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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147712
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20231005BHJP
   B08B 1/00 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
H01L21/304 644G
H01L21/304 644B
H01L21/304 648G
H01L21/304 622Q
B08B1/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055384
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002428
【氏名又は名称】芝浦メカトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】樋口 晃一
(72)【発明者】
【氏名】林 航之介
【テーマコード(参考)】
3B116
5F057
5F157
【Fターム(参考)】
3B116AA03
3B116AA46
3B116AB03
3B116AB33
3B116BA02
3B116BA23
3B116BA32
3B116BB22
5F057AA21
5F057AA33
5F057DA03
5F057DA39
5F057FA37
5F157AA96
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB90
5F157BA02
5F157BA03
5F157BA07
5F157BA13
5F157BA31
5F157CE07
5F157DB02
5F157DC51
(57)【要約】      (修正有)
【課題】構成を複雑化することなく、基板の両面を洗浄することが出来る洗浄装置を提供する。
【解決手段】洗浄装置1において、基板Wを保持し、保持した基板Wを回転させる基板回転部10と、磁石26が設けられ、第1のブラシ25を保持する洗浄ヘッド20は、第1の回転速度で回転する基板Wの一面に第1のブラシ25を接触させ、基板Wの一面を洗浄する洗浄ヘッド20と、基板Wの一面と平行な方向に洗浄ヘッド20を移動させるブラシ駆動部40と、磁石26に吸引される被吸引部31が設けられ、第1のブラシ25に対向する位置で、基板Wの他面に接触し、洗浄ヘッド20に追従して基板Wの他面を洗浄する第2のブラシ30と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持し、保持した前記基板を回転させる基板回転部と、
磁石が設けられ、第1のブラシを保持する洗浄ヘッドであって、第1の回転速度で回転する前記基板の一面に前記第1のブラシを接触させ、前記基板の一面を洗浄する洗浄ヘッドと、
前記基板の一面と平行な方向に前記洗浄ヘッドを移動させるブラシ駆動部と、
前記磁石に吸引される被吸引部が設けられ、前記第1のブラシに対向する位置で、前記基板の他面に接触し、前記洗浄ヘッドに追従して前記基板の他面を洗浄する第2のブラシと、
を備える洗浄装置。
【請求項2】
基板を保持し、保持した前記基板を回転させる基板回転部と、
被吸引部が設けられ、第1のブラシを保持する洗浄ヘッドであって、第1の回転速度で回転する前記基板の一面に前記第1のブラシを接触させ、前記基板の一面を洗浄する洗浄ヘッドと、
前記基板の一面と平行な方向に前記洗浄ヘッドを移動させるブラシ駆動部と、
前記被吸引部を吸引する磁石が設けられ、前記第1のブラシに対向する位置で、前記基板の他面に接触し、前記洗浄ヘッドに追従して前記基板の他面を洗浄する第2のブラシと、
を備える洗浄装置。
【請求項3】
前記磁石は、電磁石または永久磁石である、
請求項1または2に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記ブラシ駆動部が前記洗浄ヘッドを前記基板に到達させるまでの移動経路上に、前記第2のブラシが収容される容器を更に備える、
請求項1乃至3のいずれかに記載の洗浄装置。
【請求項5】
前記洗浄ヘッドは、前記第2のブラシが収容された前記容器上で、前記第1のブラシと前記第2のブラシを接触させ、前記第2のブラシを保持する、
請求項4に記載の洗浄装置。
【請求項6】
前記ブラシ駆動部は、
前記第1のブラシと前記第2のブラシとの接触面の高さを、前記基板の高さに合わせ、
前記基板の縁部に前記第1のブラシと前記第2のブラシとの接触面を接触させ、前記第1のブラシと前記第2のブラシとの間に前記基板を割り込ませる、
請求項5に記載の洗浄装置。
【請求項7】
前記基板回転部は、
