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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148182
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】駐車可否判定装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
G08G1/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056076
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島津 秀章
(72)【発明者】
【氏名】吉原 和夫
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF32
5H181KK01
5H181KK07
5H181KK10
5H181LL11
5H181LL17
(57)【要約】
【課題】駐車可否を判定するための特別な情報を準備することなく、車両の駐車可否の判断にかかる負担を軽減する、駐車可否判定装置の提供。
【解決手段】 駐車可否判定装置10は、
車両を特定する登録番号データを取得する入力部と、
登録番号データを、車長及び車幅を含む車両データと登録番号データとを関連付けて記憶するサーバ4に送信し、車両データを受信する送受信部と、
駐車スペースの奥行及び幅を含むスペースデータと車両データとに基づいて、前記駐車スペースへの前記車両の駐車可否を判定する判定部と
を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を特定する登録番号データを取得する入力部と、
前記登録番号データを、車長及び車幅を含む車両データと前記登録番号データとを関連付けて記憶するサーバに送信し、前記車両データを受信する送受信部と、
駐車スペースの奥行及び幅を含むスペースデータと前記車両データとに基づいて、前記駐車スペースへの前記車両の駐車可否を判定する判定部と
を有する、駐車可否判定装置。
【請求項2】
前記送受信部が、インターネットを通じて、前記登録番号データを前記サーバに送信し、前記車両データを受信する、請求項1に記載の駐車可否判定装置。
【請求項3】
前記入力部が、
前記車両のナンバープレートを撮影するカメラと、
前記ナンバープレートの画像から前記登録番号データを得る文字認識部と
を含む、請求項1又は2に記載の駐車可否判定装置。
【請求項4】
前記判定部が、前記車両が駐車可能と判定した多数の駐車スペースから、設定された条件に基づいて、前記車両を駐車させる駐車スペースを選定する、請求項1から3のいずれかに記載の駐車可否判定装置。
【請求項5】
前記スペースデータが、前記駐車スペースの空き時間を含み、
前記車両を駐車させる駐車スペースを選定するための、設定された条件に、前記車両が駐車する使用時間が含まれる、請求項4に記載の駐車可否判定装置。
【請求項6】
前記車両の駐車可否の判定結果を表示する表示部を有する、請求項1から5のいずれかに記載の駐車可否判定装置。
【請求項7】
前記表示部が、駐車可否の判定の根拠である、前記車両が有する可否判定データを表示する、請求項6に記載の駐車可否判定装置。
【請求項8】
前記可否判定データを、前記車両が個別に有する個別データに修正可能な修正入力部を有する、請求項7に記載の駐車可否判定装置。
【請求項9】
前記判定部が、前記車両が駐車可能と判定した多数の駐車スペースから、設定された条件に基づいて、1又は2以上の多数の駐車スペースを選定する、請求項1から3のいずれかに記載の駐車可否判定装置。
【請求項10】
前記車両の駐車可否の判定結果を表示する表示部を有し、
前記表示部が、前記判定部が選定した1又は2以上の多数の駐車スペースの特定データを表示する、請求項9に記載の駐車可否判定装置。
【請求項11】
前記判定部が、前記送受信部に、2以上の多数の駐車場が有する、多数の駐車スペースの特定データと、それぞれの駐車スペースの空き時間データとを関連付けて記憶するサーバから、前記特定データと空き時間データとを受信させ、
前記車両を駐車させる1又は2以上の多数の駐車スペースを選定するための、設定された条件に、前記車両が駐車する使用時間が含まれる、請求項9又は10に記載の駐車可否判定装置。
【請求項12】
前記車両を駐車させる1又は2以上の多数の駐車スペースを選定するための、設定された条件に、賃貸借契約の可否が含まれる、請求項9から11のいずれかに記載の駐車可否判定装置。
【請求項13】
前記判定部が、前記車両が電気自動車である場合に、前記駐車スペースでの充電可否を判定する、請求項1から12のいずれかに記載の駐車可否判定装置。
【請求項14】
受信した前記車両データを前記登録番号データと関連付けて記憶する記憶部を有する、請求項1から13のいずれかに記載の駐車可否判定装置。
【請求項15】
前記判定部が、前記車両データに関連付けられ、前記サーバに記憶されていない補足データに基づいて駐車スペースへの前記車両の駐車可否を判定する、請求項1から14のいずれかに記載の駐車可否判定装置。
【請求項16】
前記補足データに前記車両の最低地上高データが含まれる、請求項15に記載の駐車可否判定装置。
【請求項17】
前記判定部が、前記登録番号データに関連付けられ、前記車両が個別に有する個別データに基づいて駐車スペースへの前記車両の駐車可否を判定する、請求項1から16のいずれかに記載の駐車可否判定装置。
【請求項18】
前記駐車スペースの特定データと前記スペースデータとを関連付けて記憶する記憶部を有する、請求項1から17のいずれかに記載の駐車可否判定装置。
【請求項19】
データを入力する入力部と、データを送信し受信する送受信部と、データを計算、加工する判定部とを有する駐車可否判定装置の動作を制御するプロセッサが実行するプログラムであって、
前記入力部に、車両を特定する登録番号データを取得させ、
前記送受信部に、前記登録番号データを、車長及び車幅を含む車両データと前記登録番号データとを関連付けて記憶するサーバに送信させ、前記車両データを受信させ、
前記判定部に、駐車スペースの奥行及び幅を含むスペースデータと前記車両データとに基づいて、前記駐車スペースへの前記車両の駐車可否を判定させる、プログラム。
【請求項20】
前記駐車可否判定装置が有する記憶部に、取得した前記登録番号データに関連付けて前記車両データを記憶させる、請求項19に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、駐車場への駐車可否判定装置を開示する。
【背景技術】
【0002】
駐車場に駐車可能な車両は、駐車スペースとの関係で、車長、車幅等を制限される。駐車場では、管理者や運転者が、車長、車幅等を確認し、車両の駐車可否を判断している。しかし、車長、車幅等の確認は煩わしい。この判断は、管理者や運転者に負担をかける。また、この判断にミスがあれば、車両や駐車設備が損傷する恐れがある。
