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特開2023-147568移動体制御装置、および、移動体制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147568
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】移動体制御装置、および、移動体制御方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20231005BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20231005BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20231005BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20231005BHJP
   B60W 40/04 20060101ALI20231005BHJP
   B60W 40/06 20120101ALI20231005BHJP
【FI】
G08G1/09 V
G01C21/26 C
G01C21/34
G08G1/00 J
B60W40/04
B60W40/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055139
(22)【出願日】2022-03-30
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】笹田 拓臣
(72)【発明者】
【氏名】武知 秀明
(72)【発明者】
【氏名】片岡 充照
(72)【発明者】
【氏名】金村 孝一
【テーマコード(参考)】
2F129
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129CC20
2F129CC35
2F129DD15
2F129DD29
2F129DD53
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF14
2F129FF15
2F129FF32
2F129GG17
2F129HH18
2F129HH19
2F129HH21
3D241BA01
3D241BB31
3D241BB51
3D241BC01
3D241CD09
3D241CE02
3D241CE04
3D241DB01Z
3D241DB20Z
3D241DC41Z
3D241DC51Z
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC04
5H181EE12
5H181FF22
5H181LL09
5H181LL17
(57)【要約】
【課題】移動体の円滑な運行への支障を抑制しつつ、かつ、移動体の自動運転の安全性を向上させることができる移動体制御装置などを提供する。
【解決手段】移動体制御装置100は、自動運転可能な移動体200と通信するための通信部110と、通信部110を介した移動体200との通信の通信品質を測定する通信品質測定部120と、移動体200が走行する所定の走行経路における所定の位置のリスクレベルを判定する判定部130と、通信品質およびリスクレベルに基づいて、移動体200の走行を制御するための走行制御情報を生成し、走行制御情報を通信部110を介して移動体200に送信する制御部150と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転可能な移動体と通信するための通信部と、
前記通信部を介した前記移動体との通信の通信品質を測定する通信品質測定部と、
前記移動体が走行する所定の走行経路における所定の位置のリスクレベルを判定する判定部と、
前記通信品質および前記リスクレベルに基づいて、前記移動体の走行を制御するための走行制御情報を生成し、前記走行制御情報を前記通信部を介して前記移動体に送信する制御部と、を備える
移動体制御装置。
【請求項2】
前記判定部は、さらに、前記移動体が提供するサービスのサービスレベルを判定し、
前記制御部は、前記通信品質、前記リスクレベル、および、前記サービスレベルに基づいて、前記走行制御情報を生成する
請求項1に記載の移動体制御装置。
【請求項3】
前記判定部は、過去の前記走行制御情報を含む過去情報に基づいて、前記リスクレベルおよび前記サービスレベルの少なくとも一方を判定する
請求項2に記載の移動体制御装置。
【請求項4】
前記過去情報は、さらに、前記走行制御情報を生成するために用いられた情報を含む
請求項3に記載の移動体制御装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記移動体制御装置が通信する複数の前記移動体に関する情報を含む移動体情報に基づいて、前記リスクレベルおよび前記サービスレベルの少なくとも一方を判定する
請求項2~4のいずれか1項に記載の移動体制御装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記所定の走行経路を含む地図を示す地図情報に基づいて、前記リスクレベルおよび前記サービスレベルの少なくとも一方を判定する
請求項2~5のいずれか1項に記載の移動体制御装置。
【請求項7】
前記判定部は、気象情報に基づいて、前記リスクレベルおよび前記サービスレベルの少なくとも一方を判定する
請求項2~6のいずれか1項に記載の移動体制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記リスクレベルと前記サービスレベルとに基づいて、前記リスクレベルおよび前記サービスレベルのうちのいずれかを選択し、
選択した前記リスクレベルおよび前記サービスレベルのうちのいずれかに基づいて、前記走行制御情報を生成する
請求項2~7のいずれか1項に記載の移動体制御装置。
【請求項9】
前記制御部は、
選択した前記リスクレベルおよび前記サービスレベルの少なくとも一方に基づいて新たな走行経路を算出し、
前記所定の走行経路から前記新たな走行経路に前記移動体の走行経路を変更するように、前記走行制御情報を生成する
請求項8に記載の移動体制御装置。
【請求項10】
自動運転可能な移動体と通信するための通信部を介した前記移動体との通信の通信品質を測定し、
前記移動体が走行する所定の走行経路における所定の位置のリスクレベルを判定し、
前記通信品質および前記リスクレベルに基づいて、前記移動体の走行を制御するための走行制御情報を生成し、前記走行制御情報を前記通信部を介して前記移動体に送信する
移動体制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動運転可能な移動体を制御する移動体制御装置、および、移動体制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動運転車両などの自動運転可能な移動体を制御する装置がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、車両に搭載され、外部端末との通信の遅延時間を算出する装置が開示されている。当該装置は、算出された遅延時間が、所定の閾値以上である場合、遅延時間が長いほど車両の速度の上限を示す制限車速値を小さく、かつ、遅延時間が長いほど大きな変化率で制限車速値が小さくなるように制限車速値を設定して車両の自動運転による運行計画を生成する。これにより、当該車両において安全性の高い自動運転を実現する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-18563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の移動体には、自動運転する際の安全性の向上が望まれている。一方、安全性を重視し過ぎると、移動体において頻繁に減速、停止または緊急停止などが発生する可能性があり、移動体の円滑な運行への支障が排除できない可能性がある。
