(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147615
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】測定装置、測定システム及び測定方法
(51)【国際特許分類】
G01R 27/26 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
G01R27/26 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055210
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】北村 英則
(72)【発明者】
【氏名】寒川 潮
【テーマコード(参考)】
2G028
【Fターム(参考)】
2G028AA01
2G028BB05
2G028BC03
2G028BC04
2G028BC05
2G028BD03
2G028CG09
2G028CG10
2G028CG13
2G028CG14
2G028DH15
(57)【要約】
【課題】測定対象物の誘電特性を広帯域で精度良く測定する。
【解決手段】測定装置10は、第1誘電体層130と、第1誘電体層130上に配置される第1グランド層121及び第2グランド層122と、第1グランド層121と第2グランド層122との間で、各々と間隔を空けて配置されたリング状の伝送線路110と、を備える。第1誘電体層130は、平面視において伝送線路110と重なる位置に設けられ、測定対象物を配置するためのキャビティ131を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1誘電体層と、
前記第1誘電体層上に配置される第1グランド層及び第2グランド層と、
前記第1グランド層と前記第2グランド層との間で、各々と間隔を空けて配置されたリング状の伝送線路と、を備え、
前記第1誘電体層は、平面視において前記伝送線路と重なる位置に設けられ、測定対象物を配置するための間隙を有する、
測定装置。
【請求項2】
前記伝送線路の線幅は、前記間隙の幅より狭い、
請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記伝送線路は、円形リング状である、
請求項1又は2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記第1誘電体層は、樹脂、ガラス及びLTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)のうちの少なくとも1つの材料を含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項5】
前記伝送線路上に配置された第2誘電体層と、
前記第2誘電体層上に配置された、前記伝送線路に給電するための一対の給電端子と、を備える、
請求項1~4のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項6】
前記第2誘電体層を貫通し、前記第1グランド層と前記第2グランド層とを電気的に接続する複数のグランド端子を備える、
請求項5に記載の測定装置。
【請求項7】
前記複数のグランド端子は、前記伝送線路が形成するリングの中心を挟んで対称に配置されている、
請求項6に記載の測定装置。
【請求項8】
前記伝送線路に所定の周波数の高周波信号を供給することで、前記伝送線路の伝送特性を測定する測定器を備える、
請求項1~7のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項9】
前記測定対象物は、粉体である、
請求項1~8のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の測定装置と、
前記伝送線路の伝送特性に基づいて、前記測定対象物の比誘電率を算出する演算回路と、を備える、
測定システム。
【請求項11】
誘電体層と、前記誘電体層上に配置される第1グランド層及び第2グランド層と、前記第1グランド層と前記第2グランド層との間で、各々と間隔を空けて配置されたリング状の伝送線路と、を備える共振器における前記誘電体層の、平面視において前記伝送線路と重なる位置に設けられた間隙に測定対象物を配置するステップと、
前記伝送線路に所定の周波数の高周波信号を供給することで、前記伝送線路の伝送特性を測定するステップと、
前記伝送特性と前記測定対象物の前記間隙に対する充填率とに基づいて、前記測定対象物の比誘電率を算出するステップと、を含む、
測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、測定装置、測定システム及び測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、一対の電極が配置された容器内に粉体を入れて、一対の電極間に電圧を印加して粉体と空気との複合系の見かけの比誘電率を測定する測定方法が開示されている。当該測定方法では、測定した見かけの比誘電率を用いて、対数混合則またはリヒトネッカロータの式に基づいて粉体の比誘電率を求める。
