(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148010
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】端末装置、ピッキングシステム、プログラムおよびピッキング方法
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
B65G1/137 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055831
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】山本 祐司
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522CC01
3F522DD03
3F522DD22
3F522DD32
3F522DD33
3F522EE19
3F522FF02
3F522FF03
3F522FF12
3F522GG13
3F522GG18
3F522GG23
3F522GG24
3F522GG32
3F522GG34
3F522HH13
3F522HH19
3F522HH22
3F522HH25
3F522HH37
3F522LL42
3F522LL57
(57)【要約】
【課題】倉庫内における位置と進行方向とを検知すること。
【解決手段】物品が保管される物品保管棚に貼付された複数のロケーションタグと、物品に貼付された電子タグとを検知可能な検知装置と通信する端末装置であって、端末装置は、ピッキング対象の物品が保管される物品保管棚の位置と、前記ピッキング対象の物品の情報と含むピッキング指示を表示し、前記検知装置が複数のロケーションタグを連続して検知したことに基づいて、倉庫内における前記検知装置の位置と、前記検知装置の進行方向とを倉庫内レイアウト図に重畳表示する表示部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品が保管される物品保管棚に貼付された複数のロケーションタグと、物品に貼付された電子タグとを検知可能な検知装置と通信する端末装置であって、
ピッキング対象の物品が保管される物品保管棚の位置と、前記ピッキング対象の物品の情報と含むピッキング指示を表示し、
前記検知装置が複数のロケーションタグを連続して検知したことに基づいて、倉庫内における前記検知装置の位置と、前記検知装置の進行方向とを倉庫内レイアウト図に重畳表示する表示部と、
を備える端末装置。
【請求項2】
前記ピッキング指示を受信する受信部と、
前記ピッキング対象の物品の前記電子タグを前記検知装置が検知したことに基づいて、前記ピッキング対象の物品のピッキングが完了したことを通知する通知部と、
前記ピッキング指示に基づくピッキング対象の物品の全てのピッキングが完了したことに基づいて、完了報告を送信する報告送信部と、
を備える請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
物品が保管される物品保管棚に貼付された複数のロケーションタグと、物品に貼付された電子タグとを検知可能な検知装置と、端末装置と、サーバ装置とを備えるピッキングシステムであって、
ピッキング対象の物品が保管される物品保管棚の位置と、前記ピッキング対象の物品の情報と含むピッキング指示を送信する指示送信部と、
前記ピッキング指示を表示し、
前記検知装置が複数のロケーションタグを連続して検知したことに基づいて、倉庫内における前記検知装置の位置と、前記検知装置の進行方向とを倉庫内レイアウト図に重畳表示する表示部と、
を備えるピッキングシステム。
【請求項4】
前記ピッキング対象の物品の前記電子タグを前記検知装置が検知したことに基づいて、前記ピッキング対象の物品のピッキングが完了したことを通知する通知部と、
前記ピッキング指示に基づくピッキング対象の物品の全てのピッキングが完了したことに基づいて、完了報告を送信する報告送信部と、
をさらに備える請求項3に記載のピッキングシステム。
【請求項5】
物品が保管される物品保管棚に貼付された複数のロケーションタグと、物品に貼付された電子タグとを検知可能な検知装置と通信する端末装置のコンピュータに、
ピッキング対象の物品が保管される物品保管棚の位置と、前記ピッキング対象の物品の情報と含むピッキング指示を表示させ、
前記検知装置が複数のロケーションタグを連続して検知したことに基づいて、倉庫内における前記検知装置の位置と、前記検知装置の進行方向とを倉庫内レイアウト図に重畳表示させる表示ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項6】
