(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148168
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】点灯装置及び照明器具
(51)【国際特許分類】
H05B 47/24 20200101AFI20231005BHJP
H05B 45/14 20200101ALI20231005BHJP
H05B 45/50 20220101ALI20231005BHJP
H05B 47/14 20200101ALI20231005BHJP
H05B 45/375 20200101ALI20231005BHJP
H05B 45/38 20200101ALI20231005BHJP
【FI】
H05B47/24
H05B45/14
H05B45/50
H05B47/14
H05B45/375
H05B45/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056058
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】寺坂 博志
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA09
3K273BA25
3K273BA34
3K273CA02
3K273CA03
3K273CA04
3K273CA12
3K273CA25
3K273DA08
3K273EA06
3K273EA25
3K273EA36
3K273EA44
3K273FA06
3K273FA07
3K273FA14
3K273FA26
3K273GA02
3K273GA12
3K273GA14
(57)【要約】
【課題】より簡単な構成で過電力に起因する異常の発生を抑制できる点灯装置及び照明器具を提供する。
【解決手段】入力された電力を光源に応じた直流電力に変換し、変換後の直流電力を前記光源に供給することにより、前記光源を点灯させる点灯回路と、前記光源と前記点灯回路との間に設けられ、抵抗分圧により、前記光源に流れる直流電流の大きさに応じた第1電圧と、前記光源に印加される直流電圧の大きさに応じた第2電圧と、の和に対応した第3電圧を検出するための検出回路と、前記検出回路によって検出された前記第3電圧を基に、前記点灯回路の動作を制御することにより、前記光源に供給する直流電力を制御する制御回路と、を備えたことを特徴とする点灯装置が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された電力を光源に応じた直流電力に変換し、変換後の直流電力を前記光源に供給することにより、前記光源を点灯させる点灯回路と、
前記光源と前記点灯回路との間に設けられ、抵抗分圧により、前記光源に流れる直流電流の大きさに応じた第1電圧と、前記光源に印加される直流電圧の大きさに応じた第2電圧と、の和に対応した第3電圧を検出するための検出回路と、
前記検出回路によって検出された前記第3電圧を基に、前記点灯回路の動作を制御することにより、前記光源に供給する直流電力を制御する制御回路と、
を備えたことを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記検出回路は、前記第1電圧をさらに検出可能であり、
前記制御回路は、前記光源が通常状態である場合には、前記検出回路によって検出された前記第1電圧が一定となるように前記点灯回路の動作を制御し、前記光源が過負荷状態となった場合には、前記検出回路によって検出された前記第3電圧が一定となるように前記点灯回路の動作を制御することを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
【請求項3】
前記制御回路は、
検出された前記第1電圧と、前記第1電圧の基準電圧と、の差分に応じた制御信号を出力することにより、前記光源に流れる直流電流を一定に制御できるようにする定電流制御部と、
検出された前記第3電圧と、前記第3電圧の基準電圧と、の差分に応じた制御信号を出力することにより、前記第3電圧を一定に制御できるようにする定電圧制御部と、
を有することを特徴とする請求項2記載の点灯装置。
【請求項4】
前記検出回路は、前記第2電圧をさらに検出可能であり、
前記制御回路は、前記光源が前記過負荷状態となった後、前記検出回路によって検出された前記第2電圧が閾値以上となった際に、前記点灯回路から前記光源への直流電力の供給を停止することを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の点灯装置。
【請求項5】
前記制御回路は、検出された前記第2電圧と前記閾値とを比較し、前記第2電圧の検出値が前記閾値未満の場合と、前記第2電圧の検出値が前記閾値以上の場合と、で出力信号を変化させることにより、前記第2電圧が前記閾値以上となった際に、前記点灯回路から前記光源への直流電力の供給を停止する制御を行えるようにする停止制御部を有することを特徴とする請求項4記載の点灯装置。
【請求項6】
光源と、
請求項1~5のいずれか1つに記載の点灯装置と、
