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特開2023-148045照明システム、操作装置および照明装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148045
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】照明システム、操作装置および照明装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/17 20200101AFI20231005BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20231005BHJP
   H05B 47/165 20200101ALI20231005BHJP
【FI】
H05B47/17
H05B47/19
H05B47/165
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055874
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】松本 豊明
(72)【発明者】
【氏名】尾形 大輔
(72)【発明者】
【氏名】稲村 公孝
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA10
3K273QA34
3K273RA16
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA27
3K273TA28
3K273TA40
3K273TA54
3K273TA62
3K273TA63
3K273TA66
3K273UA02
3K273UA05
3K273UA12
3K273UA13
3K273UA14
3K273UA17
3K273UA22
(57)【要約】
【課題】 制御装置に故障が生じた場合であっても、より確実に操作制御を継続可能な照明システム、操作装置および照明装置を提供すること。
【解決手段】 複数の照明装置Lと、操作装置Odと、制御装置Ctと、を備えた照明システムA1であって、通常モードと緊急モードとを有し、通常モードにおいては、操作部11になされた操作に対応する操作情報を操作装置Odが送信し、照明装置Lを介して操作情報が制御装置Ctに転送され、制御装置Ctが操作情報に基づいた制御情報を照明装置Lに送信することにより照明装置Lを制御し、緊急モードにおいては、操作装置Odが、操作部11になされた操作に対応する制御情報を照明装置Lに送信することにより照明装置Lを制御する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が通信機能を有する複数の照明装置と、
前記照明装置と通信可能であり、前記照明装置についての操作がなされる操作部を有する操作装置と、
前記照明装置と通信可能であり、前記照明装置を制御する制御情報を送信する制御装置と、を備えた照明システムであって、
通常モードと緊急モードとを有し、
前記通常モードにおいては、前記操作部になされた操作に対応する操作情報を前記操作装置が送信し、前記照明装置を介して前記操作情報が前記制御装置に転送され、前記制御装置が前記操作情報に基づいた前記制御情報を前記照明装置に送信することにより前記照明装置を制御し、
前記緊急モードにおいては、前記操作装置が、前記操作部になされた操作に対応する制御情報を前記照明装置に送信することにより前記照明装置を制御する、照明システム。
【請求項2】
各々が通信機能を有する複数の照明装置と、
前記照明装置と通信可能であり、前記照明装置についての操作がなされる操作部を有する操作装置と、
前記照明装置と通信可能であり、前記照明装置を制御する制御情報を送信する制御装置と、を備えた照明システムであって、
通常モードと緊急モードとを有し、
前記複数の照明装置は、第1照明装置および第2照明装置を含み、
前記通常モードにおいては、前記操作部になされた操作に対応する操作情報を前記操作装置が送信し、前記照明装置を介して前記操作情報が前記制御装置に転送され、前記制御装置が前記操作情報に基づいた前記制御情報を前記照明装置に送信することにより前記照明装置を制御し、
前記緊急モードにおいては、前記操作装置が前記操作情報を送信し、前記操作情報を受信した前記第1照明装置が、前記操作情報に基づいた制御情報を前記第2照明装置に送信することにより前記照明装置を制御する、照明システム。
【請求項3】
前記第1照明装置および前記第2照明装置を含む前記複数の照明装置からなる第1クラスタと、
前記第1クラスタとは別の前記第1照明装置および前記第2照明装置を含む前記複数の照明装置からなる第2クラスタと、を備え、
前記第1クラスタの前記第1照明装置と、前記第2クラスタの前記第1照明装置とは、前記操作情報および前記制御情報を相互に通信可能である、請求項2に記載の照明システム。
【請求項4】
請求項1に記載の照明システムに用いられる操作装置であって、
操作部、第1制御部、第1記憶部、第1無線通信部を有し、
前記第1無線通信部によって複数の照明装置と通信可能であり、
前記第1記憶部には、前記複数の照明装置を制御するための制御情報が記憶され、
前記第1制御部は、前記操作部になされた操作に基づいて、前記制御情報を前記第1記憶部から読み出し、前記複数の照明装置を制御するための前記制御情報を前記第1無線通信部から前記複数の照明装置のいずれかに送信するように制御する、操作装置。
【請求項5】
請求項2に記載の照明システムに用いられる照明装置であって、
光源部、第2制御部、第2記憶部、第2無線通信部を有し、
前記第2無線通信部は、前記操作部からの操作情報を受信し、
前記第2記憶部には、前記複数の照明装置を制御するための制御情報が記憶され、
前記第2制御部は、前記操作情報に基づいて、前記制御情報を前記第2記憶部から読み出し、前記複数の照明装置を制御するための前記制御情報を前記第2無線通信部から前記複数の照明装置のいずれかに送信するように制御する、照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システム、操作装置および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信を利用して複数の照明装置を制御する照明システムが、種々に提案されている。特許文献1には、従来の照明システムの一例が開示されている。同文献に開示された照明システムは、複数の照明装置、親機(制御装置)、スイッチ端末および無線通信端末を備える。親機(制御装置)は、スイッチ端末の操作信号を受け取ると、操作信号に基づく制御信号を通信線を介して無線通信端末に送信する。制御信号は、制御対象となる照明器具の具体的な制御内容を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-136178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の照明システムにおいて、親機(制御装置)が故障すると、スイッチ端末に操作がなされても操作に対応した制御が行えない。
