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特開2023-147908固体電解コンデンサおよびその製造方法
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  • 特開-固体電解コンデンサおよびその製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147908
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】固体電解コンデンサおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01G 9/012 20060101AFI20231005BHJP
   H01G 9/00 20060101ALI20231005BHJP
   H01G 9/15 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
H01G9/012 301
H01G9/012 305
H01G9/00 290D
H01G9/00 290E
H01G9/15
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055675
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002745
【氏名又は名称】弁理士法人河崎特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 聡史
(57)【要約】
【課題】固体電解コンデンサ内の構成部材に応力が加わる環境に晒された場合のESRの増加を軽減することができる。
【解決手段】固体電解コンデンサは、陽極部および陰極部を含むコンデンサ素子と、第1部分を含むとともに、前記陰極部に電気的に接続された陰極リードフレームと、前記コンデンサ素子および前記第1部分を覆う外装体と、を含む。前記陰極部は、少なくとも陰極引出層を含む。前記陰極引出層は、前記第1部分の少なくとも一部と導電性接着層を介して電気的に接続されている。前記導電性接着層は、第1応力緩衝部を含む。前記陰極引出層は、第2応力緩衝部を含まないか、または第2応力緩衝部を含む。前記導電性接着層および前記陰極引出層の厚さ方向Dおよび長さ方向Dに平行な断面Aにおいて、前記第1応力緩衝部が占める面積が、前記第2応力緩衝部が占める面積より大きい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極部および陰極部を含むコンデンサ素子と、
第1部分を含むとともに、前記陰極部に電気的に接続された陰極リードフレームと、
前記コンデンサ素子および前記第1部分を覆う外装体と、を含む固体電解コンデンサであって、
前記陰極部は、少なくとも陰極引出層を含み、
前記陰極引出層は、前記第1部分の少なくとも一部と導電性接着層を介して電気的に接続されており、
前記導電性接着層は、第1応力緩衝部を含み、
前記陰極引出層は、第2応力緩衝部を含まないか、または第2応力緩衝部を含み、
前記導電性接着層および前記陰極引出層の厚さ方向Dおよび長さ方向Dに平行な断面Aにおいて、前記第1応力緩衝部が占める面積が、前記第2応力緩衝部が占める面積より大きい、固体電解コンデンサ。
【請求項2】
前記第1応力緩衝部は、少なくとも1つの第1空隙で構成され、
前記第2応力緩衝部は、少なくとも1つの第2空隙で構成されている、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項3】
前記断面Aにおいて、前記導電性接着層の平均厚さをTとするとき、前記第1空隙の前記厚さ方向Dに平行な方向の長さの最大値aは、0.4T以上T以下である、請求項2に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項4】
前記断面Aにおいて、前記導電性接着層の面積全体に占める前記第1空隙の合計面積の比率は、25%以上75%以下である、請求項3に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項5】
前記導電性接着層は、第1金属粒子と第1樹脂バインダまたはその硬化物とを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項6】
前記陰極引出層は、金属粒子含有層を含み、
前記金属粒子含有層は、前記導電性接着層を介して前記第1部分の少なくとも一部と電気的に接続されており、
前記金属粒子含有層は、第2金属粒子と第2樹脂バインダまたはその硬化物とを含み、
前記陰極引出層が、前記第2応力緩衝部を含む場合、前記第2応力緩衝部は、前記金属粒子含有層に含まれる、請求項1~5のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項7】
陽極部と少なくとも陰極引出層を含む陰極部とを含むコンデンサ素子を準備する第1工程、
前記陰極引出層と第1部分を含む陰極リードフレームの前記第1部分の少なくとも一部との間に導電性接着層を形成して、前記導電性接着層を介して、前記陰極引出層と前記陰極リードフレームとを電気的に接続する第2工程、および
前記コンデンサ素子と前記陰極リードフレームの前記第1部分とを外装体で覆う第3工程、を含み、
前記第2工程は、前記導電性接着層内に第1応力緩衝部を形成するサブステップを含む、固体電解コンデンサの製造方法。
【請求項8】
前記第1応力緩衝部は、少なくとも1つの第1空隙で構成されている、請求項7に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
【請求項9】
前記固体電解コンデンサの前記導電性接着層および前記陰極引出層の厚さ方向および長さ方向に平行な断面Aにおいて、前記導電性接着層の平均厚さをTとするとき、前記第1空隙の前記厚さ方向Dに平行な方向の長さの最大値aは、0.4T以上T以下である、請求項8に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
【請求項10】
前記断面Aにおいて、前記導電性接着層の面積全体に占める前記第1空隙の合計面積の比率は、25%以上75%以下である、請求項9に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
【請求項11】
前記第1工程は、前記陰極引出層内に第2応力緩衝部を形成するサブステップを含み、
前記固体電解コンデンサの前記導電性接着層および前記陰極引出層の厚さ方向Dおよび長さ方向Dに平行な断面Aにおいて、前記第1応力緩衝部が占める面積が、前記第2応力緩衝部が占める面積より大きい、請求項7~10のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
【請求項12】
