(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147546
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】コンピュータシステム、ゲームシステムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/57 20140101AFI20231005BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20231005BHJP
A63F 13/577 20140101ALI20231005BHJP
A63F 13/46 20140101ALI20231005BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20231005BHJP
A63F 13/49 20140101ALI20231005BHJP
A63F 13/213 20140101ALI20231005BHJP
A63F 13/525 20140101ALI20231005BHJP
【FI】
A63F13/57
A63F13/69
A63F13/577
A63F13/46
A63F13/55
A63F13/49
A63F13/213
A63F13/525
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055107
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】318016342
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコアミューズメントラボ
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】神里 華澄
(57)【要約】
【課題】プレーヤに対して、気軽にプレイする感情を抱かせつつも、プレイの興趣性を感じさせることのできる新しいゲームを実現するための技術を提供すること。
【解決手段】仮想3次元空間において、独立して起立状態を保つことができないゲーム判定用媒体10の少なくとも下部を支える位置に複数のゲームオブジェクト20を積み重ねてゲーム判定用媒体10の横倒しを防止したオブジェクト群5を設定する。ユーザ操作に基づいて操作媒体40をオブジェクト群5に向けて移動させ、両者が接触したことに伴ってゲーム判定用媒体10およびゲームオブジェクト20それぞれの位置および姿勢を、所与の物理演算処理に基づいて変更する。ゲーム判定用媒体10が倒れたらゲームクリアと判定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想3次元空間において、独立して起立状態を保つことができないゲーム判定用媒体の少なくとも下部を支える位置に複数のゲームオブジェクトを積み重ねることで前記ゲーム判定用媒体の横倒しを防止した初期状態のオブジェクト群を設定する初期状態設定手段と、
ユーザ操作に基づいて操作媒体を前記オブジェクト群に向けて移動させる操作媒体制御手段と、
前記操作媒体が前記オブジェクト群に接触したことに伴う前記オブジェクト群を構成する前記ゲーム判定用媒体および前記ゲームオブジェクトそれぞれの位置および姿勢を、所与の物理演算処理に基づいて変更する制御を行う変更制御手段と、
前記ゲーム判定用媒体の位置および/又は姿勢に基づく所与のゲームクリア条件を満たした場合にゲームクリアと判定するゲームクリア判定手段と、
を備えるコンピュータシステム。
【請求項2】
前記初期状態設定手段は、配置台オブジェクトの上に前記オブジェクト群を配置して前記初期状態を設定し、
前記変更制御手段による変更制御によって前記配置台オブジェクトから落下した前記ゲームオブジェクトに基づいてゲーム評価を行うゲーム評価手段、
を更に備える請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記変更制御手段による変更制御によって前記配置台オブジェクトから落下した前記ゲームオブジェクトに基づいて所与の特典をユーザに付与する特典付与手段、
を更に備える請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記配置台オブジェクトを水平回転させる配置台制御手段、
を更に備える請求項2又は3に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記ゲームクリア条件を満たした場合に、前記ゲーム判定用媒体に予め設定された特典をユーザに付与する設定特典付与手段、
を更に備える請求項1から4の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記ゲームオブジェクトには、少なくともサイズおよび/又は重量の異なる複数種類があり、
前記変更制御手段は、前記ゲームオブジェクトそれぞれのサイズおよび重量に基づいて前記物理演算処理を行う、
請求項1から5の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記ゲームオブジェクトには、特殊オブジェクトが含まれ、
前記特殊オブジェクトの位置および/又は姿勢に基づく所与の特殊効果発動条件を満たした場合に所与の特殊効果を発動する特殊効果発動手段、
を更に備える請求項1から6の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記特殊オブジェクトには、少なくともゲーム終了オブジェクトが含まれ、
前記特殊効果発動手段は、前記ゲーム終了オブジェクトに基づく前記特殊効果発動条件を満たした場合に、ゲーム進行を終了させる前記特殊効果を発動する、
請求項7に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記変更制御手段は、同種の所定数の前記ゲームオブジェクトが所与の隣接条件を満たした場合に、当該ゲームオブジェクトを消去して前記物理演算処理を実行する、
請求項1から8の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記ゲーム判定用媒体は、前記下部が棒状であり、上部にキャラクタオブジェクトを有し、
前記初期状態設定手段は、棒状の前記下部を周囲から支える位置に前記ゲームオブジェクトを積み重ねて前記初期状態のオブジェクト群を設定する、
請求項1から9の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記ゲーム判定用媒体の位置および/又は姿勢に基づいて前記上部に位置するキャラクタオブジェクトの挙動を制御するキャラクタ制御手段、
を更に備える請求項10に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記変更制御手段は、前記キャラクタ制御手段による前記キャラクタオブジェクトの挙動制御に基づいて、前記物理演算処理を可変に制御する、
請求項11に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記操作媒体制御手段による前記操作媒体の移動制御の回数又は時間が所定のゲームプレイ許容限界に達した場合に、1回分のゲームプレイを終了するゲームプレイ終了制御手段、
を更に備える請求項1から12の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
前記操作媒体には、先端形状が異なる複数種類があり、
前記操作媒体制御手段による移動制御に使用する前記操作媒体の種類を決定する操作媒体決定手段、
を更に備える請求項1から13の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
ユーザのマンマシンインターフェースとなるユーザ端末と、
サーバシステムである、請求項1から14の何れか一項に記載のコンピュータシステムと、
を具備するゲームシステム。
【請求項16】
コンピュータシステムにゲームを実行させるためのプログラムであって、
仮想3次元空間において、独立して起立状態を保つことができないゲーム判定用媒体の少なくとも下部を支える位置に複数のゲームオブジェクトを積み重ねることで前記ゲーム判定用媒体の横倒しを防止した初期状態のオブジェクト群を設定する初期状態設定手段、
ユーザ操作に基づいて操作媒体を前記オブジェクト群に向けて移動させる操作媒体制御手段、
前記操作媒体が前記オブジェクト群に接触したことに伴う前記オブジェクト群を構成する前記ゲーム判定用媒体および前記ゲームオブジェクトそれぞれの位置および姿勢を、所与の物理演算処理に基づいて変更する制御を行う変更制御手段、
前記ゲーム判定用媒体の位置および/又は姿勢に基づく所与のゲームクリア条件を満たした場合にゲームクリアと判定するゲームクリア判定手段、
として前記コンピュータシステムを機能させるためのプログラム。
【請求項17】
前記コンピュータシステムは、カメラを備え、
前記ゲームは、前記カメラで所定のマーカを撮影しつつ実行されるゲームであり、
前記初期状態設定手段は、前記マーカの撮影画像に基づいて、前記仮想3次元空間の座標と、前記初期状態のオブジェクト群の配置位置とを設定し、
仮想カメラから見た前記オブジェクト群の画像であるゲーム画像を表示する制御を行うゲーム画像表示制御手段であって、前記撮影画像に基づいて、前記マーカに対する前記カメラの位置および撮影向きに追従するように前記仮想カメラの位置および撮影向きを変更して前記ゲーム画像を表示する制御を行うゲーム画像表示制御手段、
として前記コンピュータシステムを更に機能させるための請求項16に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームの実行を制御するコンピュータシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
簡単なルールで気軽にプレイすることができる各種のゲームが知られている。例えば、特許文献1には、積み木のようにブロック媒体をタワー状に積み上げ、タワーを崩さないようにブロック媒体を抜いてゆくテーブルゲームを、仮想空間に2次元で表現したゲームが開示されている。この種のテーブルゲームのルールは、大人から子供まで広く知られており、ユーザは詳しい操作方法の解説を読まなくとも簡単に理解することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されたゲームは、ゲーム媒体を2次元的に積み上げた2次元のゲームであり、ゲーム媒体の数も少ないため、難易度の高低がはっきりしており、プレイの面白味にも欠けていた。例えば、一見して成功できないと思える場合があるため、ゲームをプレイする意欲を削ぎ、そもそも気軽にプレイできない技術となり得た。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、プレーヤに対して、気軽にプレイする感情を抱かせつつも、プレイの興趣性を感じさせることのできる新しいゲームを実現するための技術を提供すること、である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための第1の発明は、仮想3次元空間において、独立して起立状態を保つことができないゲーム判定用媒体の少なくとも下部を支える位置に複数のゲームオブジェクトを積み重ねることで前記ゲーム判定用媒体の横倒しを防止した初期状態のオブジェクト群を設定する初期状態設定手段(例えば、
図1の制御基板1150、
図11のサーバ処理部200s、ゲーム管理部210、初期状態設定部214、
図17のプレイデータ700、
図19のステップS14)と、
ユーザ操作に基づいて操作媒体を前記オブジェクト群に向けて移動させる操作媒体制御手段(例えば、
図1の制御基板1150、
