(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147610
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】覚醒支援装置および覚醒支援方法
(51)【国際特許分類】
A61M 21/00 20060101AFI20231005BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20231005BHJP
A61B 5/16 20060101ALI20231005BHJP
A61B 5/18 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
A61M21/00 B
G08G1/16 F
A61B5/16 130
A61B5/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055203
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】前田 和彦
【テーマコード(参考)】
4C038
5H181
【Fターム(参考)】
4C038PP05
4C038PQ04
4C038PR01
4C038PR04
4C038PS07
5H181AA01
5H181AA05
5H181BB13
5H181CC04
5H181DD01
5H181EE12
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL20
(57)【要約】
【課題】ユーザが覚醒されにくくなることを抑制できる覚醒支援装置などを提供する。
【解決手段】覚醒支援装置100は、車両内のユーザに集中を促すことで当該ユーザの覚醒を促すための覚醒支援装置であって、ユーザが促される集中の種別が互いに異なる提示内容が対応付けられた複数のカテゴリの中から1つのカテゴリを選択する第1選択部140と、当該1つのカテゴリに対応付けられた複数の提示内容の中から1以上の提示内容を選択する第2選択部150と、当該1以上の提示内容をユーザに提示する制御部170と、備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内のユーザに集中を促すことで前記ユーザの覚醒を促すための覚醒支援装置であって、
前記ユーザが促される集中の種別が互いに異なる提示内容が対応付けられた複数のカテゴリの中から1つのカテゴリを選択する第1選択部と、
前記1つのカテゴリに対応付けられた複数の提示内容の中から1以上の提示内容を選択する第2選択部と、
前記1以上の提示内容を前記ユーザに提示する制御部と、を備える
覚醒支援装置。
【請求項2】
前記複数の提示内容は、それぞれ、前記ユーザへの質問、または、前記ユーザに所定の動作を実行させる指示である
請求項1に記載の覚醒支援装置。
【請求項3】
前記複数のカテゴリは、現在の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリと、過去または未来の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリと、を含む
請求項1または2に記載の覚醒支援装置。
【請求項4】
前記複数のカテゴリは、特定の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリと、不特定の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリと、を含む
請求項1~3のいずれか1項に記載の覚醒支援装置。
【請求項5】
前記複数のカテゴリは、
(i)現在における特定の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリと、
(ii)過去または未来における特定の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリと、
(iii)現在における不特定の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリと、
(iv)過去または未来における不特定の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリと、を含む
請求項1~4のいずれか1項に記載の覚醒支援装置。
【請求項6】
前記ユーザの状態を検出する状態センサの検出結果を示す状態情報に基づいて、前記ユーザの眠気の程度を示す眠気レベルを推定する眠気推定部を更に備え、
前記第1選択部は、前記眠気推定部により推定された前記眠気レベルに応じて、前記1つのカテゴリを選択する
請求項1~5のいずれか1項に記載の覚醒支援装置。
【請求項7】
前記眠気推定部により推定された前記眠気レベルが第1眠気閾値以上である場合、前記制御部は、前記1以上の提示内容を前記ユーザに提示する
請求項6に記載の覚醒支援装置。
【請求項8】
前記眠気推定部により推定された前記眠気レベルが前記第1眠気閾値よりも高い第2眠気閾値以上である場合、
前記第1選択部は、前記1つのカテゴリを、前記複数のカテゴリの中の前記1つのカテゴリ以外の他のカテゴリに変更し、
前記第2選択部は、前記他のカテゴリに対応付けられた前記複数の提示内容の中から1以上の提示内容を選択する
請求項7に記載の覚醒支援装置。
【請求項9】
前記第1選択部は、所定時間が経過するごとに、前記1つのカテゴリを、前記複数のカテゴリの中の前記1つのカテゴリ以外の他のカテゴリに変更し、
前記第2選択部は、前記他のカテゴリに対応付けられた前記複数の提示内容の中から1以上の提示内容を選択する
請求項1~8のいずれか1項に記載の覚醒支援装置。
【請求項10】
前記第1選択部は、前記1つのカテゴリに含まれる前記複数の提示内容の中のいずれかの提示内容が所定回数提示されるごとに、前記1つのカテゴリを、前記複数のカテゴリの中の前記1つのカテゴリ以外の他のカテゴリに変更し、
前記第2選択部は、前記他のカテゴリに対応付けられた前記複数の提示内容の中から1以上の提示内容を選択する
請求項1~9のいずれか1項に記載の覚醒支援装置。
【請求項11】
前記第1選択部は、前記複数のカテゴリに予め定められた順番に基づいて、前記1つのカテゴリを選択する
請求項1~10のいずれか1項に記載の覚醒支援装置。
【請求項12】
前記第1選択部は、前記複数のカテゴリの中からランダムに前記1つのカテゴリを選択する
請求項1~10のいずれか1項に記載の覚醒支援装置。
【請求項13】
前記第1選択部は、前記車両の周囲の環境を検知する周囲環境センサの検出結果を示す環境情報に基づいて、前記1つのカテゴリを選択する
請求項1~10のいずれか1項に記載の覚醒支援装置。
【請求項14】
前記環境情報は、前記車両の周囲の交通量を示し、
前記第1選択部は、前記環境情報が示す前記交通量が所定量以上である場合、前記複数のカテゴリの中の現在における特定の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリを前記1つのカテゴリとして選択する
請求項13に記載の覚醒支援装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記1つのカテゴリに含まれる前記複数の提示内容の中のいずれかを、所定の時間間隔で前記ユーザに提示する
請求項1~14のいずれか1項に記載の覚醒支援装置。
【請求項16】
前記所定の時間間隔は、前記車両の周囲の環境を検知する周囲環境センサの検出結果を示す環境情報に基づいて設定される
請求項15に記載の覚醒支援装置。
【請求項17】
前記ユーザの状態を検出する状態センサの検出結果を示す状態情報に基づいて、前記ユーザの眠気の程度を示す眠気レベルを推定する眠気推定部を更に備え、
前記所定の時間間隔は、前記眠気推定部により推定された前記眠気レベルに基づいて設定される
請求項15に記載の覚醒支援装置。
【請求項18】
前記制御部は、提示装置を制御することで、音および画像の少なくとも一方により前記1以上の提示内容を前記ユーザに提示する
請求項1~17のいずれか1項に記載の覚醒支援装置。
【請求項19】
車両内のユーザに集中を促すことで前記ユーザの覚醒を促すための覚醒支援方法であって、
前記ユーザが促される集中の種別が互いに異なる提示内容が対応付けられた複数のカテゴリの中から1つのカテゴリを選択する第1選択ステップと、
前記1つのカテゴリに対応付けられた複数の提示内容の中から1以上の提示内容を選択する第2選択ステップと、
前記1以上の提示内容を前記ユーザに提示する制御ステップと、含む
覚醒支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、覚醒支援装置および覚醒支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の運転手などのユーザの覚醒を促す装置がある(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に開示されている覚醒維持装置は、運転手の顔への温度刺激、運転席シートからの運転手の胴体への温度刺激、運転手の手への温度刺激といった複数種類の温度刺激を発生する空調装置から、それらの温度刺激を発生させる刺激制御部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】青砥瑞人、“米名門大飛び級の脳科学者に学ぶ集中の高め方”、インターネット(URL;https://toyokeizai.net/articles/-/425084?page=4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザに対して同じ刺激を繰り返し与えることでユーザの覚醒を促すと、ユーザが刺激に次第に慣れ始めることで、ユーザが覚醒されにくくなる。