【0003】
特開2020-41288公報の入庫支援システムでは、車両側に諸元情報が準備される。この諸元情報は、車両の入庫適応性を判断可能な情報であり、車両寸法、車両重量、車種情報、車両の識別情報等である。そして、入庫支援システムが車両側と通信を行い、この諸元情報を取得し、機械式駐車装置への入庫が可能か否かを判定する。この入庫支援システムは、駐車可否の判断にかかる、管理者や運転者の負担を軽減する。また、判断ミスの発生が抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-41288公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の入庫支援システムでは、車両側で駐車可否を判定するための特別な情報である、諸元情報を準備する必要がある。この諸元情報の準備がされていない車両は、この入庫支援システムを利用できない。
【0006】
本出願人の意図するところは、駐車可否を判定するための特別な情報を準備することなく、車両の駐車可否の判断にかかる負担を軽減する、駐車可否判定装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書が開示する駐車可否判定装置は、
車両を特定する登録番号データを取得する入力部と、
前記登録番号データを、車長及び車幅を含む車両データと前記登録番号データとを関連付けて記憶するサーバに送信し、前記車両データを受信する送受信部と、
駐車スペースの奥行及び幅を含むスペースデータと前記車両データとに基づいて、前記駐車スペースへの前記車両の駐車可否を判定する判定部と
を有する。
【0008】
本明細書が開示するプログラムは、
データを入力する入力部と、データを送信し受信する送受信部と、データを計算、加工する判定部とを有する駐車可否判定装置の動作を制御するプロセッサが実行するプログラムであって、
前記入力部に、車両を特定する登録番号データを取得させ、
前記送受信部に、前記登録番号データを、車長及び車幅を含む車両データと前記登録番号データとを関連付けて記憶するサーバに送信させ、前記車両データを受信させ、
前記判定部に、駐車スペースの奥行及び幅を含むスペースデータと前記車両データとに基づいて、前記駐車スペースへの前記車両の駐車可否を判定させる。
【発明の効果】
【0009】
この駐車可否判定装置は、駐車可否を判定するための特別な情報を準備する必要がない。この駐車可否判定装置は、駐車可否の判断にかかる負担を軽減する。このプログラムも、この駐車可否判定装置と同様の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態に係る判定端末が配置された駐車設備の概略図である。
図2図2は、図1の判定端末を含む駐車判定システムの概略図である。
図3図3は、図2の駐車判定システムが含むメインサーバのブロック図である。
図4図4は、図2の駐車判定システムが含む二次サーバのブロック図である。
図5図5は、図1の判定端末のブロック図である。
図6図6は、図2の駐車判定システムが含むタブレットコンピュータのブロック図である。
図7図7は、図2の駐車判定システムを用いた駐車可否判定のフローチャートである。
図8図8は、図7のフローチャートにおける、判定端末の動作のフローチャートである。
図9図9は、図2の駐車判定システムを用いた他の駐車可否判定のフローチャートである。
図10図10は、図9のフローチャートにおける、タブレットコンピュータの動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態が詳細に説明される。
【0012】
図1には、駐車設備2と、カメラ8を有し駐車可否を判定する判定端末10とが、自動車Vと共に示されている。この自動車Vは、駐車設備2の外の所定位置に停車している。ここでは、自動車Vは、駐車設備2の入口22の前に停車している。
【0013】
この自動車Vは、自動車登録番号を表示するナンバープレートPを有する。この自動車登録番号は、自動車Vの管轄地域名、自動車種別を表す分類番号、用途を表す判別文字、及び4桁の一連指定番号からなる。この自動車登録番号は、車両1台1台に割り当てられた固有の番号であり、車両を特定する番号である。以下では、この自動車登録番号は、単に登録番号ともいう。
【0014】
駐車設備2は、機械式である。駐車設備2は、駐車可能な多数のパレット21と、駐車設備2の入口22を開閉する扉23とを有する。図1には、パレット21の駐車位置に自動車Vが二点鎖線で表されている。この駐車設備2では、扉23が入口22を開くことで、自動車Vが駐車設備2の外とパレット21の駐車位置とに移動可能である。
【0015】
図1では、2枚のパレット21しか示されていないが、駐車設備2は多数のパレット21を有する。それぞれのパレット21は、駐車可能な車両の大きさ及び重量に制限を有する。図示されないが、例えば、駐車設備2は、普通車を駐車可能な多数のパレット21sと、ミドルルーフ車をも駐車可能な多数のパレット21mと、ハイルーフ車をも駐車可能な多数のパレット21hとを有する。
【0016】
なお、この判定端末10が配置される駐車場は、駐車設備2の様な機械式駐車設備に限られず、駐車スペースが区画された駐車場であればよい。例えば、この駐車場は、空き地に設けられたコインパーキングであってよい。この様な駐車場の駐車スペースでも、少なくとも、車長及び車幅の制限がある。
【0017】
図1では、判定端末10が有するカメラ8が、駐車設備2に取り付けられている。このカメラ8は、所定位置に停車した自動車VのナンバープレートPを撮影可能に配置されている。このカメラ8の配置位置は、ナンバープレートPを撮影可能であればよく、これに限られない。このカメラ8は、駐車設備2とは別に設けられた門柱やポール等に配置されてもよい。
【0018】
図2には、判定端末10を含む、駐車可否判定システムSが示されている。この駐車可否判定システムSは、ネットワークNを介して、通信可能に接続された、メインサーバ4、二次サーバ6、判定端末10、タブレットコンピュータ12(以下、タブレット12ともいう)及びスマートフォン14を含む。ここでのネットワークNは、インターネットであるが、これに限られず、例えば有線LANであってもよい。また、図2では、メインサーバ4、二次サーバ6、判定端末10、タブレット12及びスマートフォン14は1台ずつであるが、それぞれが多数台であってもよい。
【0019】
図3に示される様に、メインサーバ4は、プロセッサ41、通信器42、メモリ43を含む。プロセッサ41、通信器42及びメモリ43は通信可能に接続されている。
【0020】
プロセッサ41は、例えばCPUを含む電子回路であるが、これに限られない。プロセッサ41は、データの転送、計算、加工等を実行し、通信器42及びメモリ43を制御するハードウエアである。
