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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147632
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/00 20060101AFI20231005BHJP
   A63H 33/30 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
A63H33/00 A
A63H33/00 301Z
A63H33/30 H
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055260
(22)【出願日】2022-03-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】光石 よう子
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150BA41
2C150CA25
2C150DC02
2C150EH06
2C150EH16
2C150FB43
(57)【要約】
【課題】小型で物品供給装置にて供給可能な新規・且つ興趣性の高い玩具を提供する。
【解決手段】物品供給装置から供給可能な第1形態1Fと遊戯可能な第2形態2Fとに変化可能な玩具1であって、球型形状を成し、内部が中空に形成されている主部品10と、第1形態1Fにおいて主部品10内に収容されており、第2形態2Fにおいて主部品10への連結が可能に構成されている副部品20と、を備えており、主部品10は、第1主部品11と、第1主部品11に連結可能な第2主部品12とを含み、第1主部品11、及び第2主部品12には、各々の頂部11a,12aから各々の縁部11e,12eに向かって放射状に複数の長孔10hが形成されている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品供給装置から供給可能な第1形態と遊戯可能な第2形態とに変化可能な玩具であって、
球型形状を成し、内部が中空に形成されている主部品と、
前記第1形態において前記主部品内に収容されており、前記第2形態において前記主部品への連結が可能に構成されている副部品と、
を備えており、
前記主部品は、第1主部品と、前記第1主部品に連結可能な第2主部品とを含み、
前記第1主部品、及び前記第2主部品には、各々の頂部から各々の縁部に向かって放射状に複数の長孔が形成されている、
玩具。
【請求項2】
請求項1に記載の玩具であって、
さらに複数の遊戯部品を備え、
前記遊戯部品は、前記第1形態において前記主部品内に収容され、前記第2形態において前記主部品内から前記主部品外に放出可能である、
玩具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の玩具であって、
前記副部品は、前記第2形態において、前記主部品を回転可能に支持する台座部、及び前記主部品を回転駆動する操作部を含む、
玩具。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第1主部品、及び前記第2主部品は、各々、前記頂部及び前記縁部を繋ぐ複数のつなぎ部を含み、
前記つなぎ部は、第1種別のつなぎ部と第2種別のつなぎ部とを含む、
玩具。
【請求項5】
請求項4に記載の玩具であって、
前記つなぎ部は、その一方端部が前記頂部に接続され、その他方端部が前記縁部に接続されている、
玩具。
【請求項6】
請求項4または5に記載の玩具であって、
前記第1種別のつなぎ部の数は、前記第2種別のつなぎ部の数よりも多い、
玩具。
【請求項7】
請求項4~6の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第2種別のつなぎ部には、着色又は絵柄が施されている、
玩具。
【請求項8】
請求項4~7の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第2種別のつなぎ部は、前記第1種別のつなぎ部よりも太い、
玩具。
【請求項9】
請求項4~8の何れか一項に記載の玩具であって、
前記縁部は、環状の枠体を成しており、
前記第1主部品、及び前記第2主部品は、前記縁部同士を対面させることで連結可能に構成されている、
玩具。
【請求項10】
請求項9に記載の玩具であって、
前記第1主部品の縁部と前記第2主部品の縁部との連結は、前記第2種別のつなぎ部に設けられた連結部の嵌合にて行われている、
玩具。
【請求項11】