【0006】
そこで、本開示は、ユーザが覚醒されにくくなることを抑制できる覚醒支援装置などを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る覚醒支援装置は、車両内のユーザに集中を促すことで前記ユーザの覚醒を促すための覚醒支援装置であって、前記ユーザが促される集中の種別が互いに異なる提示内容が対応付けられた複数のカテゴリの中から1つのカテゴリを選択する第1選択部と、前記1つのカテゴリに対応付けられた複数の提示内容の中から1以上の提示内容を選択する第2選択部と、前記1以上の提示内容を前記ユーザに提示する制御部と、を備える。
【0008】
また、本開示の一態様に係る覚醒支援方法は、車両内のユーザに集中を促すことで前記ユーザの覚醒を促すための覚醒支援方法であって、前記ユーザが促される集中の種別が互いに異なる提示内容が対応付けられた複数のカテゴリの中から1つのカテゴリを選択する第1選択ステップと、前記1つのカテゴリに対応付けられた複数の提示内容の中から1以上の提示内容を選択する第2選択ステップと、前記1以上の提示内容を前記ユーザに提示する制御ステップと、含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様に係る覚醒支援装置などによれば、ユーザが覚醒されにくくなることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る覚醒支援装置が用いられる車両内を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る覚醒支援装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、ユーザが促される集中の種別の具体例を説明するための図である。
【
図4】
図4は、ユーザに提示される提示内容の具体例を示す図である。
【
図5】
図5は、ユーザに提示される提示内容の具体例を示す図である。
【
図6】
図6は、ユーザに提示される提示内容の具体例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係る覚醒支援装置による提示内容の提示とユーザの眠気レベルとの関係を説明するための図である。
【
図8】
図8は、実施の形態に係る覚醒支援装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本開示の概要)
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る覚醒支援装置は、車両内のユーザに集中を促すことで前記ユーザの覚醒を促すための覚醒支援装置であって、前記ユーザが促される集中の種別が互いに異なる提示内容が対応付けられた複数のカテゴリの中から1つのカテゴリを選択する第1選択部と、前記1つのカテゴリに対応付けられた複数の提示内容の中から1以上の提示内容を選択する第2選択部と、前記1以上の提示内容を前記ユーザに提示する制御部と、を備える。
【0012】
これによれば、ユーザは、当該ユーザが促される集中の種別が互いに異なる提示内容の中から覚醒支援装置によって適宜選択された提示内容によって集中が促されることで、覚醒が促される。そのため、覚醒支援装置は、適切なタイミングで提示内容を変更することにより、ユーザが提示内容に慣れることを抑制しつつ、かつ、ユーザに集中を促すことでユーザの覚醒を促すことできる。したがって、本開示の一態様に係る覚醒支援装置によれば、ユーザが覚醒されにくくなることを抑制できる。
【0013】
また、例えば、前記複数の提示内容は、それぞれ、前記ユーザへの質問、または、前記ユーザに所定の動作を実行させる指示である。
【0014】
また、例えば、前記複数のカテゴリは、現在の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリと、過去または未来の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリと、を含む。
【0015】
また、例えば、前記複数のカテゴリは、特定の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリと、不特定の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリと、を含む。
【0016】
また、例えば、前記複数のカテゴリは、(i)現在における特定の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリと、(ii)過去または未来における特定の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリと、(iii)現在における不特定の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリと、(iv)過去または未来における不特定の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリと、を含む。
【0017】
これらによれば、ユーザが促される集中の種別が互いに異なる複数の提示内容が実現され得る。
【0018】
また、例えば、前記ユーザの状態を検出する状態センサの検出結果を示す状態情報に基づいて、前記ユーザの眠気の程度を示す眠気レベルを推定する眠気推定部を更に備え、前記第1選択部は、前記眠気推定部により推定された前記眠気レベルに応じて、前記1つのカテゴリを選択する。
【0019】
これによれば、覚醒支援装置は、ユーザの眠気レベルに応じて、カテゴリを選択、または、カテゴリを変更できる。
【0020】
また、例えば、前記眠気推定部により推定された前記眠気レベルが第1眠気閾値以上である場合、前記制御部は、前記1以上の提示内容を前記ユーザに提示する。
【0021】
これによれば、覚醒支援装置は、ユーザが眠くなったときに提示内容を提示できる。
【0022】
また、例えば、前記眠気推定部により推定された前記眠気レベルが前記第1眠気閾値よりも高い第2眠気閾値以上である場合、前記第1選択部は、前記1つのカテゴリを、前記複数のカテゴリの中の前記1つのカテゴリ以外の他のカテゴリに変更し、前記第2選択部は、前記他のカテゴリに対応付けられた前記複数の提示内容の中から1以上の提示内容を選択する。
【0023】
これによれば、覚醒支援装置は、ユーザが同じ提示内容によって慣れにより集中が促されにくくなったときに提示内容を変更できる。
【0024】
また、例えば、前記第1選択部は、所定時間が経過するごとに、前記1つのカテゴリを、前記複数のカテゴリの中の前記1つのカテゴリ以外の他のカテゴリに変更し、前記第2選択部は、前記他のカテゴリに対応付けられた前記複数の提示内容の中から1以上の提示内容を選択する。
【0025】
これによれば、ユーザに提示される提示内容が定期的に変更されるため、覚醒支援装置は、簡単な構成でユーザが覚醒されにくくなることを抑制できる。
【0026】
また、例えば、前記第1選択部は、前記1つのカテゴリに含まれる前記複数の提示内容の中のいずれかの提示内容が所定回数提示されるごとに、前記1つのカテゴリを、前記複数のカテゴリの中の前記1つのカテゴリ以外の他のカテゴリに変更し、前記第2選択部は、前記他のカテゴリに対応付けられた前記複数の提示内容の中から1以上の提示内容を選択する。
【0027】
また、例えば、前記第1選択部は、前記複数のカテゴリに予め定められた順番に基づいて、前記1つのカテゴリを選択する。
【0028】
また、例えば、前記第1選択部は、前記複数のカテゴリの中からランダムに前記1つのカテゴリを選択する。
【0029】
これらによれば、同じ提示内容がユーザに何度も提示されることが抑制されるため、覚醒支援装置は、簡単な構成でユーザが覚醒されにくくなることを抑制できる。
【0030】
また、例えば、前記第1選択部は、前記車両の周囲の環境を検知する周囲環境センサの検出結果を示す環境情報に基づいて、前記1つのカテゴリを選択する。
【0031】
これによれば、覚醒支援装置は、車両が位置する場所または車両が位置する場所における交通状態などに応じた提示内容を適切に選択できる。
【0032】
また、例えば、前記環境情報は、前記車両の周囲の交通量を示し、前記第1選択部は、前記環境情報が示す前記交通量が所定量以上である場合、前記複数のカテゴリの中の現在における特定の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリを前記1つのカテゴリとして選択する。
【0033】
例えばユーザが車両300の運転手である場合、交通量が多い場所では、当該ユーザによる、ハンドル、アクセルペダル、および、ブレーキペダルなどの運転操作が、交通量が少ない場所と比較して多くなると考えられる。このような場合には、覚醒支援装置は、運転の安全性を考慮し、例えばユーザが運転する車両の近くの他の車両の走行状態または信号機の点灯状態などの運転に関するような、現在(例えば、運転中)における特定の状況に関する提示内容を提示する。これにより、覚醒支援装置は、ユーザの運転を妨害することなく、かつ、ユーザの覚醒を促すことができる。
【0034】
また、例えば、前記制御部は、前記1つのカテゴリに含まれる前記複数の提示内容の中のいずれかを、所定の時間間隔で前記ユーザに提示する。
【0035】
