(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147525
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】荷受台
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/50 20060101AFI20231005BHJP
B60P 1/44 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B60Q1/50 Z
B60P1/44 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055075
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【弁理士】
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】石井 一成
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339BA09
3K339BA21
3K339BA22
3K339BA30
3K339CA21
3K339DA01
3K339DA03
3K339FA05
3K339GB21
3K339HA02
3K339HA21
3K339JA26
(57)【要約】
【課題】暗所においても作業者がストッパの起立状態を認識しやすい荷受台を提供する。
【解決手段】貨物車両1に設けられた荷受台昇降装置100によって貨物車両の荷台Dの床面と地面との間で昇降される荷受台10は、荷受台本体12と、荷受台本体12に設けられ、車両前方側を上下に回動させることで荷受台本体12の荷受面より上方に起立する起立状態と、荷受台本体12の荷受面に沿う倒伏状態とを切替可能なストッパ23と、を備える。荷受台本体12には、倒伏状態のストッパ23を格納する格納空間12Sが形成されている。格納空間12Sを形成する荷受台本体12の内壁面のうち、車両前方側の内壁面に発光体14が設けられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨物車両に設けられた荷受台昇降装置によって前記貨物車両の荷台の床面と地面との間で昇降される荷受台であって、
荷受台本体と、
前記荷受台本体に設けられ、車両前方側を上下に回動させることで前記荷受台本体の荷受面より上方に起立する起立状態と、前記荷受台本体の荷受面に沿う倒伏状態とを切替可能なストッパと、
を備え、
前記荷受台本体には、倒伏状態の前記ストッパを格納する格納空間が形成され、
前記格納空間を形成する前記荷受台本体の内壁面のうち、車両前方側の内壁面に発光体が設けられた、
ことを特徴とする荷受台。
【請求項2】
請求項1に記載の荷受台であって、
前記車両前方側の内壁面に凹部が形成され、
前記凹部に前記発光体が設けられた、
ことを特徴とする荷受台。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の荷受台であって、
前記ストッパは、車幅方向に延在しており、
前記発光体は、車幅方向に延在する棒状の発光体である、
ことを特徴とする荷受台。
【請求項4】
請求項3に記載の荷受台であって、
前記荷受台本体の前記内壁面を形成する部材は、車幅方向に延在し、車幅方向の何れの位置においても断面形状が一定である、
ことを特徴とする荷受台。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の荷受台であって、
前記ストッパの起立状態における車両前方側の面には、前記発光体からの光を車両前方に反射する反射材が設けられている、ことを特徴とする荷受台。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の荷受台であって、
前記ストッパには、起立状態において車両前後方向に貫通する貫通部が形成されている、ことを特徴とする荷受台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物車両に設けられた荷受台昇降装置によって貨物車両の荷台の床面と地面との間で昇降される荷受台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、貨物車両のテールゲートである荷受台を昇降させる荷受台昇降装置が知られている。荷受台を昇降させる荷受台昇降装置は、貨物車両の荷台から荷物を搬出する際に荷物の荷下ろし作業に用いられるとともに、荷台へ荷物を搬入する際の荷物の荷上げ作業に用いられる。
【0003】
特許文献1に開示された貨物車両の荷受台(7)は、荷受台昇降装置(100)の荷受台昇降駆動部(8)によって昇降可能となっている。同文献の
図5および