【0005】
本開示は、移動体の円滑な運行への支障を抑制しつつ、かつ、移動体の自動運転の安全性を向上させることができる移動体制御装置などを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る移動体制御装置は、自動運転可能な移動体と通信するための通信部と、前記通信部を介した前記移動体との通信の通信品質を測定する通信品質測定部と、前記移動体が走行する所定の走行経路における所定の位置のリスクレベルを判定する判定部と、前記通信品質および前記リスクレベルに基づいて、前記移動体の走行を制御するための走行制御情報を生成し、前記走行制御情報を前記通信部を介して前記移動体に送信する制御部と、を備える。
【0007】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る移動体制御装置などによれば、移動体の円滑な運行への支障を抑制しつつ、かつ、移動体の自動運転の安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態に係る移動体制御システムの概要を模式的に示す図である。
図2図2は、実施の形態に係る移動体制御装置の構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態に係る判定部の判定処理の具体例を説明するための図である。
図4図4は、実施の形態に係る移動体制御装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示の概要)
本開示の一態様に係る移動体制御装置は、自動運転可能な移動体と通信するための通信部と、前記通信部を介した前記移動体との通信の通信品質を測定する通信品質測定部と、前記移動体が走行する所定の走行経路における所定の位置のリスクレベルを判定する判定部と、前記通信品質および前記リスクレベルに基づいて、前記移動体の走行を制御するための走行制御情報を生成し、前記走行制御情報を前記通信部を介して前記移動体に送信する制御部と、を備える。
【0011】
これによれば、移動体制御装置と移動体との間の通信の通信品質だけでなく、移動体が走行(通過)する位置のリスクレベル(危険度合い)も用いて、移動体の走行、つまり、移動体の自動運転を制御することができる。そのため、従来のような、移動体との通信の通信品質のみを考慮して移動体の自動運転を制御する装置と比較して、移動体の円滑な運行への支障を抑制しつつ、かつ、移動体の自動運転の安全性を向上させることができる。
【0012】
また、例えば、前記判定部は、さらに、前記移動体が提供するサービスのサービスレベルを判定し、前記制御部は、前記通信品質、前記リスクレベル、および、前記サービスレベルに基づいて、前記走行制御情報を生成する。
【0013】
移動体には、例えば、ユーザを目的地に所定の時間までに送り届けるなどのサービスを提供することが要求される場合がある。このようなサービスには、非常に短い期間にユーザを送り届けなければならない場合、または、時間的に余裕をもってユーザを送り届けられる場合など、要求されるサービスレベルが異なることが考えられる。そこで、サービスレベルも考慮して、移動体の走行を制御することで、移動体を不要に減速させるなど、移動体が提供するサービスの質を不要に下げることを抑制できる。
【0014】
また、例えば、前記判定部は、過去の前記走行制御情報を含む過去情報に基づいて、前記リスクレベルおよび前記サービスレベルの少なくとも一方を判定する。
【0015】
これによれば、走行制御情報を生成する際に、例えばリスクレベルが過去に走行制御情報を生成した際の条件と同じ場合などのときに、過去の走行制御情報を参照することで、リスクレベルの判定精度(処理精度)および/またはサービスレベルの判定精度を向上させたり、これらの判定速度(処理速度)を向上させたりすることができる。
【0016】
また、例えば、前記過去情報は、さらに、前記走行制御情報を生成するために用いられた情報を含む。
【0017】
これによれば、走行制御情報を生成する際に、例えばリスクレベルが過去に走行制御情報を生成した際の条件と同じ場合などのときに、過去の走行制御情報および当該走行制御情報の生成に用いられた情報を参照することで、リスクレベルの判定精度および/またはサービスレベルの判定精度を向上させたり、これらの判定速度を向上させたりすることができる。
【0018】
また、例えば、前記判定部は、前記移動体制御装置が通信する複数の前記移動体に関する情報を含む移動体情報に基づいて、前記リスクレベルおよび前記サービスレベルの少なくとも一方を判定する。
【0019】
これによれば、一の移動体の走行制御情報を生成する際に、例えば他の移動体の走行制御情報を生成した際の条件と同じ場合などのときに、他の移動体の走行制御情報を参照することで、リスクレベルの判定精度および/またはサービスレベルの判定精度を向上させたり、これらの判定速度を向上させたりすることができる。
【0020】
また、例えば、前記判定部は、前記所定の走行経路を含む地図を示す地図情報に基づいて、前記リスクレベルおよび前記サービスレベルの少なくとも一方を判定する。
【0021】
これによれば、交差点、下り坂、幅の狭い道、急カーブ、踏切等、移動体の走行に影響を及ぼしやすいと考えられる情報を考慮してリスクレベルおよび/またはサービスレベルを判定できる。
【0022】
また、例えば、前記判定部は、気象情報に基づいて、前記リスクレベルおよび前記サービスレベルの少なくとも一方を判定する。
【0023】
これによれば、例えば雨もしくは雪、または、気温が低い状態などの移動体の走行に影響を及ぼしやすいと考えられる情報を考慮してリスクレベルおよび/またはサービスレベルを判定できる。
【0024】
また、例えば、前記制御部は、前記リスクレベルと前記サービスレベルとに基づいて、前記リスクレベルおよび前記サービスレベルのうちのいずれかを選択し、選択した前記リスクレベルおよび前記サービスレベルのうちのいずれかに基づいて、前記走行制御情報を生成する。
【0025】
例えば、リスクレベルが極端に低い場合には、リスクレベルについては考慮しなくても、移動体の自動運転の安全性を確保できる場合がある。或いは、例えば、要求されるサービスレベルが極端に低い場合、例えば、目的地に到着するまでの期間にかなり余裕がある場合には、サービスレベルについては考慮しなくても、移動体が適切なサービスを提供できる場合がある。そこで、サービスレベルとリスクレベルとのうちの一方のみを考慮して走行制御情報を生成することで、処理量を削減して走行制御情報を生成できる。
【0026】
また、例えば、前記制御部は、選択した前記リスクレベルおよび前記サービスレベルの少なくとも一方に基づいて新たな走行経路を算出し、前記所定の走行経路から前記新たな走行経路に前記移動体の走行経路を変更するように、前記走行制御情報を生成する。
【0027】
走行経路によっては、一の走行経路が目的地までの距離が最短であっても例えばリスクレベルを考慮して移動体を減速させるなどをすると、他の走行経路を移動体に走行させた方が移動体の自動運転の安全性を向上させつつかつ目的地までの到着時刻が早くなる場合がある。そこで、リスクレベルおよびサービスレベルのうちの少なくとも一方に基づいて新たな走行経路を算出することで、移動体の自動運転の安全性を向上させたり、移動体がサービスを適切に提供できるようにすることができる。
【0028】
本開示の一態様に係る移動体制御方法は、自動運転可能な移動体と通信するための通信部を介した前記移動体との通信の通信品質を測定し、前記移動体が走行する所定の走行経路における所定の位置のリスクレベルを判定し、前記通信品質および前記リスクレベルに基づいて、前記移動体の走行を制御するための走行制御情報を生成し、前記走行制御情報を前記通信部を介して前記移動体に送信する。