物品が保管される物品保管棚に貼付された複数のロケーションタグと、物品に貼付された電子タグとを検知可能な検知装置と、端末装置と、サーバ装置とを備えるピッキングシステムにおけるコンピュータが、
ピッキング対象の物品が保管される物品保管棚の位置と、前記ピッキング対象の物品の情報と含むピッキング指示を送信する指示送信過程と、
前記ピッキング指示を表示させ、
前記検知装置が複数のロケーションタグを連続して検知したことに基づいて、倉庫内における前記検知装置の位置と、前記検知装置の進行方向とを倉庫内レイアウト図に重畳表示させる表示過程と、
を有するピッキング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、ピッキングシステム、プログラムおよびピッキング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、特許文献1には、通路にRFIDタグを通路方向に複数併設させ、台車の前方及び後方に備えるRFIDアンテナのそれぞれによって通路に配置されたRFIDをいずれのRFIDアンテナが先に検知したかによって台車の進行方向を検出することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、通路の床へのRFIDの設置は、事前に準備、施工する必要があり、ユーザの利便性が十分でないとい課題があった。また、物流倉庫では、通路の床に配置されたRFIDの上を人や台車が頻繁に移動するため、RFIDの破損することがあった。このため、倉庫内における位置と進行方向とを検知することができないこともあった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、倉庫内における位置と進行方向とを検知することができる端末装置、ピッキングシステム、プログラムおよびピッキング方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、物品が保管される物品保管棚に貼付された複数のロケーションタグと、物品に貼付された電子タグとを検知可能な検知装置と通信する端末装置であって、ピッキング対象の物品が保管される物品保管棚の位置と、前記ピッキング対象の物品の情報と含むピッキング指示を表示し、前記検知装置が複数のロケーションタグを連続して検知したことに基づいて、倉庫内における前記検知装置の位置と、前記検知装置の進行方向とを倉庫内レイアウト図に重畳表示する表示部と、を備える端末装置である。
【0007】
(2)また、本発明の一態様は、物品が保管される物品保管棚に貼付された複数のロケーションタグと、物品に貼付された電子タグとを検知可能な検知装置と、端末装置と、サーバ装置とを備えるピッキングシステムであって、ピッキング対象の物品が保管される物品保管棚の位置と、前記ピッキング対象の物品の情報と含むピッキング指示を送信する指示送信部と、前記ピッキング指示を表示し、前記検知装置が複数のロケーションタグを連続して検知したことに基づいて、倉庫内における前記検知装置の位置と、前記検知装置の進行方向とを倉庫内レイアウト図に重畳表示する表示部と、を備えるピッキングシステムである。
【0008】
(3)また、本発明の一態様は、物品が保管される物品保管棚に貼付された複数のロケーションタグと、物品に貼付された電子タグとを検知可能な検知装置と通信する端末装置のコンピュータに、ピッキング対象の物品が保管される物品保管棚の位置と、前記ピッキング対象の物品の情報と含むピッキング指示を表示させ、前記検知装置が複数のロケーションタグを連続して検知したことに基づいて、倉庫内における前記検知装置の位置と、前記検知装置の進行方向とを倉庫内レイアウト図に重畳表示させる表示ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【0009】
(4)また、本発明の一態様は、物品が保管される物品保管棚に貼付された複数のロケーションタグと、物品に貼付された電子タグとを検知可能な検知装置と、端末装置と、サーバ装置とを備えるピッキングシステムにおけるコンピュータが、ピッキング対象の物品が保管される物品保管棚の位置と、前記ピッキング対象の物品の情報と含むピッキング指示を送信する指示送信過程と、前記ピッキング指示を表示させ、前記検知装置が複数のロケーションタグを連続して検知したことに基づいて、倉庫内における前記検知装置の位置と、前記検知装置の進行方向とを倉庫内レイアウト図に重畳表示させる表示過程と、を有するピッキング方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、倉庫内における位置と進行方向とを検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係るピッキングシステムの構成の一例を示す概略図である。
【
