(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147636
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】撮影方法および撮影装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/17 20060101AFI20231005BHJP
G01N 33/48 20060101ALI20231005BHJP
G01N 33/483 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G01N21/17 A
G01N33/48 M
G01N33/483 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055265
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】時末 尚悟
(72)【発明者】
【氏名】長谷部 涼
(72)【発明者】
【氏名】荻 寛志
(72)【発明者】
【氏名】岡本 悟史
【テーマコード(参考)】
2G045
2G059
【Fターム(参考)】
2G045AA24
2G045CB01
2G045FA13
2G045FA16
2G059AA05
2G059BB12
2G059DD17
2G059EE01
2G059EE02
2G059EE11
2G059FF01
2G059FF02
2G059FF03
2G059FF04
2G059GG02
2G059JJ01
2G059JJ17
2G059JJ22
2G059KK04
2G059MM05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】短スパン/頻回の撮影が困難な撮影方法を用いて、生体試料の時系列変化を適切に観察することができる技術を提供する。
【解決手段】この撮影方法では、試料を第1撮影方法によって撮影する第1撮影工程S13と、第1撮影工程で取得した第1画像を解析する第1解析工程S14と、第1解析工程の解析結果が第1条件を満たしたか否かを判断する判断工程S15とを定期的に繰り返し実行する。判断工程において、第1条件を満たしたと判断した場合には、第1撮影工程、第1解析工程および判断工程を一時的に停止して、試料を第2撮影方法によって撮影する第2撮影工程S17を実行する。定期的に第1撮影工程および第1解析工程を行うことにより、生体試料の時系列変化を適切に把握し、必要なタイミングで短スパンまたは頻回の撮影が困難な撮影方法を用いて第2撮影工程を行うことができる。これにより、生体試料の時系列変化を適切に観察することができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時系列変化を生じる試料の撮影方法であって、
a)前記試料を第1撮影方法によって撮影し、第1画像を取得する第1撮影工程と、
b)前記工程a)で取得した前記第1画像を解析する第1解析工程と、
c)前記工程b)の解析結果が所定の第1条件を満たしたか否かを判断する判断工程と、
を定期的に繰り返し実行し、
前記工程c)において、前記第1条件を満たしたと判断した場合には、前記工程a)、前記工程b)および前記工程c)を一時的に停止して
d)前記試料を第2撮影方法によって撮影し、第2画像を取得する第2撮影工程
を実行する、撮影方法。
【請求項2】
請求項1に記載の撮影方法であって、
前記工程d)の所要時間は、前記工程a)の所要時間よりも長い、撮影方法。
【請求項3】
請求項2に記載の撮影方法であって、
前記工程a)では、1つまたは複数の二次元画像を取得し、
前記工程d)では、三次元画像を取得する、撮影方法。
【請求項4】
請求項3に記載の撮影方法であって、
前記工程a)では、明視野において、複数の焦点位置のそれぞれに対して二次元画像を撮影し、
前記工程d)では、光干渉断層撮影により、前記三次元画像を取得する、撮影方法。
【請求項5】
請求項3に記載の撮影方法であって、
前記工程a)では、明視野において、複数の焦点位置のそれぞれに対して二次元画像を取得し、
前記工程d)では、共焦点レーザ顕微鏡によって、三次元画像を取得する、撮影方法。
【請求項6】
請求項1に記載の撮影方法であって、
前記工程a)では、明視野において、複数の焦点位置のそれぞれに対して二次元画像を取得し、
前記工程d)では、X線撮影による2次元画像を取得する、撮影方法。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の撮影方法であって、
前記試料は、胚であり、
前記工程c)の前記第1条件は、前記胚に含まれる細胞数の変化である、撮影方法。
【請求項8】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の撮影方法であって、
前記試料は、複数の細胞を含む細胞クラスターであり、
前記工程c)の前記第1条件は、前記細胞クラスターの状態変化である、撮影方法。
【請求項9】
請求項8に記載の撮影方法であって、
前記細胞クラスターの前記状態変化には、前記細胞クラスターの大きさの変化、形状の変化、空洞の形成、および、取得画像における輝度の変化の少なくとも1つが含まれる、撮影方法。
【請求項10】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の撮影方法であって、
前記試料は、複数のがん細胞を含む細胞クラスターであり、
前記工程c)の前記第1条件は、前記細胞クラスターの形状の変化、突起の長さの変化、および、突起の分岐の数の変化の少なくとも1つが含まれる、撮影方法。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の撮影方法であって、
前記工程a)および前記工程d)は、前記試料が温度管理可能なインキュベータ内に配置された状態で行われる、撮影方法。
を行う)
【請求項12】
時系列変化を生じる試料を撮影するための撮影装置であって、
前記試料を第1撮影方法によって撮影し、第1画像を取得する、第1撮像部と、
前記試料を第2撮影方法によって撮影し、第2画像を取得する、第2撮像部と、
前記第1画像を解析する第1解析部と、
前記第1撮像部および前記第2撮像部を動作制御する撮影制御部と、
を備え、
前記第1撮像部による前記第1画像の取得と、前記第1解析部による前記第1画像の解析とを定期的に繰り返すとともに、
前記撮影制御部が、前記第1解析部の解析結果が所定の条件を満たしたと判断すると、前記第1撮像部による前記第1画像の取得を停止して、前記第2撮像部による前記第2画像の取得を行う、撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時系列変化する試料を2種類の撮影方法を用いて撮影する撮影方法および撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、病理医学や細胞培養において、光学顕微鏡をはじめとして、様々な装置を用いて生体試料を撮影し、解析を行っている。生体試料の撮影方法としては、光学顕微鏡による二次元撮影を行う方法、光干渉断層撮影(Optical Coherence Tomography;OCT)により三次元撮影を行う方法、共焦点レーザ顕微鏡を用いた三次元撮影を行う方法、X線撮影方法などが、知られている。例えば、特許文献1には、光干渉断層撮影により胚の三次元画像を取得する技術が、記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
