(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148187
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】半導体発光装置
(51)【国際特許分類】
H01S 5/028 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
H01S5/028
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056083
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】浅野 仁
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173AL03
5F173AP73
5F173AP75
5F173AP82
5F173AR99
(57)【要約】
【課題】不具合の発生を抑制可能とすること。
【解決手段】半導体発光装置10は、素子本体20を有する。素子本体20は、互いに反対側を向く素子上面201および素子下面202と、素子上面201が向くZ方向と直交するX方向において互いに反対側を向く第1端面203および第2端面204と、素子上面201に形成された第1電極21と、素子下面202に設けられた第2電極22と、を有する。また、半導体発光装置10は、第1端面203を覆う第1端面膜31と、第2端面204を覆う第2端面膜32と、を含む。第1端面膜31は、第1端面203から素子上面201まで連続的に素子本体20を覆うように形成されている。第2端面膜32は、第2端面204から素子上面201まで連続的に素子本体20を覆うように形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに反対側を向く素子上面および素子下面と、前記素子上面が向く第1方向と直交する第2方向において互いに反対側を向く第1端面および第2端面と、前記素子上面に形成された第1電極と、前記素子下面に設けられた第2電極と、を有する素子本体と、
少なくとも前記第1端面を覆う第1端面膜と、
を含み、
前記素子本体は、前記第1端面において、前記第1方向における前記素子本体の中央よりも前記素子上面に近い部分に光を出射する出射部を有し、
前記第1端面膜は、前記第1端面を覆う第1端面被覆部と、前記素子上面の一部を覆う第1上面被覆部と、前記素子下面の一部を覆う第1下面被覆部と、を有し、前記第2方向において、前記第1下面被覆部の長さは前記第1上面被覆部の長さよりも短い、
半導体発光装置。
【請求項2】
前記第1上面被覆部の長さに対して、前記第1下面被覆部の長さは、1/5以下である、請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項3】
前記第1上面被覆部の厚さに対して、前記第1下面被覆部の厚さは薄い、請求項1または2に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
前記第1上面被覆部は、前記第1端面の側の厚さに対して、前記第2端面の側の厚さが薄い、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
【請求項5】
前記第1下面被覆部は、前記第1端面の側の厚さに対して、前記第2端面の側の厚さが薄い、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
【請求項6】
少なくとも前記第2端面を覆う第2端面膜を含み、
前記素子本体は、前記第2端面において、前記第1方向における前記素子本体の中央よりも前記素子上面に近い部分に光を出射する出射部を有し、
前記第2端面膜は、前記第2端面を覆う第2端面被覆部と、前記素子上面の一部を覆う第2上面被覆部と、前記素子下面の一部を覆う第2下面被覆部と、を有し、前記第2方向において、前記第2下面被覆部の長さは前記第2上面被覆部の長さよりも短い、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
【請求項7】
前記第2上面被覆部の長さに対して、前記第2下面被覆部の長さは、1/5以下である、請求項6に記載の半導体発光装置。
【請求項8】
前記第2上面被覆部の厚さに対して、前記第2下面被覆部の厚さは薄い、請求項6または請求項7に記載の半導体発光装置。
【請求項9】
前記第2上面被覆部は、前記第2端面の側の厚さに対して、前記第1端面の側の厚さが薄い、請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
【請求項10】
前記第2下面被覆部は、前記第2端面の側の厚さに対して、前記第1端面の側の厚さが薄い、請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
【請求項11】