【0021】
通信器42は、二次サーバ6、判定端末10等、ネットワークNに接続された他の装置と通信可能な機器である。
【0022】
メモリ43は、例えば半導体メモリ又はハードディスクであり、各種のデータを記憶するハードウエアである。メモリ43は、車両の登録番号のデータ(以下、登録番号データともいう)と車両データとを関連付けた車両データベースを記憶する。この車両データは、例えば、車長、車幅、車高、重量及び型式のデータを含む。なお、ここでいう登録番号、車長、車幅、車高、重量及び型式は、自動車検査証に記載された、自動車登録番号又は車両番号、長さ、幅、高さ、車両重量及び型式である。
【0023】
図4に示される様に、二次サーバ6は、メインサーバ4と同様に、プロセッサ61、通信器62及びメモリ63を含む。二次サーバ6が含むプロセッサ61、通信器62及びメモリ63は、メインサーバ4のそれらと同様に構成されている。ここでは、二次サーバ6に関し、メインサーバ4と異なる構成が説明され、同様の構成の説明が省略される。
【0024】
二次サーバ6のメモリ63は、車両の登録番号データと車両データと関連付けて記憶する二次車両データベースを記憶する。なお、車両データは、有効期限が設定されてもよいし、設定されなくてもよい。この有効期限として、例えば、車検の有効期限が設定されてもよい。
【0025】
二次車両データベースでは、二次サーバ6の通信器62又は他の入力機器を介して、二次サーバ6が取得した、登録番号データと車両データとが関連付けられ記憶されている。この二次サーバ6は、更に、補足データを記憶する。この補足データは、メインサーバ4に記憶されていないデータである。補足データは、車両データの型式等から特定される自動車Vに関するデータである。補足データは、特に限られないが、例えば、最低地上高データである。この二次車両データベースには、車両データと補足データとが関連付けられ記憶されている。なお、補足データは、有効期限が設定されてもよいし、設定されなくてもよい。この有効期限として、例えば、車検の有効期限が設定されてもよい。
【0026】
更に、この二次サーバ6は、個別データを記憶する。この個別データは、自動車Vが個別に有するデータである。個別データは、オプションの装着や改造等によって生じるデータであって個別に修正されたデータである。個別データは、特に限られないが、例えば、自動車Vの車高の修正データや最低地上高の修正データである。二次車両データベースには、登録番号データと個別データとが関連付けられ記憶されている。なお、個別データは、有効期限が設定されてもよいし、設定されなくてもよい。この有効期限として、例えば、車検の有効期限が設定されてもよい。
【0027】
図5に示される様に、判定端末10は、カメラ8、プロセッサ102、通信器103、メモリ104、ディスプレイ105及びタッチパネル106を含む。判定端末10の本体とカメラ8とは通信可能に接続され、プロセッサ102、通信器103、メモリ104、ディスプレイ105及びタッチパネル106は通信可能に接続されている。なお、このプロセッサ102、通信器103、メモリ104、ディスプレイ105及びタッチパネル106として、駐車設備2が備える制御盤及び運転盤の機器が用いられてもよい。
【0028】
プロセッサ102は、例えばCPUを含む電子回路であるが、これに限られない。プロセッサ102は、データの転送、計算、加工等を実行し、カメラ8、通信器103、メモリ104、ディスプレイ105及びタッチパネル106を制御するハードウエアである。
【0029】
通信器103は、メインサーバ4の通信器42と同様に構成されており、ここではその説明が省略される。
【0030】
メモリ104は、例えば半導体メモリ又はハードディスクであり、各種のデータを記憶可能なハードウエアである。メモリ104が記憶するデータには、カメラ8から取得したデータ、プロセッサ102が計算、加工等を実行したデータ、通信器103が受信したデータ、タッチパネル106から入力されたデータ等が含まれる。
【0031】
メモリ104は、駐車設備2の駐車場データベースを記憶する。駐車場データベースでは、駐車スペースの特定データとしてのパレット21の番号と、その番号のパレット21のスペースデータとが関連付けられ記憶されている。なお、この駐車スペースの特定データは、駐車スペースを特定するデータであればよく、パレット21の番号に限られない。スペースデータは、そのパレット21の奥行及び幅を含むデータである。スペースデータは、例えば、奥行、幅、高さ及び許容重量を含むデータであるが、これに限られない。スペースデータは、駐車スペースの空き時間(期間)や予約済み時間(期間)を含んでもよい。
【0032】
ディスプレイ105は、各種の情報を表示する映像機器である。タッチパネル106は、データ等を入力可能な機器である。なお、このタッチパネル106は入力部としての一例であって、これに限られない。例えば、タッチパネル106に代えてキーボードが用いられてもよい。
【0033】
カメラ8は、撮影対象を画像データとして撮影する機器である。撮影される画像は、静止画であっても動画であってもよい。このカメラ8は、特にこれに限られないが、例えばCMOSカメラであってもよく、CCDカメラであってもよい。
【0034】
図6に示される様に、タブレット12は、カメラ121、プロセッサ122、通信器123、メモリ124、ディスプレイ125及びタッチパネル126を含む。カメラ121、プロセッサ122、通信器123、メモリ124、ディスプレイ125及びタッチパネル126は通信可能に接続されている。
【0035】
カメラ121は、撮影対象を画像データとして撮影する機器である。撮影される画像は、静止画であっても動画であってもよい。このカメラ121は、タブレット12の本体に内蔵されているが、前述のカメラ8の様に、タブレット12の本体と別体であってもよい。
【0036】
プロセッサ122は、例えばCPUを含む電子回路であるが、これに限られない。プロセッサ122は、データの転送、計算、加工等を実行し、カメラ121、通信器123、メモリ124、ディスプレイ125及びタッチパネル126を制御するハードウエアである。
【0037】
メモリ124は、例えば半導体メモリ又はハードディスクであり、各種のデータを記憶可能なハードウエアである。メモリ124が記憶するデータには、カメラ121が撮影したデータ、プロセッサ122が計算、加工等を実行したデータ、通信器123が受信したデータ、タッチパネル126から入力されたデータ等が含まれる。
【0038】
なお、通信器123、ディスプレイ125及びタッチパネル126は、判定端末10の通信器103、ディスプレイ105及びタッチパネル106と同様に構成されており、ここではその説明が省略される。
【0039】