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、制御装置に故障が生じた場合であっても、より確実に操作制御を継続可能な照明システム、操作装置および照明装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面によって提供される照明システムは、各々が通信機能を有する複数の照明装置と、前記照明装置と通信可能であり、前記照明装置についての操作がなされる操作部を有する操作装置と、前記照明装置と通信可能であり、前記照明装置を制御する制御情報を送信する制御装置と、を備えた照明システムであって、通常モードと緊急モードとを有し、前記通常モードにおいては、前記操作部になされた操作に対応する操作情報を前記操作装置が送信し、前記照明装置を介して前記操作情報が前記制御装置に転送され、前記制御装置が前記操作情報に基づいた前記制御情報を前記照明装置に送信することにより前記照明装置を制御し、前記緊急モードにおいては、前記操作装置が、前記操作部になされた操作に対応する制御情報を前記照明装置に送信することにより前記照明装置を制御する。
【0007】
本発明の第2の側面によって提供される照明システムは、各々が通信機能を有する複数の照明装置と、前記照明装置と通信可能であり、前記照明装置についての操作がなされる操作部を有する操作装置と、前記照明装置と通信可能であり、前記照明装置を制御する制御情報を送信する制御装置と、を備えた照明システムであって、通常モードと緊急モードとを有し、前記複数の照明装置は、第1照明装置および第2照明装置を含み、前記通常モードにおいては、前記操作部になされた操作に対応する操作情報を前記操作装置が送信し、前記照明装置を介して前記操作情報が前記制御装置に転送され、前記制御装置が前記操作情報に基づいた前記制御情報を前記照明装置に送信することにより前記照明装置を制御し、前記緊急モードにおいては、前記操作装置が前記操作情報を送信し、前記操作情報を受信した前記第1照明装置が、前記操作情報に基づいた制御情報を前記第2照明装置に送信することにより前記照明装置を制御する。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1照明装置および前記第2照明装置を含む前記複数の照明装置からなる第1クラスタと、前記第1クラスタとは別の前記第1照明装置および前記第2照明装置を含む前記複数の照明装置からなる第2クラスタと、を備え、前記第1クラスタの前記第1照明装置と、前記第2クラスタの前記第1照明装置とは、前記操作情報および前記制御情報を相互に通信可能である。
【0009】
本発明の第3の側面によって提供される操作装置は、本発明の第1の側面によって提供される照明システムに用いられる操作装置であって、操作部、第1制御部、第1記憶部、第1無線通信部を有し、前記第1無線通信部によって複数の照明装置と通信可能であり、前記第1記憶部には、前記複数の照明装置を制御するための制御情報が記憶され、前記第1制御部は、前記操作部になされた操作に基づいて、前記制御情報を前記第1記憶部から読み出し、前記複数の照明装置を制御するための前記制御情報を前記第1無線通信部から前記複数の照明装置のいずれかに送信するように制御する。
【0010】
本発明の第4の側面によって提供される照明装置は、本発明の第2の側面によって提供される照明システムに用いられる照明装置であって、光源部、第2制御部、第2記憶部、第2無線通信部を有し、前記第2無線通信部は、前記操作部からの操作情報を受信し、前記第2記憶部には、前記複数の照明装置を制御するための制御情報が記憶され、前記第2制御部は、前記操作情報に基づいて、前記制御情報を前記第2記憶部から読み出し、前記複数の照明装置を制御するための前記制御情報を前記第2無線通信部から前記複数の照明装置のいずれかに送信するように制御する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、制御装置に故障が生じた場合であっても、より確実に操作制御を継続することができる。
【0012】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態に係る照明システムを示すシステム構成図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る照明システムの照明装置を示すブロック図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る照明システムの制御装置を示すブロック図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る照明システムの操作装置を示すブロック図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る照明システムの操作装置を示す概略断面図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る照明システムの通常モードのシーケンスダイアグラムである。
図7】本発明の第1実施形態に係る照明システムの緊急モードのシーケンスダイアグラムである。
図8】本発明の第1実施形態に係る照明システムの操作装置のフローチャートである。
図9】本発明の第1実施形態に係る照明システムの操作装置のフローチャートである。
図10】本発明の第1実施形態に係る照明システムの緊急モードの他の例のシーケンスダイアグラムである。
図11】本発明の第1実施形態に係る照明システムの照明装置の他の例のフローチャートである。
図12】本発明の第1実施形態に係る照明システムの照明装置の他の例のフローチャートである。
図13】本発明の操作装置の他の例を示すシステム構成図である。
図14】本発明の照明装置の他の例を示すシステム構成図である。
図15】本発明の第2実施形態に係る照明システムを示すシステム構成図である。
図16】本発明の第3実施形態に係る照明システムを示すシステム構成図である。