【0003】
特許文献2には、空洞共振器内に封入した誘電体の複素誘電率の測定方法が開示されている。当該測定方法では、空洞共振器に電磁波を入力し、空洞共振器から出力された電磁波を測定し、測定した電磁波を基に複素誘電率を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6-138076号公報
【特許文献2】特開2005-62152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の測定方法では、測定精度が低く、測定周波数の帯域が狭いという問題がある。
【0006】
そこで、本開示は、測定対象物の誘電特性を広帯域で精度良く測定することができる測定方法などを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る測定装置は、第1誘電体層と、前記第1誘電体層上に配置される第1グランド層及び第2グランド層と、前記第1グランド層と前記第2グランド層との間で、各々と間隔を空けて配置されたリング状の伝送線路と、を備える。前記第1誘電体層は、平面視において前記伝送線路と重なる位置に設けられ、測定対象物を配置するための間隙を有する。
【0008】
本開示の一態様に係る測定システムは、上記一態様に係る測定装置と、前記伝送線路の伝送特性に基づいて、前記測定対象物の比誘電率を算出する演算回路と、を備える。
【0009】
本開示の一態様に係る測定方法は、誘電体層と、前記誘電体層上に配置される第1グランド層及び第2グランド層と、前記第1グランド層と前記第2グランド層との間で、各々と間隔を空けて配置されたリング状の伝送線路と、を備える共振器における前記誘電体層の、平面視において前記伝送線路と重なる位置に設けられた間隙に測定対象物を配置するステップと、前記伝送線路に所定の周波数の高周波信号を供給することで、前記伝送線路の伝送特性を測定するステップと、前記伝送特性と前記測定対象物の前記間隙に対する充填率とに基づいて、前記測定対象物の比誘電率を算出するステップと、を含む。
【0010】
また、本開示の一態様は、上記測定方法をコンピュータに実行させるプログラムとして実現することができる。あるいは、本開示の一態様は、当該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現することもできる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、測定対象物の誘電特性を広帯域で精度良く測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る測定システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る共振器の断面図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る共振器の平面図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る共振器の、
図2のIV-IV線における断面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る共振器の、
図2のV-V線における断面図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る測定システムの動作を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施の形態に係る測定システムによって測定された伝送線路の伝送特性の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施の形態に係る測定システムによって測定された伝送線路の伝送特性の一部を拡大して示す拡大図である。
【
図9】
図9は、空間率と見かけ上の比誘電率との関係を示す図である。
【
図10】
図10は、周波数と比誘電率との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(本開示の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した従来の測定方法に関し、以下の問題が生じることを見出した。
【0014】
特許文献1に開示された測定方法では、測定周波数として1MHz程度の低い周波数を想定している。近年では、測定周波数の帯域の広帯域化が求められる。
【0015】
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、高い周波数帯域(例えば、ミリ波帯域)では、多測定周波数に対して電極サイズが大きくなるため、各共振モードのQ値の算出精度が低下し、誘電率の測定が難しい。また、高い周波数帯域では、測定周波数に対してフリンジ効果により測定誤差が大きくなるという問題がある。
【0016】
特許文献2に開示された方法では、空洞共振器の共振モードのうちTE011モードとTM111モードとの分離ができたとしても、高次のモードが縮退することがあり、広い周波数帯域での測定が難しい。
【0017】
