(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014800
(43)【公開日】2023-01-31
(54)【発明の名称】食器選別装置
(51)【国際特許分類】
A47L 15/24 20060101AFI20230124BHJP
B65G 47/30 20060101ALI20230124BHJP
【FI】
A47L15/24
B65G47/30 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021118958
(22)【出願日】2021-07-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 企業への納品 納品日:令和2年10月1日 納品場所:株式会社第一食品本社工場
(71)【出願人】
【識別番号】000116699
【氏名又は名称】株式会社アイホー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】仙波 寛之
(72)【発明者】
【氏名】小澤 茂功
【テーマコード(参考)】
3B082
3F081
【Fターム(参考)】
3B082AA03
3B082AA07
3F081AA18
3F081BA01
3F081BC04
3F081BD02
3F081BD15
3F081CC08
3F081DA08
3F081DA10
3F081DA11
(57)【要約】
【課題】複数種の食器が一度に大量に搬送された場合であっても、複数種の食器を種類ごとに、正確に選別することができる食器選別装置を提供する。
【解決手段】食器選別装置1の整列部3は、食器を搬送する主搬送面12Aが形成されたコンベヤベルト12を有する第1コンベヤ11と、第1コンベヤ11上に配置され、第1コンベヤ11の主搬送面12Aに対して立設するように副搬送面22Aが形成されたサイドベルト22を有した複数のサイドコンベヤ21と、を備える。複数のサイドコンベヤ21、21、…は、第1コンベヤ11の幅方向の一方縁18aから下流側に向かってコンベヤベルト12の中央側に傾斜したサイドベルト22と、第1コンベヤ11の幅方向の他方縁18bから下流に向かってコンベヤベルト12の中央側に傾斜したサイドベルト22とが、第1コンベヤ11の搬送方向Pに沿って交互に、第1コンベヤ11上に配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種の食器を種類ごとに選別するための食器選別装置であって、
前記食器選別装置は、前記複数種の食器を搬送しながら搬送方向に沿って単列に整列させる整列部を少なくとも備えており、
前記整列部は、食器を搬送する主搬送面が形成されたコンベヤベルトを有する第1コンベヤと、前記第1コンベヤ上に配置され、前記第1コンベヤの主搬送面に対して立設するように副搬送面が形成されたサイドベルトを有した複数のサイドコンベヤと、を備え、
前記複数のサイドコンベヤは、前記第1コンベヤの幅方向の一方縁から下流側に向かって前記コンベヤベルトの中央側に、前記第1コンベヤの搬送方向に対して傾斜したサイドベルトと、前記第1コンベヤの幅方向の他方縁から下流に向かって前記コンベヤベルトの中央側に、前記第1コンベヤの搬送方向に対して傾斜したサイドベルトとが、前記第1コンベヤの搬送方向に沿って交互に、前記第1コンベヤ上に配置されていることを特徴とする食器選別装置。
【請求項2】
前記副搬送面の搬送速度は、前記主搬送面の搬送速度よりも速く、
下流側の前記副搬送面の搬送速度は、上流側の前記副搬送面の搬送速度より速いことを特徴とする請求項1記載の食器選別装置。
【請求項3】
前記整列部は、前記サイドコンベヤごとに、前記サイドコンベヤを吊下げ固定する吊下げ部を有し、
前記吊下げ部は、前記第1コンベヤの幅方向にわたって延在し、前記第1コンベヤの搬送方向に対して間隔を空けて配置された一対のレールを備えており、
前記サイドコンベヤは、前記一対のレールに吊下げられた状態で、前記各レールに対してスライド自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の食器選別装置。
【請求項4】
前記食器選別装置は、前記整列部で整列した食器を種類ごとの食器に選別する選別部を備え、
前記選別部は、前記整列部の前記第1コンベヤの下流端に配置された第2コンベヤと、