請求項1~10の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第1主部品の縁部と前記第2主部品の縁部との合わせ目には、前記第1主部品と前記第2主部品とが連結した状態において、溝部が形成されている、
玩具。
【請求項12】
請求項1~11の何れか一項に記載の玩具であって、
前記長孔は、各々が同一形状、及び同一サイズに形成されている、
玩具。
【請求項13】
請求項1~12の何れか一項に記載の玩具であって、
前記長孔は、前記縁部に近づくにつれて開口幅が幅広となるように形成されている、
玩具。
【請求項14】
請求項1~13の何れか一項に記載の玩具であって、
複数の遊戯部品を備え、
前記第1主部品、及び前記第2主部品には、各々の前記縁部の対面部位に形成されている第1の切り欠きにより第1の開口が形成されており、
前記第1の開口の内部には、前記第2形態において、前記第1の開口を開閉可能に動作すると共に前記遊戯部品を一つのみ保持可能な遊戯部品保持部が設けられている、
玩具。
【請求項15】
請求項14に記載の玩具であって、
前記遊戯部品保持部は、前記主部品の中心に向かって突出する第1壁部と、前記主部品の中心に向って突出し、第1壁部よりも突出量が小さい第2壁部とを備え、
前記第2壁部側から前記遊戯部品が前記主部品外に排出される、
玩具。
【請求項16】
請求項14または15に記載の玩具であって、
前記遊戯部品保持部は、前記主部品が回転したときに、前記遊戯部品を保持した状態で前記遊戯部品を前記主部品外に放出する、
玩具。
【請求項17】
請求項14~16の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第1主部品、及び前記第2主部品には、各々の前記縁部の対面部位に形成されている第2の切り欠きにより前記遊戯部品を前記主部品内に投入可能な第2の開口が形成されており、
前記第2の開口は、蓋部材により閉塞可能に構成されている、
玩具。
【請求項18】
請求項17に記載の玩具であって、
前記蓋部材は、前記第2形態において、前記第2の開口を開閉するように揺動可能に軸支され且つ前記第2の開口を閉塞状態に維持するように係止可能に設けられている、
玩具。
【請求項19】
請求項17又は18に記載の玩具であって、
前記第2の開口は、前記第1の開口よりも大きく形成されている、
玩具。
【請求項20】
請求項1~19の何れか一項に記載の玩具であって、
複数の遊戯部品を備え、
前記遊戯部品は、その最大径が前記長孔の最大幅よりも大きく構成されている、
玩具。
【請求項21】
請求項1~20の何れか一項に記載の玩具であって、
複数の遊戯部品を備え、
前記遊戯部品は、平坦面を含んでいる略球形に構成されている、
玩具。
【請求項22】
請求項21に記載の玩具であって、
前記遊戯部品は、前記第1形態において、全てランナーにて接続され一体化されている、
玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビンゴゲーム用の玩具として、例えば番号の付された球体(ボール)を振り出す振出器に関する提案がなされている(特許文献1)。この特許文献1に開示されたものは、振出器として球形の回転体を針金状の線材を用いて構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭62-20039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、ビンゴゲーム用の通常の振出器を針金状に構成しただけで、特に、興趣性を高めたようなものではない。本発明が提供しようとするものは、物品供給装置によって自動販売が可能な新規且つ興趣性の高いビンゴゲーム用の玩具である。
【0005】
本発明は、興趣性の高い玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、
物品供給装置から供給可能な第1形態と遊戯可能な第2形態とに変化可能な玩具であって、球型形状を成し、内部が中空に形成されている主部品と、第1形態において主部品内に収容されており、第2形態において主部品への連結が可能に構成されている副部品と、を備えており、主部品は、第1主部品と、第1主部品に連結可能な第2主部品とを含み、第1主部品、及び第2主部品には、各々の頂部から各々の縁部に向かって放射状に複数の長孔が形成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、物品供給装置にて供給可能な新規且つ興趣性の高い玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の玩具の第1形態の斜視図である。
図2】本発明の玩具の第2形態の斜視図である。
図3】主部品の分解状態における外面側を示す斜視図である。