図2】本実施形態に係るサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る物流倉庫内の物品保管棚の配置の一例を示すレイアウト図である。
【
図4A】本実施形態に係る物品保管棚におけるロケーションタグの配置の一例を示す図である。
【
図4B】本実施形態に係る物品保管棚におけるロケーションタグの配置の他の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係るウェアラブル装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】本実施形態に係る端末装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】本実施形態に係るピッキングシステムにおけるピッキング処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
<ピッキングシステム>
図1は、本発明の実施形態に係るピッキングシステムSYSの構成の一例を示すシステム構成図である。
ピッキングシステムSYSは、サーバ装置1と、検知装置2と、端末装置3と、を含んで構成される。サーバ装置1と、検知装置2と、端末装置3とは、例えば、ネットワークNWを介して有線通信または無線通信可能に接続される。ピッキングシステムSYSは、例えば、物流倉庫で用いられるシステム、例えば、Warehouse Management System(WMS)である。
【0013】
サーバ装置1は、ピッキングシステムを管理する管理装置として機能する構成を有する。サーバ装置1は、例えば、物流倉庫における物品保管棚のレイアウトを管理する機能、物品の入出庫を管理する機能、物品の在庫を管理する機能、物品のピッキング指示を送信する機能を有する。ここで、物品保管棚のレイアウトの管理は、物品保管棚のレイアウト図を管理することであってもよい。
【0014】
検知装置2は、電子タグを検知する検知装置として機能する構成を有する。検知装置2は、例えば、RFIDを検知可能なウェアラブル型のリーダー装置である。図示する例において、検知装置2は、腕時計型のウェアラブルRFIDリーダー装置である。
【0015】
端末装置3は、サーバ装置1の指示により各種情報を入出力する入出力装置として機能する構成を有する。端末装置3は、例えば、タブレット端末装置である。
【0016】
本実施形態に係るピッキングシステムSYSでは、物品が保管される物品保管棚にはロケーションタグが複数貼付されていることを想定する。ロケーションタグは、RFIDタグである。本実施形態に係るロケーションタグは、物品を物品保管棚で管理するために用いられるタグである。ロケーションタグは、例えば、物品がどの物品保管棚で保管され、また、物品が当該物品保管棚のどの位置で保管されているかを管理するために、予め物品保管棚に配置される。また、本実施形態において、物品保管棚で管理される物品は、1次元バーコードやQRコード(登録商標)ではなく、物品に貼付された電子タグ(例えばRFID)によって管理されていることを想定する。
【0017】
サーバ装置1は、例えば、端末装置3にピッキング指示を送信する。ピッキング指示は、ピッキング対象の物品が保管される物品保管棚の位置と、ピッキング対象の物品の情報とが含まれる。ここで、物品が保管される物品保管棚の位置とは、上述したように物品が保管される物品保管棚の物流倉庫内の位置と、物品が保管されている物品保管棚内の物品保管棚内の位置との両方の位置を含む。また、ピッキング対象の物品の情報は、物品の名称、色、サイズ、数量などの情報である。本実施形態に係る物品は、例えば書籍である。
【0018】
ここで、端末装置3は、ピッキングに用いられるピッキングアプリケーションを実行することによりサーバ装置1とAPI連携により接続される。当該ピッキングアプリケーションは、サーバ装置1によって管理される。
端末装置3は、サーバ装置1からピッキング指示を受けると、当該ピッキング指示の指示内容を表示部に表示して作業者に提示する。
また、端末装置3は、予めBluetooth(登録商標)などを用いて端末装置3と接続された検知装置2が物品保管棚のロケーションタグを連続して検知すると、倉庫内における検知装置2の位置と、検知装置2の進行方向とが、倉庫内の物品保管棚のレイアウト図に重畳された画像を表示する。
【0019】
また、端末装置3は、ピッキング対象の物品の電子タグを検知装置2が検知すると、ピッキング指示によって指示された物品であればピッキング対象の物品のピッキングが完了したことを、例えば、通知音で作業者に通知する。
また、端末装置3は、ピッキング指示に基づくピッキング対象の物品が複数ある場合、ピッキング対象の全ての物品のピッキングが完了したことを表す「作業完了」ボタンを操作可能に表示さえる。そして、端末装置3は、当該「作業完了」ボタンに対する作業者のタップ動作の検出に基づいて、完了報告をサーバ装置1に対して送信することで、ピッキング処理を完了する。
