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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147939
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】ガラスモール
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/04 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
B60R13/04 B
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055729
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】三宅 秀明
【テーマコード(参考)】
3D023
【Fターム(参考)】
3D023AA01
3D023AB01
3D023AC08
3D023AC26
(57)【要約】
【課題】 ガラスモールとボデーとの接着力の低下を抑制することが可能なガラスモールを提供すること。
【解決手段】 ボデー2の開口部22に取り付けられるガラス3の端部33と開口部22との間に設けられるガラスモールA1であって、ガラス3は、z方向のz1側に位置する外面31およびz2側に位置する内面32を有し、ガラス3の内面32よりもz方向においてz2側に位置する第1部101と、z方向において第1部101と内面32との間に位置し、且つx方向において第1部101に対してx1側に位置する第2部102と、を備え、第1部101と、x方向において第1部101よりもx2側に位置する部分と、のいずれかまたは双方に、ガラスプライマ4が塗布されるガラスプライマ塗布領域が設定され、x方向において前記ガラスプライマ塗布領域よりもx1側に位置する部分を含む領域に、モールプライマ5が塗布されるモールプライマ塗布領域が設定される。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボデーの開口部に取り付けられるガラスの端部と前記開口部との間に設けられるガラスモールであって、
前記ガラスは、厚さ方向の一方側に位置する外面および他方側に位置する内面を有し、
前記ガラスの前記内面よりも前記厚さ方向において前記他方側に位置する第1部と、
前記厚さ方向において前記第1部と前記内面との間に位置し、且つ前記厚さ方向と直交する第1方向において前記第1部に対して一方側に位置する第2部と、を備え、
前記第1部と、前記第1方向において前記第1部よりも他方側に位置する部分と、のいずれかまたは双方に、ガラスプライマが塗布されるガラスプライマ塗布領域が設定され、
前記第1方向において前記ガラスプライマ塗布領域よりも前記一方側に位置する部分を含む領域に、モールプライマが塗布されるモールプライマ塗布領域が設定される、ガラスモール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスモールに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の本体をなす構造体であるボデーには、種々の目的で樹脂製部品が取り付けられる。特許文献1には、ボデーに取り付けられる従来のルーフモールの一例が開示されている。このルーフモールは、ルーフに形成された溝部に取り付けられる。同文献においては、ルーフモールの組付性を阻害することなく、溝部からの離脱を防止することを目的とした構成が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-96602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ボデーに取り付けられる樹脂製部品としては、たとえばルーフ部に設けられた開口部を塞ぐルーフガラスとボデーとの取り付けに用いられるガラスモールがある。ガラスモールは、ガラスからなるルーフガラスと金属等からなるボデーとの双方に適切に接合されることが求められる。この際に用いられる接着剤の接着力を向上させるために、ガラスプライマとモールプライマとが用いられる場合がある。これらのガラスプライマとモールプライマとが混ざってしまうと、たとえばガラスプライマがモールプライマを溶かしてしまい、ガラスモールとボデーとの接着力が低下する等の問題が懸念される。