時系列変化する生体試料について、その変化を観察したい場合、当該試料を定期的に撮影し、解析する必要がある。しかしながら、変化を正確に把握するためには、変化が生じていないかを監視するために、定期的かつ頻回に撮影する必要がある。
【0005】
しかしながら、光干渉断層撮影では撮影時間が長いため、監視のために短いスパンで撮影を繰り返すことは困難である。また、共焦点レーザ顕微鏡では蛍光退色や光細胞毒性の観点から、X線撮影装置では被爆の観点から、頻回の撮影は好ましくない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、短スパンまたは頻回の撮影が困難な撮影方法を用いて、生体試料の時系列変化を適切に観察することができる撮影方法および撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、時系列変化を生じる試料の撮影方法であって、a)前記試料を第1撮影方法によって撮影し、第1画像を取得する第1撮影工程と、b)前記工程a)で取得した前記第1画像を解析する第1解析工程と、c)前記工程b)の解析結果が所定の第1条件を満たしたか否かを判断する判断工程と、を定期的に繰り返し実行し、前記工程c)において、前記第1条件を満たしたと判断した場合には、前記工程a)、前記工程b)および前記工程c)を一時的に停止してd)前記試料を第2撮影方法によって撮影し、第2画像を取得する第2撮影工程を実行する。
【0008】
本願の第2発明は、第1発明の撮影方法であって、前記工程d)の所要時間は、前記工程a)の所要時間よりも長い。
【0009】
本願の第3発明は、第2発明の撮影方法であって、前記工程a)では、1つまたは複数の二次元画像を取得し、前記工程d)では、三次元画像を取得する。
【0010】
本願の第4発明は、第3発明の撮影方法であって、前記工程a)では、明視野において、複数の焦点位置のそれぞれに対して二次元画像を撮影し、前記工程d)では、光干渉断層撮影により、前記三次元画像を取得する。
【0011】
本願の第5発明は、第3発明の撮影方法であって、前記工程a)では、明視野において、複数の焦点位置のそれぞれに対して二次元画像を取得し、前記工程d)では、共焦点レーザ顕微鏡によって、三次元画像を取得する。
【0012】
本願の第6発明は、第1発明の撮影方法であって、前記工程a)では、明視野において、複数の焦点位置のそれぞれに対して二次元画像を取得し、前記工程d)では、X線撮影による2次元画像を取得する。
【0013】
本願の第7発明は、第1発明ないし第6発明のいずれかの撮影方法であって、前記試料は、胚であり、前記工程c)の前記第1条件は、前記胚に含まれる細胞数の変化である。
【0014】
本願の第8発明は、第1発明ないし第6発明のいずれかの撮影方法であって、前記試料は、複数の細胞を含む細胞クラスターであり、前記工程c)の前記第1条件は、前記細胞クラスターの状態変化である。
【0015】
本願の第9発明は、第8発明の撮影方法であって、前記細胞クラスターの前記状態変化には、前記細胞クラスターの大きさの変化、形状の変化、空洞の形成、および、取得画像における輝度の変化の少なくとも1つが含まれる。
【0016】
本願の第10発明は、第1発明ないし第6発明のいずれかの撮影方法であって、前記試料は、複数のがん細胞を含む細胞クラスターであり、前記工程c)の前記第1条件は、前記細胞クラスターの形状の変化、突起の長さの変化、および、突起の分岐の数の変化の少なくとも1つが含まれる。
【0017】
本願の第11発明は、第1発明ないし第10発明のいずれかの撮影方法であって、前記工程a)および前記工程d)は、前記試料が温度管理可能なインキュベータ内に配置された状態で行われる。
【0018】
本願の第12発明は、時系列変化を生じる試料を撮影するための撮影装置であって、前記試料を第1撮影方法によって撮影し、第1画像を取得する、第1撮像部と、前記試料を第2撮影方法によって撮影し、第2画像を取得する、第2撮像部と、前記第1画像を解析する第1解析部と、前記第1撮像部および前記第2撮像部を動作制御する撮影制御部と、を備え、前記第1撮像部による前記第1画像の取得と、前記第1解析部による前記第1画像の解析とを定期的に繰り返すとともに、前記撮影制御部が、前記第1解析部の解析結果が所定の条件を満たしたと判断すると、前記第1撮像部による前記第1画像の取得を停止して、前記第2撮像部による前記第2画像の取得を行う。
【発明の効果】
【0019】
本願の第1発明~第12発明によれば、定期的に第1撮影工程および第1解析工程を行うことにより、生体試料の時系列変化を適切に把握し、必要なタイミングで短スパンまたは頻回の撮影が困難な撮影方法を用いて第2撮影工程を行うことができる。これにより、生体試料の時系列変化を適切に観察することができる。
【0020】
特に、本願の第2発明~第5発明によれば、第1撮影工程および第1解析工程によって、適切な頻度で生体試料の時系列変化を適切に把握し、撮影の所要時間が長い第2撮影工程を必要なタイミングでのみ行うことにより、生体試料の時系列変化を適切に観察することができる。
【0021】
特に、本願の第6発明によれば、第1撮影工程および第1解析工程によって、適切な頻度で生体試料の時系列変化を適切に把握し、試料への侵襲性の高い第2撮影工程を必要なタイミングでのみ行うことにより、生体試料へのダメージを抑制しつつ、生体試料の時系列変化を適切に観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図4】第1実施形態に係る撮影・解析処理を実現するためのコンピュータの機能を、概念的に示したブロック図である。
【
図5】第1実施形態に係る撮影・解析処理の流れを示したフローチャートである。
【
図6】第2実施形態に係る撮影・解析処理の流れを示したフローチャートである。
【
図7】第3実施形態に係る撮影・解析処理の流れを示したフローチャートである。
【
図8】第4実施形態に係る撮影・解析処理の流れを示したフローチャートである。
【
図9】第4実施形態に係る撮影・解析処理の流れを示したフローチャートである。
【
図10】第4実施形態に係る撮影・解析処理の流れを示したフローチャートである。
【
図11】試料の例と、試料の種類毎の第1条件の例とを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0024】
<1.撮影装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る撮影装置1の構成を示した図である。この撮影装置1は、試料容器90内に保持された試料9を、第1の撮影方法と、第2の撮影方法の2種類の撮影方法で撮影し、画像を取得する装置である。
【0025】
本実施形態では、解析対象となる試料9が、ヒトの胚である場合について、説明する。
図2は、胚の例を示した図である。胚は、受精卵が卵割を行うことにより形成される。
図2に示すように、胚は、球面状の透明帯91の中に、被観察物である複数の細胞92が、三次元的に分布したものである。各細胞92は、透明または半透明である。
【0026】