【0029】
これによれば、本開示の一態様に係る移動体制御装置と同様の効果を奏する。
【0030】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0031】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0032】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。
【0033】
また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0034】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0035】
(実施の形態)
[構成]
図1は、実施の形態に係る移動体制御システム10の概要を模式的に示す図である。
【0036】
移動体制御システム10は、移動体制御装置100によって移動体200に自動運転(自律走行)させるシステムである。自動運転とは、自動的に、すなわち、運転者の介入操作なしで、移動体200が移動または駐車などのように走行することを意味する。
【0037】
移動体制御システム10は、例えば、移動体制御装置100と、自動運転可能な移動体200と、カメラ300と、モデム400、600と、端末900と、を備える。例えば、移動体制御装置100と移動体200と端末900とは、インターネットなどのネットワーク700および/または基地局800などを介して通信可能に接続されている。
【0038】
カメラ300は、道路または駐車場などの移動体200が走行する場所に配置され、これらの場所を撮影する監視カメラである。カメラ300が撮影した画像は、モデム400を介して監視サーバ500に送信される。
【0039】
なお、移動体制御システム10が備えるカメラ300の数は、1台でもよいし、複数台でもよい。
【0040】
監視サーバ500は、カメラ300が撮影した画像を画像解析することで、画像に映る移動体200および障害物などの物体の位置および移動方向などを算出するサーバ装置である。
【0041】
移動体制御装置100は、監視サーバ500の算出結果に基づいて、モデム600、ネットワーク700、および/または、基地局800などを介して移動体200の自動運転を制御するサーバ装置である。以下、移動体200の自動運転を制御することを単に移動体200の走行を制御するともいう。
【0042】
ユーザは、例えば、スマートフォンなどのコンピュータである端末900を操作することで、移動体200を利用する旨と、目的地及び希望到着時刻などのユーザが要求するサービス内容と、ユーザの位置と、を示す情報をネットワーク700を介して移動体制御装置100に送信する。例えば、移動体制御装置100は、受信した当該情報に基づいて当該ユーザの位置まで移動体200を移動させて当該希望到着時刻に当該目的地に到着できるように、つまり、移動体200がユーザの要求するサービス内容のサービスを提供できるように、走行経路などを示す情報をネットワーク700、および/または、基地局800などを介して送信することで、移動体200の走行を制御する。
【0043】
或いは、例えば、移動体制御装置100は、移動体200が映る画像の監視サーバ500の解析結果に基づいて移動体200を制御することで、移動体200を駐車場に駐車させる、いわゆる自動バレー駐車を実現する。例えば、移動体制御装置100は、駐車場の入口から目的地である駐車スペースまで移動体200を走行させ、その駐車スペースに自動駐車させる。さらに、移動体制御装置100は、その駐車スペースに駐車している移動体200を走行させて駐車場の入口まで到達させる。
【0044】
なお、移動体制御システム10が備える移動体200の数は、1台でもよいし、複数台でもよい。
【0045】
図2は、実施の形態に係る移動体制御装置100の構成を示すブロック図である。
【0046】
移動体制御装置100は、1以上の移動体200を制御することで、1以上の移動体200に自動運転(走行)させる装置である。移動体制御装置100は、例えば、移動体200と通信するための通信インターフェース、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、および、プログラムを実行するプロセッサなどを備えるコンピュータで実現される。
【0047】
移動体制御装置100は、通信部110と、通信品質測定部120と、判定部130と、制御部150と、気象情報取得部140と、記憶部160と、を備える。
【0048】
通信部110は、移動体200と通信するための通信インターフェースである。
【0049】
なお、通信部110が移動体200と通信する通信路は、有線であってもよいし無線であってもよいしこれらの組み合わせであってもよい。
【0050】
例えば、通信部110と基地局800との間の通信は、有線通信である。また、基地局800と移動体200との間の通信は、無線通信である。無線通信の方式は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、または、特定小電力無線であってもよく、これら以外の通信方式であってもよい。この場合、例えば、通信部110は、通信ケーブルが接続されるコネクタなどにより実現される。もちろん、通信部110は、無線通信可能に実現されてもよい。この場合、通信部110は、例えば、アンテナおよび無線通信回路により実現される。
【0051】
また、通信部110は、例えば、端末900および後述する外部機器と通信可能に構成されていてもよい。
【0052】
通信品質測定部120は、通信部110を介した移動体200との通信の品質(通信品質)を測定する処理部である。
【0053】
通信品質測定部120は、例えば、移動体200と通信部110との間の通信の遅延時間を通信品質として測定(算出)する。具体的には、通信品質測定部120は、まず、通信部110が受信した情報に含まれる送信時刻を抽出する。次に、通信品質測定部120は、現在時刻と、抽出した送信時刻との差分を算出し、算出した差分を遅延時間とする。通信品質測定部120は、例えば、当該差分を通信品質として算出する。通信品質測定部120は、例えば、遅延時間が短いほど通信品質が良いと判定し、遅延時間が長いほど通信品質が悪いと判定する。或いは、例えば、通信品質測定部120は、例えば、遅延時間が所定の閾値未満である場合、通信品質が良いと判定し、遅延時間が所定の閾値以上である場合、通信品質が悪いと判定する。
【0054】
なお、移動体制御装置100は、現在時刻を測定するRTC(Real Time Clock)などの計時部を備えてもよいし、通信部110を介して外部機器から現在時刻を示す時刻情報を取得してもよい。
【0055】
また、所定の閾値は、任意に定められてよく、特に限定されない。所定の閾値を示す情報は、例えば、記憶部160に予め記憶される。
【0056】
また、通信品質測定部120は、例えば、通信部110を介して移動体200から取得した情報に異常があるか否かに基づいて、通信品質を判定する。例えば、通信品質測定部120は、通信部110を介して移動体200から取得した情報に異常がない場合、通信品質が良いと判定し、通信部110を介して移動体200から取得した情報に異常がある場合、通信品質が悪いと判定する。
【0057】
判定部130は、リスクレベルおよびサービスレベルを判定する処理部である。判定部130は、リスクレベル判定部131と、サービスレベル判定部132と、を備える。
【0058】
リスクレベル判定部131は、移動体200が走行する所定の走行経路における所定の位置のリスクレベルを判定する。本実施の形態では、リスクレベルは、通信品質測定部120が測定した通信品質に応じて判定される。
【0059】
