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特開2023-147884収納装置、管理システム及び管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147884
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】収納装置、管理システム及び管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20231005BHJP
   B65G 1/137 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
G06Q10/08 330
B65G1/137 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055643
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】中川 仁克
【テーマコード(参考)】
3F522
5L049
【Fターム(参考)】
3F522AA04
3F522BB13
3F522BB17
3F522BB25
3F522CC05
3F522CC06
3F522CC09
3F522DD03
3F522DD22
3F522DD32
3F522EE13
3F522FF02
3F522GG16
3F522GG22
3F522GG23
3F522GG27
3F522GG44
3F522HH17
3F522HH33
3F522KK02
3F522LL42
3F522LL57
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】物品又は商品を、人手を介さずに、ユーザの求めに応じて自動的に引き渡す装置において、装置が備える収納部に、物品又は商品の管理上の煩雑さを低減することができる収納装置、管理システム及び管理方法を提供する。
【解決手段】収納装置は、複数の収納部を有する収納ユニットのうちいずれか1つの収納部に対して開口部から入れられる収納物に付帯されたRFIDタグから収納物情報を読み取る読み取り機と、前記複数の収納部のうち前記収納物が収納された収納部を示す収納部情報を前記収納ユニットから取得し、前記収納部情報と前記収納物情報との対応関係を示す対応情報を生成し、対応テーブルに書き込む処理部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の収納部を有する収納ユニットのうちいずれか1つの収納部に対して開口部から入れられる収納物に付帯されたRFIDタグから収納物情報を読み取る読み取り機と、
前記複数の収納部のうち前記収納物が収納された収納部を示す収納部情報を前記収納ユニットから取得し、前記収納部情報と前記収納物情報との対応関係を示す対応情報を生成し、対応テーブルに書き込む処理部と
を備える収納装置。
【請求項2】
前記収納物の収納要求を受け付ける受付部と、
前記対応テーブルに基づいて、前記収納物を収納可能な収納部を検出する検出部と、
前記検出された収納部に収納物を収納可能となるように、前記開口部と前記収納ユニットとの相対位置を変更する駆動部と、をさらに備える
請求項1に記載の収納装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記収納装置内における前記収納部の位置を示す情報を前記収納部情報に含める
請求項2に記載の収納装置。
【請求項4】
前記受付部は、前記収納物を取り出す要求である取得要求をさらに受け付け、
前記駆動部は、前記取得要求と、前記対応情報とに基づき、前記収納物が収納された収納部の位置と前記開口部の位置とが合うように前記相対位置を変更し、
前記処理部は、前記収納物情報を前記対応テーブルから削除する
請求項2に記載の収納装置。
【請求項5】
前記収納物の在庫を管理する管理サーバに対する前記対応テーブルの送信と、前記管理サーバからの前記対応テーブルの受信との少なくともいずれかを実行する通信部をさらに備える
請求項4に記載の収納装置。
【請求項6】
前記対応テーブルに含まれる前記収納物情報は、前記収納物の販売数量を示す情報を含む
請求項5に記載の収納装置。
【請求項7】
前記収納要求を前記受付部が取得した場合であって、前記複数の収納部のいずれもが、任意の収納物との対応情報によって対応づけられている場合、前記処理部は、いずれかの対応情報を前記対応テーブルから削除し、
前記駆動部は、前記収納要求及び前記対応テーブルに基づき、削除された対応情報に対応する収納部に前記収納物を収納可能となるように、前記開口部と前記収納ユニットとの相対位置を変更し、前記収納物情報は、前記収納物の販売数量を示す情報を含む
請求項2から6のいずれか一項に記載の収納装置。
【請求項8】
収納装置及び管理サーバを備える管理システムであって、
前記収納装置は、
複数の収納部を有する収納ユニットのうちいずれか1つの収納部に対して開口部から入れられる収納物に付帯されたRFIDタグから収納物情報を読み取る読み取り機と、
前記複数の収納部のうち前記収納物が収納された収納部を示す収納部情報を前記収納ユニットから取得し、前記収納部情報と前記収納物情報との対応関係を示す対応情報を生成し、対応テーブルに書き込む処理部と、
前記対応テーブルの前記管理サーバへの送信と前記対応テーブルの前記管理サーバからの受信とを実行する収納装置通信部と、を備え、
前記管理サーバは、
前記対応テーブルを受信するサーバ通信部と、
前記対応テーブルを記憶する記憶部と、
前記収納物の販売数量及び在庫の少なくともいずれかを示す情報を前記対応テーブルに含めることにより前記対応テーブルを更新する処理部と、を備え、
前記サーバ通信部は、前記更新された対応テーブルを前記収納装置に送信する
管理システム。
【請求項9】
収納装置に用いられる管理方法であって、
