(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147749
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】災害時支援管理システム、災害時支援管理装置、災害時支援管理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20120101AFI20231005BHJP
G06Q 10/083 20230101ALI20231005BHJP
【FI】
G06Q50/26
G06Q10/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055441
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】須藤 桃
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】松本 晃
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049CC35
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】災害時に被災地の施設間で物資や人材を効率よく融通できる災害時支援管理システムを提供する。
【解決手段】災害時支援管理装置100は、災害時に物資および作業者の少なくとも一方を含む支援物資の配送を希望している配送希望場所に関する情報と、支援物資を配送する移動体に関する情報と、移動体が支援物資を他の移動体に受け渡す中継場所Rに関する情報と、を取得する取得部102と、取得した情報に基づいて、各移動体が配送する支援物資と、配送希望場所および中継場所Rの少なくとも一方を含む配送先と、を含む配送情報を生成する生成部104と、生成部104により生成された配送情報に含まれる移動体に配送要請を送信する送信部106と、を備え、配送希望場所に関する情報は、配送を希望している支援物資に関する情報および所持している支援物資に関する情報の少なくとも一方を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
災害時に物資および作業者の少なくとも一方を含む支援物資の配送を希望している配送希望場所に関する情報と、前記支援物資を配送する移動体に関する情報と、前記移動体が前記支援物資を他の移動体に受け渡す中継場所に関する情報と、を取得する取得手段と、
取得した前記情報に基づいて、各前記移動体が配送する前記支援物資と、前記配送希望場所および前記中継場所の少なくとも一方を含む配送先と、を含む配送情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記配送情報に含まれる前記移動体に配送要請を送信する送信手段と、
を備え、
前記配送希望場所に関する情報は、配送を希望している前記支援物資に関する情報および所持している前記支援物資に関する情報の少なくとも一方を含む、災害時支援管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の災害時支援管理装置において、
前記配送要請を送信した前記移動体が配送できないことを検出した場合、前記生成手段は、当該移動体を除外して再度、前記配送情報を生成する、災害時支援管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の災害時支援管理装置において、
前記配送できないことの検出は、前記移動体からの前記配送要請を拒否する回答を受信することである、災害時支援管理装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の災害時支援管理装置において、
前記配送できないことの検出は、前記移動体に前記配送要請を送信してから一定時間経過後、当該移動体から前記配送要請に対する回答を受信しないことである、災害時支援管理装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の災害時支援管理装置において、
前記生成手段は、
前記移動体毎に配送する前記支援物資と配送先となる前記配送希望場所を決定し、当該移動体と前記配送希望場所を紐付け、
前記移動体毎に配送する前記支援物資を決定し、
前記移動体毎に当該支援物資の受け取り場所を決定し、
前記移動体同士の前記支援物資の受け渡し場所となる中継場所を決定する、災害時支援管理装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の災害時支援管理装置において、
前記生成手段は、前記支援物資を受け渡す第1の移動体の移動距離および当該支援物資を受け取る第2の移動体の移動距離が短くなる前記中継場所を前記第1の移動体および前記第2の移動体が落ち合う場所として選択する、災害時支援管理装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の災害時支援管理装置において、
前記生成手段は、前記支援物資を受け渡す第1の移動体および当該支援物資を受け取る第2の移動体が、前記配送希望場所への経路から外れて前記中継場所に立ち寄るためにかかる時間が短い前記中継場所を前記第1の移動体および前記第2の移動体の落ち合う場所として選択する、災害時支援管理装置。
【請求項8】
移動体通信装置と、
配送希望場所通信装置と、
管理装置と、を備え、
前記管理装置は、
災害時に物資および作業者の少なくとも一方を含む支援物資の配送を希望している配送希望場所に関する情報と、前記支援物資を配送する移動体に関する情報と、前記移動体が前記支援物資を他の移動体に受け渡す中継場所に関する情報と、を取得する取得手段と、
取得した前記情報に基づいて、各前記移動体が配送する前記支援物資と、前記配送希望場所および前記中継場所の少なくとも一方を含む配送先と、を含む配送情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記配送情報に含まれる前記移動体に配送要請を送信する送信手段と、
を備え、
前記配送希望場所に関する情報は、配送を希望している前記支援物資に関する情報および所持している前記支援物資に関する情報の少なくとも一方を含む、
災害時支援管理システム。
【請求項9】
1以上のコンピュータが、
災害時に物資および作業者の少なくとも一方を含む支援物資の配送を希望している配送希望場所に関する情報と、前記支援物資を配送する移動体に関する情報と、前記移動体が前記支援物資を他の移動体に受け渡す中継場所に関する情報と、を取得し、
取得した前記情報に基づいて、各前記移動体が配送する前記支援物資と、前記配送希望場所および前記中継場所の少なくとも一方を含む配送先と、を含む配送情報を生成し、
生成された前記配送情報に含まれる前記移動体に配送要請を送信し、
前記配送希望場所に関する情報は、配送を希望している前記支援物資に関する情報および所持している前記支援物資に関する情報の少なくとも一方を含む、災害時支援管理方法。
【請求項10】
1以上のコンピュータに、
災害時に物資および作業者の少なくとも一方を含む支援物資の配送を希望している配送希望場所に関し、配送を希望している前記支援物資に関する情報および所持している前記支援物資に関する情報の少なくとも一方を含む情報と、前記支援物資を配送する移動体に関する情報と、前記移動体が前記支援物資を他の移動体に受け渡す中継場所に関する情報と、を取得する手順、
取得した前記情報に基づいて、各前記移動体が配送する前記支援物資と、前記配送希望場所および前記中継場所の少なくとも一方を含む配送先と、を含む配送情報を生成する手順、
前記生成する手順により生成された前記配送情報に含まれる前記移動体に配送要請を送信する手順、を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害時支援管理システム、災害時支援管理装置、災害時支援管理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アレルギー患者も増えており、災害が発生した際にアレルギーや持病を持つ被災者は避難生活の中でアレルギー対応食や薬が必要になっている。しかし、アレルギー対応食や薬を災害に備えて備蓄している施設(避難所や病院など)もあるが、対応していない施設もある。備蓄しておいたとしても災害発生直後72時間以内は救援物資を得ることが難しく、不足分をすぐに入手することは難しいという問題がある。
【0003】
また、東日本大震災の際に支援物資を融通するネットワークが欲しかったとの声があるが、現在でも支援物資を融通するネットワークはなく物資を融通しあえる仕組みが必要とされている。
【0004】
これらの問題に対して、特許文献1に記載された、災害時にエリアの情報と災害時に車両の情報を収集し、車種により用途を決めて被災地に派遣するシステムがあるが、どのように物資を受け渡すかまでは決められていない。また、特許文献2に記載されるような、避難者の属性などから物資や人材の手配と融通を行うシステムもある。
【0005】
また、特許文献3には、RFIDタグを付けた物品のタグIDを物品の情報と紐付けられ、物品の集積所から仕向け地への配送を支援する物品配送支援システムが記載されている。特許文献3に記載されたシステムでは、災害時な道路が被害を受けている状況であっても、仕向け地への車両以外のものも含めた到達可能な輸送手段(例えば、ヘリコプター等)を選定し、輸送ルートを考慮している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008-41032号公報
【特許文献2】特開2003-288443号公報
【特許文献3】特開2013-163559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したいずれの特許文献においても、どの物資や人材をどこの施設に配送または配置するかを決定しているが、災害時に被災地の施設間で物資や人材を融通し合うことは想定されていないため、効率が悪いという問題点があった。
【0008】
本発明の目的の一例は、上述した課題を鑑み、災害時に被災地の施設間で物資や人材を効率よく融通できないという問題を解決する災害時支援管理システム、災害時支援管理装置、災害時支援管理方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、
災害時に物資および作業者の少なくとも一方を含む支援物資の配送を希望している配送希望場所に関する情報と、前記支援物資を配送する移動体に関する情報と、前記移動体が前記支援物資を他の移動体に受け渡す中継場所Rに関する情報と、を取得する取得手段と、
取得した前記情報に基づいて、各前記移動体が配送する前記支援物資と、前記配送希望場所および前記中継場所Rの少なくとも一方を含む配送先と、を含む配送情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記配送情報に含まれる前記移動体に配送要請を送信する送信手段と、
を備え、
前記配送希望場所に関する情報は、配送を希望している前記支援物資に関する情報および所持している前記支援物資に関する情報の少なくとも一方を含む、災害時支援管理装置が提供される。
【0010】
本発明の一態様によれば、
移動体通信装置と、
配送希望場所通信装置と、
管理装置と、を備え、
前記管理装置は、
災害時に物資および作業者の少なくとも一方を含む支援物資の配送を希望している配送希望場所に関する情報と、前記支援物資を配送する移動体に関する情報と、前記移動体が前記支援物資を他の移動体に受け渡す中継場所Rに関する情報と、を取得する取得手段と、
取得した前記情報に基づいて、各前記移動体が配送する前記支援物資と、前記配送希望場所および前記中継場所Rの少なくとも一方を含む配送先と、を含む配送情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記配送情報に含まれる前記移動体に配送要請を送信する送信手段と、
を備え、
前記配送希望場所に関する情報は、配送を希望している前記支援物資に関する情報および所持している前記支援物資に関する情報の少なくとも一方を含む、
災害時支援管理システムが提供される。
【0011】
本発明の一態様によれば、
1以上のコンピュータが、
