(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147691
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】暖房付加装置
(51)【国際特許分類】
F24H 3/06 20220101AFI20231005BHJP
【FI】
F24H3/06 302
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055336
(22)【出願日】2022-03-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-10-31
(71)【出願人】
【識別番号】522078440
【氏名又は名称】北原 浩明
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】北原 浩明
(57)【要約】
【課題】熱源が暖房する空間だけでなく、他の空間も高温の空気により暖房することが可能な暖房付加装置を提供する。
【解決手段】暖房付加装置10は、第1空間となる作業場を暖房する廃油ストーブ100により加熱される収容室11sであり、廃油ストーブ100の本体部110の外周面と外套部11との間に形成された収容室11sと、収容室11sに収容される、絡み合う複数の金属細線14と、収容室11sから第2空間へ温風を放出するダクト13と、収容室11sへの送風により金属細線14による温風をダクト13へ送気する送風装置140とを備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1空間を暖房する熱源により加熱される収容室と、
前記収容室に収容される、絡み合う複数の金属細線と、
前記収容室から第2空間へ温風を放出する配管と、
前記収容室への送風により前記金属細線による温風を前記配管へ送気する送風装置とを備えた暖房付加装置。
【請求項2】
前記金属細線は、前記収容室における前記熱源側となる内壁面に接触した状態で収容された請求項1記載の暖房付加装置。
【請求項3】
前記金属細線は、金属たわしにより形成された請求項1または2記載の暖房付加装置。
【請求項4】
前記収容室の送風路には、送風を受け滞留させる返し壁が設けられ、
前記金属細線は、前記返し壁の下流側に配置された請求項1から3のいずれかの項に記載の暖房付加装置。
【請求項5】
前記収容室は、前記熱源となる暖房装置の燃焼室の外周面と、前記暖房装置の一部を囲う外套部とにより形成された請求項1から4のいずれかの項に記載の暖房付加装置。
【請求項6】
前記収容室は、前記熱源となる暖房装置の排気管の外周面と、前記排気管の一部を囲う外套部とにより形成された請求項1から4のいずれかの項に記載の暖房付加装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暖房するための熱源に付加することで、暖房効率を向上させることが可能な暖房付加装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
寒い日に、空間を暖めるストーブ、ファンヒーターやエアコンディショナーなどの各種の暖房装置は、作業性を維持するためや、健康を維持するために、必要なものである。
様々な暖房装置について、例えば、特許文献1~3に記載されたものが知られている。
【0003】
特許文献1に記載の廃油ストーブは、外釜および外釜内に略密閉状態で配設されて、供給された廃油を燃焼させ、その排煙が排煙ダクトを介して屋外に排出される内釜を備える燃焼部と、外釜と内釜との間の空間を加熱空間に、被暖房室空気を循環させる循環送風部と、内釜に廃油を所定量ずつ供給する燃料供給部と、廃油を燃焼させる際に必要となる燃焼用空気を送風する燃焼空気供給部とを設けたものである。
【0004】
特許文献2に記載の空気浄化機能を備えた暖房装置は、設置状態で下部に空気導入部を備えると共に上部に空気導出部を備えた暖房装置ケーシングと、内部下側の発熱源で加熱されて上昇する加熱空気が接触通過するように白金触媒保持体が内部上側に設けられた反応筒との間に、室内空気が流れる室内空気上昇空間が形成されたものである。この暖房装置は、空気導入部から発熱源を介して反応筒内に入って上昇し白金触媒保持体を接触通過した空気が、暖房装置ケーシング内の室内空気上昇空間内に入った空気導入部からの空気を引き込んでこれと合流し空気導出部から外部に導出するように形成されている。
【0005】
特許文献3に記載の給気フィルタおよびそれが取り付けられた燃焼装置は、燃焼用空気を取り込む給気口と、この給気口から取り込まれた燃焼用空気をバーナへ送る給気通路と、給気通路に設けられ、燃焼用空気を蛇行させてこの燃焼用空気に含まれる塵埃を捕捉する仕切板と、捕捉された塵埃を除去するドレインコックとを有することにより給気フィルタとしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3722226号公報
【特許文献2】特開2010-197032号公報