複数の収納部を有する収納ユニットのうちいずれか1つの収納部に対して開口部から入れられる収納物に付帯されたRFIDタグから収納物情報を読み取るステップと、
前記複数の収納部のうち前記収納物が収納された収納部を示す収納部情報を前記収納ユニットから取得し、前記収納部情報と前記収納物情報との対応関係を示す対応情報を生成するステップと、
前記対応情報を対応テーブルに書き込むステップと、を含む
管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納装置、管理システム及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動販売機を用いて飲料等の商品を販売する際、比較的限られた種類の商品が、商品の種類ごとに特定の収納部に収納され、購買者による購入に供される。
【0003】
特許文献1において、商品陳列棚にICタグを備える電子棚札とICタグリーダが設置され、ICタグリーダはICタグの棚札IDの読取手段と、棚札IDと送信元IDを店舗サーバへ送信する読取情報送信手段を備え、店舗サーバは、送信元IDから特定した位置情報と棚札IDを対応付けた棚札位置情報を電子棚札データベースに保持する位置情報認識手段と、移動体情報端末への情報配信手段と、商品に対応する電子棚札へ発光指示手段を備えることにより、商品の位置を特定し位置を提示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-77131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
書籍を自動販売機により販売する際、書籍という商品の性質上、多くの種類の書籍が、種類ごとに少数ずつ販売される場合が想定される。このような場合、書籍の種類ごとに収納部を多く用意すると、書籍をその種類に応じた収納部に、新たに入れる作業は煩雑になりうる。また、書籍を入れる収納部を誤ると、購買者に所望の書籍を販売することができなくなり、自動販売機としての品質が下がる可能性がある。
【0006】
従来、書籍と、光ディスクに含まれる音楽又は映像コンテンツと、の少なくともいずれかを含む物品又は商品を、人手を介さずに、ユーザの求めに応じて自動的に引き渡す装置において、装置が備える収納部に、物品又は商品の管理上の煩雑さを低減して収納する手段は提供されていない。
【0007】
本発明は、物品又は商品を、人手を介さずに、ユーザの求めに応じて自動的に引き渡す装置において、装置が備える収納部に、物品又は商品の管理上の煩雑さを低減することができる収納装置、管理システム及び管理方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る収納装置、管理システム及び管理方法は、以下の構成を採用した。
(1)この発明の一態様に係る収納装置は、複数の収納部を有する収納ユニットのうちいずれか1つの収納部に対して開口部から入れられる収納物に付帯されたRFIDタグから収納物情報を読み取る読み取り機と、前記複数の収納部のうち前記収納物が収納された収納部を示す収納部情報を前記収納ユニットから取得し、前記収納部情報と前記収納物情報との対応関係を示す対応情報を生成し、対応テーブルに書き込む処理部と、を備える。
【0009】
(2)上記(1)の態様において、前記収納物の収納要求を受け付ける受付部と、前記対応テーブルに基づいて、前記収納物を収納可能な収納部を検出する検出部と、前記検出された収納部に収納物を収納可能となるように、前記開口部と前記収納ユニットとの相対位置を変更する駆動部と、をさらに備える。
【0010】
(3)上記(2)の態様において、前記処理部は、前記収納装置内における前記収納部の位置を示す情報を前記収納部情報に含める。
【0011】
(4)上記(2)の態様において、前記受付部は、前記収納物を取り出す要求である取得要求をさらに受け付け、前記駆動部は、前記取得要求と、前記対応情報とに基づき、前記収納物が収納された収納部の位置と前記開口部の位置とが合うように前記相対位置を変更し、前記処理部は、前記収納物情報を前記対応テーブルから削除する。
【0012】
(5)上記(4)において、前記収納物の在庫を管理する管理サーバに対する前記対応テーブルの送信と、前記管理サーバからの前記対応テーブルの受信との少なくともいずれかを実行する通信部をさらに備える。
【0013】
(6)上記(5)の態様において、前記対応テーブルに含まれる前記収納物情報は、前記収納物の販売数量を示す情報を含む。
【0014】
(7)上記(2)から(6)のいずれかの態様において、前記収納要求を前記受付部が取得した場合であって、前記複数の収納部のいずれもが、任意の収納物との対応情報によって対応づけられている場合、前記処理部は、いずれかの対応情報を前記対応テーブルから削除し、前記駆動部は、前記収納要求及び前記対応テーブルに基づき、削除された対応情報に対応する収納部に前記収納物を収納可能となるように、前記開口部と前記収納ユニットとの相対位置を変更し、前記収納物情報は、前記収納物の販売数量を示す情報を含む。
【0015】
(8)この発明の一態様に係る管理システムは、収納装置及び管理サーバを備え、前記収納装置は、複数の収納部を有する収納ユニットのうちいずれか1つの収納部に対して開口部から入れられる収納物に付帯されたRFIDタグから収納物情報を読み取る読み取り機と、前記複数の収納部のうち前記収納物が収納された収納部を示す収納部情報を前記収納ユニットから取得し、前記収納部情報と前記収納物情報との対応関係を示す対応情報を生成し、対応テーブルに書き込む処理部と、前記対応テーブルの前記管理サーバへの送信と前記対応テーブルの前記管理サーバからの受信とを実行する収納装置通信部と、を備え、前記管理サーバは、前記対応テーブルを受信するサーバ通信部と、前記対応テーブルを記憶する記憶部と、前記収納物の販売数量及び在庫の少なくともいずれかを示す情報を前記対応テーブルに含めることにより前記対応テーブルを更新する処理部と、を備え、前記サーバ通信部は、前記更新された対応テーブルを前記収納装置に送信する。