図17】本発明の第4実施形態に係る照明システムを示すシステム構成図である。
図18】本発明の第4実施形態に係る照明システムの設定装置を示すブロック図である。
図19】本発明の第4実施形態に係る照明システムのカレンダ情報の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0015】
本発明における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単に識別のために用いたものであり、それらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0016】
<第1実施形態>
図1図9は、本発明の第1実施形態に係る照明システムを示している。図1に示すように、本実施形態の照明システムA1は、複数の照明装置L、制御装置Ctおよび操作装置Odを備える。
【0017】
〔照明装置L〕
複数の照明装置Lは、たとえば建物内の照明に用いられ、天井、壁面、床面等の種々の箇所に設置される。また、照明装置Lは、屋外の照明に用いられる構成であってもよい。照明装置Lの具体的な形態は何ら限定されず、直管形照明や高天井照明、シーリングライト、ダウンライト、ベースライト、スポットライト等の種々の形態を適宜採用可能である。以降の説明においては、照明装置Lの一般的な構成を述べる場合に照明装置Lと称するとともに、複数の照明装置Lを区別する場合に照明装置L1、・・・照明装置Ln等の符号を適宜用いる場合がある。図1における複数の照明装置L1~Lnは、それぞれの構成が同一であってもよいし、互いの一部が共通していてもよいし、互いに異なる構成、異なる形態であってもよい。以降の説明においては、特段の記載がない限り、複数の照明装置L1~Lnが同一の構成である場合を例に説明する。
【0018】
図2は、照明装置Lのブロック図である。照明装置Lは、光源部21、第2制御部22、第2記憶部23、第2無線通信部24および第2電源部25を備える。
【0019】
光源部21は、照明装置Lにおいて発光機能を果たす部位である。光源部21の具体的構成は何ら限定されず、たとえば、基板と当該基板に列をなして搭載された複数のLEDとからなる。また、照明装置Lは、光源部21からの光を透過させる透明または半透明のカバー(図示略)を適宜有する。
【0020】
第2制御部22は、たとえば制御装置Ctからの制御情報や操作装置Odからの操作情報等に基づいて、照明装置Lの各部を制御するためのものである。第2制御部22の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。第2記憶部23は、第2制御部22の制御に必要な操作情報テーブル、制御情報テーブル等の情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリからなる。なお、第2記憶部23は、照明装置Lの筐体(図示略)に内蔵されるものに限定されず、照明装置Lの筐体の外部に着脱可能に設けられるものであってもよい。
【0021】
第2無線通信部24は、制御装置Ct、通信ネットワーク(クラスタ)を構成する他の照明装置Lおよび操作装置Odと無線通信を行うための通信部であり、無線信号を送信および受信するモジュールである。第2無線通信部24は、たとえば、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)通信によって第2制御部22と接続されているが、これに限定されない。
【0022】
第2無線通信部24の機能を例示すると、制御装置Ctや操作装置Odからの信号を受信し、受信した信号に含まれる情報(たとえば制御信号や操作情報)を第2制御部22に送信する。また、データを受信したことを示すアクノリッジ信号を制御装置Ctに送信する。また、照明装置Lの動作状況を示すステータス情報信号を制御装置Ctに送信してもよい。
【0023】
本実施形態においては、複数の照明装置Lの各々が有する固有の照明装置ID等の識別情報が、第2無線通信部24に記憶されている。識別情報の具体例は特に限定されず、たとえばMAC(Media Access Control)アドレスや位置情報である。なお、照明装置IDは、第2無線通信部24に記憶されていてもよいし、たとえば第2記憶部23に記憶されていてもよい。第2無線通信部24は、受信した信号のうち、自装置の照明装置ID(識別情報)に対する信号であると認識した場合に、当該信号を第2制御部22に伝達する。
【0024】
第2無線通信部24は、無線電波を用いて、制御装置Ct、他の照明装置Lおよび操作装置Odと無線通信を行う。なお、複数の照明装置Lのいずれかのみが、制御装置Ctと無線通信を行う構成であってもよい。また、複数の照明装置Lのいずれかのみが、操作装置Odと無線通信する構成であってもよい。
【0025】
第2無線通信部24による無線通信は何ら限定されず、本実施形態においては、特定のプロトコルを用いた無線通信として説明する。特定のプロトコルを用いた無線通信の通信周波数は何ら限定されず、たとえ920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯等が例示される。また、第1プロトコルの具体例は特に限定されず、たとえば、BLE(Bluetooth Low Energy)を含むBluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、あるいは独自規格のプロトコルなどが例示される。
【0026】
本実施形態においては、複数の照明装置Lと制御装置Ctと操作装置Odが、たとえば2.4GHz帯の第1無線電波を用いた独自プロトコルにより、図1に示すメッシュネットワークである第1クラスタCn1を構築している。第1クラスタCn1のプロトコルは、後述のように複数の照明装置L間で各種データの転送に用いられるため、それらのデータ転送に必要となる転送速度や、信頼性を確保した上で、メッシュネットワークを構築できるプロトコルが選択される。
【0027】
なお、本実施形態においては、複数の照明装置Lのいずれかは、GM(ゲートモジュール)として機能してもよい。ゲートモジュールは、クラスタのルートノードであり、制御装置Ctに接続する。このとき、ゲートモジュールは、他の照明装置Lとともにメッシュネットワークを構築し、制御装置Ctに通信接続する。ゲートモジュールは、他の照明装置Lや制御装置Ct、操作装置Odとの通信品質を常に評価しており、通信品質が最も良い相手に自動的に接続する。同様に、照明装置Lも他の照明装置Lまたはゲートモジュールとの通信品質を常に評価しており、通信品質が最も良い相手に自動的に接続する。通常の照明装置Lもゲートモジュールとして機能する照明装置Lも、ハードウェア構成は同じである。照明装置Lが搭載するソフトウエアを異なるようにするか、モード切替によって通常の照明装置Lとして動作するか、ゲートモジュールとして動作するかを切り替えてもよい。また、制御装置Ctが、第1クラスタCn1のルートノード(root node)であってもよい。