【特許文献3】特開平11-182838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載の廃油ストーブでは、内釜で廃油を燃焼させて排煙ダクトを介して排煙を屋外に排出させ、外釜と内釜との間の加熱空間として循環送風部により被暖房室空気を循環させて、暖房空間へ送っている。従って、内釜での燃焼は、内釜自体を加熱する以外は室内の暖房に寄与せず、外釜と内釜との間の加熱空間も単なる空間であるため、内釜からの放熱により加熱空間が温められることになるので効率が悪く、加熱空間の加熱温度も送風によりすぐに暖房空間に排出されてしまうため高い温度が期待できない。
【0008】
特許文献2に記載の空気浄化機能を備えた暖房装置では、白金触媒保持体は、金属たわし状または海綿状で通気口を有する金属かセラミックの表面に白金を担持させたものでもよいことが記載されているが、加熱空気を浄化するためのもので、暖房効率を向上させるためのものではない。
【0009】
更に、特許文献3に記載の給気フィルタおよびそれが取り付けられた燃焼装置においても、仕切板により形成され、燃焼用空気を蛇行させる給気通路に、金たわし(空気進行方向拡散手段)が設けられているが、この金たわしは、給気通路を通過する燃焼用空気の進行方向を拡散し、燃焼用空気に含まれる塵埃を捕捉するためのものである。
【0010】
暖房装置だけでは、暖房される空間も限られており、高い効率化は望めないため、効率化を図るために、暖房装置を熱源として、暖房装置が温める空間だけでなく、高温度の空気を他の空間に供給することにより、他の空間も温めることが可能な暖房付加装置が求められている。
【0011】
そこで本発明は、熱源が暖房する空間だけでなく、他の空間も高温の空気により暖房することが可能な暖房付加装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の暖房付加装置は、第1空間を暖房する熱源により加熱される収容室と、前記収容室に収容される、絡み合う複数の金属細線と、前記収容室から第2空間へ温風を放出する配管と、前記収容室への送風により前記金属細線による温風を前記配管へ送気する送風装置とを備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明の暖房付加装置によれば、熱源により第1空間が暖房される。また、収容室の金属細線が熱源により加熱されることで蓄熱する。そして送風装置からの送風が収容室に流入すると、金属細線が放熱して高温の温風となり、配管を通って第2空間に放出される。
【0014】
前記金属細線は、前記収容室における前記熱源側となる内壁面に接触した状態で収容されたものとすることができる。
熱源側となる内壁面が熱源により加熱されると、内壁面に接触した金属細線は伝熱により加熱されるので、効率よく金属細線を加熱することができる。
【0015】
前記金属細線は、金属たわしにより形成されたものとすることができる。金属たわしは、適度な弾性と、熱による耐性と、高い熱伝導率と、通気性を有しているため、収容室に縮小変形させながら押し込み収容しても、通気性を確保しながら送風装置による送風を加熱することができる。
【0016】
前記収容室の送風路には、送風を受け滞留させる返し壁が設けられ、前記金属細線は、前記返し壁の下流側に配置されたものとすることができる。送風を受ける返し壁が送風路に設置されていることで、温風が送風路で滞留して金属細線を加熱する。そのため、金属細線を更に高温に加熱することができる。
【0017】
前記収容室は、前記熱源となる暖房装置の燃焼室の外周面と、前記暖房装置の一部を囲う外套部とにより形成されたものとすることができる。また、前記収容室は、前記熱源となる暖房装置の排気管の外周面と、前記排気管の一部を囲う外套部とにより形成されたものとすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の暖房付加装置によれば、第1空間が熱源により暖房され、第2空間も加熱された金属細線が放熱して配管から温風が放出されるので、暖房装置が暖房する空間だけでなく、他の空間も高温の空気により暖房することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る暖房付加装置を説明するための図であり、暖房付加装置を、廃油ストーブに付加した状態の図である。
【
図2】本発明の実施の形態2に係る暖房付加装置を説明するための図であり、暖房付加装置を、薪を燃やす金属缶に付加した状態の図である。
【
図3】本発明の実施の形態3に係る暖房付加装置を説明するための図であり、暖房付加装置を、薪ストーブに付加した状態の図である。
【
図4】暖房付加装置の収容室における内部構造の変形例を示す図である。
【
図5】
図4に示す折返壁の変形例を示す図であり、(A)は金属板をV字状に折返した返し壁を示す図、(B)は金属板に通風孔が形成された返し壁を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る暖房付加装置を図面に基づいて説明する。
まずは、暖房装置を廃油ストーブとして例に説明する。
図1(A)に示す廃油ストーブ100は、暖房付加装置10が付加された状態で、移動容易とするために台車Cに搭載され、作業場などの第1空間を暖房するものである。
【0021】
