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  • 特開-音発生ユニット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147746
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】音発生ユニット
(51)【国際特許分類】
   B60Q 5/00 20060101AFI20231005BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20231005BHJP
   G10K 15/04 20060101ALN20231005BHJP
【FI】
B60Q5/00 680E
B60Q5/00 620A
B60Q5/00 630B
B60Q5/00 670Z
H04R1/02 102B
G10K15/04 302J
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055436
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100122183
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】船村 和彦
【テーマコード(参考)】
5D017
【Fターム(参考)】
5D017AE11
(57)【要約】
【課題】音発生装置の音質を高める新たな技術を提供する。
【解決手段】音発生ユニット22は、音発生装置と、音発生装置を覆う外側筐体と、を備える。外側筐体は、音発生装置に向かって突出するリブ26b,26cを有する。音発生装置は、リブ26b,26cに向かって突出するリブ32dを有している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音発生装置と、
前記音発生装置を覆う外側筐体と、を備え、
前記外側筐体は、前記音発生装置に向かって突出する第1のリブを有し、
前記音発生装置は、前記第1のリブに向かって突出する第2のリブを有していることを特徴とする音発生ユニット。
【請求項2】
前記音発生装置は、電気信号を振動に変換する磁気回路と、前記磁気回路の振動が伝わる振動板と、を有することを特徴とする請求項1に記載の音発生ユニット。
【請求項3】
前記音発生装置は、前記振動板を背面側から覆い、前記振動板の背面側から出た音が抜ける貫通孔を有する内側筐体を更に備え、
前記第1のリブ及び前記第2のリブは、前記貫通孔から出た音を迂回させるラビリンスの一部を構成することを特徴とする請求項2に記載の音発生ユニット。
【請求項4】
前記外側筐体は、前記音発生装置を保持した状態で被固定部に固定される保持部材を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の音発生ユニット。
【請求項5】
前記被固定部は、車両用灯具の一部を構成する灯具部品であることを特徴とする請求項4に記載の音発生ユニット。
【請求項6】
前記第1のリブは、前記灯具部品に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の音発生ユニット。
【請求項7】
前記灯具部品は、前記第1のリブの中央に、前記音発生装置の背面側の空間と灯室との間を貫通する開口部が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の音発生ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音発生ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車や電気自動車のようにモータを走行駆動源とする車両では、低速時におけるモータ音が静粛であるため他車両や歩行者が自車両に気づき難い。そこで、モータ音とは別の疑似音を発生させ、この疑似音を他車両や歩行者に対する警告音とする技術が提案されている。
【0003】
例えば、光源と、車両用灯具を構成するアウタレンズに固定され、電気信号を受けて振動によりアウタレンズを発音させる振動子と、を備える車両用灯具が考案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-241156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の振動子は、振動板とボディとの間の閉空間がごく狭い。そのため、閉空間における定在波(反響波)によって振動板の振動が打ち消され、所望の周波数の音を再生できない可能性がある。
【0006】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その例示的な目的の一つは、音発生装置の音質を高める新たな技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の音発生ユニットは、音発生装置と、音発生装置を覆う外側筐体と、を備える。外側筐体は、音発生装置に向かって突出する第1のリブを有する。音発生装置は、第1のリブに向かって突出する第2のリブを有している。
