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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148181
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】電動アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/22 20060101AFI20231005BHJP
   H02K 7/06 20060101ALI20231005BHJP
   H02K 11/33 20160101ALI20231005BHJP
   F16H 25/20 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
H02K5/22
H02K7/06 A
H02K11/33
F16H25/20 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056075
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000220505
【氏名又は名称】ニデックパワートレインシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】加藤 瞬
(72)【発明者】
【氏名】白井 寛
【テーマコード(参考)】
3J062
5H605
5H607
5H611
【Fターム(参考)】
3J062AA02
3J062CD02
3J062CD22
5H605AA08
5H605BB05
5H605CC01
5H605CC06
5H605CC08
5H605EC05
5H605GG04
5H607AA12
5H607BB01
5H607BB07
5H607BB14
5H607CC03
5H607CC07
5H607DD03
5H607EE52
5H611BB01
5H611BB06
5H611TT01
5H611UA04
5H611UB01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】組立性を向上できる構造を有する電動アクチュエータを提供する。
【解決手段】電動アクチュエータ100は、モータ部と、伝達機構部と、モータ部に電気的に接続された基板60と、ケースと、基板に接続されたコネクタ部品70と、を備える。ケースは、所定方向の一方側に開口する開口部を有する基板収容部41bと、蓋体42と、を有する。蓋体は、開口部を塞ぐ蓋本体部42aと、蓋本体部から基板収容部の外部に突出する突出筒部45と、を有する。蓋体には、基板収容部の内部と突出筒部の内部とを繋ぐ孔部45fが設けられている。コネクタ部品は、基板に電気的に接続された導電部材72と、導電部材を保持するホルダ部材71と、を有する。ホルダ部材の少なくとも一部は、孔部内に挿入されている。導電部材は、突出筒部の内部に露出する第1端子部72aを有する。突出筒部は、コネクタ部に接続される外部コネクタCを保持する保持部45bを有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸を中心として回転可能なロータを有するモータ部と、
前記ロータの軸方向一方側に連結された伝達機構部と、
前記モータ部に電気的に接続された基板と、
前記モータ部、前記伝達機構部、および前記基板を内部に収容するケースと、
前記基板に接続されたコネクタ部品と、
を備え、
前記ケースは、
所定方向の一方側に開口する開口部を有し、前記基板を内部に収容する基板収容部と、
前記基板収容部の前記所定方向の一方側に固定された蓋体と、
を有し、
前記蓋体は、
前記開口部を塞ぐ蓋本体部と、
前記蓋本体部から前記基板収容部の外部に突出する突出筒部と、
を有し、
前記蓋体には、前記基板収容部の内部と前記突出筒部の内部とを繋ぐ孔部が設けられ、
前記コネクタ部品は、
前記基板に電気的に接続された導電部材と、
前記導電部材を保持するホルダ部材と、
を有し、
前記ホルダ部材の少なくとも一部は、前記孔部内に挿入され、
前記導電部材は、前記突出筒部の内部に露出する第1端子部を有し、
前記コネクタ部品と前記突出筒部とによってコネクタ部が構成され、
前記突出筒部は、前記コネクタ部に接続される外部コネクタを保持する保持部を有する、電動アクチュエータ。
【請求項2】
前記モータ部と前記基板とを電気的に繋ぐバスバーを備え、
前記導電部材は、前記ホルダ部材から前記所定方向の他方側に突出する第2端子部を有し、
前記第2端子部は、前記基板を前記所定方向に貫通し、前記基板に電気的に接続され、
前記バスバーは、前記基板に電気的に接続される第3端子部を有し、
前記第3端子部は、前記基板を前記所定方向の他方側から前記所定方向の一方側に貫通している、請求項1に記載の電動アクチュエータ。
【請求項3】
前記ホルダ部材は、前記孔部内に嵌め合わされている、請求項1または2に記載の電動アクチュエータ。
【請求項4】
前記ホルダ部材は、
前記導電部材を保持するホルダ本体部と、
前記ホルダ本体部から前記所定方向と直交する方向に突出するフランジ部と、
を有し、
前記孔部は、前記ホルダ本体部が嵌め合わされた嵌合孔部を有し、
前記フランジ部は、前記嵌合孔部よりも前記所定方向の他方側に位置する、請求項3に記載の電動アクチュエータ。
【請求項5】
前記孔部は、前記嵌合孔部の前記所定方向の他方側に繋がる幅広孔部を有し、
前記フランジ部は、前記幅広孔部内に嵌め合わされている、請求項4に記載の電動アクチュエータ。
【請求項6】
前記所定方向は、前記中心軸の軸方向と直交する方向であり、
前記基板は、前記モータ部の径方向外側に配置され、