前記第2コンベヤで搬送される食器を種類に合わせて選別する複数の選別ガイドを備え、
前記各選別ガイドは、前記第2コンベヤの搬送方向に傾斜した状態で、前記第2コンベヤの搬送面に対して、各種類の食器の高さに応じて設定された隙間が、前記第2コンベヤの下流に進むに従って小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の食器選別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種の食器を種類ごとに選別するための食器選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術として、たとえば、特許文献1には、整列した食器を種類ごとの食器に選別する食器選別装置が開示されている。この食器選別装置は、食器を搬送するコンベヤと、コンベヤで搬送される食器を種類に合わせて選別する複数の選別ガイドと、を備えている。各選別ガイドは、コンベヤの搬送方向に傾斜した状態で、コンベヤの搬送面に対して、食器の種類に応じた隙間を形成している。各選別ガイドの隙間の大きさは、搬送方向の下流に進むにしたがって、小さくなっている。
【0003】
このように、コンベヤに対して、選別ガイドを設けることにより、隙間よりも高さが高い食器は選別ガイドに接触し、隙間よりも高さが低い食器は選別ガイドを通過させることができる。これにより、高さが高い食器から順に、搬送方向の上流側の各選別ガイドに接触させ、各選別ガイドに接触した食器を、選別ガイドに沿って誘導させることができる。このようにして、同じ種類の食器を選別ガイドでコンベヤの脇に誘導し、種類ごとに食器を選別することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示すような食器選別装置を用いたとしても、複数種の食器が一度に大量に流れてきた場合には、複数種の食器を、その種類ごとに正確に選別できないことがある。したがって、食器選別装置として、複数種の食器を、コンベヤで搬送しながら、手作業で選別するような装置を用いた場合には、このような選別はさらに難しくなる。
【0006】
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、複数種の食器が一度に大量に搬送された場合であっても、複数種の食器を種類ごとに、正確に選別することができる食器選別装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を鑑みて、本発明に係る食器選別装置は、複数種の食器を種類ごとに選別するための食器選別装置であって、前記食器選別装置は、前記複数種の食器を搬送しながら搬送方向に沿って単列に整列させる整列部を少なくとも備えており、前記整列部は、食器を搬送する主搬送面が形成されたコンベヤベルトを有する第1コンベヤと、前記第1コンベヤ上に配置され、前記第1コンベヤの主搬送面に対して立設するように副搬送面が形成されたサイドベルトを有した複数のサイドコンベヤと、を備え、前記複数のサイドコンベヤは、前記第1コンベヤの幅方向の一方縁から下流側に向かって前記コンベヤベルトの中央側に、前記第1コンベヤの搬送方向に対して傾斜したサイドベルトと、前記第1コンベヤの幅方向の他方縁から下流に向かって前記コンベヤベルトの中央側に、前記第1コンベヤの搬送方向に対して傾斜したサイドベルトとが、前記第1コンベヤの搬送方向に沿って交互に、前記第1コンベヤ上に配置されていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、整列部に導入された食器は、第1コンベヤのコンベヤベルトに形成された主搬送面に載置された状態で、搬送される。その際、一部の食器は、第1コンベヤの主搬送面に対して立設する副搬送面が形成されたサイドベルトに接触することがある。
【0009】
ここで、複数のサイドコンベヤは、第1コンベヤの幅方向の一方縁から下流側に向かってコンベヤベルトの中央側に、主搬送面の搬送方向に対して傾斜したサイドベルトと、第1コンベヤの幅方向の他方縁から下流に向かってコンベヤベルトの中央側に、主搬送面の搬送方向に対して傾斜したサイドベルトとが、第1コンベヤの搬送方向に沿って交互に、第1コンベヤ上に配置されている。これにより、複数の食器は、第1コンベヤの幅方向の中央側に寄せられながら、第1コンベヤの搬送方向に沿って、整列するようになる。このような結果、複数種の食器が一度に大量に流れてきた場合であっても、複数の食器は、単列化して選別部に搬送されるため、複数種の食器を種類ごとに、正確に選別することができる。