【0020】
<サーバ装置1の構成>
次いで、サーバ装置1の構成について説明する。
サーバ装置1は、通信部10と、制御部11と、記憶部12と、を含んで構成される。
【0021】
<通信部10>
通信部10は、制御部11の指示に基づいて、端末装置3に各種情報を送信する機能を有する。また、通信部10は、制御部11の指示に基づいて、端末装置3から送信される各種情報を受信する機能を有する。
【0022】
<制御部11>
制御部11は、サーバ装置1の動作全般を制御する機能を有する。当該機能は、例えば、サーバ装置1がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
制御部11は、入出庫管理部111と、在庫管理部112と、ピッキング指示部113と、を含んで構成される。
【0023】
<入出庫管理部111>
入出庫管理部111は、物流倉庫内の物品保管棚のレイアウト、物品の入庫および出庫を管理する機能を有する。
図3、4を参照して物品保管棚のレイアウトについて説明する。
図3は、本実施形態に係る物流倉庫内の物品保管棚の配置の一例を示すレイアウト図である。
図4Aは、実施形態に係る物品保管棚におけるロケーションタグの配置の一例を示す図である。
図4Bは、実施形態に係る物品保管棚におけるロケーションタグの配置の一例を示す図である。
【0024】
図3に図示する例において、A01、A02、…、A11、A12、B01、B02、…、B11、B12、C01、C02、…、C11、C12、D01、D02、…、D11、D12、E01、E02、…、E11、E12のそれぞれが物品保管棚である。図示する例において、x軸方向が例えば、南であり、y軸方向が東である。物品保管棚Aから物品保管棚Eは、物品保管棚間に等間隔で、例えば南北に通路が設けられる。当該通路は、作業者や台車などが通行、作業することが可能である。物品保管棚のそれぞれには、ロケーションタグが配置される。
【0025】
図4Aは、実施形態に係る物品保管棚A01の正面(間口)におけるロケーションタグの配置の一例を示す図である。
図4Bは、実施形態に係る物品保管棚A01の左側面におけるロケーションタグの配置の一例を示す図である。
図3に図示したように物品保管棚は、物流倉庫内にレイアウトされている。物品保管棚A01に配置されるロケーションタグを一例として説明する。物品保管棚A01の正面(間口)には、ピッキング用ラベルとしてロケーションタグが貼付される。物品保管棚A01は、例えば4段の棚板で仕切られ、それぞれの棚の段は、5つのエリアに分割されている。1段目は、北側からA0111、A0112、A0113、A0114、A0115のように5つのエリアに分割され、それぞれのエリアにロケーションタグA0111~A0115が貼付される。2段目にはA0121、3段目にはA0131、4段目にはA0141のようにロケーションタグが貼付される。例えば、A0123は、物品保管棚「A01」の「2」段、エリア「3」であることを表す。図示するように物品保管棚には、複数のロケーションタグが貼付される。
【0026】
また、
図3に示す物品保管棚A01、A12、B01、B12、C01、C12、D01、D12、E01、E12などの端部の物品保管棚の側面にもロケーションタグが配置される。
図4Bに示す例では、物品保管棚A01の左側面、上下方向(Z軸方向)中央に」ロケーションタグA0100が貼付される。
【0027】
図2に戻って、入出庫管理部111は、物品保管棚のレイアウト図、および物品保管棚のロケーションタグの配置を、各ロケーションタグの識別情報と対応付けて管理する機能を有する。
入出庫管理部111は、管理する物品保管棚のレイアウト図、および物品保管棚のロケーションタグの配置の情報を、記憶部12に記憶させる。
【0028】
また、入出庫管理部111は、入庫した物品について、電子タグが貼付されてなければ貼付し、物品の電子タグと、当該物品を保管する物品保管棚の位置のロケーションタグとを対応付けする。入出庫管理部111は、対応付けた物品の情報を記憶部12に記憶させる。また、入出庫管理部111は、注文情報や、配送先の情報などを管理する。
【0029】
<在庫管理部112>
在庫管理部112は、物品の在庫を管理する機能を有する。在庫管理部112は、物品の入庫時に在庫数を入庫分増加させ出庫時に在庫数を出庫分減少させる。在庫管理部112が管理する在庫情報は記憶部12が記憶する。
【0030】
<ピッキング指示部113>