そこで、本開示では、測定対象物の誘電特性を広帯域で精度良く測定することができる測定装置などを提供する。
【0018】
本開示の一態様に係る測定装置は、第1誘電体層と、前記第1誘電体層上に配置される第1グランド層及び第2グランド層と、前記第1グランド層と前記第2グランド層との間で、各々と間隔を空けて配置されたリング状の伝送線路と、を備える。前記第1誘電体層は、平面視において前記伝送線路と重なる位置に設けられ、測定対象物を配置するための間隙を有する。
【0019】
これにより、リング状の伝送線路をコプレーナ線路で構成することにより、コプレーナ線路間の間隔に電界が集中する。すなわち、伝送線路の近傍に電磁界が集中するため、当該伝送線路に平面視で重なる位置に設けられた間隙に入れられた測定対象物が伝送特性に大きな影響を与えることができる。このため、伝送特性を測定して評価することにより、測定対象物の誘電特性を精度良く算出することができる。また、リング状の伝送線路を利用することにより、共振を発生させる周波数帯域の広帯域化を実現することができる。
【0020】
また、例えば、前記伝送線路の線幅は、前記間隙の幅より狭くてもよい。
【0021】
これにより、伝送線路の周囲に多くの測定対象物を配置することができるので、測定対象物が伝送特性に与える影響をより大きくすることができる。このため、伝送特性を測定して評価することにより、測定対象物の誘電特性をより精度良く算出することができる。
【0022】
また、例えば、前記伝送線路は、円形リング状であってもよい。
【0023】
これにより、円形の伝送線路の中心軸を対称軸として、電磁界分布の境界条件を明確に定義することができる。このため、共振を伝送線路の面内で均一に発生させることができる。このため、伝送特性の実測値の評価結果の精度が向上するので、測定対象物の誘電特性をより精度良く算出することができる。
【0024】
また、例えば、前記第1誘電体層は、樹脂、ガラス及びLTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)のうちの少なくとも1つの材料を含んでもよい。
【0025】
リング状の伝送線路の形状に合わせた間隙を精度良く作成することにより、測定対象物の充填率を精度良く算出することができる。よって、測定対象物の誘電特性をより精度良く算出することができる。
【0026】
また、例えば、本開示の一態様に係る測定装置は、前記伝送線路上に配置された第2誘電体層と、前記第2誘電体層上に配置された、前記伝送線路に給電するための一対の給電端子と、を備えてもよい。
【0027】
例えばコプレーナ線路で構成されたリング状の伝送線路に対して、一対の給電端子を介してカップリングにより給電を行う。
【0028】
また、例えば、本開示の一態様に係る測定装置は、前記第2誘電体層を貫通し、前記第1グランド層と前記第2グランド層とを電気的に接続する複数のグランド端子を備えてもよい。
【0029】
これにより、伝送線路の両側のグランド層を複数箇所で電気的に接続することができるので、これらのグランド電位を安定させることができる。このため、伝送特性の実測値の評価結果の精度が向上するので、測定対象物の誘電特性をより精度良く算出することができる。
【0030】
また、例えば、前記複数のグランド端子は、前記伝送線路が形成するリングの中心を挟んで対称に配置されていてもよい。
【0031】
これにより、伝送線路の両側のグランド層の電位のばらつきを減らすことができる。このため、伝送特性の実測値の評価結果の精度が向上するので、測定対象物の誘電特性をより精度良く算出することができる。
【0032】
また、例えば、本開示の一態様に係る測定装置は、前記伝送線路に所定の周波数の高周波信号を供給することで、前記伝送線路の伝送特性を測定する測定器を備えてもよい。
【0033】
これにより、リング状の伝送路を含む共振器と測定器とを一体化することができる。
【0034】
また、例えば、前記測定対象物は、粉体であってもよい。
【0035】
これにより、粉体の誘電特性を算出することができる。
【0036】
また、本開示の一態様に係る測定システムは、上記一態様に係る測定装置と、前記伝送線路の伝送特性に基づいて、前記測定対象物の比誘電率を算出する演算回路と、を備える。
【0037】
これにより、上述した測定装置と同様に、測定対象物の誘電特性を広帯域で精度良く測定することができる。
【0038】
また、本開示の一態様に係る測定方法は、誘電体層と、前記誘電体層上に配置される第1グランド層及び第2グランド層と、前記第1グランド層と前記第2グランド層との間で、各々と間隔を空けて配置されたリング状の伝送線路と、を備える共振器における前記誘電体層の、平面視において前記伝送線路と重なる位置に設けられた間隙に測定対象物を配置するステップと、前記伝送線路に所定の周波数の高周波信号を供給することで、前記伝送線路の伝送特性を測定するステップと、前記伝送特性と前記測定対象物の前記間隙に対する充填率とに基づいて、前記測定対象物の比誘電率を算出するステップと、を含む。
【0039】
これにより、上述した測定装置と同様に、測定対象物の誘電特性を広帯域で精度良く測定することができる。
【0040】