【0010】
ここで、複数の食器が、整列部により単列化して搬送されるのであれば、主搬送面の搬送速度と副搬送面の搬送速度とが、異なる搬送速度であってもよい。しかしながら、より好ましい態様としては、前記副搬送面の搬送速度は、前記主搬送面の搬送速度よりも速く、下流側の副搬送面の搬送速度は、上流側の副搬送面の搬送速度より速い。
【0011】
この態様によれば、主搬送面の搬送速度よりも副搬送面の搬送速度を速くすることにより、主搬送面に塊となって搬送される複数の食器のうち、副搬送面に接触した食器は、他の食器よりも先に搬送方向の下流に押し出され、搬送方向に整列する作用が働く。さらに、上流側の副搬送面の搬送速度よりも下流側の副搬送面の搬送速度は速いため、主搬送面で搬送される食器は、下流に進むに従って、搬送方向に沿って間隔を広げて単列化され易くなる。
【0012】
また、サイドコンベヤの副搬送面が、第1コンベヤの主搬送面に対して立設されるのであれば、サイドコンベヤの取り付け構造は、特に限定されるものではないが、より好ましい態様としては、前記整列部は、前記サイドコンベヤごとに、前記サイドコンベヤを吊下げ固定する吊下げ部を有し、前記吊下げ部は、前記第1コンベヤの幅方向にわたって延在し、前記第1コンベヤの搬送方向に対して間隔を空けて配置された一対のレールを備えており、前記サイドコンベヤは、前記一対のレールに吊下げられた状態で、前記各レールに対してスライド自在に取り付けられている。
【0013】
この態様によれば、サイドコンベヤは、一対のレールに吊下げられた状態で、各レールに対してスライド自在に取り付けられているので、第1コンベヤ(主搬送面)の搬送方向に対するサイドベルトの傾斜角度と搬送方向に対する幅方向の位置とを簡単に調整することができる。さらに、主搬送面に、たとえば、ホテルパンなど大型容器を載置して、これを搬送する際には、各サイドコンベヤを、レールに沿ってスライドさせながら、第1コンベヤの幅方向の一方縁または他方縁に寄せることができる。これにより、主搬送面で搬送されるホテルパンなど大型容器から、サイドコンベヤを簡単に退避させることができる。
【0014】
ここで、食器選別装置は、整列部の下流側において、選別部で整列された(単列化された)食器をさらに搬送するコンベヤを新たに設置し、このコンベヤに搬送される食器を、その種類ごとに手作業で選別してもよい。また、食器を選別する選別部として、異径サイズの孔を設けることにより複数の食器を選別して孔から落下させて選別する装置、食器の種類をカメラで判定し、この判定結果に基づいてロボットでその種類ごとの食器を拾い上げて選別する装置、搬送される食器を振り分ける装置など種々の装置であってもよい。しかしながら、より好ましい態様としては、前記食器選別装置は、前記整列部で整列した食器を種類ごとの食器に選別する選別部を備え、前記選別部は、前記整列部の前記第1コンベヤの下流端に配置された第2コンベヤと、前記第2コンベヤで搬送される食器を種類に合わせて選別する複数の選別ガイドを備え、前記各選別ガイドは、前記第2コンベヤの搬送方向に傾斜した状態で、前記第2コンベヤの搬送面に対して、各種類の食器の高さに応じて設定された隙間が、前記第2コンベヤの下流に進むに従って小さくなるように形成されている。
【0015】
この態様によれば、第1コンベヤで、単列化して第2コンベヤに搬送された複数の食器のうち、高さが高い食器は、第2コンベヤの上流側に設置された選別ガイドに接触し、高さが低い食器は、当該選別ガイドと第2コンベヤの搬送面との隙間を通過する。選別ガイドに接触した高さの高い食器は、上流側より隙間の小さい選別ガイドに接触した後、接触した選別ガイドに案内されながら、第2コンベヤの脇に寄せられる。
【0016】
このようにして、複数の食器から、高さが高い食器を、選別することができる。高さが異なる複数の食器が大量に搬送されたとしても、これらの食器は、整列部により単列化されるため、本来、選別ガイドと第2コンベヤの搬送面を通過すべき高さが低い食器が、高さが高い食器の脇への移動に巻き込まれることなく、高さが低い食器が、選別ガイドで案内されてしまうことを防止することができる。
【0017】