前記突出筒部は、前記蓋本体部から前記所定方向の一方側に突出している、請求項1から5のいずれか一項に記載の電動アクチュエータ。
【請求項7】
前記保持部は、前記外部コネクタに引っ掛かる爪である、請求項1から6のいずれか一項に記載の電動アクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
基板と、基板に接続されたコネクタ部と、を備える機器が知られている。例えば、特許文献1には、そのような機器として、自動車の電子制御ユニットに適用される箱型電子ユニットが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-5620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような機器を組み立てる際には、コネクタ部に設けられた導電部材をケースの内部に収容された基板に電気的に接続する必要がある。例えば、コネクタ部のうち導電部材を保持するホルダ部材を蓋体に設けた場合、蓋体をケース本体に取り付けてしまうと基板に対して導電部材を接続できないため、蓋体をケース本体に取り付ける前に基板を導電部材に接続しておく必要がある。この場合、基板が取り付けられた状態の蓋体をケース本体に取り付けることになる。しかしながら、この場合には、基板をケース本体の内部に収容されたモータ部などの他の部品に接続することができなくなる。したがって、基板に対する接続作業を行いにくく、基板とコネクタ部とを備える機器を組み立てることが困難な場合があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、組立性を向上できる構造を有する電動アクチュエータを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電動アクチュエータの一つの態様は、中心軸を中心として回転可能なロータを有するモータ部と、前記ロータの軸方向一方側に連結された伝達機構部と、前記モータ部に電気的に接続された基板と、前記モータ部、前記伝達機構部、および前記基板を内部に収容するケースと、前記基板に接続されたコネクタ部品と、を備える。前記ケースは、所定方向の一方側に開口する開口部を有し、前記基板を内部に収容する基板収容部と、前記基板収容部の前記所定方向の一方側に固定された蓋体と、を有する。前記蓋体は、前記開口部を塞ぐ蓋本体部と、前記蓋本体部から前記基板収容部の外部に突出する突出筒部と、を有する。前記蓋体には、前記基板収容部の内部と前記突出筒部の内部とを繋ぐ孔部が設けられている。前記コネクタ部品は、前記基板に電気的に接続された導電部材と、前記導電部材を保持するホルダ部材と、を有する。前記ホルダ部材の少なくとも一部は、前記孔部内に挿入されている。前記導電部材は、前記突出筒部の内部に露出する第1端子部を有する。前記コネクタ部品と前記突出筒部とによってコネクタ部が構成されている。前記突出筒部は、前記コネクタ部に接続される外部コネクタを保持する保持部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、電動アクチュエータの組立性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態の電動アクチュエータを示す斜視図である。
図2図2は、一実施形態の電動アクチュエータを示す断面図である。
図3図3は、一実施形態の電動アクチュエータを示す分解斜視図である。
図4図4は、一実施形態の電動アクチュエータの一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
各図には、以下に説明する実施形態の電動アクチュエータにおける中心軸Jを仮想的に示している。以下の説明においては、中心軸Jの軸方向を単に「軸方向」と呼ぶ。中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ。中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。
【0010】
また、各図には、X軸、Y軸、およびZ軸を示している。Y軸は、中心軸Jが延びる軸方向を示している。以下の説明においては、軸方向のうちY軸の矢印が向く側(+Y側)を「左側」と呼び、軸方向のうちY軸の矢印が向く側と逆側(-Y側)を「右側」と呼ぶ。X軸は、軸方向と直交する一方向を示している。以下の説明においては、X軸に沿った方向を「幅方向X」と呼ぶ。また、Z軸は、軸方向および幅方向Xの両方と直交する方向を示している。以下の説明においては、Z軸に沿った方向を「上下方向Z」と呼ぶ。上下方向ZのうちZ軸の矢印が向く側(+Z側)を「上側」と呼び、上下方向ZのうちZ軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)を「下側」と呼ぶ。
【0011】
以下の実施形態において、上下方向Zは「所定方向」に相当する。つまり、以下の実施形態において、所定方向は、中心軸Jの軸方向と直交する方向である。また、以下の実施形態において、上側は「所定方向の一方側」に相当し、下側は「所定方向の他方側」に相当する。また、以下の実施形態において、左側は「軸方向一方側」に相当する。なお、上下方向Z、幅方向X、上側、下側、左側、および右側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
【0012】
図1に示す本実施形態の電動アクチュエータ100は、駆動対象を軸方向に移動させるリニアアクチュエータである。図1に示すように、電動アクチュエータ100は、全体として軸方向に延びている。図2に示すように、電動アクチュエータ100は、モータ部10と、伝達機構部20と、出力部30と、ケース40と、バスバーアッシー50と、基板60と、コネクタ部品70と、を備える。