前記第2方向において、前記第1上面被覆部の長さは前記第2上面被覆部の長さと異なる、請求項6から請求項10のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
【請求項12】
前記第2方向において、前記第1下面被覆部の長さは前記第2下面被覆部の長さと異なる、請求項7から請求項11のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
【請求項13】
互いに反対側を向く素子上面および素子下面と、前記素子上面が向く第1方向と直交する第2方向において互いに反対側を向く第1端面および第2端面と、前記素子上面に形成された第1電極と、前記素子下面に設けられた第2電極と、を有する素子本体と、
前記第1端面を覆う第1端面膜と、
前記第2端面を覆う第2端面膜と、
を含み、
前記素子本体は、前記第1端面および前記第2端面の少なくとも一方において、前記第1方向における前記素子本体の中央よりも前記素子上面に近い部分に光を出射する出射部を有し、
前記第1端面膜は、前記第1端面から前記素子上面まで連続的に前記素子本体を覆うように形成され、
前記第2端面膜は、前記第2端面から前記素子上面まで連続的に前記素子本体を覆うように形成され、
前記第2電極により構成される前記素子下面の全体は、前記第1端面膜および前記第2端面膜に覆われずに露出している、
半導体発光装置。
【請求項14】
前記素子下面の側の前記第1端面膜の第1下端部と前記第2端面膜の第2下端部とは、前記第1方向において、前記素子下面と同じ位置にある、請求項13に記載の半導体発光装置。
【請求項15】
前記素子下面の側の前記第1端面膜の第1下端部と前記第2端面膜の第2下端部とは、前記第1方向において、前記素子下面よりも突出していない、請求項13または請求項14に記載の半導体発光装置。
【請求項16】
前記第1端面膜と前記第2端面膜は、前記第1電極の一部を覆うように形成されている、請求項13から請求項15のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
【請求項17】
前記第1端面を覆う前記第1端面膜は、前記第1端面から前記素子上面まで連続するように形成されており、
前記第2端面を覆う前記第2端面膜は、前記第2端面から前記素子上面まで連続するように形成されている、
請求項13から請求項16のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
【請求項18】
前記第1方向および前記第2方向と直交する第3方向において、前記素子下面の側の前記第1端面膜の端部は凹凸状に形成されている、請求項13から請求項17のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
【請求項19】
前記第1方向および前記第2方向と直交する第3方向において、前記素子下面の側の前記第2端面膜の端部は凹凸状に形成されている、請求項13から請求項18のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
【請求項20】
前記素子上面を覆う前記第1端面膜は、前記第1端面の側の厚さに対して、前記第2端面の側の厚さが薄い、請求項13から請求項19のいずれか一項に記載の半導体発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体発光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、半導体発光装置としての半導体レーザ素子を開示する。この半導体レーザ素子は、基板の裏面に設けられたn型電極と、半導体積層構造の表面に形成されえたp型電極と、を有している。半導体レーザ素子は、レーザ光の出射端面を覆う保護膜を含むことができる。保護膜は、たとえば、特許文献2に開示された処理方法により形成することができる。このように形成される保護膜は、出射端面から、素子の上面と下面とを覆うように形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-165142号公報
【特許文献2】特開2001-94194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、半導体発光装置に形成された保護膜は、搬送などの要因によって部分的な剥がれが生じる場合がある。このように剥がれる保護膜は、半導体発光装置自身における特性の低下や、半導体発光装置を用いる装置における損傷等の不具合を生じる要因となり得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様である半導体発光装置は、互いに反対側を向く素子上面および素子下面と、前記素子上面が向く第1方向と直交する第2方向において互いに反対側を向く第1端面および第2端面と、前記素子上面に形成された第1電極と、前記素子下面に設けられた第2電極と、を有する素子本体と、少なくとも前記第1端面を覆う第1端面膜と、を含み、前記素子本体は、前記第1端面において、前記第1方向における前記素子本体の中央よりも前記素子上面に近い部分に光を出射する出射部を有し、前記第1端面膜は、前記第1端面を覆う第1端面被覆部と、前記素子上面の一部を覆う第1上面被覆部と、前記素子下面の一部を覆う第1下面被覆部と、を有し、前記第2方向において、前記第1下面被覆部の長さは前記第1上面被覆部の長さよりも短い。
