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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148091
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】光源ユニット、灯具及び照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/00 20150101AFI20231005BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20231005BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231005BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20231005BHJP
【FI】
F21V23/00 160
F21S2/00 230
F21Y115:10
F21Y103:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055948
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥田 典明
(72)【発明者】
【氏名】小津 祥平
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
(57)【要約】
【課題】隣り合う基板を接続する接続部材を発光素子の近くに配置しても、発光素子からの光を遮ることがなく、設計の自由度を向上させることができる、光源ユニット、灯具及び照明装置を提供する。
【解決手段】光源ユニットは、一方の面上に敷設された導電層、及び導電層に電気的に接続されて実装された発光素子を有する複数の基板と、複数の基板を、導電層を介して電気的に接続する接続部材と、を備えている。接続部材は、導電線が編み込まれて形成された可撓性を有する編組導体であり、一端部が、隣り合う一方の基板の導電層と電気的に接続され、他端部が、隣り合う他方の基板の導電層と電気的に接続される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面上に敷設された導電層、及び前記導電層に電気的に接続されて実装された発光素子を有する複数の基板と、
複数の前記基板を、前記導電層を介して電気的に接続する接続部材と、を備え、
前記接続部材は、導電線が編み込まれて形成された可撓性を有する編組導体であり、一端部が、隣り合う一方の前記基板の前記導電層と電気的に接続され、他端部が、隣り合う他方の前記基板の前記導電層と電気的に接続される、光源ユニット。
【請求項2】
前記接続部材は、前記発光素子の照射範囲角度で規定される領域の外側に配置される、請求項1に記載の光源ユニット。
【請求項3】
前記接続部材は、前記発光素子の光軸に沿った前記基板からの高さ寸法が、前記基板に実装された前記発光素子の高さ寸法以下である、請求項1又は請求項2に記載の光源ユニット。
【請求項4】
前記接続部材は、前記発光素子の光軸に沿った前記基板からの高さ寸法が、前記発光素子が実装された前記基板の一方の面を平面的に見た状態における前記基板を繋ぐ方向の長さ寸法以下で、且つ前記基板を繋ぐ方向と直交する方向の長さ寸法以下である、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の光源ユニット。
【請求項5】
前記接続部材は、前記発光素子が実装された前記基板の一方の面を平面的に見て、前記基板を繋ぐ方向と直交する方向に向かって突き出す曲部を有している、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の光源ユニット。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の光源ユニットと、
長尺で平板状の基部を有し、前記基部に前記光源ユニットが設けられる台座部と、
前記発光素子を覆うように前記台座部に取り付けられる透光性のカバーと、を備えている、灯具。
【請求項7】
請求項6に記載の灯具と、