図11のサーバ処理部200s、ゲーム管理部210、操作媒体制御部218、
図19のステップS42)と、
前記操作媒体が前記オブジェクト群に接触したことに伴う前記オブジェクト群を構成する前記ゲーム判定用媒体および前記ゲームオブジェクトそれぞれの位置および姿勢を、所与の物理演算処理に基づいて変更する制御を行う変更制御手段(例えば、
図1の制御基板1150、
図11のサーバ処理部200s、ゲーム管理部210、変更制御部220、
図19のステップS20)と、
前記ゲーム判定用媒体の位置および/又は姿勢に基づく所与のゲームクリア条件を満たした場合にゲームクリアと判定するゲームクリア判定手段(例えば、
図1の制御基板1150、
図11のサーバ処理部200s、ゲーム管理部210、ゲームクリア判定部222、
図20のステップS100)と、
を備えるコンピュータシステムである。
【0007】
ここで言う「コンピュータシステム」は、単数のコンピュータで構成される場合は勿論、複数のコンピュータによって連携して構成されるものでもよい。
【0008】
第1の発明によれば、コンピュータシステムは、仮想3次元空間において、起立状態を保つことができないゲーム判定用媒体の下部を、積み重ねた複数のゲームオブジェクトで支えているオブジェクト群を設定することと、ユーザ操作に基づく操作媒体の移動制御をすることで、オブジェクト群を構成するゲームオブジェクトの何れかをずらすことと、ゲーム判定用媒体の位置および/又は姿勢が変化してゲームクリア条件を満たした場合にゲームクリアと判定することと、を実行する。
【0009】
オブジェクト群は、仮想3次元空間において立体的に表現される。よって、ユーザは、積み重ねられたゲームオブジェクト同士の立体的な位置関係を勘案して、どのゲームオブジェクトの位置や姿勢を変更させれば良いかを考える興趣を存分に楽しむことができる。またゲーム判定用媒体の位置および/又は姿勢がゲームクリア条件を満たせばゲームクリアとなるため、気軽にプレイする感情を抱かることができるほどゲームルールが簡単である。
【0010】
第2の発明は、前記初期状態設定手段が、配置台オブジェクトの上に前記オブジェクト群を配置して前記初期状態を設定し、前記変更制御手段による変更制御によって前記配置台オブジェクトから落下した前記ゲームオブジェクトに基づいてゲーム評価を行うゲーム評価手段(例えば、
図11のゲーム評価部224、
図19のステップS50、ステップS52)、を更に備える第1の発明コンピュータシステムである。
【0011】
第2の発明によれば、配置台オブジェクトから落下したゲームオブジェクトに基づいてゲーム評価がなされるため、ユーザにとって、どのようなゲームプレイをすれば良いかを簡単に理解することができる。
【0012】
第3の発明は、前記変更制御手段による変更制御によって前記配置台オブジェクトから落下した前記ゲームオブジェクトに基づいて所与の特典をユーザに付与する特典付与手段(例えば、
図11の特典付与部226、
図19のステップS54、ステップS56)、を更に備える第2の発明のコンピュータシステムである。
【0013】
第3の発明によれば、ゲームの興趣を高めることができる。
【0014】
第4の発明は、前記配置台オブジェクトを水平回転させる配置台制御手段(例えば、
図11の配置台制御部216、
図19のステップS18)、を更に備える第2又は第3の発明のコンピュータシステムである。
【0015】
第4の発明によれば、コンピュータシステムは、配置台オブジェクトごとオブジェクト群を回転させることができる。ユーザは、積み重ねられたゲームオブジェクト同士の立体的な位置関係を見極めることができる。一方、操作媒体を移動させるためのユーザ操作に関する興趣性を向上させることができる。
【0016】
第5の発明は、前記ゲームクリア条件を満たした場合に、前記ゲーム判定用媒体に予め設定された特典をユーザに付与する設定特典付与手段(例えば、
図11の設定特典付与部228、
図16のクリア特典定義データ543、
図20のステップS102)、を更に備える第1から第4の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0017】
第5の発明によれば、ゲームの興趣性とゲームクリアを目指すモチベーションとを高めることができる。
【0018】
第6の発明は、前記ゲームオブジェクトには、少なくともサイズおよび/又は重量の異なる複数種類があり、前記変更制御手段は、前記ゲームオブジェクトそれぞれのサイズおよび重量に基づいて前記物理演算処理を行う、第1から第5の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0019】
第6の発明によれば、ゲームオブジェクトが多種多様になるので、オブジェクト群の状態が複雑になり、パズルゲームとしてのやり応えが高まる。ゲームオブジェクトの種類の設定によって、ゲーム難易度の調整が可能になるメリットも生まれる。それでいて、ゲームオブジェクトの位置や姿勢の変化は、ゲームオブジェクトそれぞれのサイズや重量が反映された物理演算処理にて決定されるので、ユーザは直感的にプレイすることができる。
【0020】
第7の発明は、前記ゲームオブジェクトには、特殊オブジェクトが含まれ、前記特殊オブジェクトの位置および/又は姿勢に基づく所与の特殊効果発動条件を満たした場合に所与の特殊効果を発動する特殊効果発動手段(例えば、
図11の特殊効果発動部230、
図14の特殊効果設定データ525、
図20のステップS70、ステップS72)、を更に備える第1から第6の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0021】
第7の発明によれば、コンピュータシステムは、ゲーム中に特殊オブジェクトが特殊効果発動条件を満たした場合に、その特殊効果を発動させてゲームを盛り上げることができる。
【0022】
第8の発明は、前記特殊オブジェクトには、少なくともゲーム終了オブジェクトが含まれ、前記特殊効果発動手段は、前記ゲーム終了オブジェクトに基づく前記特殊効果発動条件を満たした場合に、ゲーム進行を終了させる前記特殊効果を発動する(例えば、
図20のステップS60のYES、ステップS62)、第7の発明のコンピュータシステムである。
【0023】
第8の発明によれば、コンピュータシステムは、特殊効果を発動させた結果としてゲームを終了させることができる。つまり、ゲームオブジェクトのなかには、強制的にゲームを終了させてしまう爆弾のような役割のゲームオブジェクトを含ませることができるため、ゲームをより面白くできる。
【0024】
第9の発明は、前記変更制御手段が、同種の所定数の前記ゲームオブジェクトが所与の隣接条件を満たした場合に、当該ゲームオブジェクトを消去して前記物理演算処理を実行する(例えば、
図20のステップS82)、第1から第8の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0025】
第9の発明によれば、コンピュータシステムは、ゲームオブジェクトの位置や姿勢が変化した結果、同種の所定数のゲームオブジェクトが所与の隣接条件を満たした状態が生まれると、それらのゲームオブジェクトを消去する。仮想3次元空間を用いたゲームならではの面白さを加えることができる。
【0026】
第10の発明は、前記ゲーム判定用媒体が、前記下部が棒状であり、上部にキャラクタオブジェクトを有し、前記初期状態設定手段は、棒状の前記下部を周囲から支える位置に前記ゲームオブジェクトを積み重ねて前記初期状態のオブジェクト群を設定する、第1から第9の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0027】
第10の発明によれば、ゲーム判定用媒体の上部にキャラクタオブジェクトがあることで、ゲームプレイをする気分をより盛り上げることができる。
【0028】
第11の発明は、前記ゲーム判定用媒体の位置および/又は姿勢に基づいて前記上部に位置するキャラクタオブジェクトの挙動を制御するキャラクタ制御手段(例えば、
図11のキャラクタ制御部232、
図13のキャラクタ挙動定義データ517、
図19のステップS24、
図20のステップS90)、を更に備える第10の発明のコンピュータシステムである。
【0029】
第11の発明によれば、コンピュータシステムは、キャラクタオブジェクトの挙動を制御することができる。キャラクタが静物である場合よりも、プレイする興趣性を向上させることができる。
【0030】
第12の発明は、前記変更制御手段が、前記キャラクタ制御手段による前記キャラクタオブジェクトの挙動制御に基づいて、前記物理演算処理を可変に制御する(例えば、
図13の挙動効果定義データ519、
図20のステップS92)、第11の発明のコンピュータシステムである。
【0031】
第12の発明によれば、コンピュータシステムは、キャラクタの挙動が、ゲームオブジェクトの位置や姿勢を変化させる物理演算処理に影響を与えるようにすることができる。よって、よりゲームを面白くできる。
【0032】
第13の発明は、前記操作媒体制御手段による前記操作媒体の移動制御の回数又は時間が所定のゲームプレイ許容限界に達した場合に、1回分のゲームプレイを終了するゲームプレイ終了制御手段(例えば、
図11のゲームプレイ終了制御部234、
図20のステップS94のYES)を更に備える第1から第12の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0033】
第13の発明によれば、コンピュータシステムは、操作媒体の移動制御の回数又は時間が所定のゲームプレイ許容限界に達した場合にゲームプレイを終了させることができる。
【0034】
第14の発明は、前記操作媒体には、先端形状が異なる複数種類があり、前記操作媒体制御手段による移動制御に使用する前記操作媒体の種類を決定する操作媒体決定手段(例えば、
図11の操作媒体決定部212、
図19のステップS12)、を更に備える第1から第13の何れかの発明のコンピュータシステムである。
【0035】
第14の発明によれば、コンピュータシステムは操作媒体を変更できる。よってゲームの興趣性を更に高めることができる。
【0036】
第15の発明は、ユーザのマンマシンインターフェースとなるユーザ端末と、サーバシステムである、第1から第14の何れかの発明のコンピュータシステムと、を具備するゲームシステムである。
【0037】
第15の発明のゲームシステムは、第1から第14の何れかの発明と同様の効果を発揮できる。
【0038】
第16の発明は、コンピュータシステムにゲームを実行させるためのプログラムであって、
仮想3次元空間において、独立して起立状態を保つことができないゲーム判定用媒体の少なくとも下部を支える位置に複数のゲームオブジェクトを積み重ねることで前記ゲーム判定用媒体の横倒しを防止した初期状態のオブジェクト群を設定する初期状態設定手段、
ユーザ操作に基づいて操作媒体を前記オブジェクト群に向けて移動させる操作媒体制御手段、
前記操作媒体が前記オブジェクト群に接触したことに伴う前記オブジェクト群を構成する前記ゲーム判定用媒体および前記ゲームオブジェクトそれぞれの位置および姿勢を、所与の物理演算処理に基づいて変更する制御を行う変更制御手段、
前記ゲーム判定用媒体の位置および/又は姿勢に基づく所与のゲームクリア条件を満たした場合にゲームクリアと判定するゲームクリア判定手段、
として前記コンピュータシステムを機能させるためのプログラムである。
【0039】
第16の発明のプログラムを実行するコンピュータシステムは、第1の発明と同様の効果を発揮できる。
【0040】
第17の発明は、前記コンピュータシステムは、カメラを備え、
前記ゲームは、前記カメラで所定のマーカを撮影しつつ実行されるゲームであり、
前記初期状態設定手段は、前記マーカの撮影画像に基づいて、前記仮想3次元空間の座標と、前記初期状態のオブジェクト群の配置位置とを設定し、