災害時に物資および作業者の少なくとも一方を含む支援物資の配送を希望している配送希望場所に関する情報と、前記支援物資を配送する移動体に関する情報と、前記移動体が前記支援物資を他の移動体に受け渡す中継場所Rに関する情報と、を取得し、
取得した前記情報に基づいて、各前記移動体が配送する前記支援物資と、前記配送希望場所および前記中継場所Rの少なくとも一方を含む配送先と、を含む配送情報を生成し、
生成された前記配送情報に含まれる前記移動体に配送要請を送信し、
前記配送希望場所に関する情報は、配送を希望している前記支援物資に関する情報および所持している前記支援物資に関する情報の少なくとも一方を含む、災害時支援管理方法が提供される。
【0012】
本発明の一態様によれば、
1以上のコンピュータに、
災害時に物資および作業者の少なくとも一方を含む支援物資の配送を希望している配送希望場所に関し、配送を希望している前記支援物資に関する情報および所持している前記支援物資に関する情報の少なくとも一方を含む情報と、前記支援物資を配送する移動体に関する情報と、前記移動体が前記支援物資を他の移動体に受け渡す中継場所Rに関する情報と、を取得する手順、
取得した前記情報に基づいて、各前記移動体が配送する前記支援物資と、前記配送希望場所および前記中継場所Rの少なくとも一方を含む配送先と、を含む配送情報を生成する手順、
前記生成する手順により生成された前記配送情報に含まれる前記移動体に配送要請を送信する手順、を実行させるためのプログラムが提供される。
【0013】
なお、本発明は、本発明の一態様のプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体を含んでもよい。この記録媒体は、非一時的な有形の媒体を含む。
このコンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されたとき、コンピュータに、災害時支援管理装置上で、その管理方法を実施させるコンピュータプログラムコードを含む。
【0014】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0015】
また、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【0016】
また、本発明の方法およびコンピュータプログラムには複数の手順を順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の手順を実行する順番を限定するものではない。このため、本発明の方法およびコンピュータプログラムを実施するときには、その複数の手順の順番は内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0017】
さらに、本発明の方法およびコンピュータプログラムの複数の手順は個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある手順の実行中に他の手順が発生すること、ある手順の実行タイミングと他の手順の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等でもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一態様によれば、災害時に被災地の施設間で物資や人材を効率よく融通できる災害時支援管理システム、災害時支援管理装置、災害時支援管理方法、およびプログラムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に係る災害時支援管理装置の概要を示す図である。
【
図2】
図1の災害時支援管理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図3】実施形態に係る災害時支援管理システムのシステム構成を概念的に示す図である。
【
図4】
図3の災害時支援管理装置、各移動体用通信端末、および各配送希望場所用通信端末を実現するコンピュータのハードウェア構成を例示するブロック図である。
【
図5】実施形態の災害時支援管理装置の機能構成例を示す機能ブロック図である。
【
図6】移動体情報および配送希望場所情報のデータ構造例を示す図である。
【
図7】実施形態の移動体用通信端末の機能構成例を示す機能ブロック図である。
【
図8】実施形態の災害時支援管理装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図9】実施形態の配送希望場所用通信端末の機能構成例を示す機能ブロック図である。
【
図10】中継場所情報および配送情報のデータ構造例を示す図である。
【
図11】実施形態に係る災害時支援管理装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図12】実施形態に係る災害時支援管理装置の生成部のマッチング処理の例を示すフローチャートである。
【
図13】実施形態の災害時支援管理システムによる配送方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、以下の各図において、本発明の本質に関わらない部分の構成については省略してあり、図示されていない。
【0021】
実施形態において「取得」とは、自装置が他の装置や記憶媒体に格納されているデータまたは情報を取りに行くこと(能動的な取得)、および、自装置に他の装置から出力されるデータまたは情報を入力すること(受動的な取得)の少なくとも一方を含む。能動的な取得の例は、他の装置にリクエストまたは問い合わせしてその返信を受信すること、及び、他の装置や記憶媒体にアクセスして読み出すこと等がある。また、受動的な取得の例は、配信(または、送信、プッシュ通知等)される情報を受信すること等がある。さらに、「取得」とは、受信したデータまたは情報の中から選択して取得すること、または、配信されたデータまたは情報を選択して受信することであってもよい。
【0022】
<最小構成例>
図1は、実施形態に係る災害時支援管理装置100の概要を示す図である。災害時支援管理装置100は、取得部102と、生成部104と、送信部106と、を備える。
取得部102は、災害時に物資および作業者の少なくとも一方を含む支援物資の配送を希望している配送希望場所に関する情報と、支援物資を配送する移動体に関する情報と、移動体が支援物資を他の移動体に受け渡す中継場所Rに関する情報と、を取得する。
生成部104は、取得した情報に基づいて、各移動体が配送する支援物資と、配送希望場所および中継場所Rの少なくとも一方を含む配送先と、を含む配送情報を生成する。
送信部106は、生成部104により生成された配送情報に含まれる移動体に配送要請を送信する。
配送希望場所に関する情報は、配送を希望している支援物資に関する情報および所持している支援物資に関する情報の少なくとも一方を含む。
【0023】
<動作例>
図2は、
図1の災害時支援管理装置100の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、取得部102は、災害時に物資および作業者の少なくとも一方を含む支援物資の配送を希望している配送希望場所に関する情報と、支援物資を配送する移動体に関する情報と、移動体が支援物資を他の移動体に受け渡す中継場所Rに関する情報と、を取得する(ステップS101)。
【0024】
ここで、配送希望場所に関する情報は、配送を希望している支援物資に関する情報および所持している支援物資に関する情報の少なくとも一方を含んでいる。そして、生成部104は、取得した情報に基づいて、各移動体が配送する支援物資と、配送希望場所および中継場所Rの少なくとも一方を含む配送先と、を含む配送情報を生成する(ステップS103)。そして、送信部106は、生成部104により生成された配送情報に含まれる移動体に配送要請を送信する(ステップS105)。
【0025】
この災害時支援管理装置100では、取得部102は移動体、配送希望場所、および中継場所Rに関する情報を取得し、生成部104は取得した情報に基づいて、配送情報を生成し、送信部106は、生成された配送情報に関する移動体に配送要請を送信する。
そして、配送希望場所に関する情報は、配送を希望している支援物資に関する情報および所持している支援物資に関する情報の少なくとも一方を含んでいるので、配送希望場所である施設間で支援物資を融通し合うことが可能になる。
【0026】
このように、この災害時支援管理装置100によれば、災害時に被災地の施設間で物資や人材を効率よく融通できる災害時支援管理システム、災害時支援管理装置、災害時支援管理方法、およびプログラムが得られる。
【0027】
以下、災害時支援管理装置100の詳細例について説明する。
【0028】
(第1実施形態)
<システム概要>
図3は、実施形態に係る災害時支援管理システム1のシステム構成を概念的に示す図である。災害時支援管理システム1は、行政施設G1等に設置される災害時支援管理装置100と、移動体M1、M2、M3、T1、B1(以後、「移動体M」とも呼ぶ)等のドライバD1~D5(以後、「ドライバD」とも呼ぶ)が使用する移動体用通信端末200と、配送希望場所L1、L2、L3(以後、「配送希望場所L」とも呼ぶ)等に設置される配送希望場所用通信端末300と、を備えている。行政施設G1には、支援物資が集められており、行政施設G1を拠点として支援物資が各配送希望場所Lに配送される。配送希望場所Lは、被災地で支援物資を必要としている場所、例えば、公共施設、病院、診療所、避難所等である。
【0029】
実施形態において、支援物資とは、配送希望場所Lで必要とされている物品と、さらに、人が行う作業も含まれる。物品については、各配送希望場所Lで必要な物品の種類と数量などの情報を、配送希望場所用通信端末300を用いて操作者Pが入力して災害時支援管理装置100に送信することができる。アレルギー対応食および薬等も物品に含まれてよい。支援物資には、作業を行う人材を含むことができる。各配送希望場所Lで必要としている作業の種類、必要なスキルや資格、人数、および作業日数等の情報を、配送希望場所用通信端末300を用いて操作者Pが入力して災害時支援管理装置100に送信することができる。
【0030】
この例では、移動体Mは、3台の電気自動車(M1、M2、M3)、1台の路線バス(B1)、および1台のトラック(T1)を含んでいる。移動体Mの種類および台数は一例であり、これに限定されない。ただし、移動体M間で支援物資の受け渡しを行う場合には、災害時支援管理システム1は、少なくとも2台の移動体Mを含む。また、移動体Mは電気自動車に限定されず、ガソリン車やハイブリッド車であってもよい。
【0031】
移動体Mは、例えば、登録制であり、保有者と災害時支援管理システム1側の間で、配送要請を受けて派遣に応じることの取り決め等を予め行っておく。移動体Mは、民間の事業者が所有する車両、個人が所有する車両、および公共交通機関の車両等を含むことができる。車両の保有者は、災害時支援管理装置100からの配送要請を受けて、要請を受け入れられる場合には、配送作業を行い、要請に応えられない場合には、要請を拒否することもできる。配送要請の通知は、災害時支援管理装置100から移動体用通信端末200に送信される。要請への回答は、移動体Mの保有者やドライバDによって移動体用通信端末200を操作することで災害時支援管理装置100に返信することができる。以後、移動体MのドライバDが移動体用通信端末200を操作するものとして説明するが、保有者であってもよいため、ドライバDは保有者と読み替えることができる。
【0032】
さらに、災害時支援管理システム1は、中継場所Rとして、移動体用の充電スタンドR1、R2(以後、「中継場所R」とも呼ぶ)を含む。ただし、中継場所Rは、充電スタンドに限定されず、例えば、パーキングエリア、ドイラブイン、広場、空き地など、合法かつ安全に駐車でき、荷物の受け渡しができる場所であればよい。また、中継場所Rでは、必ずしも移動体M同士が同じ時間に落ち合う必要はなく、例えば、荷物を一時的に保管できるスペースがあれば、移動体Mが運んできた支援物資を積み下ろして中継場所Rで一時的に保管し、他の移動体Mが中継場所Rに一時的に保管されている支援物資を積載して搬送してもよい。
【0033】
災害時支援管理装置100と、各移動体用通信端末200および各配送希望場所用通信端末300は、互いに通信ネットワーク(不図示)を介して通信できるものとする。
【0034】