前記灯具が着脱自在に装着される器具と、を備えている、照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光源ユニット、灯具及び照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、LED等の発光素子が実装された複数の基板を有する光源ユニットが知られている。例えば特許文献1では、各LED基板にコネクタが実装されており、コネクタ同士を接続することで、隣り合うLED基板同士を電気的に接続した構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5701682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、コネクタ及びコネクタを基板に接続する電線などの構成部品が基板の表面から所定の高さを有するので、構成部品の存在によって発光素子からの光が遮られてしまうおそれがある。そのため、当該基板を備えた照明装置では、発光面に影が生じることがある。構成部品によって発光素子からの光を遮らないようにするためには、構成部品を発光素子から離れた位置に配置しなければならず、設計の自由度が制限される。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、隣り合う基板を接続する接続部材を発光素子の近くに配置しても、発光素子からの光を遮ることがなく、設計の自由度を向上させることができる、光源ユニット、灯具及び照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る光源ユニットは、一方の面上に敷設された導電層、及び前記導電層に電気的に接続されて実装された発光素子を有する複数の基板と、複数の前記基板を、前記導電層を介して電気的に接続する接続部材と、を備え、前記接続部材は、導電線が編み込まれて形成された可撓性を有する編組導体であり、一端部が、隣り合う一方の前記基板の前記導電層と電気的に接続され、他端部が、隣り合う他方の前記基板の前記導電層と電気的に接続されるものである。
【0007】
本開示に係る灯具は、上記光源ユニットと、長尺で平板状の基部を有し、前記基部に前記光源ユニットが設けられる台座部と、前記発光素子を覆うように前記台座部に取り付けられる透光性のカバーと、を備えているものである。
【0008】
本開示に係る照明装置は、上記灯具と、前記灯具が着脱自在に装着される器具と、を備えているものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、編組導体から成る接続部材で隣り合う基板を電気的に接続する構成なので、該接続部材を発光素子の近くに配置しても、薄厚の編組導体によって発光素子からの光が遮られることがなく、設計の自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る光源ユニットの一例を示した平面図である。
図2図1に示したA部の拡大図である。
図3図1に示した光源ユニットの側面図である。
図4図3に示したB部の拡大図である。
図5】実施の形態1に係る光源ユニットの接続部材を示した説明図である。
図6】実施の形態1に係る光源ユニットの変形例を示した平面図である。
図7図6に示したC部の拡大図である。
図8図6に示した状態から隣り合う基板の位置がずれた状態の一例を示した説明図である。
図9図8に示した状態における接続部材を示した説明図である。
図10図6に示した状態から隣り合う基板の位置がずれた状態の異なる一例を示した説明図である。
図11図10に示した状態における接続部材を示した拡大図である。
図12】実施の形態1における照明装置の一構成例を示した斜視図である。
図13図12に示した照明装置を分解して示した斜視図である。
図14】実施の形態1における灯具を示した斜視図である。
図15】実施の形態1における灯具を分解して示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。
【0012】
実施の形態1.
先ず、図1図11を参照して、本実施の形態1に係る光源ユニット1を説明する。図1は、実施の形態1に係る光源ユニット1の一例を示した平面図である。図2は、図1に示したA部の拡大図である。図3は、図1に示した光源ユニット1の側面図である。図4は、図3に示したB部の拡大図である。図5は、実施の形態1に係る光源ユニット1の接続部材15を示した説明図である。
【0013】
(光源ユニット1)
