(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147588
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】温度測定装置及び温度測定方法
(51)【国際特許分類】
G01J 5/70 20220101AFI20231005BHJP
【FI】
G01J5/70 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055168
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000133526
【氏名又は名称】株式会社チノー
(74)【代理人】
【識別番号】230116816
【弁護士】
【氏名又は名称】成川 弘樹
(74)【代理人】
【識別番号】100159248
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 修
(72)【発明者】
【氏名】坂本 勇気
(72)【発明者】
【氏名】恩田 佳則
【テーマコード(参考)】
2G066
【Fターム(参考)】
2G066BA01
2G066BA08
2G066BB11
2G066BC07
2G066BC09
2G066BC11
(57)【要約】
【課題】従来の放射温度計では、AD変換器の入力範囲において、周囲温度によるドリフト分を割り当てなければならず、そのため、センサ出力に対する入力範囲の割り当てが相対的に少なくなり分解能が低下するという問題がある。
【解決手段】上記課題を解決するために、受光部の周囲温度に応じたデジタル補正用信号をDA変換してアナログの補正用信号であるアナログ補正用信号を生成し、このアナログ補正用信号により、受光部の受光による出力信号をオフセット補正して増幅し、増幅した出力信号に基づき測定対象の温度を算出する温度測定装置を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象から受光する放射エネルギーに応じた信号を出力する受光部と、
前記受光部の周囲温度を測定する周囲温度測定部と、
測定した前記周囲温度に応じたオフセット補正用のデジタルの信号であるデジタル補正用信号を生成するデジタル補正用信号生成部と、
生成した前記デジタル補正用信号をDA変換してアナログの補正用信号であるアナログ補正用信号を出力する補正用信号DA変換部と、
前記受光部の受光による出力信号を、前記DA変換されたアナログ補正用信号によりオフセット補正して増幅する増幅部と、
前記増幅部により増幅された出力信号を、AD変換するAD変換部と、
前記AD変換部により変換された出力信号に基づき測定対象の温度を算出する温度算出部と、
を有する温度測定装置。
【請求項2】
前記増幅部は、前記受光部の受光による出力信号を前記DA変換されたアナログ補正用信号によりオフセット補正して、前記AD変換部の入力範囲のほとんどすべてを使用する程度に増幅する請求項1に記載の温度測定装置。
【請求項3】
前記温度算出部は、
前記AD変換部により変換された出力信号の前記デジタル補正用信号のDA変換による量子化誤差を、その出力信号の前記増幅部におけるオフセット補正に供された前記デジタル補正用信号で相殺した出力信号に基づき測定対象の温度を算出する相殺手段を、
有する請求項1又は請求項2に記載の温度測定装置。
【請求項4】
測定対象から受光する放射エネルギーに応じた信号を出力する受光ステップと、
前記受光ステップにおける周囲温度を測定する周囲温度測定ステップと、
測定した前記周囲温度に応じたオフセット補正用のデジタルの信号であるデジタル補正用信号を生成するデジタル補正用信号生成ステップと、
生成した前記デジタル補正用信号をDA変換してアナログの補正用信号であるアナログ補正用信号を出力する補正用信号DA変換ステップと、
前記受光ステップの受光による出力信号を、前記DA変換されたアナログ補正用信号によりオフセット補正して増幅する増幅ステップと、
前記増幅ステップにより増幅された出力信号を、AD変換するAD変換ステップと、
前記AD変換ステップにより変換された出力信号に基づき測定対象の温度を算出する温度算出ステップと、
を有する温度測定方法。
【請求項5】
前記増幅ステップは、前記受光ステップでの受光による出力信号を前記DA変換されたアナログ補正用信号によりオフセット補正して、前記AD変換ステップにおける入力範囲のほとんどすべてを使用する程度に増幅する請求項4に記載の温度測定方法。
【請求項6】
前記温度算出ステップは、
前記AD変換ステップにて変換された出力信号の前記デジタル補正用信号のDA変換による量子化誤差を、その出力信号の前記増幅ステップにおけるオフセット補正に供された前記デジタル補正用信号で相殺した出力信号に基づき測定対象の温度を算出する相殺サブステップを、
有する請求項4又は請求項5に記載の温度測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象からの放射エネルギーを検出して、測定対象の温度を測定する放射温度計に関する。
【背景技術】
【0002】