図6に示すように、荷受台(7)の第3の荷受台部材(45)には、ストッパ(54)が取り付けられている。ストッパ(54)は、車両前方側を上下に回動させることで、第3の荷受台部材(45)の荷受面より上方に起立した起立状態と、第3の荷受台部材(45)の荷受面に沿う倒伏状態とを切替可能に形成する。ストッパ(54)は、起立時には、荷受台部材に搭載された台車等が荷受台(7)から車両後方に滑落することを防止する。ストッパ(54)の起立状態および倒伏状態の切り替えは、作業者によって行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
作業者は貨物車両の荷台から荷物を搬出する際に荷物が載せられた台車等を車両後方に押して荷台から荷受台に台車等を移動させる。この際、作業者がストッパ(54)を倒伏状態から起立状態に切り替えることを忘れていると、台車等が荷受台(7)から滑落するおそれがある。
【0006】
特に、夜間等に暗所で、作業者が荷台の中から荷受台に台車等を移動する際に、作業者から視てストッパが起立しているか否か判別しづらく、ストッパが起立していると勘違いする可能性が高くなる。また、ストッパは直接的に台車等の動きを規制する部材であるため、経年的な形状変化等が生じ得る点まで考慮すると、ストッパが倒伏状態から起立状態に不意に切り替え難い事態となる恐れもある。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みて創案されたものであり、暗所においても作業者がストッパの起立状態を認識しやすい荷受台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様に係る荷受台は、貨物車両に設けられた荷受台昇降装置によって前記貨物車両の荷台の床面と地面との間で昇降される荷受台であって、荷受台本体と、前記荷受台本体に設けられ、車両前方側を上下に回動させることで前記荷受台本体の荷受面より上方に起立する起立状態と、前記荷受台本体の荷受面に沿う倒伏状態とを切替可能なストッパと、を備える。前記荷受台本体には、倒伏状態の前記ストッパを格納する格納空間が形成されている。前記格納空間を形成する前記荷受台本体の内壁面のうち、車両前方側の内壁面に発光体が設けられている。
【0009】
かかる構成を備える荷受台によれば、発光体をストッパに直接的に設けるのではなく格納空間に設けることでストッパの経年変化の影響を受けることがなく、格納空間を形成する荷受台本体の内壁面のうちの車両前方側の内壁面に設けられた発光体が発した光は、起立状態にあるストッパの車両前方側の面に反射することにより、荷台に向かって進むことを活用できる。また、ストッパの回動軸が位置する車両後方側ではなく、車両前方側に発光体が設けられる構成とすることで設置スペースの面でも自由度が高くなって、適用する発光体の汎用性も高くなる。これにより、安定した注意喚起を実施することができ、必要に応じで発光体の機能や大きさにも適宜対応可能となるとともに、荷台の中から車両後方に向かって台車等を押す作業者の視界に発光体が発した光が入り、作業者は、ストッパが起立状態であることを視認することができる。したがって、かかる構成を備える荷受台によれば、暗所においても作業者がストッパの起立状態を認識しやすい。
【0010】
本発明の第2の態様に係る荷受台は、第1の態様に係る荷受台であって、前記車両前方側の内壁面に凹部が形成され、前記凹部に前記発光体が設けられている。
【0011】
また、かかる構成を備える荷受台によれば、発光体が、ストッパの格納空間を形成する荷受台本体の内壁面のうち、車両前方側の内壁面に形成された凹部に設けられているため、作業者は、発光体の光を直接的に視認せず、間接的に視認することになるため、発光体からの光に眩惑されることなく、ストッパの起立状態を認識することができる。
【0012】
本発明の第3の態様に係る荷受台は、第1の態様または第2の態様に係る荷受台であって、前記ストッパは、車幅方向に延在しており、前記発光体は、車幅方向に延在する棒状の発光体である。
【0013】
かかる構成を備える荷受台によれば、車幅方向に延在するストッパの多くの部分を発光体が照らすことができ、より確実に作業者はストッパの起立状態を認識することができる。
【0014】
本発明の第4の態様に係る荷受台は、第3の態様に係る荷受台であって、前記荷受台本体の前記内壁面を形成する部材は、車幅方向に延在し、車幅方向の何れの位置においても断面形状が一定である。
【0015】
かかる構成を備える荷受台によれば、車幅方向に延在する棒状の発光体を、車幅方向の何れの位置においても断面形状が一定である部材が形成する内壁面に形成された凹部に、容易に設けることが可能となる。
【0016】
本発明の第5の態様に係る荷受台は、第1の態様ないし第4の態様のいずれかに係る荷受台であって、前記ストッパの起立状態における車両前方側の面には、前記発光体からの光を車両前方に反射する反射材が設けられている。
【0017】