光源ユニット1は、後述する照明装置100を構成する灯具101の一部として用いられるものである。光源ユニット1は、図1図4に示すように、複数の基板10及び基板11と、複数の基板10及び基板11を接続する接続部材15と、を有している。基板10及び基板11は、一方の平面上に敷設された導電層12と、導電層12に接続されて実装された発光素子13と、銅箔パッド14と、を有している。なお、光源ユニット1は、図示した2つの基板10及び基板11を長手方向Xに並列させて配置した構成に限定されず、3つ以上の基板を長手方向Xに並列させて配置した構成でもよいし、2つ以上の基板を短手方向Yに並列させて配置した構成でもよい。また、図示した2つの基板10及び基板11は、同形同大のものを使用しているが、必ずしも同形同大である必要はない。
【0014】
基板10及び基板11は、ガラス・エポキシ基板(FR-4)、ガラス・コンポジット基板(CEM-3)、紙エポキシ基板(FR-3)、紙フェノール基板(XPC)、金属ベース基板などを用いることができる。基板10及び基板11は、図1及び図2に示すように、灯具101の一部を構成する台座部2の基部20に、例えば接着剤又はネジ等の固定部材、或いは台座部2に形成された保持機構等により取り付けられる。
【0015】
導電層12は、発光素子13に点灯電力を供給するための供給経路であり、銅、銀、ニッケル、金、モリブデン等を含む材料が用いられ、配線回路として形成されている。
【0016】
発光素子13は、光源回路を構成するものである。発光素子13は、例えば面実装可能な発光ダイオード(Light Emitting Diode。以下「LED」という)であり、例えば波長が440~480nmの青色光を発するLEDチップ上に青色光を黄色光に波長変換する蛍光体を配してパッケージ化した擬似白色LED等が用いられる。なお、発光素子13は、LEDに限らず、例えばレーザダイオード(Laser Diode)、有機EL(Organic Electro-Luminescence)などを用いることができる。
【0017】
発光素子13の個数及び配置位置等は、光源ユニット1、後述の灯具101、照明装置100の設計仕様に応じて適宜決定される。例えば、発光素子13は、長手方向Xに沿って複数列を並行させた配置としてもよい。また、発光素子13は、千鳥状に配置してもよい。
【0018】
銅箔パッド14は、導電層12に接続されて実装されており、接続部材15をはんだで接合するために設けられている。銅箔パッド14は、基板10及び基板11の長手方向Xの両端にそれぞれ2つずつ設けられている。基板10及び基板11の長手方向Xの各端部に設けられた2つの銅箔パッド14は、基板10及び基板11の短手方向Yにおいて、発光素子13を間に挟んで配置されている。なお、銅箔パッド14は、図示した位置及び個数に限定されず、基板10及び基板11の大きさ及び形状、発光素子13の配置等に応じて、適宜変更して設けるものとする。
【0019】
接続部材15は、図1図4に示すように、複数の基板10及び基板11を、導電層12を介して電気的に接続するものである。接続部材15は、図5に示すように、導電線である銅線を網状に編み込んで形成された繊維状の編組導体であり、可撓性を有するものである。接続部材15は、一例として平編銅線である。接続部材15は、例えば図5に示したように銅線を斜めに交差するように編み込んで形成された構成、又は、銅線を縦横に交差するように編み込んで形成された構成である。接続部材15は、可撓性を有しているので、自在に変形させることができる。なお、接続部材15は、銅線に限定されず、導電性を有する金属材料でもよいし、金属材料以外の材料が含まれるものでもよい。また、接続部材15は、一例として縦断面が扁平形状としたものが使用されるが、例えば縦断面が円形、楕円形、方形又は多角形等でもよいし、その他の形状でもよい。
【0020】
接続部材15は、一端部が、隣り合う一方の基板10の導電層12と電気的に接続され、他端部が、隣り合う他方の基板11の導電層12と電気的に接続される。具体的には、接続部材15は、一方の基板10に設けられた銅箔パッド14に一端を載せてはんだ接合されたはんだ接合部16と、他方の基板11に設けられた銅箔パッド14に他端を載せてはんだ接合されたはんだ接合部17と、を有している。隣り合う基板10及び基板11は、接続部材15が銅箔パッド14にはんだ接合されることによって、電気的に接続される。接続部材15は、基板10及び基板11の配置に合わせて適切な長さに調整することができる。そのため、光源ユニット1は、基板の間隔を狭めたり広げたりして配置を自由に設計することができる。また、接続部材15は、はんだとの接触面積を増やすことで、はんだ接合部16及びはんだ接合部17の強度を向上させることができる。更に、接続部材15は、はんだとの接触面積を増やすことで、はんだ接合部16及びはんだ接合部17のインピーダンスを低くすることができるので、電力の伝送損失を減少させて伝送効率を向上させることができる。また、インピーダンスが低いはんだ接合部16及びはんだ接合部17は、発熱が抑制されるので、接続品質を維持することができる。なお、はんだ接合は、例えば鏝による加熱、又はレーザーを用いたスポット接合など、公知の多様な方法を採用できる。また、接続部材15は、はんだ接合し易くするために、予め両端にはんだを含侵させてもよい。