仮想カメラから見た前記オブジェクト群の画像であるゲーム画像を表示する制御を行うゲーム画像表示制御手段であって、前記撮影画像に基づいて、前記マーカに対する前記カメラの位置および撮影向きに追従するように前記仮想カメラの位置および撮影向きを変更して前記ゲーム画像を表示する制御を行うゲーム画像表示制御手段(例えば、
図24のゲーム画像表示制御部242)、
として前記コンピュータシステムを更に機能させるための第16の発明のプログラムである。
【0041】
第17の発明によれば、コンピュータシステムは現実世界を撮影している画像上に、仮想3次元空間の画像であるオブジェクト群の画像を重畳表示させるAR(Augmented Reality)画像としてゲーム画像を表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図5】特典付与オブジェクトが落下した状況のゲーム画面の一例を示す図。
【
図7】同種のゲームオブジェクトによる新たな隣接状態の新たな発生について説明するための状態遷移図。
【
図8】特殊オブジェクトが落下した状況のゲーム画面の一例を示す図。
【
図10】ゲーム終了オブジェクトに係る強制ゲーム終了時のゲーム画面の例を示す図。
【
図11】サーバシステムの機能構成例を示す機能ブロック図。
【
図12】サーバ記憶部が記憶するプログラムやデータの例を示す図。
【
図13】ゲーム判定用媒体定義データのデータ構成例を示す図。
【
図14】ゲームオブジェクト定義データのデータ構成例を示す図。
【
図15】操作媒体定義データのデータ構成例を示す図。
【
図16】オブジェクト群定義データのデータ構成例を示す図。
【
図18】ユーザ端末の機能構成例を示す機能ブロック図。
【
図19】1つのゲームプレイに係りサーバシステムが実行する処理の流れを説明するためのフローチャー。
【
図21】第2実施形態におけるサーバシステムの機能構成例を示す図。
【
図22】第2実施形態におけるユーザ端末の機能構成例を示す図。
【
図23】第3実施形態におけるARゲームについて説明するための図。
【
図24】第3実施形態におけるユーザ端末の機能構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の実施形態の例を説明するが、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限られないことは勿論である。
【0044】
〔第1実施形態〕
図1は、ゲームシステムの構成例を示す図である。
ゲームシステム1000は、サーバシステム1100と、配送センター7の配送管理コンピュータ1200と、ユーザ端末1500と、を具備し、ユーザ端末1500をマンマシンインターフェース(Man Machine Interface:MMIF)としてビデオゲームを実現するためのシステムである。
【0045】
ゲームシステム1000では、サーバシステム1100と、配送管理コンピュータ1200と、ユーザ端末1500とは、互いにネットワーク9を介してデータ通信が可能である。ユーザは、ユーザ端末1500を使ってサーバシステム1100へ接続してゲームプレイを楽しむ。そして、ゲームプレイの成績に応じて、サーバシステム1100が配送管理コンピュータ1200へ接続して、プレーヤであるユーザの指定配送先へ景品を配送するようにリクエストし、ユーザは景品を受け取る。
【0046】
なお、
図1では、ユーザ端末1500を4台描いているが、実際のシステム運用においてはユーザ端末1500の台数は特に問わない。また、物体としての景品の配送を行わない場合は、ゲームシステム1000から配送管理コンピュータ1200を省略できる。
【0047】
ネットワーク9は、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、ネットワーク9とは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0048】
サーバシステム1100は、制御基板1150を有する。
制御基板1150は、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153を搭載する。制御基板1150の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0049】
サーバシステム1100は、制御基板1150が所定のプログラムおよびデータに基づいて演算処理することにより、(1)ユーザ登録等に係る情報を管理するユーザ管理機能と、(2)ユーザ端末1500にてビデオゲームをプレイさせるための各種演算処理を実行するゲーム管理機能と、(3)配送管理コンピュータ1200と通信して、プレーヤであるユーザが予め登録している配送先へ指定した景品を配送するように所定の配送リクエストをする配送手配機能と、を実現する。
【0050】
なお、
図1では、サーバシステム1100を、1台のサーバ装置であるかのように描いているが、複数の装置で実現する構成であってもよい。例えば、サーバシステム1100は、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であっても良い。また、サーバシステム1100を構成するハードウェアの設置場所は問わない。離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、ネットワーク9を介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であっても良い。
【0051】
ユーザ端末1500は、ユーザがゲームシステム1000を利用するために使用するコンピュータシステムである。
図1では、ユーザ端末1500を、いわゆるスマートフォンと呼ばれる装置として表しているが、コンピュータシステムであれば、スマートウォッチ、スマートグラスなどのウェアラブルコンピュータや、携帯型ゲーム装置、家庭用ゲーム装置、タブレット型コンピュータ、パソコン、などでもよい。スマートフォンと、当該スマートフォンに通信接続されたスマートウォッチとの組み合わせといった複数の電子機器が通信可能に接続することで1つの機能を果たす場合にはこれらの複数の電子機器を1つのユーザ端末1500とみなすことができる。
【0052】
ユーザ端末1500は、操作入力デバイス(例えば、タッチパネル1506、キーボード、ゲームコントローラ、マウスなど)と、画像表示デバイス(例えば、タッチパネル1506、ビデオモニタ、ヘッドマウントディスプレイなど)と、撮影デバイス(例えば、インカメラ1520、アウトカメラ1521など)と、制御基板1550と、を備える。
【0053】
制御基板1550は、CPU1551や、GPU,DSPなどの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、ネットワーク9に接続する通信モジュール1553、などを搭載する。制御基板1550に搭載されているこれらの要素は、バス回路などを介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。制御基板1550の一部又は全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。そして、制御基板1550は、ユーザ端末としての機能を実現させるためのプログラムや各種データをICメモリ1552に記憶する。
【0054】
ユーザ端末1500は、所定のアプリケーションプログラムを実行することにより、ゲームシステム1000を利用するためのMMIFとしての機能、具体的には、ゲームクライアントとしての機能を実現する。
【0055】
なお、ユーザ端末1500は、アプリケーションプログラムやその実行に必要な各種データをサーバシステム1100からダウンロードする構成としているが、別途入手したメモリカードなどの記憶媒体から読み出す構成としてもよい。
【0056】
図2は、ゲームの内容について説明するための図であって、ゲーム画面の一例を示す図である。ゲームシステム1000は、仮想3次元空間にオブジェクト群5を構成して、その全体像をゲーム画面W2に表示させる。
【0057】
オブジェクト群5は、配置台オブジェクト6と、配置台オブジェクト6の上面中央に起立状態で配置されるゲーム判定用媒体10と、ゲーム判定用媒体10の少なくとも下部を支えるように周囲に積み重ねられた複数のゲームオブジェクト20と、を有する。別の見方から表現すると、オブジェクト群5は、配置台オブジェクト6に積み重ねられたゲームオブジェクト20にゲーム判定用媒体10を突き立てた山を成している。
【0058】
配置台オブジェクト6は、ゲーム画面上では見えない上下方向の回転軸AXで回転制御される。回転方向は、適宜設定可能である。例えば、一方向に限定してもよいし、ゲーム中に回転方向が切り替わるように制御してもよい。回転速度は、一定でもよいし、変動してもよい。回転はゲーム中に停止・再開してもよい。回転方向、回転速度、回転の停止/再開は、ゲーム難易度に影響するので、ゲーム難易度に応じて適宜選定するとよい。
【0059】
図3は、ゲーム判定用媒体10の構成例を示す図である。
ゲーム判定用媒体10は、ゲームクリアの判定に用いられるオブジェクトであって、独立して起立状態を保てないデザインを有する。具体的には、ゲーム判定用媒体10は、棒オブジェクト12と、キャラクタオブジェクト14と、を有する。棒オブジェクト12に対するキャラクタオブジェクト14の連結位置は、上端部が好適であるが上部であれば端部でなくともよい。例えば、棒オブジェクト12の上部に横からしがみつくようにキャラクタオブジェクト14が配置されている構成でもよい。
【0060】
棒オブジェクト12は、ゲーム判定用媒体10の主要部分である。
図1および
図3では1本の直状の仮想剛体として描かれているがこれに限らない。棒オブジェクト12は仮想弾性体としてもよい。湾曲や屈曲していてもよい。また、
図1および
図3では、棒オブジェクト12を1つのオブジェクトとして描いているが、複数のオブジェクトの連結で構成してもよい。
【0061】
キャラクタオブジェクト14のデザインは、図示のような人型のウサギのデザインに限らず、適宜設定可能である。例えば、マンガやアニメ、ゲームに登場するキャラクタ、それらが使用するアイテム、戦闘機や戦艦、電車、自動車、ファンタジックな生物、などでもよい。キャラクタオブジェクト14の数や棒オブジェクト12に対する大きさは適宜設定可能である。
【0062】
キャラクタオブジェクト14は、ゲームプレイ中に様々なアクション(挙動)をするように制御される。サーバシステム1100が、キャラクタオブジェクト14の挙動を制御する。
【0063】
例えば、
図2,3に示すような人型のキャラクタオブジェクト14であれば、ゲーム判定用媒体10が傾いた方向へ身を投げ出して手足を動かし、キャラクタオブジェクト14がゲーム判定用媒体10の傾きを促進させているように見える挙動としてもよい。逆に、キャラクタオブジェクト14が傾きとは逆方向へ体を伸展させる挙動をさせてもよい。その他、いよいよゲーム判定用媒体10が倒れそうになると、怖くて手足をジタバタさせるようにキャラクタオブジェクト14の挙動を制御する、としてもよい。
【0064】
こうしたキャラクタオブジェクト14の挙動の内容や種類は、キャラクタのデザインに応じて適宜設定可能である。例えば、キャラクタオブジェクト14がロケットであれば、傾きを促進する方向へ、或いは、逆に傾きを戻す方向へ向かってスラスターを噴射する挙動をする、などとしてもよい。
【0065】
また、キャラクタオブジェクト14には、挙動の種類によって、追加表示されるサブオブジェクトを設定することができる。例えば、キャラクタオブジェクト14が魔法使いの少女であって、お供キャラクタが存在する設定であるとする。この場合、ゲーム判定用媒体10の傾きを促進/復元させようとする挙動制御を行う際に、お供キャラクタを出現させて、当該お供キャラクタが棒オブジェクト12を目的の方向へ押すように挙動制御するとしてもよい。