かかる構成を備える荷受台によれば、起立状態にあるストッパは車両前方に向かって光をより多く反射することができ、より確実に作業者はストッパの起立状態を認識することができる。
【0018】
本発明の第6の態様に係る荷受台は、第1の態様ないし第5の態様のいずれかに係る荷受台であって、前記ストッパには、起立状態において車両前後方向に貫通する貫通部が形成されている。
【0019】
かかる構成を備える荷受台によれば、発光体が発した光は、起立状態にあるストッパの車両前方側の面に反射するとともに、ストッパに形成された車両前後方向に貫通する貫通部を通って、車両後方にも進むことができる。したがって、かかる構成を備える荷受台によれば、暗所において車両後方にいる人、例えば歩行者に、荷受台の存在および動きを伝えることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、暗所においても作業者がストッパの起立状態を認識しやすい荷受台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】荷受台昇降装置が設けられた貨物車両を示す側面図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る荷受台と、荷受台を昇降させる荷受台昇降装置を示す斜視図である。
【
図3】
図2のA-A線断面図であって、荷受台のストッパが起立している状態を示す断面図である。
【
図4】
図3においてストッパが倒伏した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態に係る荷受台10を説明するに先立って、貨物車両1と、荷受台10と、荷受台昇降装置100とについて、図面を参照しつつ簡単に説明する。なお、本明細書においては、貨物車両1を基準として前後左右上下の方向を定義する。
【0023】
貨物車両1は、
図1に示すように、荷台D、荷受台10、荷受台昇降装置100、リアバンパB等を備えている。
【0024】
荷台Dは、貨物車両1の車枠の上に搭載されている。
【0025】
リアバンパBは、
図2に示すように、荷受台昇降装置100が取り付けられるサブフレーム5にステーを介して接合されている。リアバンパBは、車幅方向に三分割されており、それぞれの隙間を、荷受台昇降装置100のアーム装置50が通過することが可能となっている。
【0026】
(荷受台昇降装置)
荷受台昇降装置100は、貨物車両1に設けられた昇降装置であって、荷物(不図示)を荷台Dから搬出する際の作業および荷台Dに荷物を搬入する際の作業を補助する装置である。荷受台昇降装置100は、貨物車両1に対して上下回動可能に支持された左右一対のアーム装置50と、アーム装置50を駆動する油圧装置と、を有する。一対のアーム装置50の先端側に荷受台10が支持されており、アーム装置50が上下回動することにより荷受台10が昇降する。
【0027】
荷受台10は、
図1に示すように、起立状態と水平状態とを切り替えて利用される。荷受台10は、起立状態において、荷台Dの後部を覆うように配置される。荷受台10は、アーム装置50によって起立状態から水平状態に移行し、荷台Dの床面と同じ高さ位置に配置される水平台となる。さらに、荷受台10は、アーム装置50によって、荷台Dの床面の高さ位置から水平状態を保ったまま地面近傍まで下降した後、その先端を接地させるように傾動する。この動きによって、荷受台10は、荷台Dに積まれている荷物を作業者が搬出する作業を補助する。作業者が荷台Dに荷物を搬入する場合には、荷受台10は、逆の動きを行う。このようにして、荷受台10は、荷台Dの床面と地面との間で昇降される。荷受台10の構成は、後述する。
【0028】
左右一対のアーム装置50はそれぞれ、アームと、アームに連結された油圧シリンダと、を有する。アームの基端部は、車枠に連結されたサブフレーム5に回動自在に支持されている。油圧シリンダは、油圧装置によって圧油を給排される。これにより、アームが油圧シリンダによって駆動される。油圧装置は、油圧ポンプを有し、作業者の操作によって、油圧ポンプを稼働させる。アームの先端には、荷受台10が連結されている。アームは、平行リンクを構成している複数のアームからなる。油圧シリンダに駆動されるアームのリンク機構により、荷受台10の動きが可能となっている。
【0029】
(荷受台)
荷受台10は、
図2ないし
図4に示すように、荷受台本体12と、ストッパ装置20と、発光体14と、を有する。
【0030】
荷受台本体12は、荷受台10の荷受面を形成する略板状の部材である。荷受台本体12は、車幅方向を長手方向とするアルミニウム合金製の中空材が複数組み付けられてなる既知の構成を有している。荷受台本体12は、その先端部近傍に、すなわち水平状態にある荷受台本体12における車両後方端部近傍に、ストッパ装置20を荷受面側から格納するための格納空間12Sを形成している。格納空間12Sは、水平状態にある荷受台本体12において下向きに凹んだ空間である。格納空間12Sについては、更に後述する。
