(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147548
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】保証システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/016 20230101AFI20231005BHJP
【FI】
G06Q30/00 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055110
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 洋三
(72)【発明者】
【氏名】原井 雅之
(72)【発明者】
【氏名】堀越 明
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 邦昌
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】通常の商流を維持しつつ、予期できない部品故障の発生によって、供給業者に対する保証業者の支払い負担が増大することを防止する。
【解決手段】
保証業者コンピュータは、第1通知部と、第2通知部と、第3通知部とを備える。供給業者コンピュータは、請求書の請求額の支払いに充当するためのプール金の金額を管理する管理部を備え、第1支払いの発生が通知されたときにプール金の金額に第1支払いに対応する額を加算し(S102)、第2支払いの発生が通知されたときにプール金の金額に第2支払いに対応する額を加算し(S104)、請求書の発行が通知されたときに、プール金の金額から請求書の請求額を減算する(S107)。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の部品に関する保証契約を複数のユーザと締結する保証業者と、前記保証業者に前記保証契約に関わる保証部品を供給する供給業者との間で利用される保証システムであって、
前記保証業者の保証業者コンピュータと、
前記供給業者の供給業者コンピュータとを備え、
前記保証業者コンピュータと前記供給業者コンピュータとはネットワークを通じて通信し、
前記保証業者コンピュータは、
前記複数のユーザの各々から前記保証業者への保証契約料の支払いに応じて、前記保証業者から前記供給業者への第1支払いの発生を、前記供給業者コンピュータへ通知する第1通知部と、
前記供給業者が前記保証業者に前記保証部品を供給する場合に、前記保証業者から前記供給業者への第2支払いの発生を、前記供給業者コンピュータへ通知する第2通知部と、
前記複数のユーザのうちのいずれかが有する前記製品の前記保証部品の交換が発生する場合に、交換対象の前記保証部品の費用を対象とする、前記保証業者から前記供給業者への請求書の発行を、前記供給業者コンピュータへ通知する第3通知部とを備え、
前記供給業者コンピュータは、
前記請求書の請求額の支払いに充当するためのプール金の金額を管理する管理部と、
前記プール金の金額を格納する記憶部とを備え、
前記管理部は、
前記第1支払いの発生が通知されたときに前記プール金の金額に前記第1支払いに対応する額を加算し、
前記第2支払いの発生が通知されたときに前記プール金の金額に前記第2支払いに対応する額を加算し、
前記請求書の発行が通知されたときに、前記プール金の金額から前記請求書の請求額を減算する、保証システム。
【請求項2】
表示装置をさらに備え、
前記供給業者コンピュータは、前記プール金の金額の変動状況を示す履歴を前記表示装置に表示する、請求項1に記載の保証システム。
【請求項3】
製品の部品に関する保証契約を複数のユーザと締結する保証業者の保証業者コンピュータと、前記保証業者に前記保証契約に関わる保証部品を供給する供給業者の供給業者コンピュータとの間で利用される方法であって、
前記複数のユーザの各々から前記保証業者への保証契約料の支払いに応じて、前記保証業者から前記供給業者への第1支払いの発生を、前記保証業者コンピュータが前記供給業者コンピュータへ通知するステップと、
前記供給業者が前記保証業者に前記保証部品を供給する場合に、前記保証業者から前記供給業者への第2支払いの発生を、前記保証業者コンピュータが前記供給業者コンピュータへ通知するステップと、
前記複数のユーザのうちのいずれかが有する前記製品の前記保証部品の交換が発生する場合に、交換対象の前記保証部品の費用を対象とする、前記保証業者から前記供給業者への請求書の発行を、前記保証業者コンピュータが前記供給業者コンピュータへ通知するステップとを含み、
前記供給業者コンピュータは、前記請求書の請求額の支払いに充当するためのプール金の金額を格納する記憶部を備え、
前記方法は、さらに、
前記第1支払いの発生が通知されたときに前記プール金の金額に前記第1支払いに対応する額を前記供給業者コンピュータが加算するステップと、
前記第2支払いの発生が通知されたときに前記プール金の金額に前記第2支払いに対応する額を前記供給業者コンピュータが加算するステップと、
前記請求書の発行が通知されたときに、前記プール金の金額から前記請求書の請求額を前記供給業者コンピュータが減算するステップとを含む、方法。
【請求項4】
製品の部品に関する保証契約を複数のユーザと締結する保証業者と、前記保証業者に前記保証契約に関わる保証部品を供給する供給業者の供給業者との間で利用可能な、前記供給業者の供給業者コンピュータを用いた方法であって、
前記複数のユーザの各々から前記保証業者への保証契約料の支払いに応じて、前記保証業者から前記供給業者への第1支払いの発生を、前記供給業者へ通知するステップと、
前記供給業者が前記保証業者に前記保証部品を供給する場合に、前記保証業者から前記供給業者への第2支払いの発生を前記供給業者へ通知するステップと、
前記複数のユーザのうちのいずれかが有する前記製品の前記保証部品の交換が発生する場合に、交換対象の前記保証部品の費用を対象とする、前記保証業者から前記供給業者への請求書の発行を、前記供給業者へ通知するステップとを含み、
前記供給業者コンピュータは、前記請求書の請求額の支払いに充当するためのプール金の金額を格納する記憶部を備え、
前記方法は、さらに、