ピッキング指示部113は、端末装置3に対してピッキング指示を送信する機能を有する。また、ピッキング指示部113は、端末装置が実行するアプリケーションを管理する機能を有する。ピッキング指示部113は、ピッキング対象の物品が保管される物品保管棚の位置と、ピッキング対象の物品の情報と含むピッキング指示を端末装置3に送信する。ピッキング対象の物品である場合には、ピッキング指示には、ピッキング対象の物品が複数含まれる。例えば、ピッキング指示に含まれる物品保管棚の位置は、
図3におけるA12である場合、ターゲットTの物品保管棚であることをレイアウト図に重畳させる。端末装置3が実行するアプリケーションにおいて、端末装置3から複数のロケーションタグが検知されたことを表す信号を連続して受信した場合、ピッキング指示部113は、ロケーションタグの識別情報で特定される位置を検知装置2の現在位置として特定する。また、ロケーションタグの識別情報の検知順序によって、検知装置2の進行方向を特定する。ピッキング指示部113は、特定した現在位置と、進行方向とを、物品保管棚のレイアウト図における対応する物品保管棚の位置に重畳させる。
【0031】
ここで、端末装置3が実行するアプリケーションにおいて、端末装置3から複数のロケーションタグが検知されたことを表す信号を連続して受信した場合とは、検知装置2によって、あるロケーションタグが検知され、当該ロケーションタグと隣接するロケーションタグや近隣のロケーションタグが検知されることによって、複数のロケーションタグが検知されたことを表す信号、例えば、それぞれのロケーションタグの識別情報を検知された順番に受信した場合のことである。このようにして、ピッキング指示部113は、複数のロケーションタグを検知した履歴に基づく当該ロケーションタグが示す位置の履歴と、物流倉庫内のレイアウト図において対応する位置の対応関係とに基づいて、倉庫内における位置と進行方向を地図に表示する。
【0032】
図3に示す例では、現在位置Hと、進行方向Mとがレイアウト図に重畳される。ピッキング指示部113は、重畳させたレイアウト図を端末装置3に送信する。ピッキング指示部113は、端末装置3から受信したタグの識別情報がロケーションタグの識別情報であるか、物品の電子タグの識別情報であるかを特定する。ピッキング指示部113は、物品の識別情報でありかつ、ピッキング指示に含まれる物品の識別情報である場合、当該物品がピッキング対象として正しいことを表す通知音を端末装置3に出力させる。
【0033】
<記憶部12>
記憶部12は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部12は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
記憶部12は、物品保管棚情報記憶部121と、入出庫情報記憶部122と、在庫情報記憶部123とを含んで構成される。
【0034】
<物品保管棚情報記憶部121>
物品保管棚情報記憶部121は、物品保管棚のレイアウト図、および物品保管棚のロケーションタグの配置の情報を記憶する。
【0035】
<入出庫情報記憶部122>
物品の電子タグと、当該物品を保管する物品保管棚の位置のロケーションタグとを対応付けた物品の情報を記憶する。入出庫情報記憶部122は、注文情報や配送先の情報、発注情報などの入出庫に関する情報を記憶する。
【0036】
<在庫情報記憶部123>
在庫情報記憶部123は、物流倉庫で保管する物品の在庫情報を記憶する。
【0037】
<検知装置2>
次いで、検知装置2について説明する。
図5は、本実施形態に係る検知装置2の構成の一例を示すブロック図である。
検知装置2は、無線接続部21と、読取部22と、を含んで構成される。
【0038】
<無線接続部21>
無線接続部21は、無線通信を行う機能を有する。無線接続部21は、例えば、Bluetooth(登録商標)接続ユニットであり、端末装置3と接続・通信する。
【0039】
<読取部22>
読取部22は、物品の電子タグ、および物品保管棚のロケーションタグを検知する検知部としての機能を有する。読取部22は、例えばRFIDの識別情報を検知可能なICリーダーである。読取部22は、検知した電子タグ、およびロケーションタグの識別情報を端末装置3に送信する。
【0040】
<端末装置3>
次いで、端末装置3について説明する。
図6は、本実施形態に係る端末装置3の構成の一例を示すブロック図である。
端末装置3は、制御部30と、通信部31と、無線接続部32と、表示部34と、音声出力部35と、を含んで構成される。
【0041】
<通信部31>
通信部31は、制御部30の指示に基づいて、サーバ装置1に各種情報を送信する機能を有する。また、通信部31は、制御部30の指示に基づいて、サーバ装置1から各種情報を受信する機能を有する。
【0042】
<無線接続部32>
無線接続部32は、無線通信を行う機能を有する。無線接続部32は、例えば、Bluetooth(登録商標)接続ユニットであり、検知装置2と接続・通信する。
