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特開2023-147502データ解析装置およびデータ解析方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147502
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】データ解析装置およびデータ解析方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 23/16 20060101AFI20231005BHJP
   G01H 17/00 20060101ALI20231005BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G01R23/16 E
G01H17/00 Z
G05B23/02 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055030
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 重幸
(72)【発明者】
【氏名】佐野 徳美
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昌弘
【テーマコード(参考)】
2G064
3C223
【Fターム(参考)】
2G064AA11
2G064AB01
2G064AB02
2G064BA02
2G064BD02
2G064CC41
2G064CC42
2G064DD02
3C223AA23
3C223BA01
3C223CC01
3C223DD01
3C223EB02
3C223FF03
3C223FF04
3C223FF25
3C223FF45
3C223GG01
3C223HH15
(57)【要約】
【課題】検査データの比較作業を容易かつ適切に行うことができるデータ解析装置およびデータ解析方法を提供する。
【解決手段】データ解析装置は、解析対象である複数のサンプルの識別情報を含むサンプル情報および複数のサンプルの検査データをそれぞれ取得するデータ取得部と、データ取得部により取得されたサンプル情報に基づいて、識別情報を含むサンプルリストを表示部に表示させる第1の表示制御部と、表示部に表示されたサンプルリスト上のユーザ操作を受け付ける操作受付部と、データ取得部により取得された検査データを異なる複数の分析手法を用いて分析した複数種類の分析結果のうち、操作受付部により受け付けたユーザ操作に応じた分析結果を選択的に表示部に表示させる第2の表示制御部と、を備える。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
解析対象である複数のサンプルの識別情報を含むサンプル情報および前記複数のサンプルの検査データをそれぞれ取得するデータ取得部と、
前記データ取得部により取得された前記サンプル情報に基づいて、前記識別情報を含むサンプルリストを表示部に表示させる第1の表示制御部と、
前記表示部に表示された前記サンプルリスト上のユーザ操作を受け付ける操作受付部と、
前記データ取得部により取得された前記検査データを異なる複数の分析手法を用いて分析した複数種類の分析結果のうち、前記操作受付部により受け付けたユーザ操作に応じた分析結果を選択的に表示部に表示させる第2の表示制御部と、を備えることを特徴とするデータ解析装置。
【請求項2】
前記第1の表示制御部は、前記複数のサンプルを色および番号の少なくとも一方で区別した前記サンプルリストを前記表示部に表示させ、
前記第2の表示制御部は、前記サンプルリストに表示された色および番号の少なくとも一方を用いて前記複数のサンプルの分析データを区別して前記分析結果を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載のデータ解析装置。
【請求項3】
前記検査データは、周波数スペクトルデータであり、
前記複数種類の分析結果は、前記複数のサンプルの前記検査データに前記サンプルの良否判定を行うための閾値データを重ね合わせた第1の分析結果を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のデータ解析装置。
【請求項4】
前記第1の表示制御部は、前記サンプルの良否判定の結果を含む前記サンプルリストを前記表示部に表示させ、
前記良否判定は、前記検査データと前記閾値データとの比較によって判定されることを特徴とする請求項3に記載のデータ解析装置。
【請求項5】
前記第1の表示制御部は、
前記サンプルの良否判定の結果を色で区別して表示させることを特徴とする請求項4に記載のデータ解析装置。
【請求項6】
前記複数種類の分析結果は、前記複数のサンプルについて、前記検査データと前記閾値データとの比較によって否判定とされた周波数を示した第2の分析結果を含むことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載のデータ解析装置。
【請求項7】
前記複数種類の分析結果は、前記複数のサンプルについて、各周波数における前記検査データと前記閾値データとの差分値を色でマッピングした第3の分析結果を含むことを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載のデータ解析装置。
【請求項8】
前記複数種類の分析結果は、前記複数のサンプルについて、所定の周波数における前記検査データの値を前記閾値データとともに示した第4の分析結果を含むことを特徴とする請求項3から7のいずれか1項に記載のデータ解析装置。
