(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148097
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】コンテンツ管理システム及び管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/016 20230101AFI20231005BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20231005BHJP
【FI】
G06Q30/00 330
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022055956
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】中川 仁克
(72)【発明者】
【氏名】小林 燃
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB21
(57)【要約】
【課題】コンテンツの更新又は改訂に応じて、コンテンツ全体ではなく、更新又は改訂に係るコンテンツを提供する。
【解決手段】コンテンツ管理システムは、タグ識別情報を取得する取得部と、基準バージョンに対応する基準コンテンツと、前記基準コンテンツと前記基準バージョンとの対応関係を示す対応情報とを記憶する記憶部と、前記タグ識別情報に基づいて、特定対象のコンテンツのバージョンを特定し、特定されたバージョンと前記基準バーションとの比較処理を実行する処理部と、前記処理部の比較結果に基づいて、前記基準バージョンが前記特定されたバージョンより新しい場合、前記特定対象のコンテンツの改版を促す改版通知を前記ユーザの端末に対して出力する出力部と、を備え、前記基準バージョンが前記特定されたバージョンと異なる場合、前記基準コンテンツは前記特定対象のコンテンツと異なる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定対象のコンテンツを含む物品であって、ユーザが占有する物品に付されたRFIDタグから読み出されるタグ識別情報を取得する取得部と、
基準のバージョンを示す基準バージョンに対応する基準コンテンツと、前記基準コンテンツと前記基準バージョンとの対応関係を示す対応情報とを記憶する記憶部と、
前記タグ識別情報に基づいて、前記RFIDタグが付された物品の前記特定対象のコンテンツのバージョンを特定し、特定されたバージョンと前記基準バーションとの比較処理を実行する処理部と、
前記処理部の比較結果に基づいて、前記基準バージョンが前記特定されたバージョンより新しい場合、前記特定対象のコンテンツの改版を促す改版通知を前記ユーザの端末に対して出力する 出力部と、を備え、
前記基準バージョンが前記特定されたバージョンと異なる場合、前記基準コンテンツは前記特定対象のコンテンツと異なる
コンテンツ管理システム。
【請求項2】
前記取得部は、前記改版通知に応答した前記改版の申し込み要求を前記ユーザから取得し、
前記処理部は、前記申し込み要求に応答して、前記特定されたバージョンと前記基準バージョンの差分に相当する差分コンテンツを前記対応情報に基づいて前記記憶部から読み出し、
前記出力部は、前記差分コンテンツを示す情報を前記ユーザの端末に対して出力する
請求項1に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項3】
照会元の端末装置から、前記物品の履歴照会要求を受信する受信部をさらに備え、
前記記憶部は、前記物品の販売履歴データを前記タグ識別情報に対応づけて記憶し、
前記処理部は、前記受信したタグ識別情報が前記販売履歴データにあるか否かを判定する判定処理を実行し、
前記出力部は、判定結果を前記照会元の端末装置へ出力する
請求項2に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項4】
前記物品は、書籍である
請求項1から3のいずれか一項に記載のコンテンツ管理システム。
【請求項5】
特定対象のコンテンツを含む物品であって、ユーザが占有する物品に付されたRFIDタグから読み出されるタグ識別情報を取得するステップと、
基準のバージョンを示す基準バージョンに対応する基準コンテンツと、前記基準コンテンツと前記基準バージョンとの対応関係を示す対応情報とを記憶するステップと、