前記第1支払いの発生が通知されたときに前記プール金の金額に前記第1支払いに対応する額を前記供給業者コンピュータが加算するステップと、
前記第2支払いの発生が通知されたときに前記プール金の金額に前記第2支払いに対応する額を前記供給業者コンピュータが加算するステップと、
前記請求書の発行が通知されたときに、前記プール金の金額から前記請求書の請求額を前記供給業者コンピュータが減算するステップとを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、製品の部品に関する保証契約を複数のユーザと締結する保証業者と、保証業者に保証契約に関わる保証部品を供給する供給業者との間で利用される保証システムおよびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製品を利用するユーザが保証業者との間で製品に関する保証契約を締結することが行なわれている。
【0003】
特開2004-094371号公報(特許文献1)には、ハードウェア製品を中心とした機器の保守契約に関するシステムが記載されている。特許文献1に記載のシステムでは、障害受付部で顧客からのアクセスが受け付けられ、受け付けられた障害情報に基づいてメンテナンス作業が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザとの間で製品に関する保証契約を締結した保証業者は、ユーザから故障の連絡を受けた場合、現地に赴いて製品を点検する。保証業者は、故障原因が部品にあると判断した場合、交換用の部品を手配するために、部品の供給業者から部品を取り寄せ、取り寄せた部品の代金を供給業者に支払う。そこには、部品の需要者である保証業者と、部品の供給業者との間で遣り取りされる、部品の発注および発注した部品の代金の支払いという、通常の商流が存在する。
【0006】
保証業者は、部品を交換する必要性があると判断した場合、故障期間の短縮化を実現するため、直ちに、部品を供給業者に発注する必要がある。発注した部品の代金の支払いを速やかに進めることも、上記の商流を前提としてビジネスを行う供給業者と保証業者との間の信頼関係を維持するため、保証業者にとって極めて重要である。
【0007】
ところで、ユーザ製品の部品が故障する時期を予測することは困難である。このため、保証業者は、部品交換の必要性に伴う出費に、常に備える必要がある。対象の部品が高額であったり、複数のユーザから連続して製品の故障連絡を受けたりした場合、部品交換に伴って一時に供給業者へ支払わなければならない金額は多大なものとなる。このような事情を考慮すると、いつ発生するかも知れない部品故障の出費に対する保証業者の日々の不安は計り知れない。
【0008】
本開示の目的は、保証業者と供給業者との間で遣り取りされる、部品の発注および発注した部品の代金の支払いという、通常の商流を維持しつつ、予期できない部品故障の発生によって、供給業者に対する保証業者の支払い負担が増大することを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のある局面に従う保証システムは、製品の部品に関する保証契約を複数のユーザと締結する保証業者と、保証業者に保証契約に関わる保証部品を供給する供給業者との間で利用される保証システムであって、保証業者の保証業者コンピュータと、供給業者の供給業者コンピュータとを備え、保証業者コンピュータと供給業者コンピュータとはネットワークを通じて通信し、保証業者コンピュータは、複数のユーザの各々から保証業者への保証契約料の支払いに応じて、保証業者から供給業者への第1支払いの発生を、供給業者コンピュータへ通知する第1通知部と、供給業者が保証業者に保証部品を供給する場合に、保証業者から供給業者への第2支払いの発生を、供給業者コンピュータへ通知する第2通知部と、複数のユーザのうちのいずれかが有する製品の保証部品の交換が発生する場合に、交換対象の保証部品の費用を対象とする、保証業者から供給業者への請求書の発行を、供給業者コンピュータへ通知する第3通知部とを備え、供給業者コンピュータは、請求書の請求額の支払いに充当するためのプール金の金額を管理する管理部と、プール金の金額を格納する記憶部とを備え、管理部は、第1支払いの発生が通知されたときにプール金の金額に第1支払いに対応する額を加算し、第2支払いの発生が通知されたときにプール金の金額に第2支払いに対応する額を加算し、請求書の発行が通知されたときに、プール金の金額から請求書の請求額を減算する。
【0010】
本開示のある局面に従う方法は、製品の部品に関する保証契約を複数のユーザと締結する保証業者の保証業者コンピュータと、保証業者に保証契約に関わる保証部品を供給する供給業者の供給業者コンピュータとの間で利用される方法であって、複数のユーザの各々から保証業者への保証契約料の支払いに応じて、保証業者から供給業者への第1支払いの発生を、保証業者コンピュータが供給業者コンピュータへ通知するステップと、供給業者が保証業者に保証部品を供給する場合に、保証業者から供給業者への第2支払いの発生を、保証業者コンピュータが供給業者コンピュータへ通知するステップと、複数のユーザのうちのいずれかが有する製品の保証部品の交換が発生する場合に、交換対象の保証部品の費用を対象とする、保証業者から供給業者への請求書の発行を、保証業者コンピュータが供給業者コンピュータへ通知するステップとを含み、供給業者コンピュータは、請求書の請求額の支払いに充当するためのプール金の金額を格納する記憶部を備え、方法は、さらに、第1支払いの発生が通知されたときにプール金の金額に第1支払いに対応する額を供給業者コンピュータが加算するステップと、第2支払いの発生が通知されたときにプール金の金額に第2支払いに対応する額を供給業者コンピュータが加算するステップと、請求書の発行が通知されたときに、プール金の金額から請求書の請求額を供給業者コンピュータが減算するステップとを含む。
【0011】