図4】主部品の分解状態における内面側及び取り付け部品を示す斜視図である。
図5】副部品の分解状態を示す斜視図である。
図6】台座部を裏面側から見た分解斜視図である。
図7】台座部の組み立て方を示す斜視図である。
図8】主部品と副部品の組み立て方を示す斜視図である。
図9】第2形態の遊戯開始前の操作を示す斜視図である。
図10】遊戯部品を示し、(a)主部品から取り出した状態を示す正面図であり、(b)は、遊戯部品をランナーから取り外した状態の拡大斜視図である。
図11図2のA-A線に沿った部分の断面斜視図である。
図12図11の要部の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態である玩具について、図1図12を参照して説明する。
図1は、本発明の玩具1の第1形態1Fの斜視図である。
図1に示すように、玩具1は、玩具1の提供可能状態(梱包状態)の第1形態1Fにおいては、球型のカプセル形状を成している。玩具1の外殻を構成する球状の主部品10の外面には、透明なラッピングフィルム80によって覆われている。このように球形状に構成されていることで、玩具1は、転動し易く物品供給装置にて供給することができる。物品供給装置は、ラッピングフィルム80にて覆われている状態の玩具1をランダムな配置で複数収容可能な収容部と、収容部から一つずつ玩具1を無作為に選択して供給可能な供給部と、供給部をロックするロック部と、代価の支払いを条件としてロック部のロックを解除し供給部を回転すべく操作可能な操作部と、収容部から供給口へと玩具1を転動可能に通過させる通路部とを備えている。玩具1は、転動し易い形状としたことで、物品供給装置からの供給の際の分離や破損等を回避しつつ、ユーザの手元に供給可能な構成となっている。また、第1形態1Fにおいては、その内部空間には、副部品20が収容されている。副部品20は、第2形態2Fに組み立てる台座部30、操作部40(図2参照)を含んでいる。また、玩具の1の遊戯にて使用する遊戯部品70(図10参照)も内部空間に収容されている。
【0010】
図2は、玩具1の第2形態2Fの斜視図である。
第2形態2Fにおいては、主部品10が台座部30に回転可能に支持され、主部品10に連結した操作部40を回すことで主部品10を回転する。すなわち、主部品10内に遊戯部品70を入れて、当該遊戯部品70を一個ずつ排出して遊ぶ、ビンゴゲームとして使用する。主部品10は、例えば、第1主部品11と、第1主部品11に連結可能な第2主部品12とで構成されており、後述するように縁部11e,12e同士を突き合せるように連結して球状に構成される。
【0011】
図3は、主部品10の分解状態における外面側を示す斜視図である。
図3に示すように、半球形状の第1主部品11、及び第2主部品12は、例えば、頂部11a,12a及び縁部11e,12eを繋ぐ円弧形状の複数のつなぎ部13を有して、籠状に構成されている。すなわち、図1に示すように、各々の頂部11a,12aから各々の縁部11e,12eに向かって放射状に複数の長孔10hが形成されている。また、つなぎ部13は、その幅が細い第1種別のつなぎ部13aと、当該第1種別のつなぎ部13aよりも幅が広い(太い)第2種別のつなぎ部13bと、を有している。
【0012】
第1主部品11の頂部11aは、例えば、平坦な円形部11bと、円形部11bの中央で若干突出した頂凸部11cと、頂凸部11cに形成された例えば6角形の嵌合凹み11hと、を有している。また、円形部11bの外周面は、頂部11aの厚み部分の側端面部11beとして構成されている。また、第2主部品12の頂部12aは、平坦な円形部12bと、円形部12bの中央に円形の嵌合孔12hと、を有している。また、円形部12bの外周面は、頂部12aの厚み部分の側端面部12beとして構成されている。縁部11e,12eは、環状の枠体を成しており、第1主部品11と第2主部品12とを連結する部分として構成されている。
【0013】
つなぎ部13は、その一方端部が頂部11a,12aの側端面部11be,12beに接続され、一方端部とは反対側の他方端部が縁部11e,12eの側端面部11e,12eに接続されている。すなわち、頂部11a,12a、縁部11e,12e、及びつなぎ部13とは、略同じ球面上に配列され且つ略同じ厚みに構成されている。また、つなぎ部13間の間隔、すなわち、長孔10hの形状は、頂部11a,12a側から縁部11e,12e側に近づくのに伴って広がる同一形状であり、且つ同一サイズに構成されている。また、長孔10hの最大幅W1は、遊戯部品70の径W2(図12参照)よりも小さく構成されている。
【0014】
第2種別のつなぎ部13bは、例えば、3個程度の数で設けられている。この第2種別のつなぎ部13bに対して、第1種別のつなぎ部13aの数は、多数個設けられている。なお、幅広な第2種別のつなぎ部13bには、平面部分が広く(太く)構成されており、着色又は絵柄を施すのに都合が良い構成となっている。
