(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147848
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】オイルストレーナ
(51)【国際特許分類】
F01M 11/06 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
F01M11/06 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055582
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】津川 健太郎
【テーマコード(参考)】
3G015
【Fターム(参考)】
3G015BH04
3G015CA07
3G015DA04
3G015EA13
3G015FA01
(57)【要約】
【課題】別途部品を追加せずとも油圧の立ち上がり時間を短縮でき、メンテナンスを要せずともその短縮時間を維持することが可能なオイルストレーナを提供することを課題とする。
【解決手段】オイルストレーナ2は、内燃機関1における潤滑部に潤滑油を循環させる潤滑油循環経路のうち、オイルパン1dからオイルポンプ4までの経路に用いられる。オイルストレーナ2は、オイルポンプ4の吸入口4aに接続される吸入口接続部3aと、オイルパン1dに溜められた潤滑油6に浸かるオイル浸漬部12と、オイル浸漬部12から、屈曲しつつ、吸入口接続部3aへと繋がるパイプ部3と、を有し、パイプ部3は、オイルパン1dから潤滑油6を吸い上げるオイルポンプ4における吸入口4aよりも上側に位置する屈曲部3dを有している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関における潤滑部に潤滑油を循環させる潤滑油循環経路のうち、オイルパンからオイルポンプまでの経路に用いられるオイルストレーナであって、
前記オイルポンプの吸入口に接続される吸入口接続部と、
前記オイルパンに溜められた前記潤滑油に浸かるオイル浸漬部と、
前記オイル浸漬部から、屈曲しつつ、前記吸入口接続部へと繋がるパイプ部と、
を有し、
前記パイプ部は、前記オイルパンから前記潤滑油を吸い上げる前記オイルポンプにおける前記吸入口よりも上側に位置する屈曲部を有している、
オイルストレーナ。
【請求項2】
請求項1に記載のオイルストレーナであって、
前記吸入口接続部は、前記オイルポンプの下方に設けられた前記吸入口に接続されており、
前記パイプ部は、
前記吸入口接続部から下方に向かって延びた後、上方に向かって湾曲され、前記吸入口よりも上側に位置する前記屈曲部にて下方に向かって湾曲された後、前記オイル浸漬部に接続されている、
オイルストレーナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関における潤滑部に潤滑油を循環させる潤滑油循環経路のうち、オイルパンからオイルポンプまでの経路に用いられるオイルストレーナに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関を停止したまま長期間放置すると、オイルポンプやオイルギャラリーの内部に満たされていた潤滑油については重力によって逆流し、主運動系や動弁系の各部品表面を覆っていた油膜としての潤滑油については重力によって流れ落ち、オイルパンに戻ってしまう。その結果、オイルポンプに関しては潤滑油が全くの空の状態になり、主運動系や動弁系の各部品表面に関しては油膜切れの状態になる。このような状態で内燃機関を始動した際に、オイルポンプの駆動を開始してから主運動系や動弁系に潤滑油の供給が開始されるまでの時間である油圧の立ち上がり時間がかかると、焼き付きのおそれがある。そのため、従来、油圧の立ち上がり時間を短縮する技術が考案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、オイル落ちを阻止する逆止弁を有するオイルストレーナが開示されている。オイルストレーナは、吸込みパイプと、金網製フィルタとからなる。吸込みパイプは、一端部がエンジンのシリンダブロックのメインオイルホール側油路(その油路の途中にはオイルポンプが配置されている)に連通され、他端部は金網製フィルタが設けられてオイルパン内のオイルに浸漬されている。逆止弁は、吸い込みパイプの途中に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のオイルストレーナでは、逆止弁という新たな別部品を吸込みパイプの内部に組み込む必要がある。また、例えば、逆止弁に対する定期的なメンテナンスも必要である。