【0021】
以上のように、本実施の形態1に係る光源ユニット1は、一方の面上に敷設された導電層12と、導電層12に電気的に接続されて実装された発光素子13と、を有する複数の基板10及び基板11と、複数の基板10及び基板11を、導電層12を介して電気的に接続する接続部材15と、を備えている。接続部材15は、導電線が編み込まれて形成された可撓性を有する編組導体である。接続部材15は、一端部が、隣り合う一方の基板10の導電層12と電気的に接続され、他端部が、隣り合う他方の基板11の導電層12と電気的に接続されている。
【0022】
このように、本実施の形態1に係る光源ユニット1は、薄厚の編組導体から成る接続部材15を用いて隣り合う基板10及び基板11を電気的に接続する構成としたので、該接続部材15を発光素子13の近くに配置しても、発光素子13からの光が遮られることがなく、設計の自由度を向上させることができる。そして、図5に示すように、接続部材15に用いる編組導体を扁平形状にすることによって、断面積Sが確保され、接続部材15のインピーダンスを低くすることができるので、電力の伝送損失を減少させて、伝送効率を向上させることができる。また、インピーダンスが低い接続部材15は発熱が抑制されるので、はんだ接合部16及びはんだ接合部17の接続品質を長期にわたって維持することができる。なお、接続部材15は、扁平形状をなす単一の編組導体を用いてもよいし、複数の編組導体によって全体として扁平形状をなすように構成されてもよい。
【0023】
ここで、具体的には、図4に示すように、接続部材15は、発光素子13の照射範囲角度θで規定される領域の外側に配置されることが好ましい。発光素子13の照射範囲角度θは、例えば発光素子13の光軸Pにおける明るさを基準として、1/2の明るさになる角度を2倍した値で規定される角度であり、指向角度ともいう。そして、接続部材15は、図4及び図5に示すように、発光素子13の光軸Pに沿った基板10及び基板11からの高さ寸法H2が、基板10及び基板11に実装された発光素子13の高さ寸法H1以下とすることが好ましい。また、接続部材15は、発光素子13の光軸Pに沿った基板10からの高さ寸法H2が、発光素子13が実装された基板10及び基板11の一方の面を平面的に見た状態(図1及び図2を参照)における基板10及び基板11を繋ぐ方向Xの長さ寸法L以下で、且つ基板10及び基板11を繋ぐ方向Xと直交する方向Yの長さ寸法W以下とすることがより好ましい。これにより、発光素子13からの光を遮ることなく低い位置で接続部材15をはんだ接合することができるので、銅箔パッド14を発光素子13に近づけて配置することができ、基板10及び基板11を細型化できる。更に、基板10及び基板11の位置ずれ、又は基板10及び基板11の線膨張等の理由で、接続部材15が変形した場合であっても、接続部材15によって発光素子13からの光が遮られることがない。
【0024】
また、本実施の形態1に係る光源ユニット1は、隣り合う基板10及び基板11を接続部材15で電気的に接続することで、組み立てのばらつきによって基板10及び基板11を並べる位置がずれたり、接続部材15で接続した後に基板10及び基板11が線膨張して絶対位置又は相対位置がずれたりしても、はんだ接合部16及びはんだ接合部17に応力が直接加わる事態を抑制することができる。これにより、基板10及び基板11が基準となる位置からずれても、接続部材15による基板10及び基板11の接続状態を長期にわたって維持できるので品質の向上に寄与できる。しかも、基板10及び基板11の組み立て作業時において、基板10及び基板11の設置位置の精度が要求されないため、組立作業の作業性が改善される。
【0025】
そして、上記特許文献1に開示されているように、異なる複数の基板に実装されたコネクタ同士を接続する方法では、コネクタと基板とのはんだ接合部分に応力が加わり続ける可能性があり、断線等の不具合を招くおそれもある。本実施の形態1に係る光源ユニット1は、隣り合う基板10及び基板11を、可撓性を有する編組導体である接続部材15で電気的に接続する構成としたので、接続部材15と銅箔パッド14とのはんだ接合部分に応力が加わり続けることがなく、銅箔パッド14からはんだが剥離したり、基板10から銅箔パッド14が剥離したりするおそれがない。このため、光源ユニット1は、点灯不良に陥ることなく長期間にわたって良好な使用状態を維持することができる。