【0016】
(9)この発明の一態様に係る管理方法は、収納装置に用いられる管理方法であって、複数の収納部を有する収納ユニットのうちいずれか1つの収納部に対して開口部から入れられる収納物に付帯されたRFIDタグから収納物情報を読み取るステップと、前記複数の収納部のうち前記収納物が収納された収納部を示す収納部情報を前記収納ユニットから取得し、前記収納部情報と前記収納物情報との対応関係を示す対応情報を生成するステップと、前記対応情報を対応テーブルに書き込むステップと、を含む。
【発明の効果】
【0017】
(1)から(9)によれば、物品又は商品を、人手を介さずに、ユーザの求めに応じて自動的に引き渡す装置において、装置が備える収納部に、物品又は商品の管理上の煩雑さを軽減して収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態における管理システムの構成例を示す図である。
図2】本発明の第1実施形態における収納装置10の構成図である。
図3】本発明の第1実施形態における収納ユニット14及び収納部141の構成例を示す図である。
図4】本発明の第1実施形態における対応テーブルの一例を示す表である。
図5】本発明の第1実施形態における収納装置10の動作シーケンスを示すフローチャートである。
図6】本発明の第2実施形態における収納装置10の動作シーケンスを示すフローチャートである。
図7】本発明の第3実施形態における収納装置10の動作シーケンスを示すフローチャートである。
図8】本発明の第4実施形態におけるサーバ装置の構成図である。
図9】本発明の第4実施形態における対応テーブルの一例を示す表である。
図10】本発明の第4実施形態における対応テーブルの一例を示す表である。
図11】本発明の第4実施形態における収納装置10の動作シーケンスを示すフローチャートである。
図12】本実施形態に係る各装置のハードウェア構成を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照し、本発明の収納装置10、管理システムS及び管理方法の実施形態について説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0020】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態における管理システムSの構成例を示す図である。管理システムSは、収納装置10及び管理サーバ装置30を含む。収納装置10及び管理サーバ装置30は、ネットワークNWによって接続される。収納装置10は、書籍の自動販売機(書籍自動販売機)である。書籍は収納物Bの一例である。ユーザUは、書籍自動販売機から所望の書籍を購入する。なお、第1実施形態において、管理サーバ装置30及びネットワークNWは管理システムSに含まれていなくてもよい。
【0021】
収納装置10は、受付部11、扉12、開口部13-1~開口部13-4及び収納ユニット14を備える。収納ユニット14は複数の収納部141、収納部142~収納部14nを備える。nは3以上の整数である。収納部141~14nは、複数の収納部を構成する。扉12-1~扉12-4は、開口部13-1~開口部13-4の全面に取り付けられている。収納装置10は収納ユニット14の表面に透明な窓を備えていてもよい。これにより、収納部141~収納部14nに収納された収納物BをユーザUは確認することが出来る。
【0022】
なお、収納装置10は収納ユニット14の表面に透明な窓を備えていなくてもよい。この場合、収納部141~収納部14nに収納された収納物Bを、受付部11の表示画面に表示された情報からユーザUは確認することが出来る。
【0023】
受付部11は、受付部11に表示される書籍の選択画面を経由して、書籍の選択動作をユーザUから受け付ける。ユーザUは、選択した所望の書籍について、所定の決済手段によって支払いを実行する。受付部11は、ユーザUからの支払い要求を受け付ける。
【0024】
決済が済むと、所望の書籍が収納された収納部141が移動する。収納部141は、開口部13-1~開口部13-4のいずれかに移動する。例えば、収納部141は開口部13-1に移動するものとする。収納部141が開口部13-1に移動すると、扉12-1が開く。その後、ユーザUは、開口部13-1を介して所望の書籍を受け取ることによって引き渡しを受ける。
【0025】
収納装置10は、収納物Bを販売するための装置に限られるものではなく、受付部11を介したユーザUからの要求に応じて、収納物Bを引き渡す装置でもある。収納物Bの引き渡しは、収納物Bのレンタルでもよい。収納物Bは、書籍の代わりにDVD(登録商標)といった光ディスクでもよい。このDVDには映像コンテンツが記録されていてもよい。
【0026】
また、収納装置10は、受付部11を介したユーザUからの要求に基づき、収納物Bを収納部141に収納するために、収納部141を開口部13-1~開口部13-4のいずれかに移動させる。管理サーバ装置30の動作については後述する。このように、ユーザUは、収納装置10内の商品の管理をする担当者でもよい。
【0027】
第1実施形態において、書籍自動販売機は、収納装置10の一例である。また、例えば、複数の棚のセットである集合棚は収納ユニット14の一例である。集合棚に含まれる個々の棚は、収納部141~収納部14nの一例である。RFIDタグが付帯された書籍及びRFIDタグが付帯されたDVD及びBlue-ray(登録商標)は、収納物Bの一例である。
【0028】
ユーザUからの各種要求を受け付ける画面は、受付部11の一例である。ユーザUからの各種要求を受け付ける画面は、例えば液晶パネルによって構成されたタッチスクリーンパネル(タッチパネル)でもよい。ユーザUからの各種要求は、購入又は取得する書籍の選択要求と、書籍自動販売機に収納する書籍の収納要求とを少なくとも含む。