これによれば、提示内容がユーザに定期的に提示されるため、覚醒支援装置は、簡単な構成でユーザが覚醒されていない状態(つまり、眠い状態)が生じることを抑制できる。
【0036】
また、例えば、前記所定の時間間隔は、前記車両の周囲の環境を検知する周囲環境センサの検出結果を示す環境情報に基づいて設定される。
【0037】
上記の通り、例えばユーザが運転手である場合、交通量が多い場所では、当該ユーザによる、ハンドル、アクセルペダル、および、ブレーキペダルなどの運転操作が、交通量が少ない場所と比較して多くなると考えられる。そのため、交通量が多い場所では、交通量が少ない場所と比較して、ユーザは、運転操作によって覚醒が促されている場合が多いと考えられる。したがって、交通量が多い場所では、交通量が少ない場所と比較して、ユーザに提示内容を提示する頻度が少なくても、ユーザが覚醒されている状態を維持できると考えられる。そこで、環境情報に基づいて所定の時間間隔が設定されることで、覚醒支援装置は、ユーザに集中を促すことでユーザの覚醒を促すために適切な頻度で提示内容をユーザに提示できる。
【0038】
また、例えば、前記ユーザの状態を検出する状態センサの検出結果を示す状態情報に基づいて、前記ユーザの眠気の程度を示す眠気レベルを推定する眠気推定部を更に備え、前記所定の時間間隔は、前記眠気推定部により推定された前記眠気レベルに基づいて設定される。
【0039】
これによれば、覚醒支援装置は、ユーザの眠気レベルに応じた頻度で提示内容を適切に提示できる。
【0040】
また、例えば、前記制御部は、提示装置を制御することで、音および画像の少なくとも一方により前記1以上の提示内容を前記ユーザに提示する。
【0041】
これによれば、覚醒支援装置は、ディスプレイおよびスピーカなどの装置でユーザに提示内容を提示できる。
【0042】
また、本開示の一態様に係る覚醒支援方法は、車両内のユーザに集中を促すことで前記ユーザの覚醒を促すための覚醒支援方法であって、前記ユーザが促される集中の種別が互いに異なる提示内容が対応付けられた複数のカテゴリの中から1つのカテゴリを選択する第1選択ステップと、前記1つのカテゴリに対応付けられた複数の提示内容の中から1以上の提示内容を選択する第2選択ステップと、前記1以上の提示内容を前記ユーザに提示する制御ステップと、含む。
【0043】
これによれば、本開示の一態様に係る覚醒支援装置と同様の効果を奏する。
【0044】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの非一時的な記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0045】
例えば、本開示の一態様は、上記覚醒支援方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現することができる。また、本開示の一態様は、当該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現することができる。
【0046】
以下では、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0047】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0048】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する。
【0049】
また、以下の説明において、「閾値以上」などと記載をする場合があるが、厳密な意味で記載するものではない。例えば、「閾値以上」と記載する場合においては、閾値よりも大きいことを意味してもよい。また、「閾値以上」、「閾値未満」と対比して記載する場合には、当該値を境に区別されることを意味し、それぞれ、「閾値より大きい」、「閾値以下」であることを意味してもよい。
【0050】
(実施の形態)
[概要]
まず、実施の形態に係る覚醒支援装置の構成について説明する。
【0051】
図1は、実施の形態に係る覚醒支援装置100が用いられる車両300内を模式的に示す図である。
【0052】
覚醒支援装置100は、車両300内のユーザに集中を促すことで当該ユーザの覚醒を促すための制御装置である。
【0053】
車両300は、例えば、自動車であり、ユーザは、例えば、車両300の運転手である。
【0054】
覚醒支援装置100は、提示装置200を制御することで、ユーザに所定の提示内容を提示する。提示内容は、ユーザへの質問、または、ユーザに所定の動作を実行させる指示である。つまり、覚醒支援装置100は、ユーザに対して質問または指示をすることで、ユーザに集中を促す。
【0055】
覚醒支援装置100は、例えば、コンピュータ機器などで実現される。具体的には、覚醒支援装置100は、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、通信インターフェース、プログラムを実行するプロセッサなどで実現される。
【0056】
なお、ユーザは、車両300内の運転手以外の助手席に座っている人または後部座席に座っている人などであってもよい。
【0057】
また、車両300は、自動車であってもよいし、オートバイなどの任意の車両であってもよい。
【0058】
図2は、実施の形態に係る覚醒支援装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0059】
覚醒支援装置100は、取得部110と、眠気推定部120と、提示決定部130と、第1選択部140と、第2選択部150と、間隔決定部160と、制御部170と、記憶部180と、を備える。
【0060】
取得部110は、撮影装置210から撮影装置210の撮影結果を示す状態情報を取得し、かつ、周囲環境センサ220から周囲環境センサ220の検出結果を示す状態情報を取得する。
【0061】
なお、撮影装置210は、状態センサの一例である。
【0062】
取得部110は、例えば、撮影装置210および周囲環境センサ220と通信する通信インターフェースなどにより実現される。取得部110は、通信線が接続されるコネクタなどによって実現されてもよいし、撮影装置210および周囲環境センサ220と無線通信するためのアンテナおよび無線通信回路により実現されてもよい。
【0063】
眠気推定部120は、ユーザの状態を検出する状態センサの検出結果を示す状態情報に基づいて、ユーザの眠気の程度を示す眠気レベルを推定(算出)する処理部である。
【0064】
状態情報は、例えば、ユーザの画像(より具体的には、ユーザが映る画像データ)である。例えば、眠気推定部120は、眠気推定部120と接続された撮影装置210が撮影したユーザが映る画像に基づいて、ユーザの眠気レベルを推定する。本実施の形態では、眠気推定部120は、撮影装置210から得られた動画像に映るユーザの瞬きに基づいてユーザの眠気レベルを推定する。眠気推定部120は、例えば、眠気レベルの推定に、瞬き1回にかかる時間、所定の時間内の瞬きの回数、および/または、瞬きの開き度合い(目の開き度合い)などを用いる。例えば、眠気推定部120は、ユーザの瞬きの周期が安定している場合には、ユーザが眠くない状態であると推定し、ユーザの眠気レベルを低く、例えばユーザの眠気レベルを1と推定する。一方、例えば、眠気推定部120は、ユーザの瞬きが遅い、または、瞬きの周期が短く頻繁に行われている場合には、ユーザが眠い状態であると推定し、ユーザの眠気レベルを高く、例えばユーザの眠気レベルを10と推定する。つまり、ユーザは、ユーザの瞬きの周期が安定している場合には眠くない状態であると推定され、ユーザの瞬きが遅く且つ頻繁に行われている場合には眠い状態であると推定される。
【0065】
あるいは、例えば、眠気推定部120は、ユーザの瞬きの時間が長い場合には、つまり、ユーザがうとうとしているような場合には、ユーザの眠気レベルを高くなるように推定し、瞬きの時間が短い場合には、ユーザの眠気レベルを低くなるように推定する。
【0066】
あるいは、例えば、眠気推定部120は、ユーザの瞬きの開き度合い(目の開き度合い)が小さい場合には、ユーザの眠気レベルを高くなるように推定し、ユーザの瞬きの開き度合いが大きい場合には、ユーザの眠気レベルを低くなるように推定する。
【0067】
あるいは、眠気推定部120は、瞬きにかかる時間、瞬きの頻度、目の開き度合いなど、瞬きに関する指標を組み合わせてユーザの眠気レベルを推定してもよい。
【0068】
このように、眠気推定部120は、撮影装置210から得られた、ユーザが映る動画像を解析することにより、ユーザの眠気レベルを推定する。
【0069】
なお、眠気推定部120がユーザの眠気レベルの推定に用いる瞬きの周期の基準値などは、予め任意に定められてよい。
【0070】
また、眠気レベルは、上記の通りユーザの眠気の程度を示す指標である。眠気レベルは、例えば、0~1、0~10または0~100(0.1きざみまたは1きざみ)などの所定の範囲の数値で表される。また、本実施の形態では、眠気レベルが高いほど、ユーザが眠い状態であることを表し、眠気レベルが低いほど、ユーザが眠くない状態であること、つまり、覚醒している状態であることを表している。もちろん、眠気レベルとの高低とユーザの眠さの状態とは、上記とは反対の関係であってもよい。
【0071】
なお、眠気レベルの数値範囲は、特に限定されず、任意に設定されてよい。
【0072】
提示決定部130は、ユーザに提示するか否かを決定する処理部である。提示決定部130は、例えば、眠気推定部120により推定された眠気レベルが第1眠気閾値以上であると判定した場合、第1選択部140および第2選択部150により選択される1以上の提示内容を制御部170がユーザに提示すると決定する。一方、例えば、提示決定部130は、眠気推定部120により推定された眠気レベルが第1眠気閾値未満であると判定した場合、ユーザに提示しないと決定する。