前記タグ識別情報に基づいて、前記RFIDタグが付された物品の前記特定対象のコンテンツのバージョンを特定し、特定されたバージョンと前記基準バーションとの比較処理を実行するステップと、
前記比較処理の結果に基づいて、前記基準バージョンが前記特定されたバージョンより新しい場合、前記特定対象のコンテンツの改版を促す改版通知を前記ユーザの端末に対して出力するステップと、を有し、
前記基準バージョンが前記特定されたバージョンと異なる場合、前記基準コンテンツは前記特定対象のコンテンツと異なる
管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ管理システム及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
書籍の読者が書籍を購入すると、その時に最新版を購入しても、所定期間経過後に改訂版が出版されると、読者は、改訂版にのみ記載された内容を把握したい場合であっても、改訂版の書籍を購入する場合がある。例えば、法律関連の書籍は、高額なことがあるが、法改正がされると、改正の量は少なくても書籍を一冊購入し直さなければならない。
【0003】
特許文献1において、情報提供システムは、提供される福利厚生サービスの複数のコンテンツの中から、福利厚生サービスを利用する利用者の属性情報に適したコンテンツをレコメンドコンテンツとして生成するレコメンドコンテンツ生成部と、係るレコメンドコンテンツを利用者に対して提供するレコメンドコンテンツ提供部と、レコメンドコンテンツを随時更新するレコメンドコンテンツ更新部を備えていることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンテンツの更新又は改訂に応じて、コンテンツ全体ではなく、更新又は改訂に係るコンテンツを提供可能な手段は提供されていない。
【0006】
本発明は、コンテンツの更新又は改訂に応じて、コンテンツ全体ではなく、更新又は改訂に係るコンテンツを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るコンテンツ管理システムは、以下の構成を採用した。
(1)この発明の一態様に係るコンテンツ管理システムは、特定対象のコンテンツを含む物品であって、ユーザが占有する物品に付されたRFIDタグから読み出されるタグ識別情報を取得する取得部と、基準のバージョンを示す基準バージョンに対応する基準コンテンツと、前記基準コンテンツと前記基準バージョンとの対応関係を示す対応情報とを記憶する記憶部と、前記タグ識別情報に基づいて、前記RFIDタグが付された物品の前記特定対象のコンテンツのバージョンを特定し、特定されたバージョンと前記基準バーションとの比較処理を実行する処理部と、前記処理部の比較結果に基づいて、前記基準バージョンが前記特定されたバージョンより新しい場合、前記特定対象のコンテンツの改版を促す改版通知を前記ユーザの端末に対して出力する出力部と、を備え、前記基準バージョンが前記特定されたバージョンと異なる場合、前記基準コンテンツは前記特定対象のコンテンツと異なる。
【0008】
(2)上記(1)の態様において、前記取得部は、前記改版通知に応答した前記改版の申し込み要求を前記ユーザから取得し、前記処理部は、前記申し込み要求に応答して、前記特定されたバージョンと前記基準バージョンの差分に相当する差分コンテンツを前記対応情報に基づいて前記記憶部から読み出し、前記出力部は、前記差分コンテンツを示す情報を前記ユーザの端末に対して出力する。
【0009】
(3)上記(2)の態様において、コンテンツ管理システムSは、照会元の端末装置から、前記物品の履歴照会要求を受信する受信部をさらに備え、前記記憶部は、前記物品の販売履歴データを前記タグ識別情報に対応づけて記憶し、前記処理部は、前記受信したタグ識別情報が前記販売履歴データにあるか否かを判定する判定処理を実行し、前記出力部は、判定結果を前記照会元の端末装置へ出力する。
【0010】
(4)上記(1)~(3)のいずれかの態様において、前記物品は、書籍である。
【0011】