本開示の他の局面に従う方法は、製品の部品に関する保証契約を複数のユーザと締結する保証業者と、保証業者に保証契約に関わる保証部品を供給する供給業者の供給業者との間で利用可能な、供給業者の供給業者コンピュータを用いた方法であって、複数のユーザの各々から保証業者への保証契約料の支払いに応じて、保証業者から供給業者への第1支払いの発生を、供給業者へ通知するステップと、供給業者が保証業者に保証部品を供給する場合に、保証業者から供給業者への第2支払いの発生を供給業者へ通知するステップと、複数のユーザのうちのいずれかが有する製品の保証部品の交換が発生する場合に、交換対象の保証部品の費用を対象とする、保証業者から供給業者への請求書の発行を、供給業者へ通知するステップとを含み、供給業者コンピュータは、請求書の請求額の支払いに充当するためのプール金の金額を格納する記憶部を備え、方法は、さらに、第1支払いの発生が通知されたときにプール金の金額に第1支払いに対応する額を供給業者コンピュータが加算するステップと、第2支払いの発生が通知されたときにプール金の金額に第2支払いに対応する額を供給業者コンピュータが加算するステップと、請求書の発行が通知されたときに、プール金の金額から請求書の請求額を供給業者コンピュータが減算するステップとを含む。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、保証業者と供給業者との間で遣り取りされる、部品の発注および発注した部品の代金の支払いという、通常の商流を維持しつつ、予期できない部品故障の発生によって、供給業者に対する保証業者の支払い負担が増大することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】保証システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】保証契約に関して供給業者と保証業者との間で遣り取りされる処理の流れを示すタイミングチャートである。
【
図3】供給業者コンピュータおよび保証業者コンピュータの機能構成を示すブロック図である。
【
図4】供給業者コンピュータおよび保証業者コンピュータの処理の内容を示すフローチャートである。
【
図5】保証契約に関して供給業者と保証業者との間で遣り取りされる処理の変形例の流れを示すタイミングチャートである。
【
図6】プール金の変動履歴を表示する画面の一例を示す図である(変形例)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<保証システム1の全体構成>
図1は、保証システム1の全体構成を示すブロック図である。保証システム1は、供給業者によって操作される供給業者コンピュータ100と、保証業者によって操作される保証業者コンピュータ200とを含む。供給業者コンピュータ100と、保証業者コンピュータ200とは、インターネットに代表されるネットワーク50を介して、通信可能に接続される。
【0015】
供給業者コンピュータ100および保証業者コンピュータ200は、たとえば、パーソナルコンピュータによって構成される。供給業者コンピュータ100は、プロセッサ101と、メモリ102と、通信インターフェイス103とを備える。保証業者コンピュータ200も、供給業者コンピュータ100と同様に、プロセッサ201と、メモリ202と、通信インターフェイス203とを備える。プロセッサ101は、メモリ102に格納されたプログラムを実行することによって、供給業者コンピュータ100全体の動作を制御する。プロセッサ201も同様に、メモリ202に格納されたプログラムを実行することによって、保証業者コンピュータ200全体の動作を制御する。メモリ102,202は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、およびハードディスク装置などにより構成される。通信インターフェイス103,203は、ネットワーク50を介した供給業者コンピュータ100および保証業者コンピュータ200の間の通信を制御する。
【0016】
供給業者コンピュータ100には表示装置104および操作部105が接続され、保証業者コンピュータ200には表示装置204および操作部205が接続される。操作部105,205は、マウスおよびキーボードなどにより構成される。表示装置104および操作部105を含んで供給業者コンピュータ100を構成し、表示装置204および操作部205を含んで保証業者コンピュータ200を構成してもよい。
【0017】
供給業者は、たとえば、分光光度計などの産業用の製品30を製造販売する製造業者である。製造業者によって製造された製品30は、ユーザA、B、…に提供される。製品30は、故障あるいは経年劣化の発生に応じて交換可能な複数の部品を含む。たとえば、製品30が分光光度計である場合、レーザ光源および各種の検出器などが分光光度計の部品に該当する。
【0018】
保証業者は、ユーザとの間で製品30を構成する部品を対象として、保証契約を締結する。保証業者は、保証契約に関わる保証部品(以下、単に「部品」と称する。)に不具合が発生した場合、交換用の部品を供給業者に発注し、供給業者から対象の部品の供給を受ける。保証業者は、故障部品を無償で新規部品と交換する。保証業者は、たとえば、このような保証サービスを提供するサービス会社により構成される。
<保証業者と供給業者との間に存在する問題>
保証業者と供給業者との間には、保証業者が供給業者に部品を発注し、保証業者による部品代金の支払いを前提に、供給業者が保証業者に部品を提供するという通常の商流が存在する。このような商流を基本としてビジネスが成立している以上、保証業者が速やかに供給業者へ部品代金の支払いを進めることは、供給業者と保証業者との間の信頼関係を維持するために極めて重要である。
【0019】
ところで、ユーザの製品30が故障する時期を予測することは困難である。このため、保証業者は、部品交換の必要性に伴う出費に、常に備える必要がある。対象の部品が高額であったり、複数のユーザから連続して製品30の故障連絡を受けたりした場合、部品交換に伴って一時に供給業者へ支払わなければならない金額は多大なものとなる。このような事情を考慮すると、いつ発生するかも知れない部品故障の出費に対する保証業者の日々の不安は計り知れない。
<本開示の概要>