図2に示されたスマートフォン14は、カメラ、プロセッサ、通信器、メモリ、ディスプレイ及びタッチパネルを含む。なお、このカメラ、プロセッサ、通信器、メモリ、ディスプレイ及びタッチパネルは、タブレット12のカメラ121、プロセッサ122、通信器123、メモリ124、ディスプレイ125及びタッチパネル126と同様に構成されており、ここではその説明が省略される。
【0040】
ここで、図7のフローチャートを参照しつつ、駐車設備2、自動車V及び駐車可否判定システムSを用いて、駐車可否判定方法が説明される。
【0041】
図1に示される様に、駐車設備2の外の所定位置に、自動車Vが停車する(S1)。この所定位置とは、判定端末10のカメラ8が自動車VのナンバープレートPを撮影可能な位置である。カメラ8が自動車Vを撮影して、判定端末10が自動車Vの所定位置での停車を確認する(S2)。なお、図示されないセンサが自動車Vの所定位置での停車を確認してもよいし、自動車Vをカメラ8がナンバープレートPを撮影可能な位置に停車できるように所定位置に駐車枠が表示されてもよい。
【0042】
カメラ8がナンバープレートPを撮影する(S3)。判定端末10は、撮影された画像データから登録番号データを取得する(S4)。この判定端末10は、OCRソフトウエア(光学文字認識ソフトウエア)がインストールされている。判定端末10は、画像データから文字の形状に基づいて文字を識別し、登録番号データを取得する。なお、登録番号データを取得するために、判定端末10は、OCRソフトウエアに代えて、OCR装置(光学文字認識装置)を有していてもよい。
【0043】
判定端末10は、登録番号データを、二次サーバ6に送信する。二次サーバ6は、登録番号データを、メインサーバ4に送信する(S5)。メインサーバ4は、車両データベースで、登録番号の存在を確認する(S6)。メインサーバ4は、登録番号データに関連付けられた車両データを二次サーバ6に送信する。二次サーバ6は、車両データをメインサーバ4から取得する(S7)。
【0044】
一方で、行程(S6)では、メインサーバ4は、登録番号の存在を確認できない場合に、二次サーバ6にエラーデータを送信する。二次サーバ6は、判定端末10にエラーデータを送信する。エラーデータを受信した判定端末10は、行程(S2)からやり直す。
【0045】
行程(S7)の後に、二次サーバ6は、取得した車両データと、二次車両データベースに記憶された車両データとをマッチングする(S8)。このマッチングでは、二次車両データベースに、取得した車両データと一致する車両データがあるか否かが照合される。ここで、マッチングの具体例が、型式を例に説明される。二次サーバ6は、車両データの型式データと一致する型式データが、二次車両データベースに記憶されているか否かを照合する。二次サーバ6は、一致する型式データが二次車両データベースにあるときマッチングしたと判断し、一致する型式データがないときマッチングしないと判断する。二次サーバ6は、型式データがマッチングした場合、この型式データに関連付けられた補足データがあるか否かを確認する。
【0046】
この行程(S8)では、二次サーバ6は、取得した登録番号データと、二次車両データベースに記憶された登録番号データとをマッチングする。二次サーバ6は、取得した登録番号データと一致する登録番号データがあるか否かを照合する。登録番号データが一致した場合、登録番号データに関連付けられた個別データがあるか否かを確認する。二次サーバ6は、登録番号データが一致しない場合、二次車両データベースに登録番号データと車両データとを関連付けて記憶する。
【0047】
そして、この行程(S8)では、二次サーバ6は、車両データを判定端末10に送信する。二次サーバ6は、補足データや個別データが有る場合には、これらのデータを判定端末10に送信する。
【0048】
判定端末10は、駐車場データベースから、空いている入庫可能なパレット21の番号と、そのパレット21のスペースデータとを呼び出す。判定端末10は、それぞれのパレット21のスペースデータと、車両データとに基づいて、自動車Vの駐車可否を判定する(S9)。この行程(S9)では、補足データや個別データが有る場合には、判定端末10は、補足データと個別データとを含めて、自動車Vの駐車可否を判定する。
【0049】
行程(S9)で、2以上の多数のパレット21に駐車可能な場合には、判定端末10は、設定条件に基づいて、自動車Vを駐車させるパレット21を選定する(S10)。この設定条件は、予め設定されていればよく、特に限られない。例えば、判定端末10は、パレット21s、パレット21m、パレット21hのいずれにも駐車可能な場合には、パレット21s、パレット21m、パレット21hの優先順位で選定するように設定される。
【0050】
判定端末10は、自動車Vを駐車させるパレット21の番号を駐車設備2に送信する。駐車設備2は、そのパレット21を入庫位置に配置し、扉23を開く(S11)。
【0051】
また、行程(S9)で、判定端末10は駐車不可と判定した場合には、ディスプレイ105に駐車不可を表示する。判定端末10は、ディスプレイ105に代えて、又はディスプレイ105に表示すると共に、駐車設備2が備える運転盤のディスプレイに駐車不可を表示してもよい。また、判定端末10は、自動車Vの運転席から確認できる位置に配置した表示装置に、駐車不可を表示してもよい。駐車不可となった場合に、自動車Vは退去する(S12)。
【0052】
また、図7のフローチャートには図示されないが、行程(S9)で、判定端末10は、駐車可否を判定した場合に、自動車Vが有する車両データ、補足データ及び個別データから、可否判定の根拠である可否判定データを表示してもよい。
【0053】
自動車Vは、オプションの着脱や改造等によって、可否判定データが変更されている場合がある。この様な場合には、駐車設備2の管理者や自動車Vの運転者は、タッチパネル106に、変更された後の修正データを入力する。判定端末10は、修正データに基づいて、自動車Vの駐車可否を判定する(S9)。判定端末10は、修正データを二次サーバ6に送信する。二次サーバ6は、二次車両データベースに、自動車Vの個別データとして、登録番号データと関連付けて修正データを記憶する。
【0054】
図8には、この駐車可否判定方法で、駐車可否判定装置として機能した判定端末10の動作フローチャートが示されている。
【0055】