【0028】
なお、図示された例とは異なり、操作装置Odが第1クラスタCn1に含まれない場合、複数の照明装置Lのいずれか(たとえば、ゲートモジュールとして機能する照明装置L1)の第2無線通信部24が、第1クラスタCn1に用いられたプロトコルとは異なるプロトコルによって、操作装置Odと相互に無線通信する構成であってもよい。
【0029】
第2電源部25は、光源部21、第2制御部22および第2無線通信部24等に動作に必要な電力を供給するためのものである。第2電源部25は、たとえば商用の交流100Vまたは200V電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータとしての機能や、変圧機能等を有する。
【0030】
〔制御装置Ct〕
制御装置Ctは、複数の照明装置Lの点灯制御を行うものである。制御装置Ctは、本実施形態の場合には、複数の照明装置Lが設置されている建物のフロアと同じフロアに設置されていてもよいし、別のフロアや別の部屋等に設置されていてもよいし、別の建物に設置されていてもよい。制御装置Ctと複数の照明装置Lとがある程度離れている場合、制御装置Ctと複数の照明装置Lとは、無線通信だけでなく、有線通信と無線通信とを利用して互いに通信する構成であってもよい。なお、照明システムA1は、少なくとも1つの制御装置Ctを備えていればよく、他の構成において複数の制御装置Ctを備えていてもよい。
【0031】
図3は、制御装置Ctのブロック図である。本実施形態においては、制御装置Ctは、表示部31、第3制御部32、第3記憶部33、第3無線通信部34および第3電源部35を備える。
【0032】
表示部31は、照明システムA1における点灯制御では、必ずしも必要ではないが、制御装置Ctの初期設定やメンテナンス等に用いられる。表示部31は、たとえば液晶ディスプレイ等であり、さらにタッチパネル機能を有してもよい。また、表示部31がタッチパネルとして機能することに代えて、制御装置Ctは、たとえばキーボードやマウス等の操作デバイスを別途備えていてもよい。
【0033】
第3制御部32は、複数の照明装置Lの点灯制御を行う主要な構成要素であり、制御装置Ctの各部を制御するためのものである。たとえば、第3制御部32は、操作情報に対応した制御情報を生成または選択する。また、第3制御部32は、対象とする照明装置Lへ制御情報を送信するように、第3無線通信部34に制御信号を伝達する。第3制御部32の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。第3記憶部33は、第3制御部32の制御に必要なプログラムや制御情報テーブル等の情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリやハードディスクドライブ等からなる。
【0034】
第3無線通信部34は、複数の照明装置Lの第2無線通信部24と無線通信を行うためのものである。第3無線通信部34の周波数帯や準拠する無線通信の規格は、たとえば上述の第1クラスタCn1のプロトコルを用いた無線通信である。図1に示す例においては、制御装置Ctは、複数の照明装置L1~Lnとともに第1クラスタCn1を構成する。一方で、制御装置Ctは、第1クラスタCn1に属さず、複数の照明装置Lのいずれかと無線通信を行う構成であってもよい。第3無線通信部34は、たとえば、第3制御部32から複数の照明装置L1~Lnへの制御情報を第1クラスタCn1を介して送信する。
【0035】
第3電源部35は、表示部31、第3制御部32および第3無線通信部34等に動作に必要な電力を供給するためのものである。第3電源部35は、たとえば商用の交流100Vまたは200V電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータとしての機能や、変圧機能等を有する。
【0036】
制御装置Ctは、複数の照明装置L1~Lnの照明装置ID等の識別情報を保有しており、これらがたとえば第3記憶部33に記憶されている。制御装置Ctが保有する識別情報は、たとえば照明装置Lが保有する照明装置IDとしてのMACアドレスや位置情報であってもよい。
【0037】
〔操作装置Od〕
操作装置Odは、照明システムA1の使用者が、複数の照明装置Lを操作するためのデバイスである。図4に示すように、操作装置Odは、第1制御部12、第1記憶部13、第1無線通信部14および第1電源部15を備える。
【0038】
操作装置Odは、たとえば図5に示すように壁面WLに設けられた収容空間Csに取り付けられる。図示された例の操作装置Odは、第1制御部12、第1記憶部13、第1無線通信部14および第1電源部15を収容する筐体101を備える。取付板102は、操作装置Odを壁面WLに固定するための部材である。操作部11は、たとえば取付板102に設けられた開口に固定されている。
【0039】
操作部11は、使用者による操作がなされる部位であり、使用者の操作に起因した電気信号を発生する。操作部11は、たとえば押し釦、タッチセンサボタン、スライダ等である。
【0040】
第1制御部12は、操作装置Odの動作を制御するものである。第1制御部12の具体的構成は何ら限定されず、たとえばCPUからなる。第1制御部12は、たとえば操作部11の操作に基づいて、操作情報を生成または選択する。また、第1制御部12は、操作部11の操作に基づいて、制御情報を生成または選択する場合がある。第1制御部12は、操作情報や制御情報を第1無線通信部14から無線通信によって送信するように制御する。あるいは、操作部11に対して特定の操作がなされた場合に、緊急モード情報を第1無線通信部14から送信させる場合がある。
【0041】
第1記憶部13は、操作装置Odの動作や制御に必要なプログラム、および操作情報テーブルや制御情報テーブル等を記憶するものであり、たとえば半導体メモリからなる。
【0042】
第1無線通信部14は、第1クラスタCn1を構成する複数の照明装置Lまたはそのいずれかと無線通信を行うための通信部であり、無線信号を送信および受信するモジュールである。第1無線通信部14は、たとえば、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)通信によって第1制御部12と接続されているが、これに限定されない。