【0013】
ケース40は、モータ部10、伝達機構部20、バスバーアッシー50、基板60、およびコネクタ部品70を内部に収容している。ケース40は、例えば、樹脂製である。ケース40は、モータケース40aと、伝達機構ケース21と、を有する。モータケース40aは、モータ部10、バスバーアッシー50、基板60、およびコネクタ部品70を内部に収容している。伝達機構ケース21は、伝達機構部20を内部に収容している。
【0014】
図1に示すように、モータケース40aは、ケース本体41と、蓋体42と、モータカバー43と、を有する。つまり、ケース40は、蓋体42を有する。ケース本体41と蓋体42とモータカバー43とは、互いに別体である。ケース本体41は、モータ部10、バスバーアッシー50、基板60、およびコネクタ部品70を内部に収容している。ケース本体41は、例えば、樹脂製である。ケース本体41は、モータ収容部41aと、基板収容部41bと、を有する。つまり、ケース40は、基板収容部41bを有する。本実施形態においてモータ収容部41aと基板収容部41bとは、同一の単一部材の一部である。モータ収容部41aおよび基板収容部41bは、例えば、樹脂製である。
【0015】
モータ収容部41aは、中心軸Jを中心として軸方向に延びる円筒状である。図2に示すように、モータ収容部41aは、軸方向両側に開口している。モータ収容部41aの右側の開口は、モータ収容部41aの右側の端部に固定されたモータカバー43によって塞がれている。モータ収容部41aの内部には、モータ部10およびバスバーアッシー50が収容されている。
【0016】
モータ収容部41aの内部には、ベアリングホルダ12が収容されている。ベアリングホルダ12は、モータ収容部41aの内部のうち右側の部分に固定されている。ベアリングホルダ12は、後述するステータ14の右側に位置する。ベアリングホルダ12には、ベアリング15が保持されている。
【0017】
本実施形態においてベアリング15は、スラストベアリングである。ベアリング15は、第1軌道盤15aと、第2軌道盤15bと、複数の転動体15cと、を有する。第1軌道盤15aおよび第2軌道盤15bは、中心軸Jを囲む円環状である。第1軌道盤15aは、ベアリングホルダ12に左側から支持されてベアリングホルダ12に保持されている。第2軌道盤15bは、第1軌道盤15aの右側に対向して配置されている。複数の転動体15cは、第1軌道盤15aと第2軌道盤15bとの軸方向の間に周方向に並んで配置されている。
【0018】
基板収容部41bは、モータ収容部41aの上側に繋がっている。基板収容部41bは、基板60を内部に収容している。基板収容部41bは、モータ部10および伝達機構部20の上側に位置する。言い換えれば、基板収容部41bは、モータ部10および伝達機構部20の径方向外側に位置する。図3に示すように、基板収容部41bは、上側に開口する開口部41dを有し、軸方向に長い略長方形箱状である。基板収容部41bは、モータ収容部41aよりも左側に突出している。基板収容部41bの側面には、複数の係合凹部41cが設けられている。係合凹部41cは、基板収容部41bの幅方向Xの側面と、基板収容部41bの軸方向の側面とにそれぞれ複数ずつ設けられている。複数の係合凹部41cは、上下方向Zに延びる軸回りに基板収容部41bを囲んで、互いに間隔を空けて配置されている。
【0019】
図2に示すように、基板収容部41bは、下側に底壁部41eを有する。底壁部41eは、上側を向く底面を有し、軸方向に延びる略長方形板状の壁部である。底壁部41eのうち右側部分は、モータ収容部41aの上側の壁部によって構成されている。底壁部41eの上面には、複数の基板支持部41fが設けられている。複数の基板支持部41fは、底壁部41eの上面から上側に突出している。底壁部41eは、底壁部41eを上下方向Zに貫通する貫通孔41gを有する。貫通孔41gは、底壁部41eの軸方向の中央部分に設けられている。貫通孔41gは、底壁部41eのうちステータ14よりも左側に位置する部分に設けられている。貫通孔41gは、モータ収容部41aの内部と基板収容部41bの内部とを繋いでいる。
【0020】
蓋体42は、基板収容部41bの上側に固定されている。蓋体42は、開口部41dを塞いでいる。蓋体42は、例えば、樹脂製である。図3に示すように、蓋体42は、開口部41dを塞ぐ蓋本体部42aと、蓋本体部42aの外周縁部から下側に突出する複数の係合爪部42bと、蓋本体部42aから基板収容部41bの外部に突出する突出筒部45と、を有する。蓋本体部42aは、軸方向に長い略長方形板状である。蓋本体部42aの板面は、上下方向Zを向いている。
【0021】
複数の係合爪部42bは、蓋本体部42aの外周縁部に沿って互いに間隔を空けて配置されている。複数の係合爪部42bは、蓋本体部42aを囲んでいる。図1に示すように、各係合爪部42bは、各係合凹部41cにそれぞれ引っ掛けられている。これにより、蓋体42がケース本体41に対して固定され、蓋体42がケース本体41から上側に外れることが抑制されている。各係合爪部42bは、スナップフィット構造によって各係合凹部41cに引っ掛けられて固定されている。
【0022】
突出筒部45は、蓋本体部42aから上側に突出している。より詳細には、突出筒部45は、蓋本体部42aのうち右側の端部における幅方向Xの中央部から上側に突出している。突出筒部45は、上側に開口する角丸の略四角筒状である。突出筒部45の幅方向Xの寸法は、突出筒部45の軸方向の寸法よりも大きい。
【0023】