を備えた照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、点灯装置及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDなどの光源と、光源に直流電力を供給して光源を点灯させる点灯装置と、を備えた照明器具が知られている。こうした照明器具において、適切ではない光源が点灯装置に接続されたり、光源に異常が発生したりすることにより、光源が点灯装置に対して過負荷となってしまう場合がある。
【0003】
光源が過負荷状態となると、点灯装置から光源に供給する直流電力が、点灯装置の供給能力に対して過電力となってしまう可能性がある。そして、点灯装置の過電力は、光源及び点灯装置の内部の回路の温度の上昇や、それにともなう光源及び点灯装置の故障の要因となってしまう恐れがある。
【0004】
このため、点灯装置において、光源に供給する直流電力の検出を行い、過電力の検出に応じて光源への直流電力の供給を停止したり、光源に供給する直流電力が所定電力以上にならないように制御したりすることにより、過電力に起因する異常の発生を抑制することが行われている。
【0005】
点灯装置は、光源に供給する出力電圧と出力電流との積から光源に供給する直流電力を検出する。しかしながら、上記のように、出力電圧と出力電流との積によって直流電力を検出する方法では、積の計算のためにマイコンなどの比較的高度な演算素子が必要となってしまう。演算素子は、アナログ回路に用いられる単純な素子などと比べて比較的高価であり、点灯装置の製造コストを増加させる要因となってしまう。このため、照明器具及びこれに用いられる点灯装置では、より簡単な構成で過電力に起因する異常の発生を抑制できるようにすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施形態は、より簡単な構成で過電力に起因する異常の発生を抑制できる点灯装置及び照明器具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、入力された電力を光源に応じた直流電力に変換し、変換後の直流電力を前記光源に供給することにより、前記光源を点灯させる点灯回路と、前記光源と前記点灯回路との間に設けられ、抵抗分圧により、前記光源に流れる直流電流の大きさに応じた第1電圧と、前記光源に印加される直流電圧の大きさに応じた第2電圧と、の和に対応した第3電圧を検出するための検出回路と、前記検出回路によって検出された前記第3電圧を基に、前記点灯回路の動作を制御することにより、前記光源に供給する直流電力を制御する制御回路と、を備えたことを特徴とする点灯装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
より簡単な構成で過電力に起因する異常の発生を抑制できる点灯装置及び照明器具を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る点灯装置及び照明器具を模式的に表すブロック図である。
【
図2】実施形態に係る点灯装置及び照明器具の動作の一例を模式的に表すグラフである。
【
図3】実施形態に係る点灯装置及び照明器具の変形例を模式的に表すブロック図である。
【
図4】実施形態に係る点灯装置及び照明器具の動作の変形例を模式的に表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0012】
図1は、実施形態に係る点灯装置及び照明器具を模式的に表すブロック図である。
図1に表したように、照明器具2は、光源4と、点灯装置10と、を備える。点灯装置10は、電源PSと電気的に接続される。点灯装置10は、電源PSから供給される電力を光源4に対応した直流電力に変換し、変換後の直流電力を光源4に供給することにより、光源4を点灯させる。
【0013】
点灯装置10には、例えば、電源PSから交流電力が供給される。点灯装置10は、例えば、電源PSから供給された交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力を光源4に供給する。電源PSは、例えば、商用電源である。電源PSから供給される交流電力の交流電圧は、例えば、100V~242V(実効値)である。電源PSは、例えば、自家発電機などでもよい。
【0014】
なお、点灯装置10に供給される電力は、交流電力に限ることなく、直流電力などでもよい。点灯装置10は、電源PSから供給された直流電力を光源4に対応した別の直流電力に変換する構成でもよい。以下では、点灯装置10に交流電力が供給される場合を例に説明を行う。
【0015】
光源4は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)である。光源4は、例えば、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode:OLED)、無機エレクトロルミネッセンス(Inorganic ElectroLuminescence)発光素子、有機エレクトロルミネッセンス(Organic ElectroLuminescence)発光素子、または、その他の電界発光型の発光素子などでもよい。光源4は、例えば、電球などでもよい。光源4は、直流電力の供給に応じて点灯する任意の光源でよい。以下では、光源4をLEDとして説明を行う。なお、光源4は、1つの素子に限ることなく、例えば、直列に接続された複数の素子で構成してもよい。
