(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147778
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】内装部材
(51)【国際特許分類】
B60R 13/02 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
B60R13/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055485
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000219668
【氏名又は名称】東海化成工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000219602
【氏名又は名称】住友理工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115646
【弁理士】
【氏名又は名称】東口 倫昭
(74)【代理人】
【識別番号】100115657
【弁理士】
【氏名又は名称】進藤 素子
(74)【代理人】
【識別番号】100196759
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 雪
(72)【発明者】
【氏名】奥村 剛正
【テーマコード(参考)】
3D023
【Fターム(参考)】
3D023BA01
3D023BB01
3D023BD29
3D023BE06
3D023BE16
3D023BE17
3D023BE24
3D023BE28
(57)【要約】
【課題】触感の低下および配線部の冗長化を抑制し、意匠性を改善可能な内装部材を提供することを課題とする。
【解決手段】内装部材1は、第一表皮材2と、第二表皮材3と、トランスデューサ4A~4Dと、を備える。第一表皮材2は、室内に表出する第一表出部20と、第一表出部20から室外側に埋没する第一埋没部21と、を有する。第二表皮材3は、室内に表出し、第一表出部20に隣接する第二表出部30と、第二表出部30から室外側に埋没し、第一埋没部21と接合される第二埋没部31と、を有する。トランスデューサ4A~4Dは、第一表出部20の真裏に配置される本体部40と、少なくとも第一埋没部21の真裏に配置され、本体部40に電気的に接続される配線部41と、を有する。配線部41の端部41aは、第一埋没部21よりも室外側に配置される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内に表出する第一表出部と、前記第一表出部から室外側に埋没する第一埋没部と、を有する第一表皮材と、
室内に表出し、前記第一表出部に隣接する第二表出部と、前記第二表出部から室外側に埋没し、前記第一埋没部と接合される第二埋没部と、を有する第二表皮材と、
前記第一表出部の真裏に配置される本体部と、少なくとも前記第一埋没部の真裏に配置され、前記本体部に電気的に接続される配線部と、を有するトランスデューサと、
を備え、
前記配線部の端部は、前記第一埋没部よりも室外側に配置される内装部材。
【請求項2】
前記トランスデューサは、室内側から入力される所定の物理量を検出し、前記物理量に対応する電気信号を発信するセンサである請求項1に記載の内装部材。
【請求項3】
さらに、前記第一埋没部と前記第二埋没部とを縫合すると共に、前記第一埋没部に前記配線部を縫い付ける第一ステッチ部を備える請求項1または請求項2に記載の内装部材。
【請求項4】
さらに、前記第一表出部に配置され、表側から触覚により認識可能な第二ステッチ部を備え、
表側から見て、前記第二ステッチ部は、前記第一表出部と前記第二表出部との境界と、前記本体部と、の間に配置される請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の内装部材。
【請求項5】
前記配線部は、さらに、前記第一表出部の真裏に配置され、
前記第二ステッチ部は、前記第一表出部に前記配線部を縫い付ける請求項4に記載の内装部材。
【請求項6】
さらに、前記第一表皮材、前記第二表皮材、および前記トランスデューサの裏側に配置される柔軟部を備え、
前記配線部の前記端部は、前記柔軟部よりも室外側に配置される請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の内装部材。
【請求項7】
前記本体部は、所定の物理量が入力される入力領域を有し、
前記柔軟部は、前記入力領域の裏側に配置される第一領域と、前記第一領域に隣接する第二領域と、高硬度領域と、前記高硬度領域よりも硬度が低い低硬度領域と、を有し、
以下の(a)および(b)のうち少なくとも一方を充足する請求項6に記載の内装部材。
(a)前記第一領域および前記第二領域のうち、一方は前記高硬度領域であり、他方は前記低硬度領域である。
(b)前記柔軟部が有する二つの前記第一領域のうち、一方は前記高硬度領域であり、他方は前記低硬度領域である。
【請求項8】
前記高硬度領域と前記低硬度領域とは材料が異なる請求項7に記載の内装部材。
【請求項9】
前記高硬度領域および前記低硬度領域のうち少なくとも一方は、樹脂が含浸した発泡体製である請求項8に記載の内装部材。
【請求項10】
前記高硬度領域と前記低硬度領域とは表裏方向厚さが異なる請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の内装部材。
【請求項11】
前記高硬度領域および前記低硬度領域のうち少なくとも一方は、自身を表裏方向に貫通する貫通孔を有する請求項7ないし請求項10のいずれかに記載の内装部材。
【請求項12】
前記第一表出部は、透光性を有する表皮層と、前記表皮層の裏側に配置され、前記表皮層よりも低い透光性を有する中間層と、前記中間層の裏側に配置され、前記中間層よりも低い透光性を有する意匠層と、前記意匠層の表面および裏面のうち、少なくとも一方に開口する凹部と、を有し、
前記第一表出部は、前記凹部により形成され、裏側から照射される光により前記第一表出部の表面に所定の意匠を表示する表示領域を有し、
表側から見て、前記入力領域および前記第一領域は前記表示領域の周囲に、前記第二領域は前記表示領域に、各々配置され、
前記第二領域は、前記光を導入する光導入孔を有する請求項7ないし請求項11のいずれかに記載の内装部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば車両の内装などに用いられる、表皮材付きの内装部材に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の内装分野においては、機器操作用のスイッチが埋設された内装部材の開発が進んでいる。一例として、特許文献1のコンソールボックスのリッドは、表側から裏側に向かって、表皮材とスイッチと基材とを備えている。また、表皮材は、表側から裏側に向かって、表層とクッション層とを備えている。
【0003】
表層の表面には、バックライトにより、スイッチに対応した意匠(格子状に配列された多数の光点)が表示される。操作者は、当該意匠を視認することにより、スイッチの位置を把握することができる。また、操作者は、当該意匠を押圧することにより、表層、クッション層を介して、スイッチを押圧することができる。
【0004】