【0029】
選択要求は、書籍の名称(タイトル)と、書籍の作家の名前と、書籍のジャンルと、書籍のカテゴリと、書籍自動販売機に入荷してから所定期間未満しか経過していない書籍と、売れ行きが所定部数以上の書籍と、タッチパネルにおいて検索対象となった回数が所定回数以上の書籍との少なくともいずれかを含む。
【0030】
収納要求は、書籍の名称(タイトル)と、書籍の作家の名前と、書籍のジャンルと、書籍のカテゴリと、書籍自動販売機に入荷してから所定期間以上経過した書籍と、売れ行きが所定部数未満の書籍と、タッチパネルにおいて検索対象となった回数が所定回数未満の書籍との少なくともいずれかを含む。
【0031】
図2は、本発明の第1実施形態における収納装置10の構成図である。収納装置10は、受付部11、扉12、開口部13、収納ユニット14及び読み取り機15を備える。収納装置10は、処理部150、検出部160、駆動部170、通信部180、及び記憶部190を備える。
【0032】
開口部13を通じて、収納物Bは、収納ユニット14に含まれる収納部141~収納部14nのいずれかに収納される。収納部141は、収納部141~収納部14nのいずれかである。収納部141~14nは収納装置10内を移動可能なように構成される。
【0033】
収納物Bには無線識別子タグ(Radio-frequency identifier: RFID)タグが付帯されている。読み取り機15は、開口部13に取り付けられている。読み取り機15は、開口部13の背部に取り付けられていてもよい。読み取り機15は、RFIDタグに記憶されている収納物情報を読み取る。収納物情報(例えば、収納物情報)は、収納物Bに関する情報を示す。
【0034】
収納部情報は、例えば、収納物が書籍であれば、その書籍の著者、概要、表紙のイラスト及び出版社の情報の少なくともいずれかを含む。収納部情報は、例えば、収納物が映画コンテンツを含むDVD又はBlue-rayの場合、映画のタイトル、出演俳優、監督、紹介文及び製作会社の少なくともいずれかを含む。
【0035】
RFIDタグは、バッテリ付きのパッシブタグでもよいし、バッテリを備えるアクティブタグでもよい。RFIDタグは、セミパッシブタブ又はセミアクティブでもよい。セミパッシブタブ又はセミアクティブは、パッシブタグとアクティブタグとの両方の特徴をあわせ持つICタグである。セミパッシブタグ又はセミアクティブタグは、通常はパッシブ型として動作し、RFIDリーダ(読み取り機)からの電磁波照射があったとき、内蔵バッテリを使用して電波を発信する。
【0036】
周波数の観点では、RFIDタグは、10MHz台の周波数を用いた近距離無線通信規格に対応したICタグである近距離通信(near field communication: NFC)タグでもよいし、UHF帯(860-960MHz帯)の周波数に対応したものでもよい。RFIDタグは、収納物Bにシールとして貼り付けられるラベルタグでもよい。
【0037】
読み取り機15は、収納物Bに付帯されたRFIDタグを読み取り可能な方式に対応する。収納ユニット14は、収納装置10の内部を移動可能に構成されている。
【0038】
処理部150は、受付部11、扉12、開口部13、収納ユニット14、読み取り機15、検出部160、駆動部170及び通信部180の少なくともいずれかの動作を制御する。駆動部170は、収納部141~収納部14nのいずれかを、開口部13に移動させる。処理部150は、開口部13の前面に取り付けられた扉12を開くよう制御し、収納物Bを外部から取り出し可能な状態又は収納物Bを収納部141~収納部14nのいずれかに収納可能な状態にする。
【0039】
検出部160は、収納物Bを収納可能な収納部を検出する。通信部180は、外部との情報通信処理を実行する通信インターフェイスである。記憶部190は、各種情報及びデータを記憶する記憶素子である。検出部160及び通信部180の動作については後述する。
【0040】
駆動部170は、収納部141~収納部14nを駆動し、収納装置10内における収納部141~収納部14nの少なくともいずれかを移動させる。
【0041】
図3は、本発明の第1実施形態における集合棚(収納ユニット14)及び棚(収納部141)の構成例を示す図である。図3(A)に示すように、棚は、集合棚に含まれる複数の棚(複数の収納部)のうちの1つである。ここでは、棚は、上面、底面、右側面、左側面によって区切られた領域であり、全面と背面は開口されている。また、棚は、右側面と左側面の少なくともいずれか一方が他の棚と隣接するように直線状(ここでは水平方向)に並べられることで、集合棚として形成されている。
【0042】
また、集合棚のうちいずれか1つの棚の前面に対向する位置に開口ユニットが設けられている。開口ユニットは、棚の前面側に対向する面に扉部が設けられ、棚の背面に対向する面に読み取り機15が設けられている(図3(B))。扉部が開くことで、開口部13として機能する。駆動部170は、集合棚のうちいずれか1つの棚が扉部に位置するように、相対的に移動させる。例えば、開口ユニットが収納装置10に対して固定するように設けられている場合、駆動部170は、開口ユニットに対して、集合棚を水平方向(棚が隣接して並べられた方向)に移動させることで、集合棚のうちいずれか1つの棚の前面が扉部と対向するように駆動させる。
【0043】
図3(B)及び(C)において、駆動部170によって、1つの棚が開口部13の後ろに位置するように移動されている。読み取り機15は、開口部13の背後(棚の背面側)に位置するように設置されている。なお、読み取り機15は、書籍に付帯されたRFIDタグを読み取り可能な位置であれば、開口部13との関係においてどのような位置にあってもよい。
【0044】