そこで、本開示においては、大前提となる上述の通常の商流を維持しつつ、予期できない部品故障の発生によって、供給業者に対する保証業者の支払い負担が増大することを防止する保証システム1を提案する。より具体的には、本開示において、保証業者がユーザから得た保証契約料の一部を供給業者がプール金として蓄積し、保証業者が供給業者に部品代金の支払いを終えた後、プール金を利用して部品代金の支払いによる保証業者の損失を相殺するというビジネスモデルを提案する。さらに、本開示において、そのビジネスモデルを技術的な側面においてサポートするための保証システム1を提案する。以下、保証システム1を詳細に説明するが、はじめに、本開示において、保証契約に関して供給業者と保証業者との間で遣り取りされる処理の流れを説明する。
<処理の流れ>
図2は、保証契約に関して供給業者と保証業者との間で遣り取りされる処理の流れを示すタイミングチャートである。保証業者は、製品30を所有するユーザAとの間で、製品30の部品を対象とした定額で保証契約を締結する(ステップS1)。保証契約の対象となる部品点数は1つであってもよく、複数であってもよい。保証業者は、契約対象の部品の種類および部品点数によって、保証契約料を異ならせてもよい。
【0020】
ユーザAは、保証業者に保証契約料Dを支払う(ステップS2)。保証業者は、契約期間に対して保証契約料の一括支払いをユーザに求めてもよく、月単位などでの保証契約料の支払いをユーザに求めてもよい。
【0021】
保証業者は、ユーザAから受領した保証契約料Dの一部を負担金C(C=D-α)として供給業者へ支払う(ステップS3)。保証契約料Dと負担金Cとの差額αは、保証会社の売上金に該当する。負担金Cは、部品交換の発生に備えてプール金として蓄積される。
【0022】
保証業者、ユーザB、および供給業者の間でも、同様の処理が行われる(ステップS4~ステップS6)。保証業者と多数のユーザとの間で保証契約が締結されることにより、プール金に多くの負担金が加算される。
【0023】
ここで、ユーザAの製品30の部品に故障が発生したものとする。ユーザAは、保証業者に故障の発生を連絡する(ステップS7)。保証業者は、必要に応じてユーザ先に出向き、故障している部品を特定する。
【0024】
その後、保証業者は、交換が必要な部品を供給業者に発注し(ステップS8)、部品代金Pを供給業者に支払う(ステップS9)。供給業者は、注文を受けた部品を保証業者に供給する(ステップS10)。ステップS8~ステップS10には、保証業者による部品代金の支払いを前提に、供給業者が保証業者に部品を提供するという通常の商流が存在する。供給業者に支払われた部品代金Pは、プール金に加算される。
【0025】
保証業者は、入手した部品をユーザ先の故障部品と交換する(ステップS11)。保証業者は、ステップS10において供給された部品の代金Pを対象とした請求書を供給業者へ発行する(ステップS12)。
【0026】
供給業者は請求書により請求されている部品代金Pを、プール金を利用して保証業者へ支払う(ステップS13)。その結果、部品代金の支払い(ステップS9)による保証業者の損失が相殺される。
【0027】
以上に説明した供給業者と保証業者との間の処理の流れによれば、保証会社による部品代金の支払いを前提に、供給業者が保証業者に部品を提供するという通常の商流(ステップS8~ステップS10)を維持しつつ、予期できない部品故障の発生によって、供給業者に対する保証業者の支払い負担が増大することを防止することができる。このような供給業者と保証業者との間の処理を実現するためには、プール金を適切に管理することが重要になる。
【0028】
プール金への入金またはプール金からの出金のために、供給業者および保証業者が金融機関を利用することが見込まれる。この場合、プール金そのものは金融システムの口座に保管される。本開示においては、負担金および部品代金の支払いで変動するプール金の額を供給業者コンピュータ100において管理することによって、上述したビジネスモデルを技術的に実現可能とする保証システム1を以下において提案する。
【0029】
なお、ここでは、部品代金の支払い完了後に部品が保証業者へ供給される例を示したが(ステップS9およびステップS10)、本開示において、部品が保証業者へ供給された後に部品代金が支払われるような流れを採用してもよい。
<供給業者コンピュータ100および保証業者コンピュータ200の機能構成>
図3は、供給業者コンピュータ100および保証業者コンピュータ200の機能構成を示すブロック図である。供給業者コンピュータ100は、受信部111と、管理部113と、決済部115と、記憶部116とを備える。保証業者コンピュータ200は、第1通知部211と、第2通知部212と、第3通知部213と、契約更新部214と、決済部215と、記憶部216とを備える。
【0030】
保証業者コンピュータ200において、記憶部216には、ユーザデータベースと請求書データとが格納されている。ユーザデータベースには、保証業者との間で保証契約を締結したユーザの名称、住所、および製品名などの情報が格納されている。保証業者が供給業者から部品の供給を受けた際に供給業者向けに発行された請求書は、請求書データとして記憶部216に格納される。
【0031】
保証業者コンピュータ200において、第1通知部211は、保証業者において負担金の支払いがあった場合(ステップS3,ステップS6参照)に、負担金の支払いの発生を供給業者コンピュータ100に通知する。第2通知部212は、保証業者において部品代金の支払いがあった場合(ステップS9参照)に、部品代金の支払いの発生を供給業者コンピュータ100に通知する。第3通知部213は、保証業者において請求書が発行された場合(ステップS12参照)、請求書の発行を供給業者コンピュータ100に通知する。
【0032】
供給業者コンピュータ100において、記憶部116には、プール金の金額を示すプール金額データが格納されている。管理部113は、記憶部116に格納されたプール金額データを管理する。受信部111は、第1通知部211、第2通知部212、および第3通知部213の通知を受信する。管理部113は、第1通知部211からの通知に基づいて、負担金に対応する額をプール金額データに加算する。管理部113は、第2通知部212からの通知に基づいて、部品代金に対応する額をプール金額データに加算する。管理部113は、第3通知部213からの通知に基づいて、プール金額データから請求書の請求額を減算する。