【0043】
<表示部34>
表示部34は、各種情報を表示する機能を有する。表示部34の機能は、例えば、端末装置3が有するディスプレイ等の表示装置によって実現される。表示部34は、制御部30から入力される各種情報を表示する。
【0044】
<音声出力部35>
音声出力部35は、各種情報を音声出力する機能を有する。音声出力部35の機能は、例えば、端末装置3が有するスピーカーなどの出力装置によって実現される。音声出力部35は、制御部30から入力される各種情報を音声出力する。
【0045】
<制御部30>
制御部30は、端末装置3の動作全般を制御する機能を有する。当該機能は、例えば、端末装置3がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
制御部30は、取得部33と、API連携部36と、を含んで構成される。
【0046】
<取得部33>
取得部33は、検知装置2が検知する物品の電子タグの識別情報、および物品保管棚のロケーションタグの識別情報を取得する機能を有する。
【0047】
<API連携部36>
API連携部36は、サーバ装置1が管理するアプリケーションを実行する機能を有する。
API連携部36は、ピッキング指示取得部361と、タグ情報送信部362と、レイアウト情報取得部363と、完了通知取得部364と、完了信号送信部365と、を含んで構成される。
【0048】
<ピッキング指示取得部361>
ピッキング指示取得部361は、サーバ装置1からピッキング指示を取得する機能を有する。ピッキング指示取得部361は、ピッキング指示に含まれるピッキング対象の位置および物品の情報を表示部34に表示させる。
【0049】
<タグ情報送信部362>
タグ情報送信部362は、取得部33が取得した物品の電子タグの識別情報、および物品保管棚のロケーションタグの識別情報をサーバ装置1に送信する機能を有する。
【0050】
<レイアウト情報取得部363>
レイアウト情報取得部363は、タグ情報送信部362が物品保管棚の複数のロケーションタグの識別情報を連続してサーバ装置1に送信したことに基づいて、倉庫内における検知装置の位置と、検知装置の進行方向と、ピッキング対象の物品の保管位置を含む物品保管棚のレイアウト図を取得する。レイアウト情報取得部363は、取得したレイアウト図を表示部34に表示させる。
【0051】
<完了通知取得部364>
完了通知取得部364は、ピッキング対象の物品の電子タグの識別情報をタグ情報送信部362が送信したことに基づいて、ピッキング対象の物品のピッキングが正しくピッキングできたことを作業者に通知するための通知指示を取得する。完了通知取得部364は、通知指示に基づいて、音声出力部35に通知音を出力させる。
【0052】
<完了信号送信部365>
完了信号送信部365は、ピッキング指示に含まれるすべての物品のピッキングが完了したことに基づいて、作業者による完了ボタンが押下されると、完了信号をサーバ装置1に送信する。
【0053】
<ピッキング処理>
次いで、ピッキング処理について説明する。
図7は、本実施形態に係るピッキングシステムSYSにおけるピッキング処理の一例を示すフローチャートである。
ピッキング処理は、端末装置3において、ピッキングアプリ時ケーションを実行することにより開始される。
【0054】
ステップS101において、サーバ装置1および検知装置2は、端末装置3がアプリケーションを実行するまで待機する。端末装置3においてアプリケーションが実行されると、端末装置3は、ステップS102の処理を実行する。
【0055】
ステップS102において、端末装置3は、検知装置2と無線接続中であるか確認する。端末装置3は、検知装置2と接続されていない場合、検知装置2が接続されるまで待機する。端末装置3は、検知装置2が接続されると、ステップS103の処理を実行する。
【0056】
ステップS103において、端末装置3は、サーバ装置1からピッキング指示を取得する。
ステップS104において、端末装置3は、ピッキング指示に含まれるピッキング対象の物品保管棚の位置を含むレイアウト図を表示部34に表示させる。
【0057】
ステップS105において、端末装置3は、検知装置2によりロケーションタグが検知されたことにより、ステップS106の処理を実行する。ここで、ロケーションタグではなく物品の電子タグが検知された場合、端末装置3は、ステップS105からステップS108の処理を行わずにステップS109の処理を実行する。
【0058】
ステップS106において、端末装置3は、複数のロケーションタグが連続して検知されるまで待機する。ロケーションタグが連続して検知されると、端末装置3は、ステップS107の処理を実行する。
【0059】