災害時支援管理装置100は、移動体用通信端末200および配送希望場所用通信端末300から情報を取得し、配送情報を生成し、移動体用通信端末200に配送要請を行う。移動体用通信端末200は配送要請に応じて支援物資を配送する。配送情報に従い、移動体Mは、例えば、行政施設G1および配送希望場所Lの少なくとも一方から支援物資を受け取って積載し、必要に応じて中継場所Rである充電スタンドRで他の移動体Mと落ち合い、移動体M間で支援物資の受け渡しを行い、配送希望場所Lで希望している支援物資を配送希望場所Lに配送する。移動体MのドライバDは、災害時支援管理システム1の配送作業の要請を受けたときに、要請を受け入れるか否かを回答し、受け入れた場合は、配送情報に基づいて、配送作業を行う。
【0035】
災害時支援管理装置100は、後述する1以上のコンピュータ1000により実現される。災害時支援管理装置100は、サーバコンピュータであってもよいし、スタンドアローン型のパーソナルコンピュータであってもよいし、タブレット端末、スマートフォンであってもよい。
【0036】
移動体用通信端末200は、タブレット端末、スマートフォン等、ドライバDが携帯して持ち運びできるコンピュータ1000であってもよいし、移動体Mに設置されるナビゲーションシステムのコンピュータに、災害時支援管理システム1の移動体用通信端末200の機能を組み込む形態であってもよい。
【0037】
配送希望場所用通信端末300は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等のコンピュータ1000である。
【0038】
<ハードウェア構成例>
図4は、
図3の災害時支援管理装置100、各移動体用通信端末200、および各配送希望場所用通信端末300を実現するコンピュータ1000のハードウェア構成を例示するブロック図である。
【0039】
コンピュータ1000は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、およびネットワークインタフェース1060を有する。
【0040】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、およびネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0041】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit) やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0042】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0043】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は災害時支援管理装置100の各機能(例えば、
図1の取得部102、生成部104、および送信部106、
図5の通信部110等)を実現するプログラムモジュールを記憶している。あるいは、移動体用通信端末200の各機能(例えば、
図7の移動体情報取得部202、位置情報取得部204、表示部206、通信部208等)や配送希望場所用通信端末300の各機能(例えば、
図9の情報取得部302、および通信部304等)を実現するプログラムモジュールを記憶している。
【0044】
プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。また、ストレージデバイス1040は、災害時支援管理装置100が使用する各種情報を記憶する記憶部120(
図3、
図5)としても機能する。また、ストレージデバイス1040は、移動体用通信端末200が使用する各種情報を記憶する記憶部210(
図7)や配送希望場所用通信端末300が使用する各種情報を記憶する記憶部310(
図9)としても機能してよい。
【0045】
プログラムモジュールは、記録媒体に記録されてもよい。プログラムモジュールを記録する記録媒体は、非一時的な有形のコンピュータ1000が使用可能な媒体を含み、その媒体に、コンピュータ1000(プロセッサ1020)が読み取り可能なプログラムコードが埋め込まれてよい。
【0046】
入出力インタフェース1050は、コンピュータ1000と各種入出力機器とを接続するためのインタフェースである。
【0047】
ネットワークインタフェース1060は、コンピュータ1000を通信ネットワークに接続するためのインタフェースである。この通信ネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1060が通信ネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。ただし、ネットワークインタフェース1060は用いられないことも有る。
【0048】
そして、コンピュータ1000は、入出力インタフェース1050またはネットワークインタフェース1060を介して、必要な機器(例えば、災害時支援管理装置100、移動体用通信端末200、および配送希望場所用通信端末300の、表示装置、操作部、カメラ(不図示)など)に接続する。
【0049】
災害時支援管理装置100は、複数のコンピュータ1000により実現されてもよい。
【0050】
各実施形態の災害時支援管理装置100の
図1に示される各構成要素は、
図4のコンピュータ1000のハードウェアとソフトウェアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。各実施形態の災害時支援管理装置100を示す機能ブロック図は、ハードウェア単位の構成ではなく、論理的な機能単位のブロックを示している。
【0051】
<機能構成例>
<<災害時支援管理装置100について>>
図5は、実施形態の災害時支援管理装置100の機能構成例を示す機能ブロック図である。災害時支援管理装置100は、取得部102と、生成部104と、通信部110と、記憶部120と、を備える。ここで、取得部102および生成部104は、
図1と同じである。通信部110は、
図1の送信部106の機能を有するとともに、移動体用通信端末200または配送希望場所用通信端末300からの各種の通知を受信する機能を有する。
【0052】
記憶部120は、災害時支援管理装置100の内部に設けられてもよいし、外部に設けられてもよい。つまり記憶部120は、災害時支援管理装置100と一体のハードウェアであってもよいし、災害時支援管理装置100とは別体のハードウェアであってもよい。
【0053】
災害時支援管理装置100は、移動体M、中継場所R、配送希望場所Lから集めた情報を分析し、移動体Mがどの荷物をどこからどこまで運ぶかを決定する装置である。
【0054】
通信部110は、例えば、ネットワークインタフェース1060(
図4)を用いて移動体用通信端末200および配送希望場所用通信端末300と通信する。通信手段は、例えば、有線LAN、無線LAN、LTE/5Gなど既存技術であってよく、特に手段は問わない。
【0055】
取得部102は、移動体M、中継場所R、および配送希望場所Lに関する情報を、所定のタイミングで、通信部110を介して取得する。取得した情報は、それぞれ記憶部120に記憶される。
【0056】
図6(a)は、移動体Mに関する移動体情報220のデータ構造例を示す図である。移動体情報220は、移動体Mの走行可能距離、残燃料量、残電力量、積載量の情報および現在位置情報等を含む。
【0057】
図6(b)は、配送希望場所情報320のデータ構造の一例を示す図である。配送希望場所情報320は、希望物資を示す物品コードと、当該物品の希望数量を含む。希望する物品の指定方法は、個々の物品を特定するのではなく、例えば、「食事50人分3日分」等のように、概要を示す方法であってもよい。
【0058】
さらに、上記したように、支援物資は、作業を行う人材を含むことができるため、配送希望場所情報320は、希望する作業内容を示す作業コードと、当該作業に必要な人日(作業者の人数と日数)とを含み、作業において必要なスキルや資格をさらに含んでもよい。
【0059】
通信部110は、移動体用通信端末200または配送希望場所用通信端末300と通信する。通信部110は、配送要請を移動体Mの移動体用通信端末200に送信する。また、通信部110は、移動体用通信端末200および配送希望場所用通信端末300から移動体情報220および配送希望場所情報320を受信する。さらに、通信部110は、移動体用通信端末200から各種通知を受信する。通知について後述する。
記憶部120は、取得部102が取得した移動体情報220および配送希望場所情報320、ならびに、生成部104が生成した配送情報を記憶する。配送情報については後述する。
【0060】
<<移動体用通信端末200について>>
図7は、実施形態の移動体用通信端末200の機能構成例を示す機能ブロック図である。移動体用通信端末200は、移動体情報取得部202と、位置情報取得部204と、表示部206と、通信部208と、記憶部210と、を備える。
【0061】
記憶部210は、移動体用通信端末200の内部に設けられてもよいし、外部に設けられてもよい。つまり記憶部210は、移動体用通信端末200と一体のハードウェアであってもよいし、移動体用通信端末200とは別体のハードウェアであってもよい。
【0062】
移動体用通信端末200は、上記したように、移動体Mに搭載されるか、または移動体MのドライバDが携帯する端末であり、移動体Mに関する情報を収集して災害時支援管理装置100に送信するとともに、災害時支援管理装置100から配送情報を含む配送要請を受信する。
【0063】
図7に戻り、移動体情報取得部202は、移動体Mの現在の移動体情報220取得する。各種の情報は、移動体Mの制御用コントローラから取得してもよいし、各センサから取得してもよい。あるいは、移動体Mの制御用コントローラがインターネット経由で所定のウェブサーバにアップロードした移動体情報220を取得する形態であってもよい。
生成部104は、取得部102が取得した情報を分析し、どの移動体Mにどの荷物をどこからどこまで運ぶか決める。
【0064】
位置情報取得部204は、例えば、GPS(Global Positioning System)測位システムから位置情報を受信することで、現在の移動体Mの位置情報を取得する。ただし、位置情報測位システムは、これに限定されない。他の測位システム(QZSS(Quasi-Zenith Satellite System:準天頂衛星システム)等)であってもよい。
【0065】
記憶部210は、移動体情報取得部202が取得した移動体情報220および位置情報取得部204が得た位置情報、ならびに、災害時支援管理装置100から配送要請された配送情報を記憶する。
【0066】
表示部206は、移動体MのドライバDに対して配送要請の通知、当該要請に関する配送情報を表示する。移動体用通信端末200の表示部206は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等であり、タブレット端末やスマートフォンでは操作部と一体となったタッチパネルであってもよい。
【0067】
さらに、表示部206は、配送希望場所Lへの配送ルートを表示してもよい。
【0068】
通信部208は、通信部110と同様の通信手段であってよい。通信部208は、移動体情報取得部202が取得した移動体情報220を災害時支援管理装置100に送信する。さらに、通信部208は、災害時支援管理装置100に各種の通知を送信する。
【0069】
<<配送希望場所用通信端末300について>>
配送希望場所用通信端末300は、配送希望場所Lが希望している支援物資、および所持している支援物資の情報を災害時支援管理装置100に通知するとともに、配送希望場所Lに派遣される移動体Mの情報や配送される支援物資および配送希望場所Lから提供する支援物資に関する情報を受信する。
【0070】
図9は、実施形態の配送希望場所用通信端末300の機能構成例を示す機能ブロック図である。配送希望場所用通信端末300は、情報取得部302と、通信部304と、記憶部310と、を備える。
【0071】
記憶部310は、配送希望場所用通信端末300の内部に設けられてもよいし、外部に設けられてもよい。つまり記憶部310は、配送希望場所用通信端末300と一体のハードウェアであってもよいし、配送希望場所用通信端末300とは別体のハードウェアであってもよい。
【0072】