【0033】
供給業者コンピュータ100の決済部115は、供給業者による操作部105の操作に従って、または自動的に、金融機関の金融システムにアクセスする。同様に、保証業者コンピュータ200の決済部215は、供給業者による操作部205の操作に従って、または、自動的に、金融機関の金融システムにアクセスする。決済部115,215は、供給業者のプール金口座と保証業者の口座とに対して負担金および部品代金に関する決済処理を行う。表示装置104には、供給業者による操作部105の操作に従って、プール金額および第1通知部211~第3通知部213の通知内容などが表示される。
【0034】
契約更新部214は、新たなユーザと保証契約が締結された場合、および既存の保証契約の内容が更新された場合などにおいて、ユーザデータベースの内容を更新する。表示装置204には、保証業者による操作部205の操作に従って、ユーザデータベースの内容などが表示される。
【0035】
図4は、供給業者コンピュータ100および保証業者コンピュータ200の処理の内容を示すフローチャートである。特に、ここでは、
図4に基づいて、供給業者コンピュータ100の管理部113の処理の内容と、保証業者コンピュータ200の第1通知部211~第3通知部213の処理の内容とを説明する。
<保証業者コンピュータ200の処理>
はじめに、保証業者コンピュータ200の処理を説明する。保証業者コンピュータ200は、負担金Cの供給業者への支払いが完了したか否かを判定する(ステップS201)。たとえば、保証業者コンピュータ200は、決済部215において、負担金Cの供給業者への支払いが完了したか否かを判定する。保証業者コンピュータ200は、負担金Cの供給業者への支払いが完了したと判定した場合、負担金Cの支払いの発生を供給業者コンピュータ100へ通知する(ステップS202)。
【0036】
保証業者コンピュータ200は、ステップS201にてNOと判定した後、または、負担金Cの支払いの発生を供給業者コンピュータ100へ通知した後、部品代金Pの供給業者への支払いが完了したか否かを判定する(ステップS203)。たとえば、保証業者コンピュータ200は、決済部215において、部品代金Pの供給業者への支払いが完了したか否かを判定する。保証業者コンピュータ200は、部品代金Pの供給業者への支払いが完了したと判定した場合、部品代金Pの支払いの発生を供給業者コンピュータ100へ通知する(ステップS204)。
【0037】
保証業者コンピュータ200は、ステップS203にてNOと判定した後、または、部品代金Pの支払いの発生を供給業者コンピュータ100へ通知した後、請求書が発行されたか否かを判定する(ステップS205)。この判定は、
図2のステップS12に対応する。保証業者は、供給業者から部品が納品されたときに、その部品の代金Pを対象とした請求書を供給業者へ発行し、発行した請求書のデータを保証業者コンピュータ200に入力する。
【0038】
入力されたデータは、請求書データとして記憶部216に格納される。保証業者コンピュータ200は、新たな請求書データが入力されたときに、ステップS205において請求書の発行有と判定し、併せて請求額を特定する。保証業者コンピュータ200は、請求書が発行されたと判定した場合、請求書の発行を請求金額と共に供給業者コンピュータ100へ通知する(ステップS206)。
【0039】
保証業者コンピュータ200は、ステップS205にてNOと判定した後、または、請求書の発行を供給業者コンピュータ100へ通知した後、処理を終了させる終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS207)。終了条件は、たとえば、保証業者コンピュータ200の処理を終了させる所定操作が検出された場合などに成立する。このような終了条件が成立すれば、本フローチャートに基づく処理が終了する。終了条件が成立していない場合、保証業者コンピュータ200は、ステップS201からの処理を繰り返し実行する。
<供給業者コンピュータ100の処理>
次に、供給業者コンピュータ100の処理を説明する。供給業者コンピュータ100は、保証業者コンピュータ200から負担金Cの支払い通知を受信したか否かを判定する(ステップS101)。供給業者コンピュータ100は、保証業者コンピュータ200から負担金Cの支払い通知を受信したと判定した場合、負担金Cの額を記憶部116のプール金額データへ加算する(ステップS102)。
【0040】
供給業者コンピュータ100は、ステップS101にてNOと判定した後、または、負担金Cの額を記憶部116のプール金額データへ加算した後、保証業者コンピュータ200から部品代金Pの支払い通知を受信したか否かを判定する(ステップS103)。供給業者コンピュータ100は、保証業者コンピュータ200から部品代金Pの支払い通知を受信したと判定した場合、部品代金Pの額を記憶部116のプール金額データへ加算する(ステップS104)。
【0041】
供給業者コンピュータ100は、ステップS103にてNOと判定した後、または、部品代金Pの額を記憶部116のプール金額データへ加算した後、保証業者コンピュータ200から請求書発行の通知を受信したか否かを判定する(ステップS105)。供給業者コンピュータ100は、保証業者コンピュータ200から請求書発行の通知を受信したと判定した場合、決済部115へ請求書の請求額の決済を指示した後(ステップS106)、請求書の請求額を記憶部116のプール金額データから減算する(ステップS107)。
【0042】
なお、供給業者コンピュータ100は、請求書発行の通知を受信した場合、供給業者のオペレータに対して、請求書の金額の決済処理を促すメッセージを表示装置104に表示してもよい。この場合、供給業者コンピュータ100は、メッセージに応じたオペレータの決済処理を確認した場合に、ステップS107において、請求書の請求額を記憶部116のプール金額データから減算する処理を実行してもよい。
【0043】