(5)この発明の一態様に管理方法は、特定対象のコンテンツを含む物品であって、ユーザが占有する物品に付されたRFIDタグから読み出されるタグ識別情報を取得するステップと、基準のバージョンを示す基準バージョンに対応する基準コンテンツと、前記基準コンテンツと前記基準バージョンとの対応関係を示す対応情報とを記憶するステップと、前記タグ識別情報に基づいて、前記RFIDタグが付された物品の前記特定対象のコンテンツのバージョンを特定し、特定されたバージョンと前記基準バーションとの比較処理を実行するステップと、前記比較処理の結果に基づいて、前記基準バージョンが前記特定されたバージョンより新しい場合、前記特定対象のコンテンツの改版を促す改版通知を前記ユーザの端末に対して出力するステップと、を有し、前記基準バージョンが前記特定されたバージョンと異なる場合、前記基準コンテンツは前記特定対象のコンテンツと異なる。
【発明の効果】
【0012】
(1)から(5)によれば、コンテンツの更新又は改訂に応じて、コンテンツ全体ではなく、更新又は改訂に係るコンテンツを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施形態におけるコンテンツ管理システムの構成例を示す図である。
【
図2】本発明の第1実施形態における取得装置10の構成図である。
【
図3】本発明の第1実施形態におけるサーバ装置30の構成図である。
【
図4】本発明の第1実施形態における基準バージョンと、基準バージョンに対応する基準コンテンツとの対応関係を示す対応テーブルの一例を示す表である。
【
図5】本発明の第1実施形態における管理システムSの動作シーケンスを示すフローチャートである。
【
図6】本発明の第2実施形態におけるコンテンツ管理システムの構成例を示す図である。
【
図7】本発明の第2実施形態における端末装置50の構成図である。
【
図8】本発明の第2実施形態における管理システムSの動作シーケンスを示すフローチャートである。
【
図9】本実施形態に係る各装置のハードウェア構成を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照し、本発明のコンテンツ管理システムS及び管理方法の実施形態について説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0015】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態におけるコンテンツ管理システムの構成例を示す図である。コンテンツ管理システムSは、取得装置10及びサーバ装置30を備える。取得装置10及びサーバ装置30は、ネットワークNWを介して接続される。
【0016】
取得装置10は、物品に付帯された無線識別子タグ(Radio-frequency identifier: RFID)からタグ識別情報を取得する。タグ識別情報は、RFIDタグTに付された一意な情報である。したがって、タグ識別情報は、RFIDタグTが付された物品を識別可能な情報でもある。なお、タグ識別情報は、物品のバージョンを示してもよい。例えば、取得装置10は、書籍Bに付帯されたRFIDタグTからタグ識別情報を取得する。物品が書籍Bであれば、タグ識別情報は、書籍Bのバージョンを示す。取得装置10は、取得したタグ識別情報をサーバ装置30に送信する。
【0017】
サーバ装置30は、取得したタグ識別情報が対応しているコンテンツのバージョンを特定する。サーバ装置30は、特定したバージョンと、基準バージョンとを比較する。なお、基準バージョンは、物品のバージョンの違いに応じたコンテンツを提供する基準となるバージョンであり、例えば、最も新しいバージョンであってもよい。基準バージョンは、基準コンテンツのバージョンを示す。基準コンテンツは、最も新しいバージョンのコンテンツである。
【0018】
サーバ装置30は、バージョンを比較した結果、基準バージョンが特定されたバージョンより新しい場合、特定対象のコンテンツの改版を促す改版通知をユーザUの端末に対して出力する。ユーザUが現在所有している書籍Bの改版を希望する場合、ユーザUは、端末装置Mを用いて、改版を要求することを示す改版要求をサーバ装置30に対して送信する。サーバ装置30は、改版要求を受信したことに応答して、差分コンテンツをユーザU宛に送付する。差分コンテンツは、書籍Bのコンテンツと、基準コンテンツとの差分の内容を含む。
【0019】
RFIDタグTは、書籍Bに限られず、ユーザUが占有する物品であれば他の物品に付帯されていてもよい。他の物品は、書籍Bの代わりにDVD(登録商標)又はBlu-ray(登録商標)といった光ディスクでもよい。光ディスクには映画コンテンツが記録されていてもよいし、映像を伴う音楽コンテンツが記録されていてもよい。