ステップS107において、端末装置3は、連続取得された物品保管棚のロケーションタグの識別情報をサーバ装置1に送信する。また、端末装置3は、検知装置2の現在位置と、検知装置2の進行方向と、ピッキング対象の物品の物品保管棚の位置とを含むレイアウト図をサーバ装置1から取得する。
【0060】
ステップS108において、端末装置3は、検知装置2の現在位置を含むレイアウト図を表示部34に表示させる。ここで、物品の電子タグの識別情報が検知された場合、端末装置3は、ステップS109の処理を実行する。一方、ロケーションタグの識別情報が検出された場合は、ステップS106の処理に戻って実行する。
【0061】
ステップS109において、端末装置3は、検知装置2が検知した物品の電子タグの識別情報が、ピッキング対象の物品の電子タグの識別情報であるか否かを確認する。ピッキング対象の物品でない場合、すなわち、完了通知をサーバ装置1から受信しない場合、ステップS104の処理を実行する。一方、ピッキング対象の物品の電子タグの識別情報である場合、すなわち、サーバ装置1から完了通知を受信した場合、端末装置3はステップS110の処理を実行する。
【0062】
ステップS110において、端末装置3は、作業者に対して、ピッキング対象の物品であったことを音声出力によって通知する。
【0063】
ステップS111において、端末装置3は、すべての物品のピッキングが完了したか否かを、作業者によって完了ボタンが押下されたか否かによって判定する。完了ボタンの押下を検出しない場合、端末装置3は、ステップS104の処理を実行する。一方、」完了ボタンの押下を検出した場合、端末装置3はステップS112の処理を実行する。
【0064】
ステップS112において、端末装置3は、サーバ装置1に完了通知を送信する。そして、ピッキング処理を終了する。
【0065】
このように、本実施形態に係る端末装置3は、物品が保管される物品保管棚に貼付された複数のロケーションタグと、物品に貼付された電子タグとを検知可能な検知装置2と通信する端末装置3である。端末装置3の表示部34は、ピッキング対象の物品が保管される物品保管棚の位置と、ピッキング対象の物品の情報と含むピッキング指示を表示する。また、表示部34は、検知装置2が複数のロケーションタグを連続して検知したことに基づいて、倉庫内における検知装置2の位置と、検知装置2の進行方向とを倉庫内レイアウト図に重畳表示する。
【0066】
これにより、物流倉庫に作業者や台車の位置や進行方向を検知するための専用のタグやセンサを配置する手間を削減することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。また、床にロケーションタグを配置しないため、ロケーションタグの破損を提言することができる。また、物品保管棚に貼付されているロケーションタグを用いることで、現在位置と、進行方向を確実に検知することができる。
【0067】
ここで、検知装置2が複数のロケーションタグを連続して検知したことに基づいて、倉庫内における検知装置2の位置と、検知装置2の進行方向とを倉庫内レイアウト図に重畳表示するとは、複数のロケーションタグを検知した履歴に基づく当該ロケーションタグが示す位置の履歴と、倉庫内レイアウト図において対応する位置の対応関係とに基づいて、倉庫内における位置と進行方向を地図に表示することである。
【0068】
また、端末装置3のピッキング指示取得部361は、ピッキング指示を受信する。音声出力部35は、ピッキング対象の物品の電子タグを検知装置2が検知したことに基づいて、ピッキング対象の物品のピッキングが完了したことを通知する。完了信号送信部365は、ピッキング指示に基づくピッキング対象の物品の全てのピッキングが完了したことに基づいて、完了報告を送信する。
【0069】
これにより、ピッキング対象の物品のピッキングが完了したかを確認することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0070】
また、本実施形態に係るピッキングシステムSYSは、物品が保管される物品保管棚に貼付された複数のロケーションタグと、物品に貼付された電子タグとを検知可能な検知装置2と、端末装置3と、サーバ装置1とを備えるピッキングシステムである。サーバ装置1のピッキング指示部113は、ピッキング対象の物品が保管される物品保管棚の位置と、ピッキング対象の物品の情報と含むピッキング指示を送信する。
端末装置3の表示部34は、ピッキング指示を表示し、検知装置2が複数のロケーションタグを連続して検知したことに基づいて、倉庫内における検知装置2の位置と、検知装置2の進行方向とを倉庫内レイアウト図に重畳表示する。
【0071】