【0008】
この態様によると、音発生装置から発する音の経路長を長くできる。そのため、筐体内での定在波によって一部の周波数の音が打ち消されるといった現象を抑制でき、音発生装置の音質を高めることができる。
【0009】
音発生装置は、電気信号を振動に変換する磁気回路と、磁気回路の振動が伝わる振動板と、を有してもよい。
【0010】
音発生装置は、振動板を背面側から覆い、振動板の背面側から出た音が抜ける貫通孔を有する内側筐体を更に備えてもよい。第1のリブ及び第2のリブは、貫通孔から出た音を迂回させるラビリンスの一部を構成してもよい。これにより、振動板の背面側から出た音が振動板の正面側から出た音を打ち消すといった現象をより抑制できる。
【0011】
外側筐体は、音発生装置を保持した状態で被固定部に固定される保持部材を有してもよい。これにより、音発生装置を固定するための部品を外側筐体とは別に設ける必要がなくなる。
【0012】
被固定部は、車両用灯具の一部を構成する灯具部品であってもよい。これにより、新たな部品を必要とせずに車両用灯具と一体の音発生ユニットを実現できる。
【0013】
第1のリブは、灯具部品に設けられていてもよい。これにより、新たな部品を必要とせずにラビリンスを構成できる。
【0014】
灯具部品は、第1のリブの中央に、音発生装置の背面側の空間と灯室との間を貫通する開口部が形成されていてもよい。これにより、定在波を灯室内へ逃がすことができる。
【0015】
以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を製造方法、灯具や照明などの装置、発光モジュール、光源などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡易な作業で音発生装置への給電を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施の形態に係る車両用灯具の概略構成を示す縦断面図である。
図2】本実施の形態に係る音発生ユニットの分解斜視図である。
図3】本実施の形態に係る音発生ユニットの断面図である。
図4図2に示す被固定部を下方から見た正面図である。
図5図2に示すスピーカボディを上方から見た正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組合せは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0019】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態に係る車両用灯具の概略構成を示す縦断面図である。なお、図1は一部の部品を省略して図示している。図1に示す車両用灯具としての車両用前照灯10は、不図示の光源から出射された光が車両前方へ向けて透過するように配置されるアウタレンズ12と、光源と車両本体とを隔てる隔壁としてのランプボディ14と、を備える。アウタレンズ12は、ランプボディ14の車両前方側の開口を塞ぐように、ランプボディ14と一体化され、光源が配置される灯室16を構成する。
【0020】
このように構成された車両用前照灯10は、車両フード18及びバンパ20の間の空間に配置されている。本実施の形態に係る車両用前照灯10は、ランプボディ14の底部14aの灯具外側に、車両周囲の他車両や歩行者に対する警告音を発生する音発生ユニット22が設けられている。
【0021】
図2は、本実施の形態に係る音発生ユニットの分解斜視図である。図3は、本実施の形態に係る音発生ユニットの断面図である。図4は、図2に示す被固定部を下方から見た正面図である。図5は、図2に示すスピーカボディを上方から見た正面図である。
【0022】
図2乃至図5に示すように、音発生ユニット22は、音発生装置の一種であるスピーカユニット24と、スピーカユニット24を保持した状態で、被固定部26に固定される保持部材としてのカバー28と、を備える。本実施の形態に係る被固定部26は、車両用前照灯10を構成する灯具部品としてのランプボディ14の一部(底部14a)である。灯具部品としては、ランプボディ14そのものに限らず、ランプボディ14と一体の他部品や、ランプボディ14と連結される他部品であってもよい。これにより、新たな部品を必要とせずに車両用灯具と一体の音発生ユニット22を実現できる。
【0023】
また、被固定部26及びカバー28は、本実施の形態に係る外側筐体を構成し、スピーカユニット24を覆う。また、カバー28がスピーカユニット24を保持した状態で被固定部26に固定されるため、スピーカユニット24を固定するための部品を外側筐体とは別に設ける必要がなくなる。ランプボディ14の外側に設けられたスピーカユニット24は、音Sを発する前面24aが車両外部EXへ向くようにスピーカボディ32中央の所定位置に固定されている。スピーカユニット24は、音を発するものであればよく、例えば、ボイスコイルとマグネットにより振動板を振動させることで音を発する構造であってもよい。本実施の形態に係るスピーカユニット24は、磁気回路の振動が伝わる円板状の振動板24bと、電気信号を振動に変換する磁気回路24cと、スピーカボディ32とを有する。