ここでは、読み取り機15が書籍に付帯されたRFIDタグを読み取る場合、扉部が閉じた状態において、棚の内周面を読み取る。ここで棚は、電波を遮蔽する遮蔽材料が用いられている。そのため、読み取り機15は、読み取り対象とする棚の収容領域を読み取り範囲として読み取ることができ、隣接する棚の収容領域は読み取らないようになっている。
【0045】
図3(C)において、処理部150の制御によって、扉12は開いている。これにより、開口部13を介して、ユーザUは、書籍を棚(収納部141)に収納できる。また、これにより、棚に収納されている書籍は、ユーザUによって取り出し可能な状態に置かれる。ここでは、開口部13は、集合棚のうちいずれか1つの棚の開口された部位に位置するようになっている。
【0046】
これにより、収納装置10の商品を管理する担当者は、開口部13から棚に書籍を収容する、または取り出すことができるため、集合棚のうち、いずれの棚に対して書籍を収容すればよいか、または取り出せばよいかを判断しなくてもよい。そして、読み取り機15がRFIDタグを読み取ったときに、開口ユニットに位置する棚がいずれであるかを検知することで、どの棚にどのような物品が収容されたか(取り出されたか)を特定することができる。
【0047】
図4は、本発明の第1実施形態における対応テーブルの一例を示す表である。対応テーブルは、棚1を示す情報(例えば、収納部情報)と、棚に収納される書籍を示す情報(例えば、収納物情報)との対応関係を示す対応情報(例えば、対応情報)を記憶する。対応テーブルにおいて、対応情報は、棚1(収納部141)に雑誌Aが2022年2月14日14時に収納され、棚1(収納部141)の現在位置が座標(3, 4, 5)であることを示す。
【0048】
棚1の現在位置は、収納装置10内における収納部141の相対的な位置を示す。座標(3, 4, 5)は、収納部141の位置が、水平、奥行き及び高さ方向の3番目、4番目、5番目の位置であることを示す。座標の表現形式は図4に限られることなく、収納装置10内において所定位置を基準点とする相対的な距離によって表されていてもよい。
【0049】
図4において、2行目の対応情報は、棚2(収納部142)に収納物Bとしての書籍が何も収納されていないことと、棚2の位置が(2, 5, 7)であることを示している。図4において、書籍を示す列における各セル内の情報は、収納物情報の一例である。収納物情報は、その書籍が棚に収納された日時に対応づけられる。
【0050】
図5は、本発明の第1実施形態における収納装置10の動作シーケンスを示すフローチャートである。
【0051】
ステップS100において、読み取り機16は、書籍に付帯されたRFIDタグを読み取ることにより、棚に収納された書籍を示す情報(収納物情報)を取得する。処理はステップS101に進む。
【0052】
ステップS101において、処理部150は、書籍が収納された棚を示す収納部情報(収納部情報)を、集合棚から取得する。ここでは、駆動部170が集合棚を開口ユニットに対して移動させた際に、いずれの棚が開口ユニットに対して位置した状態で停止したかを処理部1550が検出することで、いずれの棚に開口部13が位置するかを把握できる。集合棚は、内蔵する記憶素子に収納部情報を記憶していてもよい。収納部情報を、記憶部190が記憶し、処理部150が収納部情報を記憶部190から読み出してもよい。処理はステップS102に進む。
【0053】
ステップS102において、処理部150は、駆動部170の駆動状態に基づいて、集合棚のうちいずれの棚が開口ユニットに対して対応関係にあるかを検出することで、収納部情報と収納物情報との対応関係を示す対応情報を生成し、対応テーブルに含める。処理部150は、収納物情報及び対応テーブルを記憶部190に記憶させることによって書き込む。その後、処理は終了する。
【0054】
なお、第1実施形態において、収納装置10の一例としての書籍自動販売機は、検出部160及び駆動部170を備えていなくてもよい。
【0055】
以上説明したように、第1実施形態に係る収納装置10は、複数の収納部を有する収納ユニットのうちいずれか1つの収納部に対して開口部から入れられる収納物に付帯されたRFIDタグから収納物情報を読み取る読み取り機と、複数の収納部のうち収納物が収納された収納部を示す収納部情報を収納ユニットから取得し、収納部情報と収納物情報との対応関係を示す対応情報を生成し、対応テーブルに書き込む処理部と、を備える。
【0056】
これにより、書籍自動販売機に含まれる棚に収納する書籍について、集合棚に含まれる棚と書籍との対応関係に基づいて棚を管理すれば済むようになり、書籍の種類ごとに特定の棚を割り当てる必要が無くなるので、棚及び書籍の管理上の煩雑さを伴うことなしに書籍を棚に収納可能な、書籍自動販売機を提供することが出来る。
【0057】
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態における収納装置10の動作シーケンスを示すフローチャートである。ステップS1100の前段として、処理部150は、記憶部190から収納物情報を読み出し、タッチパネル(受付部11)の画面に表示させている。
【0058】
ステップS1100~ステップS1103の処理は、ステップS100~ステップS103の処理に対応する。処理はステップS1104に進む。
【0059】
ステップS1104において、タッチパネルは、書籍の棚への収納を求めることを示す収納要求をユーザUから受け付ける。処理はステップS1105に進む。
【0060】
ステップS1105において、検出部160は、対応テーブルを記憶部190から読み出すことにより、書籍を収納可能な棚を示す収納部情報を、対応テーブルに含まれる対応情報から検出する。処理はステップS1106に進む。
【0061】
駆動部170は、検出された収納部情報に基づき、検出された棚に書籍を収納可能となるように、開口部と集合棚との相対位置を変更する。その後、処理部150が扉12を開く制御を実行することにより、書籍を収納可能な棚は、開口部13を介してユーザUによって書籍の収納可能な状態に置かれることとなる。