情報取得部302は、希望する支援物資に関する情報、および所持している支援物資に関する情報の少なくとも一方を取得する。情報の取得方法は、例えば、入力画面を表示し、希望する支援物資の種類、数量等の入力を受け付けてもよい。支援物資のリストの中から選択できてもよい。あるいは、音声入力により入力できてもよい。また、現在所持している支援物資に関する情報は、物品を配送希望場所用通信端末300のカメラ(不図示)で撮像し、画像処理により物品を特定することで取得してもよい。あるいは、物品に付いている2次元バーコードをリーダで読み取ることで商品コード等の情報を取得してもよい。
【0073】
情報取得部302により取得された配送希望場所情報320は、記憶部310に記憶される。
【0074】
通信部304は、通信部110と同様の通信手段であってよい。通信部304は、情報取得部302が取得した配送希望場所情報320を災害時支援管理装置100に送信する。
【0075】
記憶部310は、情報取得部302が集めた配送希望場所情報320、および配送希望場所Lに派遣される移動体Mに関する情報等を記憶している。
【0076】
<動作例>
図8は、実施形態の災害時支援管理装置100の動作例を示すフローチャートである。
図8のフローは、
図2のフローチャートと同じステップS101とステップS105とを含む。
【0077】
災害時支援管理装置100の記憶部120には、配送希望場所Lおよび中継場所Rの位置情報が事前に登録されているものとする。
【0078】
災害が発生した時に行政施設G1に情報を集め、配送希望場所Lおよび移動体Mに災害発生時の派遣情報を通知する例を説明する。災害発生時において行政施設G1に情報を集め、移動体Mが配送希望場所Lへの派遣を要請され、荷物の配送を行う例である。
【0079】
まず、取得部102は、通信部110を介して移動体情報220および配送希望場所情報320を取得する(ステップS101)。
そして、生成部104は、現地の被災状況などに基づいて、電気自動車M1、M2、M3、トラックT1、路線バスB1の行先となる少なくとも一つの配送希望場所Lおよび中継場所Rを決定する(ステップS111)。この時、通信障害は発生していないとする。ただし、行先は、配送希望場所Lだけの場合も、中継場所Rだけの場合もあり、さらに、複数個所を回る場合もある。
【0080】
災害時支援管理装置100は、行先となりうる中継場所Rおよび配送希望場所Lの位置の指定を受け付ける画面を表示し、操作者Pの操作を受け付けることで、中継場所Rおよび配送希望場所Lの登録を受け付けてもよい。ステップS111では、生成部104は、例えば、被災地の状況を示すマップ情報と中継場所Rおよび配送希望場所Lの位置情報とを照合することで、行先となる配送希望場所Lおよび中継場所Rを決定してもよい。
【0081】
そして、生成部104は、マッチング計算処理を行う(ステップS113)。
【0082】
マッチング計算処理では、移動体Mの移動体情報220と配送希望場所Lの配送希望場所情報320、つまり、配送希望場所Lの希望する物資や作業者、所持している物資の情報から、どの移動体にどの支援物資を載せ、どこまで運ぶかということを決定し、配送情報を生成する。そして、送信部106は、生成部104により生成された配送情報に含まれる移動体に配送要請を送信する(ステップS105)。
【0083】
以上説明したように、この災害時支援管理装置100によれば、取得部102は、移動体情報220および配送希望場所情報320を取得し、生成部104は、取得した情報に基づいて、配送情報を生成し、通信部110は、生成された配送情報に含まれる移動体Mに配送要請を送信する。そして、配送希望場所情報320は、配送を希望している支援物資に関する情報および所持している支援物資に関する情報の少なくとも一方を含むため、支援物資を必要としている場所同士で融通しあうことが可能になる。その理由は、移動体Mが支援物資を余らせている場所から必要としている場所に運ぶように生成部104は、配送情報を生成できるからである。
【0084】
また、上記構成により、各配送希望場所Lで必要とされている支援物資の希望を送信配送希望場所情報320として災害時支援管理装置100に送信することができるので、災害時に移動体と配送希望場所の情報を収集し、運ぶ荷物に合わせて移動体を配送希望場所に派遣することができ、少量であっても必要なものを必要とされている場所に供給することができる。
【0085】
(第2実施形態)
本実施形態は、配送要請を送信した移動体Mが配送できないことを検出した場合に当該移動体Mを除外して再度配送情報を生成する構成を有する点以外は、上記実施形態と同様である。本実施形態の災害時支援管理装置100は、第1実施形態と同じ構成を有するので、
図5を用いて説明する。なお、本実施形態の構成は、他の実施形態の構成の少なくともいずれか一つと矛盾を生じない範囲で組み合わせてもよい。
【0086】
<機能構成例>
生成部104は、配送要請を送信した移動体Mが配送できないことを検出した場合、当該移動体Mを除外して再度、配送情報を生成する。
移動体Mが配送できないことの検出方法は、以下の例1~例4に例示される。なお、各例の検出方法は矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【0087】
<検出方法例1>
配送できないことの検出は、移動体Mからの配送要請を拒否する回答を受信することを含む。
【0088】
移動体用通信端末200では、通信部208は、災害時支援管理装置100から配送要請を受信すると、表示部206は、配送要請が届いたことを示す情報と、その配送要請の内容を示す情報を表示する。例えば、表示部206は、どこから、どこに、どの支援物資を配送するかを示す配送情報を画面に表示する。さらに、表示部206は、当該配送要請を受け入れるか、拒否するかの選択を受け付ける操作ボタンなどのUI(User Interface)をさらに画面に表示する。移動体MのドライバDによる操作を受け付けると、受け付けた操作ボタンが示す回答に従い、通信部208は、災害時支援管理装置100に配送要請を受け入れるか、拒否するかを示す回答を送信する。
【0089】
災害時支援管理装置100の通信部110は、移動体用通信端末200からの回答を受信する。移動体用通信端末200からの回答が拒否の場合、生成部104は、当該移動体Mを配送対象から除外して、再度配送情報を生成する。
【0090】
<検出方法例2>
配送できないことの検出は、移動体Mに配送要請を送信してから一定時間経過後、当該移動体Mから回答を受信しないことを含む。
【0091】
通信部110が配送要請を移動体用通信端末200に送信した後、災害時支援管理装置100は、タイマー(不図示)をセットし、一定時間経過したか否かを監視する。災害時支援管理装置100は、通信部110が移動体用通信端末200から当該要請を受け入れる回答を受信すると、タイマーを停止してリセットし、要請が受け入れられたことを記憶部120に記録する。一方、一定時間経過した後も、通信部110が移動体Mから当該要請に対する回答を受信しない場合、生成部104は、当該移動体Mを配送対象から除外して、再度配送情報を生成する。
【0092】
<検出方法例3>
配送できないことの検出は、移動体Mに配送要請を送信してから一定時間経過後、当該移動体Mが配送希望場所Lへの支援物資の配送を完了したことを示す完了通知を受信しないことを含む。
【0093】
移動体用通信端末200では、通信部208が配送要請を受信したとき配送情報を表示する画面に、さらに、配送作業が完了したことを災害時支援管理装置100に報告するための完了報告ボタンなどのUIを表示する。
ドライバDは、配送情報に従い配送作業を行い、支援物資の配送を完了したとき、この完了報告ボタンを押下する。完了報告ボタンの押下を受け付けると、移動体用通信端末200の通信部208は、災害時支援管理装置100に配送完了通知を送信する。
【0094】
災害時支援管理装置100は、通信部110が配送要請を移動体用通信端末200に送信した後、タイマーをセットし、一定時間経過したか否かを監視する。災害時支援管理装置100は、通信部110が移動体用通信端末200から配送完了通知を受信すると、タイマーを停止してリセットし、移動体Mの配送が完了したことを記憶部120に記録する。一方、一定時間経過した後も、通信部110が移動体Mから配送完了通知を受信しない場合、生成部104は、当該移動体Mを配送対象から除外して、再度配送情報を生成する。
【0095】
ただし、移動体Mに配送要請を送信してから一定時間経過後、当該移動体Mが配送希望場所Lへの支援物資の配送を完了したことを示す完了通知を受信しない場合の処理はこれに限定されない。例えば、災害時支援管理装置100の通信部110は、当該移動体Mに対し、配送対応中か否かを問い合わせる通知を送信してもよい。あるいは、当該移動体Mが配送予定であった配送希望場所Lの配送希望場所用通信端末300に、当該移動体Mからの支援物資を受け取ったか否かを問い合わせてもよい。
【0096】
<検出方法例4>
配送できないことの検出は、移動体Mに配送要請を送信してから一定時間経過後、当該移動体Mが中継場所Rに到着したことを示す到着通知を受信しないことを含む。
【0097】
移動体用通信端末200では、位置情報取得部204が取得した位置情報が、配送情報が示す移動体Mの行先に含まれる中継場所Rの位置情報と一致したとき、通信部208は、災害時支援管理装置100に中継場所Rに到着したことを示す到着通知を送信する。あるいは、通信部208が配送要請を受信したとき配送情報を表示する画面に、さらに、移動体Mが中継場所Rに到着したことを災害時支援管理装置100に通知するための到着通知ボタンなどのUIを表示してもよい。ドライバDは、中継場所Rに到着したとき、この到着通知ボタンを押下する。到着通知ボタンの押下を受け付けると、移動体用通信端末200の通信部208は、災害時支援管理装置100に到着通知を送信する。
【0098】
あるいは、災害時支援管理装置100の取得部102は、移動体Mの移動体用通信端末200に配送要請を送信した後、当該移動体用通信端末200から位置情報を定期的に取得してもよい。そして、取得した位置情報に基づいて、移動体Mが中継場所Rに到着したことを検出してもよい。
【0099】
災害時支援管理装置100は、通信部110が配送要請を移動体用通信端末200に送信した後、タイマーをセットし、一定時間経過したか否かを監視する。災害時支援管理装置100の災害時支援管理装置100は、移動体用通信端末200から到着通知を受信すると、タイマーを停止してリセットし、移動体Mが中継場所Rに到着したことを記憶部120に記録する。一方、一定時間経過した後も、通信部110が移動体Mから到着通知を受信しない場合、生成部104は、当該移動体Mを配送対象から除外して、再度配送情報を生成する。
【0100】
移動体Mに配送要請を送信してから一定時間経過後、当該移動体Mが中継場所Rに到着したことを示す到着通知を受信しない場合の処理はこれに限定されない。例えば、災害時支援管理装置100の通信部110は、当該移動体Mに対し、移動中か否かを問い合わせる通知を送信してもよい。
【0101】
<動作例>
図11は、実施形態に係る災害時支援管理装置100の動作例を示すフローチャートである。このフローは、
図2または
図8のフローチャートのステップS105で、通信部110が移動体Mの移動体用通信端末200に配送要請を送信した後、実行される。ここでは、移動体M1、移動体M2、移動体M3、移動体T1、および移動体B1の移動体用通信端末200に対して、配送要請を送信する。
【0102】
生成部104は、配送要請を送信した移動体M各々にについて、移動体Mが配送できるか否かを判別する(ステップS121)。移動体Mが配送できるか否かの判別方法は、上記した通り、複数の方法が考えられる。例えば、取得部102は、配送要請を送信した移動体Mから、当該要請に対する回答を受信する。取得部102が受信した回答が、要請を受け入れることを示しているか、拒否を示しているかを判別する。
【0103】
このとき、移動体MのドライバDは配送要請を受け入れることを決めた場合、上記したように、受け入れボタンを押下し、配送情報に従い、移動体Mを移動させる。この際、支援物資を行政施設G1または中継場所Rあるいは、配送希望場所Lで受け取って向かうこともある。
【0104】
移動体用通信端末200の通信部208は、災害時支援管理装置100に要請を受け入れる回答を送信する。災害時支援管理装置100の取得部102は回答を受信し、回答が受け入れであるため(ステップS121のYES)、本処理を終了する。このとき、取得部102は、受信した回答を記憶部120に記憶してもよい。