【0020】
図2は、本発明の第1実施形態における取得装置10の構成図である。取得装置10は、取得部11、処理部12及び通信部13を備える。取得部11は、RFIDタグTの読み取り機である。取得部11は、収納物Bに付帯されたRFIDタグTを読み取り可能な方式に対応する。処理部12は、取得部11及び通信部13の少なくともいずれかの動作を制御する。通信部13は、有線又は無線の通信インターフェイスである。取得部11は、書籍Bに付帯されたからタグ識別情報を読み取る。通信部13は、読み取られたタグ識別情報をサーバ装置30に対して送信する。
【0021】
RFIDタグTは、バッテリ付きのパッシブタグでもよいし、バッテリを備えるアクティブタグでもよい。RFIDタグは、セミパッシブタブ又はセミアクティブでもよい。セミパッシブタブ又はセミアクティブは、パッシブタグとアクティブタグ両方の特徴をあわせ持つICタグである。セミパッシブタグ又はセミアクティブタグは、通常はパッシブ型として動作し、RFIDリーダ(読み取り機)からの電磁波照射)があったとき、内蔵バッテリを使用して電波を発信する。
【0022】
周波数の観点では、RFIDタグTは、10MHz台の周波数を用いた近距離無線通信規格に対応したICタグである近距離通信(near field communication: NFC)タグでもよいし、UHF帯(860-960MHz帯)の周波数に対応したものでもよい。RFIDタグは、収納物Bにシールとして貼り付けられるラベルタグでもよい。
【0023】
図3は、本発明の第1実施形態におけるサーバ装置30の構成図である。サーバ装置30は、取得部31、処理部32、出力部33、通信部34及び記憶部35を備える。取得部31は、情報を取得する、又は情報の入力を受け付ける。処理部32は、プロセッサであり、取得部31、出力部33、通信部34及び記憶部35の少なくともいずれかの動作を制御する。
【0024】
出力部33は、情報を何らかの形式によって外部に出力する。出力部33は、例えば液晶ディスプレイによって静止画像又は動画の形式で情報を外部に出力してもよい。通信部34は、有線又は無線の通信インターフェイスである。記憶部35は、各種情報を記憶する記憶素子である。記憶部35は、タグ識別情報と、そのタグ識別情報が対応しているコンテンツのバージョンとの対応関係を記憶している。つまり、記憶部35は、タグ識別情報と、そのタグ識別情報が割り当てられているRFIDタグTが付された物品に含まれるコンテンツのバージョンとの対応関係を記憶している。
【0025】
図4は、本発明の第1実施形態における基準バージョンと、基準バージョンに対応する基準コンテンツとの対応関係を示す対応テーブルの一例を示す表である。記憶部35は、対応テーブルを記憶している。
【0026】
対応テーブルは、所定のコンテンツのバージョンを示す情報と、そのバージョンに対応するコンテンツとを含む。例えば、バージョン1に対応するコンテンツは「○○の大冒険2019春」である。最新バージョンはnであり、バージョンnに対応するコンテンツは、「○○の大冒険2022春」である。
【0027】
図5は、本発明の第1実施形態における管理システムSの動作シーケンスを示すフローチャートである。
【0028】
ステップS100において、取得装置10の取得部11は、書籍Bに付帯されたRFIDタグTからタグ識別情報を読み取ることによってタグ識別情報を取得する。処理はステップS101に進む。
【0029】
ステップS101において、通信部13は、取得されたタグ識別情報をサーバ装置30に対して送信する。処理はステップS300に進む。
【0030】
ステップS300において、取得部31又は通信部34は、タグ識別情報を取得装置10から取得する。処理はステップS301に進む。
【0031】
ステップS301において、処理部32は、基準コンテンツと基準バージョンとの対応関係を示す対応情報を生成し、対応情報を記憶部35に記憶させる。処理部32は、基準コンテンツも併せて、対応情報に対応づけて記憶部35に記憶させる。処理はステップS302に進む。
【0032】
ステップS302において、処理部32は、取得されたタグ識別情報と、タグ識別情報とそのタグ識別情報が対応しているコンテンツのバージョンとの対応関係とに基づき、ユーザUが占有する書籍Bのバージョンを特定する。タグ識別情報とそのタグ識別情報が対応しているコンテンツのバージョンとの対応関係を記憶部35は記憶している。処理はステップS303に進む。