【0066】
そして、ゲーム判定用媒体10の位置や姿勢が、所定のゲームクリア条件を満たすとゲームクリアと判定される。以降では「ゲームクリア条件」は、ゲーム判定用媒体10の制限時間内での転倒又は配置台オブジェクト6からの落下、として説明するがこれに限らない。例えば、所定のゴールポジションへの移動でクリアと判定してもよい。転倒に至らなくとも所定角度まで傾斜させればクリアと判定してもよい。オブジェクト群5に複数のゲーム判定用媒体10を含める場合には、初期状態では離れて配置されていたゲーム判定用媒体10のキャラクタオブジェクト14を所定距離まで近づける或いは接触させることをゲームクリア条件としてもよい。その他、適宜設定可能である。
【0067】
ゲームクリアと判定されると、ゲーム判定用媒体10に予め設定されているクリア特典が、ゲームクリアしたユーザへ付与される。具体的には、サーバシステム1100が、クリア特典をユーザへ配送するように配送センター7の配送管理コンピュータ1200へリクエストする。
【0068】
なお、本実施形態では「クリア特典」として、キャラクタオブジェクト14と同じ種類のキャラクタが用いられた実体物のグッズ(いわゆる、キャラクタグッズ)を景品とする例を説明するが、これに限らず適宜設定可能である。例えば、デジタルデータであってもよい。その場合、配送センター7および配送管理コンピュータ1200を省略できる。
【0069】
図4は、ゲームオブジェクト20の種類の例を示す図である。
ゲームオブジェクト20(20a,20b,…)は、積み重ね可能な形状を有するオブジェクトであって複数種類用意されている。ゲームオブジェクト20の種類は、デザイン(外形、配色など)、サイズ、制御パラメータ値、などの違いにより作られる。制御パラメータ値とは、位置や姿勢の変化を決定するための物理演算で参照される値のことである。
【0070】
ゲームオブジェクト20の外形は、例えば幾何的形状を用いることができる。直方体、正多面体、円筒形、樽形、錐台、などを用いてもよい。面の凹凸形状、角の面取りの有無、などで更に種類を多様化してもよい。制御パラメータの種類は、物理演算(厳密な物理演算でもよいし、一部簡略化された擬似物理演算でもよい)の仕様による。例えば、重量、重心位置、摩擦係数、磁極、弾性係数、など適宜設定可能である。
図4の例では、ゲームオブジェクト20aからゲームオブジェクト20dは、同じ直方体をしているが、サイズ・配色・重量・重心位置の違いの例を示している。
【0071】
また、ゲームオブジェクト20の外形は、家や車、木、動物などをモチーフにしたシンボル図形で平板を型抜きした形状(例えば、ゲームオブジェクト20e)、中抜きや突起部のある形状(例えば、ゲームオブジェクト20f)、アニメやマンガなどの原作に登場するキャラクタやアイテム(例えば、ゲームオブジェクト20g)、クリアケースを表現したケースオブジェクト21の中に別のサブオブジェクト22が入っているように見えるもの(例えば、ゲームオブジェクト20h)、などであってもよい。
【0072】
そして、ゲームオブジェクト20の種類には、特典付与オブジェクト23と、特殊オブジェクト24と、が含まれる。どの種類のゲームオブジェクト20を特典付与オブジェクト23や特殊オブジェクト24とするかは
図4の例に限らず適宜設定可能である。本実施形態では、ゲームオブジェクト20は、特典付与オブジェクト23、特殊オブジェクト24、それらのカテゴリーに属さないオブジェクト、の何れかにカテゴライズされている。
【0073】
特典付与オブジェクト23は、当該オブジェクトの位置や姿勢が所定の特典付与条件を満たした場合に、当特典がユーザに付与されるオブジェクトである。
以降では、「特典付与条件」を、当該オブジェクトの配置台オブジェクト6からの落下、として説明するが、条件の内容はこれ以外にも設定できる。例えば、特典付与オブジェクト23の姿勢が初期姿勢から360度変化したこと、などとして、姿勢変化に基づく条件としてもよい。また、オブジェクト群5の周囲に所定のエリアが設定されており、ゲームオブジェクト20が初期配置位置から移動して当該エリア内に入った場合を特典付与条件としてもよい。
【0074】
特殊オブジェクト24は、当該オブジェクトの位置や姿勢が所定の特殊効果発動条件を満たすと、当該オブジェクトに対応づけられている特殊効果が発動・適用される。
以降では「特殊効果発動条件」を、配置台オブジェクト6からの落下、として説明するがこれに限らない。例えば、特殊オブジェクト24の姿勢が初期姿勢から180度変化したこと、などとして、姿勢変化に基づく条件としてもよい。また、オブジェクト群5の周囲に所定のエリアが設定されており、特殊オブジェクト24が初期配置位置から移動して当該エリア内に入った場合を特殊効果発動条としてもよい。
【0075】
特殊効果の内容は、ゲーム進行に影響する様々な内容を設定できる。
例えば、指定種類のゲームオブジェクト20に設定されている制御パラメータ値の変更としてもよい。変更量も適宜設定可能である。また、ゲームの強制終了、ゲームプレイ時間の延長、などを設定してもよい。
【0076】
そして、特殊オブジェクト24は、ゲームオブジェクト20のなかでもひときわ目立つデザインに設定すると好適である。例えば、基本の配色、プレイ中の配色変更、明度変更、シンボルマークの有無、などで特徴をつけると好適である。
【0077】
具体的には、ゲームの強制終了の特殊効果が設定されているゲーム終了オブジェクト24E(
図2参照)は、不吉なイメージや警戒感をユーザに抱かせる配色(例えば、黒色や暗色、警戒色など)を有するように構成すると好適である。ゲーム終了オブジェクト24Eには、バツ印やドクロマーク、爆弾マークを描いてあってもよいし、プレイ中は一部又は全部を赤色に明滅させるようにしてもよい。例えば、プレイ中に異なる複数色に周期的に色変え表示するデザインとしてもよい。また、その他、特殊オブジェクト24には、シンボルマークを描くことで特殊効果の内容を示すとしてもよい。
【0078】
次に、ゲームプレイの流れについて説明する。
ゲームシステム1000には、予め複数種類のオブジェクト群5が用意されている。
オブジェクト群5の種類は、配置台オブジェクト6の種類・数、使用されるゲーム判定用媒体10の種類・数・初期位置・初期姿勢、使用されるゲームオブジェクト20の種類・数・初期位置・初期姿勢、の違いにより作られる。
【0079】
ユーザは、プレイ開始前に表示される所定の選択画面から、何れの種類のオブジェクト群5でプレイするかを選択できる。そして、プレイするオブジェクト群5を選択するとゲーム画面W2(
図2参照)が表示されてプレイ開始となる。
ゲームプレイは、制限時間の経過、ゲーム判定用媒体10によるゲームクリア判定、ゲーム終了オブジェクト24Eによる強制ゲーム終了、の何れかで1回分のゲームプレイが終了となる。プレイ可能な残り時間は、残時間表示30にて示される。
【0080】
前述のように、ゲームクリアするとゲーム判定用媒体10に設定されているクリア特典がプレーヤであるユーザに付与される。ゲーム中に特典付与オブジェクト23であるゲームオブジェクト20を配置台オブジェクト6から落下させると特典が付与される。従って、プレーヤであるユーザにとっては、制限時間内に、ゲーム判定用媒体10を倒さないようにしながらできるだけ多くのゲームオブジェクト20を配置台オブジェクト6から落下させて、制限時間が経過する前にはゲーム判定用媒体10をしっかり倒してクリア特典を貰うのが望ましいプレイスタイルとなる。
【0081】
なお、制限時間に代えて(或いは追加して)、プレイ操作の回数が所定のゲームプレイ許容限界回数に達したことをもって、1回分のゲームプレイを終了するとしてもよい。
【0082】
ユーザは、ゲーム画面W2に回転表示されるオブジェクト群5を観察しつつ、どのゲームオブジェクト20をどの方向へ移動させれば良いかを考える。そして、狙うゲームオブジェクト20とタイミングを見極めたならば、
図5のゲーム画面W4に示すように、ユーザは狙うゲームオブジェクト20へ向けたプレイ操作をする。
【0083】
プレイ操作は、ユーザが操作媒体40で押したいと思う位置をタッチする操作である。
サーバシステム1100は、ユーザ端末1500にてタッチ操作を検出すると、自動で操作媒体40の移動制御を行う。具体的には、タッチ操作が検出されると、サーバシステム1100は、タッチ位置に向けて、ゲーム画面W4の画面外から画面内に向けて操作媒体40を移動させた後、元の位置に戻るように自動制御する。
【0084】
ゲーム画面W4では、操作媒体40が画面下方から出現してタッチ位置へ向けて伸びた後、縮んでゲーム画面外へ消えるように見える。
【0085】
なお、プレイ操作は、操作媒体40の移動目標位置の入力と、元の位置に戻すタイミングの入力とによって実現してもよい。具体的には、サーバシステム1100は、タッチ操作を検出すると、操作媒体40をタッチ位置へ向けて移動制御し、その後、タッチ操作の解除を検出すると、操作媒体40を元の位置に戻すように移動制御する、としてもよい。
【0086】
図6は、操作媒体40の種類の例を示す図である。
操作媒体40(40a,40b,…)は、複数種類用意されている。例えば、操作媒体40aは、ロッド42の先端に球形の先端部44aを有するデザインである。先端部44aの球の大きさに応じて更に複数種類用意されるとしてもよい。また例えば、操作媒体40bは、スポンジのように柔らかい円柱形の先端部44bが、弾性支持部46を介してロッド42に固定されているデザインである。また例えば、操作媒体40cは、先が細い二股になった先端部44cがロッド42の先端に固定されたデザインを有する。分かれる股の数や、股に分かれた先端の形状によって、更に複数種類用意されるとしてもよい。操作媒体40の種類は、これら図示されている例に限らず適宜設定可能である。例えば、串や槍のように先端が尖ったデザインでもよい。
【0087】
プレイ時に使用される操作媒体40の種類は、オブジェクト群5の種類によって予め1種類に決まっていても良いし、選択肢のなかからユーザがプレイ前に選択できるとしてもよい。選択肢の操作媒体40は、予め用意されている幾種類かに、クリア特典としてユーザに付与された操作媒体40を含めるとしてもよい。ゲームシステム1000が提供するオンラインショッピング機能で別途ユーザが購入した操作媒体40を選択肢に含めるとしてもよい。
【0088】
図5に戻って、ゲームプレイが開始すると、サーバシステム1100はゲーム判定用媒体10およびゲームオブジェクト20について物理演算を短い周期で繰り返し実行し、物理演算の結果に応じてゲーム判定用媒体10およびゲームオブジェクト20の位置・姿勢を逐次変更する制御を行う。従って、操作媒体40がオブジェクト群5のゲームオブジェクト20に接触し、これを押したならば、押されたゲームオブジェクト20の位置や姿勢は接触状況に応じて変化する。その様子は、ゲーム画面W4では、あたかも現実世界の物理現象であるかのように表示される。
【0089】
ゲームオブジェクト20が押されて位置や姿勢が変更された結果、配置台オブジェクト6から落下すると、当該ゲームオブジェクト20の種類に応じた点数が加点されてゲーム評価がなされる。そして、当該ゲームオブジェクト20は仮想3次元空間から消去される。ゲーム画面W4においては、落下したゲームオブジェクト20が消えて見えなくなる。加点後の得点は、ポイント表示32にて表示される。
【0090】
また、落下したゲームオブジェクト20が、特典付与オブジェクト23である場合は、そのゲームオブジェクト20の種類に応じた落下特典がプレーヤであるユーザに付与される。落下特典の内容は、一時表示される通知表示34にてユーザに通知される。
【0091】