【0006】
また、本開示の別の一態様である半導体発光装置は、互いに反対側を向く素子上面および素子下面と、前記素子上面が向く第1方向と直交する第2方向において互いに反対側を向く第1端面および第2端面と、前記素子上面に形成された第1電極と、前記素子下面に設けられた第2電極と、を有する素子本体と、前記第1端面を覆う第1端面膜と、前記第2端面を覆う第2端面膜と、を含み、前記素子本体は、前記第1端面および前記第2端面の少なくとも一方において、前記第1方向における前記素子本体の中央よりも前記素子上面に近い部分に光を出射する出射部を有し、前記第1端面膜は、前記第1端面から前記素子上面まで連続的に前記素子本体を覆うように形成され、前記第2端面膜は、前記第2端面から前記素子上面まで連続的に前記素子本体を覆うように形成され、前記第2電極により構成される前記素子下面の全体は、前記第1端面膜および前記第2端面膜に覆われずに露出している。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様である半導体発光装置によれば、不具合の発生を抑制可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態の半導体発光装置を示す概略側面図である。
【
図2】
図2は、
図1の半導体発光装置を示す概略平面図である。
【
図3】
図3は、
図1の半導体発光装置を示す概略側面図である。
【
図6】
図6は、治具に配置されたレーザバーとスペーサバーを示す斜視図である。
【
図9】
図9は、レーザバーの積層工程を示す説明図である。
【
図12】
図12は、半導体発光素子の個片化を示す斜視図である。
【
図13】
図13は、変更例の半導体発光装置を示す概略側面図である。
【
図14】
図14は、変更例の半導体発光装置を示す概略側面図である。
【
図15】
図15は、変更例の半導体発光装置を示す概略側面図である。
【
図16】
図16は、変更例の半導体発光装置を示す概略側面図である。
【
図17】
図17は、変更例の半導体発光装置を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本開示の半導体発光装置のいくつかの実施形態を説明する。なお、説明を簡単かつ明確にするために、図面に示される構成要素は必ずしも一定の縮尺で描かれていない。また、理解を容易にするために、断面図では、ハッチング線が省略されている場合がある。添付の図面は、本開示の実施形態を例示するに過ぎず、本開示を制限するものとみなされるべきではない。本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単に対象物を区別するために用いられており、対象物を順位づけするものではない。
【0010】
以下の詳細な記載は、本開示の例示的な実施形態を具体化する装置、システム、および方法を含む。この詳細な記載は本来説明のためのものに過ぎず、本開示の実施形態またはこのような実施形態の適用および使用を限定することを意図しない。
【0011】
(半導体発光装置の構成)
図1は、半導体発光装置10を示す概略側面図である。
図2は、半導体発光装置10を示す概略平面図である。
図3は、半導体発光装置10を示す概略側面図であり、レーザ光を出射する端面の側から視た状態を示す。
【0012】
(素子本体)
半導体発光装置10は、端面発光型の半導体レーザ装置である。なお、半導体発光装置10は、発光ダイオード(LED)素子、フォトトランジスタ、等であってもよい。半導体発光装置10は、素子本体20を含む。素子本体20は、概略直方体状に形成されている。素子本体20は、素子上面201、素子下面202、端面203,204、側面205,206を有する。素子上面201と素子下面202は、互いに反対側を向く。ここで、素子上面201が向く方向をZ方向とする。このZ方向は、半導体発光装置10において厚さ方向に対応する。Z方向と直交するとともに互いに直交する2つの方向をX方向およびY方向とする。第1端面203と第2端面204は、X方向において互いに反対側を向く。第1側面205と第2側面206は、Y方向において互いに反対側を向く。本実施形態の素子本体20は、X方向に長い直方体状である。X方向は、半導体発光装置10の長さ方向であるといえる。Y方向は、半導体発光装置10の幅方向であるといえる。なお、本明細書において、「直方体状」には、角部や稜線部が面取りされた形状や、角部や稜線部が丸められた形状、角部や稜線部の一部又は全部に凹部が形成された形状が含まれるものとする。また、各面の一部又は全部に凹凸などが形成されていてもよい。また、「直方体状」では互いに反対側を向く面が必ずしも完全に平行となっている必要はなく、多少の傾きがあってもよい。