これにより、物流倉庫に作業者や台車の位置や進行方向を検知するための専用のタグやセンサを配置する手間を削減することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。また、床にロケーションタグを配置しないため、ロケーションタグの破損を提言することができる。また、物品保管棚に貼付されているロケーションタグを用いることで、現在位置と、進行方向を確実に検知することができる。
【0072】
音声出力部35は、ピッキング対象の物品の電子タグを検知装置2が検知したことに基づいて、ピッキング対象の物品のピッキングが完了したことを通知する。
完了信号送信部365は、ピッキング指示に基づくピッキング対象の物品の全てのピッキングが完了したことに基づいて、完了報告を送信する。
【0073】
これにより、物流倉庫に作業者や台車の位置や進行方向を検知するための専用のタグやセンサを配置する手間を削減することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。また、正しくピッキングできていること、およびすべてのピッキングが完了したことを確認することができる。
【0074】
なお、上述した各実施形態や各変形例の1つまたは複数、上述した各実施形態や各変形例の一部または全部を組み合わせて本発明の一態様を実現するようにしてもよい。
【0075】
なお、本発明の一態様におけるサーバ装置1、端末装置3で動作するプログラムは、本発明の一態様に関わる上記の各実施形態や変形例で示した機能を実現するように、1つ、または複数の、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)であっても良い。そして、これらの各装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAM(Random Access Memory)に蓄積され、その後、フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)等の各種ストレージに格納され、必要に応じてCPU等によって読み出し、修正・書き込みが行われても良い。
【0076】
なお、上述した各実施形態や変形例におけるサーバ装置1、端末装置3の一部又は全部を1つ、または複数のプロセッサを備えたコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。
【0077】
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、サーバ装置1、端末装置3に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0078】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0079】
また、上述した各実施形態や変形例におけるサーバ装置1、端末装置3の一部、又は全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよいし、チップセットとして実現してもよい。また、上述した各実施形態や変形例におけるサーバ装置1、端末装置3の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、又は全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法は、LSIに限らず専用回路、および/または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0080】
以上、この発明の一態様として各実施形態や変形例に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は各実施形態や変形例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明の一態様は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態や変形例に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
【0081】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0082】
1 サーバ装置
10 通信部
11 制御部
111 入出庫管理部
112 在庫管理部
113 ピッキング指示部
12 記憶部
121 物品保管棚情報記憶部
122 入出庫情報記憶部
123 在庫情報記憶部
2 検知装置
21 無線接続部
22 読取部
3 端末装置
30 制御部
31 通信部
32 無線接続部
33 取得部
34 表示部
35 音声出力部
36 API連携部
361 ピッキング指示取得部
362 タグ情報送信部
363 レイアウト情報取得部
364 完了通知取得部
365 完了信号送信部