前記第1の回転速度よりも低い第2の回転速度で前記基板を回転させ、
前記ブラシ駆動部が前記第1のブラシと前記第2のブラシとの間に前記基板を割り込ませた後、前記第1の回転速度で前記基板を回転させる、
請求項6に記載の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の製造工程においては、基板である半導体のウェーハの面を高い清浄度で洗浄することが要求される場合がある。例えば、基板の面を平坦化するために、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)を行った後は、基板の面に、有機物、金属を含む研磨屑やスラリーの残渣屑などのパーティクル(以下、汚染物とする)が付着している。
【0003】
汚染物は、平坦な成膜の妨げや、回路パターンのショートにつながるため、製品不良を起こすことになる。そのため、基板を洗浄することにより、汚染物を除去する必要がある。このような洗浄を行う装置として、洗浄液とブラシを用いる洗浄装置が知られている。この洗浄装置は、基板を回転させるとともに、回転する基板の面に洗浄液を介してブラシを接触させて、基板と平行な方向に移動させる。これにより、洗浄液によって基板の面に付着した汚染物が浮いて、ブラシによって基板の外に排出されるので、基板が全体に亘って洗浄される。
【0004】
具体的には、基板の周縁部をチャックピンによって保持し、チャックピンが設けられる回転テーブルを回転させることにより、基板を回転させる。あるいは、基板の周縁部を溝もしくは段部付きのローラによって保持し、そのローラを回転駆動することにより、基板を回転させる。一方、回転する基板の面に平行な方向に、先端部にブラシが設けられるアームを移動させる。このブラシの移動経路の途中に、基板の外側から基板の中央付近に向けて、ノズルから洗浄液が吹き付けられる。基板の洗浄は、特許文献1に示されるように、その両面に行われることが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11-238714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
基板の両面を洗浄する場合、基板の一面側だけでなく、他面側にも基板の面を洗浄するためのブラシを移動させるアームなどのブラシ駆動部を設ける必要があり、洗浄装置の構成が複雑になるというデメリットがあった。
【0007】
本発明は、構成を複雑化することなく、基板の両面を洗浄することが出来る洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の洗浄装置は、基板を保持し、保持した前記基板を回転させる基板回転部と、磁石が設けられ、第1のブラシを保持する洗浄ヘッドであって、第1の回転速度で回転する前記基板の一面に前記第1のブラシを接触させ、前記基板の一面を洗浄する洗浄ヘッドと、前記基板の一面と平行な方向に前記洗浄ヘッドを移動させるブラシ駆動部と、前記磁石に吸引される被吸引部が設けられ、前記第1のブラシに対向する位置で、前記基板の他面に接触し、前記洗浄ヘッドに追従して前記基板の他面を洗浄する第2のブラシと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の洗浄装置は、構成を複雑化することなく、基板の両面を洗浄することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態の洗浄装置の概略構成を示す側面図。
図2】実施形態の洗浄ヘッドを示す断面図。
図3】洗浄の開始位置にある洗浄ヘッド(A)、洗浄中の洗浄ヘッド(B)、終了位置にある洗浄ヘッド(C)を示す平面図。
図4】実施形態の洗浄ヘッドの昇降を示す側面図。
図5】実施形態の制御部を示す機能ブロック図。
図6】実施形態の洗浄ヘッドがブラシを保持する動作を示す説明図。
図7】実施形態のブラシが基板を挟み込む動作を示す説明図。
図8】変形例においてブラシを洗浄する動作を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(構成)
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態は、図1に示すように、基板Wを回転テーブルにより回転させながら、洗浄液とブラシによって洗浄する洗浄装置1である。基板Wは、典型的には半導体のウェーハであるが、表示装置用の基板等であってもよい。基板Wの厚みは、例えば0.7mm程度である。
【0012】
洗浄装置1は、図1に示すように、基板Wを回転させる基板回転部10と、基板Wの一面を洗浄する洗浄ヘッド20と、洗浄ヘッド20に吸引され、基板Wの他面を洗浄するブラシ30と、洗浄ヘッド20を移動させるブラシ駆動部40と、ブラシ30が収容される容器50と、基板Wに洗浄液を吐出する吐出部60と、を備える。