コネクタ部品70と突出筒部45とによってコネクタ部80が構成されている。図4に示すように、本実施形態においてコネクタ部80は、基板60の上側に位置する。コネクタ部80には、外部コネクタCが接続される。外部コネクタCは、コネクタ部80に取り付けられた状態において突出筒部45を囲む筒部Caと、筒部Caの内周面から突出筒部45に向かって突出する被係合爪Cbと、を有する。外部コネクタCに設けられた図示しない端子が後述する導電部材72と電気的に接続されることで、外部コネクタCとコネクタ部80とが電気的に接続される。外部コネクタCが設けられた図示しない外部電源から電動アクチュエータ100に電力が供給される。
【0024】
突出筒部45は、筒本体部45aと、保持部45bと、複数のリブ45cと、を有する。筒本体部45aは、蓋本体部42aから上側に突出する角丸の略四角筒状である。筒本体部45aは、下側に位置する底部45dと、底部45dの外周縁部から上側に延びる周壁部45eと、を有する。底部45dは、蓋本体部42aから上側に突出している。底部45dの上側の面は、突出筒部45の内面のうち下側に位置する底面である。底部45dの上側の面は、蓋本体部42aの上側の面よりも上側に位置する。
【0025】
保持部45bは、筒本体部45aの周壁部45eから右側に突出している。より詳細には、保持部45bは、周壁部45eの外周面のうち右側に位置する面における上下方向Zの中央部から右側に突出している。保持部45bは、コネクタ部80に接続される外部コネクタCを保持する部分である。本実施形態において保持部45bは、外部コネクタCに上下方向Zに引っ掛かる爪である。本実施形態では、保持部45bは、外部コネクタCの被係合爪Cbに下側から引っ掛かることで、外部コネクタCを保持する。保持部45bと被係合爪Cbとは、スナップフィット構造によって互いに引っ掛かり合う。保持部45bによって、コネクタ部80から外部コネクタCが外れることが抑制される。このように本実施形態では、保持部45bを外部コネクタCに上下方向Zに引っ掛かる爪とすることで、外部コネクタCをコネクタ部80に対して容易かつ強固に接続することができる。
【0026】
複数のリブ45cは、筒本体部45aにおける周壁部45eの外周面に設けられている。複数のリブ45cは、軸方向に延びている。図1に示すように、複数のリブ45cは、保持部45bを幅方向Xに挟む一対のリブ45cを含む。複数のリブ45cは、筒本体部45aの幅方向Xの両側面に1つずつ設けられたリブ45cと、筒本体部45aの左側の面に設けられた1つのリブ45cと、を含む。図4に示すように、各リブ45cが突出する方向における各リブ45cの先端部は、外部コネクタCの筒部Caの内周面に接触する。複数のリブ45cは、筒部Ca内に嵌め合わされる。
【0027】
蓋体42には、基板収容部41bの内部と突出筒部45の内部とを繋ぐ孔部45fが設けられている。孔部45fは、蓋本体部42aと突出筒部45の底部45dとを上下方向Zに貫通している。孔部45fは、蓋本体部42aの右側の端部に設けられている。図3に示すように、本実施形態において孔部45fは、幅方向Xに長い長方形状の孔である。図4に示すように、孔部45fは、嵌合孔部45gと、幅広孔部45hと、を有する。
【0028】
嵌合孔部45gは、孔部45fの上側部分である。嵌合孔部45gは、底部45dを上下方向Zに貫通している。嵌合孔部45gの上側の端部は、底部45dの上面に開口し、突出筒部45の内部に開口している。嵌合孔部45gの上側の端部における内縁は、周壁部45eの内縁よりも内側に離れて配置されている。
【0029】
幅広孔部45hは、孔部45fの下側部分である。幅広孔部45hは、嵌合孔部45gの下側に繋がっている。幅広孔部45hの下側の端部は、蓋本体部42aの下面に開口し、基板収容部41bの内部に開口している。上下方向Zに見て、幅広孔部45hの内縁は、嵌合孔部45gの内縁よりも外側に位置し、嵌合孔部45gを囲んでいる。
【0030】
幅広孔部45hの軸方向の寸法は、嵌合孔部45gの軸方向の寸法よりも大きい。幅広孔部45hは、嵌合孔部45gよりも軸方向両側に突出している。幅広孔部45hの幅方向Xの寸法は、嵌合孔部45gの幅方向Xの寸法よりも大きい。幅広孔部45hは、嵌合孔部45gよりも幅方向Xの両側に突出している。幅広孔部45hの上下方向Zの寸法は、嵌合孔部45gの上下方向Zの寸法よりも小さい。嵌合孔部45gの内周面と幅広孔部45hの内周面との接続部に設けられた段差部の角部45iは、丸面取りされた形状である。
【0031】
図1に示すように、モータケース40aは、固定部44a,44b,44cを有する。固定部44a,44b,44cは、電動アクチュエータ100が取り付けられる機器に固定される部分である。固定部44aおよび固定部44bは、モータ収容部41aの下端部から下側に突出している。固定部44cは、蓋本体部42aの左側の端部から上側に突出している。各固定部44a,44b,44cは、各固定部44a,44b,44cを幅方向Xに貫通する固定孔44dを有する。各固定部44a,44b,44cは、各固定孔44dに通されたボルトによって、電動アクチュエータ100が取り付けられる機器に固定される。
【0032】
伝達機構ケース21は、モータケース40aと別体である。伝達機構ケース21は、モータ収容部41aの左側に位置し、かつ、基板収容部41bのうちモータ収容部41aよりも左側に突出した部分の下側に位置する。伝達機構ケース21は、例えば、樹脂製である。図2に示すように、伝達機構ケース21は、伝達機構ケース本体21aと、伝達機構カバー21bと、を有する。伝達機構ケース本体21aは、中心軸Jを中心として軸方向に延びる円筒状である。伝達機構ケース本体21aの外径は、モータ収容部41aの外径よりも小さい。伝達機構ケース本体21aは、左側に開口している。伝達機構カバー21bは、伝達機構ケース本体21aの左側の端部に固定されている。伝達機構カバー21bは、中心軸Jを中心とする円環状である。伝達機構カバー21bの内側には、中心軸Jを囲む環状のシール部材24が設けられている。