前記第2応力緩衝部は、少なくとも1つの第2空隙で構成されている、請求項11に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、固体電解コンデンサおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
固体電解コンデンサは、例えば、陽極部および陰極部を含むコンデンサ素子と、コンデンサ素子を封止する外装体とを含む。陽極部または陰極部にはリードの一端部が接続され、他端部は外装体の外部に引き出されて、基板などに搭載するための半田接続などに利用される。陰極部は、例えば、陽極部を構成する陽極体の少なくとも一部の表面を、誘電体層を介して覆う固体電解質層と、固体電解質層の少なくとも一部を覆う陰極引出層とを含む。リードとしては、例えば、リードフレームが使用されることがある。陰極リードは、例えば、陰極引出層の表面に導電性接着層を介して接続される。
【0003】
特許文献1は、陽極体の表面に誘電体皮膜と陰極層とを順次形成してコンデンサ素子を作製する工程と、前記陰極層と陰極端子とを導電性接着剤を介して接続する工程と、を有する固体電解コンデンサの製造方法において、前記導電性接着剤は、銀粉末と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と、希釈剤と、を含有し、前記希釈剤の含有量は0~15重量%であることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法を提案している。
【0004】
特許文献2は、陽極金属層と、誘電体層と、導電性高分子層と、陰極層とを少なくとも備え、前記陰極層はグラファイトフィルム層を少なくとも含み、前記グラファイトフィルム層は前記導電性高分子層と接して形成されており、かつ、前記グラファイトフィルム層の見かけ比重が0.4~1.8g/cmの範囲内である、電解コンデンサを提案している。
【0005】
特許文献3は、多孔質導体を形成する多孔質導体形成工程と、少なくとも固体電解質外層および金属層を含む複数の層からなる導体層を、少なくとも上記多孔質導体の外表面を覆うようにして形成する導体層形成工程と、を含むコンデンサ素子の製造方法であって、上記導体層形成工程において、上記複数の層のうちの少なくとも1つの層は、導電性粒子、バインダおよび溶媒を含む被覆材を塗布した後に上記溶媒を蒸発させることにより形成されることを特徴とする、コンデンサ素子の製造方法を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010-225606号公報
【特許文献2】特開2007-234768号公報
【特許文献3】特開2003-324040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
固体電解コンデンサでは、製造時および製品使用時などに内部に様々な応力が加わり、内部で構成部材における剥離が生じることがある。例えば、高温環境下で充放電を繰り返した場合に、内部に含まれる水分等の膨張によって構成部材に応力が加わり、剥離が生じることがある。剥離が生じる位置によっては、等価直列抵抗(ESR)が顕著に低下する場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1側面は、陽極部および陰極部を含むコンデンサ素子と、
第1部分を含むとともに、前記陰極部に電気的に接続された陰極リードフレームと、
前記コンデンサ素子および前記第1部分を覆う外装体と、を含む固体電解コンデンサであって、
前記陰極部は、少なくとも陰極引出層を含み、
前記陰極引出層は、前記第1部分の少なくとも一部と導電性接着層を介して電気的に接続されており、
前記導電性接着層は、第1応力緩衝部を含み、
前記陰極引出層は、第2応力緩衝部を含まないか、または第2応力緩衝部を含み、
前記導電性接着層および前記陰極引出層の厚さ方向Dおよび長さ方向Dに平行な断面Aにおいて、前記第1応力緩衝部が占める面積が、前記第2応力緩衝部が占める面積より大きい、固体電解コンデンサに関する。
【0009】
本開示の第2側面は、陽極部と少なくとも陰極引出層を含む陰極部とを含むコンデンサ素子を準備する第1工程、
前記陰極引出層と第1部分を含む陰極リードフレームの前記第1部分の少なくとも一部との間に導電性接着層を形成して、前記導電性接着層を介して、前記陰極引出層と前記陰極リードフレームとを電気的に接続する第2工程、および
前記コンデンサ素子と前記陰極リードフレームの前記第1部分とを外装体で覆う第3工程、を含み、
前記第2工程は、前記導電性接着層内に第1応力緩衝部を形成するサブステップを含む、固体電解コンデンサの製造方法に関する。
【発明の効果】
【0010】
固体電解コンデンサ内の構成部材に応力が加わる環境に晒された場合のESRの増加を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の一実施形態に係る電解コンデンサの断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
固体電解コンデンサの陰極部は、固体電解質層および陰極引出層などを含む。そして、陰極引出層には、導電性接着層を介して陰極リードフレームが接続されている。固体電解コンデンサは、陰極側において、このように複数の構成部材が積層された構造を有する。そのため、固体電解コンデンサの内部の構成部材に応力が加わった場合、例えば、固体電解質層と陰極引出層との間、陰極引出層の内部、陰極引出層と導電性接着層との間、導電性接着層の内部、導電性接着層と陰極リードフレームとの間などにおいて剥離が生じ易い。陰極引出層は、例えば、導電性カーボンおよび樹脂バインダまたはその硬化物を含むカーボン層と、金属粒子および樹脂バインダまたはその硬化物を含む金属粒子含有層とを含む。導電性接着層は、例えば、金属粒子および樹脂バインダまたはその硬化物を含む金属粒子含有層である。陰極引出層を構成する金属粒子含有層または導電性接着層を構成する金属粒子含有層は、固体電解質層に比較すると、非常に高い導電性を有する。そのため、金属粒子含有層において、部分的に剥離が生じても、剥離部分を迂回して電気が比較的スムーズに流れるため、ESRの増加はそれほど顕著にならない。一方、陰極引出層を構成するカーボン層は、固体電解質層に比較してもさらに導電性が低い。そのため、カーボン層とカーボン層に隣接する層(固体電解質層、金属粒子含有層など)との間で剥離が生じると、剥離部分を迂回する際に抵抗が大きな部分を電気が流れることとなる。よって、抵抗による電気の損失が顕著になるため、ESRが大きく増加する。そのため、カーボン層または固体電解質層などの導電性が比較的低い層が関与する剥離が生じないようにすることが重要である。
【0013】