なお、状況によっては当然、押されたゲームオブジェクト20の位置や姿勢の変化に連動して、他のゲームオブジェクト20の位置や姿勢も変化し得る。そして、当該他のゲームオブジェクト20も配置台オブジェクト6から落下すれば、当該他のゲームオブジェクト20に係る得点や落下特典の付与も同様に行われる。よって、プレーヤであるユーザは、気軽にゲームプレイできそうな印象を抱きつつも、どのゲームオブジェクト20をどの方向からどのタイミングで押すかの見極めが、ゲーム成績に影響することとなるため、ゲームプレイの興趣性を感じることとなる。
【0092】
また、状況によっては押されたゲームオブジェクト20が必ずしも配置台オブジェクト6から落下するとは限らず別の場所に留まる場合もあり得る。例えば、
図7の状態Aから状態Bへの変化は、押されたゲームオブジェクト20pが、配置台オブジェクト6からは落下せずに1段下に転がり落ちて止まったことを示している。
【0093】
サーバシステム1100は、ゲームオブジェクト20は、ゲームプレイ中に隣り合うゲームオブジェクト20の種類を監視しており、「同種のゲームオブジェクトによる新たな隣接状態の新たな発生」を検出すると(状態B)、それらを消去するとともに、消去したゲームオブジェクト20の数に応じた消去特典をプレーヤであるユーザに付与する。従って、
図7の例では、状態Aから状態Bへの変化では、押されて移動したゲームオブジェクト20pが、同種のゲームオブジェクト20qの隣りに移動したに留まるが、「同種のゲームオブジェクトによる新たな隣接状態の新たな発生」が検出されたことで、ゲームオブジェクト20p,20qが消去され、ゲームオブジェクト20p,20qの2つ分の消去特典がユーザに付与される(状態C)。
【0094】
なお、「消去特典」は、例えば得点、プレイ制限時間の延長、など適宜設定可能である。
また、消去されるゲームオブジェクト20が特典付与オブジェクト23である場合には、その落下特典も追加付与するとしてもよい。
【0095】
図8は、特殊オブジェクト24が落下した状況のゲーム画面W6の例を示している。
特殊オブジェクト24に相当するゲームオブジェクト20が配置台オブジェクト6から落下すると、設定されている特殊効果が発動してゲームプレイに適用される。
【0096】
特殊効果が他のゲームオブジェクト20への所定作用である場合、特殊効果を受けるゲームオブジェクト20には識別表示26が追加されてユーザに報知される。識別表示26の表示形態は適宜設定可能である。
図8では、特殊効果を受けるゲームオブジェクト20の輪郭の強調表示を識別表示26の一例として示しているが、当該ゲームオブジェクト20の表示色を標準状態よりも明色に変更する、明暗に周期変動する、などとしてもよい。表示形態の種類を、特殊効果の種類と対応付けて設定すると、ユーザは特殊効果の内容を識別表示26の種類から判別することができるので好適である。
【0097】
特殊効果の内容が、例えば、表面の摩擦係数が増加する設定である場合、特殊効果を受けるゲームオブジェクト20は特殊効果を受ける前よりも動かし難くなるので、そのことを念頭にユーザはゲームプレイをする(次に押すゲームオブジェクト20を選択する)必要がある。オブジェクト群5は回転表示されるので、ユーザがオブジェクト群5を見る角度が刻々と変化する。しかし、識別表示26が追加されることで、どのゲームオブジェクト20が特殊効果を受けているかが明らかとなり、ユーザが当該ゲームオブジェクト20を認識することをサポートできる。
【0098】
ゲームプレイが進行すると、ユーザのプレイ操作によって徐々にオブジェクト群5からゲームオブジェクト20が落とされて、ゲーム判定用媒体10の下部の支えが弱くなり、ゲーム判定用媒体10は初期状態の起立状態から傾き易くなる。サーバシステム1100は、ゲーム判定用媒体10の位置や姿勢の変化に応じてキャラクタオブジェクト14の挙動を変更制御する。また、変更後の挙動に予め対応づけられている作用効果(挙動効果)をゲーム判定用媒体10に適用する。
【0099】
「挙動効果」の内容は、キャラクタオブジェクト14のデザインやゲームルールに応じて適宜設定可能である。
図8の例では、キャラクタオブジェクト14は、ゲーム判定用媒体10の傾きを促進するように姿勢を変えて手足を振る挙動をしている。そして、
図8の例では、その挙動効果として、挙動によってゲーム判定用媒体10の傾きが促進される感覚をユーザに抱かせるため、ゲーム判定用媒体10の重心位置を(初期位置P0から変更後位置P1へ)上方に移動する効果が設定されている。傾きを促進する意味では、設定されているキャラクタオブジェクト14の重量を上げることとしても同様の効果が得られる。
【0100】
図9は、ゲームクリア時のゲーム画面W8の例を示す図である。
オブジェクト群5のゲームオブジェクト20が減ると、やがてゲーム判定用媒体10の下部を支えられなくなる。その結果、ゲーム判定用媒体10が倒れて配置台オブジェクト6から落下するに至ると、制限時間に達していなくともその時点でゲームクリアとなり、1回分のゲームプレイが終了となる。ゲーム画面W8は、ゲーム判定用媒体10の背後のゲームオブジェクト20を突き動かした結果、ゲーム判定用媒体10が倒れる様子を示している。
【0101】
ゲームクリアすると、サーバシステム1100は、ゲーム判定用媒体10に予め設定されているクリア特典の付与に係る制御を行う。具体的には、サーバシステム1100は、通知表示36でクリア特典が付与された旨をユーザに報知する。そして、サーバシステム1100は、配送管理コンピュータ1200(
図1参照)と通信して、プレーヤであるユーザによって予め登録されている配送先へ、クリア特典の景品を配送するように所定の配送リクエストをする配送手配の制御を行う。
【0102】
図10は、ゲーム終了オブジェクト24Eに係る強制ゲーム終了時のゲーム画面W10の例を示す図である。ゲームオブジェクト20のうちゲーム終了オブジェクト24Eが配置台オブジェクト6から落下すると、サーバシステム1100は、プレイの制限時間がまだ残っている状態であってもゲームオーバとする。
【0103】
次に、機能構成について説明する。
図11は、サーバシステム1100の機能構成例を示す機能ブロック図である。
サーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、音出力部390sと、画像表示部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
【0104】
操作入力部100sは、サーバの管理のための各種操作を入力するための手段である。サーバシステム1100用のキーボードやタッチパネルがこれに該当する。
【0105】
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路となるプロセッサの他、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、ユーザ端末1500から受信したデータ、等に基づいて各種の演算処理を実行して、サーバシステム1100の動作を統合的に制御する。
【0106】
サーバ処理部200sは、ユーザ管理部202と、オンラインショッピング管理部204と、ゲーム管理部210と、計時部280sと、音生成部290sと、画像生成部292sと、通信制御部294sとを含む。勿論、これら以外の機能部も適宜含めることができる。
【0107】
ユーザ管理部202は、ユーザ登録手続きに係る処理およびユーザアカウントに紐付けられる各種情報の記憶管理を行う。具体的には、ユーザ管理部202は、(1)登録ユーザへの固有のユーザアカウントの付与、(2)ユーザアカウント別の個人情報(例えば、指定配送先など)の記憶管理、などを行う。
【0108】
オンラインショッピング管理部204は、オンラインショッピングに関する制御を実行する。ユーザは、オンラインショッピングを利用することで操作媒体40やゲーム内で使用するアイテム等を購入することができる。オンラインショッピングにおける販売対象は、これら以外にも適宜設定可能である。
【0109】
ゲーム管理部210は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態のゲームは、クライアント・サーバ型のオンラインゲームなので、ゲーム管理部210は、ユーザ端末1500と通信を行いながらゲームプレイに必要なデータを提供する制御を行う。
【0110】
具体的には、ゲーム管理部210は、操作媒体決定部212と、初期状態設定部214と、配置台制御部216と、操作媒体制御部218と、変更制御部220と、ゲームクリア判定部222と、ゲーム評価部224と、特典付与部226と、設定特典付与部228と、特殊効果発動部230と、キャラクタ制御部232と、ゲームプレイ終了制御部234と、配送手配部240と、を有する。
【0111】
操作媒体決定部212は、ゲームプレイに使用する操作媒体40の種類を決定する。
【0112】
初期状態設定部214は、仮想3次元空間において、配置台オブジェクト6の上に、独立して起立状態を保つことができないゲーム判定用媒体10の少なくとも棒状の下部を支える位置に複数のゲームオブジェクト20を積み重ねることでゲーム判定用媒体10の横倒しを防止した初期状態のオブジェクト群5を設定する。
【0113】
配置台制御部216は、配置台オブジェクト6を水平回転させる。
【0114】
操作媒体制御部218は、ユーザ操作に基づいて操作媒体40をオブジェクト群5に向けて移動させる。
【0115】
変更制御部220は、操作媒体40がオブジェクト群5に接触したことに伴って、オブジェクト群5を構成するゲーム判定用媒体10およびゲームオブジェクト20それぞれの位置および姿勢を、所与の物理演算処理に基づいて変更する制御を行う。
【0116】
具体的には、変更制御部220は、ゲームオブジェクト20それぞれに設定されている制御パラメータ値(例えば、サイズ、重量など)に基づいて物理演算処理を行う。また、変更制御部220は、同種の所定数のゲームオブジェクト20が所与の隣接条件を満たした場合に、当該ゲームオブジェクトを消去して物理演算処理を実行する(
図7参照)。また、変更制御部220は、キャラクタオブジェクト14の挙動制御に基づいて、物理演算処理を可変に制御する。挙動効果の適用がこれに該当する(
図8参照)。
【0117】
ゲームクリア判定部222は、ゲーム判定用媒体10の位置および/又は姿勢に基づく所与のゲームクリア条件を満たした場合にゲームクリアと判定する。
【0118】
ゲーム評価部224は、変更制御部220による変更制御によって配置台オブジェクト6から落下したゲームオブジェクト20に基づいてゲーム評価を行う。落下したゲームオブジェクト20に応じた得点の付与がこれに該当する。
【0119】
特典付与部226は、変更制御部220による変更制御によって配置台オブジェクト6から落下したゲームオブジェクト20に基づいて所与の特典をユーザに付与する。落下特典の付与がこれに該当する(
図5参照)。
【0120】
設定特典付与部228は、ゲームクリア条件を満たした場合に、ゲーム判定用媒体10に予め設定された特典をユーザに付与する。クリア特典の付与がこれに該当する(
図9参照)。
【0121】
特殊効果発動部230は、特殊オブジェクト24の位置および/又は姿勢に基づく所与の特殊効果発動条件を満たした場合に所与の特殊効果を発動する(
図8参照)。特殊効果発動部230は、ゲーム終了オブジェクト24Eに基づく特殊効果発動条件を満たした場合に、ゲーム進行を終了させる特殊効果を発動する(
図10参照)。
【0122】
キャラクタ制御部232は、ゲーム判定用媒体10の位置および/又は姿勢に基づいてキャラクタオブジェクト14の挙動を制御する(
図8参照)。
【0123】
ゲームプレイ終了制御部234は、操作媒体40の移動制御の回数又は時間が所定のゲームプレイ許容限界に達した場合に、1回分のゲームプレイを終了する。
【0124】
配送手配部240は、物体としての設定特典をユーザが予め指定した指定配送先へ配送する手配に係る制御を行う。
【0125】