【0043】
第1無線通信部14の機能を例示すると、たとえば制御信号や操作情報あるいは緊急モード情報を第1クラスタCn1や複数の照明装置Lのいずれかに送信する。
【0044】
第1無線通信部14による無線通信は何ら限定されず、本実施形態においては、特定のプロトコルを用いた無線通信として説明する。特定のプロトコルを用いた無線通信の通信周波数は何ら限定されず、たとえ920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯等が例示される。また、第1プロトコルの具体例は特に限定されず、たとえば、BLE(Bluetooth Low Energy)を含むBluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、あるいは独自規格のプロトコルなどが例示される。
【0045】
本実施形態においては、操作装置Odは、たとえば2.4GHz帯の第1無線電波を用いた独自プロトコルにより、図1に示すメッシュネットワークである第1クラスタCn1を構築している。
【0046】
第1電源部15は、第1制御部12および第1無線通信部14等に動作に必要な電力を供給するためのものである。第1電源部15は、たとえば商用の交流100Vまたは200V電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータとしての機能や、変圧機能等を有する。
【0047】
次に、照明システムA1の動作例について、図6図9を参照しつつ、以下に説明する。
【0048】
照明システムA1は、通常モードと緊急モードとを有する。通常モードにおいては、図6に示すように、操作装置Odの操作部11に対して使用者が操作を行うと、操作内容に応じた操作情報を生成または選択する(ステップS1)。
【0049】
図9は、第1制御部12の情報生成選択処理を示すフローチャートであり、その一部にステップS1を含む。操作部11に操作がなされるまでは、第1制御部12は、たとえば待機状態をとる(ステップS121:No)。操作部11に操作がなされると(ステップS121:Yes)、第1制御部12は、現在のモードが通常モードであるかを判断する。現在のモードが通常モードである場合(ステップS122:Yes)、第1制御部12は、たとえば第1記憶部13に記憶された操作情報テーブルを参照する(ステップS123)。そして、第1制御部12は、操作情報テーブルを用いて操作内容に対応した操作情報を生成するか、または操作情報テーブルから対応する操作情報を選択する(ステップS124)。操作情報は、たとえば操作部11に対する各操作毎に対応して設定されたデジタル情報等である。
【0050】
次に、第1制御部12は、生成または選択した操作情報を第1無線通信部14から送信させる(ステップS2)。本実施形態においては、第1無線通信部14は、第1クラスタCn1に操作情報を特定のプロトコルで送信する。あるいは、操作装置Odが、第1クラスタCn1に属さない場合、第1無線通信部14は、複数の照明装置Lのいずれかに対して、無線通信により操作情報を送信する。
【0051】
複数の照明装置Lのいずれか(図示された例においては、照明装置L1)は、操作情報を受信すると、第1クラスタCn1で転送可能なデータを必要に応じて適宜生成し、隣接する照明装置Lに転送する。これにより、操作情報は、第1クラスタCn1内を転送される(ステップS3)。
【0052】
第1クラスタCn1を転送された操作情報を、制御装置Ctの第3無線通信部34が受信すると、操作情報は、第3無線通信部34から第3制御部32へと送信され、たとえば第3記憶部33に適宜記憶される。第3制御部32は、操作情報に基づいた制御情報を生成または選択する(ステップS4)。第3制御部32は、たとえば第3記憶部33に記憶された制御情報テーブルから操作情報に対応した情報を読み出すことにより、制御情報を生成するか、または制御情報テーブルから操作情報に対応する制御情報を選択する。制御情報は、照明装置Lの光源部21を操作情報に対応した状態に設定するための情報であり、たとえば光源部21に固有に設定された電流値やデューティー比を含むデジタル情報である。
【0053】
次に、第3制御部32は、生成または選択した制御情報を、第3無線通信部34から第1クラスタCn1に送信する(ステップS5)。第1クラスタCn1の複数の照明装置Lの第2制御部22は、第2無線通信部24が受信した制御情報に自装置の識別IDが含まれているかを確認する。制御情報に自装置の識別IDが含まれている場合、第2制御部22は、制御情報にしたがって光源部21の点灯状態等を適宜制御する。また、第2制御部22は、制御情報を第2無線通信部24から第1クラスタCn1(隣接する照明装置L)へと転送する(ステップS6)。第1クラスタCn1内における制御情報の転送が完了すると、操作装置Odの操作部11への操作に対応した複数の照明装置Lの点灯制御が完了する。
【0054】
次に、緊急モードにおける動作について説明する。緊急モードは、制御装置Ctが何らかの原因によって正常に機能しない状態となった場合のモードである。たとえば、制御装置Ctが正常に機能しない状態であることを使用者が認識すると、使用者は、操作装置Odの操作部11に対して特定の操作を行い、これに応じて緊急モードフラグをONとする処理(ステップS11)を行う。
【0055】
図8は、このステップS11に該当する第1状態フラグ切替処理を示すフローチャートである。操作部11に特定操作がなされるまでは、第1制御部12は、たとえば待機状態をとる(ステップS111:No)。操作部11に特定操作がなされると(ステップS111:Yes)、第1制御部12は、現在のモードが通常モードであるかを判断する。現在のモードが通常モードである場合(ステップS112:Yes)、第1制御部12は、緊急モードのフラグをONに設定する(ステップS113)。一方、現在のモードが通常モードでない場合、すなわち緊急モードである場合(ステップS112:No)、第1制御部12は、緊急モードフラグを現状のまま維持する。
【0056】
ついで、第1制御部12は、操作内容に基づいた制御情報を生成または選択する(ステップS12)。図9において、操作部11に操作がなされると(ステップS121:Yes)、第1制御部12は、現在のモードが通常モードであるかを判断する。現在のモードが緊急モードである場合、すなわち通常モードでない場合(ステップS122:No)、第1制御部12は、たとえば第1記憶部13に記憶された制御情報テーブルを参照する(ステップS125)。次いで、第1制御部12は、制御情報テーブルを用いて操作内容に対応した制御情報を生成するか、または制御情報テーブルから対応する制御情報を選択する(ステップS126)。制御情報は、照明装置Lの光源部21を操作情報に対応した状態に設定するための情報であり、たとえば光源部21に固有に設定された電流値やデューティー比を含むデジタル情報である。