【請求項9】
前記所定の周波数は、前記複数種類の分析結果のうち前記表示部に表示された周波数軸を有する前記分析結果上でユーザが指定した周波数であることを特徴とする請求項8に記載のデータ解析装置。
【請求項10】
前記操作受付部は、前記サンプルリストに表示された複数の項目のうち、特定の項目の指定を受け付け、
前記第1の表示制御部は、前記操作受付部により受け付けた前記指定に基づいて、前記サンプルリストの並び順を変更して表示させることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のデータ解析装置。
【請求項11】
前記第2の表示制御部は、
前記サンプルリストの並び順に従って分析データを並び替えて前記分析結果を表示させることを特徴とする請求項10に記載のデータ解析装置。
【請求項12】
前記操作受付部は、
前記サンプルリストに含まれる複数のサンプルのうち、前記分析結果の表示対象とするサンプルの指定を受け付け、
前記第2の表示制御部は、
前記操作受付部により指定を受けた前記サンプルの分析データのみを含む前記分析結果を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のデータ解析装置。
【請求項13】
前記操作受付部は、
前記サンプルリストに含まれる複数のサンプルのうち、特定のサンプルの指定を受け付け、
前記第2の表示制御部は、
前記操作受付部により指定を受けた前記特定のサンプルの分析データを、前記分析結果上で視覚的に強調させることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のデータ解析装置。
【請求項14】
前記表示部に表示された前記分析結果上で、特定の分析データの指定を受け付ける第2の操作受付部をさらに備え、
前記第1の表示制御部は、
前記第2の操作受付部により指定を受けた前記特定の分析データに対応するサンプルを、前記サンプルリスト上で視覚的に強調させることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載のデータ解析装置。
【請求項15】
前記サンプルは、モータであり、
前記検査データは、前記モータの駆動時に発生するノイズを検査するためのデータであることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載のデータ解析装置。
【請求項16】
解析対象である複数のサンプルの識別情報を含むサンプル情報および前記複数のサンプルの検査データをそれぞれ取得するステップと、
取得された前記サンプル情報に基づいて、前記識別情報を含むサンプルリストを表示部に表示させるステップと、
前記表示部に表示された前記サンプルリスト上のユーザ操作を受け付けるステップと、
取得された前記検査データを異なる複数の分析手法を用いて分析した複数種類の分析結果のうち、前記ユーザ操作に応じた分析結果を選択的に表示部に表示させるステップと、を含むことを特徴とするデータ解析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ解析装置およびデータ解析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータの生産現場において行われるノイズ検査では、モータが駆動時に発生する音、振動などを測定し、その測定データを周波数解析して得られるスペクトルデータ(以下、「検査データ」という。)に閾値を設けて良否判定を行っている。複数のサンプルの検査データを分析することで、サンプルの出来栄えを確認したり不良品の傾向を解析したりすることができる。
例えば特許文献1は、回転機器の振動を監視する振動監視装置を開示する。この振動監視装置は、予め保存した閾値を使用して振動データにおける異常の有無を自動的に監視し、その監視結果に応じた振動データを保存すると共に、保存したデータを要求に応じて表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-167623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の解析作業では、作業者が多数のサンプルの分析データを比較して不良品の傾向を確認している。しかしながら、従来のツールでは、各サンプルの検査データをそれぞれ波形グラフやカラーマップで可視化することはできるが、検査データの比較を行う上での視認性および操作性が十分ではなく、比較作業に多大な時間と労力とを要していた。
そこで、本発明は、検査データの比較作業を容易かつ適切に行うことができるデータ解析装置およびデータ解析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一つの態様のデータ解析装置は、解析対象である複数のサンプルの識別情報を含むサンプル情報および上記複数のサンプルの検査データをそれぞれ取得するデータ取得部と、上記データ取得部により取得された上記サンプル情報に基づいて、上記識別情報を含むサンプルリストを表示部に表示させる第1の表示制御部と、上記表示部に表示された上記サンプルリスト上のユーザ操作を受け付ける操作受付部と、上記データ取得部により取得された上記検査データを異なる複数の分析手法を用いて分析した複数種類の分析結果のうち、上記操作受付部により受け付けたユーザ操作に応じた分析結果を選択的に表示部に表示させる第2の表示制御部と、を備える。