リスクレベルとは、移動体200が走行する際に事故などが発生する危険性の度合いを示す。例えば、リスクレベルが高いほど、危険性が高い、言い換えると、安全性が低い。一方、例えば、リスクレベルが低いほど、危険性が低い、言い換えると、安全性が高い。
【0060】
図3は、実施の形態に係る判定部130の判定処理(より具体的には、リスクレベル判定部131によるリスクレベルの判定処理)の具体例を説明するための図である。
【0061】
例えば、リスクレベル判定部131は、まず、移動体200の位置を示す情報、所定の走行経路を示す経路情報、および、地図情報161に基づいて、移動体200の現在位置から移動体200がこれからの走行する進行方向100m先までなどの領域を所定の位置として決定する。次に、リスクレベル判定部131は、図3に示すように、所定の位置が交差点などのリスクレベルが高い領域(つまり、リスクレベルが高いと判定される領域)を含んでいる場合、所定の位置のリスクレベルが高くなるように判定する。例えば、交差点は、10段階のリスクレベルのうちの8などのようにリスクレベル判定情報が予め記憶部160に記憶されている。リスクレベル判定部131は、このような情報に基づいて、所定の位置がリスクレベル8であるなどのように判定する。
【0062】
このように、リスクレベル判定部131は、例えば、所定の第1情報に基づいてリスクレベルを判定する。具体的に例えば、リスクレベル判定部131は、所定の走行経路を示す経路情報、移動体200の走行速度および舵角などの走行情報、通信部110を介した移動体200との通信品質を示す情報、過去に制御部150が生成した後述する走行制御情報である過去情報163、移動体制御装置100が制御する1以上の移動体200それぞれに関する情報を含む移動体情報162、所定の走行経路を含む地図を示す地図情報161、ならびに、移動体200が走行する走行経路における気象情報などの所定の第1情報に基づいて、所定の位置のリスクレベルを判定する。
【0063】
なお、移動体情報162が含む移動体制御装置100が制御する1以上の移動体200それぞれに関する情報には、移動体200の幅、高さ、奥行き、および、加速/減速性能などの属性に関する情報、ならびに、移動体200の使用状態、走行可能距離、現在位置、および、目的位置などの移動体200の状態に関する情報が含まれていてもよい。
【0064】
また、所定の第1情報は、例えば上記した複数の情報のうちの1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
【0065】
また、所定の走行経路は、例えば、上記した通り、端末900などから取得したユーザの位置および目的地などに基づいて算出される。所定の走行経路を示す情報は、移動体制御装置100が算出してもよいし、移動体200が算出して移動体制御装置100に送信されてもよい。
【0066】
また、所定の位置は、任意に定められてよく、特に限定されない。また、所定の位置は、所定の走行経路に対して1つ設定されてもよいし、複数設定されてもよい。例えば、所定の走行経路における所定の間隔ごとに所定の位置が複数設定されてもよい。或いは、例えば、所定の走行経路が複数の経路に分割され、複数の経路がそれぞれ所定の位置としてリスクレベルが判定されてもよい。
【0067】
サービスレベル判定部132は、移動体200が提供するサービスのサービスレベルを判定する。上記した通り、例えば、移動体制御装置100は、端末900などからユーザが要求するサービス内容を示す情報を取得し、取得した情報に基づいて走行経路などを算出する。ここで、当該サービス内容には、希望到着時刻が現在の時刻に近い場合、または、目的地に到着するまでに入り組んだ道路を走行しなければならないなど、移動体200が難しいサービスを提供しなければならない場合がある。サービスレベル判定部132は、例えば、このようなサービスの難易度を示すサービスレベルを判定する。例えば、サービスレベルが高いほど、要求されるサービスの内容を実現することが難しい。一方、例えば、サービスレベルが低いほど、要求されるサービスの内容を実現することが容易である。
【0068】
サービスレベル判定部132は、例えば、所定の第2情報に基づいてサービスレベルを判定する。具体的に例えば、サービスレベル判定部132は、上記したサービス内容を示す情報、所定の走行経路を示す経路情報、移動体200の走行速度および舵角などの走行情報、通信品質を示す情報、過去に制御部150が生成した後述する走行制御情報である過去情報163、移動体制御装置100が制御する1以上の移動体200それぞれに関する情報である移動体情報162、所定の走行経路を含む地図を示す地図情報161、ならびに、移動体200が走行する走行経路における気象情報などの所定の第2情報に基づいて、サービスレベルを判定する。
【0069】
なお、サービスレベル判定部132が判定に用いる移動体情報162が含む移動体制御装置100が制御する1以上の移動体200それぞれに関する情報にも、移動体200の幅、高さ、奥行き、および、加速/減速性能などの属性に関する情報、ならびに、移動体200の使用状態、走行可能距離、現在位置、および、目的位置などの移動体200の状態に関する情報が含まれていてもよい。
【0070】
また、所定の第2情報は、例えば上記した複数の情報のうちの1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
【0071】
また、所定の第1情報と所定の第2情報とは、同じ情報であってもよいし、異なる情報であってもよい。判定部130は、上記した所定の第1情報および所定の第2情報を取得し、取得した所定の第1情報および所定の第2情報を用いてリスクレベルおよびサービスレベルを判定(算出)する。例えば、移動体200の走行情報およびサービス内容を示す情報などは、通信部110を介して移動体200または端末900から取得される。また、例えば、地図情報161、移動体情報162、および、過去情報163などは、記憶部160に記憶されており、記憶部160から取得される。また、例えば、気象情報などは、気象情報取得部140によって取得される。
【0072】
例えば、判定部130は、過去に制御部150が生成した走行制御情報を含む過去情報163に基づいて、リスクレベルおよびサービスレベルの少なくとも一方を判定する。
【0073】
これによれば、判定部130は、制御部150が走行制御情報を生成する際に、例えばリスクレベルおよび/またはサービスレベルが過去に走行制御情報を生成した際の条件と同じ場合などのときに、過去の走行制御情報を参照することで、リスクレベルの判定精度(処理精度)および/またはサービスレベルの判定精度を向上させたり、これらの判定速度(処理速度)を向上させたりすることができる。
【0074】
なお、過去情報163は、さらに、走行制御情報(具体的には、制御部150が過去に生成した走行制御情報)を生成するために用いられた情報を含んでもよい。当該情報は、例えば、通信品質を示す情報、リスクレベルを示す情報、および、サービスレベルを示す情報などである。
【0075】
これによれば、判定部130は、制御部150が走行制御情報を生成する際に、例えばリスクレベルおよび/またはサービスレベルが過去に走行制御情報を生成した際の条件と同じ場合などのときに、過去の走行制御情報および当該走行制御情報の生成に用いられた情報を参照することで、リスクレベルの判定精度および/またはサービスレベルの判定精度を向上させたり、これらの判定速度を向上させたりすることができる。
【0076】
また、例えば、判定部130は、移動体制御装置100が通信する複数の移動体200に関する情報を含む移動体情報162に基づいて、リスクレベルおよびサービスレベルの少なくとも一方を判定する。
【0077】
なお、上記の通り、判定部130が判定に用いる移動体情報162が含む移動体制御装置100が制御する1以上の移動体200それぞれに関する情報には、移動体200の幅、高さ、奥行き、および、加速/減速性能などの属性に関する情報、ならびに、移動体200の使用状態、走行可能距離、現在位置、および、目的位置などの移動体200の状態に関する情報が含まれていてもよい。