図1に示すように、撮影装置1は、インキュベータ10、ステージ20、光照射部30、第1撮像部40、第2撮像部50、およびコンピュータ60を備える。この撮影装置1では、試料容器90に収容された試料9をインキュベータ10の内部に配置したまま、第1撮像部40および第2撮像部50によって撮影することができる。
【0027】
インキュベータ10は、試料容器90を内部に収容し、試料9の温度や二酸化炭素濃度等の条件を一定に保つための装置である。本実施形態では、インキュベータ10の内部に、ステージ20、光照射部30、第1撮像部40および第2撮像部50が収容される。しかしながら、インキュベータ10は、少なくとも試料容器90と、試料容器90を支持するステージ20を収容するものであればよく、撮影装置1のその他の構成はインキュベータ10の外に配置されてもよい。
【0028】
インキュベータ10は、温度調整部11と、二酸化炭素濃度調整部12と、湿度調整部13とを有する。温度調整部11は、インキュベータ10内の温度を、設定された温度に調整する。二酸化炭素濃度調整部12は、インキュベータ10内の二酸化炭素濃度を、設定された濃度に調整する。湿度調整部13は、インキュベータ10内の湿度を、設定された湿度に調整する。なお、試料9の種類によって、インキュベータ10が湿度調整部13を有していなくてもよい。
【0029】
ステージ20は、試料容器90を支持する支持台である。試料容器90には、例えば、ウェルプレートが使用される。ウェルプレートは、複数のウェル900(凹部)を有する。試料9である胚は、各ウェル900の中に、培養液とともに保持される。ただし、試料容器90は、1つの凹部のみを有するディッシュであってもよい。試料容器90の材料には、光を透過する透明な樹脂またはガラスが使用される。ステージ20は、上下方向に貫通する開口部21を有する。試料容器90は、ステージ20の当該開口部21に嵌め込まれた状態で、水平に支持される。したがって、試料容器90の上面および下面は、ステージ20に覆われることなく露出する。
【0030】
光照射部30は、ステージ20に支持された試料容器90の上方に配置されている。光照射部30は、LED等の発光素子を有する。第1撮像部40による撮影を行うときには、光照射部30の発光素子が発光する。これにより、光照射部30から下方の試料容器90へ向けて、光が照射される。
【0031】
第1撮像部40は、試料容器90内の試料9を、光学顕微鏡により二次元撮影するユニットである。第1撮像部40は、ステージ20に支持された試料容器90の下方に配置されている。
図1に示すように、第1撮像部40は、撮像光学系41、カメラ42、および焦点移動機構43を有する。撮像光学系41は、対物レンズ411を含む複数の光学部品を有する。対物レンズ411は、カメラ42の焦点を、試料容器90内の試料9に合わせるためのレンズである。カメラ42は、CCDやCMOS等の撮像素子を有する。
【0032】
二次元撮影を行うときには、光照射部30から試料容器90へ向けて光を照射しつつ、カメラ42が、試料容器90内の試料9を明視野で撮影する。これにより、試料9の二次元画像を、デジタルデータとして取得する。取得された二次元画像は、カメラ42からコンピュータ60へ入力される。二次元画像は、二次元座標上に配列された複数の画素により構成され、画素毎に輝度値が規定されたデータである。
【0033】
焦点移動機構43は、カメラ42の焦点位置を変化させる機構である。焦点移動機構43は、モータまたはピエゾ等のアクチュエータにより、対物レンズ411の位置を、光軸に沿って微小移動させる。これにより、カメラ42の焦点位置が、上下方向に微小移動する。第1撮像部40は、焦点移動機構43により、焦点の位置を変化させながら、試料9を複数回撮影(マルチフォーカス撮影)する。これにより、焦点位置の異なる複数の二次元画像が取得される。本実施形態において、第1撮像部40において行われる「第1撮影」とは、光学顕微鏡を用いたマルチフォーカス明視野二次元撮影をいう。また、本実施形態において、第1撮像部40において取得される「第1画像」とは、第1撮影によって得られた焦点位置の異なる複数の二次元画像をいう。
【0034】
第1撮像部40および第2撮像部50は、移動機構70(
図3参照)により、水平方向に移動可能となっている。これにより、第1撮像部40および第2撮像部50において試料9の撮影を行う場合に、第1撮像部40および第2撮像部50を移動させることによって、撮影視野を、複数のウェル900の間で切り替えることができる。
【0035】
第2撮像部50は、試料容器90内の試料9を、三次元撮影するユニットである。第2撮像部50は、ステージ20に支持された試料容器90の下方に配置されている。第2撮像部50には、試料9の断層画像を撮影することが可能な、光干渉断層撮影(Optical Coherence Tomography;OCT)装置が用いられる。本実施形態において、第2撮像部50において行われる「第2撮影」とは、光干渉断層撮影をいう。また、本実施形態において、第2撮像部50において取得される「第2画像」とは、光干渉断層撮影によって得られた三次元画像をいう。
【0036】
図1に示すように、第2撮像部50は、光源51、物体光学系52、参照光学系53、検出部54、および光ファイバカプラ55を有する。光ファイバカプラ55は、第1光ファイバ551~第4光ファイバ554が、接続部555において連結されたものである。光源51、物体光学系52、参照光学系53、および検出部54は、光ファイバカプラ55により構成される光路を介して、互いに接続されている。
【0037】
光源51は、LED等の発光素子を有する。光源51は、広帯域の波長成分を含む低コヒーレンス光を出射する。試料9の内部まで光を到達させるために、光源51から出射される光は、近赤外線であることが望ましい。光源51は、第1光ファイバ551に接続されている。光源51から出射される光は、第1光ファイバ551へ入射し、接続部555において、第2光ファイバ552へ入射する光と、第3光ファイバ553へ入射する光とに、分岐される。
【0038】
第2光ファイバ552は、物体光学系52に接続されている。接続部555から第2光ファイバ552へ進む光は、物体光学系52へ入射する。物体光学系52は、コリメータレンズ521および対物レンズ522を含む複数の光学部品を有する。第2光ファイバ552から出射された光は、コリメータレンズ521および対物レンズ522を通って、試料容器90内の試料9へ照射される。このとき、対物レンズ522により、光が試料9へ向けて収束する。そして、試料9において反射した光(以下「観察光」と称する)は、対物レンズ522およびコリメータレンズ521を通って、再び第2光ファイバ552へ入射する。
【0039】
図1に示すように、物体光学系52は、走査機構523に接続されている。走査機構523は、コンピュータ60からの指令に従って、物体光学系52を、鉛直方向および水平方向に微小移動させる。これにより、試料9に対する光の入射位置を、鉛直方向および水平方向に微小移動させることができる。
【0040】
第3光ファイバ553は、参照光学系53に接続されている。接続部555から第3光ファイバ553へ進む光は、参照光学系53へ入射する。参照光学系53は、コリメータレンズ531およびミラー532を有する。第3光ファイバ553から出射された光は、コリメータレンズ531を通って、ミラー532へ入射する。そして、ミラー532により反射された光(以下「参照光」と称する)は、コリメータレンズ531を通って、再び第3光ファイバ553へ入射する。
【0041】