【0073】
また、例えば、提示決定部130は、ユーザに提示する提示内容を変更するか否かを決定する。提示決定部130は、例えば、眠気推定部120により推定された眠気レベルが第1眠気閾値よりも高い第2眠気閾値以上である場合、ユーザに提示している提示内容を変更すると決定する。
【0074】
なお、第1眠気閾値および第2眠気閾値は任意に設定されてよく、特に限定されない。
【0075】
第1選択部140は、ユーザが促される集中の種別が互いに異なる提示内容が対応付けられた複数のカテゴリの中から1つのカテゴリを選択する処理部である。第1選択部140は、例えば、記憶部180に記憶された提示情報181に含まれる複数のカテゴリの中から1つのカテゴリを選択する。
【0076】
人の集中の状態(単に集中ともいう)には、いくつかの種類がある。ユーザに促される複数の種別の集中は、ユーザに提示される提示内容によって異なる。
【0077】
図3は、ユーザが促される集中の種別の具体例を説明するための図である。
【0078】
複数の種別の集中には、例えば、第1の集中と、第2の集中と、第3の集中と、第4の集中とがある。
【0079】
例えば、第1の集中は、現在における特定の状況に関する提示内容がユーザに提示されることによってユーザに促される。第1の集中がユーザに促される場合の提示内容としては、車両300を運転しているユーザに現在の車間距離を50mに誘導する指示、または、現在の法定速度に関する質問などが例示される。
【0080】
また、例えば、第2の集中は、過去または未来における特定の状況(事象)に関する提示内容がユーザに提示されることによってユーザに促される。第2の集中がユーザに促される場合の提示内容としては、車両300を運転しているユーザが2つ前に曲がった交差点についての質問、または、次に通過する道路に関する質問、ユーザが通った小学校の名称、または、ユーザの明日の予定に関する質問などが例示される。
【0081】
また、例えば、第3の集中は、現在における不特定の状況に関する提示内容がユーザに提示されることによってユーザに促される。第3の集中がユーザに促される場合の提示内容としては、車両300を運転しているユーザに現在の車間距離を安全な距離に誘導する指示、または、ユーザの現在の視界内における車両の中で最も大きい車両を探す質問などが例示される。
【0082】
また、例えば、第4の集中は、過去または未来における不特定の状況に関する提示内容がユーザに提示されることによってユーザに促される。第4の集中がユーザに促される場合の提示内容としては、車両300を運転しているユーザが今日これまでに曲がった交差点で信号が赤だった交差点をユーザに思い出させる質問、または、「明日はどんなことをしたいですか?」などのような質問などが例示される。
【0083】
これらのように、ユーザに集中させる対象の種別が異なるような提示内容が提示されることで、ユーザには異なる種別の集中が促される。
【0084】
複数のカテゴリには、これらの集中のように、ユーザが促される集中の種別が互いに異なる複数の提示内容が対応付けられている。
【0085】
例えば、複数のカテゴリは、現在の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリと、過去または未来の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリと、を含む。また、例えば、複数のカテゴリは、特定の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリと、不特定の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリと、を含む。
【0086】
これらによれば、ユーザが促される集中の種別が互いに異なる複数の提示内容が実現され得る。
【0087】
なお、現在とは、例えば、ユーザが提示内容を提示された時点および当該時点の直後の期間であり、過去または未来とは、当該期間以外の期間である。現在とされる期間は、例えば、ユーザが提示内容を提示された時点から数秒後~数十秒後までの期間である。また、例えば、現在の状況とは、車両300が走行する道路における車両300の走行方向に位置する次の交差点などにように、車両300が走行する道路の延長線上であって、ユーザが提示内容を提示された時点における車両300の位置(つまり、ユーザの位置)から所定距離以内の状況であってもよい。所定距離は、例えば、数mなどにように任意に設定される距離または判読距離である。同様に、過去または未来の状況とは、車両300の現在の位置から数km先などのように、当該所定距離より離れた位置における状況であってもよい。
【0088】
また、特定の状況とは、例えば、「車間距離をXXmにしてください」のような指示、または、「ユーザが通った小学校の名前は何ですか?」のような質問などのように、質問または指示の対象が明らかである事象、つまり、「XXmm」または「ユーザが通った小学校」のように質問または指示の対象が既に特定されている事象である。一方、不特定の状況とは、例えば、「車間距離を安全な距離にしてください」のような指示、または、「今日これまでに曲がった交差点で信号が赤だった交差点の数はいくつですか?」のような質問などのように、質問または指示の対象が明らかではない事象、つまり、「安全な距離」または「数はいくつですか?」のように、自身で答えを考えたり探したりする必要がある事象である。
【0089】
また、例えば、複数のカテゴリは、これらを任意に組み合わせた提示内容が対応付けられるカテゴリを含んでもよい。具体的に例えば、複数のカテゴリは、(i)現在における特定の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリと、(ii)過去または未来における特定の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリと、(iii)現在における不特定の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリと、(iv)過去または未来における不特定の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリと、を含む。
【0090】
本実施の形態では、第1カテゴリには、第1の集中をユーザに促す複数の提示内容が対応付けられている。また、実施の形態では、第2カテゴリには、第2の集中をユーザに促す複数の提示内容が対応付けられている。また、実施の形態では、第3カテゴリには、第3の集中をユーザに促す複数の提示内容が対応付けられている。また、実施の形態では、第4カテゴリには、第4の集中をユーザに促す複数の提示内容が対応付けられている。
【0091】
これによれば、ユーザが促される集中の種別が互いに異なる複数の提示内容が実現され得る。
【0092】
例えば、複数の提示内容は、それぞれ、ユーザへの質問、または、ユーザに所定の動作を実行させる指示である。
【0093】
なお、第1選択部140が1つのカテゴリをどのように選択するかは任意に定められてよい。
【0094】
例えば、第1選択部140は、眠気推定部120により推定されたユーザの眠気レベルに応じて、1つのカテゴリを選択する。例えば、第1選択部140は、眠気レベルに応じて、新たにカテゴリを選択したり、選択しているカテゴリを別のカテゴリに選択(変更)し直したりする。
【0095】
これによれば、覚醒支援装置は、ユーザの眠気レベルに応じて、カテゴリを選択、または、カテゴリを変更できる。
【0096】
あるいは、例えば、第1選択部140は、複数のカテゴリに予め定められた順番に基づいて、1つのカテゴリを選択する。
【0097】
なお、当該順番は、任意に定められてよい。
【0098】
あるいは、例えば、第1選択部140は、複数のカテゴリの中からランダムに1つのカテゴリを選択する。
【0099】
これらによれば、同じ提示内容がユーザに何度も提示されることが抑制されるため、簡単な構成でユーザが覚醒されにくくなることを抑制できる。
【0100】
例えば、第1選択部140は、カテゴリを変更するごとに第1カテゴリと第4カテゴリとを交互に選択してもよい。あるいは、例えば、第1選択部140は、カテゴリを変更するごとに第2カテゴリと第3カテゴリとを交互に選択してもよい。あるいは、例えば、第1選択部140は、カテゴリを変更するごとに第1カテゴリと第3カテゴリとを交互に選択してもよい。あるいは、例えば、第1選択部140は、カテゴリを変更するごとに第2カテゴリと第4カテゴリとを交互に選択してもよい。あるいは、例えば、第1選択部140は、カテゴリを変更するごとに第1カテゴリと第2カテゴリとを交互に選択してもよい。あるいは、例えば、第1選択部140は、カテゴリを変更するごとに第3カテゴリと第4カテゴリとを交互に選択してもよい。あるいは、例えば、第1選択部140は、乱数を生成し、生成した乱数に基づいて1つのカテゴリを選択してもよい。
【0101】
あるいは、例えば、第1選択部140は、車両300の周囲の環境を検知する周囲環境センサ220の検出結果を示す環境情報に基づいて、1つのカテゴリを選択する。
【0102】
環境情報は、例えば、車両300が位置する場所、車両が位置する場所における交通状態、車両300の周囲の天候、または、気温などを示す情報である。
【0103】
これによれば、車両が位置する場所または車両が位置する場所における交通状態などに応じた提示内容が適切に選択され得る。