【0078】
また、複数の移動体200に関する情報とは、例えば、複数の移動体200のそれぞれにおける上記した所定の第1情報および所定の第2情報などの情報である。
【0079】
これによれば、判定部130は、制御部150が一の移動体200の走行制御情報を生成する際に、例えば他の移動体200の走行制御情報を生成した際の条件と同じ場合などのときに、他の移動体200の走行制御情報を参照することで、リスクレベルの判定精度および/またはサービスレベルの判定精度を向上させたり、これらの判定速度を向上させたりすることができる。
【0080】
また、例えば、判定部130は、所定の走行経路を含む地図を示す地図情報161に基づいて、リスクレベルおよびサービスレベルの少なくとも一方を判定する。
【0081】
これによれば、判定部130は、交差点、下り坂、幅の狭い道、急カーブ、踏切等、移動体200の走行に影響を及ぼしやすいと考えられる情報を考慮してリスクレベルおよび/またはサービスレベルを判定できる。
【0082】
また、例えば、判定部130は、気象情報に基づいて、リスクレベルおよびサービスレベルの少なくとも一方を判定する。気象情報は、例えば、所定の走行経路における、晴れ又は雨などの天気、および、気温などの情報である。
【0083】
これによれば、判定部130は、例えば雨もしくは雪、または、気温が低い状態などの移動体200の走行に影響を及ぼしやすいと考えられる情報を考慮してリスクレベルおよび/またはサービスレベルを判定できる。
【0084】
なお、リスクレベルおよびサービスレベルは、それぞれ複数のレベルが設定可能であればよく、2段階でもよいし、3段階以上でもよい。また、リスクレベルとサービスレベルのそれぞれに設定される階層の数は、例えばレベル1~10の10段階などのように同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0085】
気象情報取得部140は、気象情報を取得する処理部である。気象情報取得部140は、例えば、通信部110を介して外部機器から所定の走行経路における現在の天気および気温などを示す気象情報を取得する。
【0086】
判定部130(リスクレベル判定部131)は、例えば、気象情報が示す天気が晴れの場合には、リスクレベルを低くするように判定し、気象情報が示す雨または雪の場合には、リスクレベルを高くするように判定する。
【0087】
制御部150は、通信品質測定部120が測定した通信品質および判定部130の判定結果に基づいて、移動体200を走行させるための情報(走行制御情報)を生成する処理部である。具体的には、制御部150は、通信品質およびリスクレベルに基づいて、移動体200の走行を制御するための走行制御情報を生成し、走行制御情報を通信部110を介して移動体200に送信する。これにより、移動体200は、走行制御情報に基づいて走行する。
【0088】
これによれば、移動体制御装置100は、移動体制御装置100と移動体200との間の通信の通信品質だけでなく、移動体200が走行(通過)する位置のリスクレベル(危険度合い)も用いて、移動体200の走行を制御することができる。そのため、従来のような、移動体200との通信の通信品質のみを考慮して移動体200の走行を制御する装置と比較して、移動体200の自動運転の安全性を向上させることができる。
【0089】
走行制御情報は、所定の走行経路に沿って移動体200に走行させるためのデータである。走行制御情報は、例えば、移動体200の現在位置、目的地の位置、目的地に到達する希望到着時刻、所定の走行経路、および、走行速度などを示す情報を含む。本実施の形態では、制御部150は、通信品質、リスクレベル、および、サービスレベルに基づいて、走行制御情報を生成する。
【0090】
移動体200には、例えば、ユーザを目的地に所定の時間までに送り届けるなどのサービスを提供することが要求される場合がある。このようなサービスには、非常に短い期間にユーザを送り届けなければならない場合、または、時間的に余裕をもってユーザを送り届けられる場合など、要求されるサービスレベルが異なることが考えられる。そこで、サービスレベルも考慮して、移動体200の走行を制御することで、移動体200を不要に減速させるなど、移動体200が提供するサービスの質を不要に下げることを抑制できる。
【0091】
ここで、例えば、サービスレベルが極端に高く、且つ、リスクレベルが極端に低い場合には、リスクについては考慮せず、要求されるサービス内容のサービスを提供できるような走行制御情報を生成した方が、移動体200の自動運転の安全性を確保しつつ且つ走行制御情報を処理量を削減して生成できる場合がある。このような場合などのように、制御部150は、サービスレベルとリスクレベルとのうちの一方のみを考慮して走行制御情報を生成してもよい。つまり、例えば、制御部150は、リスクレベルとサービスレベルとに基づいて、リスクレベルおよびサービスレベルのうちのいずれかを選択し、選択したリスクレベルおよびサービスレベルのうちのいずれかに基づいて、走行制御情報を生成する。例えば、制御部150は、リスクレベルとサービスレベルとを比較することで、リスクレベルおよびサービスレベルのうちのいずれかを選択する。
【0092】
これによれば、制御部150は、処理量を削減して走行制御情報を生成できる。
【0093】
本実施の形態では、制御部150は、調停部151と、走行制御部152と、を備える。
【0094】
調停部151は、リスクレベルとサービスレベルとを比較することで、リスクレベルおよびサービスレベルのうちのいずれかを選択する。具体的には、調停部151は、リスクレベルおよびサービスレベルのうちのいずれかを選択し、選択結果を示す走行制約情報を生成する。
【0095】
走行制御部152は、調停部151が生成した走行制約情報に基づいて、走行制御情報を生成する。具体的には、走行制御部152は、走行制約情報に基づいてリスクレベルおよびサービスレベルのうちの一方を考慮して走行制御情報を生成する。
【0096】
また、リスクレベルおよびサービスレベルによっては、移動体200の走行経路を変更した方が移動体200の自動運転のリスクを低減したり、移動体200がサービスを提供しやすくできる場合がある。例えば、走行経路によっては、一の走行経路が目的地までの距離が最短であっても例えばリスクレベルを考慮して移動体200を減速させるなどをすると、他の走行経路を移動体200に走行させた方が移動体200の自動運転の安全性を向上させつつかつ目的地までの到着時刻が早くなる場合がある。そこで、制御部150は、例えば、選択したリスクレベルおよびサービスレベルの少なくとも一方基づいて新たな走行経路を算出し、所定の走行経路から新たな走行経路に移動体200の走行経路を変更するように、走行制御情報を生成する。
【0097】
これによれば、制御部150は、リスクレベルおよび/またはサービスレベルに基づいて新たな走行経路を算出することで、移動体200の自動運転の安全性を向上させたり、移動体200がサービスを適切に提供できるようにすることができる。
【0098】
通信品質測定部120、判定部130、気象情報取得部140、および、制御部150などの処理部は、例えば、制御プログラムが記憶された1以上のメモリと、当該制御プログラムを実行する1以上のプロセッサとで実現される。
【0099】
記憶部160は、制御部150によって生成された走行制御情報などを記憶するための記録媒体である。例えば、記憶部160は、ハードディスクドライブ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、または、半導体メモリなどである。
【0100】
また、例えば、記憶部160には、地図情報161と、移動体情報162と、過去情報163と、が記憶されている。
【0101】