さらに、この態様によれば、各選別ガイドは、各種類の食器の高さに応じて設定された隙間が第2コンベヤの下流に進むに従って小さくなるように形成されているので、上流側の選別ガイドを通過した高さが低い食器は、下流側の隙間の小さい選別ガイドに接触した後、接触した選別ガイドに案内されながら、第2コンベヤの脇に寄せられる。このようにして、整列部で、複数種の食器が単列に整列された後、選別部で、食器を一枚ずつ正確に選別することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、複数種の食器が一度に大量に搬送された場合であっても、複数種の食器を種類ごとに、正確に選別する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】(a)は、本発明の実施形態に係る食器選別装置の全体平面図であり、(b)は、(a)に示す食器選別装置の側面図である。
【
図2】(a)は、
図1(a)に示す整列部のうち、一方側のサイドコンベヤの要部斜視図であり、(b)は、
図1(a)に示す整列部のうち、他方側のサイドコンベヤの要部斜視図である。
【
図3】
図2(b)に示すサイドコンベヤを吊下げ固定する吊下げ部の分解斜視図である。
【
図4】(a)は、
図2に示すサイドコンベヤが食器の搬送位置にある平面図であり、(b)は、
図2に示すサイドコンベヤが退避位置にある平面図である。
【
図5】
図1(a)に示す選別部の模式的斜視図である。
【
図6】(a)は、第2コンベヤの上流側の選別ガイドの側面図であり、(b)は、その下流側の選別ガイドの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の実施形態に係る食器選別装置を、
図1~
図6を参照しながら、説明する。
【0021】
1.食器選別装置1について
図1(a)および(b)に示すように、本実施形態に係る食器選別装置1は、複数種の食器を種類ごとに選別するため装置であり、たとえば、使用後に、食器洗浄装置で洗浄された複数の食器が選別され、選別された食器は、選別された種類の食器ごとに、所定の食器カゴ91に収納される。食器選別装置1は、複数種の食器を搬送しながら搬送方向Pに沿って単列に整列させる整列部3と、整列部3で整列した食器を種類ごとの食器に選別する選別部6と、を備えている。
【0022】
2.整列部3の第1コンベヤ11について
整列部3は、第1コンベヤ11と、複数のサイドコンベヤ21とを備えている。第1コンベヤ11は、食器を搬送する主搬送面12Aが形成されたコンベヤベルト12を有している。本実施形態では、第1コンベヤ11は、第1コンベヤ11の搬送方向Pの上流側から順に、第1~第3搬送部11A~11Cにより構成されている。第1~第3搬送部11A~11Cの搬送方向Pは、同じ方向である。
【0023】
3つの第1~第3搬送部11A~11Cのそれぞれには、コンベヤベルト12が設けられており、各コンベヤベルト12は、駆動スプロケット14Aおよび従動スプロケット14Bを掛け渡したチェーンベルトである。
【0024】
図1(a)に示すように、駆動スプロケット14Aには、モータ15が連結されている。モータ15は、電源ケーブル(図示せず)に接続されており、電源ケーブルから供給された電力により駆動することができる。モータ15を駆動することにより、コンベヤベルト12の主搬送面12Aを、搬送方向Pに沿って移動させることができる。なお、モータ15の回転速度は、制御装置(図示せず)等を介して調整可能であり、これにより、コンベヤベルト12の搬送速度を調整することができる。本実施形態では、第1~第3搬送部11A~11Cの搬送速度は、下流に進むに従って、速くなるように設定されている。
【0025】
第1搬送部11Aの上流側の側部(一方側の側部)には、第1搬送部11Aに洗浄された食器を投入するための投入シュート18Aが設けられている。投入シュート18Aと対向する第1コンベヤ11の側部(他方側の側部)には、投入シュート18Aから投入された食器の落下を防止するための落下防止ガイド18Bが設けられている。
【0026】
第2搬送部11Bは、第2搬送部11Bの搬送方向Pの上流側の端部が、第1搬送部11Aの搬送方向Pの下流側に端部に対して、下方に位置するように、上流側に進むに従って下方に傾斜している。第1搬送部11Aの下流側の端部と、第2搬送部11Bの上流側の端部とを渡すように、シュート19が配置されている。同じようにして、第2搬送部11Bと第3搬送部11Cとの間、第3搬送部11Cと後述する選別部6の第2コンベヤ61との間にも、シュート19が設けられている。