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、ガラスモールとボデーとの接着力の低下を抑制することが可能なガラスモールを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供されるガラスモールは、ボデーの開口部に取り付けられるガラスの端部と前記開口部との間に設けられるガラスモールであって、前記ガラスは、厚さ方向の一方側に位置する外面および他方側に位置する内面を有し、前記ガラスの前記内面よりも前記厚さ方向において前記他方側に位置する第1部と、前記厚さ方向において前記第1部と前記内面との間に位置し、且つ前記厚さ方向と直交する第1方向において前記第1部に対して一方側に位置する第2部と、を備え、前記第1部と、前記第1方向において前記第1部よりも他方側に位置する部分と、のいずれかまたは双方に、ガラスプライマが塗布されるガラスプライマ塗布領域が設定され、前記第1方向において前記ガラスプライマ塗布領域よりも前記一方側に位置する部分を含む領域に、モールプライマが塗布されるモールプライマ塗布領域が設定される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ガラスモールとボデーとの接着力の低下を抑制することができる。
【0008】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係るガラスモールおよびガラスモール取付構造体が適用された車両を示す要部斜視図である。
図2図1のII-II線に沿う要部拡大断面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るガラスモールおよびガラスモール取付構造体の変形例を示す要部拡大断面図である。
図4】本発明の第2実施形態に係るガラスモールおよびガラスモール取付構造体を示す要部拡大断面図である。
図5】本発明の第3実施形態に係るガラスモールおよびガラスモール取付構造体を示す要部拡大断面図である。
図6】本発明の第4実施形態に係るガラスモールおよびガラスモール取付構造体を示す要部拡大断面図である。
図7】本発明の第5実施形態に係るガラスモールおよびガラスモール取付構造体を示す要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0011】
本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単に識別のために用いたものであり、それらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0012】
図1および図2は、本発明の第1実施形態に係るガラスモールおよびガラスモール取付構造体を示している。本実施形態のガラスモール取付構造体B1は、ガラスモールA1、ボデー2、ルーフガラス3、ガラスプライマ4、モールプライマ5および接着剤6を備えている。
【0013】
ボデー2は、車両の本体をなす構造体であり、たとえばメッキおよび塗装等が施された鉄鋼材料等からなる。ボデー2は、ルーフ部21を有している。本実施形態においては、ルーフ部21に開口部22が設けられている。開口部22は、ルーフガラス3が取り付けられる箇所である。なお、本発明における開口部は、ルーフ部21に設けられた部位に限定されない。ボデー2の前面、側面および後面等に設けられた開口部であってもよい。
【0014】
ルーフガラス3は、本発明におけるガラスの一例であり、ルーフ部21の開口部22にガラスモールA1を介して取り付けられる。本発明の開口部が、ルーフ部21以外の部位に設けられる場合、ルーフガラス3に代えて他の名称のガラスが用いられる構成となってもよい。本実施形態のルーフガラス3は、z方向を厚さ方向としており、外面31、内面32および端部33を有する。なお、説明の便宜上、z方向における一方側(図中上側)をz1側と称し、他方側(図中下側)をz2側と称する。
【0015】
外面31は、z方向においてz1側を向く面である。内面32は、z方向においてz2側を向く面である。端部33は、ルーフガラス3の周端部である。図2は、図1における車両の進行方向であるx方向において一方側(x1側と称する)に位置する端部33を示している。また、説明の便宜上、x方向における他方側をx2側と称する。また、車両の幅方向を、y方向と称する。なお、以降の説明においては、x方向が本発明の第1方向である場合を例に説明するがこれに限定されず、x方向以外のy方向(車両の幅方向)等が本発明の第1方向となってもよい。
【0016】
ガラスモールA1は、ボデー2の開口部22とルーフガラス3との間に介在し、ルーフガラス3を開口部22に取り付けるためのものである。ガラスモールA1は、ルーフガラス3が略矩形状である場合に、ルーフガラス3の4辺に取り付けられても良いし、3辺、2辺、または1辺のみに取り付けられる構成であってもよい。図2に示すガラスモールA1は、ルーフガラス3の端部33に沿ってy方向に延びている。たとえば、ガラスモールA1がルーフガラス3の4辺に取り付けられる場合、ガラスモールA1は、矩形環状に形成される。ガラスモールA1は、ゴム、樹脂等の材質からなり、たとえばPVC(ポリ塩化ビニル)からなる。