【0013】
基板回転部10は、基板Wを回転させる。基板回転部10は、基板Wを保持する保持部11と、保持部11が設けられる回転テーブル12と、回転テーブル12を回転させる回転機構13と、を備える。
【0014】
保持部11は、保持部11が設けられる回転テーブル12の上面と平行に、かつ当該上面から所定の高さ離間して、基板Wを保持する。保持部11は、基板Wの外周に沿って、等間隔で複数配置されたチャックピン11aを備える。チャックピン11aは、例えば6本設けられる。チャックピン11aは、円柱形状の部材であり、側面に基板Wの縁部が嵌る括れを有する。チャックピン11aは、図示しない駆動機構により、基板Wの縁部に接することにより基板Wを保持する保持位置と、基板Wの縁部から離れることにより基板Wを解放する解放位置との間を移動可能に設けられる。
【0015】
回転テーブル12は、上面に保持部11が設けられる円筒形状の部材である。回転機構13は、回転テーブル12を回転させる機構である。回転機構13は、回転テーブル12の下部に設けられる。回転機構13は、図示しないモータなどの駆動源を備え、回転テーブル12を回転させる。すなわち、回転機構13は、回転テーブル12に設けられた保持部11を回転させ、保持部11に保持された基板Wを、反時計(CCW:Counter Clock Wise)方向に回転させる。基板Wの回転速度は、例えば0rpm~100rpmである。以下では、100rpmを第1の回転速度、0rpm~10rpmを第2の回転速度ともいうが、第1の回転速度と第2の回転速度は、具体的な数値に限定されない。すなわち、第1の回転速度は、任意の回転速度であり、第2の回転速度は、第1の回転速度よりも低い回転速度である。
【0016】
洗浄ヘッド20は、回転する基板Wの一面に、回転するブラシ25を接触させることにより、基板Wの一面を洗浄する。なお、ここでいう接触は、ブラシ25が直接接する場合だけでなく、洗浄液が介在して接する場合も含む。洗浄ヘッド20は、図1に示すように、基板Wから見て回転テーブル12の反対側に設けられる。洗浄ヘッド20は、図2に示すように、胴部21と、モータ22と、ブラシホルダ23と、支持体24と、ブラシ25と、磁石26と、を備える。
【0017】
胴部21は、内部にモータ22が設けられる円筒形状の容器である。モータ22は、ブラシ25を、CCW方向に回転させる駆動源である。ブラシ25の回転速度は、例えば100rpm~500rpmである。ブラシホルダ23は、モータ22の駆動軸に取り付けられ、支持体24が着脱可能に設けられた円筒形状の部材である。ブラシホルダ23は、胴部21とは独立して回転可能に設けられている。ブラシホルダ23の内部には、後述する磁石26が設けられる。支持体24は、チャック機構等によりブラシホルダ23に着脱可能に設けられ、ブラシ25を支持する円盤形状の部材である。
【0018】
ブラシ25は、柔軟性と弾性を有する材質で形成された円柱形状の部材である。ブラシ25は、スポンジ状のポリアミド系樹脂等である。ポリアミド系樹脂は、PVA等である。ブラシ25の、ブラシ25を支持する支持体24側と反対側は、基板Wの一面と接触し、基板Wの一面を洗浄する面となっている。
【0019】
磁石26は、中空構造の円盤形状であり、ブラシホルダ23の内部において、モータ22の駆動軸に干渉しないように設けられる。すなわち、磁石26は、モータ22により、ブラシ25と共に回転する。本実施形態の磁石26は、図示しない直流電源からの通電により磁化し、磁力を発生させる電磁石であり、電磁石が発生させる磁力によって、後述するブラシ30が備える被吸引部31を吸引する。なお、回転する磁石26への通電は、例えばロータリージョイントにより実現される。これにより、洗浄ヘッド20は、ブラシ25に対向する位置で、ブラシ30を保持する。具体的には、洗浄ヘッド20は、ブラシ25に接触させた状態でブラシ30を保持してもよいし、ブラシ25とブラシ30とが基板Wを挟んだ状態でブラシ30を保持してもよい。また、磁石26に対する通電を停止することにより、洗浄ヘッド20は、ブラシ30を解放する。磁石26の磁力は、ブラシ25とブラシ30とが基板Wを挟んだ状態で、ブラシ25の移動にブラシ30が追従可能であり、かつ、ブラシ25と共に回転する磁石26により、ブラシ25の回転にブラシ30が同期して回転可能な程度である。
【0020】
また、磁石26に対する通電電流を変化させることにより、磁石26の磁力を容易に変更することが出来る。例えば、ブラシ25とブラシ30との接触面に基板Wを割り込ませるときには、両者がずれるおそれを抑制できるように磁力を強め、ブラシ25とブラシ30との間で基板Wを挟んで洗浄するときには、洗浄に適した圧力となるように磁力を弱めることが出来る。
【0021】