【0006】
本発明は、別途部品を追加せずとも油圧の立ち上がり時間を短縮でき、メンテナンスを要せずともその短縮時間を維持することが可能なオイルストレーナを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本開示によるオイルストレーナは、内燃機関における潤滑部に潤滑油を循環させる潤滑油循環経路のうち、オイルパンからオイルポンプまでの経路に用いられるオイルストレーナであって、前記オイルポンプの吸入口に接続される吸入口接続部と、前記オイルパンに溜められた前記潤滑油に浸かるオイル浸漬部と、前記オイル浸漬部から、屈曲しつつ、前記吸入口接続部へと繋がるパイプ部と、を有し、前記パイプ部は、前記オイルパンから前記潤滑油を吸い上げる前記オイルポンプにおける前記吸入口よりも上側に位置する屈曲部を有している。
【0008】
これによれば、内燃機関の停止に伴いオイルポンプによる潤滑油の圧送が停止されると、重力により潤滑油がオイルパンへ流れ落ちていくが、オイルストレーナにおけるパイプ部の屈曲部は、オイルポンプの吸入口よりも上側に位置している。そのため、潤滑油の油面が屈曲部の内側に達するまで下がった以降、潤滑油は、オイルパンへと流れ落ちることができなくなる。したがって、少なくともオイルポンプの内部には、潤滑油が保留されることとなる。これにより、再び、内燃機関の運転が開始されると、保留された潤滑油が、速やかにオイルポンプより圧送されるので、油圧の立ち上がり時間が短縮されることとなる。
【0009】
また、オイルポンプとオイルストレーナ、あるいは、オイルポンプ自体が、例えばねじ締結されている場合、潤滑油はそのような密閉空間に保留される。したがって、孔があいたり内燃機関自体が大きく傾いたりするようなアクシデントが発生しなければ、潤滑油が漏れ出すことはない。このように、常に一定容量の潤滑油が保留されることが保証されるので、メンテナンスを要せずともその短縮時間を維持することが可能となる。
【0010】
上記オイルストレーナにおいて、前記吸入口接続部は、前記オイルポンプの下方に設けられた前記吸入口に接続されており、前記パイプ部は、前記吸入口接続部から下方に向かって延びた後、上方に向かって湾曲され、前記吸入口よりも上側に位置する前記屈曲部にて下方に向かって湾曲された後、前記オイル浸漬部に接続されていても良い。
【0011】
これによれば、オイルポンプに加え、オイルストレーナ(屈曲部から吸入口接続部までの区間)にも潤滑油が保留されることとなる。したがって、再び、内燃機関の運転が開始されると、より多くの保留された潤滑油が、速やかにオイルポンプより圧送されるので、油圧の立ち上がり時間がさらに短縮されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態1に係るオイルストレーナと該オイルストレーナが搭載された内燃機関の概要構成図である。
【
図2】実施形態1に係るオイルストレーナの作用効果を説明するための図である。
【
図3】実施形態2に係るオイルストレーナの概略図である。
【
図4】実施形態3に係るオイルストレーナの概略図である。
【
図5】実施形態4に係るオイルストレーナと該オイルストレーナが組み込まれた内燃機関システムの概要構成図である。
【
図6】[電磁弁開閉処理]の処理手順の例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
●[実施形態1に係るオイルストレーナの構造(
図1)]