【0017】
図2に示すように、ガラスモールA1は、第1凸部11、凹部12、第2凸部13、ガラス当接凹部14、舌部15、第1部101、第2部102および第3部103を有する。
【0018】
ガラス当接凹部14は、ルーフガラス3の端部33に当接する部分であり、図示された例においては、x方向のx1側に凹む凹部として形成されている。ガラス当接凹部14にルーフガラス3の端部33が収容されることにより、ガラスモールA1は、ルーフガラス3に取り付けられている。なお、ルーフガラス3とガラスモールA1との取付構造(固定構造)は、ガラス当接凹部14を用いた構造に限定されず、種々の係合構造であってもよいし、接合が用いられた構造であってもよい。
【0019】
第1凸部11は、z方向においてルーフガラス3に対して内面32が向く側であるz2側に突出した部分である。凹部12は、第1凸部11に対してx方向のx1側に位置しており、z方向のz1側に凹んでいる。本実施形態においては、第1凸部11と凹部12とは、x方向において互いに隣り合っている。第2凸部13は、凹部12に対してx方向のx1側に位置しており、z方向のz2側に突出している。本実施形態においては、凹部12と第2凸部13とは、x方向において互いに隣り合っている。
【0020】
第1部101は、z方向においてルーフガラス3の内面32からz2側に位置する部分である。本実施形態においては、第1部101は、第1凸部11の先端面によって構成されている。なお、第1部101は、面である構成に限定されず、たとえば第1凸部11の先端縁であってもよい。第2部102は、z方向において第1部101と内面32との間に位置し、且つx方向において第1部101に対してx1側に位置する部分である。本実施形態においては、第2部102は、凹部12の底面によって構成されている。なお、第2部102は、面である構成に限定されず、たとえば凹部12の底縁であってもよい。また、第3部103は、第1部101よりもx方向のx2側に位置する部分である。図示された例においては、第3部103は、第1凸部11のx方向のx2側を向く側面によって構成されている。
【0021】
舌部15は、x方向のx1側に延出する薄肉状の部位である。舌部15は、たとえば、ルーフ部21の一部に当接することにより、水分等の浸入を抑制する等の機能を果たす。なお、ガラスモールA1は、舌部15を有さない構成であってもよい。
【0022】
ガラスプライマ4は、ルーフガラス3と接着剤6との接着強度を高めるためのものであり、従来公知の種々の下塗り剤等が適宜用いられる。本発明では、第1部101と、第1部101に対してx方向のx2側に位置する部分と、のいずれかまたは双方に、ガラスプライマ4が塗布されるガラスプライマ塗布領域が設定される。言い換えると、第1部101のうちx方向において最もx1側に位置する部位(端縁)よりもx2側に位置する領域に、ガラスプライマ塗布領域が設定される。ガラスプライマ4は、ルーフガラス3の内面32のうち端部33近傍の部分に塗布されている。また、図示された例においては、ガラスプライマ4は、ガラスモールA1のうち第3部103に塗布されている。本例においては、第1部101には、ガラスプライマ4は塗布されていない。
【0023】
モールプライマ5は、ガラスモールA1と接着剤6との接着強度を高めるためのものであり、従来公知の種々の下塗り剤等が適宜用いられる。本発明では、x方向において前記ガラスプライマ塗布領域よりもx1側に位置する部分を含む領域に、モールプライマ5が塗布されるモールプライマ塗布領域が設定される。言い換えると、第1部101のうちx方向において最もx1側に位置する部位(端縁)よりもx1側に位置する部分を含む領域に、モールプライマ塗布領域が設定される。図示された例においては、モールプライマ5は、ガラスモールA1のうち凹部12に塗布されている。モールプライマ5は、凹部12の内面のすべてに塗布されている。すなわち、凹部12の内面は、本実施形態のモールプライマ塗布領域である。本例においては、凹部12のうち第2部102よりもx方向のx2側に位置する部分(凹部12の図中左側内面)にモールプライマ5が塗布されているものの、第1部101には、モールプライマ5は塗布されていない。
【0024】
接着剤6は、ルーフガラス3およびガラスモールA1とボデー2とを接着するものであり、種々の従来公知の樹脂系接着剤等が適宜用いられる。接着剤6は、ルーフガラス3の内面32のうちガラスプライマ4が塗布された領域およびガラスモールA1のうちガラスプライマ4が塗布された領域(ガラスプライマ塗布領域)と、ガラスモールA1のうちモールプライマ5が塗布された領域(モールプライマ塗布領域)と、に接している。すなわち、接着剤6は、第1凸部11のx方向のx2側から第1部101を超えて凹部12の内部に充填されている。また、本実施形態においては、接着剤6は、主に、第2凸部13よりもx方向のx2側の領域に設けられている。
