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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148054
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】計測補助具
(51)【国際特許分類】
   G01B 5/00 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
G01B5/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055883
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105843
【弁理士】
【氏名又は名称】神保 泰三
(72)【発明者】
【氏名】坂田 秀文
【テーマコード(参考)】
2F062
【Fターム(参考)】
2F062AA21
2F062CC27
2F062GG07
2F062GG29
2F062LL03
2F062MM06
(57)【要約】
【課題】梁の全長や仕口長さの計測作業が迅速に行える計測補助具を提供する。
【解決手段】計測補助具1は、梁9の延設方向における所定部位間の長さを長さ計測具であるコンベックスDにより計測する際に用いられる。この計測補助具1は、上記梁9のフランジ91に形成されている上記長さの計測方向に並ぶ円形孔91aに差し込む一対の位置決めピン11a、11bと、上記一対の位置決めピン11a、11bのうち上記フランジ91の最も端に位置する円形孔91aに差し込む基準位置決めピン11aの中心を基準とし、コンベックスDに対して上記長さの計測方向の計測基準点を与えるスコヤSを固定するスコヤ固定部13と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
梁の延設方向における所定部位間の長さを長さ計測具により計測する際に用いられる計測補助具であって、
上記梁のフランジに形成されている上記長さの計測方向に並ぶ円形孔に差し込む一対の位置決めピンと、
上記一対の位置決めピンのうち上記フランジの最も端に位置する円形孔に差し込む基準位置決めピンの中心を基準とし、上記長さ計測具に対して上記長さの計測方向の計測基準点を与える基準形成部位と、
を備えることを特徴とする計測補助具。
【請求項2】
請求項1に記載の計測補助具において、樹脂からなる部位を有することを特徴とする計測補助具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の計測補助具において、上記基準形成部位は、上記基準位置決めピンの中心から外れて位置することを特徴とする計測補助具。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の計測補助具において、上記一対の位置決めピン間の距離が可変であることを特徴とする計測補助具。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の計測補助具において、上記一対の位置決めピンが、当該計測補助具の第1の面と当該第1の面に直交する第2の面にそれぞれ設けられていることを特徴とする計測補助具。
【請求項6】
請求項5に記載の計測補助具において、上記基準位置決めピンの先端側に、上記長さの計測方向に直交する直交面部が形成されており、上記第1の面と上記第2の面うちの一方の面側の一対の位置決めピンが上記円形孔に差し込まれた状態で、他方の面側の一対の位置決めピンにおける基準位置決めピンの先端側の上記直交面部が、上記長さ計測具に対して上記長さの計測方向の計測基準点を与えることを特徴とする計測補助具。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の計測補助具において、上記一対の位置決めピンは、第1の径部と、この第1の径部上に位置し、当該第1の径部よりも小径の第2の径部と、を有することを特徴とする計測補助具。
【請求項8】
請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の計測補助具において、上記基準位置決めピンの中心と、当該計測補助具の上記フランジの端側に位置する端面との距離が、上記フランジに必要とされる端あきのマイナスの許容距離に一致することを特徴とする計測補助具。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の計測補助具において、上記基準形成部位は、上記長さ計測具の目盛りの読み位置として上記計測基準点を与えるスコヤを固定するスコヤ固定部であることを特徴とする計測補助具。
【請求項10】