【0104】
例えば、環境情報が、車両300の周囲の交通量を示す場合、第1選択部140は、環境情報が示す交通量が所定量以上である場合、複数のカテゴリの中の現在における特定の状況に関する提示内容が対応付けられたカテゴリ(本実施の形態では、第1カテゴリ)を1つのカテゴリとして選択してもよい。
【0105】
例えばユーザが車両300の運転手である場合、交通量が多い場所では、当該ユーザによる、ハンドル、アクセルペダル、および、ブレーキペダルなどの運転操作が、交通量が少ない場所と比較して多くなると考えられる。このような場合には、覚醒支援装置100は、運転の安全性を考慮し、例えばユーザが運転する車両300の近くの他の車両の走行状態または信号機の点灯状態などの運転に関するような、現在(例えば、運転中)における特定の状況(例えば、ユーザが運転する車両300の近くの他の車両の走行状態または信号機の点灯状態など)に関する提示内容を提示する。これにより、覚醒支援装置100は、ユーザの運転を妨害することなく、かつ、ユーザの覚醒を促すことができる。
【0106】
なお、所定量は、任意に定められてよい。
【0107】
また、第1選択部140は、ユーザの眠気レベル、環境情報、および/または、提示内容が提示されてからの経過時間に応じて、選択する1つのカテゴリを変更してもよい。
【0108】
また、覚醒支援装置100は、時間を計測するためのRTC(Real Time Clock)などの計時部を備えてもよい。
【0109】
第2選択部150は、第1選択部140が選択した1つのカテゴリに対応付けられた複数の提示内容の中から1以上の提示内容を選択する処理部である。第2選択部150は、例えば、提示情報181に含まれる複数のカテゴリのそれぞれに対応付けられた複数の提示内容の中から1以上の提示内容を選択する。
【0110】
なお、第2選択部150は、1つの提示内容を選択してもよいし、2以上の提示内容を選択してもよい。例えば、第2選択部150は、同じ提示内容であって、画像で表示される提示内容と、音声で出力される提示内容とがある場合には、一方を選択してもよいし、両方を選択してもよい。
【0111】
図4および
図5は、それぞれ、ユーザに提示される提示内容の具体例を示す図である。提示情報181には、例えば、
図4および
図5に示す情報が含まれる。
【0112】
「過去または未来」に対応付けられた提示内容としては、XX分前、XX分後、1つ前の交差点の右左折などの特定の動作の前後、今日これまで、昨日、明日、または、次の交差点もしくはXXm先の右左折後などの車両300の位置から所定距離より離れた位置に関する状況などが例示される。
【0113】
なお、提示情報181には、ユーザが走行する道路の地図の情報が含まれていてもよい。
【0114】
「現在」に対応付けられた提示内容としては、現在、今、または、次の交差点もしくはXXm先などの車両300の位置から所定距離以内の位置に関する状況が例示される。
【0115】
また、時間に関する提示内容以外の提示内容としては、速度、道路標識もしくは道路標示、車間距離、自車両以外に存在するもの(例えば、歩行者、自転車、Blind Spot、他の車両、店舗、もしくは、史跡などの車両300以外に車両300の周囲に存在するもの)、または、経路(例えば、車両300の走行経路であって、道路または交差点など)に関するジャンルの提示内容などが例示される。また、例えば、各ジャンルには、特定の状況に関する提示内容と、不特定の状況に関する提示内容とが含まれる。
【0116】
例えば、ジャンルが速度である場合における提示内容としては、制限速度または法定速度などの特定の状況(状態)に関する提示内容が例示される。例えば、制限速度または法定速度は、道路によって一意に決まるものであるため、特定されている(つまり、特定の状況である)といえる。
【0117】
また、例えば、ジャンルが速度である場合における提示内容としては、安全な速度または適切な速度などの不特定の状況(状態)に関する提示内容が例示される。例えば、安全な速度および適切な速度は、具体的な速度が明らかでないため、特定されていない(つまり、不特定の状況である)といえる。
【0118】
また、例えば、ジャンルが道路標識または道路標示である場合における提示内容としては、進入禁止の標識などの特定の状況(対象)に関する提示内容が例示される。例えば、進入禁止の標識は、具体的な標識の種類などが明らかであるため、特定されている(つまり、特定の状況である)といえる。
【0119】
また、例えば、ジャンルが道路標識または道路標示である場合における提示内容としては、一番手前の標識などの不特定の状況(対象)に関する提示内容が例示される。例えば、一番手前の標識は、具体的な標識の種類などが明らかでないため、特定されていない(つまり、不特定の状況である)といえる。
【0120】
また、例えば、ジャンルが車間距離である場合における提示内容としては、XXmなどの特定の状況(状態)に関する提示内容が例示される。例えば、XX(なお、XXは、具体的な数値)mは、先行車との車間距離として具体的な距離が明らかであるため、特定されている(つまり、特定の状況である)といえる。
【0121】
また、例えば、ジャンルが車間距離である場合における提示内容としては、安全な車間距離または適切な車間距離などの不特定の状況(状態)に関する提示内容が例示される。例えば、安全な車間距離または適切な車間距離は、先行車との車間距離として具体的な距離が明らかでないため、特定されていない(つまり、不特定の状況である)といえる。
【0122】
また、例えば、ジャンルが自車両以外に存在するものである場合における提示内容としては、右後方の歩行者または前方の車両などの特定の歩行者または特定の車両などの特定の状況(対象)に関する提示内容が例示される。例えば、右後方の歩行者または前方の車両などは、提示の対象が具体的に明らかであるため、特定されている(つまり、特定の状況である)といえる。
【0123】
また、例えば、ジャンルが自車両以外に存在するものである場合における提示内容としては、複数の車両の中で一番大きい車両の車種、または、複数の店舗の中で一番近い店舗の名前などの不特定の歩行者または不特定の車両などの不特定の状況(対象)に関する提示内容が例示される。例えば、複数の車両の中で一番大きい車両の車種、または、複数の店舗の中で一番近い店舗の名前などは、提示の対象が明らかでなく、ユーザに答えを考えたり探したりさせるものであるため、特定されていない(つまり、不特定の状況である)といえる。
【0124】
また、例えば、ジャンルが経路である場合における提示内容としては、特定の道路または特定の交差点などの特定の状況(対象)に関する提示内容が例示される。
【0125】
また、例えば、ジャンルが経路である場合における提示内容としては、これまでに通過した交差点の中で、赤信号で停車した交差点の数などの不特定の道路または不特定の交差点などの不特定の状況(対象)に関する提示内容が例示される。例えば、これまでに通過した交差点の中で、赤信号で停車した交差点の数は、提示(質問)の対象が明らかでなく、ユーザに答えを考えたり探したりさせるものであるため、特定されていない(つまり、不特定の状況である)といえる。
【0126】
例えば、第2選択部150は、第1選択部140が第1カテゴリを選択した場合、
図4に示す「現在」に分類されている提示内容と、
図5における「特定」に分類されている提示内容とを組み合わせることで、1以上の提示内容を選択(決定)する。例えば、第2選択部150は、第1選択部140が第1カテゴリを選択した場合、「今、車間距離をXXmにしてください」のように提示内容を選択する。
【0127】
なお、「今」または「現在」を示す内容は、提示されなくてもよい。
【0128】
また、例えば、第2選択部150は、第1選択部140が第2カテゴリを選択した場合、
図4に示す「過去または未来」に分類されている提示内容と、
図5における「特定」に分類されている提示内容とを組み合わせることで、1以上の提示内容を選択する。例えば、第2選択部150は、第1選択部140が第2カテゴリを選択した場合、「2つ前に曲がった交差点に進入禁止の標識はありましたか?」のように提示内容を選択する。
【0129】
また、例えば、第2選択部150は、第1選択部140が第3カテゴリを選択した場合、
図4に示す「現在」に分類されている提示内容と、
図5における「不特定」に分類されている提示内容とを組み合わせることで、1以上の提示内容を選択する。例えば、第2選択部150は、第1選択部140が第3カテゴリを選択した場合、「安全な速度で走行してください」のように提示内容を選択する。
【0130】
また、例えば、第2選択部150は、第1選択部140が第4カテゴリを選択した場合、
図4に示す「過去または未来」に分類されている提示内容と、
図5における「不特定」に分類されている提示内容とを組み合わせることで、1以上の提示内容を選択する。例えば、第2選択部150は、第1選択部140が第4カテゴリを選択した場合、「今日これまで、何台の赤い車両とすれ違いましたか?」のように提示内容を選択する。
【0131】
これらのように、例えば、第2選択部150は、
図4に示す時間に関する提示内容と、
図5に示す時間以外のジャンルに関する提示内容とを組み合わせて1以上の提示内容を決定する。
【0132】
なお、
図4に示す提示内容と
図5に示す提示内容とが予め組み合わせされて提示情報181に含まれていてもよい。
【0133】
図6は、ユーザに提示される提示内容の具体例を示す図である。
【0134】
第2選択部150は、例えば、提示情報181に