【0027】
本実施形態では、上述した如く、第1~第3搬送部11A~11Cの搬送速度は、下流に進むに従って速くなるように設定されている。これにより、食器が、上流の搬送部11A(11B)から下流の搬送部11B(11C)に乗り移る際、シュート19を滑り、下流側の搬送部11B(11C)へ先に滑り落ちた食器は、シュート19を滑り落ちる前の食器(すなわち上流側の食器)より速く搬送される。このようにして、先に滑り落ちた食器と、その後に滑り落ちた食器との搬送方向に対する間隔が、拡げられるようになる。
【0028】
3.整列部3のサイドコンベヤ21について
サイドコンベヤ21(21A~21C)は、第1~第3搬送部11A~11Cごとに、コンベヤベルト12上に配置されている。サイドコンベヤ21は、サイドベルト22を有しており、サイドベルト22には、第1コンベヤ11の主搬送面12Aに対して立設するように副搬送面22Aが形成されている。
【0029】
サイドコンベヤ21のサイドベルト22は、水平方向に互いに離間して配置された駆動ローラ24Aと従動ローラ24Bとに掛け渡されている。駆動ローラ24Aには、モータ25が連結されており、モータ25は、電源ケーブル(図示せず)に接続されており、電源ケーブルから供給される電力により駆動することができる。モータ25を駆動することにより、駆動ローラ24Aが回転し、サイドベルト22の副搬送面22Aを、移動させることができる。なお、モータ25の回転速度は、制御装置(図示せず)等を介して、調整可能であり、これにより、サイドベルト22の搬送速度を調整することができる。
【0030】
本実施形態では、
図2(a)、(b)、および後述する
図4(a)に示すように、各サイドコンベヤ21が食器の搬送位置にある状態で、3つのサイドコンベヤ21のサイドベルト22が、第1コンベヤ11の搬送方向Pに対して傾斜している。
【0031】
具体的には、3つのサイドコンベヤ21(21A~21C)は、第1コンベヤ11の幅方向の一方縁18aから下流側に向かってコンベヤベルト12の中央側に、第1コンベヤ11の搬送方向Pに対して傾斜したサイドベルト22と、第1コンベヤ11の幅方向の他方縁18bから下流に向かってコンベヤベルト12の中央側に、第1コンベヤ11の搬送方向に対して傾斜したサイドベルト22とが、第1コンベヤ11の搬送方向Pに沿って、交互に配置されるように、第1コンベヤ11上に配置されている。本実施形態では、サイドコンベヤ21を3つ設けたが、2つ、または、4つ以上設けてもよい。
【0032】
ここで、最も上流側に配置されたサイドコンベヤ21Aは、投入シュート18Aと対向する第1コンベヤ11の側部(他方側の側部)に配置されており、落下防止ガイド18Bよりも下流側に配置されている。このように配置することにより、投入シュート18Aから投入される多くの食器が、第1コンベヤ11に投入されたとしても、これらの食器は、サイドベルト22の始端側(上流端部側)から、案内されて整列されるようになる。このため、サイドベルト22による整列効果を十分により効果的に発揮することができる。
【0033】
さらに、本実施形態では、第1~第3搬送部11A~11Cごとに、各サイドベルト22の副搬送面22Aの搬送速度は、コンベヤベルト12(具体的には、対応する第1~第3搬送部11A~11C)の主搬送面12Aの搬送速度よりも速くなるように、設定されている。さらに、下流側の副搬送面22Aの搬送速度は、上流側の副搬送面22Aの搬送速度より速くなるように、各搬送速度が設定されている。
【0034】
このようにして、本実施形態によれば、整列部3に導入された食器は、第1コンベヤ11のコンベヤベルト12に形成された主搬送面12Aに載置された状態で、搬送される。その際、一部の食器は、第1コンベヤ11の主搬送面12Aに対して立設する副搬送面22Aが形成されたサイドベルト22に接触することがある。
【0035】
ここで、各サイドコンベヤ21は、一方縁18aから下流側に向かってコンベヤベルト12の中央側に傾斜したサイドベルト22と、他方縁18bから下流に向かってコンベヤベルト12の中央側に傾斜したサイドベルト22とが、第1コンベヤ11の搬送方向Pに沿って、交互に配置されている。これにより、複数の食器は、第1コンベヤ11の幅方向の中央側に寄せられながら、第1コンベヤ11の搬送方向に沿って整列するとともに、搬送方向に沿って単列化され易くなる。このような結果、複数種の食器が一度に大量に流れてきた場合であっても、複数の食器は、単列化して選別部6に搬送されるため、複数種の食器を種類ごとに、正確に選別することができる。