【0033】
伝達機構ケース21の内部には、ベアリング22が収容されている。本実施形態においてベアリング22は、スラストベアリングである。ベアリング22は、第1軌道盤22aと、第2軌道盤22bと、複数の転動体22cと、を有する。第1軌道盤22aおよび第2軌道盤22bは、中心軸Jを囲む円環状である。第1軌道盤22aは、伝達機構ケース本体21aの右側の底部に右側から支持されて伝達機構ケース本体21aに保持されている。第2軌道盤22bは、第1軌道盤22aの左側に対向して配置されている。複数の転動体22cは、第1軌道盤22aと第2軌道盤22bとの軸方向の間に周方向に並んで配置されている。
【0034】
本実施形態においてモータ部10は、基板60の下側に位置する。モータ部10は、ロータ13と、ステータ14と、を有する。ロータ13およびステータ14は、モータ収容部41aの内部に収容されている。ロータ13は、中心軸Jを中心として回転可能である。ロータ13は、シャフト13aと、シャフト13aの外周面に固定されたロータコア13bと、ロータコア13bに固定された複数のマグネット13cと、を有する。シャフト13aは、中心軸Jを中心として軸方向に延びる円柱状である。シャフト13aは、モータ収容部41aから左側に突出し、伝達機構ケース本体21aの右側の底部に設けられた孔を通って、伝達機構ケース21の内部に挿入されている。
【0035】
シャフト13aは、中心軸Jを中心として軸方向に延びるシャフト本体部13dと、シャフト本体部13dの右側の端部から径方向外側に突出するシャフトフランジ部13eと、を有する。シャフト本体部13dの左側の端部は、伝達機構ケース21の内部に位置する。シャフトフランジ部13eは、中心軸Jを囲む円環状である。シャフトフランジ部13eは、右側から第2軌道盤15bに接触している。これにより、シャフト13aは、ベアリング15によって、中心軸J回りに回転可能に軸方向に支持されている。
【0036】
ステータ14は、ロータ13の径方向外側に位置する。ステータ14は、ロータコア13bおよびマグネット13cを囲む環状のステータコア14aと、ステータコア14aに取り付けられたインシュレータ14bと、インシュレータ14bを介してステータコア14aに取り付けられた複数のコイル14cと、を有する。
【0037】
伝達機構部20は、ロータ13の左側に連結されている。より詳細には、伝達機構部20は、シャフト本体部13dの左側の端部に連結されている。伝達機構部20は、モータ部10の動力を出力部30に伝達する。本実施形態において伝達機構部20は、ロータ13の回転を軸方向の直線運動に変換して出力部30に伝達する。伝達機構部20は、第1筒部材20aと、第2筒部材20bと、を有する。
【0038】
第1筒部材20aは、中心軸Jを中心として軸方向に延びる円筒状である。第1筒部材20aは、軸方向両側に開口している。第1筒部材20aの外周面には、雄ねじ部20fが設けられている。第1筒部材20aの右側の端部内には、シャフト13aの左側の端部が嵌め合わされている。シャフト13aは、第1筒部材20aの内周面に対して周方向に引っ掛かって連結されている。これにより、シャフト13aが中心軸J回りに回転すると、第1筒部材20aがシャフト13aと共に中心軸J回りに回転する。
【0039】
第1筒部材20aの右側の端部には、径方向外側に広がる鍔部が設けられている。当該鍔部は、ベアリング22のうち第2軌道盤22bの左側の面に接触している。これにより、第1筒部材20aは、ベアリング22によって、中心軸J回りに回転可能に軸方向に支持されている。本実施形態において一体となって回転するシャフト13aおよび第1筒部材20aは、2つのベアリング15,22によって、中心軸J回りに回転可能に支持されている。
【0040】
第2筒部材20bは、第1筒部材20aの径方向外側に位置する。第2筒部材20bは、中心軸Jを中心として軸方向に延びる円筒状である。第2筒部材20bは、第1筒部材20aを径方向外側から囲んでいる。第2筒部材20bは、軸方向両側に開口している。第2筒部材20bの内周面には、雄ねじ部20fと噛み合う雌ねじ部20eが設けられている。第2筒部材20bの左側の端部における外周面は、シール部材24の内縁に接触している。第2筒部材20bは、軸方向に延びる円筒状の本体部20cと、本体部20cの右側の端部から上側に突出する凸部20dと、を有する。凸部20dの上端部には、センサマグネット62が固定されている。
【0041】
出力部30は、第2筒部材20bの左側の端部に固定されている。出力部30は、ケース40の外部に位置する。図3に示すように、出力部30は、第2筒部材20bに固定された出力本体部31と、出力本体部31から幅方向Xに突出する出力筒部32と、を有する。出力部30は、出力本体部31および出力筒部32を幅方向Xに貫通する取付孔33を有する。取付孔33には、電動アクチュエータ100によって軸方向に移動させられる駆動対象が取り付けられる。取付孔33に当該駆動対象が取り付けられることで、出力部30は中心軸J回りに回転することが阻止される。また、同様に、取付孔33に当該駆動対象が取り付けられることで、出力部30に繋がる第2筒部材20bも中心軸J回りに回転することが阻止される。
【0042】