放射温度計は、物体から放射される赤外光や可視光の強度を測定して、放射光の強度と温度との関係に基づき物体の温度を測定する装置である。放射温度計は、赤外光などを検出する光検出センサを備えているが、この光検出センサの周囲温度の変動によりオフセットのドリフトが生じ、対象の温度測定に誤差をもたらす。
【0003】
オフセットドリフトによる影響を抑制する技術は、様々に提案されており、例えば、特許文献1のように、チョッパを作動させ、チョッパが開状態と閉状態のそれぞれにて光強度を測定することで誤差を抑制することを図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように、装置にチョッパやモータなどの機械的な手段を設けることなく、周囲温度の変動によるオフセットドリフトの影響を抑制するための技術として、光検出センサのセンサ出力をAD変換する際に、AD変換器の入力範囲のうちに、オフセットのドリフト分を割り当てておくことで、誤差を吸収しようとするものがある。
【0006】
図7は、上記従来技術における問題を示す概念図である。
図7において、実線で示しているのがセンサ出力であり、凸状箇所はセンサ出力が高くなっていることを示している。また、破線で示しているのはドリフトした場合のセンサ出力である(プラスにマイナスにもドリフトする)。図示するように、ドリフトした場合も入力範囲に収めるようにするために、AD変換器の限りある入力範囲において、ドリフト分を割り当てている。そのため、センサ出力に対する割り当てが相対的に少なくなってしまい、分解能が低下するという問題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、上記課題を解決するために本発明において、以下の温度測定装置などを提供する。すなわち、測定対象から受光する放射エネルギーに応じた信号を出力する受光部と、前記受光部の周囲温度を測定する周囲温度測定部と、測定した前記周囲温度に応じたオフセット補正用のデジタルの信号であるデジタル補正用信号を生成するデジタル補正用信号生成部と、生成した前記デジタル補正用信号をDA変換してアナログの補正用信号であるアナログ補正用信号を出力する補正用信号DA変換部と、前記受光部の受光による出力信号を、前記DA変換されたアナログ補正用信号によりオフセット補正して増幅する増幅部と、前記増幅部により増幅された出力信号を、AD変換するAD変換部と、前記AD変換部により変換された出力信号に基づき測定対象の温度を算出する温度算出部と、を有する温度測定装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、オフセットを補正することで、AD変換器の入力範囲の大部分をセンサ出力に割り当てることができるので、分解能を高くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態1の温度測定装置の機能的構成の一例を示すブロック図
【
図2】実施形態1の温度測定装置における効果を示す概念図
【
図3】実施形態1の温度測定装置の処理の流れの一例を示すフロー図
【
図4】実施形態2の温度測定装置の機能的構成の一例を示すブロック図
【
図5】AD変換部に入力する増幅部からの出力信号を示す概念図
【
図6】受光部からの出力信号が温度算出に供されるまでの信号の様子を示す概念図
【
図7】従来の温度測定装置における問題を示す概念図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を用いて説明する。なお、本発明は、これら実施形態に何ら限定されるべきものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
【0011】
<実施形態1>
<概要>
本実施形態の温度測定装置の特徴は、光センサの周囲温度に応じたオフセット補正用信号を用いてオフセット補正した光センサの出力信号をAD変換器に供することである。これにより、AD変換器の入力範囲におけるドリフト分の割り当てを減らし、光センサの出力信号の割り当てを増やすことができる。
【0012】
<機能的構成>
図1は、本実施形態の温度測定装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、温度測定装置100は、受光部101と、周囲温度測定部102と、デジタル補正用信号生成部103と、補正用信号DA変換部104と、増幅部105と、AD変換部106と、温度算出部107と、を備えている。
【0013】
受光部101は、測定対象から受光する放射エネルギーに応じた信号を出力する機能を有する。本実施形態の温度測定装置100は、放射温度計を想定しており、受光部101を実現する具体的な手段は、サーモパイルなどの熱電素子やPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などの焦電素子などの光検出素子である。光検出素子は、測定対象、測定環境、測定する温度範囲などに応じて適宜選択することができる。例えば、-50~1200℃といった低温領域の場合は、InAsSb(インジウムヒ素アンチモン)やHgCdTe(テルル化カドミウム水銀)を用いて波長8~13μmを測定する。また、300~1300℃といった中温領域の場合は、InGaAs(インジウムガリウムヒ素)を用いて波長1.5~1.8μmを測定するといった具合である。
【0014】