請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の計測補助具において、上記基準形成部位は、端面を有する端面形成部材であり、上記端面は、上記長さの計測方向に直交し、上記長さ計測具の先端爪の合わせ位置として、または上記長さ計測具の目盛りの読み位置として上記計測基準点を与えることを特徴とする計測補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、梁の延設方向における所定部位間の長さを長さ計測具により計測する際に用いられる計測補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、工場において鋼製柱に鋼製梁を溶接して柱状構造物を製作する際に、検査作業として、上記鋼製梁の全長や上記鋼製柱に対する鋼製梁の仕口長さを計測することが行われている。
【0003】
また、従来技術として、特許文献1には、穴間寸法測定補助具が開示されている。この穴間寸法測定補助具は、測定対象となる穴に挿入される円形挿入部と上記穴には挿入されない円形の頭部とを有して成る。上記頭部の上面には、寸法測定具であるスチールテープが入り込むスリットを上記円形挿入部の中心線(芯)上を通過するように形成するとともに、上記円形挿入部の中心線(芯)の位置を表す目印が、上記スリットと直交するように刻まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4545892号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記穴間寸法測定補助具を用いて上記鋼製梁の全長や仕口長さを計測することは可能である。しかしながら、上記穴間寸法測定補助具では、個々の穴間寸法測定補助具において、そのスリットの方向を揃える等の手間が必要になり、計測作業が迅速に行えない。
【0006】
この発明は、梁の全長や仕口長さの計測作業が迅速に行える計測補助具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の計測補助具は、梁の延設方向における所定部位間の長さを長さ計測具により計測する際に用いられる計測補助具であって、
上記梁のフランジに形成されている上記長さの計測方向に並ぶ円形孔に差し込む一対の位置決めピンと、
上記一対の位置決めピンのうち上記フランジの最も端に位置する円形孔に差し込む基準位置決めピンの中心を基準とし、上記長さ計測具に対して上記長さの計測方向の計測基準点を与える基準形成部位と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
上記の構成であれば、上記一対の位置決めピンを、上記フランジに形成されている上記長さの計測方向に並ぶ円形孔に差し込むことで、当該計測補助具の位置および方向が迅速に定まる。そして、この差し込み状態において、上記計測基準点を基準にして、上記梁の所定部位間の長さを、上記長さ計測具を用いて正確に計測することができる。
【0009】
上記計測補助具は、樹脂からなっていて樹脂からなる部位を有してもよい。これによれば、上記計測補助具を軽量化でき、長さ計測の作業負担を軽減することができる。また、樹脂からなる部位は3Dプリンターを用いて簡単且つ安価に作製することができる。
【0010】
上記基準形成部位は、上記基準位置決めピンの中心から外れて位置してもよい。これによれば、上記基準形成部位の形成位置の自由度が高くなり、当該計測補助具をより使い易くする設計が容易になる。
【0011】
上記一対の位置決めピン間の距離が可変であってもよい。これによれば、上記フランジに形成されている円形孔のピッチが異なる2種以上の梁に対して、共通の計測補助具を用いることができる。
【0012】
上記一対の位置決めピンが、当該計測補助具の第1の面と当該第1の面に直交する第2の面にそれぞれ設けられていてもよい。これによれば、上記第1の面の一対の位置決めピンを用いて上記梁の所定部位間の長さを計測することが何らかの障害物によりできない場合でも、上記第2の面の一対の位置決めピンを用いて上記梁の所定部位間の長さを計測することが可能である。
【0013】
上記構成において、上記基準位置決めピンの先端側に、上記長さの計測方向に直交する直交面部が形成されており、上記第1の面と上記第2の面うちの一方の面側の一対の位置決めピンが上記円形孔に差し込まれた状態で、他方の面側の一対の位置決めピンにおける基準位置決めピンの先端側の上記直交面部が、上記長さ計測具に対して上記長さの計測方向の計測基準点を与えてもよい。これによれば、上記直交面部を長さの計測基準点とすることができる状況において、この直交面部を用いた迅速な長さ計測が行えることになる。
【0014】
上記一対の位置決めピンは、第1の径部と、この第1の径部上に位置し、当該第1の径部よりも小径の第2の径部と、を有してもよい。これによれば、上記フランジに形成されている円形孔の直径が異なる2種以上の梁に対して、共通の計測補助具を用いることができる。