ブラシ30は、柔軟性と弾性を有する材質で形成された円柱形状の部材である。ブラシ30は、少なくとも基板Wの他面と接触し、基板Wの他面を洗浄する側が、スポンジ状のポリアミド系樹脂等である。ポリアミド系樹脂は、PVA等である。ブラシ30は、基板Wの他面を洗浄する側と反対側に、ブラシ30を支持する支持部30aを備える。支持部30aは、ブラシ30と略同径の円柱形状の部材であり、中空構造の内部に後述する被吸引部31を備える。
【0022】
ブラシ30の支持部30aは、被吸引部31を備える。被吸引部31は、支持部30aの内部に設けられる円盤形状の金属部材または磁石であり、磁石26が発生させる磁力により、磁石26に吸引される。被吸引部31が設けられる位置は、磁石26に吸引される際に、ブラシ30がブラシ25に対向する位置に保持されるような位置である。これにより、ブラシ30は、磁石26に吸引され、ブラシ25に対向するように、洗浄ヘッド20に保持される。なお、磁石26に吸引される前のブラシ30は、後述する容器50に収容されている。
【0023】
ブラシ駆動部40は、洗浄ヘッド20を基板Wの面に平行な方向及び垂直な方向に移動させる。ブラシ駆動部40は、アーム41を備える。
【0024】
アーム41は、図1に示すように、基板Wを挟んで回転テーブル12の反対側に設けられる。アーム41は、基板Wの面に平行な方向に延びる部材であり、一端に洗浄ヘッド20が取り付けられている。すなわち、アーム41は、基板Wの洗浄を行うときは、基板Wの一面に対向する位置に位置付けられている。なお、アーム41は、基板Wの洗浄を行わないときは、基板Wの外部にある待機位置に位置付けられている。具体的には、アーム41は、待機位置に設けられたステージSに洗浄ヘッド20を載置している(図6(A)参照)。待機位置には図示しないノズルが設けられ、このノズルから吐出されるDIW(超純水)等の洗浄液により、ステージSにおいて、洗浄ヘッド20に設けられたブラシ25を洗浄することが出来る。具体的には、ステージSの上面に供給された洗浄液がブラシ25とステージSとの間を満たした状態で、ブラシ25を回転させることにより、ブラシ25の、基板Wの一面に接触する面を洗浄することが出来る。
【0025】
アーム41は、図示しない駆動機構を備える。駆動機構は、アーム41を移動させる揺動機構及び昇降機構を備える。
【0026】
揺動機構は、図3(A)乃至(C)に示すように、洗浄ヘッド20と反対側の端部を軸とする円弧の軌跡で、基板Wの外周上から反対側の外周上まで、基板Wに平行な方向にアーム41を往復させる。また、揺動機構は、待機位置から基板Wの外周上まで、アーム41を往復させる。なお、待機位置から基板Wの外周上までの経路上には、後述する容器50が設けられている。揺動機構は、洗浄ヘッド20にブラシ30を保持させるために、容器50の上方で洗浄ヘッド20を一時停止させることが出来る。揺動機構は、アーム41から基板Wの面に直交する方向に延びた支軸と、支軸を揺動させる駆動源である図示しないモータなどにより構成される。
【0027】
昇降機構は、図4に示すように、洗浄ヘッド20が基板Wの面に垂直な方向にアーム41を移動させる。昇降機構としては、アーム41の支軸を昇降させるボールねじ機構、シリンダ等を採用できる。なお、図4においては、洗浄ヘッド20にブラシ30が保持され、ブラシ25にブラシ30が接触しているものとする。昇降機構は、洗浄ヘッド20及びブラシ30を昇降させることにより、ブラシ25とブラシ30との接触面の高さを、基板Wの高さに合わせる。すなわち、この接触面が基板Wの厚みの中心に位置するように、両者の高さを合わせる。また、この接触面が基板Wの他面と面一になるように両者の高さを合わせても良い。なお、ブラシ25とブラシ30の、基板Wの縁部と当接する部分は、基板Wが割り込みやすいように、面取り加工を行ってもよい。
【0028】
続いて、昇降機構によりブラシ25とブラシ30との接触面の高さと基板Wの高さを合わせた状態で、揺動機構により基板Wの縁部にブラシ25とブラシ30との接触面を接触させ、ブラシ25とブラシ30との間に基板Wを割り込ませるように洗浄ヘッド20を揺動させる。この時、モータ22によりブラシ25は回転し、ブラシ25に対向する位置において保持されるブラシ30は、ブラシ25と共に回転する磁石26により、ブラシ25の回転に同期して回転する。このように、ブラシ25とブラシ30は、回転しつつその接触面に基板Wを割り込ませるので、回転せずに基板Wを割り込ませる場合に比して、ブラシ30が、ブラシ25に対向する位置からずれにくくなっている。
【0029】