表皮材は、基材つまりリッドの外縁を迂回して、基材の表面から裏面に巻き込まれている。表皮材の末端は、基材の裏面に接合されている。スイッチに接続された配線は、表皮材と共に、リッドの外縁を迂回して、基材の表面から裏面に巻き込まれている。なお、リッドの下側には、カバー部材が隣接している。カバー部材は、コンソールボックスのボックス本体の開口を覆っている。カバー部材は、車室内に表出していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、リッドの外縁を迂回して配線を配策すると、配策長(配線の長さ)が長くなってしまう。つまり、配線が冗長化してしまう。また、クッション層は柔軟である。このため、クッション層の裏側にスイッチを配置すると、操作者の押圧力が、クッション層に吸収されやすい。したがって、押圧力がスイッチに伝わりにくい。このように、クッション層の裏側にスイッチを配置すると、操作性が悪くなる。この点、スイッチをクッション層の表側に配置すると、操作性を向上させることができる。ところが、こうすると、配線もクッション層の表側に配置することになる。このため、操作者が、表層越しに、触覚や視覚により配線を認識しやすくなる。したがって、機器の操作とは直接関係のない配線が、操作者の触感を低下させることになる。また、リッドの見栄えが悪くなり、意匠性を損なうことになる。そこで、本開示は、配線部の冗長化および触感の低下を抑制し、意匠性を改善可能な内装部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本開示の内装部材は、室内に表出する第一表出部と、前記第一表出部から室外側に埋没する第一埋没部と、を有する第一表皮材と、室内に表出し、前記第一表出部に隣接する第二表出部と、前記第二表出部から室外側に埋没し、前記第一埋没部と接合される第二埋没部と、を有する第二表皮材と、前記第一表出部の真裏に配置される本体部と、少なくとも前記第一埋没部の真裏に配置され、前記本体部に電気的に接続される配線部と、を有するトランスデューサと、を備え、前記配線部の端部は、前記第一埋没部よりも室外側に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示の内装部材によると、第一表皮材と第二表皮材との接合部分を利用して、配線部が配策されている。このため、配線部が内装部材の外縁を迂回して配策される場合と比較して、配線部の冗長化を抑制することができる。また、配線部の冗長化を抑制することができるため、操作者が、第一表皮材越しに、配線部に触れにくくなると共に、配線部を視認しにくくなる。したがって、触感の低下を抑制することができると共に、意匠性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第一実施形態の内装部材の配置図である。
【
図6】
図6は、第二実施形態の内装部材の上下方向部分断面図である。
【
図7】
図7は、第三実施形態の内装部材の上下方向部分断面図である。
【
図8】
図8(A)は、その他の実施形態(その1)の内装部材の上下方向部分断面図である。
図8(B)は、その他の実施形態(その2)の内装部材の上下方向部分断面図である。
図8(C)は、その他の実施形態(その3)の内装部材の上下方向部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の内装部材の実施の形態について説明する。
【0011】
<第一実施形態>
[内装部材の配置、構成]
まず、本実施形態の内装部材の配置、構成について説明する。以降の図において、後側は、本開示の「室内側」に、前側は本開示の「室外側」に、各々対応する。
図1に、本実施形態の内装部材の配置図を示す。
図2に、同内装部材の透過後面図(透過正面図)を示す。
図3に、
図2のIII-III方向断面図を示す。
図4に、
図3の枠IV内の拡大図を示す。
図5に、
図3の枠V内の拡大図を示す。なお、
図2においては、各部材の位置関係の説明の便宜上、表皮層200等を透過して、表示領域A1~D1、センサ部4、光源90A~90D等を示す。
【0012】
図1に示すように、内装部材1は、車室のインストルメントパネル(内装品)92の左右方向(車幅方向)中央部分に配置されている。すなわち、内装部材1は、車両用内装部材である。
図2~
図5に示すように、内装部材1は、第一表皮材2と、第二表皮材3と、センサ部4と、第一ステッチ部5と、第二ステッチ部6と、柔軟部7と、基部8と、光源部9と、を備えている。
【0013】
(第一表皮材2)
第一表皮材2は、第一表出部20と、第一埋没部21と、を備えている。第一表出部20は、車室内(室内)に表出している。第一表出部20は、三層構造の柔軟なシート状を呈している。すなわち、表側(後側)から裏側(前側)に向かって、第一表出部20は、表皮層200と、中間層201と、意匠層202と、を備えている。
【0014】
表皮層200は、合成皮革製であって、層状を呈している。表皮層200は透光性、柔軟性を有している。表皮層200の表面は車室内に表出している。中間層201は、表皮層200の裏側に配置されている。中間層201は、透光性インク製であって、層状を呈している。中間層201は透光性、柔軟性を有している。中間層201は表皮層200よりも透光性が低い。すなわち、中間層201はスモーク調の半透明である。また、中間層201は有色透明である。
【0015】
意匠層202は、中間層201の裏側に配置されている。意匠層202は、不透光性インク製であって、層状を呈している。意匠層202は不透光性、柔軟性を有している。意匠層202には、四つの凹部203A~203Dが配置されている。意匠層202(凹部203A~203Dが配置されている部分を除く)は、光を透過しない。
【0016】
四つの凹部203A~203Dは、意匠層202の表面および裏面に開口している。つまり、凹部203A~203Dは、意匠層202を表裏方向に貫通している。凹部203A~203Dの内部は空間である。凹部203A~203Dは、第一表出部20に、表示領域A1~D1を設定している。
図2に示すように、表側から見て、表示領域A1(凹部203A)は文字「A」を、表示領域B1(凹部203B)は文字「B」を、表示領域C1(凹部203C)は文字「C」を、表示領域D1(凹部203D)は文字「D」を、各々形成している。
図3、
図5に示すように、第一表出部20のうち、表示領域A1~D1(凹部203A~203D)が設定されている部分は、他の部分と比較して、表裏方向厚さが薄い。このため、光が透過しやすい。
図1に黒色で示すように、表示領域A1~D1は、裏側から照射される光により、表皮層200つまり第一表出部20の表面に、所定の意匠「A」~「D」を表示する。
【0017】
第一埋没部21は、第一表出部20の上縁から前側に埋没している。第一埋没部21は、車室内に表出していない。第一埋没部21は、第一表出部20と一体的に連なっている。すなわち、第一埋没部21は、第一表出部20と同様に、三層構造の柔軟なシート状を呈している。第一埋没部21は、表側(上側)から裏側(下側)に向かって、表皮層210と、中間層211と、意匠層212と、を備えている。表皮層210と表皮層200、中間層211と中間層201、意匠層202と意匠層212は、各々、同じ材料製であり一体的に連なっている。
【0018】
(第二表皮材3)
第二表皮材3は、第一表皮材2の上側に並置されている。第二表皮材3は、合成皮革製であって、シート状を呈している。第二表皮材3は、第二表出部30と、第二埋没部31と、を備えている。第二表出部30は、車室内に表出している。第二表出部30は、第一表出部20の上側に隣接している。
【0019】
第二埋没部31は、第二表出部30の下縁から前側に埋没している。第二埋没部31は、車室内に表出していない。第二埋没部31は、第二表出部30と一体的に連なっている。第二埋没部31は、第一埋没部21の上側に配置されている。後述するように、第二埋没部31は、第一埋没部21と接合されている。