供給業者コンピュータ100は、ステップS105にてNOと判定した後、または、請求書の請求額を記憶部116のプール金額データから減算した後、処理を終了させる終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS108)。終了条件は、たとえば、供給業者コンピュータ100の処理を終了させる所定操作が検出された場合などに成立する。このような終了条件が成立すれば、本フローチャートに基づく処理が終了する。終了条件が成立していない場合、供給業者コンピュータ100は、ステップS101からの処理を繰り返し実行する。
【0044】
以上、説明した供給業者コンピュータ100および保証業者コンピュータ200の処理が実行されることにより、供給業者コンピュータ100は、
図2に示されるステップS1~ステップS13のプロセスに応じて変動するプール金の額を適切に管理することができる。その結果、
図2を用いて説明したような、供給業者と保証業者とユーザとの遣り取りを適切に実現することが可能になる。その結果、本開示によれば、
図2を用いて説明したような、通常の商流を維持しつつ、保証業者の支払い負担の増大を防止するためのビジネスモデルを、技術的な側面においてサポートするための保証システム1を提供することができる。
<変形例>
次に、本開示の変形例を説明する。
図5は、保証契約に関して供給業者と保証業者との間で遣り取りされる処理の変形例の流れを示すタイミングチャートである。先に説明した
図2のタイミングチャートは、部品の故障が発生したときに、保証業者が交換用の部品を供給業者へ発注する流れを示す。しかし、保証業者は、交換用の部品の在庫を予め確保しておいてもよい。
図5は、このように、保証業者が交換用の部品の在庫を確保するケースを変形例として開示する。
【0045】
図5に示されるタイミングチャートは、
図2に示されるタイミングチャートのステップS8~ステップS10に代えて、ステップS1001~ステップS1003が採用されている。ステップS1001~ステップS1003を説明する。
【0046】
保証業者は、在庫とする複数の部品を発注し(ステップS1001)、発注した部品の数nに対応する部品代金P×nを供給業者に支払う(ステップS1002)。部品代金P×nは、プール金に加算される。供給業者は、発注された複数の部品を保証業者に供給する(ステップS1003)。保証業者は、供給された複数の部品を在庫として確保し、部品の故障に備える。本開示に関わる保証システム1は、このような変形例への適用も想定されている。
【0047】
次に、
図6を用いて、さらなる変形例を説明する。
図6は、プール金の変動履歴を表示する画面の一例を示す図である。たとえば、供給業者コンピュータ100は、表示装置104に対して
図6に示されるようなプール金の変動履歴を表示してもよい。
図6に示される変動履歴においては、プール金を変動させるアクションが発生した日時、そのアクションの内容、プール金を変動させる変動額(加算額または減算額)、対象のユーザ、およびアクションによって変動した後のプール金の残額が示されている。
【0048】
保証業者コンピュータ200は、
図4のステップS202、ステップS204、およびステップS206で供給業者コンピュータ100に通知する情報に、ユーザA,Bの情報を付加する。これにより、供給業者コンピュータ100は、各通知を受信した際に、アクションに対応するユーザを特定できる。
【0049】
表示装置104に対してこのような履歴を表示することにより、供給業者は、プール金の変動状況をアクションの内容およびユーザ別に確認することができる。
【0050】
本開示において、保証契約の対象部品を含む製品30の一例として、分光光度計を挙げた。しかしながら、本開示が適用される製品は、これに限られない。たとえば、X線CT検査装置、質量分析計、および熱分析装置などの製品の部品を対象とする保証契約においても、本開示に係る保証システム1を適用可能である。
【0051】
本開示では、供給業者と保証業者とが1対1の関係にある場合を例に挙げて説明した。しかし、1つの供給業者と複数の保証業者とが、
図2に示される処理の遣り取りをすることも想定される。この場合、プール金は、複数の保証会社で共有してもよい。
【0052】
供給業者コンピュータ100は、供給業者の拠点に設置されていてもよく、供給業者の拠点から離れた遠隔地に設置されていてもよい。同様に、保証業者コンピュータ200は、保証業者の拠点に設置されていてもよく、保証業者の拠点から離れた遠隔地に設置されていてもよい。たとえば、供給業者コンピュータ100をクラウドに設けたサーバ装置により構成してもよい。この場合、供給業者の拠点に設置されたパーソナルコンピュータなどを用いて、供給業者のオペレータがサーバ装置にアクセスするシステムを構築してもよい。
【0053】
[態様]
上記した実施の形態およびその変形例は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0054】
(第1項)一態様に係る保証システムは、製品の部品に関する保証契約を複数のユーザと締結する保証業者と、保証業者に保証契約に関わる保証部品を供給する供給業者との間で利用される保証システムであって、保証業者の保証業者コンピュータと、供給業者の供給業者コンピュータとを備え、保証業者コンピュータと供給業者コンピュータとはネットワークを通じて通信し、保証業者コンピュータは、複数のユーザの各々から保証業者への保証契約料の支払いに応じて、保証業者から供給業者への第1支払いの発生を、供給業者コンピュータへ通知する第1通知部と、供給業者が保証業者に保証部品を供給する場合に、保証業者から供給業者への第2支払いの発生を、供給業者コンピュータへ通知する第2通知部と、複数のユーザのうちのいずれかが有する製品の保証部品の交換が発生する場合に、交換対象の保証部品の費用を対象とする、保証業者から供給業者への請求書の発行を、供給業者コンピュータへ通知する第3通知部とを備え、供給業者コンピュータは、請求書の請求額の支払いに充当するためのプール金の金額を管理する管理部と、プール金の金額を格納する記憶部とを備え、管理部は、第1支払いの発生が通知されたときにプール金の金額に第1支払いに対応する額を加算し、第2支払いの発生が通知されたときにプール金の金額に第2支払いに対応する額を加算し、請求書の発行が通知されたときに、プール金の金額から請求書の請求額を減算する。
【0055】