図6に示す提示内容が含まれている場合、第1選択部140が選択した1つのカテゴリに対応付けられた複数の提示内容の中から1以上の提示内容を選択する。
【0135】
例えば、第1カテゴリに対応付けられる提示内容としては、法定速度などに誘導する指示、または、先行車との車間距離をXXmなどの具体的な距離に誘導する指示などが例示される。また、例えば、第2カテゴリに対応付けられる提示内容としては、車両300が直近で曲がった交差点に関する質問、または、車両300が直近で通過した道路に関する質問などが例示される。また、例えば、第3カテゴリに対応付けられる提示内容としては、ユーザの現在の視界内における一番大きな建物を尋ねる質問、または、ユーザの現在の視界内における車両の数を尋ねる質問などが例示される。また、例えば、第4カテゴリに対応付けられる提示内容としては、ユーザに今日の運転の内容を振り返らせる質問、または、ユーザの最近の仕事もしくは勉強の内容を振り返らせる質問などが例示される。
【0136】
また、第2選択部150は、例えば、第1選択部140が選択する1つのカテゴリを変更した場合、変更したカテゴリに対応付けられた複数の提示内容の中から1以上の提示内容を新たに選択する。
【0137】
例えば、提示決定部130が、眠気推定部120により推定されたユーザの眠気レベルが第1眠気閾値よりも高い第2眠気閾値以上であると判定した場合、第1選択部140は、選択している1つのカテゴリを、複数のカテゴリの中の当該1つのカテゴリ以外の他のカテゴリに変更する。
【0138】
これによれば、覚醒支援装置100は、ユーザが同じ提示内容によって慣れにより集中が促されにくくなったときに提示内容を変更できる。
【0139】
また、例えば、第1選択部140は、所定時間が経過するごとに、選択している1つのカテゴリを、複数のカテゴリの中の当該1つのカテゴリ以外の他のカテゴリに変更する。
【0140】
これによれば、ユーザに提示される提示内容が定期的に変更されるため、簡単な構成でユーザが覚醒されにくくなることを抑制できる。
【0141】
なお、所定時間は、任意に設定されてよい。
【0142】
また、例えば、第1選択部140は、選択している1つのカテゴリに含まれる複数の提示内容の中のいずれかの提示内容が、提示されるたびに提示内容が変更されて所定回数提示されるごとに、選択している1つのカテゴリを、複数のカテゴリの中の当該1つのカテゴリ以外の他のカテゴリに変更する。例えば、第2選択部150は、第1カテゴリに含まれる第1提示内容を選択し、次に、第1カテゴリに含まれる、第1提示内容とは異なる第2提示内容を選択する。次に、例えば、第1選択部140は、第1カテゴリとは異なる第2カテゴリを選択する。次に、例えば、第2選択部150は、第2カテゴリに含まれる第3提示内容を選択し、次に、第2カテゴリに含まれる、第3提示内容とは異なる第4提示内容を選択する。このように、例えば、第2選択部150は、1以上の提示内容を、同一のカテゴリに含まれる複数の提示内容の中から繰り返し選択する場合には、連続して同じ提示内容を選択しないように、1以上の提示内容を選択する。例えば、第2選択部150は、同一のカテゴリに含まれる複数の提示内容の中から1以上の提示内容を繰り返し選択する場合には、同じ提示内容を選択しないように、1以上の提示内容を選択してもよい。
【0143】
これによれば、同じ提示内容がユーザに何度も提示されることが抑制されるため、簡単な構成でユーザが覚醒されにくくなることを抑制できる。
【0144】
なお、所定回数は、任意に設定されてよい。
【0145】
これらの場合のように、第1選択部140が選択している1つのカテゴリを他のカテゴリに変更した場合、例えば、第2選択部150は、第1選択部140が選択した他のカテゴリに対応付けられた複数の提示内容の中から1以上の提示内容を選択する。
【0146】
間隔決定部160は、第2選択部150が選択した1以上の提示内容を提示する時間間隔を決定する処理部である。例えば、第2選択部150は、第1選択部140が選択した1つのカテゴリに対応付けられた複数の提示内容の中から1以上の提示内容を、選択する提示内容を変更しながら繰り返し選択する。選択された提示内容は、繰り返し提示される。間隔決定部160は、このように繰り返し変更されて選択される提示内容を提示する時間間隔を決定する。
【0147】
所定の時間間隔は、例えば、車両300の周囲の環境を検知する周囲環境センサの検出結果を示す環境情報に基づいて設定(決定)される。上記の通り、交通量が多い場所では、ユーザによる、ハンドル、アクセルペダル、および、ブレーキペダルなどの運転操作が、交通量が少ない場所と比較して多くなると考えられる。そのため、交通量が多い場所では、交通量が少ない場所と比較して、ユーザは、運転操作によって覚醒が促されている場合が多いと考えられる。したがって、交通量が多い場所では、交通量が少ない場所と比較して、ユーザに提示内容を提示する頻度が少なくても、ユーザが覚醒されている状態を維持できると考えられる。そこで、例えば、間隔決定部160は、交通量が多いほど、時間間隔が長くなるように所定の時間間隔を決定する。このように、例えば、間隔決定部160は、交通量の大小、市街地であるか否か、または、高速道路であるか否かなど、ユーザの運転操作が多くなると想定されるか否かに基づいて、所定の時間間隔を決定する。例えば、間隔決定部160は、ユーザの運転操作が多くなると想定されるほど、時間間隔が長くなるように所定の時間間隔を決定し、ユーザの運転操作が少なくなると想定されるほど、時間間隔が短くなるように所定の時間間隔を決定する。
【0148】
これによれば、覚醒支援装置100は、ユーザに集中を促すことでユーザの覚醒を促すために適切な頻度で提示内容をユーザに提示できる。
【0149】
なお、取得部110は、車両300の速度、加速度および/または操舵角を検出する速度センサ、加速度センサ、および/または、ジャイロセンサなどから検出結果を取得してもよい。単位時間当たりの車両300の速度、加速度および/または操舵角の変化が多いほど、ユーザの運転操作が多いと判定されてもよい。
【0150】
あるいは、例えば、所定の時間間隔は、眠気推定部120により推定されたユーザの眠気レベルに基づいて設定される。例えば、間隔決定部160は、ユーザの眠気レベルが高いほど、時間間隔が短くなるように所定の時間間隔を決定し、ユーザの眠気レベルが低いほど、時間間隔が長くなるように所定の時間間隔を決定する。
【0151】
これによれば、覚醒支援装置100は、ユーザの眠気レベルに応じた頻度で提示内容を適切に提示できる。
【0152】
あるいは、例えば、所定の時間間隔は、予め任意に定められる時間間隔であってもよい。これらのように、例えば、間隔決定部160は、30秒ごとなどのように一定時間ごとに提示内容が提示されるように時間間隔を決定する。なお、この場合、覚醒支援装置100は、間隔決定部160を備えなくてもよい。
【0153】
あるいは、例えば、所定の時間間隔は、提示内容ごとに予め定められた時間間隔であってもよい。例えば、提示内容Aについては20秒提示し、提示内容Bについては40秒提示し、提示内容Cについては10秒提示する、などのように予め定められていてもよい。提示内容ごとに予め定められた時間間隔を示す情報は、例えば、提示情報181に含まれていてもよい。
【0154】
制御部170は、第2選択部150が選択した1以上の提示内容をユーザに提示する処理部である。具体的には、制御部170は、提示装置200を制御することで、音および画像の少なくとも一方により第2選択部150が選択した1以上の提示内容をユーザに提示する。
【0155】
例えば、制御部170は、眠気推定部120により推定された眠気レベルが第1眠気閾値以上である場合、第2選択部150が選択した1以上の提示内容をユーザに提示する。具体的には、制御部170は、提示決定部130が、眠気推定部120により推定された眠気レベルが第1眠気閾値以上であると判定した場合、第2選択部150が選択した1以上の提示内容をユーザに提示する。
【0156】
これによれば、覚醒支援装置100は、ユーザが眠くなったときに提示内容を提示できる。
【0157】
また、例えば、制御部170は、第1選択部140が選択した1つのカテゴリに含まれる複数の提示内容の中のいずれかを、所定の時間間隔でユーザに提示する。上記の通り、例えば、第2選択部150は、第1選択部140が選択した1つのカテゴリに対応付けられた複数の提示内容の中から1以上の提示内容を、選択する提示内容を変更しながら繰り返し選択する。制御部170は、間隔決定部160が決定した所定の時間間隔で、第2選択部150によって複数の提示内容の中から変更されながら繰り返し選択された提示内容を繰り返し提示する。
【0158】
これによれば、提示内容がユーザに定期的に提示されるため、覚醒支援装置100は、簡単な構成でユーザが覚醒されていない状態(つまり、眠い状態)が生じることを抑制できる。
【0159】
図7は、実施の形態に係る覚醒支援装置100による提示内容の提示とユーザの眠気レベルとの関係を説明するための図である。
図7に示す例では、第1眠気閾値が眠気レベル2と設定されており、第2眠気閾値が眠気レベル3と設定されている。
【0160】
例えばユーザによって車両300の運転が開始されると、取得部110は、撮影装置210からユーザが映る動画像を取得する。眠気推定部120は、取得部110によって取得された動画像に基づいて、ユーザの眠気レベルを推定する。
【0161】
提示決定部130は、眠気推定部120によって推定されたユーザの眠気レベルが2を超えるか否かを判定し続ける。提示決定部130が、例えば時刻t1においてユーザの眠気レベルが2を超えたと判定した場合、第1選択部140が1つのカテゴリを選択し、第2選択部150が1以上の提示内容を選択し、制御部170が1以上の提示内容を提示する。例えば、第1選択部140が第1カテゴリを選択し、第2選択部150が第1カテゴリに対応付けられた提示内容Aを選択し、制御部170が提示内容Aを提示する。