【0062】
以上説明したように、第2実施形態に係る収納装置10は、収納物の一例である書籍の収納要求を受け付ける受付部と、対応テーブルに基づいて、書籍を収納可能な棚(収納部の一例)を検出する検出部と、検出された棚に書籍を収納可能となるように、開口部と集合棚(収納ユニットの一例)との相対位置を変更する駆動部と、をさらに備える。
【0063】
また、図4に示すように、処理部150は、書籍自動販売機における棚の位置を示す情報を収納部情報に含める。
【0064】
これにより、書籍の種類ごとに特定の棚を割り当てる必要が無くなることに加え、書籍を簡易に収納可能になるため、書籍及び棚の管理上の煩雑さを伴うことなしに書籍を収納する書籍自動販売機を提供することが出来る。
【0065】
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態における収納装置10の及び管理サーバ装置30の動作シーケンスを示すフローチャートである。なお、第3実施形態は図1のシステム構成を前提とする。
【0066】
ステップS2100において、タッチパネル(受付部11)は、取得要求を取得する。取得要求は、書籍の購入、借用及び入れ替えの少なくともいずれかにより、書籍を棚から取得することの要求を示す。取得要求は、取得対象の書籍を示す情報(収納物情報)を含む。処理はステップS2101に進む。
【0067】
ステップS2101において、取得した取得要求と、対応テーブルに含まれる対応情報とに基づき、処理部150は、取得対象の書籍が収納された棚を示す収納部情報(収納部情報)を取得することにより、取得対象の書籍が収納された棚を特定する。処理はステップS2102に進む。
【0068】
ステップS2102において、駆動部170は、収納部情報に基づき、取得対象の書籍が収納された棚の位置と開口部13の位置とが合うように、開口部13と集合棚(収納ユニット14)との相対位置を変更する。これにより、取得対象の書籍は、開口部13を介して、ユーザUによって取得可能な状態に置かれる。処理はステップS2103に進む。
【0069】
ステップS2103において、処理部150は、通信部180を用いて、取得対象の書籍に対応する収納物情報を管理サーバ装置30に対して出力する。なお、処理部150は、取得対象の書籍に対応する収納物情報及び取得要求のうちの少なくともいずれかを、管理サーバ装置30にさらに送信してもよい。処理はステップS2104及びステップS3100に進む。
【0070】
ステップS2104において、処理部150は、取得対象の書籍についての収納物情報を、対応テーブルから削除する。例えば、図4の表において、棚1に雑誌Aが収納されていた場合、ステップS2103において、対応テーブルから「雑誌A」を示す収納物情報を処理部150は削除する。処理部150は、対応テーブルから、雑誌Aが収納された日時である2022年2月14日14時という時刻を削除する。
【0071】
なお、ステップS2103の処理は、書籍がユーザUによって取得されることを開口部13に含まれるセンサが検出した後、処理部150が実行してもよいし、処理部150が扉12を綴じる制御を実行した後実行されてもよい。
【0072】
管理サーバ装置30側の処理について説明する。ステップS3100において、通信部31は対応テーブルを書籍自動販売機から受信する。なお、通信部31は、取得対象の書籍に対応する収納物情報及び取得要求のうちの少なくともいずれかを、書籍自動販売機からさらに受信してもよい。処理はステップS3101に進む。
【0073】
ステップS3101において、処理部32は、記憶部33に記憶されている対応テーブルを更新する。なお、処理部32は、取得対象の書籍に対応する収納物情報及び取得要求のうちの少なくともいずれかに基づき、取得対象の書籍について売り上げ数を1インクリメントしてもよい。これにより、書籍自動販売機が複数ある場合、書籍の売上数量を複数の書籍自動販売機から集計し、更新することが可能となる。また、書籍の売れ行き状況を把握することが出来る。その後、処理は終了する。
【0074】
以上説明したように、第3実施形態に係る収納装置10において、タッチパネル(受付部11)は、書籍(収納物)を取り出す要求である取得要求をさらに受け付け、駆動部170は、取得要求と、対応情報とに基づき、取得要求が示す書籍(収納物)が収納された棚(収納部)の位置と開口部13の位置とが合うように、開口部13と集合棚との相対位置を変更し、処理部150は、取得対象の書籍を示す収納物情報を対応テーブルから削除する。
【0075】
これにより、書籍の種類ごとに特定の棚を割り当てる必要が無くなることにより書籍を簡易に収納可能にすることに加えて、書籍を取得可能になるため、書籍及び棚の管理上の煩雑さを伴うことなしに書籍を収納及び取得する書籍自動販売機を提供することが出来る。
【0076】
(第4実施形態)
図8は、本発明の第4実施形態における管理サーバ装置30の構成図である。管理サーバ装置30は、通信部31、処理部32及び記憶部33を備える。図1に示した通り、管理サーバ装置30は、ネットワークNWを介して書籍自動販売機に接続される。
【0077】
図9は、本発明の第4実施形態における対応テーブルの一例を示す表である。図9の表は、図4に示す表に加えて、書籍の販売数量を含む。図9の表は、棚1(収納部141)に収納された書籍である雑誌Aの販売数量が10000部であり、書籍自動販売機に含まれる他の書籍よりも販売部数が最も多いことを示している。
【0078】
図9の表は、棚3(収納部143)に収納された書籍である雑誌Cの販売数量が30部であり、書籍自動販売機に含まれる他の書籍よりも販売部数が最も少ないことを示している。また、集合棚に含まれる全ての棚に書籍が収納されており、別の書籍を収納する棚がないものとする。
【0079】