【0006】
また、本発明の一つの態様のデータ解析方法は、解析対象である複数のサンプルの識別情報を含むサンプル情報および上記複数のサンプルの検査データをそれぞれ取得するステップと、取得された上記サンプル情報に基づいて、上記識別情報を含むサンプルリストを表示部に表示させるステップと、上記表示部に表示された上記サンプルリスト上のユーザ操作を受け付けるステップと、取得された上記検査データを異なる複数の分析手法を用いて分析した複数種類の分析結果のうち、上記ユーザ操作に応じた分析結果を選択的に表示部に表示させるステップと、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、複数種類の分析結果の中からユーザの意思が反映された分析結果を表示部に表示させることができるため、ユーザは表示された分析結果をもとに検査データの比較作業を容易かつ適切に行い、サンプルの特徴を解析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、データ解析システムの構成例を示す図である。
図2図2は、データ解析装置の構成例を示す機能ブロック図である。
図3図3は、第1の分析結果の表示例である。
図4図4は、第2の分析結果の表示例である。
図5図5は、第3の分析結果の表示例である。
図6図6は、第4の分析結果の表示例である。
図7図7は、サンプルリストの表示例である。
図8図8は、サンプルリストと分析結果表示との色による相互作用を示す図である。
図9図9は、サンプルリストと分析結果表示との番号による相互作用を示す図である。
図10図10は、ソート機能と第3の分析結果との組み合わせを示す図である。
図11図11は、ソート機能と絞り込み機能との組み合わせを示す図である。
図12図12は、日付ソート機能と第4の分析結果との組み合わせを示す図である。
図13図13は、日付ソートと第2の分析結果との組み合わせを示す図である。
図14図14は、サンプル検索機能を示す図である。
図15図15は、分析データ検索機能を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の例示的な実施形態について説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
【0010】
図1は、本実施形態におけるデータ解析装置100を備えるデータ解析システム1000の構成例を示す図である。
本実施形態におけるデータ解析システム1000は、解析対象である複数のサンプルの検査データをもとにサンプルの良否を判定したり、不良品の傾向を解析したりするためのシステムである。
【0011】
本実施形態では、上記サンプルがモータであり、上記検査データがモータの駆動時に発生するノイズを検査するためのデータである場合について説明する。例えば、検査データは、モータの駆動時に発生する音をマイクなどで測定した測定データを周波数解析して得られる周波数スペクトルデータとすることができる。周波数スペクトルデータは、横軸を周波数(Frequency)、縦軸を信号の強度(Magnitude)に分解したデータである。
【0012】
図1に示すように、データ解析システム1000は、データ解析装置100と、第1の表示装置(分析結果表示部)210と、第2の表示装置(サンプルリスト表示部)220と、を備える。
データ解析装置100は、分析結果表示部210およびサンプルリスト表示部220の表示制御を行う。データ解析装置100は、分析結果表示部210に検査データを分析した分析結果を表示させる表示制御と、サンプルリスト表示部220にサンプルリストを表示させる表示制御と、を行うことができる。
ここで、サンプルリストは、サンプルの識別情報(例えばシリアル名)などのサンプルに関する情報を含むリストである。また、分析結果は、ユーザ300が複数のサンプルの検査データを比較したり、複数のサンプルの特徴を確認したりすることが可能な情報である。
【0013】
本実施形態におけるデータ解析装置100は、サンプルリスト表示部220に表示されたサンプルリスト上のユーザ操作を受け付け、当該ユーザ操作に応じた分析結果を分析結果表示部210に表示させる。
具体的には、データ解析装置100は、複数のサンプルの検査データを異なる複数の分析手法を用いて分析した複数種類の分析結果の中から、ユーザ操作に応じた分析結果を選択的に分析結果表示部210に表示させることができる。また、データ解析装置100は、ユーザ操作に応じて、サンプルリストおよび分析結果の表示形態を切り替える機能を有する。上記機能は、データの並べ替えを行うソート機能、データの表示、非表示を切り替える絞り込み機能、データの検索を行う検索機能などを含む。
【0014】
分析結果表示部210およびサンプルリスト表示部220は、それぞれユーザ300が閲覧可能なモニタを備える表示装置である。
ユーザ300は、サンプルリスト表示部220に表示されたサンプルリストを確認し、サンプルリスト上で操作を行うことで、データ解析装置100に対して分析結果表示部210に表示させる分析結果の表示形態を指示する。データ解析装置100は、ユーザ操作に応じて、分析結果表示部210に表示させる分析結果を切り替え、ユーザ300が所望する分析結果を提示する。ユーザ300は、分析結果表示部210に表示された分析結果を確認し、サンプルの解析作業を行う。
つまり、分析結果表示部210は、ユーザ300によるサンプルの解析作業に必要な分析結果を表示させるメイン画面であり、サンプルリスト表示部220は、メイン画面に表示させる分析結果を切り替えるためのコントロール画面である。