【0057】
次いで、第1制御部12は、生成または選択した制御情報を、第1無線通信部14から第1クラスタCn1に(または複数の照明装置Lのいずれかに直接)送信する(ステップS13)。第1クラスタCn1の複数の照明装置Lの第2制御部22は、第2無線通信部24が受信した制御情報に自装置の識別IDが含まれているかを確認する。制御情報に自装置の識別IDが含まれている場合、第2制御部22は、制御情報にしたがって光源部21の点灯状態等を適宜制御する。また、第2制御部22は、制御情報を第2無線通信部24から第1クラスタCn1(隣接する照明装置L)へと転送する(ステップS14)。第1クラスタCn1内における制御情報の転送が完了すると、操作装置Odの操作部11への操作に対応した複数の照明装置Lの点灯制御が完了する。
【0058】
次に、照明システムA1、操作装置Odおよび照明装置Lの作用について説明する。
【0059】
本実施形態によれば、制御装置Ctが故障等によって正常に機能しない場合であっても、緊急モードとして動作することにより、より確実に複数の照明装置Lの操作制御を継続することができる。
【0060】
また、図7および図8に示す第1状態フラグ切替処理(ステップS11)を操作装置Odが実行することにより、制御装置Ctが正常に機能しない状態であることを使用者が把握した場合に、遅滞なく、より容易に照明システムA1を緊急モードで操作制御することができる。
【0061】
図10図19は、本発明の他の例または他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。また、各変形例および各実施形態における各部の構成は、技術的な矛盾を生じない範囲において相互に適宜組み合わせ可能である。
【0062】
図10図12は、緊急モードの他の例を示している。図10に示すように、制御装置Ctが正常に機能しない状態であることを使用者が認識すると、使用者は、操作装置Odの操作部11に対して特定の操作を行い、第1制御部12は、これに応じて緊急モードフラグをONとする(ステップS21)。次いで、第1制御部12は、緊急モード情報を第1記憶部13から第1クラスタCn1へと送信させる(ステップS22)。第1クラスタCn1を構成する複数の照明装置Lは、第2無線通信部24で受信した緊急モード情報をたとえば第2記憶部23に記憶する。また、緊急モード情報を第2無線通信部24から近隣の照明装置Lに向けて送信することにより第1クラスタCn1内を転送する(ステップS23)。
【0063】
図11は、緊急モード情報を受信した照明装置Lにおける第2状態フラグ切替処理(ステップS23)を示している。緊急モード情報を受信するまでは、本処理は待機状態である(ステップS231:No)。緊急モード情報を受信すると(ステップS231:Yes)、第2制御部22は、現在のモードが通常モードであるかを判断する。現在のモードが通常モードである場合(ステップS232:Yes)、第2制御部22は、緊急モードのフラグをONに設定する(ステップS233)。一方、現在のモードが通常モードでない場合、すなわち緊急モードである場合(ステップS232:No)、第2制御部22は、緊急モードフラグを現状のまま維持する。
【0064】
図10に示すように、操作装置Odの操作部11に対して使用者が操作を行うと、操作内容に応じた操作情報を生成または選択する(ステップS24)。このステップは、上述のステップS1と同様の処理である。
【0065】
図9は、第1制御部12の情報生成選択処理を示すフローチャートであり、その一部にステップS1を含む。操作部11に操作がなされるまでは、第1制御部12は、たとえば待機状態をとる(ステップS121:No)。操作部11に操作がなされると(ステップS121:Yes)、第1制御部12は、現在のモードが通常モードであるかを判断する。現在のモードが通常モードである場合(ステップS122:Yes)、第1制御部12は、たとえば第1記憶部13に記憶された操作情報テーブルを参照する(ステップS123)。そして、第1制御部12は、操作情報テーブルを用いて操作内容に対応した操作情報を生成するか、または操作情報テーブルから対応する操作情報を選択する(ステップS124)。操作情報は、たとえば操作部11に対する各操作毎に対応して設定されたデジタル情報等である。
【0066】
本例においては、複数の照明装置Lは、第1照明装置と第2照明装置とを含む。ここで、照明装置L1が第1照明装置であり、照明装置L2~Lnが第2照明装置である場合を例に説明する。
【0067】
第1照明装置であるL1においては、操作情報を第2無線通信部24が受信した場合に、図12に示す情報生成選択処理を行う。この処理は、その一部が上述のステップS3に該当し、他の一部が図10のステップS26に該当する。この処理においては、第2無線通信部24が操作情報を受信するまでは待機状態である(ステップS261:No)。第2無線通信部24が操作情報を受信すると(ステップS261:Yes)、第2制御部22は、現在のモードが通常モードであるかを判断する。現在のモードが通常モードである場合(ステップS262:Yes)、第2制御部22は、受信した操作情報を第2無線通信部24から他の照明装置L(第1クラスタCn1)へと転送する(ステップS263)。
【0068】
一方、現在のモードが緊急モードである場合、すなわち通常モードでない場合(ステップS262:No)、第1照明装置である照明装置L1の第2制御部22は、たとえば第2記憶部23に記憶された制御情報テーブルを参照する(ステップS264)。次いで、第2制御部22は、制御情報テーブルを用いて操作内容に対応した制御情報を生成するか、または制御情報テーブルから対応する制御情報を選択する(ステップS265)。
【0069】
次いで、第1照明装置である照明装置L1の第2制御部22は、生成または選択した制御情報を、第2無線通信部24から第2照明装置である他の照明装置L(照明装置L2~Ln)に送信する(ステップS27)。また、照明装置L1の第2制御部22は、自装置の光源部21を制御情報に対応した状態となるように制御する。
【0070】
