184により計測された社員Pの呼気のアルコール濃度の情報とに基づき、確認対象の社員Pが乗務可能な体調か否かを確認する。
【0173】
業務情報提示部189は、本人確認部187により本人であると認証され、かつ、体調確認部188により乗務可能な体調であると確認された確認対象の社員Pに対して、表示装置185を介して業務情報を提示する。業務情報提示部189は、例えば確認対象の社員Pの検査結果の情報を管理装置5のルート計画部502に送信し、ルート計画部502から当該社員Pの業務情報を受信する。
【0174】
運転手情報記録部501は、運転手確認装置18を使用した社員Pの使用時刻や検査結果を含む運転手情報を記録する。
【0175】
ルート計画部502は、運転手確認装置18によって乗務可能と判断された社員Pに提示する業務情報を作成する。ルート計画部502は、例えば運転手確認装置18の業務情報提示部189から確認対象の社員Pの検査結果の情報を受信するのに応じて、当該社員Pの業務情報を業務情報提示部189に送信する。また、ルート計画部502は、受信した確認対象の社員Pの検査結果の情報を運転手情報記録部501に出力する。
【0176】
図17は、運転手管理機能のフローチャートである。
【0177】
ステップS41では、本人確認部187により、リーダ装置181が読み取った確認対象の社員Pの個人情報と、撮像装置182が撮像した社員Pの顔画像とに基づき、確認対象の社員P本人であるか否なかの本人確認が行われる。
【0178】
ステップS42では、体調確認部188により、ステップS41の本人確認処理をクリアした社員Pに対して、体温計測部183が計測した体温情報と、酒気帯び計測部184が計測した酒気帯び度合い情報(例えば呼気のアルコール濃度)に基づき、運転手(確認対象の社員P)が搬送車両4に乗務可能な体調であるか否かの体調確認が行われる。
【0179】
ステップS43では、業務情報提示部189により、ステップS42の体調確認処理をクリアした社員Pに対して、当日の配送ルートなどの情報を含む業務情報が表示装置185などを介して提示される。社員Pは、提示された業務情報を参照して、搬送車両4に乗務して配送業務を行う。
【0180】
なお、ステップS43で用いられる業務情報は、例えば管理装置5のルート計画部502によって作成される。ルート計画部502は、例えば図6を参照して説明した事前入庫調整制御によって荷受け、荷送り会社3の管理装置6から提供された最適入庫時間の情報を考慮して、予め入庫時間を調整済の配送ルートを作成し、業務情報に含める構成としてもよい。
【0181】
ステップS44では、各営業所202A~202Cの運転手確認装置18A~18Cで確認作業が行われてた社員Pの運転手情報が、各運転手確認装置18A~18Cから管理装置5に集約して、運転手情報記録部501に記録される。運転手情報は、例えばステップS43において業務情報提示部189が業務情報を管理装置5から取得する際に、各運転手確認装置18A~18Cから管理装置5に送信される。
【0182】
また、運送会社2の管理装置5は、運転手管理機能の構成を利用して、運転手の勤怠管理も簡易かつ高精度に実施できる。
【0183】
勤怠管理の第1の例としては、管理装置5は、運転手確認装置18の出社時の処理を通ったときに勤務開始と記録する。そして、運転手が帰社後に再度運転手確認装置18で認証処理を行わせて、認証処理を完了したときに勤務終了と記録する。
【0184】
勤怠管理の第2の例としては、搬送車両4の運転席に、運転手確認装置18の本人確認処理に用いる社員証190などの物品を載置または挿入する読取装置を設置する。運転手が社員証190などを読取装置に載置または挿入したときに読取装置が管理装置に検出情報を送信して、管理装置が勤務開始と記録する。そして、運転手が帰社後に社員証190などを読取装置から取り外しまたは抜き取ったときに読取装置が管理装置に検出情報を送信して、管理装置が勤務終了と記録する。なお、この場合、休憩時に抜き取り、その時間は休憩時間として管理してもよい。
【0185】
本実施形態に係る物流システム1による運転手管理機能の効果について説明する。
【0186】
本実施形態の運転手確認装置18は、搬送物30を積載して搬送する搬送車両4の運転手Pが業務開始時に使用する装置である。運転手確認装置18は、運転手Pの本人確認を行う本人確認部187と、運転手Pの体調確認を行う体調確認部188と、本人確認部187により本人と確認され、かつ、体調確認部188により体調が所定の基準を満たすと確認された運転手Pに対して、搬送車両4のルート情報を含む業務情報を提示する業務情報提示部189と、を備える。
【0187】
この構成により、搬送車両4の運転手Pの運転前管理を、専用の人員を要さず短時間で実施することができるので、運転前管理を簡便かつ確実に行うことが可能となる。この結果、物流業務の業務効率を向上でき、ホワイト物流の実現につながる。
【0188】
本実施形態の運転手確認装置18において、本人確認部187は、運転手Pが所持する識別タグ(NFCタグ191)の情報を読み取るリーダ装置181を有する。識別タグ191には運転手Pの識別情報(運転手ID)が関連付けられる。本人確認部187は、リーダ装置181により識別タグ191から読み取られた識別情報に基づき運転手Pの本人確認を行う。
【0189】
この構成により、運転手P本人が所持する識別タグから情報を読み取ることを本人確認の条件にできるので、本人確認の処理を精度良く行うことが可能となる。
【0190】