【0020】
(センサ部4)
センサ部4は、第一表出部20の裏側および第一埋没部21の裏側に配置されている。センサ部4は、四つのセンサ(機器操作用のスイッチ)4A~4Dを備えている。まず、四つのセンサ4A~4Dの構成について説明する。四つのセンサ4A~4Dの構成は同様である。以下、代表して、センサ4Aの構成について説明する。
【0021】
センサ4Aは、静電容量型の感圧センサ(荷重センサ)である。センサ4Aは、表側(車室内側)から入力される荷重(操作者の押圧力)を検出可能である。荷重は、本開示の「物理量」の概念に含まれる。センサ4Aは、本体部40と、配線部41と、を備えている。
【0022】
本体部40は、第一表出部20の裏側に配置されている。
図2に示すように、表側から見て、本体部40は、環状を呈している。本体部40は、三層構造の柔軟なシート状を呈している。すなわち、
図3、
図5に示すように、表側から裏側に向かって、本体部40は、表側電極層400と、絶縁層401と、裏側電極層402と、を備えている。表側電極層400は、意匠層202の裏側に配置されている。表側電極層400は、層状であって、柔軟性を有している。表側電極層400は、スチレン系熱可塑性エラストマーと、カーボンブラックを含む導電材と、を有している。
【0023】
絶縁層401は、表側電極層400の裏側に配置されている。絶縁層401は、層状であって、柔軟性を有している。絶縁層401は、スチレン系エラストマーと、オレフィン系エラストマーと、を有している。裏側電極層402は、絶縁層401の裏側に積層されている。裏側電極層402は、層状であって、柔軟性を有している。裏側電極層402は、表側電極層400と同じ材料製である。
【0024】
図2、
図3、
図5に示すように、本体部40には、入力領域A2~D2が設定されている。入力領域A2~D2は、本体部40の全体に亘っている。表側から見て、入力領域A2~D2は、環状を呈している。表側から見て、入力領域A2~D2は、表示領域A1~D1の周囲に配置されている。入力領域A2~D2には、表側から荷重が入力される。当該荷重により、絶縁層401が弾性的に変形し、電極間距離(表側電極層400と裏側電極層402との間の表裏方向距離)が変化する。すなわち、静電容量が変化する。
【0025】
図1に点線で示すように、配線部41は、第一表出部20の裏側および第一埋没部21の裏側に配置されている。
図2に示すように、表側から見て、配線部41は帯状を呈している。配線部41は、本体部40と一体的に連なっている。すなわち、
図3、
図4に示すように、配線部41は、本体部40と同様に、三層構造の柔軟なシート状を呈している。配線部41は、表側から裏側に向かって、表側配線層410と、絶縁層411と、裏側配線層412と、を備えている。表側配線層410と表側電極層400、絶縁層411と絶縁層401、裏側配線層412と裏側電極層402は、各々、同じ材料製であり一体的に連なっている。
【0026】
図1、
図3に示すように、配線部41の一端部(後端部)は、本体部40に連なっている。他方、配線部41の他端部(前端部)には、コネクタ41aが配置されている。コネクタ41aは、本開示の「配線部の端部」に該当する。コネクタ41aは、第一埋没部21、第二埋没部31、柔軟部7よりも前側に配置されている。
【0027】
内装部材1の前側には、制御装置(図略)が配置されている。コネクタ41a(具体的には、表側配線層410、裏側配線層412)は、ハーネス91を介して、制御装置に電気的に接続されている。
【0028】
次に、四つのセンサ4A~4Dの配置について説明する。
図1に点線で示すように、四つのセンサ4A~4Dの本体部40は、上下左右方向に所定間隔ずつ離間して配置されている。また、四つのセンサ4A~4Dの配線部41は、左右方向に所定間隔ずつ離間して、第一表出部20の裏側において、上下方向に延在している。また、四つのセンサ4A~4Dの配線部41は、左右方向に所定間隔ずつ離間して、第一埋没部21の裏側において、前後方向に延在している。
【0029】
(第一ステッチ部5)
第一ステッチ部5は、糸製である。第一ステッチ部5は、
図2に示す第二ステッチ部6と同様に、左右方向に延在している。
図4に示すように、第一ステッチ部5は、下側から上側に向かって、配線部41と、第一埋没部21と、第二埋没部31と、を縫合している。具体的には、第一ステッチ部5は、第一埋没部21と第二埋没部31とを縫合(接合)している。互いに接合された第一埋没部21と第二埋没部31とにより、埋没接合部Oが形成されている。並びに、第一ステッチ部5は、第一埋没部21の裏面に配線部41を縫い付けている。すなわち、第一埋没部21に対して、配線部41を位置決め、固定している。
【0030】
(第二ステッチ部6)
第二ステッチ部6は、糸製である。
図2に示すように、第二ステッチ部6は、左右方向に延在している。
図4に示すように、第二ステッチ部6は、前側(裏側)から後側(表側)に向かって、配線部41と、第一表出部20と、を縫合している。具体的には、第二ステッチ部6は、第一表出部20の裏面に配線部41を縫い付けている。すなわち、第一表出部20に対して、配線部41を位置決め、固定している。
【0031】
図2に示すように、表側から見て、第二ステッチ部6は、第一表出部20と第二表出部30との境界Eと、本体部40と、の間に配置されている。
図4に示すように、第二ステッチ部6は、第一表出部20の表面に対して、後側(車室内側)に突出している。後側から見て、第二ステッチ部6は、左右方向に長い点線状を呈している。操作者は、第一表出部20に触れる際、触覚により、表皮層200と第二ステッチ部6とを識別可能である。すなわち、第二ステッチ部6は、第一表出部20の表側から、触覚により認識可能である。
【0032】
(柔軟部7)
柔軟部7は、第一柔軟層70と、第二柔軟層71と、を備えている。第一柔軟層70は、第一表皮材2、センサ部4の裏側に配置されている。第一柔軟層70は、熱可塑性エラストマーの発泡体製である。第一柔軟層70は、層状であって、柔軟性を有している。
【0033】
図2、
図3に示すように、第一柔軟層70には、四つの貫通孔700A~700Dが開設されている。貫通孔700A~700Dは、本開示の「貫通孔」と「光導入孔」とを兼ねている。貫通孔700A~700Dは、第一柔軟層70を表裏方向に貫通している。
【0034】
図2、
図3、
図5に示すように、第一柔軟層70には、第一領域A3~D3と、第二領域A4~D4と、が設定されている。第一領域A3~D3は、入力領域A2~D2の裏側に配置されている。表側から見て、第一領域A3~D3は、環状を呈している。表側から見て、第一領域A3~D3は、表示領域A1~D1の周囲に配置されている。
【0035】
第二領域A4~D4は、第一領域A3~D3に隣接している。表側から見て、第二領域A4~D4は、第一領域A3~D3の径方向内側に配置されている。第二領域A4~D4は、表示領域A1~D1の裏側に配置されている。第二領域A4~D4は、貫通孔(空間)700A~700Dに対応している。
【0036】
ここで、第一領域A3~D3は、第二領域A4~D4よりも硬度が高い。すなわち、第一領域A3~D3は、高硬度領域Hである。また、第二領域A4~D4は、高硬度領域Hよりも硬度が低い低硬度領域Lである。なお、「硬度」とは、例えば、アスカーC(SRISO101(日本ゴム協会標準規格)に規定されたデュロメーター)硬度計で測定した硬度である。第二柔軟層71は、第二表皮材3の裏側に配置されている。第二柔軟層71は、層状であって、柔軟性を有している。第二柔軟層71は、第一柔軟層70と同じ材料製である。