管理サーバ装置30の処理部32は、不定期に、定期的に、又は書籍自動販売機の処理部150による要求に基づき、各書籍の売上数量を示す情報である売上情報と、対応テーブルとを記憶部33から読み出す。通信部31は、読み出した売上情報及び対応テーブルを、書籍自動販売機に送信する。
【0080】
通信部180は、管理サーバ装置30から、売上情報及び対応テーブルを受信する。処理部150は、受信した売上情報に基づき、図9に示す対応テーブルに含まれる各書籍の売上情報を更新する。なお、処理部150は、受信した対応テーブルから、集合棚に含まれる棚と、各棚に含まれる書籍と、書籍の収納日時と、棚の位置との対応関係を示す対応情報を受信して、書籍の販売数量以外の情報を更新し、記憶部190に記憶させてもよい。
【0081】
図10は、本発明の第4実施形態における対応テーブルの一例を示す表である。図10の表において、棚3に収納される書籍が、雑誌Cから小説Bに入れ替えられている。図9及び10に示した表は、書籍の売上数量に関する情報を書籍自動販売機が管理サーバ装置30から取得し、売上数量が最も少ない書籍を棚から取り出すことによって書籍自動販売機から除き、別の書籍(小説B)が新たに棚3に収納されることを示している。
【0082】
図11は、本発明の第4実施形態における収納装置10の動作シーケンスを示すフローチャートである。
【0083】
ステップS3100~ステップS3103の処理は、ステップS1100~ステップS1103の処理にそれぞれ対応する。処理はステップS3104に進む。
【0084】
ステップS3104において、タッチパネル(受付部11)は、収納要求を受け付ける。収納要求は、書籍を棚に収納することを求めることを示す。処理はステップS3105に進む。
【0085】
ステップS3105において、通信部180は、対応テーブルに含まれる各書籍の売上数量を示す情報を、通信部31を介して、管理サーバ装置30から取得することによって、記憶部190に記憶されている対応テーブルを更新する。各書籍の売上数量を示す情報は、記憶部33に記憶されている。
【0086】
記憶部33に記憶された各書籍の販売数量を示す情報は、処理部32が、通信部31を介して、1又は複数の書籍自動販売機から取得することにより、常に最新に保たれている。ステップS3105の前に、通信部180は、対応テーブルを管理サーバ装置30に対して送信してもよい。通信部31は、送信された対応テーブルを受信する。処理部32は、受信された対応テーブルを、記憶部33に記憶させてもよい。処理はステップS3106に進む。
【0087】
ステップS3106において、処理部150は、対応情報を含まない棚が、対応テーブルに存在するかどうかを判定する。判定結果がtrue(yes)の場合、処理はステップS3107に進む。判定結果がfalse(no)の場合、処理はステップS3108に進む。
【0088】
ステップS3107において、処理部150は、取得した収納要求と、対応情報が存在しない棚を示す収納部情報とに基づき、処理部150は、駆動部170によって、収納ユニット14の相対位置を変更するよう制御する。その結果、対応テーブルにおいて対応情報が存在しない棚は、駆動部170によって、開口部13に移動され、ユーザUによって別の書籍を収納可能な状態に置かれる。その後、処理はステップS3109に進む。
【0089】
ステップS3108において、処理部150は、対応テーブルに含まれるいずれかの対応情報を対応テーブルから選択する。例えば、処理部150は、売上数量が最も少ない書籍についての対応情報を選択してもよいし、棚に置かれている時間が最も長い書籍についての対応情報を選択してもよい。この選択処理は、空いている棚が存在しない場合に、棚から出す書籍を選択する処理である。
【0090】
ステップS3109において、開口部13を介して新たな書籍として小説Bが所定の棚に収納されたのち、処理部150は、対応テーブルを更新する。具体的には、棚3に、「小説B」を示す収納物情報と収納日時である2022年3月10日10時が対応づけられた対応関係が対応テーブルに追加される。つまり、処理部150は、更新された対応テーブルを記憶部190に記憶させる。処理はステップS3112に進む。
【0091】
ステップS3110において、処理部150は、駆動部170によって、収納ユニット14の相対位置を変更するよう制御する。その結果、選択した対応情報に相当する棚は、駆動部170によって、開口部13に移動され、収納されていた書籍はユーザUによって取り出される状態に置かれる。その書籍は、ユーザUによって取り出された後、処理はステップS3111に進む。
【0092】
ステップS3111において、処理部150は、選択した対応情報を対応テーブルから削除する。処理はステップS3109に進む。
【0093】
ステップS3112において、通信部180は、対応テーブルを管理サーバ装置30に対して送信する。管理サーバ装置30側では、通信部31が対応テーブルを書籍自動販売機から受信する。処理部32は、受信された対応テーブルを記憶部33に記憶させる。その後、処理は終了する。
【0094】
以上説明したように、第4実施形態に係る収納装置10は、収納物の在庫を管理する管理サーバ装置30に対する対応テーブルの送信と、管理サーバ装置30からの対応テーブルの受信との少なくともいずれかを実行する通信部180をさらに備える。
【0095】
また、対応テーブルに含まれる収納物情報は、書籍の販売数量を示す情報を含んでもよいし、書籍の在庫量を含んでもよいし、書籍が棚に置かれてから経過した時間を含んでもよい。
【0096】
また、収納要求をタッチパネル(受付部)が取得した場合であって、複数の棚のいずれもが任意の収納物との対応情報によって対応づけられている場合、処理部は、いずれかの対応情報を対応テーブルから削除し、駆動部は、収納要求及び対応テーブルに基づき、削除された対応情報に対応する棚に書籍を収納可能となるように、開口部と集合棚との相対位置を変更し前記収納物情報は、棚に収容される書籍の販売数量を示す情報を含んでもよい。