【0016】
点灯装置10は、点灯回路12と、検出回路14と、制御回路16と、制御回路18と、を備える。点灯回路12は、電源PSから入力された電力を光源4に応じた直流電力に変換し、変換後の直流電力を光源4に供給することにより、光源4を点灯させる。点灯回路12は、例えば、電源PSから入力された交流電力を直流電力に変換して光源4に供給する。
【0017】
検出回路14は、光源4と点灯回路12との間に設けられ、抵抗分圧により、光源4に流れる直流電流の大きさに応じた第1電圧と、光源4に印加される直流電圧の大きさに応じた第2電圧と、の和に対応した第3電圧を検出するための回路である。
【0018】
制御回路16は、検出回路14によって検出された第3電圧を基に、点灯回路12の動作を制御することにより、光源4に供給する直流電力を制御する。
【0019】
点灯回路12は、例えば、整流回路20、高周波除去コンデンサ22、力率改善回路24、平滑コンデンサ26、及び変換回路28を有する。整流回路20、高周波除去コンデンサ22、力率改善回路24、及び平滑コンデンサ26は、例えば、電源PSから点灯装置10に直流電力が供給される場合には、省略可能である。これらの各部は、点灯回路12に必要に応じて設けられ、省略可能である。換言すれば、点灯回路12は、少なくとも変換回路28を有していればよい。
【0020】
整流回路20は、電源PSから入力された交流電力を整流して整流電力に変換する。整流回路20には、例えば、4つの整流素子を組み合わせたダイオードブリッジが用いられる。すなわち、整流回路20は、全波整流器である。整流電力は、例えば、脈流電力である。
【0021】
整流回路20は、一対の入力端子20a、20bと、高電位出力端子20cと、低電位出力端子20dと、を有する。入力端子20a、20bは、電源PSと電気的に接続されている。整流回路20は、入力端子20a、20bを介して入力される交流電力を整流電力に変換し、高電位出力端子20c及び低電位出力端子20dから出力する。低電位出力端子20dの電位は、基準電位(例えば接地電位)に設定される。高電位出力端子20cの電位は、低電位出力端子20dの電位よりも高い電位に設定される。
【0022】
整流回路20は、半波整流器などでもよい。整流電圧は、全波整流された脈流でもよいし、半波整流された脈流でもよい。整流回路20には、例えば、ショットキーバリアダイオードや整流ダイオードが用いられる。これにより、例えば、良好な応答性を得ることができる。
【0023】
高周波除去コンデンサ22は、整流後の高周波電力を平滑化することにより、脈流電力に変換する。
【0024】
力率改善回路24は、整流回路20の入力電流において、電源周波数の整数倍の高調波が発生することを抑制する。これにより、力率改善回路24は、入力電力の力率を改善する。
【0025】
力率改善回路24は、例えば、スイッチング素子31と、インダクタ32と、ダイオード33と、を有する。スイッチング素子31は、電極31a~電極31cを有する。インダクタ32の一端は、高電位出力端子20cと電気的に接続されている。インダクタ32の他端は、電極31aと電気的に接続されている。電極31bは、低電位出力端子20dと電気的に接続されている。ダイオード33のアノードは、電極31aと電気的に接続されている。ダイオード33のカソードは、平滑コンデンサ26の一端と電気的に接続されている。平滑コンデンサ26の他端は、低電位出力端子20dと電気的に接続されている。
【0026】
すなわち、この例において、力率改善回路24は、昇圧チョッパ回路である。力率改善回路24は、例えば、100V~242V(実効値)の電源PSの交流電圧を420Vの直流電圧に変換する。力率改善回路24は、これに限ることなく、入力電力の力率を改善することができる任意の回路でよい。
【0027】
電極31cは、制御回路18と電気的に接続されている。電極31cは、いわゆる制御電極である。スイッチング素子31は、制御回路18からの信号に応じてスイッチングする。力率改善回路24は、例えば、スイッチング素子31をスイッチングさせ、入力電流を正弦波の半端波形に近づけることにより、力率を改善する。
【0028】
スイッチング素子31は、例えば、nチャネル形のFETである。例えば、電極31aは、ドレインであり、電極31bは、ソースであり、電極31cは、ゲートである。スイッチング素子31は、例えば、pチャネル形のFETでもよいし、バイポーラトランジスタなどでもよい。
【0029】
平滑コンデンサ26は、力率改善後の出力電圧を平滑化することにより、力率改善後の電力を直流電力に変換する。平滑コンデンサ26は、直流電力を変換回路28に供給する。
【0030】