【0037】
(基部8、光源部9)
基部8は、第一基材80と、第二基材81と、を備えている。第一基材80は、第一柔軟層70の裏側に配置されている。第一基材80は、樹脂製であって、層状を呈している。第一基材80は、透光性、可撓性を有している。第二基材81は、第二柔軟層71の裏側に配置されている。第二基材81は、層状であって、第一基材80と同じ材料製である。
【0038】
光源部9は、基部8の裏側に配置されている。
図2、
図3に示すように、光源部9は、四つの光源(LED)90A~90Dを備えている。光源90A~90Dは、各々、貫通孔700A~700Dの裏側に配置されている。光源90A~90Dの表面は、各々、全面的に発光可能である。
【0039】
一例として、表示領域C1に着目すると、
図5に示すように、光源90Cからの光は、基部8、貫通孔700Cを介して表示領域C1に到達する。当該光は、表示領域C1(凹部203C)、中間層201、表皮層200を介して、内装部材1の表面に到達する。このため、
図1に示すように、内装部材1の表面に、意匠「C」が表示される。
【0040】
[内装部材の操作方法]
次に、本実施形態の内装部材の操作方法について説明する。本実施形態の内装部材は、特に、操作者が、内装部材1を、視認できない状態で操作する際に好適である。例えば、車両の運転者が、運転しながら内装部材(詳しくは、内装部材に関連づけられた機器)を操作する際に好適である。
【0041】
操作の際、操作者は、内装部材1を視認せずに、内装部材1の表面に触れる。ここで、第二ステッチ部6と第一表出部20(具体的には表皮層200)とは材質が異なる。また、
図4に示すように、第二ステッチ部6(詳しくは、第二ステッチ部6の後端部)は、第一表出部20の表面から突出している。このため、操作者は、触覚により第二ステッチ部6を認識することができる。
【0042】
図2に示すように、第二ステッチ部6は、入力領域A2~D2の上側に、近接して配置されている。また、操作者は、予め、第二ステッチ部6と入力領域A2~D2との位置関係を把握している。このため、操作者は、触覚により認識した第二ステッチ部6の位置を基準に、手探りで、所望の入力領域A2~D2の位置を認識する(探り当てる)ことができる。
【0043】
並びに、
図5に示すように、入力領域A2~D2の真裏の第一領域A3~D3は、高硬度領域Hである。他方、第一領域A3~D3に隣接する第二領域A4~D4は、低硬度領域Lである。このため、操作者は、高硬度領域Hと低硬度領域Lとの硬度差を基準に、手探りで、所望の入力領域A2~D2の位置を認識することができる。
【0044】
なお、操作者が内装部材を視認できる状態であって、光源90A~90Dが点灯している場合は、操作者は、第一表出部20の表面に表示される意匠「A」~「D」を基準に、所望の入力領域A2~D2の位置を認識することができる。
【0045】
操作者が、所望の入力領域A2~D2(詳しくは、第一表出部20の表面のうち、裏側に所望の入力領域A2~D2が配置されている部分)を押圧すると、当該入力領域A2~D2に対応するセンサ4A~4Dの本体部(荷重の検出部)40が圧縮される。このため、当該本体部40の静電容量が大きくなる。制御装置は、本体部40の静電容量の変化に基づき、当該本体部40に関連づけられた機器(図略)を駆動する。このようにして、本実施形態の内装部材1は操作される。
【0046】
[作用効果]
次に、本実施形態の内装部材の作用効果について説明する。仮に、表皮材が一体物の場合であって、内装部材の車室外側まで、配線部を配策する場合を想定する。この場合、当該表皮材の外縁を経由して、配線部を配策する必要がある。例えば、
図3に示す第一表皮材2と第二表皮材3とが上下方向に一体的に連なっている場合、第一表皮材2の下縁や第二表皮材3の上縁を経由して、配線部41を配策する必要がある。
【0047】
これに対して、本実施形態の内装部材1の場合、
図3に示すように、表皮材が二つの分割体(第一表皮材2、第二表皮材3)により構成されている。このため、第一表皮材2と第二表皮材3との境界(接合部分、継ぎ目)Eを利用して、内装部材1の車室外側(第一埋没部21、第二埋没部31、第一柔軟層70、第二柔軟層71の車室外側)まで、配線部41を配策することができる。したがって、表皮材が一体物の場合と比較して、配策長を短くすることができる。よって、配線部41の冗長化を抑制することができる。また、配線部41の冗長性に起因するノイズ(電気抵抗、浮遊容量など)がセンサ部4に与える影響(検出精度の低下など)を抑制することができる。
【0048】
また、
図3、
図5に示すように、表側電極層400は、意匠層202の真裏に配置されている。すなわち、本体部40は、他の層(柔軟層など)を介さずに、第一表皮材2の真裏に配置されている。このため、操作者の押圧力が本体部40に伝わりやすい。したがって、操作性を向上させることができる。
【0049】
ここで、本体部40を第一表皮材2の真裏に配置すると、
図4に示すように、配線部41も第一表皮材2の真裏に配置されることになる。すなわち、機器の操作とは直接関係のない配線部41が、操作者の触感を低下させることになる。この点、本実施形態の内装部材1によると、前述したように、配線部41の冗長化を抑制することができる。このため、操作者が、内装部材1を触る際、配線部41を認識しにくい。したがって、配線部41が第一表皮材2の真裏に配置されているにもかかわらず、操作者の触感が低下しにくい。また、配線部41の冗長化を抑制することができるため、第一表皮材2の表面に配線部41の輪郭が発現しにくい(目立ちにくい)。このため、操作者が、第一表皮材2越しに配線部41を視認しにくい。したがって、配線部41が第一表皮材2の真裏に配置されているにもかかわらず、内装部材1の意匠性を改善することができる。
【0050】
また、
図3に示すように、センサ部4は第一表皮材2の裏側に配置されている。このため、車室内からセンサ部4が視認されるのを防止しつつ、触覚により当該センサ部4の位置を認識することができる。並びに、当該センサ部4を操作することができる。
【0051】
また、
図4に示すように、第一ステッチ部5は、第一埋没部21と第二埋没部31とを縫合している。このため、第一埋没部21と第二埋没部31とを固定することができる。また、第一ステッチ部5は、第一埋没部21に配線部41を縫い付けている。このため、第一埋没部21に配線部41を固定することができる。また、第一ステッチ部5の延在方向(左右方向)と、配線部41の延在方向(前後方向)と、は互いに交差(直交)している。このため、縫い代の長さを短くすることができる。したがって、配線抵抗の増加を抑制することができる。また、第一ステッチ部5は、埋没接合部O(詳しくは埋没接合部Oの後端)に配置されている。第一ステッチ部5は、車室内に表出していない。このため、見栄えがよい。
【0052】
また、
図4に示すように、第二ステッチ部6は、第一表出部20に配置されている。操作者は、触覚により、第二ステッチ部6を認識することができる。このため、操作者は、触覚により認識した第二ステッチ部6の位置を基準に、所望の入力領域A2~D2の位置を認識することができる。また、第二ステッチ部6は点線状を呈している。このため、操作者が、触覚により、第二ステッチ部6を認識しやすい。
【0053】
また、
図4に示すように、第二ステッチ部6は、第一表出部20に配線部41を縫い付けている。このため、第一表出部20に配線部41を固定することができる。また、第二ステッチ部6の延在方向(左右方向)と、配線部41の延在方向(上下方向)と、は互いに交差(直交)している。このため、縫い代の長さを短くすることができる。したがって、配線抵抗の増加を抑制することができる。