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の各種計時を行う。
【0126】
音生成部290sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理や、ゲームの実行に係る操作音や効果音、BGM、などの音声データを生成或いはデコードする。そして、システム管理に関する音声信号は音出力部390sへ出力する。
【0127】
音出力部390sは、音声信号を放音する。サーバシステム1100に用意されるタッチパネルが備えるスピーカ(不図示)などがこれに該当する。
【0128】
画像生成部292sは、画像表示部392sに表示させる画像を生成し、その画像信号の出力を行う。サーバシステム1100のシステム管理や、ゲームの実行に係る各種画面(又はそれらをユーザ端末1500で表示させるためのデータ)などを生成する機能の一部がこれに該当する。
【0129】
画像表示部392sは、フラットパネルディスプレイや、ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクターなど、画像を表示させる装置で実現される。サーバシステム1100に用意されるタッチパネルがこれに該当する。
【0130】
通信制御部294sは、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394sを介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0131】
通信部394sは、ネットワーク9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
図1の例では通信装置1153が該当する。
【0132】
サーバ記憶部500sは、サーバ処理部200sにサーバシステム1100を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、サーバ処理部200sの作業領域として用いられ、サーバ処理部200sが各種プログラムに従って実行した演算結果などを一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVDなどの光学ディスク、オンラインストレージなどによって実現される。
図1の例ではICメモリ1152やストレージ1140、ハードディスクなどの記憶媒体がこれに該当する。
【0133】
図12は、サーバ記憶部500sが記憶するプログラムやデータの例を示す図である。本実施形態におけるサーバ記憶部500sは、サーバプログラム501と、配信用クライアントプログラム503と、オンラインショッピング管理データ509と、ゲーム判定用媒体定義データ510と、ゲームオブジェクト定義データ520と、操作媒体定義データ530と、オブジェクト群定義データ540と、消去特典定義データ560と、ユーザ管理データ600と、プレイデータ700と、現在日時900と、を記憶する。サーバ記憶部500sは、その他のプログラムやデータ(例えばタイマーや、カウンタ、各種フラグなど)も適宜記憶する。
【0134】
サーバプログラム501は、サーバ処理部200sが読み出して実行することで、ユーザ管理部202、オンラインショッピング管理部204、ゲーム管理部210、としての機能を実現させるためのプログラムである。
【0135】
配信用クライアントプログラム503は、ユーザ端末1500へ提供されるゲームクライアントプログラムのオリジナルである。
【0136】
ゲーム判定用媒体定義データ510は、ゲーム判定用媒体10の種類別に用意され、当該種類のゲーム判定用媒体10に係る各種初期設定データを格納する。1つのゲーム判定用媒体定義データ510は、例えば
図13に示すように、固有のゲーム判定用媒体種類511と、棒オブジェクトデータ512と、キャラクタオブジェクトデータ514と、キャラクタ挙動定義データ517と、挙動効果定義データ519と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0137】
キャラクタ挙動定義データ517は、キャラクタオブジェクト14の挙動の種類別に用意され、例えば固有の挙動種類と、適用要件と、モーションデータと、を対応づけて格納する。適用要件には、当該データが適用されるために満たすべき1つのサブ条件又は複数のサブ条件を組み合わせて記述する。サブ条件としては、例えば、制限時間の残時間、獲得している得点、落下させたゲームオブジェクト20の数、ゲーム判定用媒体10の位置や姿勢の変化、などを用いてもよい。
【0138】
挙動効果定義データ519は、キャラクタオブジェクト14の挙動に応じた挙動効果(
図8参照)の種類毎に用意され、例えば固有の挙動効果種類と、適用要件と、挙動効果内容データと、を対応づけて格納する。適用要件は、1つ又は複数の挙動効果の種類で記述される。例えば、挙動効果の内容がゲーム判定用媒体10に係る制御パラメータ値の変更である場合は、挙動効果内容データは、変更対象の制御パラメータの種類および変更量で記述される。
【0139】
ゲームオブジェクト定義データ520は、ゲームオブジェクト20の種類毎に用意され、当該種類のゲームオブジェクト20の各種初期設定データを格納する。1つのゲームオブジェクト定義データ520は、例えば
図14に示すように、固有のゲームオブジェクト種類521と、カテゴリー522と、オブジェクトデータ523と、初期制御パラメータ値524と、特殊効果設定データ525と、識別表示形態データ526と、落下特典定義データ527と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0140】
カテゴリー522は、当該種類のゲームオブジェクト20が特典付与オブジェクト23、特殊オブジェクト24、ゲーム終了オブジェクト24E、それらのカテゴリーに属さないオブジェクト、の何れか又は複数に該当するかを示す。
【0141】
特殊効果設定データ525は、当該種類のゲームオブジェクト20が特殊オブジェクト24である場合に設定されるデータであって、特殊効果の内容を記述する。例えば、特殊効果の効果付与対象の設定や、特殊効果内容、などの情報を対応づけて格納する。効果付与対象の設定は、対象を選択するための条件などを記述する。例えば、ゲームオブジェクト20の種類のリスト、選択する座標範囲、効果付与対象として選択できる対象数上限値、などで記述される。特殊効果内容は、例えば制御パラメータ値を変更する内容であれば、指定制御パラメータの種類と、変更量と、を対応づける。また例えば、ゲーム終了オブジェクト24Eについてのゲームオブジェクト定義データ520であるならば、特殊効果設定データ525には、強制的にゲーム終了させるまでのタイマー値を設定するとしてもよい。
【0142】
識別表示形態データ526は、当該種類のゲームオブジェクト20の特殊効果が付与されたゲームオブジェクト20を識別表示するための表示のさせ方を指定する。例えば、ゲームオブジェクト20を明滅表示するならば、明滅色のカラー指定、明滅の時間変化パターン、を格納する。
【0143】
操作媒体定義データ530は、操作媒体40の種類毎に用意され、当該種類の操作媒体40に係る各種初期設定データを格納する。1つの操作媒体定義データ530は、例えば
図15に示すように、固有の操作媒体種類531と、使用許可条件533と、操作オブジェクトデータ535と、自動移動パターン定義データ537と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0144】
使用許可条件533は、当該種類の操作媒体40をゲームプレイで使用可能になるために満たすべき条件を付ける場合に設定される。例えば、累計ゲームプレイ回数の条件、過去のゲームプレイ成績で到達すべき成績の条件、オンラインショッピングでの購入回数や金額についての条件、制限無し、などを設定してもよい。
【0145】
操作オブジェクトデータ535は、当該種類の操作媒体40を表示制御するためのオブジェクトモデルデータや、テクスチャデータなどを含む。
【0146】
自動移動パターン定義データ537は、ユーザによるプレイ操作入力に応じて当該種類の操作媒体40をオブジェクト群5へ向けて自動移動制御するパターンを定義する各種データを格納する。例えば、タッチ位置へ移動する移動距離(操作媒体40が伸びて見える長さに相当)、タッチ位置へ移動する軌跡、移動する速さ、タッチ位置へ移動した後の移動方向と移動量、操作媒体40がゲームオブジェクト20に接触してからの移動方向と移動量、タッチ位置から戻る移動軌跡、など適宜設定可能である。
【0147】
図12に戻って、オブジェクト群定義データ540は、オブジェクト群5の種類毎に用意され、当該種類のオブジェクト群5の各種初期設定データを格納する。1つのオブジェクト群定義データ540は、例えば
図16に示すように、固有のオブジェクト群種類541と、クリア特典定義データ543と、当該オブジェクト群5のプレイでユーザが選択可能な操作媒体40の種類を指定する使用可能操作媒体種類リスト545と、初期配置設定データ547と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。例えば、プレイするオブジェクト群5の選択画面で当該オブジェクト群5を紹介するためのアイコンや、紹介文のテキストデータ、などを含めるとしてもよい。
【0148】
クリア特典定義データ543は、当該オブジェクト群5を使ったゲームプレイでゲームクリア条件を満たした場合にユーザに付与される特典を指定する。基本的には、クリア特典は、当該オブジェクト群5で使用するゲーム判定用媒体10のキャラクタオブジェクト14のキャラクタに関する有体物又は無体物とすると好適である。例えば、キャラクタオブジェクト14のキャラクタをあしらった実体物(例えば、ぬいぐるみ、キーホルダーなどの景品となる物体)、キャラクタの画像や音声を含む電子データ(例えば、スマートフォンやパソコンの壁紙画像、待ち具受け画像、キャラクタが話す音声、など)、キャラクタが登場するビデオゲームにおけるアイテムやゲームステージの獲得・解放をするためのパスコード、などとすることができる。また、その他として、例えば、次回のゲームプレイで使用できるプレイ制限時間の延長アイテム、などゲームプレイ中に使用可能なアイテム、などとしてもよい。
【0149】
使用可能操作媒体種類リスト545は、操作媒体40の種類を格納する。もしも、特定の操作媒体40の使用に限定したい場合には、当該操作媒体40の種類1つだけを格納する。ユーザが使用する操作媒体40を選択できる場合は、選択肢とすることができる操作媒体40の種類を格納する。
【0150】
初期配置設定データ547は、配置順番と、配置オブジェクト種類(ゲーム判定用媒体10の種類又はゲームオブジェクト20の種類)と、初期配置位置と、初期配置姿勢と、を含み、当該オブジェクト群5を形成するオブジェクトの数だけ用意される。用意されている初期配置設定データ547を、配置順番を参照して、配置オブジェクト種類で指定されたオブジェクトを初期配置位置に初期配置姿勢で、次々に配置制御してゆくと、当該オブジェクト群5を形成することができることになる。
【0151】
図12に戻って、消去特典定義データ560は、消去特典(
図7参照)の種類毎に用意され、当該定義データが適用されるために満たすべき条件を示す適用要件と、消去特典の内容を定義する消去特典内容と、を対応づけて格納する。
消去特典定義データ560の適用要件は、新たに隣接状態になったゲームオブジェクト20の種類、数、隣接の位置関係(例えば、列状、十字状、L字状など)の1つ又は複数を組み合わせて記述される。
【0152】
ユーザ管理データ600は、所定のユーザ登録手続を済ませたユーザ毎に用意され、当該ユーザに係る各種データを格納する。1つのユーザ管理データ600は、固有のユーザアカウントと、配送先情報、セーブデータ、オンラインショッピングや特典付与で入手した操作媒体40の種類リスト、オンラインショッピングや特典付与で入手したアイテム、などの情報を格納する。