ブラシ25とブラシ30は、上述のように柔軟性と弾性を有するから、基板Wの縁部に当接した部分から撓み、基板Wの縁部を挟み込む。すなわち、ブラシ25とブラシ30との間に、基板Wが入り込む。また、ブラシ25とブラシ30との接触面の高さを基板Wの他面の高さと面一にした場合には、基板Wを割り込ませるように洗浄ヘッド20を揺動させたときに、基板Wの縁部と当接するブラシ25のみが撓む。この態様においては、基板Wの縁部がブラシ25とブラシ30との間に少しだけ入り込んだ状態で、洗浄ヘッド20を上昇させ、ブラシ25とブラシ30との接触面の高さを、基板Wの厚み中心の高さに合わせるようにしても良い。
【0030】
これにより、ブラシ25とブラシ30とは、基板Wを介して対向する。この状態で、洗浄ヘッド20が基板Wと平行な方向に移動することにより、ブラシ25は、基板Wの一面に接触して洗浄し、同時に、ブラシ30は、ブラシ25の移動に追従し、基板Wの他面に接触して洗浄する。すなわち、ブラシ25とブラシ30により、基板Wの両面が洗浄される。
【0031】
容器50は、ブラシ30を収容する有底の円筒形状の容器である。容器50は、上面が開口しており、この開口からブラシ30が出し入れされる。容器50において、ブラシ30は、基板Wに接触して洗浄する面を上方に向け、支持部30aを下方に向けて収容される。すなわち、容器50の底面に支持部30aが接触した状態で収容される。容器50は、ブラシ駆動部40が洗浄ヘッド20を基板Wに到達させるまでの移動経路上に設けられる。
【0032】
容器50の近傍には図示しないノズルが設けられ、このノズルから吐出されるDIW等の洗浄液により、収容されたブラシ30を洗浄することが出来る。すなわち、このノズルは、ブラシ30の上面に向けて洗浄液を供給する。また、容器50の底面には、供給された洗浄液を排出する図示しない排出管が設けられる。ブラシ30の洗浄に用いられた洗浄液は、この排出管から排出される。洗浄されたブラシ30は、洗浄ヘッド20により吸引され、基板Wの洗浄に用いられる。また、長時間使用されたブラシ30は、洗浄ヘッド20により解放されて容器50に収容され、上述のように洗浄される。
【0033】
吐出部60は、回転する基板Wの両面に向けて洗浄液または薬液を吐出する(図3(A)乃至(C)参照)。吐出部60から吐出される洗浄液は、例えば、DIWである。洗浄液としては、DIWの他、APM、オゾン水などを採用することも出来る。吐出部60から吐出される薬液は、例えば、BHF、オゾン水、HFである。吐出部60は、洗浄液または薬液を吐出するノズル61を備える。
【0034】
ノズル61は、基板Wを挟んで一対設けられる管である。ノズル61の一端は、基板Wの面に向けて洗浄液を吐出する吐出口61aを有する。また、本実施形態において、基板Wから見て回転テーブル12側のノズル61は、図示しないが、回転テーブル12の内部に設けられ、吐出口61aは、回転テーブル12の上面に開口しているものとする。ノズル61の他端は、図示しない洗浄液の供給装置に接続されている。供給装置は、例えば送液装置、バルブ等を備え、洗浄液を供給する。なお、ノズル61は、基板Wの各面に対して複数本ずつ設けられ、ノズル61ごとに供給する洗浄液または薬液を異ならせてもよい。また、基板Wの一面に対して設けられる本数と他面に対して設けられる本数とが異なっていてもよい。
【0035】
このような洗浄装置1は、各構成の動作を制御する制御部80を備える。すなわち、制御部80は、基板回転部10と、洗浄ヘッド20と、ブラシ駆動部40と、吐出部60と、を制御する。制御部80は、図5に示すように、基板回転制御部81と、磁力制御部82と、ブラシ制御部83と、吐出制御部84と、記憶部85と、設定部86と、入出力制御部87と、を備える。
【0036】
基板回転制御部81は、保持部11の基板保持または基板解放、回転機構13の回転動作及び回転速度を制御する。磁力制御部82は、電磁石である磁石26に対する通電を制御する。ブラシ制御部83は、モータ22の回転動作及び回転速度、ブラシ駆動部40の駆動機構42の動作を制御する。吐出制御部84は、吐出部60のノズル61からの洗浄液の吐出を制御する。
【0037】
記憶部85は、HDDまたはSSD等の記録媒体である。記憶部85には、システムの動作に必要なデータ、プログラムが予め記憶され、またシステムの動作に必要なデータを記憶する。設定部86は、入力に従って情報を記憶部85に設定する処理部である。入出力制御部87は、制御対象となる各構成との間での信号の変換や入出力を制御するインタフェースである。
【0038】
制御部80には、入力装置91、出力装置92が接続されている。入力装置91は、オペレータが、制御部80を介して洗浄装置1を操作するためのスイッチ、タッチパネル、キーボード、マウス等の入力手段である。オペレータは、入力装置91によって、記憶部85に設定される各種の情報を入力することができる。出力装置92は、装置の状態を確認するための情報を、オペレータが視認可能な状態とするディスプレイ、ランプ、メータ等の出力手段である。例えば、出力装置92は、入力装置91からの情報の入力画面を表示することができる。
【0039】