【0105】
一方、移動体MのドライバDが、配送要請を受け入れないことを決めた場合、上記したように、拒否ボタンを押下する。移動体用通信端末200の通信部208は、災害時支援管理装置100に要請を拒否する回答を送信する。災害時支援管理装置100の取得部102は、回答を受信し、回答は拒否であるため(ステップS121のNO)、生成部104は、当該移動体Mを派遣対象から除外して、再度配送情報を生成する(ステップS123)。そして、
図2または
図8のステップS105に進む。
【0106】
また、上記したように、ステップS105で配送要請を送信した後、一定時間が経過した後、移動体用通信端末200からの回答を受信しない場合、配送完了通知を受信しない場合、あるいは、到着通知を受信しない場合(ステップS121のNO)も、ステップS123に進み、生成部104は、当該移動体Mを除外して再度配送情報の生成を行う。
【0107】
以上説明したように、この災害時支援管理装置100によれば、通信部110は、移動体Mに配送要請を送信し、移動体Mが配送できないことを検出したとき、生成部104は、当該移動体Mを除外して再度配送情報を生成し直すことができる。移動体Mが配送できない状況は、移動体MのドライバDが要請を拒否したときや、何らかのトラブルや事情で移動体Mが予定時刻に到着できないとき等である。
【0108】
(第3実施形態)
本実施形態は、生成部104による配送情報の生成方法の詳細について説明する。本実施形態の災害時支援管理装置100は、第1実施形態と同じ構成を有するので、
図5を用いて説明する。なお、本実施形態の構成は、他の実施形態の構成の少なくともいずれか一つと矛盾を生じない範囲で組み合わせてもよい。
【0109】
<機能構成例>
生成部104は、移動体M毎に配送する支援物資と配送先となる配送希望場所L(複数箇所の巡回もあり)を決定し、当該移動体Mと配送希望場所Lを紐付け、移動体M毎に配送する前記支援物資を決定し、移動体M毎に当該支援物資の受け取り場所(行政施設G1または中継場所R)を決定し、移動体M同士の支援物資の受け渡し場所となる中継場所Rを決定する。
【0110】
図10(a)は、中継場所情報420のデータ構造例を示す図である。
図10(b)は、配送情報520のデータ構造例を示す図である。
中継場所情報420は、中継場所R毎に、識別情報、位置情報、被災状況を示す情報、充電スタンドの有無を示す情報、駐車可能台数を示す情報などを含む。配送情報520は、移動体Mへの配送要請毎に、移動体Mの識別情報、少なくとも一つの行先の位置情報、到着予定時刻、当該行先で受け取るべき支援物資の内容(物品コードや名前、種類と数量)、受け渡すべき支援物資の内容を含む。
【0111】
上記したように、中継場所情報420および配送情報520は、取得部102により収集され、記憶部120に記憶される。
【0112】
図12は、実施形態に係る災害時支援管理装置100の生成部104が配送情報の生成のためのマッチング処理の例を示すフローチャートである。この処理は、
図2のステップS105、
図8のステップS113、および
図11のステップS123での処理の詳細を示している。
【0113】
まず、生成部104は、移動体M毎に配送する支援物資と配送先となる配送希望場所L(複数箇所の巡回もあり)を決定し(ステップS201)。生成部104は、当該移動体Mと配送希望場所Lを紐付け(ステップS203)。
【0114】
ステップS201において、生成部104は、配送希望場所Lが希望する支援物資に関する情報と移動体Mの走行可能距離および積載量に関する情報と、配送希望場所Lおよび移動体Mの位置情報とを用いて、どの移動体にどの支援物資を配送するか決定する。このようにして、生成部104は、移動体M毎に配送する前記支援物資を決定する(ステップS205)。そして、生成部104は、当該移動体Mと配送希望場所Lとを紐付けて記憶部120に記憶する。
【0115】
そして、生成部104は、移動体M毎に当該支援物資の受け取り場所(行政施設G1または中継場所R)を決定する(ステップS207)。そして、生成部104は、移動体M同士の支援物資の受け渡し場所となる中継場所Rを決定する(ステップS209)。
【0116】
生成部104は、移動体Mの積載量に基づいて、移動体間の支援物資の受け渡しの要否を判別する。
【0117】
生成部104は、移動体Mが積載している支援物資と、配送希望場所Lが希望している支援物資に基づいて、移動体M間の支援物資の受け渡しの要否を判別する。
【0118】
例えば、積載量の多い移動体Mが中継場所Rで支援物資を積載量の少ない移動体に受け渡す必要がある、または、中継場所Rで移動体M同士が支援物資の受け渡しを行う必要があるのであれば、生成部104は、どこの中継場所Rで受け渡しをするのか決定し、中継場所Rと移動体を紐づける。
【0119】
生成部104は、移動体Mから拒否の回答があった場合は中継場所Rで他の移動体に渡すことで配送可能かを計算し、配送できない場合は、既に配送要請を送信済みの積載量の多い移動体が寄り道することで配送できるかを計算してもよい。
【0120】
なお、中継場所Rと移動体M、移動体Mと配送希望場所L、移動体Mと行政施設G1は複数紐づいてよい。
【0121】
以上説明したように、この災害時支援管理装置100によれば、生成部104は、移動体Mと配送希望場所Lを紐付け、支援物資を決定し、支援物資の受け取り場所を決定し、移動体M同士の支援物資の受渡場所となる中継場所Rを決定するので、効率よく支援物資を配送することができる。
【0122】
(第4実施形態)
本実施形態は、生成部104による中継場所Rの決定方法の詳細について説明する。本実施形態の災害時支援管理装置100は、第1実施形態と同じ構成を有するので、
図5を用いて説明する。なお、本実施形態の構成は、他の実施形態の構成の少なくともいずれか一つと矛盾を生じない範囲で組み合わせてもよい。
【0123】
中継場所Rの決定方法は、以下の方法1~方法6に例示される。なお、各決定方法は矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【0124】
<中継場所Rの決定方法1>
生成部104は、支援物資を受け渡す第1の移動体Mの移動距離および当該支援物資を受け取る第2の移動体Mの移動距離が短くなる中継場所Rを第1の移動体Mおよび第2の移動体Mが落ち合う場所として選択する。
【0125】
図13の例では、電気自動車M1は電気自動車M2が配送希望場所L2から受け取った荷物を中継場所Rである充電スタンドR1で受け取り、配送希望場所L1に配送する。
この時、電気自動車M1とM2の移動距離を短くするため、生成部104は、中間地点である充電スタンドR1を中継場所Rとして選択する。
【0126】
<中継場所Rの決定方法2>
生成部104は、支援物資を受け渡す第1の移動体Mおよび当該支援物資を受け取る第2の移動体Mが、配送希望場所Lへの経路から外れて中継場所Rに立ち寄るためにかかる時間が短い中継場所Rを第1の移動体Mおよび第2の移動体Mの落ち合う場所として選択する。
【0127】
図13の例では、電気自動車M3がトラックT1の配送荷物を中継場所Rである充電スタンドR2で受け取り、配送希望場所L3に配送する。
この時、トラックT1は配送希望場所L2にも荷物を配送するため、生成部104は、トラックT1の寄り道時間が最も少なくなる場所である充電スタンドR2を中継場所Rとして選択する。
【0128】
<中継場所Rの決定方法3>
生成部104は、支援物資を受け渡す第1の移動体Mおよび当該支援物資を受け取る第2の移動体Mの少なくとも一方が中継場所Rを利用する予定がある場合、当該中継場所Rを第1の移動体Mおよび第2の移動体Mの落ち合う場所として選択する。
【0129】
上記の例では中継場所Rを移動距離で決定しているが、充電スタンドを利用する場合には移動体Mが利用する予定の充電スタンドを中継場所Rとしてもよい。ただし、充電にかかる時間が長い場合であって、物資の配送に緊急性があるような場合には、充電スタンドを利用しない他の移動体を選択した方がよい。そのため、生成部104は、充電を予定している移動体の場合には、当該中継場所の利用時間を考慮するのが好ましい。
【0130】
あるいは、生成部104は、充電スタンドを中継場所Rとして選択する場合、充電池の充電にかかる時間、つまり、充電スタンドの利用時間に応じて、移動体を選択してもよい。例えば、充電スタンドの利用時間の長さが長い程、受け取る側の移動体は受け取れる時間が長くなり、余裕を持って作業できるため、生成部104は、充電スタンドを中継場所Rとした場合、充電を予定している移動体のうち、利用時間が長い移動体を選択してもよい。
【0131】
このように移動体M(ドライバD)に何らかの用事があり、立ち寄る場所を中継場所Rとして選択する場合もある。例えば、移動体用通信端末200の表示部206に、立ち寄りたい場所を選択するためのUIを表示し、ドライバDの入力を受け付けてもよい。受け付けた情報は、移動体情報220として記憶部210に記憶されてよい。そして、移動体用通信端末200から災害時支援管理装置100に送信されてよい。
【0132】
<中継場所Rの決定方法4>
生成部104は、移動体Mが電気自動車の場合、移動体Mの充電池の残電力量が閾値未満の場合、中継場所Rとして最寄りの充電スタンドRを中継場所Rとして選択する。
【0133】
<中継場所Rの決定方法5>
生成部104は、配送経路が混雑している道路を回避できるように中継場所Rを選択する。例えば、生成部104は、道路の交通情報を取得し、混雑している道路上にある中継場所Rを候補から除外する。生成部104は、道路状況を取得し、災害で寸断された道路上にある中継場所Rを候補が除外する。さらに、生成部104は、複数の中継場所Rを選択する場合、所定距離以上、離れた場所の中継場所Rを選択する。ただし、所定距離は、災害時支援管理装置100の操作者の指定を受け付けることができ、変更可能とすることができる。所定距離以上、離れた中継場所を選択することで、中継場所周辺の道路での渋滞の発生を低減できる。
【0134】
<中継場所Rの決定方法6>
生成部104は、支援物資を受け渡す第1の移動体Mおよび当該支援物資を受け取る少なくとも1台の第2の移動体Mについて、第1の移動体Mおよび第2の移動体Mでそれぞれかかるコストの合計が最小となる中継場所Rを第1の移動体Mおよび第2の移動体Mの落ち合う場所として選択する。
【0135】
コストとは、各移動体の移動にかかる時間、燃料消費量、CO2排出量、中継場所Rの利用料金などを含む。
【0136】
具体的には、生成部104は、第1の移動体Mが現在地から中継場所Rに行くのにかかるコストと、第2の移動体Mが現在地から中継場所Rに行くまでにかかるコストと、第2の移動体Mが第1の移動体Mから荷物を受け取るのにかかるコストと、をそれぞれ中継場所R毎に算出する。生成部104は、算出したコストを中継場所R毎に合計する。そして、算出部104は、コストの合計が最小となる中継場所Rを選択する。
【0137】
<中継場所Rの追加および削除について>
また、生成部104が選択する中継場所Rについて、追加および削除ができてよい。例えば、災害による被災状況に応じて、中継場所Rの追加および削除を受け付ける画面を災害時支援管理装置100の表示装置に表示してもよい。あるいは、ドライバDが実際に現地の情報に基づいて、移動体用通信端末200を用いて中継場所Rの被災状況に応じて、中継場所Rの追加および削除を行える構成としてもよい。移動体用通信端末200の表示部206に中継場所Rの追加および削除を受け付ける画面を表示させ、移動体用通信端末200で受け付けた情報を災害時支援管理装置100に送信してもよい。
【0138】
これにより、災害による被災状況によって、中継場所が使用できない場合や他の場所が最適な場合に、生成部104は、適切な候補の中から中継場所を選択できる。
【0139】
以上説明したように、この災害時支援管理装置100によれば、生成部104は、中継場所Rを移動体Mの移動距離が短くなるように選択したり、配送希望場所への経路から外れて中継場所に立ち寄るためにかかる時間がなるべく短くなるように中継場所を選択したり、ドライバDが他の用事がある中継場所を選択したりするので、より効率よく支援物資を配送することができる。
【0140】
<動作例>
以下、