【0097】
これにより、書籍自動販売機に含まれる複数の棚に空きが無い場合であっても、書籍を簡易に取り出し又は収納可能になるため、書籍及び棚の管理上の煩雑さを伴うことなしに書籍を収納及び取得する書籍自動販売機を提供することが出来る。
【0098】
また、管理システムSは、収納装置10及び管理サーバ装置30を備える。収納装置は、複数の収納部を有する収納ユニットのうちいずれか1つの収納部に対して開口部から入れられる書籍(収納物)に付帯されたRFIDタグから収納物情報を読み取る読み取り機と、複数の収納部(棚)のうち書籍が収納された収納部を示す収納部情報を集合棚(収納ユニット)から取得し、収納部情報と収納物情報との対応関係を示す対応情報を生成し、対応テーブルに書き込む処理部と、対応テーブルの管理サーバ装置30への送信と対応テーブルの管理サーバ装置30からの受信とを実行する収納装置通信部(通信部180)と、を備える。管理サーバ装置30は、対応テーブルを受信するサーバ通信部(通信部31)と、対応テーブルを記憶する記憶部(記憶部33)と、収納物の販売数量及び在庫の少なくともいずれかを示す情報を対応テーブルに含めることにより対応テーブルを更新する処理部(処理部32)と、を備え、サーバ通信部は、更新された対応テーブルを前記収納装置に送信する。
【0099】
これにより、書籍自動販売機は対応テーブルを管理サーバ装置30から取得することが出来る。また、書籍の売上数量を複数の書籍自動販売機から集計し、更新することが可能となる。さらに、書籍の売れ行き状況に基づいて、棚に含まれる書籍を入れ替えることが可能になる。
【0100】
図12は、本実施形態に係る各装置のハードウェア構成を説明する説明図である。各装置とは、収納装置10及び管理サーバ装置30である。各装置は、入出力モジュールI、記憶モジュールM、及び制御モジュールPを含んで構成される。入出力モジュールIは、通信モジュールH11、接続モジュールH12、ポインティングデバイスH21、キーボードH22、ディスプレイH23、ボタンH3、マイクH41、スピーカH42、カメラH51、又はセンサH52の一部或いは全部を含んで実現される。
【0101】
記憶モジュールMは、ドライブH7を含んで実現される。記憶モジュールMは、さらに、メモリH8の一部或いは全部を含んで構成されてもよい。制御モジュールPは、メモリH8及びプロセッサH9を含んで実現される。これらのハードウェア構成要素は、バス(Bus)を介して、相互に通信可能に接続されるとともに、電源H6から電力を供給されている。
【0102】
接続モジュールH12は、USB(Universal Seriul Bus)等のデジタル入出力ポートである。携帯機器の場合、ポインティングデバイスH21、キーボードH22、及びディスプレイH23は、タッチパネルである。センサH52は、加速度センサ、ジャイロセンサ、GPS受信モジュール、近接センサ等である。電源H6は、各装置を動かすために必要な電気を供給する電源ユニットである。携帯機器の場合、電源H6は、バッテリである。
【0103】
ドライブH7は、ハードディスクドライブやソリッドステートドライブ等の補助記憶媒体である。ドライブH7は、EEPROMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、又は、光磁気ディスクドライブやフレキシブルディスクドライブであってもよい。また、ドライブH7は、例えば、各装置に内蔵されるものに限らず、IFモジュールH12のコネクタに接続された外付け型の記憶装置でもよい。
【0104】
メモリH8は、ランダムアクセスメモリ等の主記憶媒体である。なお、メモリH8は、キャッシュメモリであってもよい。メモリH8は、一又は複数のプロセッサH9によって命令が実行されるときに、これらの命令を格納する。プロセッサH9は、CPU(中央演算装置)である。プロセッサH9は、MPU(マイクロプロセッシングユニット)又はGPU(グラフィックスプロセッシングユニット)であってもよい。プロセッサH9は、メモリH8を介してドライブH7から、プログラム及び各種データを読み出して演算を行うことで、一又は複数のメモリH8に格納した命令を実行する。
【0105】
入出力モジュールIは、受付部11、検出部160、通信部180及び通信部31を構成する。記憶モジュールMは、記憶部190及び記憶部33を実現する。
【0106】
制御モジュールPは、処理部150及び処理部32を実現する。なお、本明細書等において、収納装置10及び管理サーバ装置30との記載は、それぞれ、制御部P30又はP50との記載に置き換えられてもよいし、これらの各装置との記載は、制御モジュールPとの記載に置き換えられてもよい。
【0107】
以上、この発明の一態様として各実施形態や変形例に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は各実施形態や変形例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明の一態様は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態や変形例に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
【0108】
例えば、上記各実施形態の一部又は全部を組み合わせることで本発明の一態様を実現してもよい。
【符号の説明】
【0109】
10…収納装置、30…管理サーバ装置、11…受付部、12…扉、13…開口部、14…収納ユニット、15…読み取り機、141…収納部、150…処理部、160…検出部、180…通信部、190…記憶部、31…通信部、32…処理部、33…記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12