上記に鑑み、本開示では、導電性接着層が、応力緩衝部(第1応力緩衝部)を含み、陰極引出層は、応力緩衝部(第2応力緩衝部)を含まないか、または応力緩衝部(第2応力緩衝部)を含む。そして、導電性接着層および陰極引出層の厚さ方向Dおよび長さ方向Dに平行な断面Aにおいて、第1応力緩衝部が占める面積(S1)が、第2応力緩衝部が占める面積(S2)より大きい。このように、高い導電性を有する導電性接着層に占める第1応力緩衝部の面積S1が比較的大きいことで、固体電解コンデンサ内の応力の多くを導電性接着層で緩和することができ、他の部材で剥離が生じることを抑制できる。特に、カーボン層または固体電解質層などの導電性が比較的低い層が関与する剥離が抑制される。よって、固体電解コンデンサ内の構成部材に応力が加わる環境下(例えば、リフロー処理などで固体電解コンデンサが高温に晒された場合)でも、ESRの増加を軽減することができる。
【0014】
なお、導電性接着層における応力緩衝部を第1応力緩衝部と称し、陰極引出層における応力緩衝部を第2応力緩衝部と称する。応力緩衝部とは、各層に加わる応力を緩衝可能(または緩和可能)な部分である。そのため、応力緩衝部は、応力を緩衝または緩和できるように、通常、ある程度のサイズを有している。
【0015】
第1応力緩衝部および第2応力緩衝部のそれぞれは、少なくとも1つの空隙で構成されていてもよい。各応力緩衝部を構成する空隙は、応力を緩衝可能な空隙である。導電性接着層に含まれる、応力を緩衝可能な空隙を第1空隙と称し、陰極引出層に含まれる、応力を緩衝可能な空隙を第2空隙と称する。空隙は、通常、各層を形成する際に応力を緩和可能なサイズの気泡が形成されることで形成される。そのため、空隙は、球状、楕円球状またはこれらに類似する形状であったり、これらが扁平に潰れたような形状であったりすることが多い。例えば、層間剥離などの場合には剥離が広範囲に起こるため、電気が迂回する距離が長くなるためESRが増加し易い。しかし、上記のような形状の空隙では、電気は空隙の周囲に沿って流れるため、迂回する距離が短くなり、陰極リードフレームに向かってスムーズに電気が流れやすく、ESRの増加を抑制し易い。また、意図せずして形成される剥離に比べて、空隙のサイズおよび位置を制御し易いことからも、ESRの増加を抑制し易い。
【0016】
本開示には、固体電解コンデンサの製造方法も包含される。固体電解コンデンサの製造方法は、例えば、コンデンサ素子を準備する第1工程と、コンデンサ素子の陰極引出層と陰極リードフレームとを導電性接着層を介して電気的に接続する第2工程と、コンデンサ素子と陰極リードフレームの一部とを外装体で覆う第3工程を含む。ここで、第2工程は、導電性接着層内に第1応力緩衝部を形成するサブステップを含む。このようなサブステップにより形成された第1応力緩衝部によって、固体電解コンデンサ内の応力の多くを緩和することができ、他の部材で剥離が生じることを抑制できる。よって、固体電解コンデンサ内の構成部材に応力が加わる環境下でも、ESRの増加を抑制することができる。
【0017】
固体電解コンデンサの導電性接着層および陰極部(陰極引出層など)の厚さ方向Dおよび長さ方向Dに平行な断面Aにおいて、導電性接着層の最外表面から誘電体層の表面までの間に存在する空間の、上記厚さ方向Dに平行な方向の長さ(換言すると、空間の厚さ)の最大値をaとし、上記長さ方向Dに平行な方向の長さ(換言すると、空間の長さ)の最大値をbとする。そして、固体電解コンデンサの導電性接着層および陰極部(陰極引出層など)の厚さ方向Dおよび幅方向Dに平行な断面Bにおいて、上記の空間の、上記幅方向Dに平行な方向の長さ(換言すると、空間の幅)の最大値をcとする。このとき、20a≦bおよび20a≦cの少なくとも一方を充足するような大きな空間は、応力が加わる前の導電性接着層および陰極部にはほとんど存在せず、応力が加わった場合に確認されることがある。このような空間は剥離によって形成される空間に相当し、本明細書中、「空隙」とは区別される。それに対し、20a>bおよび20a>cを充足するような空間を、「空隙」と称する。例えば、陽極部が陽極ワイヤを含む場合、陽極ワイヤが突出する方向は、長さ方向Dと平行な方向である。
【0018】
以下、本開示の固体電解コンデンサおよびその製造方法についてより具体的に説明する。
【0019】
[固体電解コンデンサ]
固体電解コンデンサに含まれるコンデンサ素子は、陽極部および陰極部を含む。陰極部(より具体的には陰極引出層)には、陰極リードフレームが導電性接着層を介して電気的に接続されている。固体電解コンデンサは、コンデンサ素子および陰極リードフレームの一部などを覆う外装体を含む。固体電解コンデンサは、陽極部に電気的に接続される陽極リードフレームを有していてもよい。陰極リードフレームおよび陽極リードフレームの各リードフレームでは、外装体内に埋没される部分を第1部分と称し、外装体から外側に引き出される部分を第2部分と称する。
【0020】
本開示の固体電解コンデンサでは、導電性接着層および陰極引出層を除く構成要素に特に限定はなく、公知の固体電解コンデンサに用いられる構成要素を適用してもよい。また、必要に応じて、陰極引出層に、公知の固体電解コンデンサに用いられる陰極引出層の構成要素を適用してもよい。
【0021】
(コンデンサ素子)
コンデンサ素子は、陽極体と、陽極体の表面に形成された誘電体層と、誘電体層の少なくとも一部を覆う陰極部と、を含む。陽極体は陽極部を構成している。
【0022】
(コンデンサ素子)
(陽極部)
陽極部は、陽極体を含む。陽極部は、陽極体と、陽極ワイヤとを含んでもよい。
【0023】
(陽極体)
陽極体は、弁作用金属、弁作用金属を含む合金、および弁作用金属を含む化合物などを含んでもよい。陽極体は、これらの材料を、一種含んでもよく、二種以上を組み合わせて含んでもよい。弁作用金属としては、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタンが好ましい。
【0024】
陽極体は、少なくとも表層に多孔質部を有する。陽極体は多孔質部に微細な細孔を多数有する。このような多孔質部によって、陽極体は、微細な凹凸形状を有する。
【0025】
表層に多孔質部を有する陽極体は、例えば、弁作用金属を含む基材(シート状(例えば、箔状、板状)の基材など)の表面を、粗面化することで得られる。粗面化は、例えば、エッチング処理(電解エッチング、化学エッチングなど)などにより行ってもよい。このような陽極体は、例えば、芯部と芯部の双方の表面に芯部と一体化して形成された多孔質部とを有している。
【0026】
陽極体は、弁作用金属を含む粒子の多孔質の成形体または多孔質の焼結体(多孔質の成形体の焼結体など)でもよい。成形体および焼結体のそれぞれは、シート状の形状であってもよく、直方体、立方体またはこれらに類似の形状などであってもよい。多孔質焼結体としては、例えば、タンタルを含む多孔質焼結体であってもよい。
【0027】
(陽極ワイヤ)
陽極体が多孔質焼結体または多孔質成形体である場合、陽極部は、陽極ワイヤを含んでもよい。陽極ワイヤは、金属からなるワイヤであってもよい。陽極ワイヤの材料の例は、上記の弁作用金属、銅、または銅合金などである。陽極ワイヤの一部は陽極体に埋設され、残りの部分は陽極体の端面から外方に突き出している。
【0028】
(誘電体層)
誘電体層は、例えば、陽極体(より具体的には多孔質部)の少なくとも一部の表面を覆うように形成される。誘電体層は、誘電体として機能する絶縁性の層である。誘電体層は、陽極体の表面の弁作用金属を、化成処理などにより陽極酸化することで形成される。誘電体層は、陽極体の多孔質の表面に形成されるため、誘電体層の表面は、多孔質部の形状に沿って微細な凹凸形状を有する。