以下では、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0041】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0042】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0043】
また、本明細書において、平行又は垂直などの要素間の関係性を示す用語、及び、円形又は円環などの要素の形状を示す用語、並びに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
【0044】
(実施の形態)
[1.構成]
まず、実施の形態に係る測定システムの構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る測定システム1の構成を示す図である。
【0045】
図1に示される測定システム1は、測定対象物の誘電特性を算出するためのシステムである。測定対象物は、例えば粉体である。誘電特性は、誘電率及び誘電正接の一方である。
【0046】
図1に示されるように、測定システム1は、測定装置10と、演算回路20と、を備える。
【0047】
測定装置10は、共振器100と、ネットワークアナライザ101と、を備える。
【0048】
共振器100は、測定対象物を収容する容器(治具)としても機能する。共振器100の具体的な構成は、後で説明する。
【0049】
ネットワークアナライザ101は、共振器100が有する伝送線路110(
図2を参照)に所定の周波数の高周波信号を供給することで、伝送線路110の伝送特性を測定する測定器の一例である。ネットワークアナライザ101は、例えば、高周波信号を発生させて出力する高周波信号発生器と、伝送線路110の伝送特性を検出する検波機器と、を含む。
【0050】
演算回路20は、伝送線路110の伝送特性に基づいて、測定対象物の誘電率及び誘電正接の少なくとも一方を算出する。具体的な算出方法については、後で説明する。
【0051】
演算回路20は、例えば、集積回路(IC)であるLSI(Large Scale Integration)によって実現される。なお、集積回路は、LSIに限られず、専用回路又は汎用プロセッサであってもよい。例えば、演算回路20は、1又は複数のマイクロコントローラであってもよい。マイクロコントローラは、例えば、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどを含んでいる。また、演算回路20は、プログラム可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又は、LSI内の回路セルの接続及び設定が再構成可能なリコンフィギュラブルプロセッサであってもよい。演算回路20が実行する機能は、ソフトウェアで実現されてもよく、ハードウェアで実現されてもよい。
【0052】
[2.共振器の構造]
次に、共振器100の構造について、
図2~
図5を用いて説明する。
【0053】
図2、
図4及び
図5はそれぞれ、本実施の形態に係る共振器100の断面図である。
図3は、本実施の形態に係る共振器100の平面図である。
図2は、
図3~
図5のII-II線における断面を表している。
図4は、
図2のIV-IV線における断面を表している。
図5は、
図2のV-V線における断面を表している。
【0054】
図2に示されるように、共振器100は、伝送線路110と、第1グランド層121と、第2グランド層122と、第1誘電体層130と、第2誘電体層140と、第3誘電体層150と、給電端子161及び162と、を備える。また、
図3に示されるように、共振器100は、複数のグランド端子170を備える。
【0055】
伝送線路110は、第1グランド層121と第2グランド層122との間で、各々と間隔を空けて配置されている。伝送線路110は、第1グランド層121と第2グランド層122と同層(
図2のIV-IVで表される直線が通る位置)に位置している。
【0056】
伝送線路110は、リング状の伝送線路である。具体的には、
図4に示されるように、伝送線路110は、円形リング状である。伝送線路110の幅(線幅)は、周方向に沿って均一である。
【0057】
伝送線路110の長さ(円周)をL1とすると、共振周波数fは、以下の式(1)で表される。なお、伝送線路110の長さL1は、共振器長であり、共振波長λの整数倍とみなすことができるので、L1=mλで表すことができる。なお、mは整数である。
【0058】
【0059】
式(1)において、νは伝送線路110を伝搬する信号の速度である。cは光速である。εrefは実効誘電率である。実効誘電率が3.1である場合、周波数が79GHzの測定を行うためには、式(1)から伝送線路110の長さL1は、2.16mm以上必要であることが分かる。伝送線路110の長さL1を長くすることにより、低い周波数帯域から高い周波数帯域まで共振を発生させることができ、誘電特性の測定を行うことができる。
【0060】