シャフト13aが回転して第1筒部材20aが回転すると、雄ねじ部20fが第2筒部材20bの雌ねじ部20eに対して中心軸J回りに相対回転し、雌ねじ部20eが雄ねじ部20fに対して軸方向に送られる。これにより、第2筒部材20bがシャフト13aおよび第1筒部材20aに対して軸方向に移動する。第2筒部材20bが軸方向に移動することによって、第2筒部材20bに固定された出力部30が軸方向に移動する。これにより、出力部30は、伝達機構部20によって軸方向に移動させられる。
【0043】
図2および図3に示すように、基板60は、基板収容部41b内に収容されている。基板60は、板面が上下方向Zを向く板状である。基板60の板面は、上下方向Zと直交している。基板60は、中心軸Jの軸方向に延びている。本実施形態において基板60は、軸方向に長い長方形板状である。基板60は、基板60を上下方向Zに貫通する複数のボルト65が、底壁部41eに設けられた基板支持部41fにそれぞれ締め込まれることで、基板収容部41b内に固定されている。図2に示すように、基板60は、底壁部41eの上面から上側に離れて配置されている。基板60は、モータ部10および伝達機構部20の径方向外側に配置されている。本実施形態において、基板60は、モータ部10および伝達機構部20の上側に配置されている。
【0044】
基板60の左側部分における下面には、磁気センサ61が取り付けられている。磁気センサ61は、第2筒部材20bに固定されたセンサマグネット62の磁界を検出可能なセンサである。磁気センサ61によってセンサマグネット62の磁界を検出することで、第2筒部材20bおよび出力部30の軸方向位置を検出可能である。
【0045】
バスバーアッシー50は、ステータ14と伝達機構ケース21との軸方向の間に位置する。バスバーアッシー50は、基板60の下側に位置する。バスバーアッシー50は、バスバー51と、バスバー51を保持するバスバーホルダ52と、を有する。つまり、電動アクチュエータ100は、バスバー51を備える。バスバーホルダ52は、樹脂製である。バスバーホルダ52は、ステータ14と伝達機構ケース21との軸方向の間に保持されている。バスバーホルダ52は、シャフト本体部13dのうちステータ14よりも左側に位置する部分を中心軸J回りに囲む環状である。バスバーホルダ52の上端部は、底壁部41eに設けられた貫通孔41g内に挿入されている。
【0046】
バスバー51は、モータ部10と基板60とを電気的に繋ぐ部材である。バスバー51を介して、基板60は、モータ部10に電気的に接続されている。バスバー51は、一部がバスバーホルダ52に埋め込まれて保持されている。バスバー51は、基板60の下側に位置する。バスバー51は、バスバーホルダ52から上側に突出する第3端子部51aを有する。第3端子部51aは、基板収容部41b内に突出している。第3端子部51aは、基板60に設けられた貫通孔に通されて基板60を下側から上側に上下方向Zに貫通し、基板60よりも上側に突出している。第3端子部51aは、例えば、はんだ付けによって基板60に電気的に接続されている。これにより、バスバー51は、基板60に電気的に接続されている。第3端子部51aを基板60にはんだ付けする作業は、基板60の上側から行われる。本実施形態において第3端子部51aは、基板60の軸方向の中央部分に接続されている。
【0047】
図3に示すように、バスバー51は、複数設けられている。本実施形態においてバスバー51は、3つ設けられている。3つのバスバー51における第3端子部51aは、幅方向Xに間隔を空けて並んで配置されている。図示は省略するが、各バスバー51は、コイル14cから延びる引出線が接続されるコイル接続部を有する。これにより、各バスバー51は、モータ部10のステータ14に電気的に接続されている。
【0048】
コネクタ部品70は、基板60に接続されている。本実施形態においてコネクタ部品70は、基板60の上面のうち右側の端部に取り付けられている。図4に示すように、コネクタ部品70は、基板60の上面から上側に突出し、下側から孔部45f内に挿入されている。コネクタ部品70は、ホルダ部材71と、導電部材72と、を有する。
【0049】
ホルダ部材71は、導電部材72を保持する部材である。ホルダ部材71は、樹脂製である。ホルダ部材71は、例えば、導電部材72をインサート部材とするインサート成形によって作られている。図3に示すように、ホルダ部材71は、上下方向Zに長い略四角柱状の部材である。ホルダ部材71は、ホルダ本体部71aと、フランジ部71bと、を有する。
【0050】
ホルダ本体部71aは、導電部材72を保持している。ホルダ本体部71aは、上下方向Zに長い略四角柱状である。ホルダ本体部71aの幅方向Xの寸法は、ホルダ本体部71aの軸方向の寸法よりも大きい。図4に示すように、ホルダ本体部71aの下側の面71cは、基板60における上側の面に接触している。これにより、ホルダ部材71は、基板60における上側の面に接触している。ホルダ本体部71aの下側の面71cは、上下方向Zと直交する平坦面である。
【0051】
ホルダ本体部71aは、嵌合孔部45g内に嵌め合わされている。本実施形態では、ホルダ本体部71aの上側の端部が嵌合孔部45g内に嵌め合わされている。これにより、ホルダ部材71の一部が孔部45f内に挿入され、ホルダ部材71が孔部45f内に嵌め合わされている。ホルダ部材71が孔部45fに嵌め合わされることで、突出筒部45に対してコネクタ部品70を上下方向Zと直交する方向に好適に位置決めすることができる。ホルダ本体部71aの上側の端部は、嵌合孔部45g内に隙間嵌めされている。ホルダ本体部71aの上側の端部は、嵌合孔部45gの上側の端部よりも下側に離れて配置されている。
【0052】