廃油ストーブ100は、内部が燃焼室となる円筒状の本体部110と、本体部110の底部に設けられ、廃油を溜める受け皿120と、受け皿120へ廃油を供給する燃料供給部130と、ストーブ本体110内に送風する送風装置140と、排気管150とを備えている。
【0022】
本体部110の上端110eには蓋110cが設けられている。
本体部110の下部110bには、底部の受け皿120を覗くための点検口111が形成されている。
本体部110には、本体部110の上部110uから下方に向かって延びる給気管112が配置されている。給気管112には、吹出口が形成されており、本体部110内部に送風装置140からの空気が送風される。
【0023】
本体部110の上部110uには、内部空間を上下方向に区画する区画板113が配置されている。区画板113は、周方向に沿って貫通孔113aが形成されている。貫通孔113aには、斜め下方に延びる案内管113bが形成されている。
本体部110の上部110uの周囲には、保護のためのフェンス114が設けられている。
【0024】
受け皿120は、燃料供給部130から滴下された廃油(燃料)を燃焼させる。
燃料供給部130は、廃油が貯蔵されるタンク131と、タンク131からの廃油が一時的に貯留され、受け皿120へ供給される流量が調整されるサブタンク132と、サブタンク132からの廃油を受け皿120へ供給する供給管133とを備えている。
【0025】
送風装置140は、廃油ストーブ100の給気管112へ送風すると共に、暖房付加装置10へ送風する。送風装置140は、発生源となる送風機141と、送風機141の送風路と暖房付加装置10の送風路とを連結する導入管142と、導入部から延びて給気管112の上部に接続された接続管143とを備えている。
送風機141は、ブロアとすることができる。
【0026】
排気管150は、本体部110の上部から上方へ延びるように取り付けられた煙突である。排気管150には、円盤状のセラミックス151が塵埃除去のために配置することができる。
【0027】
次に、このような、廃油ストーブ100に取り付けられた暖房付加装置10の構成について説明する。
暖房付加装置10は、本体部110の一部となる胴部110tを囲い、本体部110との間が収容室11sとなる外套部11と、本体部110の胴部110tを貫通する加熱管12と、導入管142との連結位置とは反対側となる位置から延びるダクト13と、外套部11に収容された金属細線14と、送風装置140とを備えている。
【0028】
外套部11は、本体部110の胴部110tの外周面に沿って形成された筒部11cと、筒部11cと本体部110の胴部110tとの間による上部開口と下部開口とを閉鎖するドーナツ状の閉鎖板11bとを備えている。
外套部11と、本体部110との間の空間は、送風装置140からの空気が送風される送風路であり、収容室11sとしても機能する。
加熱管12は、送風機141側とダクト13側との送風路を連通するように配置されている。
ダクト13は、廃油ストーブ100が暖房する第1空間とは異なる他の空間(第2空間)まで延びて温風を放出する配管である。
【0029】
なお、ダクト13から温風を、そのまま放出してもよいが、ダクト13の開口部にサーキュレーター13sを設置して、温風を第2空間の遠方まで到達させたり、第2空間を循環するようにしたりしてもよい。また、ダクト13を上方へ向ければ、温風が上昇気流となり、天井に沿って拡がり、より広範囲を暖房することができる。
【0030】
送風装置140は、廃油ストーブ100と暖房付加装置10とで共通して使用される。
なお、本実施の形態では送風装置140を共通させているが、個別に送風装置を設けることも可能である。
【0031】
ここで、外套部11と、本体部110との間の収容室11sと、加熱管12とに配置された金属細線14について
図1(B)に基づいて説明する。
金属細線14は、複数本が絡み合うように寄せ集めたものである。金属細線14は、例えば、丸められた金属たわしとすることができる。また、金属細線14は、ステンレスウールとすることができる。
金属細線14は、寄せ集められることで弾性を有しており、収容室11sに押し込まれることで、縮小変形した状態で収容されている。従って、金属細線14は、熱源側となる本体部110の外周面(収容室11sの内壁面)に幅広く押し付けられた状態で収納されている。
【0032】
以上のように構成された本発明の実施の形態1に係る暖房付加装置10の使用状態について、図面に基づいて説明する。
図1(A)に示すように、廃油ストーブ100では、燃料供給部130から燃料が受け皿120にて供給されて燃焼すると、燃焼が加熱管12を加熱しながら、本体部110を加熱する。そうすることで、暖房付加装置10から露出した本体部110の上部110uと下部110bとから放熱されるので、廃油ストーブ100が設置された周囲空間(第1空間)を暖房する。
【0033】
図1(B)に示すように、本体部110が加熱されることで、収容室11sに収容された金属細線14が加熱される。特に、金属細線14は、本体部110の外周面に押し付けられた状態で接触しているので、本体部110から伝熱により加熱される。
従って、本体部110から熱が金属細線14に伝熱することで、金属細線14が蓄熱する。
【0034】