変換回路28は、第1入力端子28aと、第2入力端子28bと、第1出力端子28cと、第2出力端子28dと、を有する。第1入力端子28aは、平滑コンデンサ26の高電位側の一端と電気的に接続される。第2入力端子28bは、低電位出力端子20dと電気的に接続される。これにより、変換回路28には、直流電力が供給される。
【0031】
変換回路28は、例えば、スイッチング素子35と、ダイオード36と、インダクタ37と、出力コンデンサ38と、を有する。スイッチング素子35は、電極35a~35cを有する。電極35aは、第1入力端子28aと電気的に接続されている。電極35bは、ダイオード36のカソードと電気的に接続されている。ダイオード36のアノードは、低電位出力端子20dと電気的に接続されている。インダクタ37の一端は、電極35bと電気的に接続されている。インダクタ37の他端は、第1出力端子28cと電気的に接続されている。第2出力端子28dは、低電位出力端子20d(第2入力端子28b)と電気的に接続されている。
【0032】
出力コンデンサ38は、第1電極38aと、第2電極38bと、を有する。第1電極38aは、第1出力端子28cと電気的に接続されている。第2電極38bは、第2出力端子28dと電気的に接続されている。出力コンデンサ38は、第1出力端子28cと第2出力端子28dとの間に並列に接続される。出力コンデンサ38は、スイッチング素子35のスイッチングによって、スイッチング素子35の各電極35a、35b間に流れる電流を平滑化する。これにより、第1出力端子28c及び第2出力端子28dから直流電力が出力される。
【0033】
この例において、変換回路28は、降圧チョッパ回路である。変換回路28は、入力電力の電圧を降圧することにより、入力された直流電力を光源4に対応した別の直流電力に変換する。換言すれば、変換回路28は、第1直流電力を第2直流電力に変換する。変換回路28は、例えば、420Vの力率改善回路24の直流電圧を50V~300Vの直流電圧に変換する。変換回路28は、例えば、定電流回路である。変換回路28は、例えば、実質的に一定の直流電流を光源4に供給する。
【0034】
第1出力端子28cは、高電位側の出力端子であり、第2出力端子28dは、低電位側の出力端子である。第1出力端子28cの電位は、第2出力端子28dの電位よりも高い。第1電極38aの電位は、第2電極38bの電位よりも高く設定される。第1電極38aは、例えば、陽極であり、第2電極38bは、例えば、陰極である。これとは反対に、第2出力端子28dの電位を第1出力端子28cの電位より高くしてもよい。
【0035】
スイッチング素子35は、例えば、nチャネル形のFETである。例えば、電極35aは、ドレインであり、電極35bは、ソースであり、電極35cは、ゲートである。スイッチング素子35は、例えば、pチャネル形のFETでもよいし、バイポーラトランジスタなどでもよい。
【0036】
変換回路28の構成は、上記の回路に限定されるものではない。変換回路28は、少なくとも1つのスイッチング素子と、インダクタと、出力コンデンサと、を有し、スイッチング素子のスイッチングにより、第1直流電力を第2直流電力に変換可能な任意の回路でよい。
【0037】
制御回路16は、スイッチング素子35の電極35cと電気的に接続されている。電極35cは、いわゆる制御電極である。制御回路16は、スイッチング素子35のスイッチングを制御する。すなわち、制御回路16は、スイッチング素子35のオン・オフを切り替える。制御回路16は、電極35cに入力する電圧(駆動信号)によって、スイッチング素子35のオン・オフを切り替える。制御回路16は、例えば、スイッチング素子35をスイッチングさせることにより、直流電圧を出力コンデンサ38の各電極38a、38b間に生じさせる。これにより、点灯回路12から光源4に直流電力が供給される。
【0038】
制御回路16は、例えば、スイッチング素子35をオフ状態にすることにより、点灯回路12から光源4への直流電力の供給を停止させる。また、制御回路16は、例えば、スイッチング素子35のオン・オフの周期(デューティ比)を変化させることにより、光源4に供給する直流電力の電圧値や電流値を変化させる。
【0039】
制御回路18は、スイッチング素子31の電極31cと電気的に接続されている。電極31cは、いわゆる制御電極である。制御回路18は、スイッチング素子31のスイッチングを制御する。すなわち、制御回路18は、スイッチング素子31のオン・オフを切り替える。制御回路18は、電極31cに入力する電圧(駆動信号)によって、スイッチング素子31のオン・オフを切り替える。制御回路18は、例えば、スイッチング素子31をスイッチングさせることにより、力率改善回路24による入力電力の力率の改善を制御する。
【0040】
力率改善回路24は、例えば、インダクタL1と、抵抗素子R1、R2と、をさらに有する。インダクタL1は、インダクタ32と磁気的に結合する。インダクタL1の一端は、低電位出力端子20dと電気的に接続されている。インダクタL1の他端は、抵抗素子R1の一端に接続されている。抵抗素子R1の他端は、制御回路18に接続されている。これにより、制御回路18は、抵抗素子R1を介してインダクタL1に流れる電流を検出する。
【0041】