【0015】
なお、分析結果表示部210およびサンプルリスト表示部220は、別々の表示装置に限定されるものではなく、例えば1つの表示装置であってもよい。この場合、1つのモニタ中の表示画面に、分析結果表示部210の表示エリアとサンプルリスト表示部220の表示エリアとを設ければよい。
また、データ解析装置100、分析結果表示部210およびサンプルリスト表示部220は、同一の装置であってもよい。例えば、データ解析装置100が分析結果表示部210とサンプルリスト表示部220とを備えていてもよい。
【0016】
図2は、データ解析装置100の構成例を示す機能ブロック図である。
データ解析装置100は、データ取得部110と、良否判定部120と、リスト表示制御部130と、操作受付部140と、分析結果表示制御部150と、を備える。
データ取得部110は、解析対象である複数のサンプルのサンプル情報および検査データをそれぞれ取得する。サンプル情報は、サンプルの識別情報、検査日時などのサンプルに関する情報である。検査データは、例えば、上述した周波数スペクトルデータである。
データ取得部110は、例えば記憶媒体からサンプル情報および検査データを取得してもよいし、外部装置から通信ネットワークを介してサンプル情報および検査データを取得してもよい。
【0017】
良否判定部120は、データ取得部110により取得された検査データと、予め定められた閾値データとを比較し、サンプルの良否判定を行う。
リスト表示制御部130は、データ取得部110により取得されたサンプル情報に基づいて、サンプルリストをサンプルリスト表示部220に表示させる第1の表示制御部である。サンプルリストは、サンプルの識別情報、良否判定部120により判定された良否判定の結果、および検査日時を含むことができる。サンプルリストの詳細について後述する。
【0018】
操作受付部140は、サンプルリスト表示部220に表示されたサンプルリスト上のユーザ操作を受け付ける。例えば、操作受付部140は、ユーザ300がキーボード、ポインティングデバイスなどを操作してサンプルリスト上で指定した条件を取得する。ユーザ300は、サンプルリスト上で、複数種類の分析結果のうち分析結果表示部210に表示させる分析結果を指定したり、上記のソート機能、絞り込み機能、検索機能などの条件を指定したりすることができる。
【0019】
分析結果表示制御部150は、操作受付部140により受け付けたユーザ操作に応じて、分析結果表示部210に分析結果を表示させる第2の表示制御部である。分析結果表示制御部150は、データ取得部110により取得された検査データを異なる複数の分析手法を用いて分析した複数種類の分析結果のうち、操作受付部140により受け付けたユーザ操作に応じた分析結果を選択的に分析結果表示部210に表示させることができる。
【0020】
以下、分析結果表示部210に表示可能な複数種類の分析結果について説明する。
本実施形態では、4種類の分析結果について説明する。なお、以下の説明では、図示を簡略化するために、サンプル数を4つとする。
図3は、第1の分析結果211の表示例である。
第1の分析結果211は、図中実線で示す複数のサンプルの検査データに、図中破線で示す閾値データを重ね合わせた結果である。第1の分析結果211において、横軸は周波数(Frequency)、縦軸は信号の強度(Magnitude)である。ここで、閾値データは、サンプルの良否判定を行うためのデータである。検査データの値が閾値を超える場合、サンプルが不良品であると判定することができる。
この図3においては、4つのサンプルの検査データを、それぞれ色で区別して表示している。なお、各検査データは、視覚的に区別できればよく、例えば線種などで区別してもよい。
【0021】
第1の分析結果211により、複数のサンプルの検査データが一度に表示されるので、ユーザは、複数のサンプルの特徴を容易に比較したり、複数のサンプルの特徴の傾向を容易に確認したりすることができる。
さらに、第1の分析結果211により、検査データと閾値データとを重ね合わせた結果が表示されるので、ユーザは、検査データと閾値データとを容易に比較することができる。その結果、ユーザは、検査データの値が閾値を超える位置(周波数の値、以下、「NG位置」という。)の傾向を容易に確認することができる。
【0022】
図4は、第2の分析結果212の表示例である。
第2の分析結果212は、複数のサンプルについて、検査データと閾値データとの比較によって否判定とされた周波数、すなわち、NG位置を示した結果である。第2の分析結果212において、横軸は周波数(Frequency)であり、NG位置にマーカーを表示している。マーカーは、例えば赤い点とすることができる。なお、マーカーの色および形状は、任意の色および形状であってよい。
【0023】
この第2の分析結果212では、4つのサンプルを1から4のサンプル番号(Sample No.)で区別し、各サンプルのNG位置を上下方向に並べて表示する。
第2の分析結果212により、複数のサンプルのNG位置が一度に表示されるので、ユーザは、NG発生位置の傾向を容易に確認することができる。
【0024】
図5は、第3の分析結果213の表示例である。
第3の分析結果213は、複数のサンプルについて、各周波数における検査データと閾値データとの差分値を色でマッピングしたカラーマップである。具体的には、第3の分析結果213では、上記差分値を複数のランクに分けて、それぞれ異なる色で表示する。各サンプルのカラーマップ表示は、上下方向に並べて表示される。この図5においては、4つのサンプルを1から4のサンプル番号(Sample No.)で区別している。