【0026】
また、編組導体から成る接続部材15は、樹脂性の被覆に覆われていない。すなわち、編組導体から成る接続部材15は、樹脂材料を用いずに形成することができるので、環境負荷が小さい。また、編組導体から成る接続部材15は、端部の被覆を除去したりするなどの加工の手間が不要なので、必要な長さに切断するだけの簡単な準備で済み、組み立て作業の向上に寄与できる。
【0027】
図6は、実施の形態1に係る光源ユニット1の変形例を示した平面図である。図7は、図6に示したC部の拡大図である。図8は、図6に示した状態から隣り合う基板の位置がずれた状態の一例を示した説明図である。図9は、図8に示した状態における接続部材15を示した説明図である。図10は、図6に示した状態から隣り合う基板の位置がずれた状態の異なる一例を示した説明図である。図11は、図10に示した状態における接続部材を示した拡大図である。
【0028】
図6及び図7に示した光源ユニット1の接続部材15は、発光素子13が実装された基板10及び基板11の一方の面を平面的に見て、基板10及び基板11を繋ぐ方向Xと直交する方向Yに向かって突き出す曲部15aを有している。図7に示した接続部材15は、一例として、複数の曲部15aを有することにより、基板10及び基板11を繋ぐ方向Xと直交する方向Yに凹凸を繰り返す波形状とした構成である。曲部15aは、図示した円弧状に湾曲した形状でもよいし、三角形状に屈曲した形状でもよい。また、曲部15aは、図示したように、複数設ける構成に限定されず、1つ以上あればよい。
【0029】
このように接続部材15に曲部15aを設けることで、上記作用効果を更に高めることができる。すなわち、実施の形態1に係る光源ユニット1は、図8図11に示すように、組み立てのばらつきによって基板10及び基板11を並べる位置がずれたり、接続部材15で接続した後に基板10及び基板11が線膨張して絶対位置又は相対位置がずれたりしても、曲部15aの形状が変化して当該位置ずれに対応できるので、はんだ接合部16及びはんだ接合部17に応力が直接加わる事態を抑制することができる。これにより、基板10及び基板11が基準となる位置からずれても、接続部材15による基板10及び基板11の接続状態を長期にわたって維持できるので品質の向上に寄与できる。しかも、基板10及び基板11の組み立て作業時において、基板10及び基板11の設置位置の精度が要求されないため、組立作業の作業性が改善される。
【0030】
次に、図12図15を参照して、灯具101及び照明装置100について説明する。図12は、実施の形態1における照明装置100の一構成例を示した斜視図である。図13は、図12に示した照明装置100を分解して示した斜視図である。図14は、実施の形態1における灯具101を示した斜視図である。図15は、実施の形態1における灯具101を分解して示した斜視図である。
【0031】
(照明装置100)
本実施の形態1に係る照明装置100は、図12及び図13に示すように、長手方向Xに延びる長尺状であり、天井又は壁などの被取付部103に取り付けられて、室内空間等の照明空間に光を照射するものである。照明装置100は、照明空間に光を照射する長尺の灯具101と、天井又は壁等の被取付部103に取り付けられて固定され、長尺の灯具101が着脱自在に取り付けられる長尺の器具102と、を備えている。
【0032】
灯具101は、図14及び図15に示すように、光源ユニット1と、台座部2と、電源部3と、連結具4と、カバー5と、を有している。一方、器具102は、図12及び図13に示すように、器具本体6と、端子台7と、保持具8と、を有している。なお、図12及び図13では、発光素子13を一部省略して示しているが、実際には、灯具101の長手方向Xに沿って連続して実装されている。
【0033】
(灯具101)
先ず、灯具101の各構成要素を図12図15に基づいて説明する。光源ユニット1の構成は、上記の通りである。台座部2は、板金で形成されており、光源ユニット1又は電源部3の動作熱を放散させる放熱機能を有している。なお、台座部2は、放熱機能を有する範囲で、一部又は全部が金属以外の材料で形成してもよい。金属以外の材料とは、例えば合成樹脂又はセラミック等である。
【0034】