図1に示すように内燃機関1は、シリンダヘッドカバー1a、シリンダヘッド1b、シリンダブロック1c、オイルパン1dを有している。シリンダブロック1cは、シリンダの筒状部分が構成されると同時に、ピストンやクランクシャフト等のいわゆる主運動系の部品が収められている。シリンダヘッド1bは、シリンダブロック1cとの接合面側に燃焼室となる凹みが設けられたり、燃焼室に向けて吸気ポートや排気ポートが作り込まれたりしている。また、シリンダヘッド1bは、吸気ポートや排気ポートの開口部を開閉する吸排気バルブ、および、吸排気バルブの開閉を行う機構(カムシャフト、ラッシュアジャスタ、ロッカーアーム等)である、いわゆる動弁系を支持している。
【0014】
シリンダブロック1cに収められている主運動系や、シリンダヘッド1bに支持されている動弁系を構成する部品には、金属部品同士がこすれ合う部分(潤滑が必要な部分であり、潤滑部に相当する)が複数存在している。内燃機関1は、そのような部分の摩擦を防いでスムーズに動かす潤滑装置を有している。オイルポンプ4は、潤滑装置の一部である。オイルポンプ4は、潤滑油を潤滑部に圧送している。
【0015】
内燃機関1のうちシリンダヘッドカバー1aとオイルパン1dは、このような潤滑装置に関わるものである。シリンダヘッドカバー1aは、潤滑油の飛散防止等のためにシリンダヘッド1bの上部に備えられている。オイルパン1dは、潤滑油を蓄えるとともに、潤滑部に供給された後に落下してくる潤滑油の受け皿となっている。
【0016】
オイルポンプ4は、オイルストレーナ2を介してオイルパン1dに溜まった潤滑油を吸い上げ、シリンダブロック1cやシリンダヘッド1bの内部にあるオイルギャラリーと呼ばれる潤滑油の通路を通じて内燃機関1の潤滑部に潤滑油を圧送している。各部に送られた潤滑油は、跳ね飛ばされたり重力で落下したりして、オイルパン1dに戻ってくる。このように、内燃機関1においては、潤滑部に潤滑油を循環させる潤滑油循環経路が形成されている。
【0017】
オイルポンプ4は、内燃機関1のクランクシャフトに直結され、クランクシャフトの回転により駆動するもので、例えばトロコイドポンプ、ギヤポンプ、ベーンポンプのいずれを用いてもよい。オイルポンプ4は、吸入口4aと吐出口4bを有している。オイルポンプ4の吸入口4aは、オイルパン1dに溜まった潤滑油6の油面6aに対向している。したがって、吸入口4aからポンプ内部へと吸入されている潤滑油の流入方向は、オイルパン1dに溜まった潤滑油6の油面6aに対してほぼ垂直となっている。
【0018】
オイルストレーナ2は、潤滑油循環経路のうち、オイルパン1dからオイルポンプ4までの経路に用いられている。オイルストレーナ2は、パイプ部3を有しており、パイプ部3の一方端にはオイル浸漬部12、他方端には吸入口接続部3aが備えられている。オイル浸漬部12は、内燃機関1のオイルパン1dに溜まった潤滑油6に浸漬される。吸入口接続部3aは、オイルポンプ4の吸入口4aに接続される。なお、オイル浸漬部12は、金属製の網状のものであり、大きな異物を除去する。吸入口接続部3aは、例えばフランジとして形成されており、オイルポンプ4の吸入口4aに形成されたフランジに対してねじ締結されている。
【0019】
パイプ部3は、オイル浸漬部12から、屈曲しつつ、吸入口接続部3aへと繋がっている。パイプ部3は、例えば真っ直ぐ延びたパイプを屈曲させつつ形成したものであり、アプローチ部3b、屈曲部3d、鉛直方向延出部3eを有する。
【0020】
鉛直方向延出部3eは、オイルストレーナ2が、実際に、内燃機関1に搭載された場合(吸入口接続部3aがオイルポンプ4の吸入口4aに接続され、かつ、オイル浸漬部12がオイルパン1dの潤滑油6に浸漬された場合)、鉛直方向に延びる部分である。具体的には、鉛直方向延出部3eは、オイル浸漬部12から鉛直方向に延びて、オイルポンプ4の吸入口4aを下から上に向かって通り過ぎ、屈曲部3dに続いている。屈曲部3dは、このような鉛直方向延出部3eから連続しているため、吸入口4aよりも上側に位置している。屈曲部3dは、例えばU字形状に屈曲(湾曲)し、アプローチ部3bに続いている。屈曲部3dは、鉛直方向延出部3eによって通り越したオイルポンプ4の吸入口4aへ向かって方向転換するように屈曲していればよく、例えばV字形状に屈曲していても良い。アプローチ部3bは、屈曲部3dから連続して、オイルポンプ4の吸入口4aを上から下に向かって通り過ぎるように鉛直方向に延びて、吸入口4aよりも下側にて屈曲(湾曲)しつつ折り返し、再度鉛直方向に延びて吸入口接続部3aに続いている。