ホルダ本体部71aの上側の端部における外縁部71dは、丸面取りされた形状となっており、丸みを帯びている。そのため、ホルダ本体部71aを嵌合孔部45g内に誘い込みやすく、ホルダ本体部71aを嵌合孔部45g内に嵌め合わせやすい。また、本実施形態では、嵌合孔部45gの内周面と幅広孔部45hの内周面との接続部に設けられた段差部の角部45iが丸面取りされた形状で丸みを帯びているため、ホルダ本体部71aをより嵌合孔部45g内に誘い込みやすい。これにより、ホルダ本体部71aをより嵌合孔部45g内に嵌め合わせやすい。
【0053】
フランジ部71bは、ホルダ本体部71aから上下方向Zと直交する方向に突出している。図3に示すように、本実施形態においてフランジ部71bは、上下方向Zに延びる軸回りにホルダ本体部71aを囲む略長方形枠状である。上下方向Zに見て、フランジ部71bは、ホルダ本体部71aの外縁から外側に突出している。フランジ部71bは、ホルダ本体部71aから幅方向Xの両側および軸方向の両側に突出している。図4に示すように、フランジ部71bは、幅広孔部45h内に嵌め合わされている。より詳細には、フランジ部71bの上側部分が幅広孔部45h内に嵌め合わされている。フランジ部71bは、嵌合孔部45gよりも下側に位置する。フランジ部71bの上面と角部45iとの上下方向Zの間には隙間が設けられている。
【0054】
ホルダ部材71は、接着剤73によって孔部45fに固定されている。接着剤73は、例えば、孔部45fのうちコネクタ部品70が設けられた部分以外の部分に充填されている。接着剤73は、孔部45fを封止している。接着剤73の一部は、フランジ部71bと角部45iとの間に設けられている。
【0055】
導電部材72は、一部がホルダ部材71に埋め込まれて保持されている。本実施形態において導電部材72は、上下方向Zに直線状に延びる細長の棒状部材である。導電部材72は、金属製である。導電部材72は、ホルダ部材71を上下方向Zに貫通している。導電部材72は、複数設けられている。図3に示すように、本実施形態において導電部材72は、10本設けられている。図4に示すように、導電部材72は、ホルダ部材71から上側に突出する第1端子部72aと、ホルダ部材71から下側に突出する第2端子部72bと、を有する。
【0056】
第1端子部72aは、孔部45fを介して突出筒部45内に突出している。これにより、第1端子部72aは、突出筒部45の内部に露出している。第1端子部72aの上側の端部は、突出筒部45の上側の端部よりも下側に位置する。第1端子部72aは、外部コネクタCに設けられた端子と電気的に接続される。
【0057】
第2端子部72bは、基板60を上下方向Zに貫通している。より詳細には、第2端子部72bは、基板60に設けられた貫通孔60aに上側から通されて、基板60を上下方向Zに貫通している。第2端子部72bは、基板60の下側の面よりも下側に突出している。第2端子部72bは、はんだ64によって基板60に電気的に接続されている。第2端子部72bを基板60にはんだ付けする作業は、基板60の下側から行われる。第2端子部72bが基板60に接続されることで、導電部材72が基板60に電気的に接続されている。
【0058】
電動アクチュエータ100を組み立てる作業者等は、基板収容部41b内に固定される前の基板60にコネクタ部品70を固定する。具体的に作業者等は、基板60の下側から第2端子部72bを基板60にはんだ付けする。作業者等は、コネクタ部品70が固定された状態の基板60を、蓋体42が固定されていない状態の基板収容部41b内に固定する。このとき、基板60に設けられた貫通孔にバスバー51の第3端子部51aが通される。作業者等は、基板60の上側から、第3端子部51aを基板60にはんだ付けする。
【0059】
次に作業者等は、蓋体42を基板収容部41bに上側から近づけて基板収容部41bに固定する。このとき作業者等は、基板60に固定されたコネクタ部品70の上側部分を蓋体42の孔部45f内に嵌め合わせつつ、複数の係合爪部42bを基板収容部41bに設けられた係合凹部41cにスナップフィット構造によって引っ掛けて、蓋体42を基板収容部41bに固定する。
【0060】
ここで、上下方向Zと直交する方向、すなわち幅方向Xおよび軸方向において、蓋体42と基板収容部41bとの間のクリアランスは、コネクタ部品70と孔部45fとの間のクリアランスよりも大きい。そのため、コネクタ部品70を孔部45fに嵌め合わせることで、蓋体42が基板収容部41bに対して幅方向Xおよび軸方向に位置決めされる。
【0061】
作業者等は、突出筒部45の内部を介して、上側から孔部45f内に未硬化の接着剤73を塗布する。ここで、本実施形態では、ホルダ本体部71aから上下方向Zと直交する方向に突出するフランジ部71bは、ホルダ本体部71aが嵌め合わされた嵌合孔部45gよりも下側に位置する。そのため、未硬化の接着剤73が孔部45f内を下側に流れても、フランジ部71bによって未硬化の接着剤73を堰き止めることができる。これにより、接着剤73が基板収容部41b内に漏れることを抑制できる。本実施形態では、フランジ部71bが幅広孔部45h内に嵌め合わされているため、フランジ部71bによってより好適に未硬化の接着剤73を堰き止めやすい。塗布された未硬化の接着剤73が硬化することで、突出筒部45とコネクタ部品70とが互いに固定され、コネクタ部80が構成される。
【0062】
なお、本明細書において「作業者等」とは、各作業を行う作業者および組立装置等を含む。各作業は、作業者のみによって行われてもよいし、組立装置のみによって行われてもよいし、作業者と組立装置とによって行われてもよい。
【0063】