【0025】
次に、ガラスモールA1の作用について説明する。
【0026】
本実施形態によれば、モールプライマ塗布領域がガラスプライマ塗布領域よりもx1側にはみ出している。このはみ出したモールプライマ塗布領域において、ガラスモールA1とボデー2との接着剤6による接着力の低下を抑制することができる。また、ガラスモールA1において、第1部101と第2部102とが、x方向において互いに隣り合い且つz方向の位置が異なる、段差形状を構成している。たとえば、ガラスモール取付構造体B1の取付作業において、予めモールプライマ5が塗布されたガラスモールA1をルーフガラス3に取り付け、その後にガラスプライマ4を塗布する場合を想定する。第1部101と第2部102との段差形状が存在することにより、ガラスプライマ4を塗布する際に、第1部101よりもx方向のx1側に及ばないように、ガラスプライマ4をより容易且つ確実に塗布することが可能である。したがって、モールプライマ塗布領域がガラスプライマ塗布領域よりもx1側にはみ出した構成をより確実に実現可能であり、塗布作業の負担軽減や塗布時間の短縮を図ることができる。さらに、本例のように、モールプライマ5をガラスモールA1に塗布する際に、第1部101に及ばないように、モールプライマ5をより容易且つ確実に塗布することが可能である。この場合、ガラスプライマ4とモールプライマ5とが意図せず混じり合うことを抑制することができる。
【0027】
接着剤6が、凹部12に充填されていることにより、接着剤6によるガラスモールA1の接着強度を好適に高めることが可能である。
【0028】
本実施形態においては、第1部101を挟んでx方向の両側にガラスプライマ塗布領域とモールプライマ塗布領域とが分かれて設定されている。これにより、ガラスプライマ4とモールプライマ5とが混ざることをより確実に防止することができる。第1部101は、第1凸部11の先端面である。これにより、たとえば、ガラスプライマ4を塗布する際に、ガラスプライマ4を塗布するための刷毛等を第1凸部11のx方向のx2側の側面(第3部103)に沿わせるように塗布することが可能である。このような塗布作業は、作業者の注意負担を軽減可能であり、また作業時間の短縮が可能である。
【0029】
図3図7は、本発明の変形例および他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。また、各変形例および各実施形態における各部の構成は、技術的な矛盾を生じない範囲において相互に適宜組み合わせ可能である。
【0030】
図3は、本発明の第1実施形態に係るガラスモールおよびガラスモール取付構造体の変形例を示している。本変形例のガラスモール取付構造体B11は、ガラスモールA11を備えている。ガラスモールA11においては、第2部102に加えて、第1部101と第3部103の一部とに、モールプライマ5が塗布されており、当該領域にモールプライマ塗布領域が設定されている。一方、ガラスプライマ4は、第3部103に加えて第1部101に塗布されており、当該領域にガラスプライマ塗布領域が設定されている。すなわち、ガラスモールA11では、第1部101と第3部103の一部とにおいて、ガラスプライマ塗布領域とモールプライマ塗布領域とが重複している。図中においては、理解の便宜上、斜線模様の太線で表されたガラスプライマ4とハーフトーンの太線で表されたモールプライマ5とが重なり合った態様で、これらの領域の重複を表現している。
【0031】
ガラスモールA11においても、モールプライマ5が第2部102に塗布されていることにより、モールプライマ塗布領域は、ガラスプライマ塗布領域よりもx方向のx1側にはみ出した構成となっている。これにより、ガラスモールA11とボデー2との接着剤6による接着力の低下を回避することができる。また、本変形例から理解されるように、モールプライマ塗布領域が、ガラスプライマ塗布領域よりもx方向のx1側にはみ出した構成であれば、ガラスプライマ塗布領域とモールプライマ塗布領域とが部分的に重複する構成であってもよい。
【0032】
図4は、本発明の第2実施形態に係るガラスモールおよびガラスモール取付構造体を示している。本実施形態のガラスモール取付構造体B2は、ガラスモールA2を備えている。ガラスモールA2の断面構造は、上述のガラスモールA1と同様である。ガラスモールA2は、アウター部111およびインナー部112を有する。
【0033】
アウター部111とインナー部112とは、元々別体の部品として形成されている。たとえば、インナー部112は、アウター部111とは別に、ルーフガラス3の内面32に予め固定されている。アウター部111は、インナー部112に対してx方向のx1側に位置しており、インナー部112と当接するようにルーフガラス3の端部33に取り付けられている。
【0034】