【0036】
特に、本実施形態では、第1~第3搬送部11A~11Cにおいて、副搬送面22Aの搬送速度を、主搬送面12Aの搬送速度よりも速くしたので、主搬送面12Aに塊となって搬送される複数の食器のうち、副搬送面22Aに接触した食器には、他の食器よりも先に第1コンベヤ11の搬送方向Pの下流に押し出され搬送方向に整列される作用が働く。さらに、上述した如く、第1~第3搬送部11A~11Cの搬送速度が、下流に進むに従って速くなるように設定されているので、主搬送面12Aで搬送される食器は、下流に進むに従って単列へ整列されるとともに、搬送方向Pの間隔が広げられた状態で搬送されるようになる。
【0037】
本実施形態では、すべてのサイドベルト22の傾斜角度の大きさは、搬送方向に対して同じであったが、搬送方向Pの下流に進むに従って、第1コンベヤ11の搬送方向Pに対するサイドベルト22の傾斜角度の大きさを、大きくしてもよい。具体的には、第1~第3搬送部11A~11Cの順に、傾斜角度の大きさを、大きくしてもよい。
【0038】
上流のサイドベルト22の傾斜角度は、一度に流れる食器の量が多いため抵抗にならない程度に下流側より若干小さく設定されるが、下流のサイドベルト22では食器が整列化され一度に流れる食器の数が減るので、搬送方向Pに対して傾斜角度を大きくしても搬送の抵抗にはならない。下流のサイドベルト22では、搬送方向Pに正対するサイドベルト22の面積が広くなることから、食器の整列効果をより効果的に発揮され、効率よく食器を整列することができる。
【0039】
4.サイドコンベヤ21の吊下げ構造について
図2の(a)および(b)に示すように、整列部3は、サイドコンベヤ21ごとに、サイドコンベヤ21を吊下げ固定する吊下げ部31を有している。吊下げ部31は、第1コンベヤ11の幅方向にわたって延在し、第1コンベヤ11の搬送方向Pに対して間隔を空けて配置された一対のレール32、32を備えている。
【0040】
具体的には、各レール32は、第1コンベヤ11の両側から、上方に延在した一対の支柱33、33に連結されている。このようにして、整列部3は、レール32と、一対の支柱33、33により、サイドコンベヤ21を吊下げる門型構造が形成され、この門型構造により、サイドコンベヤ21を、レール32に支持することができる。
【0041】
サイドコンベヤ21は、一対のレール32、32に吊下げられた状態で、各レール32、32に対してスライド自在に取り付けられている。具体的には、サイドコンベヤ21は、L字状のアングル等で成形された支持梁35を介して、一対のレール32、32に取り付けされている。支持梁35の両側には、支持梁35の長手方向に沿って延在した長孔35a、35aが形成されている。
【0042】
本実施形態では、サイドコンベヤ21には、上方に延在した吊下げ部材36が取り付けられており、吊下げ部材36の上端部36aと、支持梁35とが、ネジまたはボルトなどの固定具を介して、連結されている。これにより、吊下げ部材36を介して、サイドコンベヤ21を、支持梁35に支持することができる。
【0043】
図3に示すように、各レール32には、支持梁35の端部を取り付けるためブラケット37が、レール32に対してスライド自在に挿通されている。ブラケット37は、支持梁35に形成された長孔35aを介して、固定ハンドル38とともに、支持梁35を挟持している。
【0044】
本実施形態では、ブラケット37は、一対のプレート部37a、37aと、一対のプレート部37a、37aを連結する4本の連結柱37b、37b、…と、を備えている。ブラケット37は、一対のプレート部37a、37aの間であって、連結柱37b、37b同士の間の空間に、レール32を挿通することにより、レール32に対してスライド自在となる。本実施形態では、上側のプレート部37aには、上側のプレート部37aを貫通するネジ孔37cが形成されている。
【0045】