本実施形態によれば、コネクタ部品70のホルダ部材71の少なくとも一部は、蓋体42に設けられた孔部45f内に挿入され、コネクタ部品70と突出筒部45とによってコネクタ部80が構成されている。突出筒部45は、コネクタ部品70に接続される外部コネクタCを保持する保持部45bを有する。このように、コネクタ部80をコネクタ部品70と突出筒部45との2つの部材で構成することで、上述した組立方法を採用できる。つまり、コネクタ部品70を取り付けた状態の基板60を基板収容部41b内に固定した後に、蓋体42によって基板収容部41bの開口部41dを塞ぎつつ、孔部45f内にコネクタ部品70を挿入してコネクタ部80を組み立てる組立方法を採用することができる。これにより、基板60を基板収容部41b内に固定する前に蓋体42に対して基板60を固定しておく必要がなく、基板収容部41b内において基板60をバスバー51などの他の部材と接続することができる。したがって、コネクタ部80が蓋体42から突出する構成としても、電動アクチュエータ100を組み立てやすくできる。そのため、本実施形態によれば、電動アクチュエータ100の組立性を向上できる。
【0064】
また、外部コネクタCを保持する保持部45bが蓋体42に設けられた突出筒部45に設けられているため、外部コネクタCからコネクタ部80に加えられる力をケース40で受けることができる。これにより、コネクタ部品70の導電部材72と基板60との接続箇所に応力が掛かることを抑制しやすい。したがって、導電部材72と基板60との接続が外れるなどの不具合が生じることを抑制できる。
【0065】
また、本実施形態によれば、導電部材72は、ホルダ部材71から下側に突出する第2端子部72bを有する。第2端子部72bは、基板60を上下方向Zに貫通し、基板60に電気的に接続されている。モータ部10と基板と60を電気的に繋ぐバスバー51は、基板60に電気的に接続される第3端子部51aを有する。第3端子部51aは、基板60を下側から上側に貫通している。このように基板60に接続される第2端子部72bと第3端子部51aとが基板60に対して互いに反対側から接続されている場合、各端子部を接続するはんだ付けの作業をそれぞれ基板60の反対側の面において行う必要がある。そのため、従来の構成では、基板60に対して各端子部を接続することがより難しくなる。これに対して、本実施形態では、上述したようにコネクタ部80がコネクタ部品70と突出筒部45との2つの別部品によって構成されるため、第2端子部72bおよび第3端子部51aをそれぞれ基板60に対してはんだ付けして接続することが容易である。
【0066】
また、例えば、基板収容部41bの側面から軸方向にコネクタ部を突出させる構成とすれば、蓋体42を基板収容部41bに取り付けない状態で基板60に対して各端子部を接続できるため、電動アクチュエータを比較的組み立てやすい。しかしながら、この場合には、コネクタ部が軸方向に突出する分、電動アクチュエータが軸方向に大型化しやすい。これに対して、本実施形態によれば、開口部41dが開口する所定方向は、中心軸Jの軸方向と直交する上下方向Zである。基板60は、モータ部10の径方向外側に配置されている。突出筒部45は、蓋本体部42aから上下方向Zの上側に突出している。そのため、基板60がモータ部10に対して軸方向に配置される場合、および突出筒部45が軸方向に突出する場合に比べて、電動アクチュエータ100を軸方向に小型化できる。一方、上述したように、本実施形態ではコネクタ部80をコネクタ部品70と突出筒部45とに分けたことで組立性も向上できる。つまり、本実施形態によれば、蓋体42にコネクタ部80を設けて電動アクチュエータ100を軸方向に小型化しつつ、電動アクチュエータ100の組立性を向上できる。
【0067】
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成および方法を採用することもできる。突出筒部は、蓋本体部から基板収容部の外部に突出していれば、どのような形状であってもよい。突出筒部は、基板収容部の開口部が開口する所定方向(上下方向Z)に対して斜めに傾く方向に突出してもよい。突出筒部に設けられた保持部は、外部コネクタを保持できるならばどのような形状であってもよい。保持部は、外部コネクタの筒部内に軽圧入されることで外部コネクタを保持する部分であってもよい。
【0068】
ホルダ部材は、蓋体に設けられた孔部に全体が挿入されてもよい。ホルダ部材は、当該孔部内に少なくとも一部が挿入されていれば、当該孔部内に嵌め合わされなくてもよい。当該孔部は、基板収容部の内部と突出筒部の内部とを繋ぐならば、どのような形状であってもよい。基板は、モータ部に対してどのように配置されていてもよい。基板は、モータ部に対して軸方向に配置されてもよい。この場合、基板収容部が開口する所定方向は、軸方向であってもよい。基板収容部が開口する所定方向は、特に限定されず、どのような方向であってもよい。伝達機構部は、モータ部の動力を伝達可能な機構であれば、どのような構成であってもよい。伝達機構部は、モータ部の回転を減速して伝達する減速機構であってもよい。
【0069】
本発明が適用される電動アクチュエータの用途は、特に限定されない。電動アクチュエータは、どのような機器に搭載されてもよい。電動アクチュエータは、例えば、車両に搭載されてもよい。なお、以上に、本明細書において説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0070】
10…モータ部、13…ロータ、20…伝達機構部、40…ケース、41b…基板収容部、41d…開口部、42…蓋体、42a…蓋本体部、45…突出筒部、45b…保持部、45f…孔部、45g…嵌合孔部、45h…幅広孔部、51…バスバー、51a…第3端子部、60…基板、70…コネクタ部品、71…ホルダ部材、71a…ホルダ本体部、71b…フランジ部、72…導電部材、72a…第1端子部、72b…第2端子部、80…コネクタ部、100…電動アクチュエータ、C…外部コネクタ、J…中心軸
図1
図2
図3
図4