【0029】
誘電体層は弁作用金属の酸化物を含む。例えば、弁作用金属としてタンタルを用いた場合の誘電体層はTaを含み、弁作用金属としてアルミニウムを用いた場合の誘電体層はAlを含む。尚、誘電体層はこれらの例に限らず、誘電体として機能すればよい。
【0030】
(陰極部)
陰極部は、陽極体の表面に形成された誘電体層の少なくとも一部を覆うように形成される。本開示では、陰極部は、少なくとも陰極引出層を含む。陰極部(より具体的には陰極引出層)は、陰極リードフレームの第1部分の少なくとも一部と導電性接着層を介して電気的に接続されている。固体電解コンデンサの陰極部は、通常、誘電体層の少なくとも一部を覆う固体電解質層を含む。陰極引出層は、固体電解質層の少なくとも一部を覆っている。
【0031】
(固体電解質層)
固体電解質層は、例えば、導電性高分子(共役系高分子、ドーパントなど)を含む。共役系高分子としては、例えば、π共役系高分子(ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンおよびこれらの誘導体など)を用いてもよい。例えば、ポリチオフェン誘導体には、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)などが包含される。ドーパントとしては、ポリスチレンスルホン酸(PSS)などを用いてもよく、ナフタレンスルホン酸、トルエンスルホン酸などを用いてもよい。
【0032】
固体電解質層は、例えば、共役系高分子の前駆体(モノマー、オリゴマーなど)およびドーパント(ナフタレンスルホン酸、トルエンスルホン酸など)を誘電体層上で化学重合および電解重合の少なくとも一方を利用して重合することにより、形成することができる。あるいは、共役系高分子およびドーパントが溶解した溶液、または、共役系高分子およびドーパントが分散した分散液を、誘電体層に付着させ、乾燥させることによって固体電解質層を形成してもよい。分散媒(溶媒)としては、例えば、水、有機溶媒、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0033】
固体電解質層は、必要に応じて添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、固体電解質層に添加される公知の添加剤(例えば、カップリング剤、シラン化合物)、導電性高分子以外の公知の導電性材料が挙げられる。固体電解質層、または各固体電解質は、これらの添加剤を一種含んでもよく、二種以上組み合わせて含んでもよい。添加剤としての導電性材料としては、例えば、マンガン化合物(二酸化マンガンなど)の導電性無機材料、およびTCNQ錯塩からなる群より選択される少なくとも一種が挙げられる。
【0034】
(陰極引出層)
陰極引出層は、例えば、固体電解質層と接触するとともに固体電解質層の少なくとも一部を覆う導電性の層を含む。陰極引出層は、金属粒子含有層を含んでもよい。この場合、通常、陰極リードフレームの第1部分の少なくとも一部は、導電性接着層を介して金属粒子含有層に電気的に接続している。陰極引出層は、固体電解質層の少なくとも一部を覆う第1層と、第1層の少なくとも一部を覆う第2層とを含んでもよい。例えば、陰極引出層は、第1層としての導電性カーボンを含む層(カーボン層とも称する)と、第2層としての金属粒子含有層とを含んでもよい。
【0035】
カーボン層に含まれる導電性カーボンとしては、例えば、黒鉛(人造黒鉛、天然黒鉛など)が挙げられる。カーボン層は、黒鉛等の導電性炭素材料と樹脂を含む。カーボン層は、例えば、導電性カーボン、分散媒(水性分散媒(水など)など)を含む分散液を、固体電解質層の表面に付与し、乾燥することによって形成される。分散液は必要に応じて、界面活性剤、分散剤、樹脂バインダなどを含んでもよい。分散液の付与は、例えば、分散液に陽極体の固体電解質層が形成された部分を浸漬することによって行ってもよく、固体電解質層の表面に塗布することによって行ってもよい。
【0036】
カーボン層の導電率は、数百S/m程度であり、固体電解質層の導電率は数千から1万S/m程度である。金属粒子含有層および導電性接着層の導電率は、カーボン層の導電率の数千倍から1万倍程度であり、固体電解質層の導電率の100倍から1000倍程度である。カーボン層および固体電解質層の導電率は金属粒子含有層または導電性接着層に比較すると低いため、固体電解質層内、カーボン層内、固体電解質層とカーボン層との間、カーボン層と金属粒子含有層(第2層)との間などで応力の作用によって剥離が生じると、抵抗の増加がESRの増大に大きく影響する。本開示では、導電性接着層中に比較的多くの応力緩衝部(第1応力緩衝部)を形成するため、固体電解コンデンサ内に応力が加わっても、導電性接着層によって応力の多くが緩和され、上記のような提供の増加がESRの増大に大きく影響する箇所での剥離が抑制される。よって、応力が加わる環境に晒された場合でも、ESRの増加を軽減することができる。
【0037】
第2層の金属粒子含有層は、例えば、金属粒子(第2金属粒子)と樹脂バインダ(第2樹脂バインダ)またはその硬化物とを含む。第2金属粒子としては、銀粒子、銀合金粒子、銅粒子などが挙げられる。第2金属粒子は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。第2樹脂バインダとしては、熱可塑性樹脂を用いてもよいが、熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。高い密着性および高い耐熱性を確保しやすい観点からは、硬化性樹脂のうち、エポキシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂などが好ましい。第2樹脂バインダは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。第2樹脂バインダは、熱硬化性樹脂の組成物を構成し得る添加剤(硬化剤、硬化促進剤、触媒など)を含んでもよい。
【0038】
金属粒子含有層は、例えば、第2金属粒子と、第2樹脂バインダと、必要に応じて分散媒とを含む金属ペーストを第1層(カーボン層など)の表面に塗布し、乾燥させることによって形成される。樹脂バインダが熱硬化性樹脂の場合には、金属ペーストの塗膜を加熱することによって、樹脂バインダを硬化させてもよい。乾燥を加熱下で行うことで、分散媒を気化させるとともに、樹脂バインダを硬化させてもよい。分散媒としては、例えば、有機分散媒が用いられる。有機分散媒と水とを併用してもよい。分散媒としては、樹脂バインダを溶解する媒体を用いてもよい。金属ペーストは、必要に応じて、界面活性剤(カチオン界面活性剤など)および分散剤(脂肪酸など)からなる群より選択される少なくとも一種を含んでもよい。
【0039】