【0015】
図4は、主部品10の分解状態における内面側及び取り付け部品を示す斜視図である。
第1主部品11、及び第2主部品12は、縁部11e,12e同士を対面させて連結可能に構成されているが、この連結状態においては、例えば、第1主部品11側の縁部11eの内側に、第2主部品12側の縁部12eが嵌るような凹凸形状に構成されている。また、両主部品11,12同士の連結は、組み合わせ状態が確りと維持できる連結部が設けられている。
【0016】
連結部は、例えば、第1主部品11側の縁部11eに接近して設けられた3つのボス部の先端の凹状孔11fと、第2主部品12側の縁部12eに接近して設けられた3つの突出片部12fとにより構成されている。この連結部は、第2種別のつなぎ部13bに対応して設けられている。すなわち、連結部は、幅広の部分に設けられることで、確りと連結できる頑丈な構成となっている。
【0017】
第1主部品11、及び第2主部品12には、各々の縁部11e,12eの対面部位に第1の開口17を形成している第1の切り欠き17kがそれぞれ設けられている。また、第1の開口17には、遊戯部品保持部50が設けられている。遊戯部品保持部50は、一対の支軸51が両縁部11e,12eに設けられた軸孔17aに支持される。これにより、遊戯部品保持部50は、第1の開口17の内部を開閉可能に回動(揺動)する。
【0018】
また、第1の開口17と円周方向に所定の間隔を開けた位置には、対面する第2の切り欠き18kにて第1の開口17よりも大きい第2の開口18が形成されている。この第2の開口18は、蓋部材60により閉塞される。すなわち、蓋部材60の長手方向の一端側(図中下側)に設けられた一対の支軸61がそれぞれの縁部11e,12eに設けられた軸孔18aに支持され、第2の開口18を開閉可能に回動(揺動可能)するように設けられている。また、蓋部材60の長手方向の他端側(図中上側)には、フック部62が設けられ、第2の開口18の内縁部分から突出するフック止め18bに引っ掛かるように構成されている。第2形態2Fにおいて、このフック部62とフック止め18bとの係合により、蓋部材60は開かないように係止される。
【0019】
図5は、副部品20の分解状態を示す斜視図である。
副部品20は、例えば4個に分解可能な台座部30と、操作部40と、を含む構成である。台座部30は、主部品10を回転可能に支持する支柱部分と、この支柱部分を支え載置台90(図2参照)上に安定させる基台部分と、を有している。例えば、支柱部分は、第1部品31、及び第2部品32にて構成され、基台部分は、第3部品33,及び第4部品34にて構成されている。
【0020】
第1部品31は、底板部31bと底板部31bの一端側から直角に立ち上がった立て板部31aとで構成された略L字形用をなしている。そして、立て板部31aの先端側には、円筒形の回転支持突起31dが底板部31bと平行な向きに突出している。また、底板部31bの他端側には、その角部に回転支持突起31dとは直交する向きに突出した係合突起31cが設けられている。
【0021】
第2部品32は、第1部品31と同様に、底板部32bと底板部32bの一端側から直角に立ち上がった立て板部32aとで構成されている。また、底板部32bの他端側には、第1部品31と同様に突出した係合突起32cが設けられている。また、立て板部32aの先端側には、円形の回転支持孔32h形成されている。
【0022】
第3部品33は、載置台90に置くときの設置面を構成する基板部33aを有し、この基板部33aから傾斜面を形成している突出した玉受け部33bを備えている。第4部品34は、平板状の接続基板部34aにて構成され、玉受け部33bに連続する平坦玉受け部34bを備え、更に、基板部33aに連結可能な一対の連結突起34d備えている。
【0023】
操作部40は、主部品10を回転駆動する部品である。例えば、立て板部32aよりも短いハンドルアーム部40aの一端側(図中上側)には、主部品10の頂部11aに嵌入する六角形の嵌入突起40cが設けられている。また、ハンドルアーム部40aの他端側(図中下側)には、嵌入突起40cとは反対向きに突出したハンドル部40bが設けられている。
【0024】
図6は、台座部30を裏面側から見た分解斜視図である。
図6に示すように、第3部品33、及び第4部品34の裏面には、双方の突き当て部分の両端側に両部品を組み合わせた時に連結凹部30f(図7参照)を構成する角凹部33f,34fが設けられている。また、第3部品33には、基板部33aの厚み方向(下方)に突出した一対の嵌合突起33dが設けられている。一方、第4部品34の連結突起34dには、嵌合突起33dに嵌る先端嵌合孔34hが設けられている。