固定ハンドル38は、上下方向に延在するシャフト部38aと、シャフト部38aの上端側に形成され水平方向に延在した把持部38bと、を有している。シャフト部38aの先端には、雄ネジからなるネジ部38cが形成されている。固定ハンドル38は、支持梁35の長孔35aを介して、プレート部37aのネジ孔37cにネジ部38cを螺着させ、これを締め込むことにより、固定ハンドル38とプレート部37aとで、支持梁35を挟持し、レール32に支持梁35を固定することができる。一方、固定ハンドル38は、ネジ孔37cに対するネジ部38cの締め込みを緩めることにより、ブラケット37をレール32に対してスライド自在とすることができる。
【0046】
さらに、
図3に示すように、各レール32には、各サイドコンベヤ21が食器の搬送位置にある状態で、各サイドコンベヤ21のサイドベルト22が、第1コンベヤ11の搬送方向Pに対して傾斜して配置されるように、スライドさせたサイドコンベヤ21を位置決めするストッパ39が固定されている。
【0047】
このようにして、
図4(a)に示す搬送位置まで、サイドコンベヤ21を移動させることができる。具体的には、各サイドコンベヤ21は、一対のレール32、32に吊下げられた状態で、各レール32に対してスライド自在に取り付けられているので、主搬送面12Aの搬送方向Pに対するサイドベルト22の傾斜角度を簡単に調整することができる。本実施形態では、各レール32にストッパ39を設けたので、ストッパ39に当接するまで、ブラケット37を当接させると、サイドベルト22の傾斜角度を所望の角度に位置決めすることができる。
【0048】
さらに、主搬送面12Aに、たとえば、ホテルパンなど大型容器を載置して、これを搬送する際には、
図4(b)に示すように、各サイドコンベヤ21を、レール32に沿ってスライドさせながら、第1コンベヤ11の幅方向の一方縁18aまたは他方縁18bに寄せることができる。これにより、主搬送面12Aで搬送されるホテルパンなど大型容器から、サイドコンベヤ21を簡単に一時的に退避させることができる。ホテルパンの搬送が終了したら、ストッパ39に当たるまでスライドして戻すことで、元の位置と角度の状態へ簡単に設置することができる。
【0049】
5.選別部6について
選別部6は、整列部3で整列した食器を種類ごとの食器に選別する装置であり、たとえば、異径サイズの孔による落下分離する装置、カメラ判定によりロボットで食器を拾い上げるピックアップ装置、振り分け装置など種々の装置が採用されてもよい。本実施形態では、
図1(a)に示すように、選別部6は、整列部3の第1コンベヤ11の下流端に配置された第2コンベヤ61と、第2コンベヤ61で搬送される食器を種類に合わせて選別する複数の(具体的には4つの)選別ガイド71、71、…(71A~71D)を備えている。
【0050】
図1(b)に示すように、第2コンベヤ61は、コンベヤベルト62を有しており、コンベヤベルト62は、駆動スプロケット64Aと従動スプロケット64Bとに掛け渡されている。駆動スプロケット64Aには、モータ(図示せず)が連結されている。モータは、電源ケーブル(図示せず)に接続されており、電源ケーブルから供給される電力により駆動することができる。モータを駆動することにより、駆動スプロケット64Aが回転し、コンベヤベルト62を、コンベヤベルト62の搬送方向Pに移動させることができる。コンベヤベルト62の搬送速度は、第1コンベヤ11のコンベヤベルト12の主搬送面12Aの搬送速度(具体的には、第3搬送部11Cの主搬送面12Aの搬送速度)よりも、速くなるように設定されている。これにより、第1コンベヤ11から第2コンベヤ61に食器が移るので、搬送方向に対する食器と食器との間隔をさらに広げることができる。
【0051】
図5に示すように、各選別ガイド71は、第2コンベヤ61に対して着脱自在に、第2コンベヤ61に取り付けられている。選別ガイド71は、ガイド本体72と、ガイド本体72のうち、食器と接触する表面に取り付けられた樹脂製の受け板76と、を備えている。
【0052】
ガイド本体72の両側には、ガイド本体72から垂下する差し込みロッド73が取り付けられており、差し込みロッド73は、第2コンベヤ61の両側に固着されたブラケット66A、66Bの貫通孔に挿通される。これにより、選別ガイド71のガイド本体72を、第2コンベヤ61の搬送方向に対して、特定の角度で傾斜するように、位置決めして配置することができる。
【0053】