図1に示すように、ミラー532は、進退機構533に接続されている。進退機構533は、コンピュータ60からの指令に従って、ミラー532を、光軸方向に微小移動させる。これにより、参照光の光路長を変化させることができる。
【0042】
第4光ファイバ554は、検出部54に接続されている。物体光学系52から第2光ファイバ552へ入射した観察光と、参照光学系53から第3光ファイバ553へ入射した参照光とは、接続部555において合流して、第4光ファイバ554へ入射する。そして、第4光ファイバ554から出射された光は、検出部54へ入射する。このとき、観察光と参照光との間で、位相差に起因する干渉が生じる。この干渉光の分光スペクトルは、観察光の反射位置の高さによって異なる。
【0043】
検出部54は、分光器541および光検出器542を有する。第4光ファイバ554から出射された干渉光は、分光器541において波長成分ごとに分光されて、光検出器542へ入射する。光検出器542は、分光された干渉光を検出し、その検出信号を、コンピュータ60へ出力する。コンピュータ60は、光検出器542から得られる検出信号をフーリエ変換することで、観察光の鉛直方向の光強度分布を求める。また、走査機構523により、物体光学系52を水平方向に移動させつつ、上記の光強度分布の算出を繰り返すことにより、三次元空間の各座標における観察光の光強度分布を求めることができる。その結果、コンピュータ60は、試料9の三次元画像を得ることができる。三次元画像は、三次元座標上に配列された複数の画素により構成され、画素毎に輝度値が規定されたデータである。
【0044】
コンピュータ60は、撮影装置1内の各部を動作制御する制御部としての機能を有する。コンピュータ60の機能については、後述する。
図3は、撮影装置1の制御ブロック図である。
図3中に概念的に示したように、コンピュータ60は、CPU等のプロセッサ601、RAM等のメモリ602、およびハードディスクドライブ等の記憶部603を有する。記憶部603内には、プログラムPが記憶されている。プログラムPは、撮影装置1内の各部を動作制御するとともに、第1撮像部40から入力される第1画像D1および第2撮像部50から入力される第2画像D2に基づいて、試料9の状態を解析するためのプログラムである。
【0045】
また、
図3に示すように、コンピュータ60は、上述した光照射部30、カメラ42、焦点移動機構43、光源51、走査機構523、進退機構533、光検出器542、移動機構70、および後述する表示部80と、それぞれ通信可能に接続されている。コンピュータ60は、プログラムPに従って、上記の各部を動作制御する。これにより、試料容器90に保持された試料9の撮影処理が進行する。また、コンピュータ60は、第1撮像部40から入力される二次元画像および第2撮像部50から入力される三次元画像を、プログラムPに従って処理することにより、試料9の状態を解析する。
【0046】
<2.解析処理について>
<2-1.第1実施形態>
続いて、上記の撮影装置1における試料9の撮影・解析処理の第1実施形態について、説明する。
【0047】
図4は、第1実施形態に係る撮影・解析処理を実現するためのコンピュータ60の機能を、概念的に示したブロック図である。
図4に示すように、コンピュータ60は、撮影制御部61、第1解析部62および第2解析部63を有する。撮影制御部61、第1解析部62および第2解析部63の各機能は、コンピュータ60のプロセッサ601が、上述したプログラムPに従って動作することにより、実現される。
【0048】
図5は、第1実施形態に係る撮影・解析処理の流れを示したフローチャートである。第1実施形態では、試料容器90の複数のウェル900に収容された試料9の1つ1つに対して、第1撮影工程と、第1解析工程と、所定の第1条件を満たした場合には第2撮影工程とを行う。そして、このような工程を全ての試料9に対して繰り返し行う。
【0049】
これにより、定期的に第1撮影工程および第1解析工程を行うことにより、生体試料の時系列変化を適切に把握し、撮影の所要時間が長い第2撮影工程を必要なタイミングでのみ行う。すなわち、必要なタイミングでのみ、短スパンまたは頻回の撮影が困難な撮影方法を用いて第2撮影工程を行うことができる。これにより、生体試料の時系列変化を適切に観察することができる。
【0050】
なお、
図5に示す撮影・解析処理は、試料容器90が温度、二酸化炭素濃度および湿度が調整されたインキュベータ10内に配置された状態で行われる。このため、試料容器90内に収容された試料9は、培養されている状態で、撮影される。本実施形態では、試料9は胚であるため、撮影・解析処理の間、分割が進行する。胚は、はじめ1細胞であったものが、分割を繰り返して、2細胞、4細胞、8細胞となり、その後桑実胚となる。本実施形態では、第1撮影工程および第1解析工程を繰り返し、分割が生じたと思われる場合に、分割異常が生じていないか等、胚の状態をより詳しく確認するために、第2撮影工程を行う。
【0051】
撮影装置1において試料9を撮影・解析するときには、まず、ステージ20に試料容器90をセットする(ステップS11)。試料容器90の各ウェル900内には、培養液とともに試料9である胚が保持されている。
【0052】
コンピュータ60は、移動機構70によって第1撮像部40を移動させて、撮影対象となる試料9が第1撮像部40の撮影視野内に配置されるように第1撮像部40の位置を調整する(ステップS12)。
【0053】
次に、撮影装置1は、第1撮像部40により、試料9の第1撮影を行う(ステップS13:第1撮影工程)。これにより、試料9の第1画像D1を取得する。具体的には、光照射部30から試料容器90へ向けて光を照射しつつ、カメラ42が、試料容器90内の試料9を明視野で撮影する。また、焦点移動機構43により、焦点の位置を変化させながら、上記の撮影を複数回行う。これにより、焦点位置の異なる複数の二次元画像を含む第1画像D1が取得される。取得された第1画像D1は、カメラ42からコンピュータ60へ入力される。
【0054】
続いて、コンピュータ60の第1解析部62が、第1撮像部40により取得した第1画像D1に基づいて、試料9の二次元解析を行う(ステップS14:第1解析工程)。本実施形態では、第1解析部62は、第1画像D1に基づいて、試料9に含まれる細胞92の数をカウントする。そして、得られた細胞92の数を、第1解析結果R1として、撮影制御部61および第2解析部63へと引き渡す。また、第1解析部62は、当該第1解析結果R1を、液晶ディスプレイ等の表示部80に表示する。
【0055】
そして、コンピュータ60の撮影制御部61は、ステップS14の第1解析結果R1が所定の第1条件を満たすか否かを判断する(ステップS15)。本実施形態における第1条件は、第1解析部62が解析した第1画像D1の細胞92の数が従前の第1解析結果R1よりも多くなることである。すなわち、ステップS14の第1解析結果R1が第1条件を満たす場合には、試料9の胚の分割が生じている。試料9が胚である場合、分割のタイミングで胚の状態を観察することが重要であるために、当該タイミングで第2撮影を行い、三次元画像である第2画像D2を得る。
【0056】
ステップS15において、コンピュータ60が第1解析工程(S14)の第1解析結果R1が第1条件を満たしていないと判断すると(ステップS15:No)、ステップS12に戻り、ステップS12~S14において次のウェル900に収容された試料9の第1画像D1の取得および解析を行う。
【0057】