【0025】
図7は、台座部30の組み立て方を示す斜視図である。
上述のように構成された台座部30を組み立てるときは、図7に示すように、先ず、第3部品33と第4部品34とを、嵌合突起33dと先端嵌合孔34hとを嵌めるようにする。これによって形成された連結凹部30f内に底板部31b,32bの一端側を嵌め合わせる。これにより、連結凹部30fの連結突片33c,34cが係合突起31c,32cを係止し、第1部品31及び第2部品32は、基台部分から外れないように保持される。
【0026】
図8は、主部品10と副部品20の組み立て方を示す斜視図である。
上述のようにして組み立てられた台座部30に対して主部品10を組み込む。このとき、図8に示すように、主部品10の頂部12aの嵌合孔12hを回転支持突起31dに嵌め、一方、頂凸部11cを回転支持孔32hに嵌め合わせる。その後、更に、操作部40の嵌入突起40cを嵌合凹み11hに嵌め合わせる。このようにして玩具1の本体部分を完成させる。そして、玩具1を使用するときには、主部品10の中に遊戯部品70を入れる。
【0027】
図9は、第2形態2Fの遊戯開始前の操作を示す斜視図である。
遊戯を開始するときは、主部品10内に遊戯部品70を多数個(数十個)収容する。この場合、図9に示すように、蓋部材60を操作して第2の開口18を開けて投入する。このとき、蓋部材60は、操作先端63が主部品10の外面から若干突出するように構成されており、指がかかり易く特に開き操作がし易い構造となっている。また、遊戯部品70を投入した後は、フック部62がフック止め18bに確りと係止され、主部品10が回転されたときでも開かないようになっている。
【0028】
また、玩具1は全体が小さいことに加えて、遊戯部品70は、非常に多数あることから、一個ずつ入れるのは非常に面倒である。
そこで、蓋部材60が図示の如く一定角度開いた状態で係止されていると好都合である。例えば、片方の掌の中に多数の遊戯部品70を保持した状態とし、もう一方の手で蓋部材60が所定角度開いた状態とし、この蓋部材60の内側に遊戯部品70を持った掌を開いた状態(掌の上には遊戯部品70が載っている状態)で添えるようにして投入する。言い換えると、第2の開口18に遊戯部品70を入れるときに、多数の遊戯部品70を載せた掌上で蓋部材60をガイド板にして遊戯部品70を一度に多数個投入する。
この場合、蓋部材60が所定角度で係止される構造が必要である。本実施形態においては、支軸61と軸孔18a(図4参照)との摩擦力によって所定の開き角度に維持できる構成となっている。なお、蓋部材60の開き角度を固定する構造としては、例えば、蓋部材60の他端部(操作先端63とは支軸61を挟んで反対側の部分)に当接する適宜突起を軸孔18aの近傍に突設するようにしても良い。
【0029】
図10は、遊戯部品70を示し、(a)主部品10から取り出した状態を示す正面図であり、(b)は、遊戯部品70を個別にした状態の拡大斜視図である。
【0030】
遊戯部品70は、図10(a)に示すように、全てランナー71にて接続され一体化されている状態で提供される。すなわち、遊戯部品70は、射出成型に製造され、その製造時のランナー71をそのまま利用して遊戯部品70の保持手段としている。本実施形態においては、三種類のランナー枠71A,71B,71Cを有して四角形状に構成されている。そして、例えば、この四角形徐状の状態で、第1形態1Fの主部品10内に収容される。
【0031】
また、3つのランナー枠71A,71B,71Cに設けられている遊戯部品70の数字表記73については、全てが異なるように構成されている。また、図10(b)に示すように、遊戯部品70は、全体として球形ではあるが、一部が平坦面72となっている。そして、この平坦面72に数字表記73が設けられている。
【0032】
以下、図11、及び図12を参照して遊戯部品保持部50及び動作について説明する。
図11は、図2のA-A線に沿った部分の断面斜視図である。図12は、図11の要部の拡大斜視図である。
遊戯部品保持部50は、図11及び図12に示すように、第1の開口17内に回動可能に設けられている。この遊戯部品保持部50は、遊戯部品70の形状に対応する半球面の保持凹部52を備え、一個の遊戯部品70を収容可能に構成されている。また、保持凹部52の一端側(図12において右側)には、主部品10の中心に向かって突出する第1壁部54が設けられている。一方、保持凹部52の他端側(図12において左側)には、主部品10の中心に向かって第1壁部54よりも突出量が小さい第2壁部55が設けられている。また、この第2壁部55は、第1壁部54とは略90度異なる方向に延出されており、第1の開口17の外側、すなわち、主部品10の外側に向いて突出している。
【0033】