陰極引出層は、第2応力緩衝部を含んでもよいが、第2応力緩衝部を含まない方が好ましい。応力緩衝部は、基本的に導電性が低いことに加え、カーボン層は上記のように導電性が比較的低い。また、応力をカーボン層によって緩和すると、緩和できなかった応力がカーボン層や隣接する固体電解質層に加わり、剥離が生じることがある。そのため、固体電解質層、カーボン層、これらの層の間、またはカーボン層と金属粒子含有層(第2層)との間における剥離を抑制するより高い効果を確保する観点からは、少なくともカーボン層(第1層)は、第2応力緩衝部を含まないことが好ましい。換言すると、陰極引出層が第2応力緩衝部を含む場合には、第2応力緩衝部は金属粒子含有層に含まれていることが好ましい。
【0040】
第2応力緩衝部は、例えば、ゴム状重合体の分散相などで構成されていてもよいが、少なくとも1つの空隙(第2空隙)で構成されていることが好ましい。
【0041】
断面Aにおいて、金属粒子含有層の平均厚さをtとするとき、第2空隙の厚さ方向Dに平行な方向の長さ(第2空隙の厚さ)の最大値aは、例えば、0.15t以上t以下であり、0.2t以上t以下であってもよく、0.3t以上t以下であってもよい。これらの範囲において、最大値aの上限は、0.7t以下であってもよい。第2空隙の長さの最大値aがこのような範囲である場合、固体電解コンデンサ内に応力が加わった場合に、導電性接着層だけでなく、陰極引出層(より具体的には金属粒子含有層)でも応力を効果的に緩和することができる。なお、各第2空隙につき、厚さの最大値aが上記の範囲であることが好ましい。
【0042】
断面Aにおいて、金属粒子含有層の面積全体に占める第2空隙の合計面積の比率は、例えば、35%以下であり、25%以下であってもよく、20%以下であってもよい。金属粒子含有層の面積全体に占める第2空隙の合計面積の比率は、例えば、1%以上であってもよい。
【0043】
断面Aにおいて、金属粒子含有層の面積全体に占める金属粒子の合計面積の比率は、例えば、60%以上であり、70%以上であってもよい。金属粒子含有層の面積全体に占める金属粒子の合計面積の比率は、例えば、95%以下である。
【0044】
第2応力緩衝部を含む陰極引出層(より具体的には、金属粒子含有層)は、例えば、金属粒子含有層などの陰極引出層を構成する層を形成する際に、ゴム状弾性体を分散させたり、第2空隙を形成したりすることによって形成できる。ゴム状弾性体の場合には、ゴム状弾性体のtanδなどを調節したり、分散状態を調節したり(例えば、分散相のサイズを調節したり)することによって、応力緩和性を調節することができる。例えば、第2空隙を形成する場合、金属ペーストを調製した後、減圧下で脱泡する際に、減圧の程度および脱泡時間の少なくとも一方を調節したり、金属ペーストを塗布する際にエアディスペンサなどを用いて空気を混入する量を調節したり、金属ペーストの調製に比較的揮発し難い分散媒を用いて、乾燥時間を調節したり、乾燥時の圧力を調節したり、することによって第2空隙を形成したり、第2空隙のサイズを調節したりすることができる。また、金属ペースト中にファインバブル(マイクロバブル、ナノバブルなど)を導入(例えば、吹き込み、バブリング)することによって、ペースト中に気泡を取り込むことで、第2空隙を形成してもよい。この場合、取り込む気泡の量や混合の程度を調節することによって、第2空隙のサイズを調節してもよい。なお、ファインバブルとは、直径100μm以下の気泡であり、マイクロバブルは、直径1μm以上100μm以下の気泡であり、ナノバブルは直径1μm未満の気泡である。
【0045】
金属粒子含有層の平均厚さtは、例えば、5μm以上500μm以下であり、7μm以上300μm以下であってもよく、10μm以上200μm以下であってもよい。
【0046】
本開示では、少なくとも導電性接着層に第1応力緩衝部が形成されていればよい。陰極引出層が第2応力緩衝部を含まない場合には、陰極引出層の構成は、特に限定されず、集電機能を有する構成であればよい。
【0047】
なお、断面A(または断面B)における空隙のサイズ(長さ、幅、厚さ、面積)の計測には、断面の走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)による断面画像が用いられる。断面Aの撮影用のサンプルは、例えば、次の手順で作製できる。まず、固体電解コンデンサを、硬化性樹脂に埋め込んで硬化性樹脂を硬化させる。硬化物を湿式研磨または乾式研磨して、導電性接着層および陰極引出層の厚さ方向Dおよび長さ方向Dに平行な断面(導電性接着層および陰極引出層の各層の積層状態を確認可能な断面)を露出させる。露出した断面を、イオンミリングで平滑化することによって、撮影用のサンプルが得られる。断面Bの場合にも、断面Aの場合に準じて、導電性接着層および陰極引出層の厚さ方向Dおよび幅方向Dに平行な断面を露出させることによってサンプルを形成できる。露出した断面を二値化処理して、空隙と空隙以外の部分(金属粒子および樹脂バインダまたはその硬化物など)とに区分し、空隙の部分について、サイズを求める。ただし、断面画像では、イオンミリングの際にイオンミリングで削り取られた物が空隙の内壁に再付着(redeposit)することがある。再付着物は、本来空隙である部分に付着した状態であるため、空隙のサイズは、再付着物を無視して計測する。なお、SEM画像では、再付着物は、空隙または周囲の層よりも緻密で白く写るため、区別可能である。イオンミリングの際にイオンによる切削痕がSEM画像に写り、空隙のサイズを正しく計測できないことがある。この場合、SEM画像の切削痕を、画像処理ソフト(具体的には、Object Research Systems社製Dragonfly)を用いて除去した後の画像に基づいて、空隙のサイズを計測する。なお、断面Aおける導電性接着層または陰極引出層の全体の面積に占める各層に存在する空隙の合計面積が占める面積比率(%)は、上記の二値化処理を行った画像の空隙と空隙以外の部分とのそれぞれが占める面積比率から算出される。
【0048】
陰極引出層を構成する金属粒子含有層は、導電性接着層に比較して樹脂バインダ(またはその硬化物)の比率が少なく、金属粒子の含有率が多い。そのため、陰極引出層を構成する金属粒子含有層と、導電性接着層との境界は、断面AのSEM画像から、金属粒子または樹脂バインダ(またはその硬化物)の分布状態の相違(例えば、上記の面積比率の相違)によって確定できる。より具体的には、上記のサンプルを用いたSEM画像の空隙以外の部分(金属粒子および樹脂バインダまたはその硬化物など)において、金属粒子の面積比率が少ない(樹脂バインダまたはその硬化物の面積比率が多い)方が、導電性接着層であり、金属粒子の面積比率が多い方が陰極引出層の金属粒子含有層に相当する。
【0049】
金属粒子含有層の平均厚さは、上記のサンプルを用いた断面AのSEM画像から求められる。より具体的には、SEM画像において、金属粒子含有層の任意の複数箇所(例えば、10箇所)の厚さを計測し、平均化することによって平均厚さが求められる。
【0050】