抵抗素子R2は、スイッチング素子31の電極31bと低電位出力端子20dとの間に設けられている。制御回路18は、スイッチング素子31の電極31bと抵抗素子R2との接続点と電気的に接続されている。これにより、制御回路18は、スイッチング素子31に流れる電流を検出する。より詳しくは、制御回路18は、スイッチング素子31の電極31a、31b間に流れる電流を検出する。
【0042】
また、制御回路18は、平滑コンデンサ26の高電位側の端子と電気的に接続され、平滑コンデンサ26の電圧を検出する。換言すれば、制御回路18、力率改善回路24から出力される電圧を検出する。
【0043】
制御回路18、例えば、インダクタL1に流れる電流の検出結果、スイッチング素子31に流れる電流の検出結果、及び力率改善回路24から出力される電圧の検出結果を基に、入力電力の力率を改善するとともに、平滑コンデンサ26の電圧が実質的に一定となるように、スイッチング素子31のスイッチングを制御する。
【0044】
この例では、力率改善回路24の動作を制御する制御回路18、及び変換回路28の動作を制御する制御回路16の2つの制御回路を設けている。これに限ることなく、1つの制御回路で力率改善回路24及び変換回路28のそれぞれの動作を制御してもよい。
【0045】
ここで、スイッチング素子31のオフ状態とは、例えば、主電極である電極31a、31bの間に実質的に電流が流れない状態である。オフ状態では、例えば、力率改善回路24の動作に影響を与えない程度の微弱な電流が電極31a、31bの間に流れてもよい。すなわち、スイッチング素子31のオン状態とは、換言すれば、電極31a、31bの間に電流が流れる第1状態であり、オフ状態とは、電極31a、31bの間に流れる電流が、第1状態よりも小さい第2状態である。スイッチング素子35のオン状態及びオフ状態についても、スイッチング素子31のオン状態及びオフ状態と同様である。
【0046】
検出回路14は、例えば、抵抗素子40~43を有する。抵抗素子40は、例えば、光源4の低電位側の端子と変換回路28の低電位側の第2出力端子28dとの間に設けられる。換言すれば、抵抗素子40は、光源4の低電位側の端子と点灯回路12の低電位側の出力端子との間に設けられる。
【0047】
抵抗素子41、42、43は、光源4と並列に設けられる。抵抗素子41、42、43は、直列に接続される。抵抗素子41の一端は、光源4の高電位側の端子と接続される。抵抗素子41の他端は、抵抗素子42の一端と接続される。抵抗素子42の他端は、抵抗素子43の一端と接続される。抵抗素子43の他端は、光源4の低電位側の端子と接続される。換言すれば、抵抗素子43の他端は、光源4の低電位側の端子と抵抗素子40との間に接続される。
【0048】
これにより、検出回路14では、抵抗素子40の光源4側の一端において、光源4に流れる直流電流の大きさに応じた第1電圧V1を検出することができる。そして、検出回路14では、各抵抗素子40~43の抵抗比を調整することなどにより、抵抗素子41と抵抗素子42との間において、光源4に印加される直流電圧の大きさに応じた第2電圧V2を検出することができるとともに、抵抗素子42と抵抗素子43との間において、第1電圧V1と第2電圧V2との和に対応した第3電圧V3を検出することができる。
【0049】
ここで、各抵抗素子40、41、42、43にかかる電圧をそれぞれV40、V41、V42、V43とした場合、V42は、V40およびV43より大きくなるように抵抗素子40~43の値が設定されることが望ましい。また、V41は、V40、V42、V43より大きくなるように抵抗素子40~43の値が設定されることが望ましい。また、上記において、第2電圧V2は、V42とV43とV40との和として検出され、第3電圧V3は、V40とV43との和として検出される。
【0050】
但し、検出回路14の構成は、上記に限ることなく、光源4と点灯回路12との間に設けられ、少なくとも第3電圧V3を抵抗分圧によって検出可能な任意の構成でよい。
【0051】
制御回路16は、光源4が通常状態である場合には、検出回路14によって検出された第1電圧V1が一定となるように点灯回路12の動作を制御する。換言すれば、制御回路16は、光源4が通常状態である場合には、光源4に流れる直流電流が一定となるように点灯回路12の動作を制御する。
【0052】
そして、制御回路16は、光源4が過負荷状態となった場合には、検出回路14によって検出された第3電圧V3が一定となるように点灯回路12の動作を制御する。
【0053】
制御回路16は、例えば、定電流制御部50と、定電圧制御部52と、駆動制御部54と、駆動回路56と、を有する。
【0054】
定電流制御部50には、検出回路14によって検出された第1電圧V1が入力される。定電流制御部50は、第1電圧V1を基に、光源4に流れる直流電流を一定とするための制御を行う。換言すれば、定電流制御部50は、第1電圧V1を基に、第1電圧V1を一定とするための制御を行う。
【0055】