地図情報161は、移動体200が走行する場所の地図を示す情報である。
【0102】
移動体情報162は、移動体200を制御するための走行制御情報を含む情報である。
【0103】
なお、移動体情報162には、移動体制御装置100が制御する1台以上の移動体200のそれぞれを制御するための走行制御情報が含まれる。
【0104】
過去情報163は、過去の走行制御情報を含む情報である。過去情報163は、過去に制御部150が生成した走行制御情報、または、当該走行制御情報から生成される情報であればよく、例えば、過去に制御部150が生成した複数の走行制御情報から算出される統計情報でもよい。
【0105】
なお、記憶部160は、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
【0106】
移動体200は、自動運転可能な移動体である。本実施の形態では、移動体200は、TCU(Telematics Control Unit)が搭載された自動車などの車両である。移動体200は、移動体200の周囲の障害物などを検知するカメラまたは超音波センサなどのセンサと、モータおよびエンジンなどのアクチュエータと、これらのアクチュエータを制御することで移動体200の走行を制御するプロセッサなどの制御装置と、移動体制御装置100と通信するための通信部210と、を備える。当該制御装置は、通信部210を介して移動体制御装置100から走行制御情報を取得し、且つ、当該センサの検出結果を取得し、走行制御情報および検出結果に基づいて移動体200を自立走行させる。
【0107】
なお、移動体制御装置100が制御する移動体200の数は、1台でもよいし、複数台でもよく、特に限定されない。
【0108】
移動体制御装置100が制御する移動体200の数が複数台である場合、移動体制御装置100は、上記した処理を移動体200ごとに実行する。これにより、例えば、移動体情報162には、移動体制御装置100が制御する複数台の移動体200の情報が含まれる。また、過去情報163には、移動体制御装置100が制御する複数台の移動体200に対して過去に生成した走行制御情報が含まれる。
【0109】
[処理手順]
続いて、移動体制御装置100の処理手順について説明する。
【0110】
図4は、実施の形態に係る移動体制御装置100の処理手順を示すフローチャートである。
【0111】
移動体制御装置100と移動体200とは、所定の周期で予め定められた信号を送信しあうことで、互いに通信が適切に行えているか否かを確認しあう。上記した通り、例えば、移動体制御装置100は、端末900などからユーザが要求するサービス内容を示す情報を取得し、取得した情報に基づいて走行経路などを算出し、算出結果を移動体200に送信する。また、移動体200は、移動体200が備える図示しないカメラおよび測距センサなどの検出結果に基づいて走行速度および舵角などを決定し、受信した算出結果に基づいて、自動運転を開始する。
【0112】
まず、通信品質測定部120は、所定の期間内に当該信号を受信したか否かを判定する(S110)。つまり、通信品質測定部120は、所定の周期で移動体200から信号を受信できているか否かを判定する。
【0113】
通信品質測定部120が、所定の期間内に当該信号を受信していないと判定した場合(S110でNo)、つまり、通信品質測定部120が、移動体200との通信の通信品質が非常に悪いと判定した場合、制御部150は、移動体200を緊急停止させる指示を含む走行制御情報を生成し、生成した走行制御情報を移動体200に送信する(S220)。これにより、制御部150は、移動体200を、例えばその場で直ぐに停止させるように緊急停止させる。
【0114】
なお、移動体200においても通信品質が判定されてもよい。例えば、移動体200は、移動体制御装置100との通信において、通信不能、通信エラー、または、通信遅延が閾値以上である状態が発生した場合には、緊急停止を行ってもよい。また、例えば、移動体制御装置100は、移動体200との通信において、通信不能、通信エラー、または、通信遅延が閾値以上である状態が発生した場合には、移動体200を緊急停止させる指示を含む走行制御情報を移動体200に送信する。この場合、移動体制御装置100は、当該走行制御情報の移動体200への送信に対する応答が移動体200からなくても、移動体200が緊急停止したとみなしてもよい。
【0115】
一方、通信品質測定部120は、所定の期間内に当該信号を受信したと判定した場合(S110でYes)、移動体200との通信で通信エラーが発生したか否かを判定する(S120)。例えば、通信品質測定部120は、移動体200から受信した信号に異常があるか否かを判定する。
【0116】
通信品質測定部120は、移動体200との通信で通信エラーが発生したと判定した場合(S120でYes)、つまり、通信品質測定部120が、移動体200との通信の通信品質が非常に悪いと判定した場合、制御部150は、移動体200を緊急停止させる指示を含む走行制御情報を生成し、生成した走行制御情報を移動体200に送信する(S220)。これにより、制御部150は、移動体200を緊急停止させる。
【0117】
一方、移動体200との通信で通信エラーが発生していないと判定した場合(S120でNo)、移動体200との通信における遅延時間を測定する(S130)。例えば、通信品質測定部120は、通信部110が受信した情報に含まれる送信時刻を抽出し、現在時刻と、抽出した送信時刻との差分を算出し、算出した差分を遅延時間として測定する。
【0118】
次に、通信品質測定部120は、算出した遅延時間に基づいて、移動体200との通信に遅延があるか否かを判定する(S140)。通信品質測定部120は、例えば、算出した遅延時間が所定の時間以上であるか否かを判定する。所定の時間は、予め任意に定められてよく、特に限定されない。所定の時間を示す情報は、例えば、記憶部160に記憶される。
【0119】
通信品質測定部120が、移動体200との通信に遅延がないと判定した場合(S140でNo)、つまり、移動体200との通信の通信品質がよいと判定した場合、制御部150は、移動体200に通常通り走行させる指示を含む走行制御情報を生成し、生成した走行制御情報を移動体200に送信する(S230)。これにより、制御部150は、不要に停止または減速などをさせることなく移動体200に走行させる。
【0120】
なお、例えば、移動体200が、ステップS220で実行された緊急停止指示などを受信しない場合には通常通り走行を続けるように設定されているとき、ステップS230は、実行されなくてもよい。
【0121】
一方、通信品質測定部120が、移動体200との通信に遅延があると判定した場合(S140でYes)、つまり、移動体200との通信の通信品質が、移動体200を非常停止させるほどまでではないがよくはないと判定した場合、リスクレベルを算出するための各種情報を取得する。例えば、判定部130は、記憶部160から地図情報161を取得する(S150)。また、例えば、判定部130は、記憶部160から移動体情報162を取得する(S160)。また、例えば、判定部130は、記憶部160から過去情報163を取得する(S170)。また、例えば、判定部130は、気象情報取得部140が取得した気象情報を取得する(S180)。
【0122】
次に、判定部130は、取得したこれらの情報に基づいて、移動体200の走行経路における所定の位置のリスクレベルを判定する(S190)。
【0123】
次に、判定部130は、算出したリスクレベルが規定値よりも大きいか否かを判定する(S200)。規定値は、予め任意に定められてよく、特に限定されない。規定値を示す情報は、例えば、記憶部160に予め記憶される。
【0124】