測定対象は、半導体、電子部品、機械、鉄鋼、金属など多様であり、本温度測定装置はそれらの測定対象の製造、処理加工、品質管理、設備監視などの様々な場面において利用することができる。
【0015】
周囲温度測定部102は、前記受光部101の周囲温度を測定する機能を有する。周囲温度の測定は、熱電対や抵抗温度計などを受光部に取り付け、受光部に直接取り付けられない場合には、受光部が設置されている温度測定装置の筐体などに取り付けて行う。受光部は、測定対象からの放射エネルギーを受光するだけなく、自身や周囲からの放射エネルギーをも受光している。そこで、周囲温度を測定することで、受光した放射エネルギーに含まれる周囲からの放射エネルギーを切り分けることができる。すなわち、測定対象からの放射エネルギーのみを明らかにすることができる。
【0016】
デジタル補正用信号生成部103は、測定した前記周囲温度に応じたオフセット補正用のデジタルの信号であるデジタル補正用信号を生成する機能を有する。オフセットの基準となる温度と周囲温度との差が、オフセットのドリフトを生じさせるので、前述の基準の温度と測定した周囲温度との差に相当する放射エネルギーに応じた受光部の出力信号に相当するデジタルの出力信号をデジタル補正用信号として生成する。
【0017】
補正用信号DA変換部104は、生成した前記デジタル補正用信号をDA変換してアナログの補正用信号であるアナログ補正用信号を出力する機能を有する。デジタル補正用信号は、後述する増幅部での補正のために生成されているが、この補正の対象となる受光部による出力信号はアナログ信号であるので、補正用信号DA変換部にてデジタル補正用信号をアナログ信号に変換してから増幅部に供するのである。
【0018】
増幅部105は、前記受光部の受光による出力信号を、前記DA変換されたアナログ補正用信号によりオフセット補正して増幅する機能を有する。受光による出力信号からデジタル補正用信号を差し引いてオフセット補正することで、後述するAD変換器の入力においてオフセットのドリフト分を考慮して入力範囲を割り当てる必要がなくなるため、入力範囲のほとんどすべてを使用する程度に増幅することができる。
【0019】
AD変換部106は、前記増幅部により増幅された出力信号を、AD変換する機能を有する。オフセット補正されてから増幅された受光部による出力信号の入力を受け付けるので、従来技術のように、入力範囲に周囲温度によるオフセットのドリフト分を割り当てなくてもよい。したがって、上記の増幅部について説明したように、AD変換部の入力範囲のほとんどすべてを前述の増幅部からの出力信号に割り当てることができるため、分解能を高めることができる。
【0020】
温度算出部107は、前記AD変換部により変換された出力信号に基づき測定対象の温度を算出する機能を有する。温度の算出は、予め保持しておく温度と放射エネルギーとの関係を定義したテーブルに基づき温度を算出する。あるいは、温度と放射エネルギーとの関係を示す所定の式に基づき温度を算出する。
【0021】
図2は、実施形態1の温度測定装置における効果を示す概念図である。
図2(a)は、先に
図6で示した従来技術におけるAD変換においてセンサ出力の入力を受け付ける態様を示す概念図である。図示するように、入力範囲にはオフセットのドリフト分が割り当てられるため、図中のセンサ出力(増幅部により増幅された出力信号。以下同様。)の割り当てが少なく、入力されるセンサ出力の増幅の程度が小さい。これに対して、
図2(b)に示す本温度測定装置におけるAD変換の場合は、入力範囲のほとんどすべてをセンサ出力に割り当てることができ、それに応じて入力範囲のほとんどすべてを使用する程度に増幅されたセンサ出力が入力されている。このように、本温度測定装置は、従来技術に対してAD変換における分解能を大幅に向上することができ、温度測定の精度向上に資する。
【0022】
なお、-50~1200℃といった低温を測定温度領域とする場合に受光素子として用いられるInAsSb(インジウムヒ素アンチモン)やInSb(インジウムアンチモン)は、周囲温度による影響を受けやすくオフセットのドリフトが大きい。そのため、AD変換の際には入力範囲の約6割をドリフト分に割り当て、出力信号に対しては約4割しか割り当てることができなかった。そのため、低温領域を測定する放射温度計にとって、本温度測定装置における上述の技術はとても有効である。
【0023】
<ハードウェア構成>
本実施形態の温度測定装置のハードウェア構成は、受光部を実現する光検出素子や周囲温度測定部を実現する熱電対や抵抗温度計などと、デジタル補正用信号生成部、補正用信号DA変換部、増幅部、AD変換部及び温度算出部の各機能的構成を実現するプロセッサ、メインメモリ、ROMなどの不揮発性メモリを備えるマイコンなどの演算処理装置によって実現され、ROMに記憶されている各機能的構成を実現するためのプログラムを、プロセッサがメインメモリ上に展開して演算処理することで温度測定装置は動作する。
【0024】
<処理の流れ>