【0153】
プレイデータ700は、ゲームプレイ毎に作成され、当該ゲームプレイに係る各種データを格納する。1つのプレイデータ700は、例えば
図17に示すように、プレーヤであるユーザを示すプレーヤアカウント701と、プレイ開始日時703と、プレイ対象とされるオブジェクト群5を示す使用オブジェクト群種類705と、プレイで使用する操作媒体40を示す使用操作媒体種類707と、ゲームプレイ許容限界値709と、オブジェクト群制御データ710と、プレイ成績データ730と、を含む、勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0154】
ゲームプレイ許容限界値709は、ゲーム終了を判定するためのパラメータ値である。例えば、プレイ制限時間、操作回数、操作媒体40の移動制御回数、などである。
【0155】
オブジェクト群制御データ710は、ゲームプレイに係り仮想3次元空間に配置された各種オブジェクトの最新の位置、姿勢、状態パラメータ値、当該オブジェクトの物理演算処理に用いられる制御パラメータ値、などの各種データを格納する。例えば、オブジェクト群制御データ710は、配置台オブジェクト制御データ712と、ゲーム判定用媒体制御データ714と、ゲームオブジェクト制御データ716と、操作媒体制御データ718と、を含む。
【0156】
プレイ成績データ730は、得点や、当該ユーザが獲得した(当該ユーザに付与された)特典を示す付与特典データ、などを含む。
【0157】
図18は、ユーザ端末1500の機能構成例を示す機能ブロック図である。
ユーザ端末1500は、操作入力部100と、撮影部120と、端末処理部200と、音出力部390と、画像表示部392と、通信部394と、端末記憶部500と、を備える。
【0158】
操作入力部100は、ユーザによってなされた各種の操作入力に応じた操作入力信号を端末処理部200に出力する。例えば、プッシュスイッチや、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、ジャイロ、CCDモジュール、などによって実現できる。
図1の例では、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0159】
撮影部120は、ユーザ端末1500の周囲所定方向を撮影し、撮影画像データを端末処理部200へ出力する。撮影部120は、インカメラ1520やアウトカメラ1521、制御基板1550に搭載された撮影画像データを生成するICチップなどにより実現される。
【0160】
端末処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や端末記憶部500を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて各種の演算処理を実行して、ユーザ端末1500の動作を制御する。
図1の例では、制御基板1550がこれに該当する。
【0161】
そして、端末処理部200は、クライアント制御部260と、計時部280と、音生成部290と、画像生成部292と、通信制御部294と、を有する。
【0162】
クライアント制御部260は、クライアント・サーバシステムにおけるクライアントとしての制御を行う。クライアント制御部260は、操作入力情報提供部261と、表示制御部262と、を有する。
【0163】
操作入力情報提供部261は、操作入力部100より入力された操作入力信号に応じて操作入力情報を生成し、サーバシステム1100へ送信する制御を行う。
【0164】
表示制御部262は、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて、ユーザ端末1500でゲーム画面等を表示させるための各種制御を行う。
【0165】
計時部280は、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0166】
音生成部290は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイルを再生可能なオーディオコーデック等によって実現され、楽曲や効果音、各種操作音の音信号を生成し、音出力部390に出力する。
【0167】
音出力部390は、音生成部290から入力される音信号に基づいて音出力(放音)する装置によって実現される。
【0168】
画像生成部292は、クライアント制御部260の制御に基づいて各種の画像(例えば、ゲームのプレイ画面等の画像)を生成する。そして、それらを表示させるための画像信号を画像表示部392に出力する。
図1の例では、制御基板1550に搭載されるGPU(Graphics Processing Unit)や、グラフィックコントローラがこれに該当する。
【0169】
画像表示部392は、フラットパネルディスプレイや、ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクターなど、画像を表示させる装置で実現される。
図1の例では、タッチパネル1506がこれに該当する。
【0170】
通信制御部294は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0171】
通信部394は、ネットワーク9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
図1の例では通信モジュール1553がこれに該当する。
【0172】
端末記憶部500は、端末処理部200に所与の機能を実現させるためのプログラムや、各種データ等を記憶する。また、端末処理部200の作業領域として用いられ、端末処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。こうした機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。
図1の例では、制御基板1550が搭載するICメモリ1552がこれに該当する。オンラインストレージを利用する構成も可能である。
【0173】
そして、端末記憶部500は、端末処理部200をクライアント制御部260として機能させるためのクライアントプログラム502(アプリケーションプログラム)と、現在日時900と、を記憶する。勿論、これら以外のデータも適宜記憶できる。例えば、クライアント制御部260にて、ゲーム管理部210(
図11参照)の機能の一部を分担する場合には、必要に応じて各種の初期設定データや定義データ(
図12参照)を、サーバシステム1100からダウンロードして記憶するとしてもよい。
【0174】
次に、ゲームシステム1000の動作について説明する。
図19と
図20は、1回のゲームプレイに係りサーバシステム1100が実行する処理の流れを説明するためのフローチャートである。当該処理の流れは、サーバシステム1100がサーバプログラム501を実行することにより実現される。前提として、ユーザはユーザ登録手続を済ませており、ユーザ端末1500はサーバシステム1100と通信状態にあることとする。
【0175】
図19に示すように、サーバシステム1100は、プレイ対象とするオブジェクト群5の選択入力を受け付ける(ステップS10)。例えば、オブジェクト群5の選択肢とする選択画面をユーザ端末1500にて表示させ、その何れかをユーザに選択させる。
【0176】
次に、サーバシステム1100は、使用する操作媒体40の選択入力を受け付ける(ステップS12)。例えば、ステップS10で選択されたオブジェクト群5の使用可能操作媒体種類リスト545(
図16参照)を参照して、当該リストで指定された操作媒体40を選択肢とする選択画面をユーザ端末1500にて表示して、その何れかをユーザに選択させる。当該リストに設定されている操作媒体40が1種類だけの場合は、当該1種類の操作媒体40でのプレイが前提とされているので、ステップS12は省略できる。
【0177】
次に、サーバシステム1100は、仮想3次元空間にプレイ対象とされるオブジェクト群5を形成して(ステップS14)、ユーザ端末1500にてゲーム画面を表示させ(ステップS16;
図2参照)、配置台オブジェクト6の回転制御、物理演算処理、プレイ制限時間の計時、キャラクタオブジェクト14の挙動制御、をそれぞれ開始する(ステップS18からステップS24)。つまり、ゲームプレイを開始する。
【0178】
プレイ開始後、ユーザが操作媒体40で押したい位置をタッチ操作すると、サーバシステム1100はこれをプレイ操作入力として検出する(ステップS40のYES)。そして、操作媒体40をオブジェクト群5へ向けて自動で移動制御する(ステップS42)。
【0179】
なお、プレイ操作入力を検出した場合に配置台オブジェクト6の回転を一時停止させるようにしてもよい。
【0180】
操作媒体40の移動制御により、操作媒体40がオブジェクト群5のゲームオブジェクト20に接触して押されると、当該ゲームオブジェクト20の位置や姿勢がステップS20で開始されている物理演算処理によって変更される。勿論、当該ゲームオブジェクト20の位置や姿勢の変化が、玉突き的に他のゲームオブジェクト20の位置や姿勢を変化させる状況もあり得る。
【0181】
物理演算によるゲームオブジェクト20の位置や姿勢の変化の結果、ゲームオブジェクト20が配置台オブジェクトより落下すると(ステップS50のYES)、サーバシステム1100は、得点を加点するゲーム評価を行う(ステップS52)。そして、落下したゲームオブジェクト20が特典付与オブジェクト23である場合は(ステップS54のYES)、更に落下特典をユーザに付与し、通知表示34を表示させて落下特典についての通知を行う(ステップS56;
図5参照)。
【0182】
図20に移って、落下したゲームオブジェクト20がゲーム終了オブジェクト24Eである場合(ステップS60のYES)、サーバシステム1100はゲームオーバと判断して強制的にゲームを終了とする(ステップS62;
図10参照)。そして、ゲームコンティニューの受け付けをして(ステップS64)、受け付け時間内にゲームコンティニュー操作を検出すれば(ステップS66のYES)、ステップS40に戻る。受け付け時間内にゲームコンティニューの操作がなければ(ステップS66のNO)、今回のプレイ成績の記録などを含むセーブ処理を実行して(ステップS68)、一連の処理を終了する。
【0183】
もし、落下したゲームオブジェクト20がゲーム終了オブジェクト24Eでなく、特殊オブジェクト24である場合は(ステップS60のNO→ステップS70のYES)、サーバシステム1100は、当該特殊オブジェクト24に設定されている特殊効果を発動させ(ステップS72)、特殊効果の対象がゲームオブジェクト20であれば識別表示26の表示を開始する(ステップS74)。
【0184】
もし、同種のゲームオブジェクト20による新しい隣接状態が発生したならば(ステップS80のYES;
図7参照)、サーバシステム1100はそれらのゲームオブジェクト20を仮想3次元空間から消去し(ステップS82)、消去特典をユーザに付与するとともに付与の通知表示を行う(ステップS84)。
【0185】
次に、サーバシステム1100は、最新のゲーム進行状況、特にゲーム判定用媒体10の最新の状態に応じたキャラクタオブジェクト14の挙動を、キャラクタ挙動定義データ517(
図13参照)の中から選択し、選択した挙動を適用することでキャラクタオブジェクト14の挙動制御を開始する(ステップS90)。そして、選択された挙動に対応する挙動効果を適用する(ステップS92;
図8参照)。
【0186】
サーバシステム1100は、ゲームプレイ許容限界に達したかを常に監視している。
本実施形態では、プレイ開始からの経過時間が制限時間に達するとゲームプレイ許容限界に達したと判定し(ステップS94のYES)、ステップS62へ移る。
【0187】