【0054】
また、
図3に示すように、コネクタ41aは、柔軟部7よりも車室外側に配置されている。すなわち、配線部41は、第一柔軟層70と第二柔軟層71との境界を利用して、配策されている。このため、柔軟部7を迂回して配線部41を配策する場合と比較して、配線部41の冗長化を抑制することができる。また、配線部41の冗長性に起因するノイズがセンサ部4に与える影響を抑制することができる。
【0055】
また、
図2、
図3、
図5に示すように、入力領域A2~D2の真裏の第一領域A3~D3は、高硬度領域Hである。他方、第一領域A3~D3に隣接する第二領域A4~D4は、低硬度領域Lである。操作者は、第一表出部20の表側から、触覚により、高硬度領域Hと低硬度領域Lとの硬度差を認識することができる。このため、操作者は、当該硬度差を基準に、所望の入力領域A2~D2の位置を認識することができる。
【0056】
また、
図2、
図3、
図5に示すように、第二領域A4~D4(低硬度領域L)は、貫通孔700A~700Dを備えている。貫通孔700A~700Dは、第二領域A4~D4を表裏方向に貫通している。このため、第二領域A4~D4の硬度を簡単に低下させることができる。
【0057】
また、貫通孔700A~700Dの裏側には、第一基材80を介して、光源90A~90Dが配置されている。並びに、貫通孔700A~700Dの表側には、表示領域A1~D1が配置されている。このため、光源90A~90Dからの光を、裏側から表示領域A1~D1に照射することができる。このように、貫通孔700A~700Dは、光を表示領域A1~D1に導入する「光導入孔」としての機能を有している。
【0058】
また、
図3、
図5に示すように、第一表出部20は半透明の中間層201を備えている。このため、光源90A~90Dがオフ(消灯)の場合は、表示領域A1~D1の意匠「A」~「D」が第一表出部20の表面に表示されるのを、抑制することができる。他方、光源90A~90Dがオン(点灯)の場合は、表示領域A1~D1の意匠「A」~「D」が第一表出部20の表面に表示されるのを、補助することができる。
【0059】
また、
図3、
図5に示すように、センサ部4の裏側には、第一柔軟層70が配置されている。第一柔軟層70は、エラストマー製であって、柔軟性を有している。このため、操作者が第一表皮材2に触れた際の触感が良好である。また、第一柔軟層70には、貫通孔700A~700Dが開設されている。このため、第一柔軟層70は、高い透光性を有している。
【0060】
また、
図3、
図5に示すように、第一柔軟層70の裏側には、第一基材80が配置されている。第一基材80は透光性を有している。このため、光源90A~90Dからの光を、第一柔軟層70の貫通孔700A~700Dに伝達することができる。また、基部8は、他部(第一表皮材2、第二表皮材3、センサ部4、第一ステッチ部5、第二ステッチ部6、柔軟部7)よりも硬質である。このため、内装部材1の形状維持性を確保することができる。
【0061】
また、
図3、
図5に示すように、光源90A~90Dと貫通孔700A~700Dとは、表裏方向に直線状に連なっている。このため、高い透光性を有している。また、光源90A~90DはLEDである。このため、光源90A~90Dからの光は直進性(指向性)が高い。したがって、貫通孔700A~700Dに光を導入しやすい。
【0062】
また、表側導電層(表側電極層400、表側配線層410)、裏側導電層(裏側電極層402、裏側配線層412)は、エラストマー成分としてスチレン系熱可塑性エラストマーを有している。すなわち、導電層(表側導電層、裏側導電層)は、エラストマー成分を母材としている。このため、柔軟である。
【0063】
<第二実施形態>
本実施形態の内装部材と第一実施形態の内装部材との相違点は、第一ステッチ部が配置されていない点である。また、第二ステッチ部が、配線部を第一表出部に固定していない点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
【0064】
図6に、本実施形態の内装部材の上下方向部分断面図を示す。なお、
図4と対応する部位については、同じ符号で示す。
図6に示すように、埋没接合部Oには、第一ステッチ部5(
図4参照)が配置されていない。第一埋没部21(表皮層210)の表面と、第二埋没部31の表面と、は接着されている。また、配線部41(表側配線層410)の表面は、第一埋没部21(意匠層212)の裏面に、接着されている。
【0065】
第二ステッチ部6は、ステッチ状の成形品である。すなわち、第二ステッチ部6は、擬似ステッチである。第二ステッチ部6は、第一表出部20(表皮層200)の表面に固定されている。第二ステッチ部6は、第一表出部20の表面から突出している。配線部41(表側配線層410)の表面は、第一表出部20(意匠層202)の裏面に、接着されている。
【0066】
本実施形態の内装部材と第一実施形態の内装部材とは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態の内装部材1のように、第一ステッチ部が配置されていなくてもよい。すなわち、埋没接合部Oにおいて、第一埋没部21と第二埋没部31とが接着されていてもよい。また、配線部41が第一埋没部21に接着されていてもよい。こうすると、配線部41から、第一ステッチ部に起因する縫い代を、無くすことができる。このため、配線抵抗の増加を抑制することができる。
【0067】
第二ステッチ部6は、擬似ステッチであってもよい。配線部41が第一表出部20に接着されていてもよい。こうすると、配線部41から、第二ステッチ部6に起因する縫い代を、無くすことができる。このため、配線抵抗の増加を抑制することができる。この場合であっても、操作者は、触覚により、第二ステッチ部6を認識することができる。
【0068】
<第三実施形態>
本実施形態の内装部材と第一実施形態の内装部材との相違点は、第一領域が低硬度領域に、第二領域が高硬度領域に、各々対応している点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
【0069】
図7に、本実施形態の内装部材の上下方向部分断面図を示す。なお、
図5と対応する部位については、同じ符号で示す。
図7に示すように、第一柔軟層70は、硬質部701と、軟質部702と、を備えている。硬質部701、軟質部702は、共にエラストマー製である。硬質部701は、軟質部702よりも、硬度が高い。すなわち、硬質部701と軟質部702との間には、硬度差が設定されている。
【0070】
表側から見て、軟質部702は、環状を呈している。軟質部702は、第一領域C3に配置されている。このため、第一領域C3は、低硬度領域Lである。他方、硬質部701は、第一柔軟層70において、軟質部702以外の部分に配置されている。このため、第二領域C4は、高硬度領域Hである。硬質部701は、透光性を有している。このため、光源90Cからの光は、硬質部701を透過可能である。
【0071】
本実施形態の内装部材と第一実施形態の内装部材とは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態の内装部材1のように、第一領域C3が低硬度領域Lであってもよい。また、第二領域C4が高硬度領域Hであってもよい。この場合であっても、操作者は、触覚により、入力領域C2を認識することができる。
【0072】