【0033】
ステップS303において、処理部32は、基準バージョンと、特定されたバージョンとを比較する。基準バージョンが特定されたバージョンより新しい場合、処理はステップS304に進む。基準バージョンが特定されたバージョンと同じ場合、処理は終了する。基準バージョンが特定されたバージョンと同じであることは、ユーザUが占有する書籍Bは最新バージョンであることと等価である。また、基準バージョンが特定されたバージョンと異なる場合、基準コンテンツと、書籍Bのコンテンツとは異なる。
【0034】
ステップS304において、処理部32は、改版通知を生成する。改版通知は、ユーザUに対して、書籍Bのコンテンツが最新でないことと、書籍Bのコンテンツの改定を促すこととを示す通知である。処理はステップS305に進む。
【0035】
ステップS305において、出力部33又は通信部34は、改版通知をユーザUの端末装置Mに対して送信する。処理はステップS306に進む。
【0036】
ステップS306において、処理部32は、端末装置Mから改版の申し込み要求を通信部34が受信しているか否かを判定する。改版の申し込み要求は、ユーザUが書籍Bに係るコンテンツの改版を希望し、改版を求めていることを示す。端末装置Mから改版の申し込み要求を通信部34が受信している場合、処理はステップS307に進む。端末装置Mから改版の申し込み要求を通信部34が受信していない場合、処理は終了する。
【0037】
ステップS307において、処理部32は、改版の申し込み要求と、基準バージョンと、特定されたバージョンとに基づき、基準コンテンツと、特定されたバージョンに対応するコンテンツとの差分に相当するコンテンツである差分コンテンツを記憶部35から読み出す。処理はステップS307に進む。
【0038】
ステップS308において、処理部32は、差分コンテンツを示す情報を生成する。処理はステップS309に進む。
【0039】
ステップS309において、出力部33は、差分コンテンツを示す情報を出力する。この場合、通信部34は、差分コンテンツを示す情報を端末装置Mに送信してもよい。差分コンテンツを示す情報は、差分コンテンツが生成されたことを示してもよいし、差分コンテンツを含む紙媒体をユーザUに送付することを命令する情報でもよいし、差分コンテンツそのものでもよい。差分コンテンツを示す情報が差分コンテンツそのものの場合、差分コンテンツはUniversal serial bus(USB(登録商標))等の記録媒体に記録されていてもよいし、インターネット経由で通信部34がユーザUの端末装置Mに送信してもよい。
【0040】
その後、ユーザUは、端末装置Mによって受信した差分コンテンツを端末装置Mの表示画面に表示させることで、差分コンテンツを閲覧することができる。また、ユーザUは、端末装置Mとプリンタとを無線通信によって接続し、プリンタを用いて差分コンテンツを印刷してもよい。ユーザUは、差分コンテンツが印刷された印刷媒体を、書籍のいずれかの頁に挟む、あるいは貼付することで、自身が占有する書籍を、改版された内容と同等の内容にすることができる。これにより、最新バージョンの書籍に買い直さなくても、最新版の内容を閲覧することができる。
【0041】
ユーザUが占有する物品が書籍Bではなく、DVD又はBlu-ray等の光ディスクの場合、差分コンテンツを示す情報は、差分コンテンツを含むDVD、Blu-ray又はUSBをユーザUに送付することを命令する情報でもよいし、差分コンテンツをインターネットによって電子的に送付することを示す情報でもよい。その後、処理は終了する。
【0042】
以上説明したように、第1実施形態に係るコンテンツ管理システムSは、取得装置10及びサーバ装置30を備える。コンテンツ管理システムSは、特定対象のコンテンツを含む物品であって、ユーザが占有する物品に付されたRFIDタグから読み出されるタグ識別情報を取得する取得部(取得装置10)と、基準のバージョンを示す基準バージョンに対応する基準コンテンツと、基準コンテンツと基準バージョンとの対応関係を示す対応情報とを記憶する記憶部(記憶部35)と、タグ識別情報に基づいて、RFIDタグが付された物品の特定対象のコンテンツのバージョンを特定し、特定されたバージョンと基準バーションとの比較処理を実行する処理部(処理部32)と、処理部の比較結果に基づいて、基準バージョンが特定されたバージョンより新しい場合、特定対象のコンテンツの改版を促す改版通知をユーザの端末に対して出力する出力部(出力部33又は通信部34)と、を備える。基準バージョンが特定されたバージョンと異なる場合、基準コンテンツは特定対象のコンテンツと異なる。