【0025】
例えば、検査データの値が閾値以上の周波数(図5の閾値との差「0以下」)は赤色で表示することができる。また、検査データの値が閾値よりも小さく、かつ検査データの値と閾値との差が2dB以下の周波数(図5の閾値との差「0超、2以下」)は黄色で表示することができる。また、検査データの値が閾値よりも小さく、かつ閾値との差が2dBよりも大きく4dB以下の周波数(図5の閾値との差「2超、4以下」)は青色で表示することができる。また、検査データの値が閾値よりも小さく、かつ閾値との差が4dBよりも大きく6dB以下の周波数(図5の閾値との差「4超、6以下」)は緑色で表示することができる。また、検査データの値が閾値より小さく、かつ閾値との差が6dBよりも大きい周波数(図5の閾値との差「6超」)は白色で表示することができる。
なお、表示色は上記に限定されるものではない。
【0026】
第3の分析結果213により、検査データと閾値との差が色でマッピングされて表示されるので、ユーザは、NG発生位置と、閾値と比較した検査データの特徴とを同時に確認することができる。また、検査データと閾値データとの差分値を色でマッピングする際、上記のように閾値との差が小さいほど赤い色にするなど、色を工夫することで、ユーザは、NGになりやすい危険度の高いサンプル、または次数部分を容易に確認することができる。
【0027】
図6は、第4の分析結果214の表示例である。
第4の分析結果214は、複数のサンプルについて、所定の周波数における検査データの値を、当該周波数における閾値データとともに示した散布図である。第4の分析結果214において、縦軸は所定の周波数における信号の強度(Magnitude)であり、検査データの値にマーカーを表示している。各サンプルのマーカー表示は、左右方向に並べて表示される。この図6においては、4つのサンプルを1から4のサンプル番号(Sample No.)で区別している。
なお、マーカーの色および形状は、任意の色および形状であってよい。また、第4の分析結果214においては、検査データの値が閾値を超えているか否かに応じて、マーカーの色、形状などを変えてもよい。例えば、検査データの値が閾値を超えているサンプルについては、赤色のマーカーを表示してもよい。
【0028】
ここで、上記所定の周波数は、ユーザが指定した周波数とすることができる。
例えば図6に示すように、ユーザ300は、第1の分析結果211上で所定の周波数211aを指定することができる。
なお、複数種類の分析結果のうち、分析結果表示部210に表示された周波数軸を有する分析結果上であれば、ユーザは周波数の指定が可能である。つまり、ユーザは、第2の分析結果212または第3の分析結果213上で周波数を指定してもよい。
【0029】
第4の分析結果214により、ユーザは、特定の周波数でのデータの分布およびばらつきを容易に確認することができる。
また、ユーザが指定した周波数での散布図を表示させることができるので、ユーザは、自身が着目した周波数でのデータの分布およびばらつきを容易に確認することができる。また、ユーザは、分析結果表示部210に表示された他の分析結果上で上記周波数を指定することができるので、操作性が良い。なお、ユーザによる周波数の指定は、単一の値の指定であってもよいし、特定の範囲の指定であってもよい。
【0030】
図2に示す分析結果表示制御部150は、操作受付部140により受け付けたユーザ操作に応じて、図3図6に示す第1~第4の分析結果のうち、1つ以上の分析結果を選択的に分析結果表示部210に表示させることができる。
以上のように、本実施形態におけるデータ解析装置100は、単純に検査データだけを可視化するのではなく、検査データと閾値データとを比較した結果を可視化することができる。したがって、ユーザ300は、NG位置および当該NG位置での閾値との差を容易に確認することができ、閾値データを用いた良否判定によって否判定となった部分に着目した解析が可能となる。
【0031】
次に、サンプルリスト表示部220に表示されるサンプルリストについて説明する。
図7は、サンプルリスト221の表示例である。
リスト表示制御部130は、図7に示すように、読込番号、表示/非表示の情報、シリアル名、良否判定結果および検査日時を含むサンプルリスト221をサンプルリスト表示部220に表示させることができる。
ここで、サンプルの読込番号は、1からの連番とすることができる。
【0032】
表示/非表示の情報は、分析結果表示部210に分析結果を表示するか否かの情報である。この表示/非表示の情報を表示するエリアには、それぞれチェックボタンを設けることができる。ユーザは、上記チェックボックスを操作することで、表示対象とするサンプルを個別に選択することができる。
また、サンプルリスト221には、図7に示すように、全選択のチェックボタン222が設けられていてもよい。この場合、ユーザは、チェックボタン222を操作することで、すべてのサンプルの表示および非表示を一括で切り替えることができる。これにより、例えば、すべてのサンプルについてチェックを入れた状態から非表示とするサンプルのチェックを個別に外したり、逆に、すべてのサンプルのチェックを外した状態から表示対象とするサンプルのチェックを個別に入れたりすることができ、操作性が向上する。
【0033】
シリアル名は、サンプルを識別可能な固有の情報であり、シリアル番号などの識別番号を含む。
良否判定結果は、検査データと閾値データとの比較によって判定される結果である。図7に示すサンプルリスト221では、良否判定結果は、総合判定結果と表示検査の判定結果とを含む。良否判定結果の詳細については後述する。