また、操作者が、第一表出部20を介して、入力領域C2に押圧力を加えると、第一領域C3(低硬度領域L)は、裏側に圧縮変形する(沈み込む)。この際、第二領域C4(高硬度領域H)は、第一領域C3の圧縮変形を、径方向内側からガイドする。このため、第一領域C3の変形方向が安定しやすい。
【0073】
<その他>
以上、本開示の内装部材の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
【0074】
[構成について]
図8(A)に、その他の実施形態(その1)の内装部材の上下方向部分断面図を示す。
図8(B)に、その他の実施形態(その2)の内装部材の上下方向部分断面図を示す。
図8(C)に、その他の実施形態(その3)の内装部材の上下方向部分断面図を示す。なお、
図7と対応する部位については、同じ符号で示す。また、
図8(A)~
図8(C)に示す部分は、
図7の枠VIII内に対応している。
【0075】
図8(A)に示すように、その他の実施形態(その1)の第一柔軟層70は、硬質部701と、軟質部702と、を備えている。軟質部702は、エラストマーの発泡体製である。硬質部701は、軟質部702と一体的に連なっている。硬質部701においては、軟質部702を形成する発泡体に、樹脂が含浸されている。すなわち、硬質部701は、樹脂が含浸された発泡体製である。本実施形態によると、第一柔軟層70に部分的に樹脂を含浸させることにより、簡単に、高硬度領域H(第二領域C4)、低硬度領域L(第一領域C3)を設定することができる。なお、硬質部701に対する樹脂の含浸量は特に限定しない。また、軟質部702(低硬度領域L)に樹脂を含浸させてもよい。硬質部701と軟質部702との間に、樹脂の含浸率差を設定できればよい。
【0076】
図8(B)に示すように、その他の実施形態(その2)の第一柔軟層70は、薄肉部703と、厚肉部704と、を備えている。薄肉部703は、厚肉部704よりも、表裏方向の肉厚が薄い。このため、薄肉部703は、厚肉部704よりも、硬度が低い。したがって、薄肉部703が低硬度領域Lに、厚肉部704が高硬度領域Hに、各々対応する。本実施形態によると、第一柔軟層70の表裏方向(前後方向)の肉厚を部分的に薄くすることにより、簡単に、高硬度領域H(第一領域C3)、低硬度領域L(第二領域C4)を設定することができる。なお、厚肉部704(高硬度領域H)の表裏方向の肉厚を、第一柔軟層70本来の表裏方向の肉厚に対して、薄くしてもよい。薄肉部703と厚肉部704との間に、表裏方向肉厚差を設定できればよい。
【0077】
図8(C)に示すように、その他の実施形態(その3)の第一柔軟層70には、複数の貫通孔700Cが開設されている。貫通孔700Cは、第一柔軟層70を表裏方向(前後方向)に貫通している。本実施形態によると、第一柔軟層70に、部分的に貫通孔700Cを配置することにより、簡単に、高硬度領域H(第一領域C3)、低硬度領域L(第二領域C4)を設定することができる。なお、高硬度領域Hに貫通孔700Cを配置してもよい。また、貫通孔700Cの孔径、配置数、形状は特に限定しない。高硬度領域Hと低硬度領域Lとの間に、貫通孔700Cの開口率差を設定できればよい。
【0078】
図4に示す第一ステッチ部5のステッチの種類は特に限定しない。例えば、ストレートステッチ、チェーンステッチ、フライステッチ、ブランケットステッチ、フレンチノットステッチ、クロスステッチ、バックステッチ、アウトラインステッチ、フェザーステッチ、ヘリンボーンステッチ、コーチングステッチ、シェブロンステッチなどであってもよい。第一ステッチ部5の配置数は特に限定しない。単一(シングルステッチ)でも、複数(例えばダブルステッチ)でもよい。第二ステッチ部6についても同様である。
【0079】
図4に示す第一ステッチ部5を、
図6に示す形態に組み合わせてもよい。すなわち、第一埋没部21と第二埋没部31とを接着し、配線部41を第一埋没部21に接着し、第一ステッチ部5により配線部41と第一埋没部21と第二埋没部31とを縫合してもよい。こうすると、配線部41と第一埋没部21、第一埋没部21と第二埋没部31の接合強度が高くなる。
【0080】
図4に示すように、第一ステッチ部5は、第一表皮材2と第二表皮材3とを接合する「表皮材接合部材」としての機能と、第一表皮材2に配線部41を固定する「第一配線部固定部材」としての機能と、を併有している。また、第二ステッチ部6は、第一表皮材2に配線部41を固定する「第二配線部固定部材」としての機能を有している。これら「表皮材接合部材」、「第一配線部固定部材」、「第二配線部固定部材」として、ステープラー、リベットなどを用いてもよい。
【0081】
また、第二ステッチ部6は、操作者に間接的に入力領域A2~D2の位置を知らせる「入力位置通知部材」としての機能を有している。例えば、
図6に示す第二ステッチ部6(擬似ステッチ)は、「第二配線部固定部材」としての機能を有しておらず、「入力位置通知部材」としての機能だけを有している。「入力位置通知部材」として、第一表出部20の表面に、所定の意匠を立体的に配置してもよい。この場合であっても、操作者は、触覚により、意匠を認識することができる。また、「入力位置通知部材」として、所定の意匠を平面的に配置してもよい。この場合であっても、意匠の表面と、第一表出部20の表面と、の間に摩擦係数差を設定することにより、操作者は、触覚により、意匠を認識することができる。
【0082】
ここで、「入力位置通知部材」として配置される意匠としては、例えば、模様(水玉模様、縞模様、格子模様、杢目模様、大理石模様など)、文字(アルファベット、ひらがな、カタカナ、漢字、数字、点字など)、図形(点、直線、点線、一点鎖線、多角形、円形など)、記号(機器操作用のボタン、機器の状態を示すアイコンなど)から選ばれる一種以上を含む意匠などが挙げられる。
【0083】
なお、内装部材1に、第二ステッチ部6を配置しなくてもよい。
図3に示すように、境界Eは、第一表出部20および第二表出部30の表面(表面のうち、最も後側に突出している部分)から、前側に没入している。このため、操作者は、触覚により境界Eを認識することができる。したがって、操作者は、当該境界Eの位置を基準に、手探りで、所望の入力領域A2~D2の位置を認識する(探り当てる)ことができる。
【0084】
図6に示す第一埋没部21と第二埋没部31との接着態様は特に限定しない。第一埋没部21と第二埋没部31とが、直接、接着(融着を含む)されていてもよい。第一埋没部21と第二埋没部31とが、接着層(単層でも複層でもよい)を介して、間接的に接着されていてもよい。配線部41と第一埋没部21との接着形態、配線部41と第一表出部20との接着形態についても同様である。
【0085】
第一表出部20と第一埋没部21との構成は、同じでも異なっていてもよい。例えば、第一表出部20が表皮層200、中間層201、意匠層202を、第一埋没部21が表皮層210だけを、各々備えていてもよい。すなわち、第一埋没部21は、中間層211、意匠層212を備えていなくてもよい。
【0086】
柔軟部7の構成は特に限定しない。第一柔軟層70、第二柔軟層71が一体化された、一体物であってもよい。基部8の構成は特に限定しない。第一基材80、第二基材81が一体化された、一体物であってもよい。
【0087】
センサ部4の構成は特に限定しない。センサ4A~4Dの配置数は単一でも複数でもよい。例えば、センサ4A~4Dの配置数が単一の場合、表側から見て格子状に配置される、複数の帯状の表側電極層400と、複数の帯状の裏側電極層402と、の交差点(表側電極層400と、絶縁層401と、裏側電極層402と、の積層部分(
図5参照))を、入力領域A2~D2としてもよい。
【0088】