第2照明装置である照明装置L2~Lnの第2制御部22は、第2無線通信部24が受信した制御情報に自装置の識別IDが含まれているかを確認する。制御情報に自装置の識別IDが含まれている場合、第2制御部22は、制御情報にしたがって光源部21の点灯状態等を適宜制御する。また、第2制御部22は、制御情報を第2無線通信部24から第1クラスタCn1(隣接する照明装置L)へと転送する(ステップS28)。第1クラスタCn1内における制御情報の転送が完了すると、操作装置Odの操作部11への操作に対応した複数の照明装置Lの点灯制御が完了する。
【0071】
本例によっても、制御装置Ctが故障等によって正常に機能しない場合であっても、緊急モードとして動作することにより、より確実に複数の照明装置Lの操作制御を継続することができる。また、本例によれば、図10および図11に示す第2状態フラグ切替処理(ステップS23)を第1照明装置である照明装置L1が実行することにより、照明システムA1を緊急モードで操作制御することができる。
【0072】
図13は、操作装置Odの他の例を示している。本例の操作装置Odは、第1無線通信部14が着脱可能に構成されている。第1無線通信部14が着脱可能である具体的な構造等は何ら限定されない。たとえば、第1無線通信部14は、コネクタ19によって操作装置Odに着脱可能であるドングルとして構成されている。
【0073】
本例の第1無線通信部14は、第1切替部16を有する。第1切替部16は、上述の実施形態において図8を参照して説明した第1状態フラグ切替処理(ステップS11)を行うものであり、たとえばCPUやIC等によって構成されている。
【0074】
このような構成によれば、たとえば第1切替部16を有さない第1無線通信部14が着脱可能に装填された操作装置Odから当該第1無線通信部14を取り外し、第1切替部16を有する第1無線通信部14を装填する。これにより、第1状態フラグ切替処理(ステップS11)を実行する機能を有していなかった操作装置Odに、第1状態フラグ切替処理(ステップS11)を実行する機能を容易かつ確実に付加することが可能であり、第1無線通信部14の汎用性を高めることができる。
【0075】
図14は、照明装置Lの他の例を示している。本例の照明装置Lは、第2無線通信部24が着脱可能に構成されている。第2無線通信部24が着脱可能である具体的な構造等は何ら限定されない。たとえば、第2無線通信部24は、コネクタ29によって照明装置Lに着脱可能であるドングルとして構成されている。
【0076】
本例の第2無線通信部24は、第2切替部26を有する。第2切替部26は、上述の実施形態において図11を参照して説明した第2状態フラグ切替処理(ステップS23)を行うものであり、たとえばCPUやIC等によって構成されている。
【0077】
このような構成によれば、たとえば第2切替部26を有さない第2無線通信部24が着脱可能に装填された照明装置Lから当該第2無線通信部24を取り外し、第2切替部26を有する第2無線通信部24を装填する。これにより、第2状態フラグ切替処理(ステップS23)を実行する機能を有していなかった照明装置Lに、第2状態フラグ切替処理(ステップS23)を実行する機能を容易かつ確実に付加することが可能であり、第2無線通信部24の汎用性を高めることができる。
【0078】
<第2実施形態>
図15は、本発明の第2実施形態に係る照明システムを示している。本実施形態の照明システムA2は、複数のクラスタ(第1クラスタCn1および第2クラスタCn2)と、複数の操作装置Od(操作装置Od1および操作装置Od2)を備える。
【0079】
第1クラスタCn1は、複数の照明装置L11~L1nによって構築されている。たとえば、照明装置L11は、上述の第1照明装置であり、照明装置L12~L1nは、上述の第2照明装置である。
【0080】
第2クラスタCn2は、複数の照明装置L21~L2nによって構築されている。たとえば、照明装置L21は、上述の第1照明装置であり、照明装置L22~L2nは、上述の第2照明装置である。
【0081】
本実施形態において、制御装置Ctは、第1クラスタCn1に属するいずれかの照明装置L、および第2クラスタCn2に属するいずれかの照明装置Lと無線通信可能である。すなわち、制御装置Ctは、第1クラスタCn1および第2クラスタCn2に属する構成であってもよいし、第1クラスタCn1および第2クラスタCn2に属さず、これらのクラスタとは別のプロトコル等によって、いずれかの照明装置Lと無線通信可能な構成であってもよい。
【0082】
第1クラスタCn1および第2クラスタCn2のそれぞれにおける通常モードおよび緊急モードの動作は、図6図12を参照して説明した動作を適宜採用される。また、たとえば、照明装置L11と照明装置L21とが相互に無線通信可能であることにより、第1クラスタCn1内を転送される情報と、第2クラスタCn2内を転送される情報とを、相互に送受信可能である。
【0083】
このような構成により、たとえば、制御装置Ctが正常に機能しない状態であることを使用者が認識し、操作装置Od1から特定の操作がなされると、操作装置Od1および照明装置L11~L1nが緊急モードに設定される。また、操作装置Od2から特定の操作がなされると、操作装置Od2および照明装置L21~L2nが緊急モードに設定される。第1クラスタCn1および第2クラスタCn2の双方が緊急モードに設定されると、たとえば、第1クラスタCn1内を転送される制御情報を第2クラスタCn2にも転送し、制御装置Ctを用いることなく照明装置L11~L1nと照明装置L21~L2nとを一括して操作することが可能である。
【0084】
<第3実施形態>
図16は、本発明の第3実施形態に係る照明システムを示している。本実施形態の照明システムA3においては、操作装置Odおよび第1照明装置としての照明装置L11の少なくともいずれかが、インターネットItを介してクラウドCLと通信可能に構成されている。本実施形態の操作装置Odおよび照明装置Lの少なくともいずれかは、上述した動作や制御を実現するためのプログラムを、インターネットItを介してクラウドCLからダウンロードすることにより、必要な処理機能を実装することが可能に構成されている。
【0085】
操作装置Odにプログラムがダウンロードされた場合、このプログラムは、たとえば上述の図6に示すステップS1,S2および図7に示すステップS11,S12,S13を、第1制御部12に実行させる。すなわち、当該プログラムは、第1制御部12に、図8に示す第1状態フラグ切替処理(ステップS11)や、図9に示す情報生成選択処理(ステップS1,S12)を実行させる。
【0086】