検査日時は、検査を実施した日時であり、例えば、サンプルの測定データの取得日時とすることができる。
なお、サンプルリスト221に表示される項目は、図7に示す項目に限定されるものではなく、サンプルの検査データに付随した情報、分析結果表示部210に表示させる分析結果の条件指定に必要な情報などであればよい。
【0034】
以下、サンプルリスト221に表示する良否判定結果について説明する。
図7に示すサンプルリスト221は、1つのサンプルに対して複数の異なる条件で検査を行う場合のサンプルリストの一例である。
複数の検査のうち少なくとも1つでNG判定となると、当該サンプルは不良品(NG品)であると判定され、サンプルリスト221の「総合判定結果」には「NG」が表示される。一方、全ての検査でOK判定となると当該サンプルは良品(OK品)であると判定され、サンプルリスト221の「総合判定結果」には「OK」が表示される。
【0035】
また、サンプルリスト221には、例えばプルダウン223を設けることができる。ユーザは、プルダウン223を操作することで、複数の検査(検査1、検査2、…)のうち、表示対象とする検査を選択することができる。
サンプルリスト221の「表示検査の判定結果」には、プルダウン223により選択された検査(図7では検査1)の個別の判定結果が表示される。つまり、検査1においてNG品であると判定された場合は「NG」が表示され、検査1においてOK品であると判定された場合は「OK」が表示される。
なお、図7では、総合判定結果と表示検査の判定結果とが同じである例を示しているが、表示検査の判定結果が「OK」であっても、総合判定結果は「NG」となる場合がある。
【0036】
リスト表示制御部130は、サンプル情報に基づいて、図7に示すサンプルリスト221をサンプルリスト表示部220に表示させることができる。
このとき、リスト表示制御部130は、サンプルリスト221において、複数のサンプルを色で区別して表示してもよい。例えば図7に示すように、サンプルリスト221の表示/非表示の情報を表示するエリアを、それぞれ異なる色で表示してもよい。
【0037】
この場合、分析結果表示制御部150は、サンプルリスト221に表示された色を用いて、各サンプルの分析データを区別して分析結果を表示させてもよい。つまり、図8に示すように、分析結果表示部210に第1の分析結果211を表示させる場合、第1の分析結果211上の検査データの色は、サンプルリスト221の表示/非表示の情報を表示するエリア221aの色と同じにする。
これにより、サンプルリスト221上のサンプル情報と第1の分析結果211上の分析データとを視覚的に関連付けることができ、両者の紐付けが容易となる。
【0038】
また、リスト表示制御部130は、サンプルリスト221において、サンプルの良否判定の結果を色で区別して表示してもよい。例えば図8に示すように、サンプルリスト221の良否判定結果を表示するエリア221bを、判定結果に応じた色で表示してもよい。例えば、良否判定の結果がOKである場合には青色、良否判定の結果がNGである場合には赤色で表示することができる。
このように、サンプルの良否判定の結果を色で区別して表示させることで、ユーザは、サンプルリスト221上でOK品およびNG品を容易に判別することができる。したがって、サンプルリスト221上のNG品のサンプル情報と第1の分析結果211上の分析データとを容易に紐付けることが可能となる。
【0039】
なお、サンプルリスト221において複数のサンプルを色で区別して表示する手法として、サンプルリスト221上のエリア221aをそれぞれ異なる色で表示する場合について説明したが、上記に限定されるものではない。ユーザが、各サンプルに対応付けられた色を容易に確認できればよく、例えば、読込番号を表示するエリアをそれぞれ異なる色で表示してもよいし、シリアル名を表示するエリアをそれぞれ異なる色で表示してもよい。また、各サンプルに対応付けられた色を表示するエリアを新たに設けてもよい。
【0040】
また、リスト表示制御部130は、サンプルリスト221において、複数のサンプルを番号で区別して表示してもよい。図7に示すサンプルリスト221においては、読込番号221cにより複数のサンプルを区別している。
この場合、分析結果表示制御部150は、サンプルリスト221に表示された番号を用いて、各サンプルの分析データを区別して分析結果を表示させてもよい。つまり、図9に示すように、分析結果表示部210に第2の分析結果212を表示させる場合、サンプル番号212aは、サンプルリスト221上の読込番号221cと同じにする。
【0041】
この場合にも、サンプルリスト221上のサンプル情報と第2の分析結果212上の分析データとを視覚的に関連付けることができ、両者の紐付けが容易となる。
なお、図7に示すように、サンプルリスト221において、複数のサンプルが色と番号の両方を用いて区別して表示される場合には、分析結果表示制御部150は、サンプルリスト221に表示された色および番号を用いて各サンプルの分析データを区別して分析結果を表示させてもよい。例えば、図9に示す第2の分析結果212のマーカーの色を、サンプルリスト221上の各サンプルの色と同じにしてもよい。
【0042】
さらに、リスト表示制御部130は、サンプルリスト221の並び順を変更するソート機能を有することができる。