【0015】
上記基準位置決めピンの中心と、当該計測補助具の上記フランジの端側に位置する端面との距離が、上記フランジに必要とされる端あきのマイナスの許容距離に一致してもよい。これによれば、当該計測補助具によって、上記梁の所定部位間の長さの計測時に、上記フランジに必要とされる端あきの確認作業も同時的に行うことができる。
【0016】
上記基準形成部位は、上記長さ計測具の目盛りの読み位置として上記計測基準点を与えるスコヤを固定するスコヤ固定部であってもよい。或いは、上記基準形成部位は、端面を有する端面形成部材であり、上記端面は、上記長さの計測方向に直交し、上記長さ計測具の先端爪の合わせ位置として、または上記長さ計測具の目盛りの読み位置として上記計測基準点を与えてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明であれば、梁の全長や仕口長さを計測する作業が迅速に行える等の諸効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態の計測補助具の斜視説明図である。
図2】実施形態の計測補助具の正面図、平面図および底面図である。
図3】実施形態の計測補助具を用いて梁の仕口長さを計測する様子を正面視により示した説明図である。
図4】実施形態の計測補助具を用いて梁の仕口長さを計測する様子を平面視により示した説明図である。
図5】同図(A)および同図(B)は、他の実施形態の計測補助具を異なる角度から示した斜視説明図である。
図6図5に示す計測補助具を用いて梁の全長を計測する様子を斜視により示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施形態1)
以下、実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1および図2に示すように、計測補助具1は、梁9の延設方向(X-Y方向)における所定部位間の長さをコンベックスD(長さ計測具)により計測する際に用いられる。そして、この計測補助具1は、長さ計測方向(上記延設方向)に離間する一対の円柱状の位置決めピン11a・11bを第1の面101に有するとともに、当該第1の面101に直交する第2の面102の側にも、上記長さ計測方向に離間する一対の円柱状の位置決めピン12a・12bを有している。上記位置決めピン11a・11bの軸心は第1の面101に直交しており、上記位置決めピン12a・12bの軸心は第2の面102に直交している。
【0020】
上記梁9のフランジ91には、上記延設方向(上記長さ計測方向)にボルト挿通用の複数の円形孔91aが形成されている。上記計測補助具1が上記所定部位間の長さ計測に用いられる際に、一対の位置決めピン11a・11bまたは一対の位置決めピン12a・12bは、上記長さ計測方向に並ぶ2つの円形孔91aに差し込まれる。各位置決めピン11a・11b、12a・12bの断面円は、円形孔91aに差し込まれた状態でがたつきが生じ難い直径を有している。
【0021】
また、上記計測補助具1は、上記一対の位置決めピン11a・11b(或いは位置決めピン12a・12b)の離間方向(上記長さ計測方向)に互いにスライド可能に設けられた第1部品Aと第2部品Bと第3部品Cとからなる。第1部品Aは、計測補助具1における四角柱形状の外郭部分をなしており、第2部品Bは計測補助具1の内挿部分をなしている。また、第3部品Cは、第1部品Aの端部に設けられており、四角開口部で第2部品Bをガイドする。第1部品Aと第2部品Bと第3部品Cは、樹脂からなっており、それぞれ3Dプリンターを用いて作製されている。
【0022】
一対の位置決めピン11a・11bおよび一対の位置決めピン12a・12bのうち、上記フランジ91の最も端側の円形孔91aに差し込まれる位置決めピン11a、12aは、長さ測定の基準である基準位置決めピン11a、12aとなる。他の位置決めピン11b、12bは、計測補助具1の回転を阻止し且つ測定方向を決定する部位となる。
【0023】
上記基準位置決めピン11aは、第1部品A上の上記第1の面101に形成されており、基準位置決めピン12aは、第1部品A上の上記第2の面102に形成されている。一方、位置決めピン11bおよび位置決めピン12bは、第2部品Bに形成されている。第2部品Bは、例えば、第1部品Aの内部に形成された四角形穴内に摺動自在に挿入される四角柱状軸部を有し、この円柱状軸部の表面から上記位置決めピン11b、12bを突出させている。これにより、上記一対の位置決めピン11a・11bおよび一対の位置決めピン12a・12bは、各々のピン間距離が可変となり、第1部品Aと第2部品Bとを互いにスライドさせることで、ピン間距離を調整することができる。上記第1部品Aには、位置決めピン11bおよび位置決めピン12bをガイドする横長開口部Aaが形成されている。
【0024】