センサ4A~4Dの種類は特に限定しない。例えば、静電容量型センサ、抵抗膜型センサ、歪みゲージ型センサ、圧電効果型センサなどであってもよい。操作者が第一表出部20に触れることにより入力される物理量を、検出可能であればよい。物理量の種類は特に限定しない。例えば、長さ、質量、時間、電流、荷重、圧力、エネルギなどが挙げられる。
【0089】
本開示の「トランスデューサ」として、センサ4A~4Dの代わりに、タクタイルスイッチ、アクチュエータを配置してもよい。アクチュエータとしては、例えば、静電アクチュエータ、電磁アクチュエータ、圧電アクチュエータなどを配置してもよい。静電アクチュエータは、表側電極層400と、絶縁層401と、裏側電極層402と、を備えていてもよい(
図5参照)。
【0090】
図6に示す配線部41は、絶縁層411を備えていなくてもよい。表側配線層410と裏側配線層412との絶縁を確保できればよい。表側配線層410、裏側配線層412の種類は特に限定しない。例えば、導電性シート、導線などであってもよい。配線部41の端部の構成は特に限定しない。例えば、コネクタ、カプラ、端子などであってもよい。また、配線部41自体(例えば、導電性シートの端や導線の端)であってもよい。
【0091】
図2に示すように、センサ4Aは入力領域A2を、センサ4Bは入力領域B2を、センサ4Cは入力領域C2を、センサ4Dは入力領域D2を、各々備えている。また、入力領域A2の裏側には第一領域A3が、入力領域B2の裏側には第一領域B3が、入力領域C2の裏側には第一領域C3が、入力領域D2の裏側には第一領域D3が、各々配置されている。これら第一領域A3~D3のうち、少なくとも二つの第一領域A3~D3の間に、硬度差を設定してもよい。この場合、任意の第一領域(例えば、上側の第一領域A3、B3)が高硬度領域Hに、他の第一領域(例えば、下側の第一領域C3、D3)が低硬度領域Lに、各々該当する。硬度差の設定方法は、
図5、
図8(A)~
図8(C)同様である。
【0092】
図2、
図3、
図5に示す凹部203A~203Dの配置数、位置、大きさ、形状等は特に限定しない。表示領域A1~D1の配置数と凹部203A~203Dの配置数とは、同じでも異なっていてもよい。例えば、単一の表示領域A1~D1が、複数の凹部203A~203Dにより形成されていてもよい。また、複数の表示領域A1~D1が、単一の凹部203A~203Dにより形成されていてもよい。凹部203A~203Dの開口部の位置は特に限定しない。凹部203A~203Dは、意匠層202の表面または裏面に開口していてもよい。凹部203A~203Dが意匠層202の表面に開口している場合、凹部203A~203Dの底部の位置は、意匠層202の層内、表側電極層400の表面、表側電極層400の層内などであってもよい。凹部203A~203Dが意匠層202の裏面に開口している場合、凹部203A~203Dの底部の位置は、意匠層202の層内、中間層201の裏面、中間層201の層内などであってもよい。
【0093】
表示領域A1~D1は、凹部203A~203Dの配置数、位置、大きさ、形状等に応じて、中間層201、意匠層202、表側電極層400のうち、少なくとも意匠層202に配置されていればよい。すなわち、意匠層202は、表示領域A1~D1の少なくとも一部を有していればよい。
【0094】
光源90A~90Dのオン、オフの形態は特に限定しない。内装部材1が、光源90A~90Dをオンするための、トリガー用のセンサを備えていてもよい。光源90A~90Dは、常時、オン状態であってもよい。また、車両のライト類(室内灯、前照灯など)と連動して、光源90A~90Dがオン、オフしてもよい。
【0095】
表示領域A1~D1(凹部203A~203D)により第一表出部20に表示される意匠は特に限定しない。例えば、前述の「入力位置通知部材」として配置される意匠(模様、文字、図形、記号から選ばれる一種以上を含む意匠)が挙げられる。また、第一表出部20に表示される意匠の色は単色でも多色でもよい。色は、表皮層200、中間層201、意匠層202、光源90A~90Dから選ばれる一種以上により、第一表出部20に表示すればよい。
【0096】
表皮層200、中間層201の透光性は特に限定しない。無色透明、有色透明、半透明などであってもよい。意匠層202は、不透光性を有していなくてもよい。すなわち、意匠層202は、中間層201よりも低い透光性を有していればよい。表皮層200、中間層201、意匠層202、光源90A~90Dの色(色相、彩度、明度)は特に限定しない。また、光源90A~90Dの輝度は特に限定しない。
【0097】
光源90A~90Dの種類、配置数、位置は特に限定しない。光源90A~90Dは、有機ELシート、無機ELシート、蓄光シートなどであってもよい。また、光源部9が、光源90A~90Dと、導光板(例えばアクリル板)と、を備えていてもよい。また、第一基材80の面方向隣りに光源90A~90Dを配置し、第一基材80の表面を面発光させてもよい。
【0098】
内装部材1を配置する内装品は特に限定しない。例えば、ドアトリム、シート、床、天井、インストルメントパネル、グローブボックス、ステアリングホイール、センターコンソール、レジスターなどが挙げられる。内装品における内装部材1の設置面は、平面でも曲面でもよい。内装部材1を設置する際の向き(表裏方向の向き)は特に限定しない。車両以外の船舶、航空機、ビル、家屋の内装品に内装部材1を配置してもよい。
【0099】
内装部材1の層構成は特に限定しない。第一表皮材2、センサ部4、柔軟部7、基部8のうち、表裏方向に隣接する二層間に他の層が介在していてもよい。これら各層内の構成(例えば第一表皮材2の第一表出部20内の表皮層200、中間層201、意匠層202という構成)についても同様である。また、第一表皮材2の表側に他の層が配置されていてもよい。第二表皮材3についても同様である。上記実施形態においては表皮材を二つの分割体(第一表皮材2、第二表皮材3)により構成したが、分割体の数は特に限定しない。
【0100】
[材質について]
表皮層200、210、第二表皮材3の材質は特に限定しない。例えば、合成皮革、樹脂、エラストマー、不織布、各種布(織物、編物など)などが挙げられる。合成皮革、樹脂、エラストマーとしては、具体的には、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、シリコーン、エポキシ、ポリウレタン、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、動的架橋型熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。不織布、各種布としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、綿などが挙げられる。表皮層200、210、第二表皮材3は、着色剤(着色ポリエチレンなど)、光拡散剤(シリコーン、アクリル、酸化チタンなど)、光吸収剤(チタンブラック、カーボンブラックなど)を含有していてもよい。
【0101】
中間層201、211の材質は特に限定しない。例えば、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、シリコーン、ポリエステル、エポキシ、ポリウレタン、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、動的架橋型熱可塑性エラストマーなどの、樹脂やエラストマーなどが挙げられる。中間層201、211は、前述の着色剤、光拡散剤、光吸収剤を含有していてもよい。
【0102】