図13を用いて、上記第2から第4実施形態の構成を組み合わせた構成における動作例を説明する。特に、各装置間で送受信される各種の通知について説明する。
【0141】
図13の例では、災害時支援管理装置100の生成部104により各移動体Mについて下記の配送情報が生成されたものとする。
<<1巡目配送>>
電気自動車M1は充電スタンドR1から支援物資を受け取り、配送希望場所L1に配送する。電気自動車M2は配送希望場所L2から物資を受け取り、充電スタンドR1に配送する。トラックT1は行政施設G1から物資を載せて出発し、充電スタンドR2に物資を配送した後に配送希望場所L2にも物資を配送する。電気自動車M3は充電スタンドR2で物資を受け取り、配送希望場所L3に配送する。
【0142】
このようにして生成された配送情報を、災害時支援管理装置100の通信部110は、各移動体Mに配送要請として送信する。そして、各移動体Mの移動体用通信端末200は配送要請を受信すると、ドライバDに配送要請を受信したこと、およびその配送内容を表示部206に表示する。そして、ドライバDが要請を受け入れると、移動体用通信端末200の通信部208から災害時支援管理装置100に要請受け入れの回答が送信される。
【0143】
一方、路線バスB1の移動体用通信端末200からは、要請を拒否する回答を受信したため、災害時支援管理装置100の生成部104は、路線バスB1を除外して再度配送情報を生成する。その結果、生成された配送情報では、トラックT1に路線バスB1が配送する予定だった支援物資を載せて、路線バスB1が向かう予定だった配送希望場所L2に向かうこととなった。
【0144】
<到着/未到着通知>
電気自動車M1、M2、M3、トラックT1が配送要請を受け入れる回答をしたとき、災害時支援管理装置100の通信部110は、各移動体Mの行先となる配送希望場所Lの配送希望場所用通信端末300に配送情報を送信する。つまり、どの移動体Mがどの支援物資を届けるか、または、どの移動体Mにどの支援物資を受け渡せばよいかを示す情報を送信する。
【0145】
各配送希望場所Lでは、配送希望場所用通信端末300の通信部304が災害時支援管理装置100から配送情報を受信する。受信した配送情報は、配送希望場所用通信端末300の表示部(不図示)に表示できてよい。
【0146】
各配送希望場所Lに、電気自動車M1、M2、M3、トラックT1がそれぞれ到着した時に、配送希望場所Lの配送希望場所用通信端末300の操作者Pは、表示部に表示されている配送情報に対応する移動体Mが到着したことを、例えば、操作画面上の操作ボタンの押下により入力することができる。
【0147】
そして、配送希望場所用通信端末300の通信部304は、電気自動車M1、M2、M3、トラックT1がそれぞれ配送希望場所Lに到着したことを示す到着通知を災害時支援管理装置100に送信する。
【0148】
あるいは、到着通知は、配送希望場所Lに到着したことを移動体用通信端末200の位置情報取得部204が取得した位置情報から検出して移動体用通信端末200の通信部208が災害時支援管理装置100に送信してもよい。
【0149】
災害時支援管理装置100の通信部110は、電気自動車M1、M2、M3、トラックT1の各々について配送希望場所Lに到着したこと示す到着通知を配送希望場所用通信端末300または移動体用通信端末200から受信する。
【0150】
一方、配送情報を受信してから一定の時間経過しても移動体Mが、配送希望場所Lに到着しなかった場合、つまり、操作者Pの到着操作ボタンの押下を受け付けられなかった場合、配送希望場所用通信端末300の通信部304は、災害時支援管理装置100に当該移動体Mの未到着通知を送信する。
【0151】
災害時支援管理装置100の通信部110が未到着通知を受信すると、未到着通知を受け取った移動体Mを除外して、生成部104は、マッチング計算処理を再度行う。
【0152】
あるいは、第2実施形態で説明したように、災害時支援管理装置100が、一定時間経過したことを検出し、移動体用通信端末200または配送希望場所用通信端末300から到着通知を受信しないことを検出することで、当該移動体Mが配送希望場所Lに到着してないと判定してもよい。その場合も未到着であると判定された移動体Mを除外して、生成部104は、マッチング計算処理を再度行う。
【0153】
<配送完了通知/再配送依頼>
各移動体MのドライバDは、支援物資の配送が完了したとき、移動体用通信端末200の操作画面上の配送完了を通知するための操作ボタンを押下する。移動体用通信端末200の通信部208は、配送完了通知を災害時支援管理装置100に送信する。
【0154】
災害時支援管理装置100の通信部110は、電気自動車M1、M2、M3、トラックT1の移動体用通信端末200から配送完了通知を受信する。配送完了通知を受信すると、生成部104は、通知を受信した移動体Mに対して再配送依頼を送信する。再配送依頼は、配送要請とは異なり、配送情報を生成する前に移動体Mに再配送が可能か否かの打診を行うものである。移動体Mからの再配送依頼の回答が受入だった場合、回答が受け入れだった移動体Mを対象として、生成部104は、マッチング計算を行い、配送情報を生成する。そして、生成された配送情報を含む配送要請を通信部110は、移動体Mの移動体用通信端末200に送信する。
【0155】
<<2巡目配送>>
各移動体Mの移動体用通信端末200の通信部208は、配送要請を受信すると、表示部206に配送情報を表示する。表示部206に表示された配送情報をドライバDは確認し、要請を受入か拒否か判断する。ドライバDが操作画面上の操作ボタンの押下により回答を入力すると、各移動体Mの移動体用通信端末200の通信部208は災害時支援管理装置100に対して回答を送信する。
【0156】
ドライバDが要請を受け入れる回答をした電気自動車M1、M2、M3、トラックT1は、それぞれの派遣先となる配送希望場所Lに向かう。配送希望場所Lへの配送が完了した場合、各移動体Mの移動体用通信端末200の通信部208は配送完了通知を災害時支援管理装置100にそれぞれ送信する。この時に移動体Mは配送希望場所Lに向かう前に中継場所Rや行政施設G1に寄り、支援物資を受け取る場合もある。
【0157】
<受取完了通知/受渡完了通知>
中継場所Rに寄る電気自動車M1、M2、M3、トラックT1は中継場所Rに到着すると、各移動体Mの移動体用通信端末200の通信部208は災害時支援管理装置100に対して中継場所到着通知を送信する。物資を受け取る電気自動車M1、M3のドライバDは、支援物資を受け取ると、移動体用通信端末200の操作画面上の受取完了を通知するための操作ボタンを押下する。操作ボタンの押下を受け付けると、移動体用通信端末200の通信部208は、受取完了通知を災害時支援管理装置100に送信する。一方、支援物資を中継場所Rに渡す電気自動車M2とトラックT1のドライバDは、支援物資を受け渡すと、移動体用通信端末200の操作画面上の受渡完了を通知するための操作ボタンを押下する。操作ボタンの押下を受け付けると、移動体用通信端末200の通信部208は受渡完了通知を災害時支援管理装置100に送信する。
【0158】
<<3巡目配送>>
2巡目と同様に、各移動体Mの移動体用通信端末200の通信部208は、災害時支援管理装置100から再配送依頼を受信すると、ドライバDが受入か拒否かの回答を入力し、回答を災害時支援管理装置100に送信する。
【0159】
配送希望場所L1、L2、L3の配送希望場所用通信端末300の通信部304は移動体の配送情報を受信する。
【0160】
配送情報に含まれる予定到着時刻を過ぎても移動体Mが到着しない場合、配送希望場所用通信端末300の通信部304は、災害時支援管理装置100に対して移動体未到着通知を送信する。
【0161】
移動体Mが到着した場合、配送希望場所Lの配送希望場所用通信端末300の操作者Pは操作画面上の移動体Mが到着したことを通知するための操作ボタンを押下する。操作ボタンの押下を受け付けると、各配送希望場所Lの配送希望場所用通信端末300の通信部304は、災害時支援管理装置100に対して移動体到着通知を送信する。
【0162】
各配送希望場所Lの配送希望場所用通信端末300はさらに、配送が完了したことを通知するための操作ボタンの押下を受け付けると、配送希望場所用通信端末300の通信部304は、災害時支援管理装置100に対して当該移動体Mの配送完了通知を送信する。
【0163】
この時に、配送情報に、配送希望場所Lが所持している支援物資を移動体Mに対して別の配送希望場所に配送する指示が含まれている場合、当該移動体Mに支援物資の積み込みが完了すると、配送希望場所用通信端末300の操作者Pは、操作画面上の、受渡完了を通知するための操作ボタンを押下する。操作ボタンの押下を受け付けると、配送希望場所用通信端末300の通信部304は、災害時支援管理装置100に受渡完了通知を送信する。
【0164】
<依頼完了通知>
災害時支援管理装置100の生成部104は、配送希望場所Lへの配送が必要なくなったことを、移動体情報220および配送希望場所情報320に基づいて判別する。配送が必要なくなったことを判別した場合、災害時支援管理装置100の通信部110は、電気自動車M1、M2、M3、トラックT1、路線バスB1に対して依頼完了通知を送信する。
【0165】
上記の構成により、中継場所Rに積載量の多い移動体で物資を配送し、そこから少量の物資を運ぶ複数の移動体が各配送希望場所に配送することで一台の移動体で配送するより時間が短くなるため、被災地への支援物資の配送にかかる時間を短くすることができる。
【0166】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
災害時支援管理システム1において、例えば、災害時支援管理装置100から移動体用通信端末200に送信される「配送要請」、および配送希望場所用通信端末300から災害時支援管理装置100に通知される支援物資に関する情報(配送希望場所Lが希望している支援物資、配送希望場所Lが所持している支援物資、配送希望場所Lに派遣される移動体Mの情報や配送される支援物資、および配送希望場所Lから提供する支援物資など)について、情報のやりとりを、ブロックチェーン上で行ってもよい。あるいは、ブロックチェーン上でNFT(Non-Fungible Token)を災害時支援管理装置100、配送希望場所用通信端末300、および移動体用通信端末200、あるいは、各装置を利用する人物に予め割り当てて発行し、当該NFTに配送要請や支援物資に関する情報を紐付けて、装置間で情報を交換してもよい。
【0167】
このような仕組みを用いて送受信された配送要請や支援物資の情報は、信頼性が高いと判断し、信頼性が高い順に処理を行う構成としてもよい。言い換えると、ブロックチェーン、あるいは、NFTを利用していない情報の場合は、信頼性が低いと判断し、処理の優先順位を下げる、あるいは、処理を行わない構成としてもよい。
【0168】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0169】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. 災害時に物資および作業者の少なくとも一方を含む支援物資の配送を希望している配送希望場所に関する情報と、前記支援物資を配送する移動体に関する情報と、前記移動体が前記支援物資を他の移動体に受け渡す中継場所に関する情報と、を取得する取得手段と、
取得した前記情報に基づいて、各前記移動体が配送する前記支援物資と、前記配送希望場所および前記中継場所の少なくとも一方を含む配送先と、を含む配送情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記配送情報に含まれる前記移動体に配送要請を送信する送信手段と、
を備え、
前記配送希望場所に関する情報は、配送を希望している前記支援物資に関する情報および所持している前記支援物資に関する情報の少なくとも一方を含む、災害時支援管理装置。
2. 1.に記載の災害時支援管理装置において、
前記配送要請を送信した前記移動体が配送できないことを検出した場合、前記生成手段は、当該移動体を除外して再度、前記配送情報を生成する、災害時支援管理装置。
3. 2.に記載の災害時支援管理装置において、
前記配送できないことの検出は、前記移動体からの前記配送要請を拒否する回答を受信することである、災害時支援管理装置。
4. 2.または3.に記載の災害時支援管理装置において、