玩具1の遊戯状態において、主部品10が所定の方向(矢印方向)に回転される。これにより、遊戯部品70が保持凹部52内に入り、更に主部品10の回転が行われ、遊戯部品70は、保持凹部52内から主部品10外に排出される。これは、遊戯部品70が保持凹部52内に入った状態で主部品10の回転が行われた場合、遊戯部品保持部50は、主部品10の回転途中において、第1の開口17が下側になるような位置、例えば図10に示すような位置又はこれに近似した位置に来ると、支軸51を中心にして反時計回りの方向(矢印C方向)に回動(揺動)する。これによって、遊戯部品70は、主部品10外に排出される。
【0034】
また、主部品10内には、第1主部品11の縁部11eと第2主部品12の縁部12eの合わせ目に溝部10gが形成されている。この溝部10gは、主部品10が回転したときに、遊戯部品70がこの溝部10g内で転動して当該溝部10gに沿うように移動できる。これにより、溝部10gの一端側に向き合う保持凹部52に、遊戯部品70を案内することができる。また、第1壁部54は、主部品10内方に向って高く突出していることで、移動する遊戯部品70に対して引っ掛けやすい構成である。
【0035】
以上述べたように、本実施形態の玩具1によれば、主部品10は、半球状の第1主部品11、及び第2主部品12の縁部11e,12eの結合にて内部空間を有するカプセル形状にできることから、内部空間に主部品10と組合わせ遊戯可能な玩具1の第2形態2Fとする部品(副部品20)を収容することができるので、コンパクトな製品を提供可能である。また、第1主部品11、及び第2主部品12は、各々の頂部11a,12aから各々の縁部11e,12eに向かって放射状の複数の長孔10hが形成されているので、内部空間に収容された部品の一部分を主部品10越しに見ることができる商品提供状態において、玩具1の完成形状(遊戯形態)への期待感を想起させることができるとともに、部材コストの低減を図ることができる。
【0036】
また、長孔10hが頂部11a,12aから縁部11e,12eに向ってその幅が広がるようになっていることで、つなぎ部13は、頂部11a,12aから縁部11e,12eに向って放射状に広がる形状に構成できるので、射出成型において、頂部11a,12a側に溶融樹脂の射出ゲートを設けるようにすることで、成形性を良くできる。この結果、歩留まりが良く、変形しにくい主部品10を提供することができる。
【0037】
本実施形態の玩具1においては、遊戯部品70は、第1形態1Fにおいては、纏められ大きいサイズとされている(ランナー71にて連結されている)ので、開口から出てしまうことが無く主部品10内に収容することができる。また、ランナー71にて連結されている状態においては、取り扱いやすく、更に省スペース化でき、主部品10内に収容し易い。
【0038】
本実施形態の玩具1は、第2形態2Fにおいて、主部品10を回転可能に支持する台座部30(主部品10よりも大きいサイズの部品)が複数部品(第1部品31~第4部品34)の組立構造となっているので、分解状態で第1形態1Fの内部空間に収容することができる。更に、第2形態2Fにおいて、主部品10を回転駆動する操作部40は、主部品10に対して着脱可能であり且つ内部空間内に収まるサイズに構成されているので、第1形態1Fにおいて内部空間に収容することができる。この結果、ビンゴゲームとして回転駆動可能な構造をカプセル状態で提供することができる。
【0039】
本実施形態の玩具1においては、細い第1種別のつなぎ部13aの数を、太い第2種別のつなぎ部13bの数よりも多く設けたので、主部品10の開口面積を大きくできるので、第1形態1F並びに第2形態2Fにおいて、主部品10の内部空間を良く見ることができる。また、つなぎ部13の両端部が頂部11a,12a、縁部11e,12e、及びつなぎ部13が略同じ球面上に配列されている構成であるので、樹脂成型の際に、溶融樹脂が流れやすく、成形性が良い。この結果、製品歩留まりが良く変形しにくい主部品10を提供することができる。
【0040】
また、第2種別のつなぎ部13bが第1種別のつなぎ部13aよりも太く構成されているので、主部品10の外観に変化を持たせることができる。また、太く構成された第2種別のつなぎ部13bは、着色や絵柄が形成し易く、例えば絵柄などをシール貼り付けなどで形成することもできる。したがって、第2種別のつなぎ部13bを利用した絵柄によって、第2形態2Fにおいて、主部品10の回転により色変化や絵柄変化、動画を演出することも可能になる。
【0041】
本実施形態の玩具1においては、第1主部品11、及び第2主部品12は、環状の枠体を成した縁部11e,12e同士を対面させて連結する構成であるので、樹脂成型にて形成される第1主部品11、及び第2主部品12において、第1の開口17並びに第2の開口18の形成が容易である。