(動作)
上記のような構成の洗浄装置1の動作を、図3図6及び図7を参照して説明する。まず、前工程において、処理済みの基板Wの両面にはオゾン水がかけられており、酸化膜が形成されることにより、親水化されている。また、この酸化膜が形成された基板Wの両面には、前々工程であるCMP工程で残存した、有機系汚染物(スラリー等)や金属汚染物などが付着しているが、これらに含まれる有機物成分は、オゾン水により分解される。すなわち、オゾン水により、基板Wの親水化と有機物成分の分解とが行われている。前工程から搬出された基板Wは、図1に示すように、洗浄装置1の基板回転部10の上方に搬入される。なお、基板Wは、前工程において供給されたオゾン水により、その両面が濡れた状態で搬入される。
【0040】
基板回転部10の保持部11は、搬入された基板Wの縁部に接することにより、基板Wを保持する。回転機構13は、回転テーブル12を回転させ、これにより、保持部11に保持された基板WをCCW方向に回転させる。基板Wの回転速度は、上述の第2の回転速度、ここでは10rpmである。
【0041】
まず、基板Wを洗浄する前に、アーム41は、図6(A)に示すように、基板Wの外部にある待機位置に待機した状態にある。すなわち、アーム41は、待機位置に設けられたステージSに洗浄ヘッド20を載置した状態にある。次に、アーム41は、図6(B)に示すように、容器50の上方に移動し、一時停止する。さらに、アーム41は、図6(C)に示すように、容器50に収容されているブラシ30に向けて下降する。この状態で、磁石26が通電され、ブラシ30を吸引する。これにより、洗浄ヘッド20は、磁石26の吸引により、ブラシ25にブラシ30を接触させた状態で、ブラシ30を保持する。ブラシ30を保持した後、モータ22は、ブラシ25をCCW方向に回転させる。ブラシ25の回転速度は、例えば100rpmである。その後、アーム41は、図6(D)に示すように、下降前の高さまで移動する。
【0042】
そして、アーム41は、基板Wの外周近傍まで揺動して、一旦停止する。ここで、アーム41は、図7(A)に示すように、ブラシ25とブラシ30との接触面の高さを、基板Wの高さに合わせる。この時、基板回転部10は、基板Wの回転速度を、第2の回転速度、ここでは10rpmに維持する。さらに、アーム41は、図7(B)に示すように、基板Wの外周に向けて、基板Wの一面に平行な方向に移動する。これにより、ブラシ25とブラシ30との接触面を基板Wの縁部に接触させ、ブラシ25とブラシ30との間に基板Wを割り込ませる。詳細は後述するが、ブラシ25とブラシ30との間に基板Wを割り込ませる際の基板Wの回転速度とブラシ25の回転速度は、基板Wを洗浄する際の両者の回転速度よりも低い回転速度である。これにより、ブラシ25とブラシ30との間に基板Wを割り込ませる際の摩擦が小さくなるので、ブラシ30は、ブラシ25に対向する位置からずれるおそれが少ない。
【0043】
この時、基板Wと共に基板Wを保持するチャックピン11aも回転しているので、複数のチャックピン11aの間を縫うように、ブラシ25とブラシ30との間に基板Wを割り込ませる。このような動作は、図示しないセンサなどによりチャックピン11aの位置情報を取得し、洗浄ヘッド20の移動速度を制御することにより、実施可能である。このような洗浄ヘッド20の水平方向の移動は、ブラシ25とブラシ30との接触面の高さを基板Wの高さに合わせた状態から行われる。なお、基板Wの縁部にブラシ25とブラシ30との接触面を当接させる直前で、洗浄ヘッド20を一時停止させてもよい。これにより、複数のチャックピン11aの間を縫うように、ブラシ25とブラシ30との間に基板Wを割り込ませる動作を容易に行うことが出来る。
【0044】
なお、第2の回転速度を0rpmにしても良い。すなわち、ブラシ25とブラシ30との間に基板Wを割り込ませる際には、基板Wの回転を停止させても良い。これにより、複数のチャックピン11aの間を縫うように、ブラシ25とブラシ30との間に基板Wを割り込ませる動作を更に容易に行うことが出来る。
【0045】
ブラシ30は、洗浄ヘッド20の内部に設けられた磁石26に吸引されているので、ブラシ25に対向する位置で、基板W越しに洗浄ヘッド20に保持される。すなわち、ブラシ25とブラシ30は、基板Wの一面と他面に接触し、基板Wを挟む。また、ブラシ25とブラシ30が基板Wを挟み込む動作に並行して、ノズル61は、基板Wの両面に対して洗浄液を吐出する。
【0046】