意匠層202、212の材質は特に限定しない。例えば、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、シリコーン、ポリエステル、エポキシ、ポリウレタン、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、動的架橋型熱可塑性エラストマーなどの、樹脂やエラストマーなどが挙げられる。意匠層202、212は、前述の着色剤、光拡散剤、光吸収剤を含有していてもよい。
【0103】
第一柔軟層70、第二柔軟層71の材質は特に限定しない。例えば、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、動的架橋型熱可塑性エラストマーなどのエラストマーや、ポリウレタンフォームなどの発泡体などが挙げられる。第一柔軟層70が貫通孔700A~700Dを備える場合は、材質に起因する透光性は不要である。
【0104】
センサ4A~4Dについて、絶縁層(絶縁層401、411)の材質は特に限定しない。絶縁層用の熱可塑性エラストマーは、特に限定しない。スチレン系、オレフィン系、塩ビ系、ウレタン系、エステル系、アミド系などのエラストマーから適宜選択すればよい。熱可塑性エラストマーは、一種類でも二種類以上用いてもよい。例えば、スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、SBS(スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体)、SEBS(スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体)、SEPS(スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体)などが挙げられる。オレフィン系エラストマーとしては、EEA(エチレンエチルアクリレート)、EMA(エチレンメチルアクリレート)、EMMA(エチレンメチルメタクリレート共重合体)などの他、エチレンとαオレフィンとの共重合体(エチレンオクテン共重合体)などが挙げられる。
【0105】
絶縁層には、熱可塑性エラストマー以外のゴム、樹脂、発泡体を用いてもよい。例えば、エチレンプロピレンゴム(EPM(エチレンプロピレン共重合体)、EPDM(エチレンプロピレンジエン三元共重合体))などのゴムや、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、シリコーン、ポリエステル、エポキシなどの樹脂、ポリウレタンフォームなどの発泡体などが挙げられる。
【0106】
導電層(表側導電層(表側電極層400、表側配線層410)、裏側導電層(裏側電極層402、裏側配線層412))の材質は特に限定しない。導電層は、導電性を有し、柔軟であることが好ましい。導電層の材質としては、導電性ゴム、導電性布が挙げられる。
【0107】
導電性ゴムは、エラストマーと導電材とを有している。エラストマーとしては、アクリルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ウレアゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴムなどの架橋ゴム、および熱可塑性エラストマーから選ばれる一種以上を用いればよい。導電材としては、銀、金、銅、ニッケル、ロジウム、パラジウム、クロム、チタン、白金、鉄、およびこれらの合金などからなる金属粒子、酸化亜鉛、酸化チタンなどからなる金属酸化物粒子、チタンカーボネートなどからなる金属炭化物粒子、銀、金、銅、白金、およびニッケルなどからなる金属ナノワイヤ、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、黒鉛、薄層黒鉛、グラフェンなどの導電性炭素材料の中から、適宜選択すればよい。導電性ゴムは、架橋剤、架橋促進剤、分散剤、補強材、可塑剤、老化防止剤、着色剤などを含んでいてもよい。
【0108】
導電性布としては、導電性繊維の織物、不織布などを用いればよい。導電性繊維は、PET(ポリエチレンテレフタレート)などのポリエステル繊維に、導電性が高い銅、ニッケルなどのめっきを施したものが挙げられる。
【0109】
第一基材80、第二基材81の材質は特に限定しない。例えば、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、シリコーン、ポリエステル、エポキシ、ポリウレタン、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、動的架橋型熱可塑性エラストマーなどの、樹脂やエラストマーなどが挙げられる。内装部材1の形状維持性を確保するため、第一基材80、第二基材81は、他の層(第一表皮材2、第二表皮材3、センサ部4、第一柔軟層70、第二柔軟層71)よりも硬質であればよい。
【0110】
光源90A~90Dと表示領域A1~D1との間に介在する部材(例えば、基部8、柔軟部7、センサ部4など)は、透光性や光拡散性を有していてもよい。これらの部材に光拡散性を付与する方法は特に限定しない。例えば、透明な母材に、母材と屈折率の異なる光拡散剤(シリコーン、アクリル、酸化チタンなど)を分散させてもよい。また、これらの部材は、光導入孔を有していてもよい。
【0111】
図4に示す第一表皮材2における表皮層200、中間層201、意匠層202の積層方法は特に限定しない。スクリーン印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷、フレキソ印刷などを用いてもよい。また、接着や蒸着などにより各層を積層してもよい。表皮層210、中間層211、意匠層212の積層方法についても同様である。第一表皮材2に対する凹部203A~203Dの形成方法は特に限定しない。レーザー加工、フォトエッチングなどを用いてもよい。
【0112】
図3に示すセンサ4A~4Dと第一表皮材2、第一柔軟層70との固定方法は特に限定しない。例えば、内装品(
図1に示すインストルメントパネル92)における内装部材1の設置面が表側に膨出する凸面状の場合、湾曲の曲率半径内側の基部8に対して、曲率半径外側の他層(第一柔軟層70、センサ4A~4D、第一表皮材2)が、圧接することになる。当該圧接力を利用して、センサ4A~4Dと第一表皮材2、第一柔軟層70とを固定することができる。反対に、内装品における内装部材1の設置面が裏側に膨出する凹面状の場合、上述の圧接力が作用しない。この場合は、接着剤や両面テープなどを利用して、センサ4A~4Dと第一表皮材2、第一柔軟層70とを固定することができる。
【符号の説明】
【0113】
1:内装部材、2:第一表皮材、20:第一表出部、200:表皮層、201:中間層、202:意匠層、203A~203D:凹部、21:第一埋没部、210:表皮層、211:中間層、212:意匠層、3:第二表皮材、30:第二表出部、31:第二埋没部、4:センサ部、4A~4D:センサ、40:本体部、400:表側電極層、401:絶縁層、402:裏側電極層、41:配線部、41a:コネクタ(配線部の端部)、410:表側配線層、411:絶縁層、412:裏側配線層、5:第一ステッチ部、6:第二ステッチ部、7:柔軟部、70:第一柔軟層、700A~700D:貫通孔(光導入孔)、701:硬質部、702:軟質部、703:薄肉部、704:厚肉部、71:第二柔軟層、8:基部、80:第一基材、81:第二基材、9:光源部、90A~90D:光源、91:ハーネス、92:インストルメントパネル、A1~D1:表示領域、A2~D2:入力領域、A3~D3:第一領域、A4~D4:第二領域、H:高硬度領域、L:低硬度領域、E:境界、O:埋没接合部