【0042】
本実施形態の玩具1においては、第1主部品11と第2主部品12との連結は、幅広(太い)に構成された第2種別のつなぎ部13bを利用する構成であることから、連結部を大きく構成できるので、連結操作のし易さ並びに連結強度の向上を図ることができる。
【0043】
本実施形態の玩具1においては、第1主部品11の縁部11eと第2主部品12の縁部12eの合わせ目に溝部10gを形成するので、溝部10gの形成が容易である。また、主部品10の内部空間側の溝部10gが第1の開口17に繋がっていることから、遊戯部品70が溝部10gに沿って排出部位の第1の開口17に導かれるように移動できる。これにより、遊戯部品70を排出し易いようにできる。
【0044】
本実施形態の玩具1においては、第1の開口17並びに第2の開口18は、縁部11e,12eの対面部位に設けられた切欠き構造により形成されるので、第1の開口17並びに第2の開口18の形成が容易である。
【0045】
本実施形態の玩具1においては、遊戯部品保持部50は、主部品10の内方に向って高く突出した第1壁部54により主部品10の回転時に移動する遊戯部品70をとらえやすくできる。また、遊戯部品保持部50には、主部品10の内方に向って突出しさらに第1の開口17から主部品10の外側に向いて突出している第1壁部54よりも高さが低い第2壁部55を備えるので、この第2壁部55側から遊戯部品70を容易に排出できる。
【0046】
本実施形態の玩具1においては、遊戯部品保持部50は、主部品10の回転に応じて回動(揺動)することができるので、遊戯部品保持部50内の遊戯部品70を主部品10外に放出することができる。
【0047】
本実施形態の玩具1においては、第2の開口18は、回動可能で且つ回動係止ができる蓋部材60により閉塞可能に構成されているので、回転中の主部品10からの遊戯部品70の排出が回避できる。また、第2の開口18は、第1の開口17よりも大きく形成されているので、主部品10内への遊戯部品70の投入が容易である。
【0048】
本実施形態の玩具1においては、遊戯部品70は、全体的に球状であるが、その一部に平坦面72を有していることで、この部分に文字などを形成し易い。
【0049】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば、上記実施形態においては、主部品10が略同等サイズの半球型の第1主部品11と第2主部品12とにより構成されたが、両部品によって球形状になれば良く、両部品が必ずしも同等のサイズである必要はない。
【0050】
上記実施形態においては、台座部30は4個の部品の場合について説明したが、台座部30や操作部40が主部品10の内部に収容される大きさであれば、必ずしもこれに限るものではなく、適宜変更できる。
【符号の説明】
【0051】
1 玩具
1F 第1形態
2F 第2形態
10 主部品
10g 溝部
10h 長孔
11 第1主部品
11a,12a 頂部
11e,12e 縁部
11f 凹状孔(連結部)
12 第2主部品
12f 突出片部(連結部)
13 つなぎ部
13a 第1種別のつなぎ部
13b 第2種別のつなぎ部
17 第1の開口
17k 第1の切り欠き
18 第2の開口
18k 第2の切り欠き
20 副部品
30 台座部
40 操作部
50 遊戯部品保持部
54 第1壁部
55 第2壁部
60 蓋部材
70 遊戯部品
71 ランナー
72 平坦面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-07-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品供給装置から供給可能な第1形態と遊戯可能な第2形態とに変化可能な玩具であって、
球型形状を成し、内部が中空に形成されている主部品と、
前記第1形態において前記主部品内に収容されており、前記第2形態において前記主部品への連結が可能に構成されている副部品と、
複数の遊戯部品と、
を備えており、
前記主部品は、第1主部品と、前記第1主部品に連結可能な第2主部品とを含み、
前記第1主部品、及び前記第2主部品には、各々の頂部から各々の縁部に向かって放射状に複数の長孔が形成さ
前記遊戯部品は、前記第1形態において前記主部品内に収容され、前記第2形態において前記主部品内から前記主部品外に放出可能である、
玩具。
【請求項2】
請求項に記載の玩具であって、
前記副部品は、前記第2形態において、前記主部品を回転可能に支持する台座部、及び前記主部品を回転駆動する操作部を含む、
玩具。
【請求項3】
請求項1または2に記載の玩具であって、
前記第1主部品、及び前記第2主部品は、各々、前記頂部及び前記縁部を繋ぐ複数のつなぎ部を含み、