【0031】
ストッパ装置20は、荷受台本体12に設けられ、台車等の車輪の車両後方への移動を阻止し、台車等の荷受台10からの滑落を防止する。ストッパ装置20は、ストッパ23と、反射材24と、ストッパ23と荷受台本体12とを互いに回動可能に連結するヒンジ22と、ストッパ23の回動軸となる軸21と、を有する。
【0032】
ヒンジ22は、
図3および
図4に示すように、格納空間12Sの車両後方側において、ビス22bを用いて荷受台本体12に取り付けられている。
【0033】
ストッパ23は、車幅方向に延在する略板状の部材である。
図3および
図4に示すように、ストッパ23は、軸21を中心として、車両前方側を上下に回動させることで、荷受台本体12の荷受面より上方に起立する起立状態と、荷受台本体12の荷受面に沿う倒伏状態とが切替可能となっている。ストッパ23における起立状態と倒伏状態との切り替えは、本実施形態では、作業者が手作業によって行う。
【0034】
ストッパ23は、起立状態において、荷受台本体12の荷受面上を移動する台車等の車輪に接触してその移動を阻止することが可能となっている。ストッパ23は、
図4に示すように、倒伏状態において、格納空間12Sに格納されて、荷受台本体12が形成する荷受面に連なる面を形成し、荷受台本体12の荷受面上を移動する台車等の移動を可能とする。ストッパ23の先端部23aは、鈎針状に折れ曲がっており、台車等の車輪が係止されやすいように形成されている。
【0035】
ストッパ23には、起立状態において車両前後方向に貫通する貫通部23hが形成されている。貫通部23hは、ストッパ23の回動時にヒンジ22との接触を防止するために形成されるとともに、後述する発光体14が発する光を車両後方に通すために形成されている。貫通部23hは、
図2に示すように例えば車幅方向に4つ形成されているが、少なくとも1つ以上形成されていればよい。本実施形態では、貫通部23hは貫通孔である。
【0036】
ストッパ23は、図示されていないが、荷受台本体12に対して一定角度以上に起立しないように、基端部が荷受台本体12に当接して、回動が止まるように構成されている。また、ストッパ装置20は、図示されていないが、ストッパ23が起立状態から倒伏状態に又は倒伏状態から起立状態に切り替えられた後、ストッパ23の回動を係止する係止機構を備える。さらに、ストッパ23は、図示されていないが、係止機構による係止が解除されると起立状態になるようにバネ等の付勢部材で付勢されている。
【0037】
反射材24は、
図3に示すように、ストッパ23の起立状態における車両前方側の面に設けられている。反射材24は、後述の発光体14からの光を車両前方に反射する。反射材24は、本実施の形態では、車幅方向に延在する板状の形状を有している。反射材24は、ストッパ23の貫通部23hよりも先端側の位置であって、ストッパ23の先端部23aよりも基端側の位置に設けられている。
【0038】
格納空間12Sは、
図4に示すように、倒伏状態のストッパ23を格納する。
図3および
図4に示すように、格納空間12Sの車両前方側の部分は、車両前方に向かって凹んだ凹部12Sdとなっている。すなわち、格納空間12Sを形成する荷受台本体12の内壁面12iのうち、車両前方側の内壁面に対して車両前方に向かって凹んだ凹部12Sdが形成されている。凹部12Sdは、
図4に示すように、倒伏状態にあるストッパ23の先端部23aよりも車両前方側の格納空間12Sの部分である。
【0039】
また、格納空間12Sの形状は、車幅方向において一定である。すなわち、荷受台本体12の内壁面12iを形成する部材は、車幅方向に延在し、車幅方向の何れの位置においても断面形状が一定である。特に、荷受台本体12がアルミニウムの押出材で形成される場合には、荷受台本体12の断面形状を一定に形成しやすい。
【0040】
発光体14は、格納空間12S内において光を発するものであり、
図3に示すように、格納空間12S内の車両前方側の位置に設けられている。具体的には、発光体14は、格納空間12Sの凹部12Sdに設けられている。発光体14は、
図5に示すように、車幅方向に延在する棒状の発光体である。発光体14は、例えば、車幅方向に並んだ複数のLED素子15と、車幅方向に延在しLED素子15からの光を車両前後方向、上下方向および車幅方向に導く導光板16と、LED素子15に電流を供給する電源線17と、を有する。電源線17には、貨物車両1のバッテリーから電力が供給される。なお、発光体14は、ストッパ23の倒伏状態から起立状態への切り替えに連動して電源線17からの電流をLED素子15に供給するスイッチ機構を備えていてもよい。
【0041】
(作用効果)