【0043】
これにより、コンテンツの更新又は改訂に応じて、コンテンツ全体ではなく、更新又は改訂に係るコンテンツを提供することができる。
【0044】
また、上述した実施形態において、基準バージョンは、最も新しいバージョンである場合について説明したが、差分となるコンテンツを提供する対象のバージョンであればよい。例えば、最新バージョンとして第5版の書籍の販売が開始された場合、基準バージョンを第4版としてもよい。この場合、第4版までについては、既に購入されたバージョンとの差分に応じたコンテンツを提供するが、第5版については、提供の準備が整った段階で、基準バージョンを第5版とし、基準コンテンツを第5版に更新してもよい。
【0045】
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態におけるコンテンツ管理システムの構成例を示す図である。コンテンツ管理システムSは、サーバ装置30及び端末装置50を備える。
図6において、取得装置10は図示されていない。
【0046】
図6において、ユーザUは中古品買取・販売店にて書籍Bを売却しようとしているものとする。店員Sは、ユーザUから書籍Bを買い取る作業に対応している。店員Sは、書籍Bに付されたRFIDタグTを、端末装置50を用いて読み取っている。端末装置50は、履歴照会要求をサーバ装置30に送信する。履歴照会要求は、書籍Bの販売履歴の有無を確認することの要求である。履歴照会要求は、書籍Bに付されたRFIDタグTのタグ識別情報を含む。
【0047】
サーバ装置30側では、受信したタグ識別情報が販売履歴データにあるか否かを判定する判定処理を実行する。サーバ装置30は、判定結果を出力する。又は、サーバ装置30は、判定結果を端末装置50に送信してもよい。
【0048】
図7は、本発明の第2実施形態における端末装置50の構成図である。端末装置50は、受信部51、処理部52及び通信部53を備える。
【0049】
図8は、本発明の第2実施形態における管理システムSの動作シーケンスを示すフローチャートである。
【0050】
ステップS1500において、受信部51はタグ識別情報を書籍BのRFIDタグTから読み取ることによって取得する。処理はステップステップS1501に進む。
【0051】
ステップS1501において、処理部52は、タグ識別情報を含む履歴照会要求を生成する。処理はステップS1502に進む。
【0052】
ステップS1502において、通信部53は、履歴照会要求をサーバ装置30に対して送信する。処理はステップS1300に進む。
【0053】
ステップS1300において、通信部34は履歴照会要求を取得装置10から取得する。処理はステップS1301に進む。
【0054】
ステップS1301において、処理部32は、書籍Bを含む物品の販売履歴を示す販売履歴データをタグ識別情報に対応づけて記憶部35に記憶させる。処理はステップS1302に進む。
【0055】
ステップS1302において、処理部32は、書籍Bについてのタグ識別情報が、記憶部35に記憶されていた販売履歴データに存在するか否かを判定する。書籍Bについてのタグ識別情報は、端末装置50からサーバ装置30が受信したものである。つまり、ユーザUが店員Sに対して売却を希望している書籍Bが、正規に販売されたものなのか否かが判定される。
【0056】
端末装置50から受信した書籍Bについてのタグ識別情報が、記憶部35に記憶されていた販売履歴データに存在しない場合、ユーザUが売却を希望している書籍Bは正規に販売されたものではなく、盗品である可能性がある。判定結果がtrue(yes)の場合、処理はステップS1303に進む。判定結果がfalse(no)の場合、処理は終了する。
【0057】
ステップS1303において、通信部34は、判定結果を端末装置50に対して送信する。その後、処理は終了する。判定結果がfalse(no)の場合、店員Sは、ユーザUからの書籍Bの買取を拒否してもよい。
【0058】
以上説明したように、第2実施形態に係るコンテンツ管理システムSは、照会元の端末装置から、前記物品の履歴照会要求を受信する受信部(受信部51)をさらに備え、記憶部(記憶部35)は、物品の販売履歴データをタグ識別情報に対応づけて記憶し、処理部(処理部32)は、受信したタグ識別情報が販売履歴データにあるか否かを判定する判定処理を実行し、出力部は、判定結果を前記照会元の端末装置へ出力する。