前記つなぎ部は、第1種別のつなぎ部と第2種別のつなぎ部とを含む、
玩具。
【請求項4】
請求項に記載の玩具であって、
前記つなぎ部は、その一方端部が前記頂部に接続され、その他方端部が前記縁部に接続されている、
玩具。
【請求項5】
請求項またはに記載の玩具であって、
前記第1種別のつなぎ部の数は、前記第2種別のつなぎ部の数よりも多い、
玩具。
【請求項6】
請求項の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第2種別のつなぎ部には、着色又は絵柄が施されている、
玩具。
【請求項7】
請求項の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第2種別のつなぎ部は、前記第1種別のつなぎ部よりも太い、
玩具。
【請求項8】
請求項の何れか一項に記載の玩具であって、
前記縁部は、環状の枠体を成しており、
前記第1主部品、及び前記第2主部品は、前記縁部同士を対面させることで連結可能に構成されている、
玩具。
【請求項9】
請求項に記載の玩具であって、
前記第1主部品の縁部と前記第2主部品の縁部との連結は、前記第2種別のつなぎ部に設けられた連結部の嵌合にて行われている、
玩具。
【請求項10】
請求項1~の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第1主部品の縁部と前記第2主部品の縁部との合わせ目には、前記第1主部品と前記第2主部品とが連結した状態において、溝部が形成されている、
玩具。
【請求項11】
請求項1~10の何れか一項に記載の玩具であって、
前記長孔は、各々が同一形状、及び同一サイズに形成されている、
玩具。
【請求項12】
請求項1~11の何れか一項に記載の玩具であって、
前記長孔は、前記縁部に近づくにつれて開口幅が幅広となるように形成されている、
玩具。
【請求項13】
請求項1~12の何れか一項に記載の玩具であって、
複数の遊戯部品を備え、
前記第1主部品、及び前記第2主部品には、各々の前記縁部の対面部位に形成されている第1の切り欠きにより第1の開口が形成されており、
前記第1の開口の内部には、前記第2形態において、前記第1の開口を開閉可能に動作すると共に前記遊戯部品を一つのみ保持可能な遊戯部品保持部が設けられている、
玩具。
【請求項14】
請求項13に記載の玩具であって、
前記遊戯部品保持部は、前記主部品の中心に向かって突出する第1壁部と、前記主部品の中心に向って突出し、第1壁部よりも突出量が小さい第2壁部とを備え、
前記第2壁部側から前記遊戯部品が前記主部品外に排出される、
玩具。
【請求項15】
請求項13または14に記載の玩具であって、
前記遊戯部品保持部は、前記主部品が回転したときに、前記遊戯部品を保持した状態で前記遊戯部品を前記主部品外に放出する、
玩具。
【請求項16】
請求項1315の何れか一項に記載の玩具であって、
前記第1主部品、及び前記第2主部品には、各々の前記縁部の対面部位に形成されている第2の切り欠きにより前記遊戯部品を前記主部品内に投入可能な第2の開口が形成されており、
前記第2の開口は、蓋部材により閉塞可能に構成されている、
玩具。
【請求項17】
請求項16に記載の玩具であって、
前記蓋部材は、前記第2形態において、前記第2の開口を開閉するように揺動可能に軸支され且つ前記第2の開口を閉塞状態に維持するように係止可能に設けられている、
玩具。
【請求項18】
請求項16又は17に記載の玩具であって、
前記第2の開口は、前記第1の開口よりも大きく形成されている、
玩具。
【請求項19】
請求項1~18の何れか一項に記載の玩具であって、
複数の遊戯部品を備え、
前記遊戯部品は、その最大径が前記長孔の最大幅よりも大きく構成されている、
玩具。
【請求項20】
請求項1~19の何れか一項に記載の玩具であって、
複数の遊戯部品を備え、
前記遊戯部品は、平坦面を含んでいる略球形に構成されている、
玩具。
【請求項21】
請求項20に記載の玩具であって、
前記遊戯部品は、前記第1形態において、全てランナーにて接続され一体化されている、
玩具。
【請求項22】
物品供給装置から供給可能な第1形態と遊戯可能な第2形態とに変化可能な玩具であって、
球型形状を成し、内部が中空に形成されている主部品と、
前記第1形態において前記主部品内に収容されており、前記第2形態において前記主部品への連結が可能に構成されている副部品と、
を備えており、
前記主部品は、第1主部品と、前記第1主部品に連結可能な第2主部品とを含み、
前記第1主部品、及び前記第2主部品には、各々の頂部から各々の縁部に向かって放射状に複数の長孔が形成されており、
前記副部品は、前記第2形態において、前記主部品を回転可能に支持する台座部、及び前記主部品を回転駆動する操作部を含む、
玩具。