この場合、操作受付部140は、サンプルリスト221に表示された複数の項目のうち、ユーザによる特定の項目の指定を受け付ける。例えばユーザは、サンプルリスト221上にて、各列の先頭に表示されている項目名のうちソートしたい項目の項目名をクリックするなどにより、ソートしたい項目を指定する。操作受付部140は、上記のユーザ操作を受け付け、リスト表示制御部130は、操作受付部140により受け付けた指定に基づいて、サンプルリスト221の並び順を変更してサンプルリスト表示部220に表示させる。
【0043】
サンプルリスト221は、例えば「総合判定」でソートすることができる。この場合、図10に示すように、サンプルリスト221上でNG群221dとOK群221eとを上下に分けて表示することができる。これにより、ユーザ300は、NG品のシリアル名などを容易に確認することができる。このように、サンプルリスト221の視認性が向上する。
【0044】
また、分析結果表示制御部150は、サンプルリスト221の並び順に従って分析データを並び替えて分析結果を表示させてもよい。例えば図10に示すように、分析結果表示部210に第3の分析結果213を表示させる場合、サンプルリスト221の並び順に従って、カラーマップ上でもNG群213aとOK群213bとを上下に分けて表示することができる。これにより、OK品の傾向とNG品の傾向とを容易に比較することが可能となる。
なお、図10に示す第3の分析結果213では、一番下をサンプル番号=1としているが、サンプルリスト221の並び順に合わせて、一番上をサンプル番号=1としてもよい。
【0045】
さらに、分析結果表示制御部150は、分析データを絞り込んで分析結果表示部210に表示させる絞り込み機能を有することができる。
この場合、操作受付部140は、サンプルリスト221に含まれる複数のサンプルのうち、分析結果の表示対象とするサンプルの指定を受け付ける。具体的には、ユーザは、サンプルリスト221上の表示/非表示の情報を表示するエリアに設けられたチェックボタンを操作することで、分析結果の表示対象とするサンプルを指定することができる。操作受付部140は、上記のユーザ操作を受け付け、分析結果表示制御部150は、操作受付部140により指定を受けたサンプルの分析データのみを含む分析結果を、分析結果表示部210に表示させる。
【0046】
例えば、NG品の分析データのみを含む第1の分析結果211を表示させたい場合、図11に示すように、サンプルリスト221上でNG品のチェックボックスのみにチェックを入れる。これにより、第1の分析結果211にはNG品の分析データのみが表示される。
このように、分析結果表示制御部150は、多数のサンプルのうち、ユーザ300が着目したサンプルの分析結果のみを選択的に表示することができる。したがって、ユーザ300は、サンプルの特徴の確認および比較を容易に行うことができる。
【0047】
なお、上記のソート機能と組み合わせることで、分析結果の表示対象とするサンプルの指定を容易に行うことができる。
図11に示すように、サンプルリスト221を総合判定でソートして、サンプルリスト221の上部にNG群221dをまとめて表示させれば、NG品の指定が容易となる。また、例えばサンプルリスト221を検査日時でソートすれば、特定の時間帯に検査したサンプルを容易に指定することもできる。このように、サンプルリスト221の操作性が向上する。
【0048】
なお、サンプルリスト221には、例えばNG品のみのチェックボックスに一括でチェックを入れることができる機能が備えられていてもよい。また、サンプルリスト221には、特定の時間帯を指定することで、指定された時間帯に検査したサンプルのチェックボックスに一括でチェックを入れることができる機能が備えられていてもよい。
【0049】
また、サンプルリスト221を検査日時でソートした場合、検査指標値のトレンド確認が可能となる。
例えば図12に示すように、サンプルリスト221を検査日時221fでソートし、サンプルリスト221の並び順に従って第4の分析結果214の分析データを並び替えた場合、分析データを矢印の方向に時系列順で表示させることができる。つまり、散布図の横軸を時間軸として扱うことができる。
また、例えば図13に示すように、サンプルリスト221を検査日時221fでソートし、サンプルリスト221の並び順に従って第2の分析結果212の分析データを並び替えた場合、分析データを矢印の方向に時系列順で表示させることができる。この場合、NG位置とNGが発生した日時とを容易に確認することができる。
【0050】
さらに、リスト表示制御部130は、サンプルリスト221上でサンプルを検索するサンプル検索機能を有することができる。
この場合、操作受付部140は、分析結果表示部210に表示された分析結果上で、ユーザによる特定の分析データの指定を受け付ける第2の操作受付部としても機能する。例えばユーザは、分析結果上にて、分析データにカーソルを重ねる、分析データをクリックするなどにより、特定の分析データを指定する。操作受付部140は、上記のユーザ操作を受け付け、リスト表示制御部130は、操作受付部140により指定を受けた特定の分析データに対応するサンプルを、サンプルリスト221上で視覚的に強調させる。
【0051】
例えば図14に示すように、ユーザが第1の分析結果211上にて特定の検査データにカーソル215を重ねると、サンプルリスト221上で対応するサンプル(図14では読込番号=3のサンプル)のサンプル情報224が強調表示される。これにより、ユーザは、多数のサンプルの中から、着目した分析データに対応するサンプルを容易に検索することができる。第2~第4の分析結果212~214上でも同様に、分析データにカーソル215を重ねることで、サンプルリスト221側でのサンプルの検索が可能となる。