図1(A)に示すように、送風機141からの送風は導入管142を通過して、収容室11sおよび加熱管12に流入し、本体部110の外周面と加熱管12とに沿って流れる。
収容室11sと加熱管12とに流入した送風は、蓄熱した金属細線14(
図1(B)参照)による放熱により加熱されて、ダクト13を介して、廃油ストーブ100が設置された場所(第1空間)とは異なる他の場所(第2空間)に放出される。
金属細線14は、細線を寄せ集めた塊であるため、送風が通過するのに十分な隙間がある。従って、送風機141からの送風は、金属細線14に接触して加熱されながら収容室11sを通過することができる。
【0035】
このように廃油ストーブ100が暖房する設置場所(第1空間)だけでなく、暖房付加装置10により異なる場所(第2空間)も暖房することができる。また、暖房付加装置10の収容室11sに金属細線14が収容されているため、金属細線14が廃油ストーブ100から蓄熱し、送風機141からの送風を加熱するので、ダクト13から放出される温風を高温に加熱することができる。
【0036】
例えば、金属細線14が、本体部110の外周面から離間して設置されていると、本体部110からの放熱により収容室の空気が加熱され、加熱された空気が金属細線14を加熱することなるので、金属細線14は空気を媒介として加熱されることになる。
しかし、本実施の形態では、金属たわしによる金属細線14は、収容室11sに縮小変形させながら押し込み収容しても、通気性を確保できる。従って、金属細線14を本体部110に接触させることで、直接、本体部110から伝熱により加熱させることができる。そのため、効率よく金属細線14を加熱することができるので、暖房効率を高めることができる。
【0037】
更に、送風機141からの送風は、導入管142を介して加熱管12に流入することで加熱管12により加熱され、収容室11sに流入してからダクト13を介して放出される。従って、更に高熱に加熱することができる。
【0038】
また、送風装置140が廃油ストーブ100と暖房付加装置10とで共通して使用されるため、暖房付加装置10の構成部品を少なくすることができ、小型化が可能である。
【0039】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る暖房付加装置について図面に基づいて説明する。
実施の形態1では、熱源が廃油ストーブ(
図1参照)としたが、熱源はどのようなものでもよい。
本実施の形態2では、例えば、
図2(A)に示すように、熱源を、一斗缶などの金属缶200の中で薪を燃やしたものとしている。
そして、暖房付加装置10Aは、金属缶200の上端の開口部201に配置されている。
【0040】
暖房付加装置10Aは、送風装置140Aと、送風装置140Aからの接続管144が接続され、内部に収容室15sが形成された本体部15と、本体部15から延びるダクト13とを備えている。
本体部15は、薄型の箱状に形成されている。本体部15の収容室15sには、実施の形態1と同様に、金属細線14が収容されている。金属細線14は、本体部15の内壁面同士に挟み込まれ、押し付けられた状態で接触している。
ダクト13は、金属缶200が設置された場所(第1空間)とは異なる第2空間まで延びるように形成されている。
【0041】
このように実施の形態2に係る暖房付加装置10Aが形成されていることにより、薪が燃やされると、金属缶200の周囲が暖房されると共に、本体部15が加熱され、収容室15sに収容された金属細線14が伝熱により加熱され蓄熱する。
送風装置140Aからの送風は、収容室15sを通過してダクト13から第2空間へ流れる。この送風は、収容室15sを通過する際に、金属細線14からの放熱により加熱され、高温の空気となってダクト13から放出される。
このように熱源を、薪を燃やした金属缶200としても、実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
【0042】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る暖房付加装置について図面に基づいて説明する。
本実施の形態3では、熱源を薪ストーブとしたものであり、暖房付加装置の収容室が煙突の一部を囲うように設けられたものである。
図3に示すように、薪ストーブ300は、薪を燃やす燃焼室が形成された本体部310と、本体部310からの排煙を外部へ排出する煙突320とを備えている。
【0043】
暖房付加装置10Bは、煙突320の外周面321を囲うことで、内部が収容室となる外套部16と、外套部16へ送風する送風装置140Aと、外套部16から隣接した部屋(第2空間)に延びるダクト13とを備えている。
外套部16と煙突320の外周面321との間の収容室16sには、実施の形態1,2と同様に金属細線が収容されている。
金属細線は、外套部16と煙突320の外周面321との間で、押し付けられようにして、縮小変形した状態で収容されている。
【0044】
このように実施の形態3に係る暖房付加装置10Bが形成されていることにより、薪ストーブ300により薪が燃やされると、薪ストーブ300の周囲が暖房されると共に、煙突320が加熱されることで、外套部16内の収容室に収容された金属細線が伝熱により加熱され蓄熱する。