さらに、ガイド本体72の両側には、第2コンベヤ61の搬送面62Aに対して、選別ガイド71の高さを調整する高さ調整機構77を有している。高さ調整機構77は、ガイド本体72に取り付けられ、上下方向に貫通したネジ孔が形成されたベース部材77Aと、ベース部材77Aのネジ孔に螺着する高さ調整シャフト(高さ調整ボルト)77Bと、を有している。高さ調整シャフト77Bの端部(具体には、本実施形態のボルト頭部)は、第2コンベヤ61の両側に固着されたブラケット66A、66Cに当接している。高さ調整シャフト77Bを、ベース部材77Aに対して回動させることにより、選別ガイド71の高さを調整することができる。
【0054】
本実施形態では、このような高さ調整機構77により、各選別ガイド71は、第2コンベヤ61の搬送方向Pに傾斜した状態で、第2コンベヤ61の搬送面62Aに対して、各種類の食器の高さに応じて設定された隙間Sが、第2コンベヤ61の下流に進むに従って小さくなるように形成されている。具体的には、
図1(a)、(b)に示す選別ガイド71A~71Dは、これらの順に、隙間Sが小さくなっている。
【0055】
ここで、第2コンベヤ61に取り付けられたガイド本体72の両側のうち、第2コンベヤ61の搬送方向Pの下流側の端部は、搬送方向Pに沿って下流側に延在した延在部75を有している。具体的には、延在部75は、搬送方向Pに対して傾斜した端部から、搬送方向Pに沿って下流側に延在しており、この延在部75の端部に、差し込みロッド73と高さ調整機構77のベース部材77Aとが取り付けられている。このようにして、搬送方向Pと傾斜した選別ガイド71に沿って縁に寄せられるように案内される食器が、差し込みロッド73や高さ調整機構77のベース部材77A等と接触することを回避し、食器に傷が付いたり、食器が損傷したりすることを防止することができるとともに、食器をスムーズに食器カゴに落下させることができる。
【0056】
なお、本実施形態では、一方側のブラケットは、差し込みロッド73が挿通されるブラケット66Aの貫通孔が形成され、高さ調整シャフト77Bの端部が当接する当接部が形成された1つのブラケットであるが、例えば、他方側のブラケット66B、66Cの如く、2つのブラケットで構成されていてもよい。
【0057】
このようにして、本実施形態によれば、
図6(a)に示すように、第1コンベヤ11で、単列化して第2コンベヤ61に搬送された複数の食器のうち、最も高さh1が高い食器D1は、第2コンベヤ61の上流側で選別ガイド71Aに接触し、それよりも高さh2が低い食器D2は、選別ガイド71Aと第2コンベヤ61の搬送面62Aとの隙間S1を通過する。
【0058】
選別ガイド71Aに接触した高さの高い食器D1は、選別ガイド71Aに接触した後、接触した選別ガイド71Aに案内されながら、
図1(a)に示すように、第2コンベヤ61の脇に寄せられて、テーブル92に載置された食器カゴ91に集められる。このようにして、複数の食器から、高さh1が高い食器D1を、選別することができる。
【0059】
さらに、
図6(b)に示すように、上流側の選別ガイド71Aを通過した高さh2が低い食器D2は、それよりも下流側において、高さh2よりも隙間S2が小さい選別ガイド71Bに接触した後、接触した選別ガイド71Bに案内されながら、第2コンベヤ61の脇に寄せられる。このようにして、他の選別ガイド71C、71Dにおいても同じように作用することで、整列部3で、複数種の食器が単列に整列された後、選別部6で、食器を一枚ずつ正確に選別することができる。
【0060】
このように、高さが異なる複数の食器が大量に搬送されたとしても、これらの食器は、整列部3により単列化されるため、本来、選別ガイド71と第2コンベヤ61の搬送面62Aを通過すべき高さh2が低い食器D2が、高さh1が高い食器D1の脇への移動に巻き込まれることなく、高さh2が低い食器D2が、選別ガイド71Aで案内されてしまうことを防止することができる。
【0061】
以上、本発明のいくつか実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲および明細書に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
【符号の説明】
【0062】
1:食器選別装置、3:整列部、6:選別部、11:第1コンベヤ、12:コンベヤベルト、12A:主搬送面、21:サイドコンベヤ、22:サイドベルト、22A:副搬送面、31:吊下げ部、32:レール、P:搬送方向