図3は、本実施形態における温度測定装置の処理の流れの一例を示すフロー図である。図示するように、温度測定方法は、まず、測定対象から受光する放射エネルギーに応じた信号を出力する(S301:受光ステップ)。そして、前記受光ステップにおける周囲温度を測定する(S302:周囲温度測定ステップ)。そして、測定した前記周囲温度に応じたオフセット補正用のデジタルの信号であるデジタル補正用信号を生成する(S303:デジタル補正用信号生成ステップ)。そして、生成した前記デジタル補正用信号をDA変換してアナログの補正用信号であるアナログ補正用信号を出力する(S304:補正用信号DA変換ステップ)。そして、前記受光ステップでの受光による出力信号を、前記DA変換されたアナログ補正用信号によりオフセット補正して増幅する(S305:増幅ステップ)。そして、前記増幅ステップにより増幅された出力信号を、AD変換する(S306:AD変換ステップ)。そして、前記AD変換ステップにより変換された出力信号に基づき測定対象の温度を算出する(S307:温度算出ステップ)。なお、前記増幅ステップを、前記受光ステップでの受光による出力信号を前記DA変換されたアナログ補正用信号によりオフセット補正して、前記AD変換ステップにおける入力範囲のほとんどすべてを使用する程度に増幅するステップとしてもよい。
【0025】
<効果>
本実施形態の温度測定装置により、オフセットを補正することで、AD変換器の入力範囲の大部分をセンサ出力に割り当てることができるので、分解能を高くすることが可能となる。
【0026】
<実施形態2>
<概要>
本実施形態は、実施形態1を基本とし、デジタル補正用信号で補正することによりセンサ出力信号に生じる量子化誤差を相殺することを特徴とする温度測定装置である。
【0027】
<機能的構成>
図4は、本実施形態の温度測定装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、温度測定装置400は、受光部401と、周囲温度測定部402と、デジタル補正用信号生成部403と、補正用信号DA変換部404と、増幅部405と、AD変換部406と、温度算出部407と、を備えており、温度算出部407は、相殺手段408を備えている。相殺手段408以外の各構成は、実施形態1における同名の構成と同様の機能を有するので説明は省略する。
【0028】
相殺手段408は、前記AD変換部により変換された出力信号の前記デジタル補正用信号のDA変換による量子化誤差を、その出力信号の前記増幅部におけるオフセット補正に供された前記デジタル補正用信号で相殺した出力信号に基づき測定対象の温度を算出する。
【0029】
AD変換部406に入力する増幅部405からの出力信号は、受光部からのアナログの信号から補正用信号DA変換部404でDA変換されたアナログ補正用信号を差し引いた信号となる。ここで、アナログ補正用信号は、もともとデジタルの信号をDA変換した信号であるため、DA変換部の分解能に応じた段差のある信号となる。したがって、
図5に示すように、AD変換部406に入力する増幅部405からの出力信号501は、理想的で純然のアナログな出力信号502ではなく、段差のある出力信号503となっている。このような段差による誤差を量子化誤差という。
【0030】
温度算出部407において、段差が残る出力信号503に基づいて温度を算出した場合、温度測定において影響が生じる。そこで、相殺手段408において、温度算出する際に、増幅部405からの出力信号から、その出力信号に残る段差のもととなったデジタル補正用信号を差加える。すなわち、補正のために差し引いた信号の分を、温度算出の際に差加えることで、温度算出に供する信号に含まれる段差(量子化誤差)を除去することができる。
【0031】
図6は、相殺手段を有する温度測定装置における受光部からの出力信号が温度算出に供されるまでの信号の様子を示す概念図である。まず、
図6(a)は、オフセット補正を行わずAD変換部の入力範囲のほとんどを使用する程度に増幅部で増幅した出力信号601を示している(段差は誇張して表現している)。この場合、オフセット補正がなされていないので、出力信号が入力範囲に収まらない。そこで、オフセット補正してから増幅することで、
図6(b)に示すように、AD変換部の入力範囲のほとんどを使用しつつ、出力信号は入力範囲に収まっている。そして、オフセット補正により差し引かれた分を相殺手段により差し加えて相殺することで、出力信号における量子化誤差が除去され段差のない出力信号に基づいて温度算出することができる。
【0032】
<ハードウェア構成>
本実施形態の温度測定装置は、実施形態1の温度測定装置にハードウェア構成に準じて実現することができる。
【0033】
<処理の流れ>
本実施形態の温度測定装置の処理の流れは、実施形態1の温度測定装置の処理の流れと基本的に同様である。そして、本実施形態の温度測定装置においては、AD変換ステップにて変換された出力信号の前記デジタル補正用信号のDA変換による量子化誤差を、その出力信号の前記増幅ステップにおけるオフセット補正に供された前記デジタル補正用信号で相殺した出力信号に基づき測定対象の温度を算出する相殺サブステップがさらに含まれる。
【0034】
<効果>
本実施形態の温度装置により、デジタル補正用信号でオフセット補正することによる量子化誤差を除去することができる。
【符号の説明】
【0035】
100、400:温度測定装置
101、401:受光部
102、402:周囲温度測定部
103、403:デジタル補正用信号生成部
104、404:補正用信号DA変換部
105、405:増幅部
106、406:AD変換部
107、407:温度算出部
408:相殺手段