台座部2は、図14及び図15に示すように、灯具101の長手方向Xに沿って延びる長尺で平板状の基部20と、基部20の短手方向Yにおける両端縁から上方Z1に向かって屈曲させて形成された一対の側壁部21と、を有している。台座部2は、図15に示すように、基部20と側壁部21とで、断面形状が凹状とされている。
【0035】
図12図13及び図15に示すように、基部20には、照射側となる下面に、光源ユニット1が設けられている。具体的には、基部20には、光源ユニット1の基板10及び基板11が、例えば接着剤23によって取り付けられている。なお、基部20に光源ユニット1の基板10及び基板11を取り付ける手段は、接着剤23に限定されず、例えばネジ等の固定部材を用いてもよいし、基部20の一部を切り起して保持機構を形成し、該保持機構で光源ユニット1の基板10及び基板11を保持する構成としてもよい。保持機構は、例えば押出成型によってレール状とした構成でもよい。また、図14に示すように、基部20の上面には、電源部3と、器具102の保持具8に係合する連結具4と、が設けられている。側壁部21は、光源ユニット1を設けた側とは反対側に略90度の角度で屈曲させて形成されている。側壁部21の先端部は、台座部2の内側に向かって折り返して形成された略C字状のカール部22とされている。
【0036】
電源部3は、端子台7から供給された電力を発光素子13に供給する電源としての機能と、点灯電力の制御を行う機能と、を有している。電源部3は、長尺状の電源ケースの内部に、発光素子13に供給するための電力を生成する電源回路を有する電源基板が収容された構成である。電源回路は、電源基板に実装された電子部品等で構成される。なお、電源部3は、灯具101の一部として構成する必要はなく、器具102の一部として構成してもよい。
【0037】
連結具4は、器具102に設けられた保持具8と係合し、灯具101を器具102に取り付けるために設けられている。連結具4は、一例として板状であり、保持具8が挿通される開口が形成されている。連結具4は、図14に示すように、保持具8に対応する位置であって、基部20の長手方向Xにおける両端にそれぞれ設けられている。なお、連結具4は、照明装置100の形状及び大きさに応じて、位置及び個数を適宜変更して設けるものとする。また、連結具4は、図示した構成に限定されず、保持具8を保持することができれば、他の形態でもよい。また、図示は省略したが、器具102に連結具4を設け、灯具101に保持具8を設けてもよい。
【0038】
カバー5は、透光性を有する材料を用いて形成され、光源ユニット1の発光素子13の周囲を覆う部材である。発光素子13から発光された光は、カバー5を介して室内空間等の照明空間に照射される。透光性の材料とは、例えば、ポリカーボネイト、アクリル若しくはポリプロピレン等の合成樹脂等である。カバー5は、使用される材料に応じて、射出成形、押出し成形、三次元積層造形等により形成される。
【0039】
カバー5は、図15に示すように、透光性の出射面及び出射面と対向する開口面を有する長尺の箱形に形成されている。具体的には、カバー5は、出射面となる長尺で湾曲面状のカバー本体部50と、カバー本体部50の長手方向Xの両端面を塞ぐカバー端部51と、を有している。カバー端部51は、例えば接着等によってカバー本体部50に取り付けられている。
【0040】
カバー本体部50は、図15に示すように、発光素子13から発光された光を透過させる凹状の透光部50aと、透光部50aの短手方向Yの両端部から被取付部103に向かってそれぞれ立ち上がる取付部50bと、を有している。透光部50aは、光源ユニット1と対向し、光源ユニット1から発光された光を下方Z2へ向かって照射するように湾曲面状とされている。透光部50aは、図示した例の場合、縦断面形状が略U字状とされているが、例えばV字状、W字状、矩形状等でもよく、その他の形状でもよい。
【0041】
取付部50bは、カバー5の長手方向Xに沿って形成されており、台座部2にカバー5を取り付けるために設けられている。カバー5は、左右の取付部50bの間に台座部2が配置され、取付部50bの先端部をカール部22に掛け止めることによって、台座部2に取り付けられる。
【0042】
(器具102)
次に、図12及び図13を参照して器具102の各構成要素を説明する。図12及び図13に示した器具102は、一例として、所謂V字タイプの直付型器具である。なお、器具102は、図示した直付型器具に限定されず、他の形態でもよい。上記したように、器具102は、器具本体6と、端子台7と、保持具8と、を有している。器具本体6は、長手方向Xに沿って延びる本体部60と、本体部60の両端に取り付けられた端板部61と、を有している。