図8に示される様に、判定端末10のプロセッサ102が、カメラ8に自動車VのナンバープレートPを撮影させる。プロセッサ102が、ナンバープレートPの画像データから登録番号データを取得する。プロセッサ102が、通信器103に登録番号データを二次サーバ6に送信させる。プロセッサ102が、通信器103に車両データを受信させる。一方で、通信器103がエラーデータを受信した場合には、プロセッサ102が、カメラ8に自動車VのナンバープレートPを撮影させる行程から、やり直させる。通信器103が車両データを受信した場合には、プロセッサ102は、駐車場データベースから、空いている入庫可能なパレット21の番号と、そのパレット21のスペースデータとを呼び出す。プロセッサ102は、それぞれのパレット21のスペースデータと、受信した車両データとに基づいて、自動車Vの駐車可否を判定する。補足データや個別データを受信した場合には、プロセッサ102は、補足データと個別データとを含めて、自動車Vの駐車可否を判定する。2以上の多数のパレット21に駐車可能な場合には、プロセッサ102は、設定条件に基づいて、自動車Vを駐車させるパレット21を選定する。一方で、プロセッサ102は、駐車不可と判定した場合には、ディスプレイ105に駐車不可を表示させる。
【0056】
この判定端末10では、プロセッサ102が駐車可否を判定する判定部として機能している。通信器103が、登録番号データを送信し車両データを受信する送受信部として機能している。プロセッサ102が画像データから登録番号データを得る文字認識部として機能し、カメラ8とプロセッサ102とが登録番号データを取得する入力部として機能している。
【0057】
なお、判定端末10は、文字認識部を備えなくてもよい。判定端末10のタッチパネル106から、登録番号が手入力されてもよい。この場合、タッチパネル106が、登録番号データを取得する入力部として機能する。
【0058】
この駐車可否判定方法で用いられる登録番号は、自動車VのナンバープレートPに表示されている。判定端末10は、この登録番号データを取得する。判定端末10は、登録番号データを、車両データと登録番号データとを関連付けて記憶するメインサーバ4に二次サーバ6を介して送信し、車両データを受信する。判定端末10が、パレット21のスペースデータと車両データとに基づいて、駐車設備2への自動車Vの駐車可否を判定する。この判定端末10では、判定端末10が、登録番号データを取得し、登録番号データに関連付けられた車両データを受信可能であればよい。この判定端末10では、駐車可否を判断するために特別な情報の準備が必要ない。この判定端末10は、駐車可否を判断するための、管理者や運転者の負担を軽減できる。
【0059】
この判定端末10は、二次サーバ6を介してメインサーバ4と送受信したが、これに限られない。例えば、判定端末10は、直にメインサーバ4と送受信してもよい。
【0060】
この判定端末10の通信器103は、ネットワークNが含むインターネットを通じて、メインサーバ4に登録番号データを送信し車両データを受信する。これにより、インターネットに接続可能な環境であれば、どこでも、この判定端末10は利用可能である。この観点から、通信器103は、インターネットを通じて、メインサーバ4に接続されることが好ましい。
【0061】
判定端末10は、カメラ8が撮影した画像データから登録番号データを取得する。これにより、登録番号を手入力する必要がない。この判定端末10は、駐車可否を判断するための、管理者や運転者の負担を更に軽減できる。なお、前述の様に、判定端末10では、タッチパネル106から、登録番号が手入力されてもよい。この場合でも、管理者や運転者は、直接に車長や車幅を確認する必要がない。
【0062】
判定端末10は、自動車Vが駐車可能と判定した多数のパレット21から、設定された条件に基づいて、自動車Vを駐車させるパレット21を選定する。例えば、判定端末10は、パレット21s、パレット21m、パレット21hの優先順位で選定する。この判定端末10によって、駐車設備2は、効率的に運用される。また、効率的に運用するための、管理者の負担が軽減される。この観点から、判定端末10が、多数のパレット21から、設定された条件に基づいて、パレット21を選定することが、好ましい。
【0063】
パレット21のスペースデータは、パレット21の空き時間を含むことが好ましい。判定端末10は、自動車Vを駐車させるパレット21を選定するための、設定された条件に、自動車Vが駐車する使用時間が含まれることが好ましい。これにより、判定端末10は、現時点のみに限らず、今後の自動車Vの駐車可否を判断しうる。
【0064】
判定端末10は、自動車Vの駐車可否の判定結果を表示するディスプレイ105を有する。この判定端末10では、管理者や運転者は、判定結果を容易に確認できる。この観点から、判定端末10は、ディスプレイ105を有することが好ましい。判定端末10が、駐車設備2に設けられている場合、同じく駐車設備2に設けられた図示しない運転盤のディスプレイをディスプレイ105として利用してもよい。また、判定端末10は、ディスプレイ105に代えて、他の表示装置を有してもよい。
【0065】
判定端末10では、ディスプレイ105は、自動車Vの駐車可否を判定した場合、特に、自動車Vが駐車不可である場合には、可否判定データを表示する。この判定端末10では、管理者や運転者は、駐車不可の根拠となる可否判定データを容易に確認できる。この観点から、ディスプレイ105が可否判定データを表示することが、好ましい。
【0066】
判定端末10では、可否判定データを、自動車Vが個別に有する個別データに修正可能なタッチパネル106を有する。この判定端末10は、既に改造等されている自動車Vに関し、駐車可否の判定を正確にすることができる。この判定端末10では、タッチパネル106が個別データに修正可能な修正入力部として機能している。この観点から、判定端末10が個別データに修正可能なタッチパネル106を備えることが、好ましい。判定端末10が、駐車設備2に設けられている場合、運転盤のタッチパネルをタッチパネル106として利用してもよい。
【0067】
また、メインサーバ4の車両データに電気自動車の情報が含まれることが好ましい。判定端末10のプロセッサ102は、自動車Vが電気自動車である場合には、パレット21での充電可否を判定することが好ましい。この判定端末10は、自動車Vの運転者に、充電可否の情報を駐車前に知らせることができる。この判定端末10は、運転者の利便性を向上させる。
【0068】
記憶部としてのメモリ104が、自動車Vの車両データを登録番号データと関連付けて記憶してもよい。これにより、メモリ104に既に記憶されている自動車Vに関し、ネットワークNから切り離された状態でも、判定端末10は、駐車可否の判定をしうる。
【0069】
更に、プロセッサ102が、メモリ104に、登録番号データと可否判定データとを関連付けて記憶させてもよい。例えば、可否判定データは、駐車可能なパレット21の番号と関連付けて記憶される。これにより、判定端末10は、既に駐車可否の判定された自動車Vに関し、駐車可否の重複判定を省略できる。
【0070】
また、図7に示された駐車可否判定方法では、行程(S8)で、二次サーバ6が取得した登録番号データと、二次データベースに記憶された車両データとがマッチングされた。しかし、登録番号データに基づくマッチングは、判定端末10から登録番号データを取得する行程(S5)で実行されてもよい。この場合、二次データベースに既に記憶された登録番号データに基づいて、二次サーバ6は、二次データベースに記憶された車両データを、判定端末10に送信しうる。また、二次サーバ6は、補足データや個別データがある場合には、これらのデータを判定端末10に送信しうる。この場合、二次サーバ6が車両データと登録番号データとを関連付けて記憶するサーバとして機能する。これにより、二次サーバ6は、メインサーバ4から重複して車両データを取得することを省略できる。