一方、ステップS15において、コンピュータ60が第1解析工程(S14)の第1解析結果R1が第1条件を満たしていると判断すると(ステップS15:Yes)、撮影制御部61は、直前に第1撮影を行った試料9に対して第2撮像部50による第2撮影工程を行う。
【0058】
具体的には、まず、コンピュータ60が、移動機構70によって第2撮像部50を移動させて、撮影対象となる試料9が第2撮像部50の撮影視野内に配置されるように、第2撮像部50の位置を調整する(ステップS16)。そして、第2撮像部50により、試料9の第2撮影を行う(ステップS17:第2撮影工程)。
【0059】
本実施形態では、第2撮影工程(S17)では、光干渉断層撮影により、試料9の第2画像D2を取得する。具体的には、光源51から光を出射し、走査機構523により物体光学系52を微少移動させながら、観察光および参照光の干渉光を、波長成分ごとに、光検出器542で検出する。コンピュータ60は、光検出器542から出力される検出信号に基づいて、試料9の各座標位置における光強度分布を算出する。これにより、試料9の第2画像D2が得られる。
【0060】
第2撮影工程(S17)が完了すると、コンピュータ60は、ステップS12に戻り、ステップS12~S14において次のウェル900の試料9の第1画像D1の取得および解析を行う。
【0061】
一方、第2撮影工程(S17)が完了した後には、
図5に示す撮影の流れとは別に、第2解析部63において、第2画像D2を用いた第2解析工程を行ってもよい。本実施形態では、第2解析部63は、例えば、複数の細胞92それぞれの体積を算出する。
【0062】
第2解析部63は、第2画像D2の解析により得られた細胞92の体積を、第2解析結果R2として、記憶部603に記憶する。また、第2解析部63は、当該第2解析結果R2を、液晶ディスプレイ等の表示部80に表示する。
【0063】
試料9が胚である場合、時系列変化として、分割が生じる。胚の分割が生じた場合、その胚が正常に分割しているか、すなわち、分割異常が生じていたり、フラグメントが発生していたりしないかをより詳しく調べる必要がある。このため、胚の分割が生じたタイミングで、第2撮像部50による第2画像D2の取得を行い、上述のように、第2解析部63において画像解析を行うことが好ましい。
【0064】
ここで、第1実施形態において第1撮影は、光学顕微鏡を用いたマルチフォーカス明視野二次元撮影であり、第1撮影工程(S13)に必要な時間は20秒程度である。このため、観察対象となる試料9の数が24個である場合、全ての試料9に対して第1撮影工程(S13)を行うのに約8分かかる。このため、ステップS12~S15のループを繰り返して、全ての試料9に対して順番に第1撮影工程(S13)および第1解析工程(S14)を行うことによって、約8分ごとに、試料9である胚が分割したか否かを観察することができる。
【0065】
これに対して、第2撮影は光干渉断層撮影であり、第2撮影工程(S17)に必要な時間は5分程度と、第1撮影よりも長い。このため、観察対象となる試料9の数が24個である場合、全ての試料9に対して第2撮影工程(S17)を行うと、約120分かかることになる。このため、全ての試料9に対して第2撮影を行うと、次の撮影までの間に試料9の状態が大幅に変わってしまう虞がある。
【0066】
そこで、この第1実施形態では、ステップS12~S15のループを繰り返して、全ての試料9に対して順番に第1撮影工程(S13)および第1解析工程(S14)を行う。そして、いずれかの試料9について第1解析工程(S14)の第1解析結果R1が第1条件を満たした場合に、一時的にステップS12~S15のループを中断し、第1解析結果R1が第1条件を満たした試料9のみに対して第2撮影工程(S17)を行う。
【0067】
このように、第1撮影を繰り返して、全ての試料9の時系列変化を観察することにより、適切な時間間隔で各試料9の第1画像D1を得ることができる。そして、第1画像D1を解析した第1解析結果R1が所定の第1条件を満たしてより詳しい観察が要求される状態となった場合のみ、該当の試料9に対して時間のかかる第2撮影を行い、第2画像D2を取得する。このようにすれば、適切な時間間隔で、試料9の経時変化を観察することができるとともに、必要なタイミングで、撮影時間の長い第2撮影方法で撮影を行うことができる。
【0068】
<2-2.第2実施形態>
続いて、上記の撮影装置1における試料9の撮影・解析処理の第2実施形態について、説明する。
【0069】
図6は、第2実施形態に係る撮影・解析処理の流れを示したフローチャートである。第2実施形態では、試料容器90の複数のウェル900に収容された試料9の全てに対して1つずつ第1撮影工程と、第1解析工程とを行う。その後、所定の第1条件を満たした試料9に対して第2撮影工程を行う。そして、このような工程を繰り返し行う。
【0070】
第2実施形態においても、試料9を撮影・解析するときには、まず、ステージ20に試料容器90をセットする(ステップS21)。
【0071】
そして、コンピュータ60は、移動機構70によって第1撮像部40を移動させて、撮影対象となる試料9が第1撮像部40の撮影視野内に配置されるように第1撮像部40の位置を調整する(ステップS22)。
【0072】
次に、撮影装置1は、第1撮像部40により、試料9の第1撮影を行う(ステップS23:第1撮影工程)。これにより、試料9の第1画像D1を取得する。取得された第1画像D1は、カメラ42からコンピュータ60へ入力される。
【0073】
続いて、コンピュータ60の第1解析部62が、第1撮像部40により取得した第1画像D1に基づいて、試料9の二次元解析を行う(ステップS24:第1解析工程)。本実施形態では、第1実施形態と同様に、第1解析部62は、第1画像D1に基づいて、試料9に含まれる細胞92の数をカウントする。そして、得られた細胞92の数を、第1解析結果R1として、撮影制御部61および第2解析部63へと引き渡す。また、第1解析部62は、当該第1解析結果R1を、液晶ディスプレイ等の表示部80に表示する。
【0074】
そして、コンピュータ60の撮影制御部61は、全ての試料9に対して第1撮影が行われたか否かを判断する(ステップS25)。ステップS25において、未撮影の試料9がある、すなわち、全ての試料9に対して第1撮影が行われていないと判断すると(ステップS15:No)、コンピュータ60は、ステップS22に戻り、ステップS22~S24において次の試料9料の第1画像D1の取得および解析を行う。
【0075】
一方、ステップS25において、全ての試料9に対して第1撮影が行われたと判断すると(ステップS25:Yes)、コンピュータ60は、全ての試料9のうち、第1解析工程(S24)で得られた第1解析結果R1が所定の第1条件を満たすものがあるか否かを判断する(ステップS26)。本実施形態における第1条件も、第1実施形態と同様に、第1解析部62が解析した第1画像D1の細胞92の数が従前の第1解析結果R1よりも多くなることである。
【0076】
ステップS26において、コンピュータ60が、第1解析結果R1が第1条件を満たす試料9が1つも無いと判断すると(ステップS26:No)、再びステップS22~S25のループに戻り、最初に第1撮影を行った試料9から順に、全ての試料9に対して、ステップS22~S24を行う。
【0077】