判定部130は、算出したリスクレベルが規定値よりも大きいと判断した場合(S200でYes)、つまり、移動体200が走行するには危険性が高いと判定した場合、制御部150は、移動体200を停止させる指示を含む走行制御情報を生成し、生成した走行制御情報を移動体200に送信する(S210)。例えば、制御部150は、地図情報161および移動体200の現在位置を示す情報などを取得し、取得したこれらの情報に基づいて、移動体200を安全に停止させることができる地点を特定する。さらに、例えば、制御部150は、特定した地点に移動体200を停止させる走行制御情報を生成し、生成した走行制御情報を通信部110を介して移動体200に送信する。これにより、制御部150は、例えば移動体200を安全に停止させることでできる地点に移動体200を停止させる。
【0125】
一方、例えば、判定部130は、算出したリスクレベルが規定値以下であると判断した場合(S200でNo)、つまり、移動体200を停止させる必要がないと判定した場合、移動体200に要求されているサービスのサービスレベルを判定する(S240)。例えば、判定部130は、ステップS150~S180で取得した各種情報に基づいて、サービスレベルを判定する。
【0126】
なお、判定部130は、リスクレベルとサービスレベルとの算出に用いられる情報が1以上異なる場合、サービスレベルを判定する前に、サービスレベルを算出するために用いる情報をさらに取得してもよい。
【0127】
次に、判定部130は、リスクレベルがサービスレベルよりも高いか否かを判定する(S250)。
【0128】
判定部130が、リスクレベルがサービスレベルよりも高いと判定した場合(S250でYes)、つまり、移動体200に要求されているサービスよりも移動体200が自動運転する際の危険性を考慮して移動体200の走行を制御した方がよいと判定した場合、制御部150は、移動体200を通常の走行速度に対して減速させる指示を含む走行制御情報を生成し、生成した走行制御情報を移動体200に送信する(S260)。これにより、例えば、制御部150は、ステップS230で移動体200に指示する走行速度よりも遅い速度で移動体200を走行させる。
【0129】
なお、移動体200の減速後の速度は、任意に設定されてよい。例えば、制御部150は、リスクレベルに応じて減速させる速度を決定してもよい。例えば、制御部150は、リスクレベルが高いほど、移動体200をより減速させるように速度を決定してもよい。
【0130】
一方、判定部130が、リスクレベルがサービスレベル以下であると判定した場合(S250でNo)、つまり、移動体200に要求されているサービスを移動体200が自動運転する際の危険性よりも考慮して移動体200の走行を制御した方がよいと判定した場合、制御部150は、移動体200を加速させる指示を含む走行制御情報を生成し、生成した走行制御情報を移動体200に送信する(S270)。これにより、例えば、制御部150は、ステップS230またはステップS260で移動体200に指示する走行速度よりも速い速度で移動体200を走行させる。
【0131】
なお、ステップS270では、例えば、制御部150は、ステップS230で移動体200に指示する通常の走行速度よりも速い速度で移動体200を走行させるように、走行制御情報を生成してもよい。
【0132】
また、ステップS270で指示する移動体200の速度は、任意に設定されてよい。例えば、制御部150は、サービスレベルに応じて加速または減速させる速度を決定してもよい。例えば、制御部150は、サービスレベルが高いほど、移動体200をより速く走行させるように速度を決定してもよい。
【0133】
[まとめ]
以上説明したように、実施の形態に係る移動体制御装置100は、自動運転可能な移動体と通信するための通信部110と、通信部110を介した移動体200との通信の通信品質を測定する通信品質測定部120と、移動体200が走行する所定の走行経路における所定の位置のリスクレベルを判定する判定部130と、通信品質およびリスクレベルに基づいて、移動体200の走行を制御するための走行制御情報を生成し、生成した走行制御情報を通信部110を介して移動体200に送信する制御部150と、を備える。
【0134】
このように、移動体制御装置100は、移動体200との通信品質だけでなく、移動体200が走行する位置のリスクレベルも用いて移動体200の走行を制御する。これにより、移動体制御装置100は、移動体200の円滑な運行への支障を抑制しつつ、かつ、移動体200の自動運転の安全性を向上させることができる。また、例えば、上記した特許文献1では、車両を制御するにあたり、自車両の現在の通信品質測定値のみを用いている。そのため、ある時間帯のある経路において、毎回同じような減速指示および/または停止指示が行われる可能がある。一方、移動体制御装置100は、例えば、移動体制御装置100は、同じ通信品質であっても、リスクレベルが高ければ安全性が高くなるように、リスクレベルが低ければ例えば目的地に早く到着できるようにするなどの運行効率を上げるように走行制御情報を生成する。例えば、移動体制御装置100は、交差点では通信品質が余り悪くなくても移動体200の速度を下げるように走行制御情報を生成する。これにより、移動体制御装置100は、移動体200の自動運転の安全性を保ちながら、可能な限り円滑で運行効率がよくなるように移動体200の走行を制御する。
【0135】
また、移動体制御装置100は、走行制御情報の生成にはリスクレベルを用いる。例えば、リスクレベルは、移動体200の現在位置および地図情報161などが用いられて判定される。具体的には例えば、移動体制御装置100は、移動体200の走行経路上で、交差点、下り坂、幅の狭い道、急カーブ、踏切など、移動体200の走行上のリスクが高い位置におけるリスクレベルと、そのリスクが発生しうる可能性も走行制御情報の生成に用いる。
【0136】
これによれば、移動体制御装置100は、移動体200の走行に影響を及ぼしやすいと考えられる情報を考慮してリスクレベルを判定できる。
【0137】
また、走行制御情報の生成では、管理するエリア(例えば、移動体200の走行の制御を行うエリア)において、移動体200ごとに満たすべきサービスレベルも用いられてもよい。サービスレベルは、例えば、記憶部160に記憶されている移動体情報162が用いられて判定される。また、例えば、移動体情報162は、リスクレベルの判定にも用いられる。
【0138】
また、リスクレベルおよび/またはサービスレベルの判定には、移動体200の周囲に位置する他の移動体200などを含む障害物までの距離、および、当該障害物の移動速度などが用いられてもよい。
【0139】
また、移動体制御装置100は、過去に移動体200に送信した走行制御情報、つまり、過去に生成した走行制御情報を、移動体200ごと、時間ごと、および、場所ごとに、統計情報として過去情報163を記憶していてもよい。過去情報163は、リスクレベルおよび/またはサービスレベルの判定に用いられてもよい。
【0140】
これらによれば、移動体制御装置100は、リスクレベルの判定精度および/またはサービスレベルの判定精度を向上させたり、これらの判定速度を向上させたりすることができる。
【0141】
また、例えば、リスクレベルおよび/またはサービスレベルの判定には、(i)気象情報取得部140が取得した気象情報(より具体的には、気象情報が示す気象状況)、および/または、(ii)当該気象情報に基づく走行経路上の路面状況などの推定結果を用いて算出される制動距離であって、移動体200が走行制御情報を受信してから走行の制御を完了するまでの制動距離が考慮されてもよい。
【0142】
また、例えば、移動体制御装置100は、上記したリスクレベル(およびサービスレベル)に基づいて、走行中の移動体200をある地点までに停止する必要があると判断した場合、当該地点までに停止させる走行制御情報を生成し、移動体200に送信する。また、例えば、移動体制御装置100は、さらに、移動体200の近傍に障害物を検知した場合など、即座に移動体200を停止させる必要があると判断した場合、上記したリスクレベル(およびサービスレベル)に基づいて、移動体200を緊急停止させる走行制御情報を生成し、移動体200に送信する。