ブラシ25とブラシ30が基板Wを挟み込んだ後、基板回転部10は、基板Wの回転速度を、第1の回転速度、ここでは100rpmに上昇させる。また、モータ22は、ブラシ25の回転速度を500rpmに上昇させる。この状態で、アーム41が揺動することにより、洗浄ヘッド20が水平移動する。この時、ブラシ30は、洗浄ヘッド20の内部に設けられた磁石26に吸引されているので、ブラシ25に対向する位置で、洗浄ヘッド20に追従して水平移動する。これにより、ブラシ25が基板Wの一面を、ブラシ30が基板Wの他面を、それぞれ同時に洗浄する。より詳細には、図3(A)及び(B)に示すように、基板Wの外周の一方から移動を開始したブラシ25とブラシ30が、図中、白塗りの矢印で示す円弧の軌跡で移動しながら、洗浄液とともに汚染物を基板Wの外周に押し出して行く。その後、図3(C)に示すように、ブラシ25とブラシ30が基板Wの外周の他方を越えて基板Wから外れると、ブラシ25の回転及びノズル61からの洗浄液の吐出を停止して、洗浄処理を終了する。
【0047】
なお、基板Wの外周側と中心側では周速が異なり、外周は周速が速く、1回転当たりで洗浄すべき面積が大きいので、ブラシ25とブラシ30の水平方向の移動を遅くする。すなわち、ブラシ駆動部40によるアーム41の移動速度を遅くする。一方で、中心に近付くほど周速が遅く、1回転当たりで洗浄すべき面積が小さくなるので、ブラシ25とブラシ30の水平方向の移動を速くする。すなわち、ブラシ駆動部40によるアーム41の移動速度を速くする。一方で、アーム41の速度を変更せずとも基板Wの清浄度が十分に保たれるのであれば、ブラシ駆動部40の制御を容易にする観点からブラシ25とブラシ30を揺動させる速度を一定としてもよい。
【0048】
洗浄処理の終了後、アーム41は待機位置に退避する。アーム41は、待機位置へと戻る途中で容器50の上方に一時停止し、磁石26への通電を停止してブラシ30を解放し、容器50に収容する。ブラシ30は、容器50の近傍に設けられたノズルにより、洗浄される。同様に、待機位置に戻ったブラシ25も、待機位置の近傍に設けられたノズルにより、洗浄される。なお、ブラシ25とブラシ30の汚れが目立たない場合は、アーム41は、ブラシ30を開放して洗浄せずに、そのまま待機位置へと戻っても良い。
【0049】
なお、図3(A)乃至(C)に示す動作を繰り返すことにより、ブラシ25とブラシ30による洗浄を複数回行ってもよい。この場合、1回の洗浄毎に、アーム41は洗浄を開始する位置に戻る(図3(A)参照)。
【0050】
上述した洗浄処理の終了後、吐出部60のノズル61は、基板Wに対して薬液を供給する。これにより、基板Wに対して、エッチングまたは酸化膜形成が行われる。
【0051】
(作用効果)
(1)本実施形態の洗浄装置1は、基板Wを保持し、保持した基板Wを回転させる基板回転部10と、磁石26が設けられ、第1のブラシ25を保持する洗浄ヘッド20であって、第1の回転速度で回転する基板Wの一面に第1のブラシ25を接触させ、基板Wの一面を洗浄する洗浄ヘッド20と、基板Wの一面と平行な方向に洗浄ヘッド20を移動させるブラシ駆動部40と、磁石26に吸引される被吸引部31が設けられ、第1のブラシ25に対向する位置で、基板Wの他面に接触し、洗浄ヘッド20に追従して基板Wの他面を洗浄する第2のブラシ30と、を備える。これにより、基板Wの他面側にアームなどのブラシ駆動部を設ける必要がないので、洗浄装置1の構成を複雑にすることが無い。洗浄装置1の製造コストを抑制することはもちろん、メンテナンスの手間も省力化することが出来る。
【0052】
また、従来の洗浄装置において、基板を回転させる構成として回転テーブルを採用する場合、基板と回転テーブルとの間に十分なスペースを確保することが出来ず、回転テーブル側にはアームなどのブラシ駆動部を設けられないことがあった。このような場合、洗浄装置において基板の一面を洗浄した後、洗浄装置とは別の反転装置に基板を搬出し、反転装置において基板を反転させてから、再び洗浄装置に基板を搬入して他面を洗浄するという手間がかかっていた。一方で、本実施形態の洗浄装置1であれば、基板Wの他面側にはブラシ30が存在するスペースを確保できれば十分であるので、基板Wを回転させる構成として回転テーブル12を採用しても、上述の反転装置が無くとも基板Wの両面を洗浄することが出来る。さらに、基板Wの両面を洗浄した後、そのまま基板Wを移動させることなく薬液処理に移行することが出来るので、基板Wの処理効率が向上する。
【0053】
(2)本実施形態の磁石26は、電磁石である。これにより、洗浄ヘッド20は、ブラシ30を容易に保持または解放出来るので、ブラシ30を丸洗いするなどメンテナンスが容易である。また、磁石26の磁力を容易に変更することが出来るので、例えば、ブラシ25とブラシ30との接触面に基板Wを割り込ませるときには、両者がずれるおそれを抑制できるように磁力を強め、ブラシ25とブラシ30との間で基板Wを挟んで洗浄するときには、洗浄に適した圧力となるように磁力を弱めることが出来る。
【0054】