なお、サンプルの強調表示の方法は特に限定されるものではなく、強調表示すべきサンプルのサンプル情報(サンプルリスト221の行)をハイライト表示したり点滅させたりすることができる。また、強調表示すべきサンプルの読込番号のみをハイライト表示したり点滅させたりしてもよい。
【0052】
また、分析結果表示制御部150は、分析結果上で分析データを検索する分析データ検索機能を有することができる。
この場合、操作受付部140は、サンプルリスト221に含まれる複数のサンプルのうち、ユーザによる特定のサンプルの指定を受け付ける。例えばユーザは、サンプルリスト221上にて、読込番号にカーソルを重ねる、読込番号をクリックするなどにより、特定のサンプルを指定する。操作受付部140は、上記のユーザ操作を受け付け、分析結果表示制御部150は、操作受付部140により指定を受けた特定のサンプルの分析データを、分析結果上で視覚的に強調させる。
【0053】
例えば図15に示すように、ユーザがサンプルリスト221上にて読込番号=3にカーソル225を重ねると、分析結果上で対応する分析データ216が強調表示される。これにより、ユーザは、多数の分析データの中から、着目したサンプルの分析データを容易に検索することができる。
なお、分析データの強調表示の方法は特に限定されるものではなく、強調表示すべき分析データをハイライト表示したり点滅させたりすることができる。
【0054】
以上説明したように、本実施形態におけるデータ解析装置100は、解析対象である複数のサンプルの識別情報(シリアル名)を含むサンプル情報と、複数のサンプルの検査データとをそれぞれ取得する。また、データ解析装置100は、取得されたサンプル情報に基づいて、識別情報を含むサンプルリスト221をサンプルリスト表示部220表示させる。また、データ解析装置100は、サンプルリスト表示部220に表示されたサンプルリスト221上のユーザ操作を受け付ける。そして、データ解析装置100は、複数種類の分析結果のうち、上記のサンプルリスト221上のユーザ操作に応じた分析結果を選択的に分析結果表示部210に表示させる。
ここで、複数種類の分析結果は、取得された検査データを異なる複数の分析手法を用いて分析した結果である。本実施形態では、データ解析装置100は、4種類の分析結果のうち、ユーザ操作に応じた分析結果を選択的に表示させることができる。
【0055】
このように、データ解析装置100は、複数種類の分析結果の中からユーザの意思が反映された分析結果を分析結果表示部210に表示させることができる。そのため、ユーザは、表示された分析結果をもとに、検査データの比較作業を容易かつ適切に行い、サンプルの特徴を解析することができる。
ここで、上記サンプルは、例えばモータである。また、上記検査データは、例えばモータの駆動時に発生するノイズを検査するためのデータである。この場合、多数のモータが生産される生産現場において、モータのノイズ検査に要する作業者の労力を削減することができ、人的コストを削減することができる。
【0056】
また、データ解析装置100は、複数のサンプルを色および番号の少なくとも一方で区別したサンプルリスト221をサンプルリスト表示部220に表示させ、サンプルリスト221に表示された色および番号の少なくとも一方を用いて複数のサンプルの分析データを区別して分析結果を分析結果表示部210に表示させることができる。
これにより、サンプルリスト221と分析結果の可視化表示とを色および番号の少なくとも一方で連携させることができ、両者の紐付けが容易となる。
【0057】
また、データ解析装置100は、ソート機能、絞り込み機能および検索機能を有し、ユーザ操作に応じて、サンプルリスト221の並び順を変更したり、分析結果の表示対象とするサンプルを絞り込んだり、指定を受けたサンプルまたは分析データを提示したりすることができる。
このように、データ解析装置100は、ユーザ300が指定した条件に従って、サンプルリスト221および分析結果の表示を切り替えることができる。ユーザ300は、分析結果が表示されるメイン画面と、サンプルリスト221が表示されるコントロール画面とを相互に用いることで、サンプルのデータ比較を容易かつ適切に行うことができる。
【0058】
このように、本実施形態におけるデータ解析装置100は、ユーザが検査データの比較作業を行ううえでの視認性および操作性の高いユーザインタフェースを提供することができる。したがって、ユーザは、検査データの比較作業を容易かつ適切に行うことができる。
【0059】
(変形例)
上記実施形態においては、解析対象であるサンプルがモータである場合について説明したが、上記に限定されるものではなく、例えば、動作時にノイズ(音、振動など)を発生する機器を解析対象のサンプルとすることもできる。また、検査データは、ノイズを検査するためのデータに限定されるものではなく、例えば、予め定められた閾値データとの比較によって良否判定が可能な時系列データであればよい。
【符号の説明】
【0060】
100…データ解析装置、110…データ取得部、120…良否判定部、130…リスト表示制御部、140…操作受付部、150…分析結果表示制御部、210…分析結果表示部、211…第1の分析結果、212…第2の分析結果、213…第3の分析結果、214…第4の分析結果、220…サンプルリスト表示部、221…サンプルリスト、300…ユーザ、1000…データ解析システム
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