【0143】
なお、移動体制御装置100は、リスクレベルおよびサービスレベルの一方または両方が良好な走行経路を探索し、移動体の走行経路を所定の走行経路から新たな走行経路にリルートさせる走行制御情報を生成し、移動体200に送信してもよい。
【0144】
また、本開示の包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0145】
例えば、本開示は、自動運転可能な移動体200と通信するための通信部110を介した移動体200との通信の通信品質を測定し(例えば、S110~S140)、移動体200が走行する所定の走行経路における所定の位置のリスクレベルを判定し(S190)、通信品質およびリスクレベルに基づいて、移動体200の走行を制御するための走行制御情報を生成し、走行制御情報を通信部110を介して移動体200に送信する(例えば、S210~230、260、270)、移動体制御方法として実現されてもよい。
【0146】
例えば、通信品質が第1通信品質以下(つまり、通信品質が悪い)場合、ステップS110でNo、または、ステップS120でYesの場合のように、移動体200を緊急停止させる走行制御情報が生成される。また、例えば、通信品質が第1通信品質より高く第2通信品質以下の場合、つまり、例えば、ステップS140でYesの場合、リスクレベルに基づいて走行制御情報が生成される。また、例えば、通信品質が第2通信品質より高い(つまり、通信品質がよい)場合、ステップS140でNoの場合のように、移動体200を通常通り走行させる走行制御情報が生成される。
【0147】
また、例えば、リスクレベルが規定値よりも大きい場合(S200でYes)、移動体200の走行を停止させる移動体制御情報が生成される。一方、リスクレベルが規定値以下の場合(S200でNo)、サービスレベルが判定され(S240)、サービスレベルにも基づいて、移動体制御情報が生成される。具体的に例えば、リスクレベルとサービスレベルとを比較し(S250)、リスクレベルとサービスレベルとのうち、レベルが高い方のみに基づいて走行制御情報が生成される(ステップS260またはS270)。なお、リスクレベルとサービスレベルとが同じレベルである場合、ステップS250ではYesと判定されてもよいし、Noと判定されてもよい。
【0148】
(その他の実施の形態)
以上、一つまたは複数の態様に係る移動体制御装置などについて、上記実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記実施の形態に施したものも、本開示の範囲内に含まれてもよい。
【0149】
例えば、判定部130は、上記した判定処理に気象情報を用いなくてもよい。この場合、移動体制御装置100は、気象情報取得部140を備えなくてもよい。
【0150】
また、例えば、判定部130は、サービスレベルを判定しなくてもよい。この場合、判定部130は、サービスレベル判定部132を備えなくてもよい。
【0151】
また、例えば、ステップS140でNoの場合、つまり、移動体制御装置100と移動体200との通信において遅延が発生することなく通信品質がよい場合に、移動体制御装置100は、ステップS150~S190、S240を実行し、リスクレベルとサービスレベルとに応じて移動体200の走行速度を決定してもよい。例えば、移動体制御装置100は、サービスレベルがリスクレベルよりも所定のレベル以上高い場合、移動体200を通常よりも速い速度で走行させる指示を示す走行制御情報を移動体200に送信してもよい。
【0152】
また、例えば、移動体制御装置100は、ステップS140でNoの場合、つまり、移動体制御装置100と移動体200との通信において遅延が発生することなく通信品質がよい場合であっても、リスクレベルが所定のリスクレベル以上高い場合、移動体200を減速させるもしくは停止させる、または、新たな走行経路を生成して所定の走行経路を当該新たな走行経路に変更させるなどの移動体制御情報を生成してもよい。
【0153】
また、例えば、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0154】
また、例えば、上記実施の形態において、判定部130および制御部150などの処理部の各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)またはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記実施の形態の各装置などを実現するプログラムは、例えば、図4に示すフローチャートの各ステップをコンピュータに実行させる。
【0155】
なお、以下のような場合も本開示に含まれる。
【0156】
(1)上記の少なくとも1つの装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。そのRAMまたはハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、上記の少なくとも1つの装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0157】
(2)上記の少なくとも1つの装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。当該RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0158】
(3)上記の少なくとも1つの装置を構成する構成要素の一部または全部は、その装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしてもよい。ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。ICカードまたはモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、ICカードまたはモジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0159】
(4)本開示は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0160】
また、本開示は、コンピュータプログラムまたはデジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD(Compact Disc)-ROM、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されているデジタル信号であるとしてもよい。
【0161】
また、本開示は、コンピュータプログラムまたはデジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0162】
また、プログラムまたはデジタル信号を記録媒体に記録して移送することにより、またはプログラムまたはデジタル信号をネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0163】
本開示は、例えば、自動運転可能な車両の走行を制御する装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0164】
10 移動体制御システム
100 移動体制御装置
110、210 通信部
120 通信品質測定部
130 判定部
131 リスクレベル判定部
132 サービスレベル判定部
140 気象情報取得部
150 制御部
151 調停部
152 走行制御部
160 記憶部
161 地図情報
162 移動体情報
163 過去情報
200 移動体
300 カメラ
400、600 モデム
500 監視サーバ
700 ネットワーク
800 基地局
900 端末
図1
図2
図3
図4