固体電解コンデンサの製造方法は、例えば、陽極部と少なくとも陰極引出層を含む陰極部とを含むコンデンサ素子を準備する第1工程を含む。陰極引出層に第2応力緩衝部を形成する場合には、第1工程が、陰極引出層内に第2応力緩衝部を形成するサブステップを含んでもよい。このとき、断面Aにおける第1応力緩衝部が占める面積S1が、第2応力緩衝部が占める面積S2よりも大きくなるように、第2応力緩衝部が形成される。例えば、第1工程は、陽極部を準備する工程と、陽極部の少なくとも一部の表面に誘電体層を形成する工程と、誘電体層の少なくとも一部を覆うように陰極部を形成する工程とを含んでもよい。陰極部を形成する工程は、例えば、誘電体層の少なくとも一部を覆うように固体電解質層を形成する工程と、固体電解質層の少なくとも一部を覆うように陰極引出層を形成する工程とを含んでもよい。陰極引出層を形成する工程は、例えば、固体電解質層の少なくとも一部を覆う第1層(カーボン層など)を形成する工程と、第1層の少なくとも一部を覆う第2層(金属粒子含有層など)を形成する工程とを含んでもよい。第2層を形成する工程は、第2金属粒子と、第2樹脂バインダと、必要に応じて分散媒とを含む金属ペーストを調製する工程と、金属ペーストを第1層の表面に付与して乾燥(または加熱)する工程とを含んでもよい。第2層を形成する際のいずれかの工程において、上述のように、ゴム状弾性体の分散状態を調節したり、金属ペーストに空気を導入したり、金属ペーストの脱泡の程度を調節したり、金属ペーストに用いる分散媒を選択したり、金属ペーストの塗膜を乾燥または加熱する際に、乾燥または加熱条件を調節したりすることによって、第2応力緩衝部を形成することができる。換言すると、第1工程(より具体的には、第2層を形成する工程)は、第2応力緩衝部を形成するサブステップを含むことができる。このサブステップは、金属ペーストを調製する工程および金属ペーストの塗膜を乾燥または加熱する工程のいずれかに含まれていてもよく、双方に含まれていてもよい(換言すると、双方の工程によって、第2応力緩衝部を形成してもよい)。なお、第1工程については、コンデンサ素子についての上述の説明を参照できる。
【0051】
(導電性接着層)
固体電解コンデンサにおいて、導電性接着層は、陰極引出層(より具体的には、第2層(金属粒子含有層など))と陰極リードフレームの第1部分の少なくとも一部との間に介在する。
【0052】
導電性接着層は、第1応力緩衝部を含む。そして、断面Aにおいて、第1応力緩衝部が占める面積S1が、第2応力緩衝部が占める面積S2より大きい。導電性接着層が比較的多くの第1応力緩衝部を含むことで、固体電解コンデンサ内に応力が加わった場合に、導電性接着層によって応力の多くが緩和され、導電性が低い固体電解質層やカーボン層またはその隣接する層との界面などにおける剥離を抑制することができる。よって、応力が加わる環境に固体電解コンデンサが晒された場合のESRの増加を軽減することができる。
【0053】
第1応力緩衝部は、ゴム状弾性体の分散相などで構成されていてもよいが、少なくとも1つの空隙(第1空隙)で構成することが好ましい。
【0054】
断面Aにおいて、導電性接着層の平均厚さをTとするとき、第1空隙の厚さ方向Dに平行な方向の長さ(第1空隙の厚さ)の最大値aは、0.4T以上T以下であることが好ましく、0.5T以上T以下であってもよく、0.7T以上T以下であってもよい。このように第1空隙の厚さが大きいことで、固体電解コンデンサ内に応力が加わった場合に、応力を緩和する効果をさらに高めることができる。各第1空隙につき、厚さの最大値aが上記の範囲であることが好ましい。
【0055】
導電性接着層の平均厚さTは、例えば、5μm以上1000μm以下であり、7μm以上700μm以下であってもよく、10μm以上500μm以下であってもよい。
【0056】
断面Aにおいて、導電性接着層の面積全体に占める第1空隙の合計面積の比率は、例えば、25%以上であり、30%以上(または35%以上)であってもよく、35%以上(または40%以上)であってもよい。導電性接着層において、第1空隙の合計面積の比率がこのような範囲である場合、固体電解コンデンサ内に応力が加わった場合に、応力を緩和する効果をさらに高めることができる。導電性接着層におけるより高い導電性を確保し易い観点からは、断面Aにおいて、導電性接着層の面積全体に占める第1空隙の合計面積の比率は、例えば、75%以下であり、70%以下または65%以下であってもよい。これらの下限値と上限値とは任意に組み合わせることができる。例えば、第1空隙の合計面積の比率は、25%以上75%以下であってもよく、35%以上70%以下であってもよい。これらの範囲の下限値および上限値の少なくとも一方を上述の数値に変更してもよい。
【0057】
導電性接着層は、例えば、金属粒子(第1金属粒子)と、樹脂バインダ(第1樹脂バインダ)またはその硬化物とを含む。第1金属粒子、第1樹脂バインダについては、例えば、陰極引出層の金属粒子含有層の場合について記載した成分から選択される。第1樹脂バインダは、第2樹脂バインダについて記載した添加剤を含んでもよい。
【0058】
導電性接着層は、第1金属粒子と、第1樹脂バインダと、必要に応じて分散媒とを含む金属ペースト(導電性接着剤とも呼ばれる)を、陰極引出層および陰極リードフレームの一方の表面の一部に塗布し、他方を重ねて接着させ、金属ペーストの塗膜を乾燥させることによって形成される。樹脂バインダが熱硬化性樹脂の場合には、金属ペーストの塗膜を加熱することによって、樹脂バインダを硬化させてもよい。乾燥を加熱下で行うことで、分散媒を気化させるとともに、樹脂バインダを硬化させてもよい。分散媒としては、例えば、有機分散媒が用いられる。有機分散媒と水とを併用してもよい。分散媒としては、樹脂バインダを溶解する媒体を用いてもよい。金属ペースト(導電性接着剤)は、必要に応じて、界面活性剤(カチオン界面活性剤など)および分散剤(脂肪酸など)からなる群より選択される少なくとも一種を含んでもよい。
【0059】
断面Aにおいて、導電性接着層の面積全体に占める金属粒子の合計面積の比率は、例えば、40%以上であり、50%以上であってもよい。金属粒子含有層の面積全体に占める金属粒子の合計面積の比率は、例えば、75%以下である。
【0060】
第1応力緩衝部を含む導電性接着層は、第2応力緩衝部を含む金属粒子含有層の場合に準じて、形成できる。
【0061】
導電性接着層に含まれる空隙のサイズ(長さ、幅、厚さ、面積)の計測は、陰極引出層について記載した手順に準じて行うことができる。導電性接着層の平均厚さについても、金属粒子含有層について記載した手順に準じて求めることができる。
【0062】
固体電解コンデンサの製造方法は、コンデンサ素子に含まれる陰極引出層と第1部分を含む陰極リードフレームの第1部分の少なくとも一部との間に、導電性接着層を形成する第2工程を含む。第2工程では、導電性接着層を介して、陰極引出層と陰極リードフレームとが電気的に接続される。第2工程は、第1工程の後に行われる。
【0063】