【0071】
このメモリ104は、駐車設備2のパレット21の番号とそのスペースデータとを関連付けて記憶する駐車場データベースを記憶することが好ましい。このスペースデータは、判定端末10のタッチパネル106から入力されてもよいが、メモリ104に記憶されていることが好ましい。これにより、判定端末10のプロセッサ102は、その都度、スペースデータの入力を求めることなく、駐車可否を判定しうる。
【0072】
ここでは、車両データと登録番号データとを関連付けて記憶するサーバとして、メインサーバ4を例に説明がされたが、これに限られない。例えば、前述の様に、自動車Vの登録番号データが、二次サーバ6の二次車両データベースに記憶されていれば、二次サーバ6が車両データと登録番号データとを関連付けて記憶するサーバとして用いられてもよい。
【0073】
また、ここでは、判定端末10を駐車可否判定装置として説明がされたが、二次サーバ6が駐車可否判定装置として用いられてもよい。その場合、二次サーバ6のプロセッサ61が判定部として機能する。通信器62が、登録番号データを送信し車両データを受信する送受信部として機能する。また、この通信器62が、登録番号データを取得する入力部として機能する。
【0074】
この場合にも、好ましくは、二次サーバ6の通信器62は、ネットワークNが含むインターネットを通じて、判定端末10やメインサーバ4との間で、データを送受信する。また、二次サーバ6のプロセッサ61が、自動車Vが駐車可能と判定した多数のパレット21から、設定された条件に基づいて、自動車Vを駐車させるパレット21を選定してもよい。二次サーバ6のメモリ63が、駐車設備2の駐車場データベースを有してもよい。
【0075】
二次サーバ6が駐車可否判定装置として用いられる場合には、二次サーバ6の通信器62は、自動車Vの駐車可否の判定結果のデータを判定端末10に送信する。また、好ましくは、二次サーバ6は、その判定結果と可否判定データを、判定端末10に送信する。
【0076】
また、自動車Vが電気自動車である場合には、二次サーバ6のプロセッサ61は、パレット21での充電可否を判定することが好ましい。また、二次サーバ6のメモリ63が、自動車Vの車両データを登録番号データと関連付けて記憶することで、既に記憶されている自動車Vに関し、メインサーバ4から切り離された状態でも、駐車可否の判定をしうる。
【0077】
更に、この二次サーバ6では、メモリ63は、車両データに関連付けて、メインサーバ4に記憶されていない補足データを記憶している。プロセッサ61は、補足データに基づいてパレット21への自動車Vの駐車可否を判定できる。これにより、この二次サーバ6は、より適正に、自動車Vの駐車可否の判定をしうる。また、補足データは、メモリ63に記憶されることなく、他の機器から取得して、自動車Vの駐車可否が判定されてもよい。なお、前述の判定端末10においても、メモリ104が車両データに関連付けて、補足データを記憶してもよい。
【0078】
この二次サーバ6では、メモリ63は、自動車Vの登録番号データに関連付けて、自動車Vが個別に有する個別データを記憶している。プロセッサ61は、個別データに基づいてパレット21への自動車Vの駐車可否を判定する。これにより、この二次サーバ6は、より適正に、自動車Vの駐車可否の判定をしうる。また、個別データは、メモリ63に記憶されることなく、他の機器から取得して、自動車Vの駐車可否が判定されてもよい。
【0079】
また、タブレット12が駐車可否判定装置として用いられてもよい。その場合、タブレット12のプロセッサ122に、判定端末10と同様に、駐車可否判定を実行させるためのプログラムである、アプリケーションソフトウエア(以下、アプリともいう)がインストールされる。このタブレット12では、カメラ121とプロセッサ122とが、登録番号データを取得する入力部として機能する。プロセッサ122が、更に判定部として機能する。通信器123が、登録番号データを送信し車両データを受信する送受信部として機能する。メモリ124が、受信した車両データと登録番号データとを関連づけて記憶する記憶部として機能する。ディスプレイ125が、表示部として機能する。タッチパネル126が個別データに修正可能な修正入力部として機能する。このタブレット12と同様に、スマートフォン14や他のコンピュータが駐車可否判定装置として用いられてもよい。
【0080】
また、このアプリは、タブレット12と、タブレット12にネットワークNで接続された他のサーバとを協働させて、駐車可否判定装置として機能させるアプリケーションソフトであってもよい。例えば、このアプリによって、タブレット12のプロセッサ122が、通信器123に、登録番号データと駐車スペースのスペースデータとを他のサーバに送信させる。他のサーバのプロセッサが、他のサーバの通信器に、登録番号データを受信させ、登録番号データをメインサーバ4に送信させ、登録番号データと関連付けられた車両データを受信させる。他のサーバのプロセッサが、駐車スペースのスペースデータと車両データとに基づいて駐車スペースへの車両の駐車可否を判定する。他のサーバのプロセッサが、他のサーバの通信器に、駐車の可否判定データをタブレット12に送信させる。タブレット12のプロセッサ122が、通信器123に、駐車の可否判定データを受信させ、タブレット12のディスプレイ125に駐車可否の判定結果を表示させる。なお、ここでの他のサーバは、一台のコンピュータに限られず、ネットワークNで接続された多数台のコンピュータであってもよい。また、タブレット12が、駐車スペースへの車両の駐車可否の判定等、他のサーバにより実行される処理の一部を、実行し処理してもよい。
【0081】
また、判定端末10のメモリ104は、駐車設備2を含む多数の駐車場の、駐車場データベースを記憶してもよい。この駐車場データベースには、多数の駐車場における、それぞれの駐車スペースの空き時間データを含んでもよい。この空き時間データは、例えば空き状況の情報(現在空いているかどうか、将来の空き時間(期間)や予約済み時間(期間)の情報)を含む。この判定端末10のプロセッサ102は、多数の駐車場における駐車スペースに対して自動車Vの駐車可否を判定してもよい。この場合に、管理者や運転者が駐車設備2と異なる他の駐車場の駐車スペースを選択したときに、選択された駐車スペースを判定端末10から予約可能にされてもよい。
【0082】