一方、ステップS26において、コンピュータ60が、第1解析結果R1が第1条件を満たす試料9があると判断すると(ステップS26:Yes)、一時的にステップS22~S25のループを停止し、ステップS27~S29のループにおいて、第1解析結果R1が第1条件を満たす試料9の全てについて、ステップS27~S28を行って、第2撮像部50による第2撮影工程を行う。
【0078】
具体的には、まず、コンピュータ60が、移動機構70によって第2撮像部50を移動させて、撮影対象となる試料9が第2撮像部50の撮影視野内に配置されるように、第2撮像部50の位置を調整する(ステップS27)。そして、第2撮像部50により、試料9の第2撮影を行う(ステップS28:第2撮影工程)。本実施形態では、第1実施形態と同様に、第2撮影工程(S28)では、光干渉断層撮影により、試料9の第2画像D2を取得する。
【0079】
続いて、コンピュータ60は、第1解析結果R1が第1条件を満たす試料9の全てについて第2撮影が行われたか否かを判断する(ステップS29)。ステップS29において、未撮影の試料9がある、すなわち、第1条件を満たす全ての試料9に対して第2撮影が行われていないと判断すると(ステップS29:No)、コンピュータ60は、ステップS27に戻り、ステップS27~S28において次の試料9の第2画像R2の取得を行う。
【0080】
一方、ステップS29において、第1条件を満たす全ての試料9に対して第2撮影が行われたと判断すると(ステップS29:Yes)、コンピュータ60は、再びステップS22~S25のループに戻り、最初に第1撮影を行った試料9から順に、全ての試料9に対して、ステップS22~S24を行う。
【0081】
また、第1条件を満たす全ての試料9に対して第2撮影工程(S29)が完了した後には、
図6に示す撮影の流れとは別に、第2解析部63において、第1解析部62における第1解析結果R1と第2画像D2とを用いた第2解析工程を行う。
【0082】
この第2実施形態では、ステップS22~S25のループを繰り返して、全ての試料9に対して順番に第1撮影工程(S23)および第1解析工程(S24)を行う。その後、第1解析工程(S14)の第1解析結果R1が第1条件を満たした一部の試料9に対して第2撮影工程(S28)を行う。
【0083】
このように、第1撮影を繰り返して、全ての試料9の時系列変化を観察することにより、適切な時間間隔で各試料9の第1画像D1を得ることができる。そして、第1画像D1を解析した第1解析結果R1が所定の第1条件を満たしてより詳しい観察が要求される状態となった場合のみ、該当の試料9に対して時間のかかる第2撮影を行い、第2画像D2を取得する。このようにすれば、適切な時間間隔で、試料9の経時変化を観察することができるとともに、必要なタイミングで、撮影時間の長い第2撮影方法で撮影を行うことができる。
【0084】
<2-3.第3実施形態>
続いて、上記の撮影装置1における試料9の撮影・解析処理の第3実施形態について、説明する。
【0085】
図7は、第3実施形態に係る撮影・解析処理の流れを示したフローチャートである。第3実施形態では、試料容器90の複数のウェル900に収容された試料9の1つ1つに対して、第1撮影工程と、第1解析工程とを行う。そして、第1解析工程の第1解析結果R1が所定の第1条件を満たした場合には第2撮影工程を行う。一方、第1解析工程の第1解析結果R1が所定の第2条件を満たした場合には、当該試料9を撮影対象から除外する。このような工程を全ての試料9に対して繰り返し行う。
【0086】
撮影装置1において試料9を撮影・解析するときには、まず、ステージ20に試料容器90をセットする(ステップS31)。その後行われる撮影位置調整工程(ステップS32)、第1撮影工程(ステップS33)および第1解析工程(ステップS34)は、第1実施形態のステップS12~S14と同様に行われる。
【0087】
続いて、第1実施形態のステップS15と同様に、コンピュータ60の撮影制御部61は、ステップS14の第1解析結果R1が所定の第1条件を満たすか否かを判断する(ステップS35)。
【0088】
ステップS35において、コンピュータ60が第1解析工程(S34)の第1解析結果R1が第1条件を満たしていると判断すると(ステップS35:Yes)、第1実施形態のステップS16~S17と同様に、コンピュータ60は、直前に第1撮影を行った試料9に対して、第2撮像部50の撮影位置調整工程(ステップS36)と、第2撮像部50による第2撮影工程(ステップS37)とを行う。そして、第2撮影工程(S37)が完了すると、コンピュータ60は、ステップS32に戻り、ステップS32~S34において次のウェル900の試料9の第1画像D1の取得および解析を行う。
【0089】
また、第1実施形態と同様に、第2撮影工程(S37)が完了した後には、
図5に示す撮影の流れとは別に、第2解析部63において、第1解析部62における第1解析結果R1と第2画像D2とを用いた第2解析工程を行う。
【0090】
一方、ステップS35において、コンピュータ60が第1解析工程(S34)の第1解析結果R1が第1条件を満たしていないと判断すると(ステップS35:No)、続いて、コンピュータ60は、第1解析工程(S34)の第1解析結果R1が所定の第2条件を満たしているか否かを判断する(ステップS38)。
【0091】
ステップS38において、コンピュータ60が第1解析工程(S34)の第1解析結果R1が第2条件を満たしていると判断すると(ステップS35:Yes)、第2条件を満たしていると判断した試料9を撮影対象から除外する。これにより、第1解析結果R1が第2条件を満たした試料9は、その後、第1撮影工程(S33)も第2撮影工程(S37)も行われない。
【0092】
一方、ステップS38において、コンピュータ60が第1解析工程(S34)の第1解析結果R1が第2条件を満たしていないと判断すると(ステップS35:No)、ステップS32に戻り、ステップS32~S34において次のウェル900に収容された試料9の第1画像D1の取得および解析を行う。
【0093】
上記の第1実施形態および第2実施形態では、第1条件は、試料9の細胞92の数が前周期よりも増えることである。ここで、第1解析工程の第1解析結果R1がノイズによって一時的に実際と異なる値となってしまう場合がある。これによって第1条件に当てはまり、必要が無いのに第2撮影工程を行ってしまうおそれがある。
【0094】
そこで、本実施形態では、第1条件は、2周期以上連続して、それまでの細胞数よりも多い細胞数を確認できることとする。具体的には、周期n=kまでの少なくとも2周期(少なくとも周期n=k-1,kの2周期)における第1解析結果R1の細胞数がm個であり、周期n=k+1,k+2の2周期連続で第1解析結果R1の細胞数がm+m’個である場合に、第1条件を満たすものとする。
【0095】
第2条件は、試料9の観察を継続する必要が無いと考えられる条件である。本実施形態では、試料9は胚であるため、第2条件は、移植に適さない胚の条件となる。具体的には、胚が明らかに異常な分割を生じている場合として、1個の細胞92が3個以上に分割するDirect Cleavage(DC)や、一度分割した細胞92が再び融合するReverse Cleavage(RC)が知られている。また、フラグメントの過多や、ノイズによって細胞数の解析が不可能な場合にも、移植に適さないと考えられる。
【0096】
このため、本実施形態において、
・第1解析結果R1の細胞数が、増加した後に減少した場合(具体的には、2周期以上連続してそれまでの細胞数よりも多い細胞数となった後に、2周期以上連続して増加後の細胞数よりも少ない細胞数となった場合)、