第2工程は、例えば、第1金属粒子と、第1樹脂バインダと、必要に応じて分散媒とを含む金属ペースト(導電性接着剤)を調製する工程と、金属ペースト(導電性接着剤)を陰極引出層(より具体的には第2層(金属粒子含有層))および陰極リードフレームの第1部分の一方の表面の一部に付与する工程と、金属ペーストの塗膜を介して、他方を重ねる工程と、塗膜を乾燥(または加熱)して、導電性接着層を形成する工程とを含んでもよい。第2工程のいずれかの工程において、上述のように、ゴム状弾性体の分散状態を調節したり、金属ペーストに空気を導入したり、金属ペーストの脱泡の程度を調節したり、金属ペーストに用いる分散媒を選択したり、金属ペーストの塗膜を乾燥または加熱する際に、乾燥または加熱条件を調節したりすることによって、第1応力緩衝部を形成することができる。換言すると、第2工程は、導電性接着層内に第1応力緩衝部を形成するサブステップを含むことができる。このサブステップは、金属ペーストを調製する工程、金属ペーストの塗膜を乾燥または加熱する工程などのいずれかの工程に含まれていてもよく、双方の工程に含まれていてもよい(換言すると、双方の工程によって、第1応力緩衝部を形成してもよい)。第1応力緩衝部の形成および第1応力緩衝部のサイズの調節は、第2応力緩衝部の場合に準じて行うことができる。第2工程については、導電性接着層に関する上述の説明を参照できる。
【0064】
(リードフレーム)
陽極リードフレームの第1部分の一部(より具体的には端部)は、例えば、陽極ワイヤに電気的に接続される。陽極リードフレームの材質は、電気化学的および化学的に安定であり、導電性を有するものであれば特に限定されない。陽極リードフレームは、例えば銅などの金属であってもよいし、非金属であってもよい。陽極リードフレームは、例えば曲げ加工された金属平板もしくは金属シートであってもよい。
【0065】
陽極リードフレームの端部は、導電性接着剤やはんだにより、陽極ワイヤの突出部に接合されてもよい。また、陽極リードフレームの端部は、抵抗溶接やレーザ溶接により、陽極ワイヤの突出部に接合されてもよい。陽極リードフレームの第2部分は、外装体の外部に露出し、第2部分側の端部は、固体電解コンデンサの搭載面に配置される。
【0066】
陰極リードフレームは、陰極引出層に導電性接着層を介して電気的に接続される。陰極リードフレームの材質、形状、および厚さは、陽極リードフレームのそれらと同じでもよいし、異なってもよい。陰極リードフレームは、例えば曲げ加工された金属平板もしくは金属シートであってもよい。
【0067】
陰極リードフレーム(金属平板もしくは金属シートなど)の厚さ(陰極リードフレームの主面間の距離)は、低背化の観点から、25μm以上、200μm以下であってもよく、25μm以上、100μm以下であってもよい。陰極リードフレームの第2部分は、外装体の外部に露出し、第2部分側の端部は、固体電解コンデンサの搭載面に配置される。
【0068】
(外装体)
外装体は、コンデンサ素子および陰極リードフレームの第1部分を覆う。外装体は、通常、陽極リードフレームの第1部分も覆っている。外装体は、通常、樹脂で形成される。
【0069】
例えば、金型に各リードフレームの第2部分を外部に引き出した状態でコンデンサ素子を収容し、さらに外装体の材料樹脂(例えば、未硬化の熱硬化性樹脂およびフィラー)を金型に収容し、トランスファー成型法、圧縮成型法等により、樹脂を成形することによって、外装体でコンデンサ素子が封止される。
【0070】
固体電解コンデンサは、必要に応じて、樹脂製の外装体の外側に配置されたケースをさらに含んでもよい。ケースは樹脂材料または金属材料などで形成される。ケースを構成する樹脂材料としては、熱可塑性樹脂もしくはそれを含む組成物などが挙げられる。ケースを構成する金属材料としては、例えば、アルミニウム、銅、鉄などの金属あるいはその合金(ステンレス鋼、真鍮なども含む)が挙げられる。
【0071】
固体電解コンデンサの製造方法は、例えば、コンデンサ素子と陰極リードフレームの第1部分とを外装体で覆う第3工程を含んでもよい。第3工程では、通常、陽極リードフレームの第1部分も外装体で覆われる。第3工程は、通常、第2工程の後に行われる。第3工程については、外装体についての上述の説明を参照できる。
【0072】
(その他)
固体電解コンデンサは、少なくとも1つのコンデンサ素子を含んでおり、2つ以上のコンデンサ素子を含んでもよい。2つ以上のコンデンサ素子を各リードフレームの第2部分を引き出した状態で、外装体で封止してもよい。
【0073】
図1は、本開示の一実施形態に係る固体電解コンデンサの断面模式図である。
固体電解コンデンサ20は、陽極部6および陰極部7を含むコンデンサ素子10と、コンデンサ素子10を封止する外装体11と、陽極部6に電気的に接続した陽極リードフレーム13と、陰極部7と電気的に接続した陰極リードフレーム14と、を含む。陽極リードフレーム13および陰極リードフレーム14は、それぞれ、外装体11内に埋没している第1部分と、外装体11から外部に露出している第2部分とを有する。
【0074】
陽極部6は、陽極体1と陽極ワイヤ2とを有する。陽極ワイヤ2の一部は、陽極体1内に埋没した状態であり、残部は陽極体1の外面より外側に突出している。この陽極ワイヤ2の突出した部分に、陽極リードフレーム13の第1部分の一部が溶接等によって接合され、電気的に接続している。
【0075】
陽極体1の表面には誘電体層3が形成されている。陰極部7は、誘電体層3の少なくとも一部を覆う固体電解質層4と、固体電解質層4の少なくとも一部の表面を覆う陰極引出層5とを有する。陰極引出層5は、固体電解質層4の少なくとも一部の表面を覆うように形成されたカーボン層と、カーボン層の少なくとも一部を覆うように形成された金属粒子含有層とを有している。そして、陰極リードフレーム14の第1部分の一部は、導電性接着層8を介して、陰極引出層5(より具体的には、金属粒子含有層)と接着され、電気的に接続されている。本開示では、導電性接着層8および陰極引出層5(好ましくは、金属粒子含有層)の厚さ方向および長さ方向に平行な断面Aにおいて、第1応力緩衝部が占める面積(S1)が、第2応力緩衝部が占める面積(S2)より大きい。そのため、固体電解コンデンサ20の内部に応力が加わっても、応力の多くを導電性接着層8で緩和することができ、他の部材で剥離が生じることを抑制できる。よって、固体電解コンデンサ内の構成部材に応力が加わる環境下(例えば、リフロー処理などで固体電解コンデンサが高温に晒された場合)でも、ESRの増加を抑制することができる。
【0076】
[実施例]
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0077】
《実施例1~3および比較例1》
下記の要領で、固体電解コンデンサを作製し、その特性を評価した。
【0078】
(1)誘電体層を有する陽極体の準備
陽極体として、陽極ワイヤの一部が埋設されたタンタル焼結体(多孔質体)を準備した。このタンタル焼結体の表面を陽極酸化することによって、陽極体の表面に酸化タンタルを含む誘電体層を形成した。
【0079】
(2)固体電解質層の形成
液状分散体にタンタル焼結体を30~60秒程度浸漬した後、液状分散体からタンタル焼結体を引き上げ、140~180℃で10~20分間加熱した。液状分散体への浸漬と加熱とを複数回繰り返した。このようにして、固体電解質層を形成した。液状分散体としては、PSSがドープされたPEDOTを1~4質量%の濃度で含む水性分散液を用いた。