また、逆に、判定端末10以外から駐車設備2が予約可能にされてもよい。例えば、判定端末10のプロセッサ102は、通信器103に、予約されたパレット21の特定データと使用時間データとを受信させる。プロセッサ102は、メモリ104に、予約されたパレット21の特定データと使用時間データとに基づき、その駐車スペースの空き時間データを更新して記憶させる。
【0083】
プロセッサ102は、予約されたパレット21に関し、予約された使用時間に他の自動車の駐車を許可しないようにする。例えば、プロセッサ102は、カメラ8で予約車両の登録番号データを確認する。プロセッサ102は、予約車両である場合に、予約されたパレット21への駐車を許可する。ここでは、カメラで予約車両の登録番号データを確認したが、例えばタッチパネル106に登録番号が手入力されてもよい。また、登録番号に限られず、他の予約番号等の予約情報が入力されるなど多種多様な予約特定方法が採用され
うる。なお、予約時間(期間)を設定せずに自動車Vを駐車した場合、当該自動車Vの駐車スペースが特定された時点から当該駐車スペースが無期限で予約されているものとしてもよいし、駐車スペースが特定された時点から所定時間後や、所定時刻までを予約時間(期間)としてもよい。
【0084】
ここで、図9のフローチャートを参照しつつ、他の駐車可否判定方法が説明される。ここでは、図2及び図6に示されるタブレット12を例に用いて説明がされる。
【0085】
このタブレット12には、予め、プロセッサ122に駐車可否判定を実行させるためのプログラムである、アプリケーションソフトウエア(以下、アプリともいう)がインストールされている。また、このタブレット12のメモリ124には、予め、多数の駐車場の、駐車場データベースが記憶されている。
【0086】
図9に示される様に、タブレット12で、アプリが起動される(SA1)。タブレット12のプロセッサ122は、ディスプレイ125に、駐車可否判定を実行するための指示を表示させる。
【0087】
この指示に従い、タッチパネル126からナンバープレートPに表示されている登録番号が入力される(SA2)。これにより、プロセッサ122は、タッチパネル126に、登録番号データを取得させる。このとき、予め登録された登録番号や前回取得した登録番号が、初期値として表示されてもよい。
【0088】
プロセッサ122は、通信器123に登録番号データを、二次サーバ6に送信させる。二次サーバ6は、登録番号データをメインサーバ4に送信する(SA3)。メインサーバ4は、登録番号の存在を確認する(SA4)。メインサーバ4は、登録番号データに関連付けられた車両データを二次サーバ6に送信する。
【0089】
一方で、行程(SA4)では、メインサーバ4は、登録番号の存在を確認できない場合に、二次サーバ6にエラーデータを送信する。二次サーバ6は、タブレット12にエラーデータを送信する。エラーデータを受信したタブレット12のプロセッサ122は、ディスプレイ125に、行程(SA2)からのやり直しの指示を表示させる。
【0090】
メインサーバ4が車両データを送信することで、二次サーバ6は、車両データを取得する(SA5)。二次サーバ6は、二次車両データベースに記憶された車両データ及び登録番号データと、取得した車両データ及び登録番号データとをマッチングする(SA6)。取得した車両データが二次車両データベースに記憶された車両データに一致した場合、一致した車両データに関連付けられた補足データがあるか否かを確認する。取得した登録番号データが二次車両データベースに記憶された登録番号データに一致した場合、二次サーバ6は、登録番号データに関連付けられた個別データがあるか否かを確認する。二次サーバ6は、取得した登録番号データが二次車両データベースに記憶された登録番号データに一致しない場合、二次車両データベースに登録番号データと車両データとを関連付けて記憶する。二次サーバ6は、車両データをタブレット12に送信する。二次サーバ6は、補足データや個別データが有る場合には、これらのデータをもタブレット12に送信する。タブレット12のプロセッサ122は、通信器123に、車両データを、場合によっては補足データや個別データをも、取得させる。
【0091】
なお、行程(SA6)で、二次サーバ6が取得した登録番号データと、二次データベースに記憶された車両データとをマッチングしたが、登録番号データに基づくマッチングは、判定端末10から登録番号データを取得する行程(SA3)で実行してもよい。この場合、二次データベースに既に記憶された登録番号データに基づいて、二次サーバ6は、二次データベースに記憶された車両データを、判定端末10に送信しうる。また、二次サーバ6は、補足データや個別データがある場合には、二次サーバ6は、これらのデータを判定端末10に送信しうる。この場合、二次サーバ6が車両データと登録番号データとを関連付けて記憶するサーバとして機能する。これにより、二次サーバ6は、メインサーバ4から重複して車両データを取得することを省略できる。
【0092】
プロセッサ122は、多数の駐車場の、駐車場データベースから、空いている入庫可能な駐車場の駐車スペースと、そのスペースデータとを呼び出す。プロセッサ122は、それぞれの駐車スペースのスペースデータと、取得した車両データとに基づいて、自動車Vの駐車可否を判定する(SA7)。この行程(SA7)では、補足データや個別データが有る場合には、プロセッサ122は、補足データと個別データとを含めて、自動車Vの駐車可否を判定する。プロセッサ122は、ディスプレイ125に、1又は2以上の多数の、駐車可能な駐車スペースの特定データを表示させる。
【0093】
図9のフローチャートには図示されないが、更に、選定のために、条件が設定されてもよい。例えば、タブレット12のプロセッサ122が、ディスプレイ125に、この条件の入力画面を表示させる。この条件が、タブレット12のタッチパネル126から入力される。プロセッサ122は、1又は2以上の多数の、駐車可能な駐車スペースから、設定された条件に基づいて、1又は2以上の多数の駐車スペースを選定してもよい。プロセッサ122は、ディスプレイ125に、設定された条件に基づき、選定された駐車スペースの特定データを表示させてもよい。
【0094】
この駐車可否判定方法では、設定された条件に基づいて、駐車スペースが検索される。この設定された条件とは、特に限られず、例えば、現在位置、運転者の居所、目的地からの距離、料金等が挙げられる。例えば、2以上の多数の駐車スペースが選定された場合に、プロセッサ122は、ディスプレイ125に距離の近い順や料金の安い順に並べて駐車スペースの特定データを表示させてもよい。
【0095】
図10には、この駐車可否判定方法で、駐車可否判定装置として機能したタブレット12の動作フローチャートが示されている。
【0096】