【0021】
●[オイルストレーナの作用、効果(
図2)]
内燃機関1の停止に伴いオイルポンプ4による潤滑油の圧送が停止されると、オイルストレーナ2、オイルポンプ4、オイルギャラリーを満たしていた潤滑油が重力によってオイルパン1dまで流れ落ち、潤滑油5の油面5aも徐々に下方に下がってくる。ここで、オイルストレーナ2におけるパイプ部3の屈曲部3dが、吸入口4aよりも上側に位置しているため、潤滑油5の油面5aが屈曲部3dの内側に達するまで下がってくると、以降、潤滑油5は、屈曲部3dを超えて鉛直方向延出部3eに流れ落ちることができない。その結果、オイルポンプ4による潤滑油の圧送停止後も、潤滑油5は、アプローチ部3bおよびオイルポンプ4に保留されることとなる。
【0022】
このように、アプローチ部3bおよびオイルポンプ4に潤滑油5が保留された状態で、再び、内燃機関1の運転が開始されると、保留された潤滑油5が、速やかにオイルポンプ4より圧送される。したがって、油圧の立ち上がり時間が短縮されることとなる。また、潤滑油5が保留されたアプローチ部3bやオイルポンプ4は、逆止弁とは異なり、ボルトやねじによって締結された密閉空間であり、孔があいたり内燃機関1自体が大きく傾いたりしなければ(通常、そのようなことが発生することは稀有である)、潤滑油5が漏れ出すことはなく、常に一定容量の潤滑油5が保留されることが保証されている。したがって、メンテナンスを要せずともその短縮時間を維持することが可能となる。
【0023】
●[実施形態2に係るオイルストレーナの構造(
図3)]
実施形態2について
図3を用いて説明する。実施形態2は、上述の実施形態1とほぼ同様に形成されている。
図3に示すように、オイルポンプ24には、ポンプ内部に吸入される潤滑油の流入方向が、オイルパン1dに溜まった潤滑油6の油面6aに対してほぼ平行となるように、吸入口24aが備えられている。
【0024】
オイルストレーナ22は、潤滑油循環経路のうち、オイルパン1dからオイルポンプ24までの経路に用いられている。パイプ部23は、オイル浸漬部12から、屈曲しつつ、吸入口接続部3aへと繋がっている。パイプ部23は、例えば真っ直ぐ延びたパイプを屈曲させつつ形成したものであり、アプローチ部23b、屈曲部3d、鉛直方向延出部3eを有する。アプローチ部23bは、屈曲部3dから連続して、オイルポンプ24の吸入口24aを上から下に向かって通り過ぎるように鉛直方向に延びて、吸入口24aよりも下側にて屈曲しつつ折り返し、再度鉛直方向に延び、最後に屈曲しつつ吸入口接続部3aに続いている。
【0025】
●[実施形態3に係るオイルストレーナの構造(
図4)]
実施形態3について
図4を用いて説明する。実施形態3は、上述の実施形態1とほぼ同様に形成されている。
図3に示すように、オイルポンプ34は、吸入口34aが、吐出口4bとともに上側に備えられている。つまり、吸入口34aは、オイルパン1dに溜まった潤滑油6の油面6aに対向してはいないが、吸入口34aからポンプ内部へと吸入されている潤滑油の流入方向は、油面6aに対してほぼ垂直となっている。
【0026】
オイルストレーナ32は、潤滑油循環経路のうち、オイルパン1dからオイルポンプ34までの経路に用いられている。パイプ部33は、オイル浸漬部12から、屈曲しつつ、吸入口接続部3aへと繋がっている。パイプ部33は、例えば真っ直ぐ延びたパイプを屈曲させつつ形成したものであり、屈曲部3d、鉛直方向延出部3eのみを有する。
【0027】
●[実施形態4に係るオイルストレーナの構造(
図5)]
実施形態4について
図5を用いて説明する。実施形態4は、上述の実施形態1とほぼ同様に形成されている。
図5に示すように、実施形態4に係るオイルストレーナ42は、途中に電磁弁8を有している。
【0028】