第1グランド層121及び第2グランド層122は、第1誘電体層130上に配置される。第1グランド層121は、平面視において、伝送線路110より内側に位置し、伝送線路110と一定の間隔を空けて配置されている。第1グランド層121の平面視形状は、円形である。第2グランド層122は、平面視において、伝送線路110より外側に位置し、伝送線路110と一定の間隔を空けて配置されている。第2グランド層122の平面視形状は、所定の幅の円環形状である。第1グランド層121と伝送線路110との間隔(隙間の線幅)は、周方向に沿って均一である。第2グランド層122と伝送線路110との間隔(隙間の線幅)は、周方向に沿って均一である。これらの2つの線幅は、互いに等しい。
【0061】
伝送線路110、第1グランド層121及び第2グランド層122は、導電材料を用いて形成される。導電材料は、例えば、銅などの金属材料である。伝送線路110、第1グランド層121及び第2グランド層122は、同じ材料を用いて形成することができる。例えば、1枚の銅箔を第2誘電体層140の主面に貼り付けた後、二重リング形状の部分を除去することによって、伝送線路110、第1グランド層121及び第2グランド層122を形成することができる。除去は、例えばエッチングであるが、特に限定されない。また、銅箔を貼り付ける代わりに、蒸着、スパッタリング、メッキなどで金属薄膜を第2誘電体層140の主面に形成してもよい。伝送線路110の厚みは、共振周波数の表皮深さd0以上の厚さである。なお、表皮深さd0は、以下の式(2)で表される。
【0062】
【0063】
式(2)において、πは円周率である。fは共振周波数である。μは伝送線路110の透磁率である。σは伝送線路110の導電率である。例えば、伝送線路110が銅を用いて形成されている場合、σは5.9×107S/mになる。伝送線路110の厚みは、表皮深さd0より十分に厚く形成されることで、伝送線路110の厚みのばらつきによる測定誤差の増大を抑制することができる。例えば、伝送線路110、第1グランド層121及び第2グランド層122の厚みは、互いに同じであり、一例として周波数が79GHzの場合、1μm以上である。
【0064】
第1誘電体層130は、測定対象物を配置するための間隙(具体的にはキャビティ131)を有する。キャビティ131は、平面視において、伝送線路110と重なる位置に設けられている。具体的には、
図5に示されるように、キャビティ131は、円形リング状である。キャビティ131の幅(線幅)は、伝送線路110の線幅よりも広い。伝送線路110は、キャビティ131と隣接して配置されている。伝送線路110と第1誘電体層130とは接していない。キャビティ131の深さ、すなわち、第1誘電体層130の厚さは、伝送線路110の厚さより大きい。
【0065】
第1誘電体層130は、誘電材料を用いて形成されている。具体的には、第1誘電体層130は、樹脂、ガラス及びLTCCのうちの少なくとも1つの材料を含む。第1誘電体層130の比誘電率及び誘電正接は、既知の値である。
【0066】
第1誘電体層130の平面視における外形は、例えば円形である。例えば、第1誘電体層130の外周と第2グランド層122の外周とは平面視で一致している。第1誘電体層130は、第1グランド層121及び第2グランド層122に固定されている。これにより、キャビティ131と伝送線路110との位置関係のずれを抑制することができる。
【0067】
本実施の形態では、第1グランド層121と伝送線路110との隙間、及び、第2グランド層122と伝送線路110との隙間にはそれぞれ、誘電体層132が隙間を埋めるように配置されている。誘電体層132が隙間を埋めることによって、伝送線路110と第1グランド層121又は第2グランド層122との間隔を一定に保つことができる。キャビティ131に測定対象物を配置する際の衝撃などによって伝送線路110と第1グランド層121又は第2グランド層122との間隔が変わるのを誘電体層132によって抑制することができる。また、誘電体層132が設けられていることによって、伝送線路110と第1グランド層121又は第2グランド層122との隙間に測定対象物が入り込むのを抑制することもできる。
【0068】
誘電体層132は、第1誘電体層130と同じ材料を用いて形成される。例えば、第2誘電体層140の主面に伝送線路110、第1グランド層121及び第2グランド層122を形成した後、誘電材料を所定の厚みで成膜する。これにより、伝送線路110の両側の隙間に誘電材料が充填されて誘電体層132を形成することができる。その後、誘電材料の一部を伝送線路110の形状に沿って除去することにより、キャビティ131を有する第1誘電体層130を形成することができる。なお、誘電体層132の比誘電率及び誘電正接は既知である。誘電体層132と第1誘電体層130とは異なる材料を用いて形成されていてもよい。
【0069】
第2誘電体層140は、伝送線路110上に配置されている。第2誘電体層140は、伝送線路110、第1グランド層121及び第2グランド層122の支持基板である。
【0070】
第2誘電体層140は、誘電材料を用いて形成されている。具体的には、第2誘電体層140は、樹脂、ガラス及びLTCCのうちの少なくとも1つの材料を含む。例えば、第2誘電体層140は、第1誘電体層130と同じ材料を用いて形成されていてもよい。第2誘電体層140の比誘電率及び誘電正接は既知である。
【0071】