【0080】
(3)陰極引出層の形成
固体電解質層が形成されたタンタル焼結体を、黒鉛粒子を水に分散した分散液に浸漬し、分散液から取り出し後、乾燥することにより、固体電解質層の表面にカーボン層(第1層)を形成した。乾燥は、180℃で10~30分間行った。
【0081】
次いで、銀粒子と樹脂バインダ(エポキシ樹脂)とを含む銀ペーストを真空下で十分に脱泡処理した。脱泡処理した銀ペーストを、カーボン層の表面に、塗布し、60~80℃で20~40分間乾燥した後、さらに180℃で30~60分間加熱することで樹脂バインダを硬化させ、金属粒子含有層(第2層)を形成した。
こうして、カーボン層と金属粒子含有層とで構成される陰極引出層を形成し、固体電解質層と陰極引出層とで構成された陰極部を含むコンデンサ素子を作製した。
【0082】
(4)陰極リードフレームの接続
上記(3)で得られたコンデンサ素子の陰極引出層(より具体的には金属粒子含有層)と、陰極リードフレームとを、導電性接着剤を用いて接着させ、160℃で60分間加熱することによって、導電性接着層を形成した。導電性接着層は陰極引出層と陰極リードフレームとの互いに対向する面全体を覆うように形成した。導電性接着剤は、銀粒子(平均粒子径D50:0.5~5μm)と、樹脂バインダとしての液状のエポキシ樹脂と、カチオン系界面活性剤、分散剤としての脂肪酸とを混合し、減圧下で脱泡処理を行うことによって調製した。実施例では、脱泡処理の条件(圧力を高めにしたり、時間を短くしたりするなど)、乾燥条件(乾燥時の温度を高めにしたり、乾燥時間を短くしたり、乾燥を軽度の減圧下または大気圧下で行ったりするなど)、混合条件(エアディスペンサを用いて混合したり、ファインバブルなどを導入しながら混合したりするなど)などを調節することによって、導電性接着層内に形成される第1応力緩衝部を構成する第1空隙を形成するとともに、そのサイズを調節した。なお、実施例では、既述の手順で求められる、導電性接着層の平均厚さTに対して、第1空隙の厚さ方向に平行な方向の長さの最大値aは、0.4T以上T以下であり、第1空隙のアスペクト比b/aおよびc/aは、いずれも20未満であった。
【0083】
比較例1では、導電性接着剤の脱泡処理を真空下で十分に行うとともに、導電性接着剤を陰極引出層と陰極リードフレームとの間に付与した後に、真空中で160℃にて60分間加熱することによって、導電性接着層を形成した。比較例1では、導電性接着層内には、ほとんど空隙が観察されず、観察される場合でも、導電性接着層の厚さ方向に平行な方向の空隙の長さの最大値は、0.4T未満(より具体的には、0.1T~0.4T程度)であり、応力を緩衝するほとんど得られないサイズであった。
【0084】
(5)陽極リードフレームの接続
コンデンサ素子から突出した陽極ワイヤの一部に、陽極リードフレームの第1部分の一部(より具体的には端部)をレーザ溶接により接合した。
【0085】
(6)固体電解コンデンサの組み立て
トランスファモールド法により、コンデンサ素子の周囲に、絶縁性樹脂で形成された樹脂製の外装体を形成した。このとき、陽極リードフレームの第1部分と、陰極リードフレームの第1部分は、外装体に埋没した状態であり、各リードフレームの第2部分は、外装体から引き出した状態とした。
このようにして、合計20個の固体電解コンデンサを完成させた。
【0086】
(7)評価
(a)空隙の比率
既述の手順で、断面Aにおいて、導電性接着層の面積全体に占める第1空隙(第1応力緩衝部)の合計面積(S1)の比率および金属粒子含有層の面積全体に占める第2空隙(第2応力緩衝部)の合計面積(S2)の比率を求めた。
【0087】
(b)ESR
固体電解コンデンサを用いて、下記の手順でESRの測定を行った。
まず、20℃の環境下で、4端子測定用のLCRメータを用いて、固体電解コンデンサの周波数100kHzにおける初期のESR(mΩ)を測定した。そして、20個の固体電解コンデンサにおける平均値を求めた。
【0088】
次いで、固体電解コンデンサに、IPC/JEDEC J-STD-020Dに則ったリフロー処理を行った。具体的には、固体電解コンデンサを、保持温度:150~200℃、および保持時間:180秒以内で予備加熱した。予備加熱後の固体電解コンデンサを、255℃以上の温度(最高温度260℃)で30秒間加熱した。このときの最高温度260℃での加熱は10秒以内とした。次いで、25℃まで10分かけて冷却し、この加熱と冷却とをさらに2回(つまり、合計3回)繰り返した。
【0089】
リフロー処理を行った固体電解コンデンサを、125℃雰囲気の恒温槽に収容し、定格電圧を印加した状態で1000時間保持することによって、加速試験を行った。その後、初期のESRの場合と同様の手順で、20℃環境下でESRを測定し、20個の固体電解コンデンサの平均値(加速試験後のESR)を求めた。初期のESRの平均値を100としたときの、加速試験後のESRの平均値の相対値を求めた。
【0090】
評価結果を表1に示す。表1において、E1~E3は、実施例であり、C1は、比較例1である。
【0091】
【表1】
【0092】
表1に示されるように、比較例では、加速試験後のESRは、顕著に増加した。比較例の陰極部の断面AのSEMで観察したところ、カーボン層と固体電解質層との間において広範囲の領域で剥離が見られた。また、カーボン層と金属粒子含有層との間にも剥離が見られた。このように比較例では、比較的導電性が低い部分で剥離が生じていることから、陰極部における抵抗の増加が大きくなったことで、加速試験後のESRが顕著に増加したと考えられる。
【0093】
一方、実施例では、比較例に比べると、加速試験後のESRの増加は低く抑えられている。実施例の陰極部の断面AのSEM画像を観察したところ、導電性接着層内に比較的大きなサイズの空隙(第1空隙)が形成されており、比較例のようなカーボン層と固体電解質層との間やカーボン層と金属粒子含有層との間の剥離は見られなかった。また、実施例1~2では、導電性接着層と陰極引出層との間に剥離が見られたが、ESRの増加は低く抑えられている。実施例では、リフロー処理や加速試験で固体電解コンデンサ内部に応力が生じても、第1空隙によって、応力の多くが緩和され、抵抗が増加する部分での剥離が抑制され、陰極部における導電性の低下が軽減されたと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本開示の固体電解コンデンサでは、リフロー処理などの高温に晒される環境など、内部の構成部材に応力が加わる環境に晒された場合のESRの増加が軽減される。よって、高い信頼性または高い耐熱性などが求められる用途に適している。しかし、固体電解コンデンサの用途はこれらのみに限定されない。
【符号の説明】
【0095】
20:電解コンデンサ
10:コンデンサ素子
1:陽極体
2:陽極ワイヤ
3:誘電体層
4:固体電解質層
5:陰極引出層
6:陽極部
7:陰極部
8:導電性接着層
11:外装体
13:陽極リードフレーム
14:陰極リードフレーム
図1