(3)本実施形態の洗浄装置1は、ブラシ駆動部40が洗浄ヘッド20を基板Wに到達させるまでの移動経路上に、第2のブラシ30が収容される容器50を更に備える。また、洗浄ヘッド20は、第2のブラシ30が収容された容器50上で、第1のブラシ25と第2のブラシ30を接触させ、第2のブラシ30を保持する。これにより、洗浄ヘッド20が基板Wに向かう途中で容器50からブラシ30を保持することが出来るので、一連の洗浄処理をスムーズに行うことが出来る。
【0055】
(4)本実施形態の洗浄装置1において、ブラシ駆動部40は、第1のブラシ25と第2のブラシ30との接触面の高さを、基板Wの高さに合わせ、基板Wの縁部に第1のブラシ25と第2のブラシ30との接触面を接触させ、第1のブラシ25と第2のブラシ30との間に基板Wを割り込ませる。これにより、洗浄ヘッド20にブラシ30を保持させたまま、ブラシ25とブラシ30とで基板Wを挟むことが出来るので、ブラシ25とブラシ30との間に基板Wを挟むための特別な構成を必要としない。
【0056】
(5)本実施形態の洗浄装置1において、基板回転部10は、第1の回転速度よりも低い第2の回転速度で基板Wを回転させ、ブラシ駆動部40が第1のブラシ25と第2のブラシ30との間に基板Wを割り込ませた後、第1の回転速度で基板Wを回転させる。これにより、第1のブラシ25と第2のブラシ30との間に基板Wをスムーズに割り込ませることが出来る。また、ブラシ25とブラシ30が基板Wを挟み込む際に、基板Wを保持する保持部11がブラシ25とブラシ30に干渉するおそれを抑制することも出来る。
【0057】
(変形例)
本実施形態は、上記の態様に限定されるものではなく、以下のような変形例も構成可能である。例えば、基板回転部10としては、保持部11と回転テーブル12とを備える構成に限らない。溝もしくは段部付きのローラによって基板の縁部を保持し、そのローラを回転駆動することにより、基板を回転させる構成であっても良い。
【0058】
また、磁石26としては、通電により磁力を発生させる電磁石に限らず、永久磁石を採用しても良い。磁石26として永久磁石を採用する場合、磁石26は、ブラシホルダ23の内部に設けられても良いし、モータ22の駆動軸に取り付けられても良い。また、磁石26として永久磁石を採用する場合、図8に示すように、待機位置にブラシ洗浄用のプレートPを設ける。プレートPとしては、石英、Si等を採用することが出来る。待機位置において、ブラシ25とブラシ30との間にプレートPを噛ませることにより、両者を部分的に分離することが出来る。これにより、洗浄ヘッド20からブラシ30を分離せずとも、容易にブラシ25とブラシ30を洗浄することが出来るので、上記の実施形態と同様に、メンテナンスが容易である。
【0059】
また、上記実施形態の磁石26は、中空構造の円盤形状としたが、これに限られない。例えば、モータ22の駆動軸を囲むように、複数の円盤形状のものを等間隔で配置しても良い。この場合、被吸引部31も、この複数の磁石26に対応するように、複数設けられてもよい。
【0060】
また、上記実施形態の磁石26は、洗浄ヘッド20の内部に設けられるものとしたが、これに限られない。例えば、ブラシ30の支持部30aの内部に設けられても良い。この場合、磁石26としては、例えば永久磁石が採用され、洗浄ヘッド20の内部には、被吸引部31が設けられる。すなわち、上記実施形態の磁石26と被吸引部31は、入れ替え可能である。
【0061】
また、上記実施形態の磁石26は、洗浄ヘッド20の内部に設けられるものとしたが、これに限られない。洗浄ヘッド20の外部、例えば胴部21の外周を覆うように設けられても良い。また、上記実施形態の被吸引部31は、ブラシ30の支持部30aの内部に設けられるものとしたが、これに限られない。例えば、ブラシ30の内部に設けられても良い。この場合、支持部30aを省略することが出来る。
【0062】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態及び各部の変形例を説明したが、この実施形態や各部の変形例は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。
【符号の説明】
【0063】
1 洗浄装置
10 基板回転部
11 保持部
11a チャックピン
12 回転テーブル
13 回転機構
20 洗浄ヘッド
21 胴部
22 モータ
23 ブラシホルダ
24 支持体
25 ブラシ
26 磁石
30 ブラシ
30a 支持部
31 被吸着部
40 ブラシ駆動部
41 アーム
42 駆動機構
50 容器
60 吐出部
61 ノズル
61a 吐出口
80 制御部
81 基板回転制御部
82 磁力制御部
83 ブラシ制御部
84 吐出制御部
85 記憶部
86 設定部
87 入出力制御部
91 入力装置
92 出力装置
P プレート
S ステージ
W 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8