第1項に記載の保証システムによれば、保証業者と供給業者との間で遣り取りされる、部品の発注および発注した部品の代金の支払いという、通常の商流を維持しつつ、予期できない部品故障の発生によって、供給業者に対する保証業者の支払い負担が増大することを防止することができる。
【0056】
(第2項)第1項の保証システムは、表示装置をさらに備え、供給業者コンピュータは、プール金の金額の変動状況を示す履歴を表示装置に表示する。
【0057】
第2項に記載の保証システムによれば、供給業者は、プール金の変動状況を確認することができる。なお、プール金の金額の変動状況を示す履歴は、第1支払い、第2支払い、および請求書の発行別に分類された、プール金を変動させるアクションの発生履歴を含んでもよい。
【0058】
(第3項)他の態様に係る方法は、製品の部品に関する保証契約を複数のユーザと締結する保証業者の保証業者コンピュータと、保証業者に保証契約に関わる保証部品を供給する供給業者の供給業者コンピュータとの間で利用される方法であって、複数のユーザの各々から保証業者への保証契約料の支払いに応じて、保証業者から供給業者への第1支払いの発生を、保証業者コンピュータが供給業者コンピュータへ通知するステップと、供給業者が保証業者に保証部品を供給する場合に、保証業者から供給業者への第2支払いの発生を、保証業者コンピュータが供給業者コンピュータへ通知するステップと、複数のユーザのうちのいずれかが有する製品の保証部品の交換が発生する場合に、交換対象の保証部品の費用を対象とする、保証業者から供給業者への請求書の発行を、保証業者コンピュータが供給業者コンピュータへ通知するステップとを含み、供給業者コンピュータは、請求書の請求額の支払いに充当するためのプール金の金額を格納する記憶部を備え、方法は、さらに、第1支払いの発生が通知されたときにプール金の金額に第1支払いに対応する額を供給業者コンピュータが加算するステップと、第2支払いの発生が通知されたときにプール金の金額に第2支払いに対応する額を供給業者コンピュータが加算するステップと、請求書の発行が通知されたときに、プール金の金額から請求書の請求額を供給業者コンピュータが減算するステップとを含む。
【0059】
第3項に記載の方法によれば、保証業者と供給業者との間で遣り取りされる、部品の発注および発注した部品の代金の支払いという、通常の商流を維持しつつ、予期できない部品故障の発生によって、供給業者に対する保証業者の支払い負担が増大することを防止することができる。
【0060】
(第4項)他の態様に係る方法は、製品の部品に関する保証契約を複数のユーザと締結する保証業者に保証契約に関わる保証部品を供給する供給業者との間で利用可能な、供給業者の供給業者コンピュータを用いた方法であって、複数のユーザの各々から保証業者への保証契約料の支払いに応じて、保証業者から供給業者への第1支払いの発生を、供給業者へ通知するステップと、供給業者が保証業者に保証部品を供給する場合に、保証業者から供給業者への第2支払いの発生を供給業者へ通知するステップと、複数のユーザのうちのいずれかが有する製品の保証部品の交換が発生する場合に、交換対象の保証部品の費用を対象とする、保証業者から供給業者への請求書の発行を、供給業者へ通知するステップとを含み、供給業者コンピュータは、請求書の請求額の支払いに充当するためのプール金の金額を格納する記憶部を備え、方法は、さらに、第1支払いの発生が通知されたときにプール金の金額に第1支払いに対応する額を供給業者コンピュータが加算するステップと、第2支払いの発生が通知されたときにプール金の金額に第2支払いに対応する額を供給業者コンピュータが加算するステップと、請求書の発行が通知されたときに、プール金の金額から請求書の請求額を供給業者コンピュータが減算するステップとを含む。
【0061】
第4項に記載の方法によれば、保証業者と供給業者との間で遣り取りされる、部品の発注および発注した部品の代金の支払いという、通常の商流を維持しつつ、予期できない部品故障の発生によって、供給業者に対する保証業者の支払い負担が増大することを防止することができる。
【0062】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0063】
1 保証システム、30 製品、50 ネットワーク、100 供給業者コンピュータ、101,201 プロセッサ、102,202 メモリ、103,203 通信インターフェイス、104,204 表示装置、105,205 操作部、111 受信部、113 管理部、115 決済部、116 記憶部、200 保証業者コンピュータ、211 第1通知部、212 第2通知部、213 第3通知部、214 契約更新部、215 決済部、216 記憶部。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品の部品に関する保証契約を複数のユーザと締結する保証業者と、前記保証業者に前記保証契約に関わる保証部品を供給する供給業者との間で利用される保証システムであって、
前記保証業者の保証業者コンピュータと、
前記供給業者の供給業者コンピュータとを備え、
前記保証業者コンピュータと前記供給業者コンピュータとはネットワークを通じて通信し、
前記保証業者コンピュータは、
前記複数のユーザの各々から前記保証業者への保証契約料の支払いに応じて、前記保証業者から前記供給業者への第1支払いの発生を、前記供給業者コンピュータへ通知する第1通知部と、
前記供給業者が前記保証業者に前記保証部品を供給する場合に、前記保証業者から前記供給業者への第2支払いの発生を、前記供給業者コンピュータへ通知する第2通知部と、
前記複数のユーザのうちのいずれかが有する前記製品の前記保証部品の交換が発生する場合に、交換対象の前記保証部品の費用を対象とする、前記保証業者から前記供給業者への請求書の発行を、前記供給業者コンピュータへ通知する第3通知部とを備え、
前記供給業者コンピュータは、
前記請求書の請求額の支払いに充当するためのプール金の金額を管理する管理部と、
前記プール金の金額を格納する記憶部とを備え、
前記管理部は、
前記第1支払いの発生が通知されたときに前記プール金の金額に前記第1支払いに対応する額を加算し、
前記第2支払いの発生が通知されたときに前記プール金の金額に前記第2支払いに対応する額を加算し、