定電流制御部50には、第1電圧V1が入力されるとともに、第1電圧V1の基準電圧が入力される。定電流制御部50は、検出された第1電圧V1と基準電圧との差分に応じた制御信号を駆動制御部54に出力する。これにより、定電流制御部50は、駆動制御部54に出力する制御信号によって、光源4に流れる直流電流を一定に制御できるようにする。定電流制御部50は、例えば、差動増幅回路である。定電流制御部50は、例えば、オペアンプによって構成される。
【0056】
定電圧制御部52には、検出回路14によって検出された第3電圧V3が入力される。定電圧制御部52は、第3電圧V3を基に、第3電圧V3を一定とするための制御を行う。
【0057】
定電圧制御部52には、第3電圧V3が入力されるとともに、第3電圧V3の基準電圧が入力される。定電圧制御部52は、検出された第3電圧V3と基準電圧との差分に応じた制御信号を駆動制御部54に出力する。これにより、定電圧制御部52は、駆動制御部54に出力する制御信号によって、第3電圧V3を一定に制御できるようにする。定電圧制御部52は、例えば、差動増幅回路である。定電圧制御部52は、例えば、オペアンプによって構成される。
【0058】
駆動制御部54は、光源4が通常状態である場合には、定電流制御部50から入力された制御信号を基に、光源4に流れる直流電流を一定とするように点灯回路12の動作を制御するための制御信号を生成する。制御信号は、換言すれば、第1電圧V1の検出値と基準電圧との差分を基に、第1電圧V1の検出値を基準電圧に近付けるように点灯回路12の動作を制御するための制御信号である。第1電圧V1の基準電圧は、一定の値でもよいし、外部から入力される調光信号などに応じて変化させてもよい。基準電圧を変化させる場合には、基準電圧の大きさに応じて、光源4に供給する直流電流の大きさを変化させることができる。すなわち、調光信号などに応じた明るさで光源4を点灯させることができる。
【0059】
駆動制御部54は、光源4が通常状態である場合には、例えば、定電流制御部50から入力された制御信号を基に、光源4に流れる直流電流を一定とするように変換回路28による電力の変換を制御するための制御信号を生成する。駆動制御部54は、より詳しくは、光源4が通常状態である場合には、定電流制御部50から入力された制御信号を基に、光源4に流れる直流電流を一定とするようにスイッチング素子35のスイッチングを制御するための制御信号を生成する。
【0060】
一方、駆動制御部54は、光源4が過負荷状態となった場合には、定電圧制御部52から入力された制御信号を基に、第3電圧V3を一定とするように点灯回路12の動作を制御するための制御信号を生成する。制御信号は、換言すれば、第3電圧V3の検出値と基準電圧との差分を基に、第3電圧V3の検出値を基準電圧に近付けるように点灯回路12の動作を制御するための制御信号である。第3電圧V3の基準電圧は、例えば、点灯回路12の過電力を抑制するための一定の値に設定される。
【0061】
駆動制御部54は、光源4が過負荷状態となった場合には、例えば、定電圧制御部52から入力された制御信号を基に、第3電圧V3を一定とするように変換回路28による電力の変換を制御するための制御信号を生成する。駆動制御部54は、より詳しくは、光源4が過負荷状態となった場合には、定電圧制御部52から入力された制御信号を基に、第3電圧V3を一定とするようにスイッチング素子35のスイッチングを制御するための制御信号を生成する。
【0062】
駆動制御部54は、生成した制御信号を駆動回路56に入力する。駆動回路56は、例えば、駆動制御部54から入力された制御信号を基に、スイッチング素子35のオン状態及びオフ状態を切り替えるための駆動信号を生成し、生成した駆動信号をスイッチング素子35の電極35cに入力する。これにより、光源4が通常状態である場合には、光源4に流れる直流電流を一定とするように点灯回路12の動作を制御し、光源4が過負荷状態となった場合には、第3電圧V3を一定とするように点灯回路12の動作を制御することができる。
【0063】
駆動制御部54は、例えば、定電圧制御部52から入力された制御信号を基に、光源4が通常状態であるか過負荷状態であるかを判定する。例えば、オペアンプによって構成された定電圧制御部52の反転入力端子に第3電圧V3の検出値が入力され、定電圧制御部52の非反転入力端子に基準電圧が入力されている場合には、第3電圧V3の検出値が基準電圧よりも低い場合に、検出値と基準電圧との差分に応じた正の値の制御信号が駆動制御部54に入力され、第3電圧V3の検出値が基準電圧よりも高い場合に、検出値と基準電圧との差分に応じた負の値の制御信号が駆動制御部54に入力される。この場合、駆動制御部54は、定電圧制御部52からの制御信号が正の値である場合に、光源4が通常状態であると判定し、定電圧制御部52からの制御信号が負の値である場合に、光源4が過負荷状態であると判定する。換言すれば、駆動制御部54は、第3電圧V3の検出値が基準電圧よりも高い場合に、光源4が過負荷状態であると判定する。
【0064】
但し、光源4が通常状態であるか過負荷状態であるかの判定方法は、上記に限るものではない。例えば、光源4に印加される直流電圧の大きさに応じた第2電圧V2を検出し、第2電圧V2の大きさが閾値未満の時に通常状態と判定し、第2電圧V2の大きさが閾値以上の時に過負荷状態と判定してもよい。制御回路16による光源4の通常状態及び過負荷状態の判定の方法は、第2電圧V2及び第3電圧V3の少なくとも一方を基に、通常状態及び過負荷状態を適切に判定することが可能な任意の方法でよい。