送風装置140Aからの送風は、接続管144を介して収容室16sを通過してダクト13から隣接した部屋へ流れる。この送風は、収容室を通過する際に、金属細線からの放熱により加熱され、高温の空気となってダクト13から放出される。
このように熱源を、薪ストーブ300としても、実施の形態1,2と同様の作用効果を得ることができる。
【0045】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る暖房付加装置について図面に基づいて説明する。
本実施の形態4では、金属細線が収容される収容室が内部に形成された本体部の変形例について説明する。
【0046】
図4に示すように、本体部17には、収容室17sを仕切って送風路を蛇行させる仕切壁17wが配置されている。この仕切壁17wには、空気を滞留させるために、上流方向に凹部が向く返し壁17rが設けられている。返し壁17rの下流側には、金属細線14が配置されている。
【0047】
このように、送風を受ける返し壁17rが送風路に設置されていることで、温風が送風路で滞留して金属細線14を加熱する。そのため、金属細線14を更に高温に加熱することができる。
また、蛇行した送風路の折り返し部17mには、板部材が平行に並べられた整流板17nが配置されているので、折り返し部17mに到達した温風をスムーズに折り返すことができる。
【0048】
この上流方向に凹部が向く返し壁17rは、例えば、
図5(A)および同図(B)に示すようなものとすることができる。
図5(A)に示す返し壁17qは、金属板が上流方向に開いたV字状に折り曲げられて形成されている。
このように返し壁17qが形成されていても、単なる平板を配置するより効率よく温風を滞留させることができる。
【0049】
図5(B)に示す返し壁17tは、送風路を遮るように高さを合わせた金属板に通風孔が形成されたものである。従って、返し壁17tは、温風の通過を邪魔しつつも通風孔により高温となった温風を流すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、一般家庭、工場や施設など暖房装置を使用するところに適用することが可能である。
【符号の説明】
【0051】
10,10A,10B 暖房付加装置
11 外套部
11b 閉鎖板
11c 筒部
11s 収容室
12 加熱管
13 ダクト
13s サーキュレーター
14 金属細線
15 本体部
15s 収容室
16 外套部
16s 収容室
17 本体部
17s 収容室
17w 仕切壁
17r,17q,17t 返し壁
17m 折り返し部
17n 整流板
100 廃油ストーブ
110 本体部
110b 下部
110e 上端
110u 上部
110t 胴部
111 点検口
112 給気管
113 区画板
113a 貫通孔
113b 案内管
114 フェンス
120 受け皿
130 燃料供給部
131 タンク
132 サブタンク
133 供給管
140,140A 送風装置
141 送風機
142 導入管
143 接続管
144 接続管
200 金属缶
201 開口部
300 薪ストーブ
310 本体部
320 煙突
321 外周面
【手続補正書】
【提出日】2022-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1空間を暖房する熱源により加熱される収容室と、
前記収容室に収容される、絡み合う複数の金属細線と、
前記収容室から第2空間へ温風を放出する配管と、
前記収容室への送風により前記金属細線による温風を前記配管へ送気する送風装置とを備え、
前記収容室の送風路には、送風を受け滞留させる返し壁が設けられ、
前記金属細線は、前記送風路における前記返し壁の上流側に配置された暖房付加装置。
【請求項2】
前記金属細線は、前記収容室における前記熱源側となる内壁面に接触した状態で収容された請求項1記載の暖房付加装置。
【請求項3】
前記金属細線は、金属たわしにより形成された請求項1または2記載の暖房付加装置。
【請求項4】
前記収容室は、前記熱源となる暖房装置の燃焼室の外周面と、前記暖房装置の一部を囲う外套部とにより形成された請求項1から3のいずれかの項に記載の暖房付加装置。
【請求項5】
前記収容室は、前記熱源となる暖房装置の排気管の外周面と、前記排気管の一部を囲う外套部とにより形成された請求項1から3のいずれかの項に記載の暖房付加装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
前記収容室の送風路には、送風を受け滞留させる返し壁が設けられ、前記金属細線は、前記送風路における前記返し壁の上流側に配置されたものとすることができる。送風を受ける返し壁が送風路に設置されていることで、温風が送風路で滞留して金属細線を加熱する。そのため、金属細線を更に高温に加熱することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
図4に示すように、本体部17には、収容室17sを仕切って送風路を蛇行させる仕切壁17wが配置されている。この仕切壁17wには、空気を滞留させるために、上流方向に凹部が向く返し壁17rが設けられている。
送風路における返し壁17rの
上流側には、金属細線14が配置されている。