上記計測補助具1は、上記第1部品Aにおいて、基準形成部位としてのスコヤ固定部13を有する。このスコヤ固定部13は、上記基準位置決めピン11a(12a)の中心(軸芯)を基準とし、コンベックスDに対して上記長さの計測方向の計測基準点を与える。この実施形態では、スコヤ固定部13は、上記基準位置決めピン11a(12a)の中心真上ではなく、当該中心から上記長さの計測方向に直交する方向に外れた位置に形成されている。
【0025】
スコヤ固定部13は、上記コンベックスDの目盛りの読み位置として計測基準点を与える。このスコヤ固定部13には、例えば、スコヤSの長手の一方の縁が当てられる当て面(凹溝)が形成されており、セットされたスコヤSの長手の一方の縁が上記当て面に当てられた状態で、このスコヤSの長手の一方の縁が、上記基準位置決めピン11aの中心(軸心)に合致する。スコヤ固定部13にセットされたスコヤSの妻手には、押え部材14が被せられており、この押え部材14に通された螺子を締めることで、スコヤSがスコヤ固定部13に固定される。この状態で、スコヤSの長手の先端側は、計測補助具1の上面(第1の面101の背向面)から突出する。そして、一対の位置決めピン11a・11bがフランジ91の円形孔91aに差し込まれて用いられるときには、スコヤSの長手はフランジ91に直交して立つ状態となり、一対の位置決めピン12a・12bがフランジ91の円形孔91aに差し込まれるときには、スコヤSの長手はフランジ91と平行な姿勢となる。
【0026】
また、上記基準位置決めピン11a(12a)の先端側に、上記長さの計測方向に直交する直交面部111(121)を有する半円凸部が形成されている。上記第1の面101と上記第2の面102うちの一方の面側の一対の位置決めピン11a・11b(または一対の位置決めピン12a・12b)が上記円形孔91aに差し込まれた状態で、他方の面側の一対の位置決めピン12a・12b(または一対の位置決めピン11a・11b)における基準位置決めピン12a(または11a)の先端側の上記直交面部121(または111)は、コンベックスDに対して上記長さの計測方向の計測基準点(目盛り読取線)を与える。
【0027】
また、上記基準位置決めピン11a(12a)の中心(軸心)と、当該計測補助具1における第1部品Aの上記フランジ91の端側に位置する端面との距離は、上記フランジ91に必要とされる端あきのマイナスの許容距離(例えば、38mm)に一致している。
【0028】
図3および図4に示すように、計測補助具1は、梁9の所定部位間の長さである梁9の仕口長さの計測用の補助具として用いられる。上記梁9の仕口長さは、柱8の表面から上記フランジ91の最も端側の円形孔91aの孔芯までの距離である。上記計測補助具1を用いるときには、一対の位置決めピン11a・11bを、梁9のフランジ91に当該梁9の延設方向に隣り合って形成されている2つの円形孔91aに差し込む。この差し込みにより、当該計測補助具1の位置および方向が迅速に定まる。なお、基準位置決めピン11aはフランジ91の最も端側の円形孔91aに差し込む。そして、この差し込み状態においては、スコヤ固定部13にセットされたスコヤSにより与えられた計測基準点(スコヤSの長手の縁)は、上記基準位置決めピン11aの中心(軸心)に合致するので、このスコヤSの長手の縁をコンベックスDの目盛りの読み位置とすることで、上記梁9の仕口長さを正確に計測することができる。
【0029】
また、計測補助具1は、樹脂からなるので、計測補助具1を軽量化でき、長さ計測の作業負担を軽減することができる。また、樹脂部位については、3Dプリンターを用いて簡単且つ安価に作製できる。なお、この実施形態では、計測補助具1の全て(螺子等は除く)が樹脂からなるが、これに限らない。例えば、基準位置決めピン11a等の外径を幾分小さく設計し、この位置決めピン11a等に金属管を外嵌めする構成としてもよく、この構成とすれば、基準位置決めピン11a等の摩耗を軽減することができる。
【0030】
上記スコヤ固定部13は、上記基準位置決めピン11aの中心から上記延設方向に直交する方向に外れた位置にあるため、上記スコヤ固定部13の形成位置の自由度が高くなり、当該計測補助具1をより使い易くする設計が容易になる。
【0031】
上記一対の位置決めピン11a・11b(12a・12b)間の距離が可変であると、上記フランジ91に形成されている円形孔91aのピッチが異なる2種以上の梁9に対して、共通の計測補助具を用いることができる。
【0032】
上記一対の位置決めピン11a・11b(12a・12b)が、第1の面101と当該第1の面101に直交する第2の面102にそれぞれ設けられていると、上記第1の面101の一対の位置決めピン11a・11bを用いて上記梁9の仕口長さを計測することが何らかの障害物によりできない場合でも、上記第2の面102の一対の位置決めピン12a・12bを用いて上記梁9の仕口長さを計測することが可能である。