【0162】
また、間隔決定部160が所定の時間間隔を決定する。制御部170は、第2選択部150によって、第1選択部140が選択した1つのカテゴリに対応付けられた複数の提示内容の中から、選択する提示内容を変更しながら繰り返し選択された提示内容を、間隔決定部160が決定した所定の時間間隔でユーザに提示する。例えば、時刻t2において、第2選択部150が第1カテゴリに対応付けられた提示内容Bを選択し、制御部170が提示内容Bを提示する。
【0163】
ここで、提示決定部130が、例えば時刻t3においてユーザの眠気レベルが3を超えたと判定した場合、第1選択部140が選択する1つのカテゴリを変更し、第2選択部150が変更されたカテゴリの中から1以上の提示内容を選択し直し、制御部170が選択し直された1以上の提示内容を提示する。例えば、第1選択部140が第2カテゴリを選択し、第2選択部150が第2カテゴリに対応付けられた提示内容Cを選択し、制御部170が提示内容Cを提示する。
【0164】
また、提示決定部130が、例えば時刻t3において提示内容が変更されることでユーザの眠気レベルが3未満になったものの、時刻t4においてユーザの眠気レベルが3を再度超えたと判定した場合、第1選択部140が選択する1つのカテゴリを再度変更し、第2選択部150が再度変更されたカテゴリの中から1以上の提示内容を再度選択し直し、制御部170が再度選択し直された1以上の提示内容を提示する。例えば、第1選択部140が第4カテゴリを選択し、第2選択部150が第4カテゴリに対応付けられた提示内容Dを選択し、制御部170が提示内容Dを提示する。
【0165】
また、例えば、時刻t5において、ユーザの眠気レベルが3未満であることから、カテゴリは変更されず、第2選択部150が第4カテゴリに対応付けられた提示内容Eを選択し、制御部170が提示内容Eを提示する。
【0166】
また、例えば、時刻t6においても、ユーザの眠気レベルが3未満であることから、カテゴリは変更されず、第2選択部150が第4カテゴリに対応付けられた提示内容Fを選択し、制御部170が提示内容Fを提示する。
【0167】
なお、制御部170は、ユーザの眠気レベルが所定の眠気レベル未満となった場合には、提示内容の提示を止めてもよい。所定の眠気レベルは、第1眠気閾値であってもよいし、第1眠気閾値でなくてもよい。例えば、所定の眠気レベルを第1眠気閾値未満とすることで、より確実にユーザの覚醒を促すことができる。
【0168】
また、ユーザの眠気レベルが所定の時間第2眠気レベル以上で維持された場合、第1選択部140は、選択する1つのカテゴリを変更してもよい。当該所定の時間は、任意に設定されてよい。
【0169】
また、カテゴリおよび提示内容は、第1カテゴリの提示内容G→第1カテゴリの提示内容H→第2カテゴリの提示内容I→第2カテゴリの提示内容Jのように、提示内容が提示される一定回数ごとまたは一定時間ごとに変更されてもよい。
【0170】
なお、制御部170は、例えば、第2選択部150が2以上の提示内容を選択した場合には、当該2以上の提示内容を提示装置200に提示させてもよい。例えば、制御部170は、第2選択部150が、同じ提示内容であって、画像で表示される提示内容と、音声で出力される提示内容とがある場合に、両方を選択したとき、提示装置200に当該提示内容を画像および音声で提示させてもよい。
【0171】
眠気推定部120、提示決定部130、第1選択部140、第2選択部150、間隔決定部160、および、制御部170などの処理部は、例えば、プログラムが格納された1つ以上のメモリ、および、当該プログラムを実行する1つ以上のプロセッサなどで実現される。なお、各処理部は、プロセッサで実行されるソフトウェアで実現されてもよいし、1つ以上の電子部品を含む電気回路などのハードウェアで実現されてもよい。
【0172】
記憶部180は、提示情報181および各処理部が用いる閾値を示す情報などを記憶する記憶装置である。記憶部180は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、または、フラッシュメモリなどで実現される。
【0173】
提示情報181は、複数のカテゴリと、複数のカテゴリのそれぞれに対応付けられた複数の提示内容とを含む情報である。提示情報181には、例えば、
図4~6に示す情報が含まれる。
【0174】
提示装置200は、音を発するデバイス、および/または、画像を表示するデバイスを有する装置である。提示装置200は、例えば、アンプおよびスピーカなどの音響装置、ならびに/または、ディスプレイなどにより実現される。提示装置200は、制御部170によって制御されることで、第2選択部150によって選択された提示内容を、音声および/または画像(例えば、文字)によってユーザに提示する。
【0175】
なお、提示装置200がディスプレイなどの提示内容を画像で表示するデバイスである場合、提示内容が運転に関する内容以外のときには、制御部170は、車両300が停車しているタイミングで提示内容が提示されるように提示装置200を制御してもよい。提示装置200がディスプレイおよび/または音響装置であるか否かを示す情報は、記憶部180に予め記憶されていてもよい。また、制御部170は、取得部110が、車両300の速度、加速度および/または操舵角を検出する速度センサ、加速度センサ、および/または、ジャイロセンサなどから取得した検出結果に基づいて、車両300が走行しているか停車しているかなどの走行状態を判定してもよい。
【0176】
撮影装置210は、ユーザを撮影するカメラである。撮影装置210は、例えば、ユーザの顔が映る画像を生成する。撮影装置210は、可視光帯域に感度を有するイメージセンサであってもよいし、赤外線イメージセンサまたは熱画像センサであってもよい。画像は、例えば動画像であるが、静止画像であってもよい。
【0177】
周囲環境センサ220は、車両300の周囲の環境を検出するセンサである。周囲環境センサ220は、例えば、温度センサ、湿度センサ、カメラ、および/または、測距センサなどにより実現される。
【0178】
なお、撮影装置210および周囲環境センサ220は、車両300に配置されてもよいし、電柱などの支持体に配置されていてもよい。
【0179】
また、取得部110は、車両300の外部に位置するサーバ装置などから交通量を示す情報を取得してもよい。この場合、周囲環境センサ220は、覚醒支援装置100と通信可能に接続されていなくてもよい。
【0180】
[処理手順]
続いて、覚醒支援装置100が実行する処理手順について説明する。
【0181】
図8は、実施の形態に係る覚醒支援装置100が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【0182】
まず、眠気推定部120は、ユーザの眠気レベルを推定する(S110)。例えば、眠気推定部120は、取得部110が取得したユーザが映る画像に基づいて、眠気レベルを推定する。
【0183】
次に、提示決定部130は、眠気推定部120が推定したユーザの眠気レベルが第1眠気閾値以上であるか否かを判定する(S120)。
【0184】
提示決定部130が、眠気推定部120が推定したユーザの眠気レベルが第1眠気閾値未満であると判定した場合(S120でNo)、処理がステップS110に戻される。
【0185】
一方、提示決定部130は、眠気推定部120が推定したユーザの眠気レベルが第1眠気閾値以上であると判定した場合(S120でYes)、眠気推定部120が推定したユーザの眠気レベルが第2眠気閾値以上であるか否かを判定する(S130)。
【0186】
なお、制御部170によってまだ提示内容が提示されていない状態である場合には、ステップS120でYesの場合には、ステップS140に処理が移行されてもよい。
【0187】
提示決定部130が、眠気推定部120が推定したユーザの眠気レベルが第2眠気閾値以上であると判定した場合(S130でYes)、第1選択部140は、複数のカテゴリの中から1つのカテゴリを選択する(S140)。
【0188】
なお、第1選択部140は、1つのカテゴリが既に選択されている場合には、ステップS130でYesのとき、選択されている1つのカテゴリを他のカテゴリに変更する。
【0189】
一方、提示決定部130が、眠気推定部120が推定したユーザの眠気レベルが第2眠気閾値未満であると判定した場合(S130でNo)、または、ステップS140の次に、第2選択部150は、ステップS140で第1選択部140が選択した1つのカテゴリに対応付けられた複数の提示内容の中から1以上の提示内容を選択する(S150)。
【0190】
次に、間隔決定部160は、ステップS150で第2選択部150が選択した1以上の提示内容を提示するまでの時間を決定する(S160)。つまり、間隔決定部160は、ステップS150で第2選択部150が選択した1以上の提示内容を制御部170がユーザに提示するタイミングを決定する。例えば、間隔決定部160は、制御部170によって提示内容が既に提示されている状態である場合には、現在提示されている提示内容が提示されてから、ステップS150で選択された、制御部170が次に提示する提示内容を提示するまでの時間間隔を決定する。間隔決定部160は、制御部170によって提示内容がまだ提示されていない状態である場合には、ステップS150で選択された、制御部170が次に提示する提示内容をすぐに提示すると決定してもよい。
【0191】