もし、ゲームプレイ許容限界に達していなければ(ステップS94のNO)、サーバシステム1100はゲームクリア条件を満たしたかを判定する(ステップS100)。そして、ゲーム判定用媒体10がゲームクリア条件を満たしていれば(ステップS100のYES)、サーバシステム1100はクリア特典を付与するとともに通知表示36を表示させてその通知を行う(ステップS102;
図9参照)。なお、ステップS102の実行に伴い、クリア特典が実体物としての景品である場合には、配送管理コンピュータ1200と通信して、プレーヤであるユーザによって予め登録されている指定配送先へ、クリア特典となる景品を配送するように所定の配送リクエストをする配送手配制御を行う。
【0188】
そして、サーバシステム1100は、セーブ処理を実行して(ステップS104)、一連の処理を終了する。
【0189】
以上、本実施形態によれば、仮想3次元空間において、単独では起立状態を保てないゲーム判定用媒体10の下部を、積み重なった複数のゲームオブジェクト20で支えているオブジェクト群5を設定し、このオブジェクト群5を構成するゲームオブジェクト20を操作媒体40でずらしてゲーム判定用媒体10の位置および/又は姿勢を変化させてゲームクリアを目指すという新しいゲームを実現できる。
【0190】
ユーザは、積み重ねられたゲームオブジェクト20の位置関係を勘案して、どのゲームオブジェクト20の位置や姿勢を変更させれば良いかを考えながらプレイする興趣を存分に楽しむことができる。
【0191】
また、ゲーム判定用媒体10の位置および/又は姿勢がゲームクリア条件を満たせばゲームクリアとなるため、気軽にプレイする感情を抱かることができるほどゲームルールが簡単である。
【0192】
それでいながら、配置台オブジェクト6からゲームオブジェクト20を落下させることで特典が得られたり、特殊効果が発動したりする一方で、落とすと大変なことになるゲーム終了オブジェクト24Eが存在するなど、興趣溢れるゲームプレイを楽しむことができる。キャラクタオブジェクト14の挙動もまた、ゲームの雰囲気を盛り上げ、興趣を大いに高めてくれる。
【0193】
〔第2実施形態〕
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。なお、以降では主に第1実施形態との差異について述べることとし、第1実施形態と同様の構成要素については、第1実施形態と同じ符号を付与して説明を省略する。基本構成は第1実施形態と同じだが一部が異なる構成要素については、符号の末尾に大文字のアルファベットを付けて識別している。
【0194】
図21は、本実施形態におけるサーバシステム1100Bの機能構成例を示す図である。サーバシステム1100Bは、サーバ処理部200sに、ユーザ管理部202と、オンラインショッピング管理部204と、を有する。第1実施形態のサーバシステム1100と比較すると、サーバシステム1100Bはゲーム管理部210を有していない。
【0195】
サーバシステム1100Bのサーバ記憶部500sは、サーバプログラム501Bと、配信用ゲームプログラム505と、オンラインショッピング管理データ509と、ユーザ管理データ600と、を記憶する。配信用ゲームプログラム505は、ユーザ端末1500へ配信するゲームプログラムのオリジナルである。
【0196】
なお、本実施形態のユーザ端末1500Bへの配信用として、サーバ記憶部500sに、ゲーム判定用媒体定義データ510、ゲームオブジェクト定義データ520、操作媒体定義データ530、オブジェクト群定義データ540、消去特典定義データ560、を記憶していてもよい(
図12参照)。
【0197】
図22は、本実施形態におけるユーザ端末1500Bの機能構成例を示す図である。
ユーザ端末1500Bの端末処理部200は、第1実施形態のゲーム管理部210に相当するゲーム管理部210Bを有する。
【0198】
ユーザ端末1500Bの端末記憶部500は、ゲームプログラム504と、ゲーム判定用媒体定義データ510と、ゲームオブジェクト定義データ520と、操作媒体定義データ530と、オブジェクト群定義データ540と、消去特典定義データ560と、プレイデータ700と、現在日時900とを記憶する。ゲームプログラム504から消去特典定義データ560までのオリジナルのデータは、サーバシステム1100Bに記憶されており、別途、サーバシステム1100Bからダウンロードされる。
【0199】
本実施形態におけるゲームシステム1000の動作は、基本的には第1実施形態のゲームシステム1000と同様である。但し、本実施形態ではユーザ端末1500Bがゲーム管理部210Bを有しており、
図19から
図20のフローチャートにおける各処理をユーザ端末1500Bが実行主体となって実行する。従って第1実施形態の
図19から
図20のフローチャートの実行主体を、ユーザ端末1500Bと読み替えることで、本実施形態におけるゲームシステム1000の動作となる。
【0200】
なお、処理の内容によって、ユーザ端末1500Bがユーザ管理データ600を参照する必要がある場合には、ユーザ端末1500Bはサーバシステム1100Bへデータの提供をリクエストし、サーバシステム1100Bはこれに応えるものとする。
【0201】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0202】
〔第3実施形態〕
次に、本発明を適用した第3実施形態について説明する。なお、以降では主に第2実施形態との差異について述べることとし、第2実施形態と同様の構成要素については、第2実施形態と同じ符号を付与して説明を省略する。基本構成は第2実施形態と同じだが一部が異なる構成要素については、符号の末尾に大文字のアルファベットを付けて識別している。
【0203】
本実施形態では、第2実施形態をベースとして、
図23に示すように、AR(Augmented Reality)ゲームを実現する。すなわち、ユーザ端末1500Cは、アウトカメラ1521で撮影している現実世界の撮影画像からARマーカ52を認識し、ARマーカ52の面が配置台オブジェクト6の底面と一致するように仮想3次元空間および仮想3次元空間を撮影する仮想カメラを制御する。そして、アウトカメラ1521の撮影画像上に、オブジェクト群5を含む仮想3次元空間を仮想カメラで撮影したレンダリング画像を合成してゲーム画面W12として表示する。
【0204】
図23の例では、アウトカメラ1521で撮影している現実世界の画像からテーブル8の上に置かれたARマーカ52を認識し、テーブル8の上面に配置台オブジェクト6が載っているように仮想3次元空間を設定した例を示している。ゲーム画面W12では、あたかも現実のテーブル8の上にオブジェクト群5があるかのような画面が表示される。なお、採用するAR技術によっては、ARマーカ52を省略してもよい。
【0205】
図24は、本実施形態におけるユーザ端末1500Cの機能構成例を示す図である。
ユーザ端末1500Cは、ゲームプログラム504Cを実行することで、第2実施形態のゲーム管理部210と同様のゲーム管理部210Cを有する。但し、ゲーム管理部210Cは、初期状態設定部214Cと、ゲーム画像表示制御部242を有する。
【0206】
初期状態設定部214Cは、ARマーカ52の撮影画像に基づいて、仮想3次元空間の座標と、初期状態のオブジェクト群5の配置位置とを設定する。
【0207】
ゲーム画像表示制御部242は、アウトカメラ1521の撮影画像に基づいて、ARマーカ52に対するアウトカメラ1521の位置および撮影向きに追従するように仮想カメラの位置および撮影向きを変更してゲーム画面W12を表示する制御を行う。
【0208】
本実施形態によれば、第2実施形態と同様の効果をARゲームとして得られる。
【0209】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態の例について説明したが、本発明を適用可能な形態は上記形態に限定されるものではなく適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0210】
(変形例その1)
例えば、第1実施形態ではゲーム管理部210の全機能をサーバシステム1100で実現し、第2実施形態ではゲーム管理部210の全機能をユーザ端末1500Bにて実現したが、この中間の構成も可能である。すなわち、第1実施形態或いは第2実施形態をベースとして、ゲーム管理部210の機能をサーバシステム1100とユーザ端末1500とで分担、あるいはサーバシステム1100Bとユーザ端末1500Bとで分担する構成も可能である。
【0211】
(変形例その2)
また例えば、上記実施形態では、1人のプレーヤがプレイするシングルプレイとして例示したが、マルチプレイであってもよい。例えば、1つのオブジェクト群5に対して、複数のユーザが所定の順番で、操作媒体40をそれぞれ1回又は所定回数ずつ操作してプレイするとしてもよい。マルチプレイの場合は、ゲーム判定用媒体10を倒したユーザが、ゲームの敗者とするゲームルールとしてもよい。
【0212】
(変形例その3)
また、第3実施形態は、第1実施形態をベースとしても実現可能である。その場合、サーバシステム1100は、ゲーム管理部210(
図11参照)に初期状態設定部214Cと、ゲーム画像表示制御部242と、を含むこととなる。そして、ユーザ端末1500のクライアント制御部260(
図18参照)に、サーバシステム1100へ撮影部120で撮影した撮影画像を逐一送信する機能を追加する。当該機能によりサーバシステム1100へ送信された撮影画像は、ゲーム画面W12の背景となる。
【0213】
(変形例その4)
また、上記実施形態では、配置台オブジェクト6の回転を自動で行う構成として例示したが、ユーザが回転を操作できる構成も可能である。具体的には、配置台制御部216が、操作入力部100が検出したユーザによる所定の回転操作に応じて配置台オブジェクト6を回転制御するとしてもよい。
【0214】
より具体的には、例えばタッチパネル1506の画面下部において左右方向のスライド操作を検出すると、左方向/右方向のスライドされたスライド操作量に応じた角度だけ配置台オブジェクト6およびオブジェクト群5を左回り/右回りに回転させるとしてもよい。
【0215】
(変形例その5)
また、操作媒体40の移動制御をユーザが操作する構成も可能である。
具体的には、操作媒体制御部218(
図11参照)が、タッチパネル1506の画面左右何れかの側部において上下方向のスライド操作を検出すると、上方向/下方向のスライドされた方向に応じて、操作媒体40をオブジェクト群5へ近づける/遠ざけるように制御する。当該構成によれば、ユーザは、操作媒体40をオブジェクト群5に突き刺す際の勢いや量を加減できるようになるので、ゲームの操作性および興趣性を高めることができる。
【符号の説明】
【0216】
5…オブジェクト群
6…配置台オブジェクト
10…ゲーム判定用媒体
14…キャラクタオブジェクト
20…ゲームオブジェクト
23…特典付与オブジェクト
24…特殊オブジェクト
24E…ゲーム終了オブジェクト
40…操作媒体
200s…サーバ処理部
210…ゲーム管理部
212…操作媒体決定部
214…初期状態設定部
216…配置台制御部
218…操作媒体制御部
220…変更制御部
222…ゲームクリア判定部
224…ゲーム評価部
226…特典付与部
228…設定特典付与部
230…特殊効果発動部
232…キャラクタ制御部
234…ゲームプレイ終了制御部
242…ゲーム画像表示制御部
500s…サーバ記憶部
501…サーバプログラム
504…ゲームプログラム
510…ゲーム判定用媒体定義データ
520…ゲームオブジェクト定義データ
530…操作媒体定義データ
540…オブジェクト群定義データ
600…ユーザ管理データ
700…プレイデータ
1000…ゲームシステム
1100…サーバシステム
1200…配送管理コンピュータ
1500…ユーザ端末