以上に説明した本実施の形態に係る荷受台10によれば、発光体14をストッパ23に直接的に設けるのではなく格納空間12Sに設けることでストッパ23の経年変化の影響を受けることがなく、格納空間12Sを形成する荷受台本体12の内壁面12iのうちの車両前方側の内壁面に設けられた発光体14が発した光は、起立状態にあるストッパ23の車両前方側の面に反射することにより、荷台Dに向かって進むことを活用できる。また、ストッパ23の軸21が位置する車両後方側ではなく、車両前方側に発光体14が設けられる構成とすることで設置スペースの面でも自由度が高くなって、適用する発光体14の汎用性も高くなる。これにより、安定した注意喚起を実施することができ、必要に応じで発光体14の機能や大きさにも適宜対応可能となるとともに、荷台Dの中から車両後方に向かって台車等を押す作業者の視界に発光体14が発した光が入り、作業者は、ストッパ23が起立状態であることを視認することができる。したがって、荷受台10によれば、暗所においても作業者がストッパ23の起立状態を認識しやすい。
【0042】
さらに、荷受台10によれば、例えば発光体14がストッパ23の先端部23aに設けられている場合などの荷台Dにいる作業者から視て発光体14を直接視認できるような位置に発光体14が配置されておらず、発光体14に照らされたストッパ23を作業者は視認するので、作業者は、発光体14からの光に眩惑されることなく、ストッパ23の起立状態を認識することができる。
【0043】
また、荷受台10によれば、格納空間12Sを形成する荷受台本体12の内壁面12iのうち、車両前方側の内壁面に対して車両前方に向かって凹んだ凹部12Sdに発光体14が設けられているので、ストッパ23が倒伏して格納空間12Sに格納されていても、ストッパ23に発光体14が干渉することがなく、既存の荷受台の格納空間に容易に発光体14を設けることが可能となる。
【0044】
また、荷受台10によれば、車幅方向に延在するストッパ23の多くの部分を車幅方向に延在する発光体14が照らすことができ、より確実に作業者はストッパ23の起立状態を認識することができる。
【0045】
また、荷受台10によれば、車幅方向に延在する棒状の発光体14を、車幅方向の何れの位置においても断面形状が一定である部材が形成する内壁面12iに形成された凹部12Sdに、容易に設けることが可能となる。
【0046】
また、荷受台10によれば、ストッパ23の起立状態における車両前方側の面には反射材24が設けられているので、起立状態にあるストッパ23は車両前方に向かって光をより多く反射することができ、より確実に作業者はストッパ23の起立状態を認識することができる。
【0047】
また、荷受台10によれば、発光体14が発した光は、起立状態にあるストッパ23の車両前方側の面に反射するとともに、ストッパ23に形成された車両前後方向に貫通する貫通部23hを通って、車両後方にも進むことができる。したがって、荷受台10によれば、暗所において車両後方にいる人、例えば歩行者に、荷受台10の存在および動きを伝えることができる。
【0048】
(変形例)
次に、上記の実施の形態に係る荷受台10の変形例を説明する。
【0049】
発光体14は、棒状の形状を有するものに限定されず、例えば、LED素子を用いて構成された円状の発光体であってもよい。この場合、発光体14は車幅方向に並んで格納空間12Sに複数設けられていることが好ましい。
【0050】
さらに、発光体14は、LED素子を用いて構成されるものに限定されず、他の光源を用いて構成されるものであってもよく、例えば蛍光管を用いて構成されるものであってもよい。
【0051】
上記の実施の形態では、ストッパ23に反射材24が設けられている場合を説明したが、反射材24は荷受台10において必須の構成要素ではなく、荷受台10は、起立状態にあるストッパ23の車両前方側の面が発光体14からの光を反射するものであってもよい。また、ストッパ23には起立状態において車両前後方向に貫通する貫通部23hが設けられているが、発光体14が発する光を車両後方に通す機能面ではこの貫通部23hの形状は特に限定されず、スリット状などであってもよい。長尺状の発光体14に対して、その長手方向に沿って複数枚のストッパ23が並設された構成の場合において、これらストッパ23の間に隙間が設けられ、この隙間から発光体14が発光する光を通すようにしてもよい。
【0052】
また、荷受台昇降装置100のアーム装置50は、上記の実施の形態に限定されず、荷受台10を昇降させるように構成されたものであればよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、例えば、貨物車両に設けられた荷受台昇降装置によって貨物車両の荷台の床面と地面との間で昇降される荷受台に適用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 貨物車両
10 荷受台
12 荷受台本体
12S 格納空間
12i 内壁面
12Sd 凹部
14 発光体
23 ストッパ
23h 貫通部
24 反射材
D 荷台