【0024】
スピーカボディ32は、ワイヤーハーネスのコネクタが接続される接続部32aと、内側筐体32bとを有し、内側筐体32bの車両外部側の開口32cを閉塞するように振動板24bを保持している。これにより、水や埃が内側筐体32bを通って車両内部へ入り込むことを防止できる。
【0025】
カバー28は、スピーカユニット24が直接外部に露出しないように保護するためのものであり、振動板24bの前面24aを覆うことで、スピーカユニット24の破損や汚損が低減される。また、カバー28は、振動板24bから出た音が外部へ伝わりやすいように穴やスリット29が形成されている。また、カバー28は、被固定部26に固定される際に、被固定部26と結合する結合部28a(図2参照)を有する。
【0026】
本実施の形態に係る結合部28aは、カバー28の一部が加工されたスナップフィットやローテーションフィックスである。スナップフィットとは、例えば、材料の弾性を利用してはめ込むことにより固定する方式の一つである。ローテーションフィックスとは、相対的な回転動作により一方の部品が他方の部品を押す力が増すことで最終的に互いが固定される方式の一つである。
【0027】
本実施の形態に係るカバー28は、外側筐体28bの車両用灯具側の開口28cの縁部28dに結合部28aが設けられている。これにより、スピーカユニット24をカバー28を介して簡易にランプボディ14に固定できる。
【0028】
カバー28は、外側筐体28bの外周部の環状のフランジ部28eにOリング34が装着されている。Oリング34は、被固定部26とカバー28との間を封止する。これにより、接着剤等を用いずに被固定部26とカバー28との間から水や埃が車両内部へ入り込むことを防止できる。
【0029】
被固定部26は、灯室16と反対側の裏面26a側に、スピーカユニット24に向かって突出する円弧状のリブ26b,26cを有する。リブ26bは、リブ26cより直径が大きく、リブ26cの外側を囲むように設けられている。一方、スピーカボディ32の上面側には、リブ26bやリブ26cに向かって突出するリブ32dを有している。
【0030】
これにより、リブ26b,26cやリブ32dがない場合と比較して、スピーカユニット24の振動板24bから発する音S'の経路長Lを長くできる。そのため、外側筐体内での定在波が寸断され、一部の周波数の音が打ち消されたり共振したりするといった現象を抑制でき、スピーカユニット24の音質を高めることができる。
【0031】
また、内側筐体32bを有するスピーカボディ32は、振動板24bを背面側から覆い、振動板24bの背面側から出た音S'が抜ける貫通孔32eを有している。これにより、音S'が内側筐体32bで反射されて振動板24bに届きにくくなる。また、前述のリブ26b,26c及びリブ32dは、貫通孔32eから出た音S'を迂回させるラビリンスの一部を構成している。これにより、振動板24bの背面側から出た音S'が振動板24bの正面側から出た音Sと打ち消しあったり共振したりするといった現象をより抑制できる。また、リブ26b,26cがランプボディ14の底部14aに設けられているため、新たな部品を必要とせずにラビリンスを構成できる。
【0032】
外側筐体を構成する底部14aは、リブ26cの中央に、スピーカユニット24の背面側の空間24dと灯室16との間を貫通する開口部26dが形成されている。これにより、定在波を灯室16内へ逃がすことができる。加えて、灯室16内へ侵入した定在波が再度音発生ユニット22内へ戻りにくくなる。なお、本実施の形態に係る底部14aは、開口部26dとは別に、スピーカボディ32の接続部32aが灯室16側に露出するように設けられた開口部26eが形成されている。
【0033】
また、ラビリンスを構成するリブ26b,26cやリブ32d等の各部は、エッジ部をR面やC面とするとよい。これにより、定在波をエッジ部で反射した際の振動板24bへの影響を緩和できる。
【0034】
以上、本発明を上述の実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて実施の形態における組合せや処理の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
【符号の説明】
【0035】
10 車両用前照灯、 14 ランプボディ、 14a 底部、 16 灯室、 22 音発生ユニット、 24 スピーカユニット、 24a 前面、 24b 振動板、 24c 磁気回路、 24d 空間、 26 被固定部、 26a 裏面、 26b リブ、 26c リブ、 26d 開口部、 28 カバー、 28b 外側筐体、 28c 開口、 28d 縁部、 28e フランジ部、 29 スリット、 32 スピーカボディ、 32b 内側筐体、 32c 開口、 32d リブ、 32e 貫通孔、 34 Oリング。
図1
図2
図3
図4
図5