・第1解析結果R1の細胞数が、3周期連続して異なる値となった場合、および、
・第1解析結果R1の細胞数が、2周期以上解析不能となった場合、
のうちのいずれか1つに当てはまることを第2条件とする。
【0097】
本実施形態では、このような第2条件に当てはまる試料9を撮影対象から除外することにより、観察継続の必要の無い試料9に対して第1撮影工程、第1解析工程および第2撮影工程を行うことを避けられる。
【0098】
<2-4.第4実施形態>
続いて、上記の撮影装置1における試料9の撮影・解析処理の第3実施形態について、説明する。
【0099】
図8は、第4実施形態に係る撮影・解析処理の流れを示したフローチャートである。第4実施形態では、第1撮影工程および第1解析工程を行う期間と、その後、所定の第1条件を満たした試料9に対して第2撮影工程を行う期間とを、時刻によって定めている。すなわち、第2実施形態におけるステップS22~S25のループに相当する工程を行う期間と、第2実施形態におけるステップS27~S29のループに相当する工程を行う期間とを、時刻によって定めている。以下では、第1撮影工程および第1解析工程を行う期間(「第1撮影期間」と称する)を毎時00分~40分、第2撮影工程を行う期間(「第2撮影期間」と称する)を毎時40分~次の00分として、説明を行う。
【0100】
第4実施形態においても、試料9を撮影・解析するときには、まず、ステージ20に試料容器90をセットする(ステップS41)。
【0101】
コンピュータ60は、その後、現在時刻が第1撮影期間となったか否かを判断する(ステップS42)。具体的には、コンピュータ60は、現在時刻が毎時00分~40分の第1撮影期間に属するか否かを判断する。コンピュータ60は、第1撮影期間の開始時刻となっていないと判断すると(ステップS42:No)、再びステップS42に戻り、待機する。
【0102】
一方、コンピュータ60は、第1撮影期間の開始時刻となったと判断すると(ステップS42:Yes)、ステップS43へと進む。
図9は、第1撮影期間に行われるステップS43における撮影・解析処理の流れを示したフローチャートである。
【0103】
図9に示すように、第1撮影期間(S43)においては、撮影位置調整工程(ステップS431)、第1撮影工程(ステップS432)および第1解析工程(ステップS433)は、第1実施形態のステップS12~S14と同様に行われる。
【0104】
続いて、第1実施形態のステップS15と同様に、コンピュータ60の撮影制御部61は、ステップS14の第1解析結果R1が所定の第1条件を満たすか否かを判断する(ステップS434)。
【0105】
ステップS434において、第1解析工程(S433)の第1解析結果R1が第1条件を満たしていると判断すると(ステップS434:Yes)、コンピュータ60は、第1条件を満たした当該試料9をリストに追加した後、ステップS436へと進む。このリストには、次の第2撮影期間(S46)において第2撮影を行うべき試料9が記録される。
【0106】
一方、ステップS434において、第1解析工程(S433)の第1解析結果R1が第1条件を満たしていないと判断すると(ステップS434:No)、コンピュータ60は、ステップS436へと進む。
【0107】
ステップS436では、コンピュータ60は、第1撮影期間が終了したか否かを判断する。具体的には、コンピュータ60は、現在時刻が毎時40分~00分の期間に該当していないか否かを判断する。コンピュータ60は、第1撮影期間が終了し、現在時刻が毎時40分~00分の期間に該当していると判断すると(ステップS436:Yes)、ステップS43を終了し、ステップS44へと進む。このとき、この第1撮影期間(S43)内に全ての試料9について第1撮影工程および第1解析工程を終了していない場合、次の第1撮影期間(S43)において、この第1撮影期間(S43)内に第1撮影工程および第1解析工程が行われていない試料9から順に、第1撮影工程および第1解析工程を行う。
【0108】
一方、ステップS436において、第1撮影期間が終了していない、すなわち、現在時刻が毎時00分~40分の期間に該当していると判断すると(ステップS436:No)、ステップS437に進む。
【0109】
ステップS437では、コンピュータ60の撮影制御部61は、この第1撮影期間(S43)において、全ての試料9に対して第1撮影が行われたか否かを判断する。ステップS437において、この第1撮影期間(S43)において未撮影の試料9がある、すなわち、この第1撮影期間(S43)において全ての試料9に対して第1撮影が行われていないと判断すると(ステップS436:No)、コンピュータ60は、ステップS431に戻り、ステップS431~S433において次の試料9料の第1画像D1の取得および解析を行う。
【0110】
一方、ステップS436において、全ての試料9に対して第1撮影が行われたと判断すると(ステップS436:Yes)、コンピュータ60は、第1撮影期間(S43)を終了し、ステップS44へと進む。
【0111】
続いて、コンピュータ60は、全ての試料9のうち、第1解析工程(S431)で得られた第1解析結果R1が所定の第1条件を満たすものがあるか否かを判断する(ステップS44)。すなわち、上述のリストに、第2撮影を行うべき試料9が記録されているか否かを判断する。
【0112】
ステップS44において、コンピュータ60が、第1解析結果R1が第1条件を満たす試料9が1つも無いと判断すると(ステップS44:No)、ステップS42へと進み、次の第1撮影期間の開始まで待機する。
【0113】
一方、ステップS44において、コンピュータ60が、第1解析結果R1が第1条件を満たす試料9があると判断すると(ステップS44:Yes)、コンピュータ60は、第2撮影期間の開始時刻となったか否かを判断する(ステップS45)。すなわち、コンピュータ60は、現在時刻が毎時40分~00分の第2撮影期間に属するか否かを判断する。コンピュータ60は、現在時刻が第2撮影期間に属さないと判断すると(ステップS45:No)、再びステップS45に戻り、待機する。
【0114】
一方、コンピュータ60は、現在時刻が第2撮影期間に属すると判断すると(ステップS45:Yes)、ステップS46へと進む。
図10は、第2撮影期間に行われるステップS46における撮影・解析処理の流れを示したフローチャートである。
【0115】
図10に示すように、第2撮影期間(S46)においては、撮影位置調整工程(ステップS461)および第2撮影工程(ステップS462)が、第1実施形態のステップS16~S17と同様に行われる。
【0116】
続いて、コンピュータ60は、第2撮影期間が終了したか否かを判断する(ステップS463)。具体的には、コンピュータ60は、現在時刻が毎時00分~40分の期間に該当していないか否かを判断する。コンピュータ60は、第2撮影期間が終了し、現在時刻が毎時00分~40分の期間に該当していると判断すると(ステップS463:Yes)、ステップS46を終了し、ステップS42へと戻る。
【0117】
一方、ステップS463において、第2撮影期間が終了していない、すなわち、現在時刻が毎時40分~00分の期間に該当していると判断すると(ステップS463:No)、ステップS464に進む。このとき、この第2撮影期間(S46)内に、第1条件を満たす全ての試料9について第2撮影工程を終了していない場合、次の第2撮影期間(S46)において、この第2撮影期間(S46)内に第2撮影工程が行われていない試料9から順に、第2撮影工程を行う。