【0043】
本体部60は、板金を折り曲げて形成されている。本体部60は、被取付部103に取り付けられる底面部60aと、底面部60aの短手方向Yの両端部から灯具101に向かって延伸させた一対の側部60b、60bと、各側部60bの先端部から互いに離れる方向に突出し、被取付部103に向かって傾斜させて形成された一対の傾斜部60cと、を有している。本体部60は、底面部60aと側部60bとで、短手方向Yの断面形状が凹状となり、該凹内部に灯具101が装着される。
【0044】
底面部60aには、器具102を被取付部103に取り付けるための吊りボルト又はネジ等を通す複数の取付孔(図示は省略)が形成されている。器具102は、底面部60aが被取付部103に吊りボルト又はネジ等で接合されることで、被取付部103に取り付けられる。また、底面部60aには、外部電線を照明装置100の内部へ通すための通線孔が形成されている。外部電線は、器具102の凹内部で端子台7に接続される。傾斜部60cは、灯具101から照射される光の一部を反射させて側方に配光するために設けられている。
【0045】
端板部61は、本体部60の長手方向Xにおける両端面を塞ぐように、本体部60の長手方向Xにおける両端部に取り付けられる。なお、端板部61には、複数の照明装置100を長手方向Xに連結設置する場合に開放して送り電線を通すためのノックアウト62を設けてもよい。
【0046】
また、底面部60aと一対の側部60b、60bとで形成された凹内部には、端子台7及び保持具8が設けられている。端子台7は、底面部60aに固定されている。端子台7は、建物等に設けられた固定配線(図示は省略)に接続されて、商用電源から電力供給を受けると共に、制御用の通信を中継するために設けられている。端子台7は、一端部にコネクタを有する電線を介して電源部3に接続される。
【0047】
保持具8は、連結具4と係合して、器具102に灯具101を取り付けるために設けられている。保持具8は、例えば、ステンレス等の弾性を有する材質であり、帯状の板材を湾曲させて形成した板バネである。保持具8は、基端部が底面部60aに取り付けられている。図示した例の場合、保持具8は、連結具4に対応する位置であって、底面部60aの長手方向Xにおける両端にそれぞれ1つずつ設けられている。なお、保持具8は、図示した2つに限定されない。例えば、照明装置100の長手方向Xの長さが短い場合には、長手方向Xにおける一端側に保持具8を設け、長手方向Xにおける他端側にフックなどで固定する構成としてもよい。また、照明装置100の長手方向Xの長さが長い場合には、長手方向Xにおける両端と中央にそれぞれ保持具8を設けてもよい。要するに、保持具8は、照明装置100の形状及び大きさに応じて、位置及び個数を適宜変更して設けるものとする。
【0048】
なお、保持具8は、板形状の弾性部材に限定されず、線バネ等、板バネ以外の弾性部材でもよく、灯具101を保持できるものであればよい。また、保持具8及び連結具4を使用することなく、例えばねじ又はリベット等の固定具を用いて、器具102に灯具101を取り付けてもよい。
【0049】
以上、実施の形態に基づいて、光源ユニット1、灯具101及び照明装置100を説明したが、光源ユニット1、灯具101及び照明装置100は上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。上記した光源ユニット1、灯具101及び照明装置100の構成は、一例であって、他の構成要素を含んでもよいし、構成要素を一部省略してもよい。要するに、光源ユニット1、灯具101及び照明装置100は、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更及び応用のバリエーションの範囲を含むものである。
【符号の説明】
【0050】
1 光源ユニット、2 台座部、3 電源部、4 連結具、5 カバー、6 器具本体、7 端子台、8 保持具、10、11 基板、12 導電層、13 発光素子、14 銅箔パッド、15 接続部材、15a 曲部、16、17 はんだ接合部、20 基部、21 側壁部、22 カール部、23 接着剤、50 カバー本体部、50a 透光部、50b 取付部、51 カバー端部、60 本体部、60a 底面部、60b 側部、60c 傾斜部、61 端板部、62 ノックアウト、100 照明装置、101 灯具、102 器具、103 被取付部、P 光軸、θ 照射範囲角度。
図1
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