次に、制御部170は、ステップS150で第2選択部150が選択した1以上の提示内容を、ステップS160で間隔決定部160が決定したタイミングでユーザに提示する(S170)。また、ステップS170が実行されると、処理がステップS110に戻される。
【0192】
なお、制御部170によって1以上の提示内容が提示されている状態で、ステップS120でNoと判定された場合、制御部170は、当該1以上の提示内容の提示を止めてもよい。
【0193】
[まとめ]
以上説明したように、実施の形態に係る覚醒支援装置100は、車両300内のユーザに集中を促すことでユーザの覚醒を促すための覚醒支援装置であって、ユーザが促される集中の種別が互いに異なる提示内容が対応付けられた複数のカテゴリの中から1つのカテゴリを選択する第1選択部140と、第1選択部140が選択した1つのカテゴリに対応付けられた複数の提示内容の中から1以上の提示内容を選択する第2選択部150と、第2選択部150が選択した1以上の提示内容をユーザに提示する制御部170と、備える。
【0194】
これによれば、ユーザは、当該ユーザが促される集中の種別が互いに異なる提示内容の中から覚醒支援装置100によって適宜選択された提示内容によって集中が促されることで、覚醒が促される。眠気を覚醒させる方法としては、ユーザの注意および/または集中を促す方法(例えば、危険個所への注意誘導)がある。ここで、慣れの影響により、ユーザに集中させ続けることは、継続が難しい。これは、脳の疲労が関連していると言われている。そこで、覚醒支援装置100は、複数の種別の集中を切り替えながらユーザに促す。例えば、複数の種別の集中を切り替えながらユーザに促すことで、ユーザの脳で用いられる部位が切り替えられ、脳の疲労が抑制され得る。これにより、覚醒支援装置100は、ユーザに集中を維持させることができる。したがって、覚醒支援装置100によれば、ユーザが覚醒されにくくなることを抑制できる。
【0195】
なお、集中のモードによって活動状態になる脳の部位が異なることを示す例としては、上記非特許文献1がある。非特許文献1に記載されているように、集中のモードによって活発に活動する部位と活動しない部位とが変化することが知られており、本開示は、このような脳の働きを利用したものである。
【0196】
また、提示内容が提示される時間間隔(つまり、提示頻度)は、一定時間ごとであってもよいし、提示内容ごとに定められていてもよいし、車両300の運転操作の頻度、車両300が走行する道路の交通量の大小、車両300が走行する場所が市街地または高速道路であるか否かなどの条件に基づいて決定されてもよいし、ユーザの眠気レベルに基づいて決定されてもよい。
【0197】
運転操作の頻度は、例えば、CAN(Control Area Network)などを介して得られる車両300の速度などの走行状態を示すに関するログ情報、または、車両300の外部に配置された車両300を検出するミリ波レーダの検出結果などに基づいて決定されてもよい。例えば、これらの情報に基づいて決定された操作頻度が所定の閾値以上であるか否か、または、単位時間当たりの変化量が所定の閾値以上であるか否かに基づいて、運転操作の頻度が多いか少ないかが判定されてもよい。
【0198】
例えば、覚醒支援装置100は、ユーザの状態を検出する状態センサ(本実施の形態では、撮影装置210)の検出結果を示す状態情報に基づいて、ユーザの眠気の程度を示す眠気レベルを推定する眠気推定部120を更に備えてもよい。
【0199】
また、提示内容を提示するタイミング、および、提示内容を変更するタイミングは、眠気レベルに基づいて決定されてもよいし、提示が一定回数されるごとであってもよいし、一定時間ごとであってもよい。
【0200】
また、カテゴリの変更は、第1カテゴリ~第4カテゴリの中で任意でよい。例えば、車両300の運転操作の頻度または車両300が走行している道路の交通量が多いときには第1カテゴリが選択されるなど、所定の条件に基づいてカテゴリが選択されてよい。
【0201】
また、提示装置200がディスプレイの場合には、運転に関する提示内容以外は車両300が停車時に提示内容が提示されるなど、提示内容を提示する提示態様(画像または音など)に基づいて提示内容を提示するタイミングが決定されてもよい。
【0202】
また、例えば、本開示は、コンピュータによって実行される覚醒支援方法として実現されてもよい。具体的には、本開示に係る覚醒支援方法は、車両300内のユーザに集中を促すことでユーザの覚醒を促すための覚醒支援方法であって、ユーザが促される集中の種別が互いに異なる提示内容が対応付けられた複数のカテゴリの中から1つのカテゴリを選択する第1選択ステップ(S140)と、第1選択ステップで選択された1つのカテゴリに対応付けられた複数の提示内容の中から1以上の提示内容を選択する第2選択ステップ(S150)と、第2選択ステップで選択された1以上の提示内容をユーザに提示する制御ステップ(S170)と、含む。
【0203】
これによれば、覚醒支援装置100と同様の効果を奏する。
【0204】
なお、本開示は、上記覚醒支援方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現されてもよい。また、本開示は、そのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能なCD-ROMなどの非一時的な記録媒体として実現されてもよい。また、本開示は、そのプログラムを示す情報、データまたは信号として実現されてもよい。そして、それらプログラム、情報、データおよび信号は、インターネットなどの通信ネットワークを介して配信されてもよい。
【0205】
(その他の実施の形態)
以上、1つまたは複数の態様に係る覚醒支援装置などについて、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、および、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
【0206】
例えば、上記実施の形態で説明した覚醒支援装置100と撮影装置210および周囲環境センサ220との通信方法については特に限定されるものではない。装置間で無線通信が行われる場合、無線通信の方式(通信規格)は、例えば、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、または、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信である。或いは、無線通信の方式(通信規格)は、インターネットなどの広域通信ネットワークを介した通信でもよい。また、装置間においては、無線通信に代えて、有線通信が行われてもよい。有線通信は、具体的には、電力線搬送通信(PLC:Power Line Communication)または有線LANを用いた通信などである。
【0207】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよく、或いは、複数の処理が並行して実行されてもよい。また、覚醒支援装置100が備える構成要素の複数の装置への振り分けてもよい。例えば、一の装置が備える構成要素を他の装置が備えてもよい。
【0208】
例えば、上記実施の形態において説明した処理は、単一の装置(システム)を用いて集中処理することによって実現してもよく、または、複数の装置を用いて分散処理することによって実現してもよい。また、上記プログラムを実行するプロセッサは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、または分散処理を行ってもよい。
【0209】
また、上記実施の形態において、覚醒支援装置100が備える処理部の構成要素の全部または一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、或いは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)またはプロセッサなどのプログラム実行部が、HDDまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0210】
また、覚醒支援装置100が備える処理部の構成要素は、1つまたは複数の電子回路で構成されてもよい。1つまたは複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0211】
1つまたは複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)またはLSI(Large Scale Integration)などが含まれてもよい。ICまたはLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、ICまたはLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、または、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
【0212】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0213】
本開示は、ユーザの覚醒を促す覚醒支援装置として利用できる。
【符号の説明】
【0214】
100 覚醒支援装置
110 取得部
120 眠気推定部
130 提示決定部
140 第1選択部
150 第2選択部
160 間隔決定部
170 制御部
180 記憶部
181 提示情報
200 提示装置
210 撮影装置
220 周囲環境センサ
300 車両