第3誘電体層150は、キャビティ131を覆うカバー部材である。第3誘電体層150は、第2誘電体層140に対して着脱自在である。第3誘電体層150を取り外した状態でキャビティ131に測定対象物を配置した後、キャビティ131を覆うように第3誘電体層150を第1誘電体層130に固定する。固定は、例えば、図示しないクランプ部材又はネジなどによって行われるが、特に限定されない。
【0072】
第3誘電体層150は、誘電材料を用いて形成されている。具体的には、第3誘電体層150は、樹脂、ガラス及びLTCCのうちの少なくとも1つの材料を含む。例えば、第3誘電体層150は、第1誘電体層130と同じ材料を用いて形成されていてもよい。第3誘電体層150の比誘電率及び誘電正接は既知である。第3誘電体層150の比誘電率が小さくて、かつ、厚みを薄くすることにより、伝送線路110の伝送特性へ与える影響を小さくすることができる。
【0073】
給電端子161及び162は、第2誘電体層140上に配置された、伝送線路110に給電するための一対の給電端子である。また、給電端子161及び162は、伝送線路110の伝送特性を検出する検出端子としても機能する。
【0074】
給電端子161及び162はそれぞれ、平面視において伝送線路110に重なる位置に配置されている。例えば、
図3に示されるように、給電端子161及び162は、平面視において、伝送線路110が形成するリングの中心を挟んで配置されている。つまり、給電端子161及び162は、リングの中心を通る直線(
図3のII-II線)上に配置されている。
【0075】
給電端子161及び162は、伝送線路110には電気的に接続されている。例えば、給電端子161及び162は、伝送線路110と電磁界結合(カップリング)している。給電端子161及び162はそれぞれ、ネットワークアナライザ101に接続されている。給電端子161及び162は、ネットワークアナライザ101から供給される高周波信号をカップリングによって伝送線路110に供給する。これにより、伝送線路110(共振器100)を励振させることができる。
【0076】
グランド端子170は、第2誘電体層140を貫通し、第1グランド層121と第2グランド層122とを電気的に接続する。複数のグランド端子170は、例えば、伝送線路110が形成するリングの中心を挟んで対象に配置されている。具体的には、複数のグランド端子170は、給電端子161と給電端子162との中心を通る法線を対称軸として線対称に配置されている。
図3に示される例では、4つのグランド端子170が、給電端子161と給電端子162を結ぶ直線の中心を通る法線を対称軸として、線対称になるように配置されている。なお、グランド端子170の個数は、特に限定されない。
【0077】
[3.動作]
続いて、本実施の形態に係る測定システム1の動作(測定方法)について、
図6を用いて説明する。
図6は、本実施の形態に係る測定システム1の動作を示すフローチャートである。
【0078】
図6に示されるように、まずは、キャビティ131に測定対象物を配置する(S10)。測定対象物は、例えば粉体であるが、その粒径は伝送線路110に比べて十分に小さい。一例として、粉体の粒径は伝送線路110の線幅の1/100以下である。
【0079】
次に、ネットワークアナライザ101は、伝送線路110の伝送特性を測定する(S12)。具体的には、ネットワークアナライザ101は、給電端子161及び162を介して伝送線路110に高周波信号を供給して、伝送線路110の伝送特性を測定する。例えば、高周波信号の周波数を所定の周波数帯域内でスキャンすることにより、
図7及び
図8に示されるような伝送特性を得ることができる。
【0080】
図7は、本実施の形態に係る測定システム1によって測定された伝送線路110の伝送特性の一例を示す図である。
図8は、本実施の形態に係る測定システム1によって測定された伝送線路110の伝送特性の一例を拡大して示す拡大図である。
図7及び
図8において、横軸は、伝送線路110に供給される高周波信号の周波数を表し、縦軸は伝送線路110の電力通過特性を表している。
図7は、0GHz以上60GHz以下の周波数帯域を表している。
図8は、5.0GHz以上7.0以上の周波数帯域を表している。また、
図7では、実線が実測値を表しており、破線はシミュレーション結果を表している。
【0081】
図7に示されるように、伝送特性では、所定の周波数間隔で共振によるピークが存在する。得られた伝送特性は、ネットワークアナライザ101から演算回路20に出力される。
【0082】
次に、
図6に示されるように、演算回路20が共振周波数及びQ値(無負荷Q値)を算出する(S14)。共振周波数及びQ値は、ピーク毎に算出される。共振周波数は、ピークの極大値に対応する周波数である。Q値は、以下の式(3)で表される。
【0083】
【0084】
式(3)において、fは共振周波数である。Δfは電力半値幅である。ILは、挿入損失である。
【0085】
次に、演算回路20は、見かけ上の測定対象物の誘電特性を算出する(S16)。具体的には、演算回路20は、電磁界解析(電磁界シミュレータ)により、共振周波数及びQ値を算出し、伝送特性の実測値に合うように最適化する。例えば、