一方、照明装置L11にプログラムがダウンロードされた場合、このプログラムは、たとえば上述の図6に示すステップS3,S6および図7に示すステップS14、図10に示すステップS23,S26,S27を、第2制御部22に実行させる。すなわち、当該プログラムは、第2制御部22に、図11に示す第2状態フラグ切替処理(ステップS23)や、図12に示す情報生成選択処理(ステップS3,S26)を実行させる。
【0087】
本実施形態によっても、制御装置Ctに故障が生じた場合であっても、より確実に操作制御を継続することができる。また、操作装置Odおよび照明装置Lの少なくともいずれかが、プログラムをダウンロードすることによって、上述の制御処理を行うことが可能であることにより、操作装置Odおよび照明装置Lの汎用性を高めることが可能である。また、プログラムを更新することによって、操作装置Odまたは照明装置Lの処理機能を高めることができる。
【0088】
<第4実施形態>
図17図19は、本発明の第4実施形態に係る照明システムを示している。本実施形態の照明システムA4は、設定装置Sdを備える。設定装置Sdは、複数の照明装置Lの点灯制御に関する制御条件を設定する装置である。
【0089】
図18に示すように、設定装置Sdは、表示部41、第4制御部42、第4記憶部43、第4無線通信部44および第4電源部45を備える。
【0090】
表示部41は、設定装置Sdの操作等に必要な情報や画像を表示するためのものである。表示部41は、たとえば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであり、本実施形態においてはタッチパネル機能を有している。なお、表示部41がタッチパネルとして機能することに代えて、設定装置Sdは、たとえばキーボードやマウス等の操作デバイスを別途備えていてもよい。
【0091】
第4制御部42は、設定装置Sdの各部を制御するためのものである。第4制御部42の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。第4記憶部43は、第4制御部42の制御に必要なプログラムや設定条件等の情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリやハードディスクドライブ等からなる。
【0092】
第4無線通信部44は、照明システムA4の他の構成要素である操作装置Odの第1無線通信部14と無線通信を行うためのものである。また、第4無線通信部44は、インターネットItを介してクラウドCLと通信可能である。なお、第4無線通信部44は、制御装置Ctの第3無線通信部34と無線通信を行う構成であってもよい。第4無線通信部44の周波数帯や準拠する無線通信の規格は、何ら限定されない。第4無線通信部44は、たとえば種々の携帯電話通信規格に準拠し、たとえばLTE(Long Term Evolution)等による無線通信が可能であってもよい。なお、第4無線通信部44は、設定装置Sdとしてのタブレット等に内蔵された無線通信モジュールであってもよいし、USB端子等に接続された外付けの無線通信モジュールであってもよい。
【0093】
第4電源部45は、表示部41、第4制御部42および第4無線通信部44等に動作に必要な電力を供給するためのものである。第4電源部45は、たとえば充電可能なバッテリである。
【0094】
設定装置Sdは、第4無線通信部44によってインターネットItを介してクラウドCLからプログラムをダウンロードする構成であってもよい。このプログラムは、たとえば第4記憶部43に記憶される。このプログラムは、第4制御部42に、第4記憶部43に記憶されたカレンダ情報テーブルを読み出す処理、カレンダ情報テーブルを用いてカレンダ情報を生成する処理またはカレンダ情報テーブルからカレンダ情報を選択する処理、を実行させる。さらに、このプログラムは、カレンダ情報プログラムを第4無線通信部44から送信する処理を第4制御部42および第4無線通信部44に実行させる。
【0095】
図19は、第4記憶部43に記憶されるカレンダ情報テーブルの一例を示している。このカレンダ情報テーブルには、複数の照明装置L毎(照明装置Lの識別ID毎)に、時間変数である期間、光源部21の状態である色温度、調光率等、についての設定条件が予め用意されたテーブルである。
【0096】
操作装置Odは、設定装置Sdからカレンダ情報テーブルを設定されると、たとえば操作部11に照明装置Lを点灯させる(ONにさせる)操作がなされた場合に、単に該当する照明装置Lの光源部21を点灯させるだけでなく、カレンダ情報テーブルに設定された期間(時間変数)に現在の日時を当てはめることにより、光源部21の状態(色温度、調光率)等を、その日時に適した状態とする操作情報を生成または選択する。なお、カレンダ情報テーブルの設定対象は、操作装置Odに限定されず、たとえば制御装置Ctや、上述の第1照明装置としての照明装置L11等であってもよい。
【0097】
本実施形態によっても、制御装置Ctに故障が生じた場合であっても、より確実に操作制御を継続することができる。また、設定装置Sdによってカレンダ情報テーブルを操作装置Od等に設定することにより、使用者の操作を複雑化させることなく、複数の照明装置Lの点灯状態を、その日時により適した状態に制御することができる。
【0098】
本発明に係る照明システム、操作装置および照明装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る照明システム、操作装置および照明装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0099】
A1,A2,A3,A4:照明システム
11 :操作部
12 :第1制御部
13 :第1記憶部
14 :第1無線通信部
15 :第1電源部
16 :第1切替部
19 :コネクタ
21 :光源部
22 :第2制御部
23 :第2記憶部
24 :第2無線通信部
25 :第2電源部
26 :第2切替部
29 :コネクタ
31 :表示部
32 :第3制御部
33 :第3記憶部
34 :第3無線通信部
35 :第3電源部
41 :表示部
42 :第4制御部
43 :第4記憶部
44 :第4無線通信部
45 :第4電源部
101 :筐体
102 :取付板
CL :クラウド
Cn1 :第1クラスタ
Cn2 :第2クラスタ
Cs :収容空間
Ct :制御装置
It :インターネット
L,L1~Ln,L11~L1n,L21~L2n:照明装置
Od,Od1,Od2:操作装置
Sd :設定装置
WL :壁面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19