内燃機関システム11は、内燃機関1と、内燃機関1を電磁弁8の開閉を制御する制御装置7とを有している。内燃機関1には、回転検出装置9が設けられている。回転検出装置9は、例えば回転センサであり、内燃機関1のクランクシャフトの回転角度に応じた検出信号を制御装置7に出力する。
【0029】
制御装置7は、CPU、RAM、記憶装置、タイマ等を有している。制御装置7は、イグニッションスイッチ7aからの制御信号を受け取り、内燃機関1の始動あるいは停止や各種電気系統の制御を行う。制御装置7(CPU)には、回転検出装置9やオイル交換用スイッチ7bからの信号が入力され制御装置7(CPU)は、電磁弁8への制御信号を出力する。
【0030】
オイルストレーナ42は、潤滑油循環経路のうち、オイルパン1dからオイルポンプ4までの経路に用いられている。パイプ部43は、オイル浸漬部12から、吸入口接続部3aへと繋がっており、鉛直方向延出部3eのみを有する。電磁弁8は、鉛直方向延出部3eの途中に設けられている。なお、パイプ部43は、オイル浸漬部12から、屈曲しつつ、吸入口接続部3aへと繋がっていてもよいが、オイル交換時にオイルが残留してしまうような屈曲はしていないこと(いわゆる排水トラップが無い)が望ましい。
【0031】
電磁弁8は、通電によって弁を開閉することが可能であり、流体(本実施例においては潤滑油)を通す管での流れの開閉制御に用いられる一般的なものである。
【0032】
●[第4の実施の形態における制御装置7の処理手順(
図6)]
次に、
図6に示すフローチャートを用いて、制御装置7の処理の流れを説明する。
【0033】
制御装置7(CPU)は、例えば所定時間間隔(数[ms]~数10[ms]間隔)にて、
図6に示す[電磁弁開閉処理]を繰り返し起動し、ステップS110に処理を進める。
【0034】
ステップS110にて制御装置7は、回転検出装置9から取得した内燃機関1のクランクシャフトの回転状況に基づいて、内燃機関1が停止しているか否かを判定する。制御装置7は、内燃機関1が停止している場合(Yes)はステップS120へ処理を進め、内燃機関1が停止していない場合(No)はステップS140へ処理を進める。
【0035】
ステップS110からステップS140へ処理を進めた場合、制御装置7は、電磁弁8を開弁し(潤滑油は、オイルストレーナ42を流れてオイルポンプ4に吸い上げられ、各部へ供給される)、
図6に示す処理を終了する。
【0036】
ステップS120へ処理を進めた場合、制御装置7は、オイル交換用スイッチ7bがONであるか否かを判定する。オイル交換用スイッチ7bは、使用者がオイル交換する場合に使用者の意思によりONに設定され、それ以外ではOFFに設定される。制御装置7は、オイル交換用スイッチ7bがONである場合(Yes)はステップS140へ処理を進め、オイル交換用スイッチ7bがONでない場合(No)はステップS130へ処理を進める。
【0037】
ステップS120からステップS140へ処理を進めた場合、制御装置7は、電磁弁8を開弁し(潤滑油は、オイルパン1dへ落下する)、
図6に示す処理を終了する。このように、オイル交換用スイッチ7bがONの場合、電磁弁8が開弁状態とされるので、内燃機関1の停止後、オイルポンプ4及びオイルストレーナ42に潤滑油が残留せず、適切にオイル交換を行うことができる。
【0038】
ステップS130へ処理を進めた場合、制御装置7は、電磁弁8を閉弁し(潤滑油は、オイルパン1dへ落下せず、オイルストレーナ42内に保持される)、
図6に示す処理を終了する。
【0039】
本発明の内燃機関の排気管は、本実施の形態で説明した外観、構成、構造等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 内燃機関
1a シリンダヘッドカバー
1b シリンダヘッド
1c シリンダブロック
1d オイルパン
2、22、32、42 オイルストレーナ
3、23、33、43 パイプ部
3a 吸入口接続部
3b、23b アプローチ部
3d 屈曲部
3e 鉛直方向延出部
4、24、34 オイルポンプ
4a、24a、34a 吸入口
4b 吐出口
6 潤滑油
6a 油面
7 制御装置
7a イグニッションスイッチ
7b オイル交換用スイッチ
8 電磁弁
9 回転検出装置
11 内燃機関システム
12 オイル浸漬部