図7のピーク毎に、シミュレーション結果(破線)を実測値にフィッティングさせてシミュレーションのパラメータの最適化を行う。これにより、測定対象物の比誘電率及び誘電正接の少なくとも一方を算出する。なお、電磁界解析には、共振器100の構造及び材料の物性値が必要であり、これらは既知の値である。具体的には、伝送線路110の大きさ(線幅、直径)及び形状、キャビティ131の大きさ(幅、高さ、直径)及び形状、並びに、第1誘電体層130、第2誘電体層140及び第3誘電体層150の各々の大きさ、形状及び材料の物性値(比誘電率)などが電磁界解析に利用される。
【0086】
次に、演算回路20は、見かけ上の測定対象物の誘電特性と、測定対象物のキャビティ131に対する充填率とから、測定対象物の誘電特性を算出する(S18)。
【0087】
図9は、空間率と見かけ上の比誘電率との関係を示す図である。
図9において、横軸は空間率を表し、縦軸は見かけ上の比誘電率を表している。なお、空間率は、キャビティ131に占める空気の体積率(体積割合)であり、1-充填率で表される。すなわち、空間率100%は、キャビティ131には何も充填されていないことを意味する。このため、見かけ上の比誘電率は、空気の比誘電率である1.0に一致する。
【0088】
図9では、空間率が37.6%、51.4%、60.4%の場合の3点について実測値を丸印のプロットで表している。各々の見かけ上の比誘電率は、1.788、1.573、1.405であった。なお、実測値は、
図7に示される複数のピークのうち、最も低いピークでの評価結果である。
【0089】
図9に示されるように、空間率が減少するにつれて、すなわち、充填率が上昇するにつれて、見かけ上の比誘電率が高くなる。見かけ上の比誘電率は、キャビティ131に配置された測定対象物の比誘電率の影響を受けて変化していることが分かる。また、その変化は、充填率(空間率)に依存することが分かる。
【0090】
充填率は、測定対象物の比重と、測定対象物の重さと、キャビティ131の体積とに基づいて算出される。具体的には、演算回路20は、以下の式(4)に基づいて充填率を算出する。
【0091】
(4) 充填率=(測定対象物の重さ)÷(測定対象物の比重)÷(キャビティ131の体積)
【0092】
測定対象物の重さは、実測により得られる。例えば、測定対象物をキャビティ131に配置する前の共振器100の重さの実測値と、測定対象物をキャビティ131に配置した後の共振器100の重さの実測値との差分により、測定対象物の重さが得られる。測定対象物の比重、及び、キャビティ131の体積はそれぞれ、事前に計測されるなどによって既知の値である。
【0093】
演算回路20は、例えば、体積分率、対数混合則(Richtnekerの式)、Maxwell-Garnettの式、Rayleighの式などに基づいて、見かけ上の測定対象物の誘電特性と充填率とから、測定対象物の誘電特性を算出する。例えば、以下のとおりに、各パラメータを定義する。
【0094】
見かけ上の比誘電率 :εs
測定対象物の比誘電率:εp
空気の比誘電率 :εa
測定対象物の充填率 :Φp
空気の体積率 :Φa
【0095】
なお、空気の体積率Φaは、キャビティ131内の空気が占める体積割合であり、1-Φpで表される。
【0096】
<体積分率>
まず、体積分率に基づいて比誘電率εpを算出する例を説明する。体積分率に従う手法では、以下の式(5)が成立する。
【0097】
(5) εs=Φpεp+Φaεa
【0098】
式(5)をεpについて解くと、以下の式(6)が得られる。
【0099】
(6) εp=[(εs-Φaεa)/Φp]
【0100】
εsは、実測により得られる値である。εaは1とみなすことができる。さらに、Φa及びΦpは、充填率を算出することによって得られる。したがって、式(6)から測定対象物の比誘電率εpを算出することができる。
【0101】
<対数混合則(Richtnekerの式)>
次に、対数混合則に基づいて比誘電率εpを算出する例を説明する。対数混合則に従う手法では、以下の式(7)が成立する。
【0102】
(7) Log(εs)=ΦpLog(εp)+ΦaLog(εa)
【0103】
式(7)をεpについて解くと、以下の式(8)が得られる。
【0104】
(8) εp=10^[(Log(εs)-ΦaLog(εa))/Φp]
【0105】
体積分率の場合と同様に、式(8)の右辺に含まれる各パラメータの値は、実測又は演算などによって得られる値であるので、式(8)から測定対象物の比誘電率εpを算出することができる。
【0106】
<Maxwell-Garnettの式>
次に、Maxwell-Garnettの式に基づいて比誘電率εpを算出する例を説明する。Maxwell-Garnettの式では、以下の式(9)で表される。
【0107】
【0108】
εaは1とみなすことができるので、式(9)は以下の式(10)として表すことができる。
【0109】
【0110】
εsは実測により得られる値であり、Φpは充填率の算出により得られる値である。したがって、式(10)を解くことにより、測定対象物の比誘電率εpを算出することができる。
【0111】
<Rayleighの式>