このタブレット12のタッチパネル126から登録番号が入力され、登録番号データが取得される。プロセッサ122が、通信器123に登録番号データを二次サーバ6に送信させる。プロセッサ122が、通信器123に車両データを受信させる。また、通信器123がエラーデータを受信した場合には、プロセッサ122が、ディスプレイ125に、登録番号の入力指示を表示させる。これにより、プロセッサ122が、登録番号の入力からやり直させる。通信器123が車両データを受信した場合には、プロセッサ122は、多数の駐車場の、駐車場データベースから、空いている入庫可能な駐車場の駐車スペースと、そのスペースデータとを呼び出す。プロセッサ122は、それぞれの駐車スペースのスペースデータと、受信した車両データとに基づいて、自動車Vの駐車可否を判定する。プロセッサ122は、ディスプレイ125に、1又は2以上の多数の、駐車可能な駐車スペースの特定データを表示させる。このときに、選定のための条件が設定されていれば、プロセッサ122は、1又は2以上の多数の、駐車可能な駐車スペースから、設定された条件に基づいて、1又は2以上の多数の駐車スペースを選定する。プロセッサ122は、ディスプレイ125に、設定された条件に基づき、選定された駐車スペースの特定データを表示させる。一方で、自動車Vの駐車可能な駐車スペースがない場合には、プロセッサ122は、ディスプレイ125に、駐車可能な駐車スペースがないことを表示させる。
【0097】
この1又は2以上の多数の駐車スペースを選定するための、設定された条件に、賃貸借契約の可否が含まれることが好ましい。これにより、月極契約等の賃貸借契約が可能な駐車スペースを容易に検索しうる。
【0098】
このタブレット12では、プロセッサ122が駐車可否を判定する判定部として機能している。通信器123が、登録番号データを送信し車両データを受信する送受信部として機能している。タッチパネル126が登録番号データを取得する入力部として機能している。なお、プロセッサ122がカメラ121にナンバープレートPを撮影させ、プロセッサ102が撮影された画像データから登録番号データを取得してもよい。この場合、プロセッサ122が文字認識部として機能し、カメラ121とプロセッサ122とが登録番号データを取得する入力部として機能する。
【0099】
このタブレット12は、自動車Vを特定する登録番号データを入力することで、駐車可能な駐車スペースの検索が容易にできる。ここでは、コンピュータの一例としてのタブレット12が、駐車可否判定装置として機能している。
【0100】
ここでは、データを入力する入力部と、データを送信し受信する送受信部と、データを計算、加工する判定部とを有するタブレット12に、アプリケーションソフトウエアがインストールされた。このアプリケーションソフトウエアを、このタブレット12の動作を制御するプロセッサ122が実行することで、タブレット12が、駐車可否判定装置として用いられた。また、ウェブアプリケーションとして、タブレット12にネットワークNで接続された他のサーバが駐車可否判定装置として用いられてもよい。このタブレット12に代えて、スマートフォン14が、このアプリケーションソフトウエアをインストールされて、駐車可否判定装置として用いられてもよい。
【0101】
また、ここでのタブレット12に代えて二次サーバ6が用いられてもよい。この場合、例えば、二次サーバ6の通信器62に、タブレット12、スマートフォン14等から登録番号データが送信される。二次サーバ6のプロセッサ61に、1又は2以上の多数の駐車スペースを選定することが、要求される。プロセッサ61が、1又は2以上の多数の、入庫可能な駐車スペースから、設定された条件に基づいて、1又は2以上の多数の駐車スペースを選定する。二次サーバ6の通信器62は、選定した多数の駐車スペースの特定データを、タブレット12、スマートフォン14等に送信する。そして、タブレット12、スマートフォン14等に、選定した多数の駐車スペースの特定データが、表示される。
【0102】
また、ここでは、このタブレット12のメモリ124に、多数の駐車場の駐車場データベースが記憶されたが、他のサーバに多数の駐車場の駐車場データベースが記憶されてもよい。例えば、二次サーバ6のメモリ63に、駐車設備2を含む2以上の多数の駐車場の駐車場データベースが記憶されてもよい。この駐車場データベースには、多数の駐車場における、それぞれの駐車スペースの空き時間データを含んでもよい。
【0103】
この場合、例えば、二次サーバ6のメモリ63が、2以上の多数の駐車場が有する、多数の駐車スペースの特定データと、それぞれの駐車スペースの空き時間データとを関連付けて記憶する。タブレット12のプロセッサ122が、通信器123に、二次サーバ6から、多数の駐車スペースの特定データと空き時間データとを受信させる。プロセッサ122は、自動車Vが駐車する使用時間を含む、設定された条件に基づいて、自動車Vを駐車させる1又は2以上の多数の駐車スペースを選定する。ここで、使用時間を指定しない場合、自動車Vが駐車する使用時間は、駐車スペースを選定した時点から無期限としてもよいし、所定時間後や所定時刻までとしてもよい。プロセッサ122は、ディスプレイ125に、選定された駐車スペースの特定データを表示させる。
【0104】
更に、タブレット12で、ディスプレイ125に表示された駐車スペースが予約可能にされてもよい。例えば、タブレット12のタッチパネル126から駐車スペースが予約される。プロセッサ122は、通信器123に、予約された駐車スペースの特定データと使用時間データとを二次サーバ6に送信させる。
【0105】
二次サーバ6のプロセッサ61は、通信器62に予約された駐車スペースの特定データと使用時間データとを受信させる。プロセッサ61は、メモリ63に、予約された駐車スペースの特定データと使用時間データとに基づき、その駐車スペースの空き時間データを更新して記憶させる。
【0106】
ここでは、駐車場データベースを記憶する二次サーバ6のメモリ63に、駐車スペースの特定データと空き時間データとを関連付けて記憶させたが、これに限られない。駐車場データベースを記憶する二次サーバ6とは別に、他のサーバのメモリが、駐車スペースの特定データと空き時間データとを関連付けて記憶してもよい。
【0107】
以上の説明から、当業者にとっては、多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、この説明は、例示としてのみ解釈されるべきものであり、ここで例示した形態に限定して解釈させるべきものではない。
【符号の説明】
【0108】
V・・・自動車
P・・・ナンバープレート
2・・・駐車設備
21・・・パレット
4・・・メインサーバ
6・・・二次サーバ
61・・・プロセッサ
62・・・通信器
63・・・メモリ
8、121・・・カメラ
10・・・判定端末
102、122・・・プロセッサ
103、123・・・通信器
104、124・・・メモリ
105、125・・・ディスプレイ
106、126・・・タッチパネル
12・・・タブレットコンピュータ
14・・・スマートフォン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10