インナー部112は、ガラスモールA2のうちx方向のx2側に位置する部分であり、上述の第1凸部11に相当する部位である。アウター部111は、ガラスモールA2のうちx方向のx1側に位置する部分である。本実施形態においては、アウター部111の一部とインナー部112の一部とによって、凹部12が構成されている。
【0035】
本実施形態によっても、ガラスモールA2とボデー2との接着剤6による接着力の低下を抑制することが可能である。また、本実施形態から理解されるように、本発明のガラスモールは、一体の部品として形成されていてもよいし、複数の部品からなる構成であってもよい。
【0036】
図5は、本発明の第3実施形態に係るガラスモールおよびガラスモール取付構造体を示している。本実施形態のガラスモール取付構造体B3は、ガラスモールA3を備えている。ガラスモールA3は、第1凸部11および凹部12を有し、上述の実施形態における第2凸部13に相当する部位を有していない。ガラスモールA3は、底面16を有する。底面16は、凹部12に対してx方向のx1側に位置しており、z方向のz2側を向く面である。図示された例においては、底面16は、z方向における位置が第1部101と略同じである。
【0037】
本実施形態においては、ガラスプライマ4が塗布されるガラスプライマ塗布領域は、第1部101および第3部103に設定されている。また、モールプライマ5が塗布されるモールプライマ塗布領域は、底面16に設定されている。
【0038】
本実施形態によっても、ガラスモールA3とボデー2との接着剤6による接着力の低下を抑制することが可能である。また、本実施形態においては、凹部12を挟んでx方向の両側にガラスプライマ塗布領域とモールプライマ塗布領域とが分かれて設定されている。このような構成によっても、ガラスプライマ4とモールプライマ5とが混ざることを防止することができる。このように、凹部12を挟んでガラスプライマ4とモールプライマ5とを塗り分ける構成においても、第1部101と第2部102とによる段差形状が寄与している。
【0039】
図6は、本発明の第4実施形態に係るガラスモールおよびガラスモール取付構造体を示している。本実施形態のガラスモール取付構造体B4は、ガラスモールA4を備えている。ガラスモールA4は、第1凸部11を有するものの、上述の実施形態における凹部12を有していない。
【0040】
ガラスモールA4では、第1凸部11に対してx方向のx1側に位置し、かつx方向において第1部101と内面32との間に位置する平面部分が設けられており、この平面部分が、第2部102を構成している。同図においては、第1部101および第3部103にガラスプライマ塗布領域が設定されており、第2部102にモールプライマ塗布領域が設定されている。
【0041】
本実施形態によっても、ガラスモールA4とボデー2との接着剤6による接着力の低下を抑制することが可能である。また、本実施形態から理解されるように、第1部101および第2部102を有する構成には、第1凸部11を有するものの凹部12を有さない構成が含まれる。
【0042】
図7は、本発明の第5実施形態に係るガラスモールおよびガラスモール取付構造体を示している。本実施形態のガラスモール取付構造体B5は、ガラスモールA5を備えている。ガラスモールA5は、第1凸部11および凹部12の構成が、上述のガラスモールA1と異なっている。
【0043】
ガラスモールA5では、第1凸部11は、断面三角形状である。この場合、第1部101は、第1凸部11の先端縁によって構成されている。また、凹部12は、断面三角形状の溝である。この場合、第2部102は、凹部12の底縁によって構成されている。
【0044】
本実施形態によっても、ガラスモールA5とボデー2との接着剤6による接着力の低下を抑制することが可能である。また、本実施形態から理解されるように、第1部101は、面、先端縁等の種々の部位によって構成され、第2部102は、面、底縁等の種々の部位によって構成される。
【0045】
本発明に係るガラスモールは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るガラスモールの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0046】
A1,A11,A2,A3,A4,A5:ガラスモール
B1,B11,B2,B3,B4,B5:ガラスモール取付構造体
2 :ボデー
3 :ルーフガラス
4 :ガラスプライマ
5 :モールプライマ
6 :接着剤
11 :第1凸部
12 :凹部
13 :第2凸部
14 :ガラス当接凹部
15 :舌部
16 :底面
21 :ルーフ部
22 :開口部
31 :外面
32 :内面
33 :端部
101 :第1部
102 :第2部
103 :第3部
111 :アウター部
112 :インナー部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7