【0065】
図2は、実施形態に係る点灯装置及び照明器具の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図2の横軸は、光源4に印加される直流電圧VF(V)である。
図2の縦軸は、光源4に供給される直流電力WF(W)である。すなわち、
図2は、光源4に印加される直流電圧VFと、光源4に供給される直流電力WFと、の関係の一例を模式的に表す。
【0066】
また、
図2において、実線は、上記のように、光源4が通常状態である場合には、光源4に流れる直流電流が一定となるように点灯回路12の動作を制御し、光源4が過負荷状態となった場合には、第3電圧V3が一定となるように点灯回路12の動作を制御した際の、直流電圧VFと直流電力WFとの関係の一例を表す。そして、破線は、光源4が過負荷状態となった場合にも、光源4に流れる直流電流が一定となるように点灯回路12を動作させる制御を継続した場合の、参考の直流電圧VFと直流電力WFとの関係の一例を表す。
【0067】
図2に破線で表したように、光源4が過負荷状態となった場合にも、光源4に流れる直流電流が一定となるように点灯回路12を動作させた場合には、光源4の過負荷状態に起因して直流電圧VFが上昇した際に、直流電力WFも上昇してしまう。このため、点灯装置10(点灯回路12)から光源4に供給する直流電力が、点灯装置10の供給能力に対して過電力となってしまう可能性がある。
【0068】
光源4の過負荷状態とは、換言すれば、光源4の抵抗値が適正な値よりも上昇し、一定の直流電流を供給した際に、光源4に印加される直流電圧VFが上昇してしまう状態である。こうした光源4の過負荷状態は、例えば、光源4が点灯装置10に対して着脱可能である場合に、適切ではない光源を点灯装置10に接続してしまったり、光源4に異常が発生したりすることによって起きる可能性がある。
【0069】
これに対して、本実施形態に係る点灯装置10では、検出回路14が、光源4に流れる直流電流の大きさに応じた第1電圧V1と、光源4に印加される直流電圧の大きさに応じた第2電圧V2と、の和に対応した第3電圧V3を検出し、制御回路16が、検出回路14によって検出された第3電圧V3を基に、点灯回路12の動作を制御する。
【0070】
点灯装置10では、制御回路16が、光源4が通常状態である場合には、第1電圧V1が一定となるように点灯回路12の動作を制御し、光源4が過負荷状態となった場合には、第3電圧V3が一定となるように点灯回路12の動作を制御する。
【0071】
図2の実線では、150V付近において光源4が過負荷状態と判定され、第1電圧V1を一定とする制御から第3電圧V3を一定とする制御に切り替わった例を表している。
図2に表したように、第3電圧V3を一定とする制御に切り替えた場合には、直流電圧VFが上昇した際にも、直流電力WFの上昇を抑制することができる。例えば、
図2に実線で表した例では、直流電圧VFが上昇した際にも、直流電力WFの上昇を40W以下程度に抑制することができている。
【0072】
このように、本実施形態に係る点灯装置10では、光源4が過負荷状態となった場合においても、点灯装置10から光源4に供給する電力が過電力となってしまうことを抑制することができる。点灯装置10の出力が過電力となると、光源4及び点灯装置10の内部の回路の温度の上昇や、それにともなう光源4及び点灯装置10の故障の要因となってしまう恐れがある。本実施形態に係る点灯装置10では、点灯装置10から光源4に供給する電力が過電力となることを抑制し、過電力に起因する異常の発生を抑制することができる。
【0073】
例えば、光源に供給する出力電圧と出力電流との積から光源に供給する直流電力を検出し、検出した直流電力に基づいて点灯装置の動作を制御することにより、過電力に起因する異常の発生を抑制することが行われている。しかしながら、出力電圧と出力電流との積によって直流電力を検出する方法では、積の計算のためにマイコンなどの比較的高度な演算素子が必要となり、点灯装置の製造コストを増加させる要因となってしまう。
【0074】
これに対し、本実施形態に係る点灯装置10では、検出回路14が、光源4に流れる直流電流の大きさに応じた第1電圧V1と、光源4に印加される直流電圧の大きさに応じた第2電圧V2と、の和に対応した第3電圧V3を検出する。そして、制御回路16は、第3電圧V3を基に点灯回路12の動作を制御する。
【0075】
従って、制御回路16は、積などを演算する必要がなく、制御回路16には、マイコンなどの比較的高度な演算素子を用いる必要がない。例えば、制御回路16は、オペアンプなどの比較的安価な素子を用いて第3電圧V3の検出値と基準電圧との差分を演算し、第3電圧V3が一定となるように点灯回路12の動作を制御することにより、上記のように点灯装置10の過電力を抑制する。また、第3電圧V3の検出には、抵抗分圧が用いられる。このため、第3電圧V3の検出にも高価な素子などを用いる必要がない。
【0076】