【0118】
ステップS464では、コンピュータ60の撮影制御部61は、この第2撮影期間(S46)において、第1条件を満たす全ての試料9に対して第2撮影が行われたか否かを判断する。ステップS464において、この第2撮影期間(S46)において未撮影の試料9がある、すなわち、この第2撮影期間(S46)において第1条件を満たす全ての試料9に対して第2撮影が行われていないと判断すると(ステップS464:No)、コンピュータ60は、ステップS461に戻り、ステップS461~S462において次の試料9料の第2画像D2の取得を行う。
【0119】
一方、ステップS464において、第1条件を満たす全ての試料9に対して第2撮影が行われたと判断すると(ステップS464:Yes)、コンピュータ60は、第2撮影期間(S46)を終了し、ステップS42へと戻る。
【0120】
この第4実施形態では、第1撮影工程および第1解析工程を行う時間帯と、第2撮影工程を行う時間帯とをあらかじめ決めている。このようにすれば、時間のかかる第2撮影を行うべき試料9が多くなった場合に、他の試料9の第1撮影が長時間行われないという問題が解消される。
【0121】
<3.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【0122】
<3-1.解析対象と、第2撮影実施条件のバリエーション>
上記の実施形態において、解析対象である試料9は、胚であった。そのため、第2撮影を行うための条件である第1条件は、細胞数が増えることであった。しかしながら、解析対象の試料9は、胚に限られず、撮影装置1で観察可能な生体試料であればよい。具体的には、試料9は、例えば、複数の細胞を含む細胞クラスターである。
図11は、試料9の例と、試料9の種類毎の第1条件の例とを示した図である。
【0123】
図11に示すように、試料9の例には、細胞を3次元的に培養させたスフェロイドまたはオルガノイド、細胞をシート状に培養させた細胞シート、培養がん細胞などが挙げられる。
【0124】
解析対象の試料9が、細胞を3次元的に培養させたスフェロイドやオルガノイドである場合、インキュベータ10内で培養されることによって、細胞が増殖してスフェロイドやオルガノイドが成長する。このとき、第2撮影工程を実施する条件である第1条件は、例えば、
(1)全体の大きさの変化、細胞数の変化
(2)形状の変化
(3)空洞の形成
(4)輝度の変化
(5)上記の(1)~(4)の変化が生じる速度の変化
のいずれかが所定の閾値を超えること、とすることができる。
【0125】
これにより、スフェロイドやオルガノイドの状態が大きく変化したり、状態変化のスピードが急激に変わったりした場合に第2撮影工程を行って、詳しい状態変化を観察することができる。
【0126】
また、解析対象の試料9が、細胞をシート状に培養させた細胞シートである場合、インキュベータ10内で培養されることによって、細胞間の隙間が増殖した細胞で埋められたり、細胞が重なり合って細胞層の厚みが増したりする。このとき、第2撮影工程を実施する条件である第1条件は、例えば、輝度の変化、または、輝度の変化が生じる速度の変化が所定の閾値を超えること、とすることができる。
【0127】
また、解析対象の試料9が、培養がん細胞である場合、インキュベータ10内で培養されることによって、細胞塊が大きくなるにつれて、血管が伸張する等の形状の変化が生じる。このとき、第2撮影工程を実施する条件である第1条件は、例えば、
(1)形状の変化(突起が増える等)
(2)突起長さの変化
(3)突起の分岐点の数の変化
(4)上記の(1)~(3)の変化が生じる速度の変化
のいずれかが所定の閾値を超えること、とすることができる。
【0128】
<3-2.第1撮影および第2撮影の撮影方法のバリエーション>
上記の実施形態では、第1撮影は、光学顕微鏡を用いたマルチフォーカス明視野二次元撮影であり、第2撮影は、光干渉断層撮影であった。しかしながら、第1撮影および第2撮影は、他の撮影方法により第1画像D1および第2画像D2を取得するものであってもよい。
【0129】
撮影対象となる試料9の全てに対して定期的に行われる第1撮影は、光学顕微鏡による明視野撮影のように、非侵襲または低侵襲の撮影方法が選択される。これに対して、上記の実施形態において、第2撮影は、光干渉断層撮影であった。第1条件を満たす試料9のみに対して行われる第2撮影は、第1撮影よりも撮影回数が少ないため、第1撮影よりも撮影時間が長い撮影方法や、第1撮影よりも侵襲性の高い撮影方法を用いることができる。
【0130】
撮影時間が比較的短く、非侵襲または低侵襲な第1撮影の例としては、光学顕微鏡を用いたマルチフォーカス明視野二次元撮影の他に、光学顕微鏡を用いたシングルフォーカス明視野二次元撮影が挙げられる。
【0131】
第2撮影の例として、上記の実施形態で示した光干渉断層撮影の他に、共焦点レーザ顕微鏡を用いた非染色試料および蛍光染色試料の二次元撮影および三次元撮影、X線撮影などが挙げられる。共焦点レーザ顕微鏡による蛍光染色試料の撮影は、光学顕微鏡における明視野二次元撮影に比べて、撮影時間が長く、かつ、蛍光退色や、光細胞毒性による細胞ダメージの可能性がある。また、X線撮影では被爆による細胞ダメージの可能性がある。
【0132】
このように侵襲性の高い撮影方法を用いた試料9の撮影を行う場合には、第1撮影工程および第1解析工程によって、適切な頻度で生体試料の時系列変化を適切に把握し、試料への侵襲性の高い第2撮影工程を必要なタイミングでのみ行うことにより、生体試料へのダメージを抑制しつつ、生体試料の時系列変化を適切に観察することができる。
【0133】
<3-3.その他の変形例>
上記の実施形態では、第1解析工程において、試料9に含まれる細胞92の数を出力していた。しかしながら、第1解析工程において、他の指標を出力してもよい。例えば、第1解析工程において、試料9に含まれるフラグメントの量、試料9の中における細胞92の位置、試料9の中における細胞92の広がり、Veeck分類結果などを、第1解析結果R1として出力してもよい。
【0134】
また、上記の第1実施形態では、第2解析工程において、試料9に含まれる細胞92の体積を出力していた。しかしながら、第2解析工程において、第1解析工程により得られた細胞92の数に基づいて、複数の細胞92の形状を同定し、第2解析結果R2として、細胞92の形状同定結果を出力してもよい。また、第2解析工程において、第1解析結果R1を利用しつつ、他の指標を出力してもよい。例えば、第2解析工程において、試料9に含まれるフラグメントの量や、Veeck分類結果などを出力してもよい。
【0135】
また、上記の実施形態では、撮影装置1は、第1解析結果R1および第2解析結果R2を、それぞれ、表示部70に出力していた。しかしながら、撮影装置1は、第1解析結果R1および第2解析結果R2を、他のコンピュータへ、データ出力するものであってもよい。
【0136】
また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0137】
1 撮影装置
9 試料
10 インキュベータ
40 第1撮像部
50 第2撮像部
60 コンピュータ
61 撮影制御部
62 第1解析部
63 第2解析部
92 細胞
D1 第1画像
D2 第2画像
R1 第1解析結果
R2 第2解析結果