前記請求書の発行が通知されたときに、前記プール金の金額から前記請求書の請求額を減算する、保証システム。
【請求項2】
表示装置をさらに備え、
前記供給業者コンピュータは、前記プール金の金額の変動状況を示す履歴を前記表示装置に表示する、請求項1に記載の保証システム。
【請求項3】
製品の部品に関する保証契約を複数のユーザと締結する保証業者の保証業者コンピュータと、前記保証業者に前記保証契約に関わる保証部品を供給する供給業者の供給業者コンピュータとの間で利用される方法であって、
前記複数のユーザの各々から前記保証業者への保証契約料の支払いに応じて、前記保証業者から前記供給業者への第1支払いの発生を、前記保証業者コンピュータが前記供給業者コンピュータへ通知するステップと、
前記供給業者が前記保証業者に前記保証部品を供給する場合に、前記保証業者から前記供給業者への第2支払いの発生を、前記保証業者コンピュータが前記供給業者コンピュータへ通知するステップと、
前記複数のユーザのうちのいずれかが有する前記製品の前記保証部品の交換が発生する場合に、交換対象の前記保証部品の費用を対象とする、前記保証業者から前記供給業者への請求書の発行を、前記保証業者コンピュータが前記供給業者コンピュータへ通知するステップとを含み、
前記供給業者コンピュータは、前記請求書の請求額の支払いに充当するためのプール金の金額を格納する記憶部を備え、
前記方法は、さらに、
前記第1支払いの発生が通知されたときに前記プール金の金額に前記第1支払いに対応する額を前記供給業者コンピュータが加算するステップと、
前記第2支払いの発生が通知されたときに前記プール金の金額に前記第2支払いに対応する額を前記供給業者コンピュータが加算するステップと、
前記請求書の発行が通知されたときに、前記プール金の金額から前記請求書の請求額を前記供給業者コンピュータが減算するステップとを含む、方法。
【請求項4】
製品の部品に関する保証契約を複数のユーザと締結する保証業者と、前記保証業者に前記保証契約に関わる保証部品を供給する供給業者との間で利用可能な、前記供給業者の供給業者コンピュータを用いた方法であって、
前記複数のユーザの各々から前記保証業者への保証契約料の支払いに応じて、前記保証業者から前記供給業者への第1支払いの発生を、前記供給業者へ通知するステップと、
前記供給業者が前記保証業者に前記保証部品を供給する場合に、前記保証業者から前記供給業者への第2支払いの発生を前記供給業者へ通知するステップと、
前記複数のユーザのうちのいずれかが有する前記製品の前記保証部品の交換が発生する場合に、交換対象の前記保証部品の費用を対象とする、前記保証業者から前記供給業者への請求書の発行を、前記供給業者へ通知するステップとを含み、
前記供給業者コンピュータは、前記請求書の請求額の支払いに充当するためのプール金の金額を格納する記憶部を備え、
前記方法は、さらに、
前記第1支払いの発生が通知されたときに前記プール金の金額に前記第1支払いに対応する額を前記供給業者コンピュータが加算するステップと、
前記第2支払いの発生が通知されたときに前記プール金の金額に前記第2支払いに対応する額を前記供給業者コンピュータが加算するステップと、
前記請求書の発行が通知されたときに、前記プール金の金額から前記請求書の請求額を前記供給業者コンピュータが減算するステップとを含む、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本開示の他の局面に従う方法は、製品の部品に関する保証契約を複数のユーザと締結する保証業者と、保証業者に保証契約に関わる保証部品を供給する供給業者との間で利用可能な、供給業者の供給業者コンピュータを用いた方法であって、複数のユーザの各々から保証業者への保証契約料の支払いに応じて、保証業者から供給業者への第1支払いの発生を、供給業者へ通知するステップと、供給業者が保証業者に保証部品を供給する場合に、保証業者から供給業者への第2支払いの発生を供給業者へ通知するステップと、複数のユーザのうちのいずれかが有する製品の保証部品の交換が発生する場合に、交換対象の保証部品の費用を対象とする、保証業者から供給業者への請求書の発行を、供給業者へ通知するステップとを含み、供給業者コンピュータは、請求書の請求額の支払いに充当するためのプール金の金額を格納する記憶部を備え、方法は、さらに、第1支払いの発生が通知されたときにプール金の金額に第1支払いに対応する額を供給業者コンピュータが加算するステップと、第2支払いの発生が通知されたときにプール金の金額に第2支払いに対応する額を供給業者コンピュータが加算するステップと、請求書の発行が通知されたときに、プール金の金額から請求書の請求額を供給業者コンピュータが減算するステップとを含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
(第4項)他の態様に係る方法は、製品の部品に関する保証契約を複数のユーザと締結する保証業者と、保証業者に保証契約に関わる保証部品を供給する供給業者との間で利用可能な、供給業者の供給業者コンピュータを用いた方法であって、複数のユーザの各々から保証業者への保証契約料の支払いに応じて、保証業者から供給業者への第1支払いの発生を、供給業者へ通知するステップと、供給業者が保証業者に保証部品を供給する場合に、保証業者から供給業者への第2支払いの発生を供給業者へ通知するステップと、複数のユーザのうちのいずれかが有する製品の保証部品の交換が発生する場合に、交換対象の保証部品の費用を対象とする、保証業者から供給業者への請求書の発行を、供給業者へ通知するステップとを含み、供給業者コンピュータは、請求書の請求額の支払いに充当するためのプール金の金額を格納する記憶部を備え、方法は、さらに、第1支払いの発生が通知されたときにプール金の金額に第1支払いに対応する額を供給業者コンピュータが加算するステップと、第2支払いの発生が通知されたときにプール金の金額に第2支払いに対応する額を供給業者コンピュータが加算するステップと、請求書の発行が通知されたときに、プール金の金額から請求書の請求額を供給業者コンピュータが減算するステップとを含む。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】