前記配送できないことの検出は、前記移動体に前記配送要請を送信してから一定時間経過後、当該移動体から前記配送要請に対する回答を受信しないことである、災害時支援管理装置。
5. 2.から4.のいずれか一つに記載の災害時支援管理装置において、
前記配送できないことの検出は、前記移動体に前記配送要請を送信してから一定時間経過後、当該移動体が前記配送希望場所への前記支援物資の配送を完了したことを示す完了通知を受信しないことである、災害時支援管理装置。
6. 2.から5.のいずれか一つに記載の災害時支援管理装置において、
前記配送できないことの検出は、前記移動体に前記配送要請を送信してから一定時間経過後、当該移動体が前記中継場所に到着したことを示す到着通知を受信しないことである、災害時支援管理装置。
7. 1.から6.のいずれか一つに記載の災害時支援管理装置において、
前記生成手段は、
前記移動体毎に配送する前記支援物資と配送先となる前記配送希望場所を決定し、当該移動体と前記配送希望場所を紐付け、
前記移動体毎に配送する前記支援物資を決定し、
前記移動体毎に当該支援物資の受け取り場所を決定し、
前記移動体同士の前記支援物資の受け渡し場所となる中継場所を決定する、災害時支援管理装置。
8. 7.に記載の災害時支援管理装置において、
前記生成手段は、
前記配送希望場所が希望する前記支援物資に関する情報と前記移動体の走行可能距離および積載量に関する情報と、前記配送希望場所および前記移動体の位置情報とを用いて、どの移動体にどの支援物資を配送するか決定し、紐付ける、災害時支援管理装置。
9. 7.または8.に記載の災害時支援管理装置において、
前記生成手段は、前記移動体の積載量に基づいて、前記移動体間の前記支援物資の受け渡しの要否を判別する、災害時支援管理装置。
10. 7.から9.のいずれか一つに記載の災害時支援管理装置において、
前記生成手段は、前記移動体が積載している前記支援物資と、前記配送希望場所が希望している前記支援物資に基づいて、前記移動体間の前記支援物資の受け渡しの要否を判別する、災害時支援管理装置。
11. 1.から10.のいずれか一つに記載の災害時支援管理装置において、
前記生成手段は、前記支援物資を受け渡す第1の移動体の移動距離および当該支援物資を受け取る第2の移動体の移動距離が短くなる前記中継場所を前記第1の移動体および前記第2の移動体が落ち合う場所として選択する、災害時支援管理装置。
12. 1.から11.のいずれか一つに記載の災害時支援管理装置において、
前記生成手段は、前記支援物資を受け渡す第1の移動体および当該支援物資を受け取る第2の移動体が、前記配送希望場所への経路から外れて前記中継場所に立ち寄るためにかかる時間が短い前記中継場所を前記第1の移動体および前記第2の移動体の落ち合う場所として選択する、災害時支援管理装置。
13. 1.から12.のいずれか一つに記載の災害時支援管理装置において、
前記生成手段は、前記支援物資を受け渡す第1の移動体および当該支援物資を受け取る第2の移動体の少なくとも一方が前記中継場所を利用する予定がある場合、当該中継場所を前記第1の移動体および前記第2の移動体の落ち合う場所として選択する、災害時支援管理装置。
【0170】
14. 移動体通信装置と、
配送希望場所通信装置と、
管理装置と、を備え、
前記管理装置は、
災害時に物資および作業者の少なくとも一方を含む支援物資の配送を希望している配送希望場所に関する情報と、前記支援物資を配送する移動体に関する情報と、前記移動体が前記支援物資を他の移動体に受け渡す中継場所に関する情報と、を取得する取得手段と、
取得した前記情報に基づいて、各前記移動体が配送する前記支援物資と、前記配送希望場所および前記中継場所の少なくとも一方を含む配送先と、を含む配送情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記配送情報に含まれる前記移動体に配送要請を送信する送信手段と、
を備え、
前記配送希望場所に関する情報は、配送を希望している前記支援物資に関する情報および所持している前記支援物資に関する情報の少なくとも一方を含む、
災害時支援管理システム。
15. 14.に記載の災害時支援管理システムにおいて、
前記移動体通信装置は、
前記管理装置から前記配送要請を受信する受信手段と、
前記受信した前記配送要請に関する配送情報を表示する表示手段と、
前記配送要請を受け入れるか拒否するかを示す回答を前記管理装置に送信する送信手段と、を備える、災害時支援管理システム。
16. 14.または15.に記載の災害時支援管理システムにおいて、
前記配送希望場所通信装置は、
希望する前記支援物資に関する情報、および所持している前記支援物資に関する情報の少なくとも一方を取得する取得手段と、
取得した前記情報を前記管理装置に送信する送信手段と、を備える、災害時支援管理システム。
17. 14.から16.いずれか一つに記載の災害時支援管理システムにおいて、
前記管理装置において、
前記配送要請を送信した前記移動体が配送できないことを検出した場合、前記生成手段は、当該移動体を除外して再度、前記配送情報を生成する、災害時支援管理システム。
18. 17.に記載の災害時支援管理システムにおいて、
前記配送できないことの検出は、前記移動体からの前記配送要請を拒否する回答を受信することである、災害時支援管理システム。
19. 17.または18.に記載の災害時支援管理システムにおいて、
前記管理装置において、
前記配送できないことの検出は、前記移動体に前記配送要請を送信してから一定時間経過後、当該移動体から前記配送要請に対する回答を受信しないことである、災害時支援管理システム。
20. 17.から19.のいずれか一つに記載の災害時支援管理システムにおいて、
前記管理装置において、
前記配送できないことの検出は、前記移動体に前記配送要請を送信してから一定時間経過後、当該移動体が前記配送希望場所への前記支援物資の配送を完了したことを示す完了通知を受信しないことである、災害時支援管理システム。
21. 17.から20.のいずれか一つに記載の災害時支援管理システムにおいて、
前記管理装置において、
前記配送できないことの検出は、前記移動体に前記配送要請を送信してから一定時間経過後、当該移動体が前記中継場所に到着したことを示す到着通知を受信しないことである、災害時支援管理システム。
22. 14.から21.のいずれか一つに記載の災害時支援管理システムにおいて、
前記管理装置において、
前記生成手段は、
前記移動体毎に配送する前記支援物資と配送先となる前記配送希望場所を決定し、当該移動体と前記配送希望場所を紐付け、
前記移動体毎に配送する前記支援物資を決定し、
前記移動体毎に当該支援物資の受け取り場所を決定し、
前記移動体同士の前記支援物資の受け渡し場所となる中継場所を決定する、災害時支援管理システム。
23. 22.に記載の災害時支援管理システムにおいて、
前記管理装置において、
前記生成手段は、
前記配送希望場所が希望する前記支援物資に関する情報と前記移動体の走行可能距離および積載量に関する情報と、前記配送希望場所および前記移動体の位置情報とを用いて、どの移動体にどの支援物資を配送するか決定し、紐付ける、災害時支援管理システム。
24. 22.または23.に記載の災害時支援管理システムにおいて、
前記生成手段は、前記移動体の積載量に基づいて、前記移動体間の前記支援物資の受け渡しの要否を判別する、災害時支援管理システム。
25. 22.から24.のいずれか一つに記載の災害時支援管理システムにおいて、
前記管理装置において、
前記生成手段は、前記移動体が積載している前記支援物資と、前記配送希望場所が希望している前記支援物資に基づいて、前記移動体間の前記支援物資の受け渡しの要否を判別する、災害時支援管理システム。
26. 14.から25.のいずれか一つに記載の災害時支援管理システムにおいて、
前記管理装置において、
前記生成手段は、前記支援物資を受け渡す第1の移動体の移動距離および当該支援物資を受け取る第2の移動体の移動距離が短くなる前記中継場所を前記第1の移動体および前記第2の移動体が落ち合う場所として選択する、災害時支援管理システム。
27. 14.から26.のいずれか一つに記載の災害時支援管理システムにおいて、
前記管理装置において、
前記生成手段は、前記支援物資を受け渡す第1の移動体および当該支援物資を受け取る第2の移動体が、前記配送希望場所への経路から外れて前記中継場所に立ち寄るためにかかる時間が短い前記中継場所を前記第1の移動体および前記第2の移動体の落ち合う場所として選択する、災害時支援管理システム。
28. 14.から27.のいずれか一つに記載の災害時支援管理システムにおいて、
前記管理装置において、
前記生成手段は、前記支援物資を受け渡す第1の移動体および当該支援物資を受け取る第2の移動体の少なくとも一方が前記中継場所を利用する予定がある場合、当該中継場所を前記第1の移動体および前記第2の移動体の落ち合う場所として選択する、災害時支援管理システム。
【0171】
29. 1以上のコンピュータが、
災害時に物資および作業者の少なくとも一方を含む支援物資の配送を希望している配送希望場所に関する情報と、前記支援物資を配送する移動体に関する情報と、前記移動体が前記支援物資を他の移動体に受け渡す中継場所に関する情報と、を取得し、
取得した前記情報に基づいて、各前記移動体が配送する前記支援物資と、前記配送希望場所および前記中継場所の少なくとも一方を含む配送先と、を含む配送情報を生成し、
生成された前記配送情報に含まれる前記移動体に配送要請を送信し、
前記配送希望場所に関する情報は、配送を希望している前記支援物資に関する情報および所持している前記支援物資に関する情報の少なくとも一方を含む、災害時支援管理方法。
30. 29.に記載の災害時支援管理方法において、
前記1以上のコンピュータが、
前記配送要請を送信した前記移動体が配送できないことを検出した場合、当該移動体を除外して再度、前記配送情報を生成する、災害時支援管理方法。
31. 30.に記載の災害時支援管理方法において、
前記配送できないことの検出は、前記移動体からの前記配送要請を拒否する回答を受信することである、災害時支援管理方法。
32. 30.または31.に記載の災害時支援管理方法において、
前記配送できないことの検出は、前記移動体に前記配送要請を送信してから一定時間経過後、当該移動体から前記配送要請に対する回答を受信しないことである、災害時支援管理方法。
33. 30.から32.のいずれか一つに記載の災害時支援管理方法において、
前記配送できないことの検出は、前記移動体に前記配送要請を送信してから一定時間経過後、当該移動体が前記配送希望場所への前記支援物資の配送を完了したことを示す完了通知を受信しないことである、災害時支援管理方法。
34. 30.から33.のいずれか一つに記載の災害時支援管理方法において、
前記配送できないことの検出は、前記移動体に前記配送要請を送信してから一定時間経過後、当該移動体が前記中継場所に到着したことを示す到着通知を受信しないことである、災害時支援管理方法。
35. 29.から34.のいずれか一つに記載の災害時支援管理方法において、
前記1以上のコンピュータが、
前記移動体毎に配送する前記支援物資と配送先となる前記配送希望場所を決定し、当該移動体と前記配送希望場所を紐付け、
前記移動体毎に配送する前記支援物資を決定し、
前記移動体毎に当該支援物資の受け取り場所を決定し、
前記移動体同士の前記支援物資の受け渡し場所となる中継場所を決定する、災害時支援管理方法。
36. 35.に記載の災害時支援管理方法において、
前記1以上のコンピュータが、
前記配送希望場所が希望する前記支援物資に関する情報と前記移動体の走行可能距離および積載量に関する情報と、前記配送希望場所および前記移動体の位置情報とを用いて、どの移動体にどの支援物資を配送するか決定し、紐付ける、災害時支援管理方法。
37. 35.または36.に記載の災害時支援管理方法において、
前記1以上のコンピュータが、
前記移動体の積載量に基づいて、前記移動体間の前記支援物資の受け渡しの要否を判別する、災害時支援管理方法。
38. 35.から37.のいずれか一つに記載の災害時支援管理方法において、
前記1以上のコンピュータが、
前記移動体が積載している前記支援物資と、前記配送希望場所が希望している前記支援物資に基づいて、前記移動体間の前記支援物資の受け渡しの要否を判別する、災害時支援管理方法。
39. 29.から38.のいずれか一つに記載の災害時支援管理方法において、
前記1以上のコンピュータが、