従って、本実施形態に係る点灯装置10及びこれを用いた照明器具2では、より簡単な構成で過電力に起因する異常の発生を抑制することができる。
【0077】
図3は、実施形態に係る点灯装置及び照明器具の変形例を模式的に表すブロック図である。
図3に表したように、照明器具2aの点灯装置10aでは、検出回路14が、第2電圧V2を検出可能であり、検出回路14によって検出された第2電圧V2が、制御回路16に入力される。
【0078】
点灯装置10aにおいて、制御回路16は、検出回路14によって検出された第2電圧V2及び第3電圧V3を基に、点灯回路12の動作を制御することにより、光源4に供給する直流電力を制御する。
【0079】
図4は、実施形態に係る点灯装置及び照明器具の動作の変形例を模式的に表すグラフである。
図4は、
図2と同様に、光源4に印加される直流電圧VFと、光源4に供給される直流電力WFと、の関係の一例を模式的に表す。
【0080】
図4に表したように、点灯装置10aにおいて、制御回路16は、例えば、光源4が過負荷状態となった後、検出回路14によって検出された第2電圧V2が閾値以上となった際に、点灯回路12から光源4への直流電力の供給を停止する。
【0081】
図4では、150V付近において光源4が過負荷状態と判定され、第1電圧V1を一定とする制御から第3電圧V3を一定とする制御に切り替わった後、200V付近において第2電圧V2が閾値以上と判定され、点灯回路12から光源4への直流電力の供給を停止した例を表している。
【0082】
制御回路16は、例えば、停止制御部58をさらに有する。停止制御部58には、検出回路14によって検出された第2電圧V2が入力される。停止制御部58は、第2電圧V2を基に、第2電圧V2が閾値以上となった際に、点灯回路12から光源4への直流電力の供給を停止するための制御を行う。
【0083】
停止制御部58には、第2電圧V2が入力されるとともに、第2電圧V2の閾値が入力される。停止制御部58は、検出された第2電圧V2と閾値とを比較し、第2電圧V2の検出値が閾値未満の場合と第2電圧V2の検出値が閾値以上の場合とで出力信号を変化させる。停止制御部58は、例えば、第2電圧V2の検出値が閾値未満の場合に、出力信号をロー(低電位の状態)に設定し、第2電圧V2の検出値が閾値以上の場合に、出力信号をハイ(高電位の状態)に設定する。
【0084】
停止制御部58は、検出された第2電圧V2と閾値との比較に応じた出力信号を駆動制御部54に出力する。これにより、停止制御部58は、駆動制御部54に出力する出力信号によって、第2電圧V2が閾値以上となった際に、点灯回路12から光源4への直流電力の供給を停止する制御を行えるようにする。停止制御部58は、例えば、比較回路である。停止制御部58は、例えば、コンパレータによって構成される。
【0085】
このように、光源4が過負荷状態となった後、検出回路14によって検出された第2電圧V2が閾値以上となった際に、点灯回路12から光源4への直流電力の供給を停止することにより、点灯装置10aの過電力に起因する異常の発生をより適切に抑制することができる。
【0086】
また、第2電圧V2が閾値以上となった際に、点灯回路12から光源4への直流電力の供給を停止する制御は、コンパレータなどの比較的安価な素子を用いて実現することができる。従って、上記の制御を追加した際にも、製造コストの増加を抑制することができる。照明器具2a及び点灯装置10aにおいても、より簡単な構成で過電力に起因する異常の発生を抑制することができる。
【0087】
なお、点灯装置10aにおいては、例えば、第2電圧V2が第1閾値以上となった際に、光源4が過負荷状態となったと判定し、第2電圧V2が第1閾値よりも高い第2閾値以上となった際に、点灯回路12から光源4への直流電力の供給を停止してもよい。
【0088】
上記各実施形態では、第3電圧V3を基に点灯回路12の動作を制御する例として、光源4が過負荷状態となった場合に、第3電圧V3が一定となるように点灯回路12の動作を制御する例を示している。第3電圧V3に基づく点灯回路12の動作の制御は、例えば、第3電圧V3が所定値以上となった際に、点灯回路12から光源4への直流電力の供給を停止する制御などでもよい。第3電圧V3に基づく点灯回路12の動作の制御は、上記に限ることなく、第3電圧V3を基に点灯回路12の動作を制御し、過電力に起因する異常の発生を適切に抑制することができる任意の制御でよい。
【0089】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0090】
2、2a…照明器具、4…光源、10、10a…点灯装置、12…点灯回路、14…検出回路、16…制御回路、18…制御回路、20…整流回路、22…高周波除去コンデンサ、24…力率改善回路、26…平滑コンデンサ、28…変換回路、31…スイッチング素子、32…インダクタ、33…ダイオード、35…スイッチング素子、36…ダイオード、37…インダクタ、38…出力コンデンサ、40~43…抵抗素子、50…定電流制御部、52…定電圧制御部、54…駆動制御部、56…駆動回路、58…停止制御部、L1…インダクタ、PS…電源、R1、R2…抵抗素子