【0033】
上記基準位置決めピン11a(12a)の先端に、上記長さの計測方向に直交する直交面部111(121)を有すると、例えば、スコヤSが未装着であり、上記直交面部111または直交面部121を長さの計測基準点として用いることができる状況において、この直交面部111または直交面部121を用いた迅速な長さ計測が行えることになる。
【0034】
上記基準位置決めピン11a(12a)の中心と、当該計測補助具1の上記フランジ91の端側に位置する端面との距離が、上記フランジ91に必要とされる端あきのマイナスの許容距離に一致していると、当該計測補助具1で上記梁9の仕口長さを計測する作業において、上記フランジ91に必要とされる端あきの確認作業も同時的に行うことができる。
【0035】
(実施形態2)
以下、他の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、実施形態1と共通する構成部分には同一の符号を付記してその説明を省略する。
【0036】
図5(A)および図5(B)に示すように、この実施形態の計測補助具1Aは、基準形成部位として角柱状の端面形成部材15、16を有する。端面形成部材15は、第1部品Aにおける第1の面101に背向する面に形成されており、端面形成部材16は、第1部品Aにおける第2の面102に背向する面に形成されている。なお、図では、第3部品Cを第1部品Aから少し離間させて示している。第3部品Cは第1部品Aに螺子により留め付けられる。
【0037】
そして、端面形成部材15、16は、それぞれ、計測基準点として、上記長さの計測方向に直交する面部である端面15a、16aを有している。端面15a、16aは、上記基準位置決めピン11a(12a)の中心(軸芯)に合致しており、上記コンベックスDの先端爪D1の合わせ位置として、この先端爪D1を引っ掛けることができる。ただし、端面形成部材15、16は、上記基準位置決めピン11a(12a)の中心上ではなく、当該中心から上記長さの計測方向に直交する方向に外れた位置にある。
【0038】
端面15a、16aに対向して隙間調整部材151、161がそれぞれ螺子留めされている。隙間調整部材151、161は、それぞれ長孔を有することによって上記長さの計測方向に位置調整可能に設けられており、端面15a、16aとの間に、先端爪D1の厚さに対応する装着隙間を形成することができる。なお、隙間調整部材151、161が無くても、先端爪D1の引っ掛け状態を形成することは可能である。
【0039】
また、この実施形態の計測補助具1Aでは、一対の位置決めピン11a・11bは、第1の径部1100と、この第1の径部1100上に位置し、当該第1の径部1100よりも小径の第2の径部1101と、を有する。なお、計測補助具1においても、一対の位置決めピン11a・11bが異なる径部を有してもよい。
【0040】
図6に示すように、上記梁9の全長の計測は、2個の計測補助具1Aを向かい合わせに配置して行われる。このとき、一方の計測補助具1Aでは、端面15a、16aに、上記コンベックスDの先端爪D1が引っ掛けられ、他方の計測補助具1Aにおける端面15a、16aは、上記コンベックスDの目盛りの読み位置として計測基準点を与える。上記梁9の全長は、梁9の延設方向両側に形成されている円形孔群のなかで最も端側に位置する円形孔91aの孔芯間の距離である。2個の計測補助具1Aの各々の一対の位置決めピン11a・11bは、梁9のフランジ91に両側において当該梁9の延設方向に隣り合って形成されている2つの円形孔91aに差し込まれる。これにより、これら計測補助具1Aの位置および方向が迅速に定まる。そして、この差し込み状態においては、計測基準点である端面15a(16a)は、上記基準位置決めピン11aの中心(軸心)に合致するので、この端面15a(16a)を基準にして、上記梁9の全長を、コンベックスDにより迅速に計測することができる。
【0041】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 :計測補助具
1A :計測補助具
8 :柱
9 :梁
11a :位置決めピン(基準位置決めピン)
11b :位置決めピン
12a :位置決めピン(基準位置決めピン)
12b :位置決めピン
13 :スコヤ固定部(基準形成部位)
14 :押え部材
15 :端面形成部材(基準形成部位)
15a :端面(計測基準点)
16 :端面形成部材(基準形成部位)
16a :端面(計測基準点)
91 :フランジ
91a :円形孔
101 :第1の面
102 :第2の面
111 :直交面部
121 :直交面部
151 :隙間調整部材
161 :隙間調整部材
1100 :第1の径部
1101 :第2の径部
A :第1部品
Aa :横長開口部
B :第2部品
C :第3部品
D :コンベックス(長さ計測具)
D1 :先端爪
S :スコヤ(計測基準点)
図1
図2
図3
図4
図5
図6