前記支援物資を受け渡す第1の移動体の移動距離および当該支援物資を受け取る第2の移動体の移動距離が短くなる前記中継場所を前記第1の移動体および前記第2の移動体が落ち合う場所として選択する、災害時支援管理方法。
40. 29.から39.のいずれか一つに記載の災害時支援管理方法において、
前記1以上のコンピュータが、
前記支援物資を受け渡す第1の移動体および当該支援物資を受け取る第2の移動体が、前記配送希望場所への経路から外れて前記中継場所に立ち寄るためにかかる時間が短い前記中継場所を前記第1の移動体および前記第2の移動体の落ち合う場所として選択する、災害時支援管理方法。
41. 29.から40.のいずれか一つに記載の災害時支援管理方法において、
前記1以上のコンピュータが、
前記支援物資を受け渡す第1の移動体および当該支援物資を受け取る第2の移動体の少なくとも一方が前記中継場所を利用する予定がある場合、当該中継場所を前記第1の移動体および前記第2の移動体の落ち合う場所として選択する、災害時支援管理方法。
【0172】
42. 1以上のコンピュータに、
災害時に物資および作業者の少なくとも一方を含む支援物資の配送を希望している配送希望場所に関し、配送を希望している前記支援物資に関する情報および所持している前記支援物資に関する情報の少なくとも一方を含む情報と、前記支援物資を配送する移動体に関する情報と、前記移動体が前記支援物資を他の移動体に受け渡す中継場所に関する情報と、を取得する手順、
取得した前記情報に基づいて、各前記移動体が配送する前記支援物資と、前記配送希望場所および前記中継場所の少なくとも一方を含む配送先と、を含む配送情報を生成する手順、
前記生成する手順により生成された前記配送情報に含まれる前記移動体に配送要請を送信する手順、を実行させるためのプログラム。
43. 42.に記載のプログラムにおいて、
前記配送要請を送信した前記移動体が配送できないことを検出した場合、当該移動体を除外して再度、前記配送情報を生成する手順を1以上のコンピュータに実行させるためのプログラム。
44. 43.に記載のプログラムにおいて、
前記配送できないことの検出は、前記移動体からの前記配送要請を拒否する回答を受信することである、プログラム。
45. 43.または44.に記載のプログラムにおいて、
前記配送できないことの検出は、前記移動体に前記配送要請を送信してから一定時間経過後、当該移動体から前記配送要請に対する回答を受信しないことである、プログラム。
46. 43.から45.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記配送できないことの検出は、前記移動体に前記配送要請を送信してから一定時間経過後、当該移動体が前記配送希望場所への前記支援物資の配送を完了したことを示す完了通知を受信しないことである、プログラム。
47. 43.から46.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記配送できないことの検出は、前記移動体に前記配送要請を送信してから一定時間経過後、当該移動体が前記中継場所に到着したことを示す到着通知を受信しないことである、プログラム。
48. 42.から47.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記移動体毎に配送する前記支援物資と配送先となる前記配送希望場所を決定し、当該移動体と前記配送希望場所を紐付ける手順、
前記移動体毎に配送する前記支援物資を決定する手順、
前記移動体毎に当該支援物資の受け取り場所を決定する手順、
前記移動体同士の前記支援物資の受け渡し場所となる中継場所を決定する手順を1以上のコンピュータに実行させるためのプログラム。
49. 48.に記載のプログラムにおいて、
前記配送希望場所が希望する前記支援物資に関する情報と前記移動体の走行可能距離および積載量に関する情報と、前記配送希望場所および前記移動体の位置情報とを用いて、どの移動体にどの支援物資を配送するか決定し、紐付ける手順を1以上のコンピュータに実行させるためのプログラム。
50. 48.または49.に記載のプログラムにおいて、
前記移動体の積載量に基づいて、前記移動体間の前記支援物資の受け渡しの要否を判別する手順を1以上のコンピュータに実行させるためのプログラム。
51. 48.から50.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記移動体が積載している前記支援物資と、前記配送希望場所が希望している前記支援物資に基づいて、前記移動体間の前記支援物資の受け渡しの要否を判別する手順を1以上のコンピュータに実行させるためのプログラム。
52. 42.から51.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記支援物資を受け渡す第1の移動体の移動距離および当該支援物資を受け取る第2の移動体の移動距離が短くなる前記中継場所を前記第1の移動体および前記第2の移動体が落ち合う場所として選択する手順を1以上のコンピュータに実行させるためのプログラム。
53. 42.から52.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記支援物資を受け渡す第1の移動体および当該支援物資を受け取る第2の移動体が、前記配送希望場所への経路から外れて前記中継場所に立ち寄るためにかかる時間が短い前記中継場所を前記第1の移動体および前記第2の移動体の落ち合う場所として選択する手順を1以上のコンピュータに実行させるためのプログラム。
54. 42.から53.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記支援物資を受け渡す第1の移動体および当該支援物資を受け取る第2の移動体の少なくとも一方が前記中継場所を利用する予定がある場合、当該中継場所を前記第1の移動体および前記第2の移動体の落ち合う場所として選択する手順を1以上のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0173】
55. 1以上のコンピュータに、
災害時に物資および作業者の少なくとも一方を含む支援物資の配送を希望している配送希望場所に関し、配送を希望している前記支援物資に関する情報および所持している前記支援物資に関する情報の少なくとも一方を含む情報と、前記支援物資を配送する移動体に関する情報と、前記移動体が前記支援物資を他の移動体に受け渡す中継場所に関する情報と、を取得する手順、
取得した前記情報に基づいて、各前記移動体が配送する前記支援物資と、前記配送希望場所および前記中継場所の少なくとも一方を含む配送先と、を含む配送情報を生成する手順、
前記生成する手順により生成された前記配送情報に含まれる前記移動体に配送要請を送信する手順、を実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
56. 55.に記載の記録媒体において、
前記配送要請を送信した前記移動体が配送できないことを検出した場合、当該移動体を除外して再度、前記配送情報を生成する手順を1以上のコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
57. 56.に記載の記録媒体において、
前記配送できないことの検出は、前記移動体からの前記配送要請を拒否する回答を受信することである、プログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
58. 56.または57.に記載の記録媒体において、
前記配送できないことの検出は、前記移動体に前記配送要請を送信してから一定時間経過後、当該移動体から前記配送要請に対する回答を受信しないことである、プログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
59. 56.から58.のいずれか一つに記載の記録媒体において、
前記配送できないことの検出は、前記移動体に前記配送要請を送信してから一定時間経過後、当該移動体が前記配送希望場所への前記支援物資の配送を完了したことを示す完了通知を受信しないことである、プログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
60. 56.から59.のいずれか一つに記載の記録媒体において、
前記配送できないことの検出は、前記移動体に前記配送要請を送信してから一定時間経過後、当該移動体が前記中継場所に到着したことを示す到着通知を受信しないことである、プログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
61. 55.から60.のいずれか一つに記載の記録媒体において、
前記移動体毎に配送する前記支援物資と配送先となる前記配送希望場所を決定し、当該移動体と前記配送希望場所を紐付ける手順、
前記移動体毎に配送する前記支援物資を決定する手順、
前記移動体毎に当該支援物資の受け取り場所を決定する手順、
前記移動体同士の前記支援物資の受け渡し場所となる中継場所を決定する手順を1以上のコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
62. 61.に記載の記録媒体において、
前記配送希望場所が希望する前記支援物資に関する情報と前記移動体の走行可能距離および積載量に関する情報と、前記配送希望場所および前記移動体の位置情報とを用いて、どの移動体にどの支援物資を配送するか決定し、紐付ける手順を1以上のコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
63. 61.または62.に記載の記録媒体において、
前記移動体の積載量に基づいて、前記移動体間の前記支援物資の受け渡しの要否を判別する手順を1以上のコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
64. 61.から63.のいずれか一つに記載の記録媒体において、
前記移動体が積載している前記支援物資と、前記配送希望場所が希望している前記支援物資に基づいて、前記移動体間の前記支援物資の受け渡しの要否を判別する手順を1以上のコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
65. 55.から64.のいずれか一つに記載の記録媒体において、
前記支援物資を受け渡す第1の移動体の移動距離および当該支援物資を受け取る第2の移動体の移動距離が短くなる前記中継場所を前記第1の移動体および前記第2の移動体が落ち合う場所として選択する手順を1以上のコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
66. 55.から65.のいずれか一つに記載の記録媒体において、
前記支援物資を受け渡す第1の移動体および当該支援物資を受け取る第2の移動体が、前記配送希望場所への経路から外れて前記中継場所に立ち寄るためにかかる時間が短い前記中継場所を前記第1の移動体および前記第2の移動体の落ち合う場所として選択する手順を1以上のコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
67. 55.から66.のいずれか一つに記載の記録媒体において、
前記支援物資を受け渡す第1の移動体および当該支援物資を受け取る第2の移動体の少なくとも一方が前記中継場所を利用する予定がある場合、当該中継場所を前記第1の移動体および前記第2の移動体の落ち合う場所として選択する手順を1以上のコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【符号の説明】
【0174】
1 災害時支援管理システム
100 災害時支援管理装置
102 取得部
104 生成部
106 送信部
110 通信部
120 記憶部
200 移動体用通信端末
202 移動体情報取得部
204 位置情報取得部
206 表示部
208 通信部
210 記憶部
220 移動体情報
300 配送希望場所用通信端末
302 情報取得部
304 通信部
310 記憶部
320 配送希望場所情報
420 中継場所情報
520 配送情報
1000 コンピュータ
1010 バス
1020 プロセッサ
1030 メモリ
1040 ストレージデバイス
1050 入出力インタフェース
1060 ネットワークインタフェース