次に、Rayleighの式に基づいて比誘電率εpを算出する例を説明する。Rayleighの式は、以下の式(11)で表される。
【0112】
【0113】
式(11)において、ΣA及びΣBはそれぞれ、測定対象物(粉体)の充填構造により定まる定数である。εsは実測により得られる値であり、Φpは充填率の算出により得られる値である。したがって、式(11)を解くことにより、測定対象物の比誘電率εpを算出することができる。
【0114】
なお、比誘電率の算出は、上記の例には限定されず、例えば、Bruggmenの式が利用されてもよい。
【0115】
図10は、周波数と比誘電率との関係を示す図である。
図10において、横軸は高周波信号の周波数(測定周波数)を表し、縦軸は測定対象物の比誘電率を表している。
図10には、ピーク毎の評価結果、すなわち、算出された比誘電率を示している。多少のばらつきはあるものの、同じ算出手法で比較すると、各ピークにおいて概ね同じ値が得られていることが分かる。このように、低い周波数帯域から高い周波数帯域まで精度良く比誘電率が算出されていることが分かる。
【0116】
また、演算回路20は、測定対象物の誘電正接tanδpが算出できる。誘電正接tanδpは、見かけ上の誘電正接tanδsを利用して、上述した比誘電率εpと同様に算出することができる。例えば、体積分率に従う場合には、下記式(12)を利用することができる。
【0117】
(12) tanδs=Φptanδp+Φatanδa
【0118】
式(12)において、tanδaは空気の誘電正接である。したがって、測定対象物の誘電正接を算出することができる。ここでは、体積分率に従う例のみを示したが、他の式についても同様に誘電正接の算出に利用することができる。
【0119】
以上のように、本実施の形態に係る測定システム1によれば、共振器100を利用して、測定対象物の誘電特性を広帯域で精度良く測定することができる。伝送線路110の線路長が異なる共振器を用意する必要はなく、1つの共振器100のみで、すなわち、同一の治具(容器)で測定周波数の広帯域化が可能である。
【0120】
なお、測定システム1では、測定対象物の充填率を異ならせて、複数回の測定を行ってもよい。これにより、誘電特性の算出精度をさらに高めることができる。
【0121】
(他の実施の形態)
以上、1つ又は複数の態様に係る測定装置、測定システム及び測定方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、及び、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
【0122】
例えば、上記の実施の形態では、測定対象物が粉体である例を示したが、これに限定されない。測定対象物は、例えば、液体、ゲル状物質又は気体などであってもよい。
【0123】
また、上記実施の形態において、ネットワークアナライザ101又は演算回路20が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよく、あるいは、複数の処理が並行して実行されてもよい。また、測定システム1が備える構成要素の複数の装置への振り分けは、一例である。例えば、一の装置が備える構成要素を他の装置が備えてもよい。また、測定システム1は、単一の装置として実現されてもよい。
【0124】
例えば、上記実施の形態において説明した処理は、単一の装置(システム)を用いて集中処理することによって実現してもよく、又は、複数の装置を用いて分散処理することによって実現してもよい。また、上記プログラムを実行するプロセッサは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、又は分散処理を行ってもよい。
【0125】
また、上記実施の形態において、制御部などの構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、あるいは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサなどのプログラム実行部が、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0126】
また、本開示の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路又はコンピュータプログラムで実現されてもよい。あるいは、当該コンピュータプログラムが記憶された光学ディスク、HDD若しくは半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0127】
また、上記の各実施の形態は、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0128】
本開示は、例えば、測定装置などに利用することができる。
【符号の説明】
【0129】
1 測定システム
10 測定装置
20 演算回路
100 共振器
101 ネットワークアナライザ
110 伝送線路
121 第1グランド層
122 第2グランド層
130 第1誘電体層
131 キャビティ
132 誘電体層
140 第2誘電体層
150 第3誘電体層
161、162 給電端子
170 グランド端子