【0059】
これにより、RFIDタグTが付された書籍Bの販売履歴を管理し、正式なルートで購入されたものではない書籍Bの売却を検出することが出来る。
【0060】
図9は、本実施形態に係る各装置のハードウェア構成を説明する説明図である。各装置とは、取得装置10及びサーバ装置30である。各装置は、入出力モジュールI、記憶モジュールM、及び制御モジュールPを含んで構成される。入出力モジュールIは、通信モジュールH11、接続モジュールH12、ポインティングデバイスH21、キーボードH22、ディスプレイH23、ボタンH3、マイクH41、スピーカH42、カメラH51、又はセンサH52の一部或いは全部を含んで実現される。
【0061】
記憶モジュールMは、ドライブH7を含んで実現される。記憶モジュールMは、さらに、メモリH8の一部或いは全部を含んで構成されてもよい。制御モジュールPは、メモリH8及びプロセッサH9を含んで実現される。これらのハードウェア構成要素は、バス(Bus)を介して、相互に通信可能に接続されるとともに、電源H6から電力を供給されている。
【0062】
接続モジュールH12は、USB(Universal Seriul Bus)等のデジタル入出力ポートである。携帯機器の場合、ポインティングデバイスH21、キーボードH22、及びディスプレイH23は、タッチパネルである。センサH52は、加速度センサ、ジャイロセンサ、GPS受信モジュール、近接センサ等である。電源H6は、各装置を動かすために必要な電気を供給する電源ユニットである。携帯機器の場合、電源H6は、バッテリーである。
【0063】
ドライブH7は、ハードディスクドライブやソリッドステートドライブ等の補助記憶媒体である。ドライブH7は、EEPROMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、又は、光磁気ディスクドライブやフレキシブルディスクドライブであってもよい。また、ドライブH7は、例えば、各装置に内蔵されるものに限らず、IFモジュールH12のコネクタに接続された外付け型の記憶装置でもよい。
【0064】
メモリH8は、ランダムアクセスメモリ等の主記憶媒体である。なお、メモリH8は、キャッシュメモリであってもよい。メモリH8は、一又は複数のプロセッサH9によって命令が実行されるときに、これらの命令を格納する。プロセッサH9は、CPU(中央演算装置)である。プロセッサH9は、MPU(マイクロプロセッシングユニット)又はGPU(グラフィックスプロセッシングユニット)であってもよい。プロセッサH9は、メモリH8を介してドライブH7から、プログラム及び各種データを読み出して演算を行うことで、一又は複数のメモリH8に格納した命令を実行する。
【0065】
入出力モジュールIは、取得部11、取得部31、出力部33、通信部34、受信部51及び通信部53を実現する。記憶モジュールMは、通信部13及び記憶部35を実現する。
【0066】
制御モジュールPは、処理部12、処理部32及び処理部52を実現する。なお、本明細書等において、取得装置10、サーバ装置30及び端末装置50との記載は、それぞれ、制御部P10、P30及びP50との記載に置き換えられてもよいし、これらの各装置との記載は、制御モジュールPとの記載に置き換えられてもよい。
【0067】
以上、この発明の一態様として各実施形態や変形例に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は各実施形態や変形例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明の一態様は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態や変形例に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
【0068】
例えば、上記各実施形態の一部又は全部を組み合わせることで本発明の一態様を実現してもよい。
【符号の説明】
【0069】
10…取得装置、30…サーバ装置、50…端末装置、11…取得部、12…処理部、13…通信部、31…取得部、32…処理部、33…記憶部、51…受信部、52…処理部、53…通信部