本実施形態の運転手確認装置18において、本人確認部187は、運転手Pの顔を撮像する撮像装置182を有する。本人確認部187は、撮像装置182により撮像された運転手Pの顔画像情報と、リーダ装置181により読み取られた識別情報とに基づき、運転手Pの本人確認を行う。
【0191】
この構成により、識別タグによる本人確認処理と、顔画像に基づく本人確認処理とを併用して、多重認証を行うことが可能となるので、本人確認の処理をさらに精度良く行うことが可能となる。
【0192】
本実施形態の運転手確認装置18において、体調確認部188は、運転手Pの体温を計測する体温計測部183と、運転手Pの酒気帯び度合いを計測する酒気帯び計測部184とを有する。体調確認部188は、体温計測部183により計測された運転手Pの体温情報と、酒気帯び計測部184により計測された運転手Pの酒気帯び度合いの情報とに基づき、運転手Pの体調が所定の基準を満たすかどうかを確認する。
【0193】
この構成により、運転手Pの発熱などの病気発生の有無と、飲酒の有無とを併せて検査することができ、運転手Pが搬送車両4を運転するのに適切な体調か否かを精度良く判定できる。
【0194】
本実施形態の運転手確認装置18において、識別タグがNFCタグであるのが好ましい。この構成により、運転手Pの識別情報を、リーダ装置181などを用いて非接触で簡便に取得することができ、運転前管理業務を効率化できる。
【0195】
また、本実施形態に係る運転手管理システムは、上記の運転手確認装置18と、運転手確認装置18から各運転手Pの状態を集約して管理する管理装置5と、を備える。
【0196】
この構成により、運転手確認装置18を利用して運転前管理の検査を行った各運転手Pの情報を管理装置5に自動的に集約して記録することができるので、運転手Pの管理を簡易かつ正確に行うことが可能となる。
【0197】
また、本実施形態に係る運転手管理システムにおいて、管理装置5は、運転手確認装置18から取得した、本人確認部187により本人と確認され、かつ、体調確認部188により体調が所定の基準を満たすと確認された運転手Pの情報に基づき、運転手の勤怠管理を行うこともできる。
【0198】
この構成により、運転手確認装置18を利用して運転前管理の検査を行った各運転手Pの情報を利用して、運転手の勤怠管理を簡易かつ正確に行うことが可能となる。
【0199】
また、本実施形態に係る運転手管理システムにおいて、運転手確認装置18は管理装置5の管理下に複数台が設置される。管理装置5は、複数の運転手確認装置18から各運転手Pの状態を集約して管理する。
【0200】
この構成により、複数の運転手確認装置18を利用して運転前管理の検査を行った各運転手Pの情報を管理装置5に自動的に集約して記録することができるので、運転手Pの管理を、より広範囲にわたり、簡易かつ正確に行うことが可能となる。
【0201】
<ハードウェア構成>
管理装置5、6や、フォークリフト50のコントローラ58、運転手確認装置18の制御装置186は、物理的には、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)、入力デバイスであるキーボード及びマウス等の入力装置、ディスプレイ等の出力装置、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュール、ハードディスク等の補助記憶装置、などを含むコンピュータシステムとして構成することができる。図3に示す管理装置6の各機能、図12に示す管理装置6及びフォークリフト50のコントローラ58の各機能、図16に示す管理装置5及び運転手確認装置18の制御装置186の各機能は、CPU、RAM等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPUの制御のもとで通信モジュール、入力装置、出力装置を動作させるとともに、RAMや補助記憶装置におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
【0202】
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0203】
1 物流システム
2 運送会社
3 荷送り、荷受け会社(荷役場所)
4 搬送車両
41 荷室
H 荷室の高さ
H1 搬送物の積載高さ
5 運送会社の管理装置(運送側管理装置)
6 荷送り、荷受け会社の管理装置
61 入出場検知部
62 台数情報算出部
63 待機時間算出部
64 入場予定時刻算出部
66 入場予定調整部
70 積み込み計画部
7 入場ゲート
8 出場ゲート
9、10 入出場ゲートのRFIDリーダ
11 RFIDタグ(車両識別用RFIDタグ)
12 料金所(特定場所)
13 サービスエリア(特定場所)
14、15 特定場所のRFIDリーダ
16 移動経路
17 上位管理装置
18 運転手確認装置
181 リーダ装置
182 撮像装置
183 体温計測部
184 酒気帯び計測部
185 表示装置
186 制御装置
187 本人確認部
188 体調確認部
189 業務情報提示部
190 社員証
191 NFCタグ(識別タグ)
P 社員、運転手
20 管理領域
27 荷送りスペース
28 検知装置
30 搬送物
31 パレット
32 物品群
33 RFIDタグ
50 手動運転フォークリフト
57 表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17