【0013】
素子本体20は、発光層20aを含む複数の半導体層から構成される半導体積層構造を有している。発光層20aは、たとえば、1つまたは複数の活性層から構成される。発光層20aは、X方向に延びている。半導体発光装置10は、第1電極21、第2電極22を含む。第1電極21は、素子上面201に設けられている。第1電極21は、上面211、下面212を有している。上面211と下面212は、Z方向において互いに反対側を向く。第1電極21において、上面211は、素子上面201を構成する。第2電極22は、素子下面202に設けられている。第2電極22は上面221、下面222を有している。上面221と下面222は、Z方向において互いに反対側を向く。第2電極22において、下面222は、素子下面202を構成する。第1電極21は、たとえばp電極であり、第2電極22はたとえばn電極である。発光層20aは、第1電極21と第2電極22とにより素子本体20に供給される電力により発光する。素子本体20は、発光層20aにて生じるレーザ光を、端面203,204から出射するように構成されている。端面203,204は、レーザ光を出射する出射部20a3,20a4を有しているといえる。
【0014】
発光層20aは、素子本体20の厚さ方向において、素子本体20の中央よりも素子上面201の側に位置している。素子本体20は、第1端面203と第2端面204とにおいて、厚さ方向において素子本体20の中央よりも素子上面201に近い部分に出射部20a3,20a4を有しているといえる。また、素子本体20は、厚さ方向において互いに反対側を向く2つの面のうち、出射部20a3,20a4に近い側の面を素子上面201としているといえる。
【0015】
(第1端面膜、第2端面膜)
半導体発光装置10は、第1端面膜31、第2端面膜32を含む。第1端面膜31は、少なくとも第1端面203を覆う。第2端面膜32は、少なくとも第2端面204を覆う。第1端面膜31は、絶縁性を有する。第1端面膜31は、たとえば絶縁性を有する反射膜である。第2端面膜32は、絶縁性を有する。第2端面膜32は、たとえば絶縁性を有する反射膜である。
【0016】
第1端面膜31は、第1端面203の全体を覆うように形成されている。第1端面膜31は、第1端面203に接する。第1端面膜31は、素子上面201の一部を覆うように形成されている。第1端面膜31は、第1端面203の側における素子上面201を覆うように形成されている。この第1端面膜31は、第1端面203を覆う第1端面被覆部311と、素子上面201の一部を覆う第1上面被覆部312とを有しているといえる。第1上面被覆部312は、第1端面被覆部311と繋がっている。したがって、第1端面膜31は、第1端面203から素子上面201まで連続的に素子本体20を覆うように形成されているといえる。
【0017】
第1端面膜31の第1下端部311aは、Y方向において、直線状に形成されている。第1端面膜31において、素子下面202の側の第1下端部311aは、Z方向において、素子下面202と同じ位置にある。「同じ位置」とは、Z方向において、素子下面202から、第1下端部311aが素子本体20とは反対側に向けて突出していないこと、第1端面膜31の状態に影響しない程度に全体または部分的に突出していることを含む。
【0018】
第2端面膜32は、第2端面204の全体を覆うように形成されている。第2端面膜32は、第2端面204に接する。第2端面膜32は、素子上面201の一部を覆うように形成されている。第2端面膜32は、第2端面204の側における素子上面201を覆うように形成されている。この第2端面膜32は、第2端面204を覆う第2端面被覆部321と、素子上面201の一部を覆う第2上面被覆部322とを有しているといえる。第2上面被覆部322は、第2端面被覆部321と繋がっている。したがって、第2端面膜32は、第2端面204から素子上面201まで連続的に素子本体20を覆うように形成されているといえる。
【0019】
第2端面膜32の第2下端部321aは、Y方向において、直線状に形成されている。第2端面膜32において、素子下面202の側の第2下端部321aは、Z方向において、素子下面202と同じ位置にある。「同じ位置」とは、Z方向において、素子下面202から、第2下端部321aが素子本体20とは反対側に向けて突出していないこと、第2端面膜32の状態に影響しない程度に全体または部分的に突出していることを含む。
【0020】
(作用)
次に、半導体発光装置10の作用を説明する。
本実施形態の半導体発光装置10において、第1端面膜31は、第1端面203を覆うとともに、第1端面203から素子上面201までを連続的に覆うように形成されている。また、第2端面膜32は、素子本体20の第2端面204を覆うとともに、第2端面204から素子上面201までを連続的に覆うように形成されている。素子本体20は、第1端面203と第2端面204とにおいて、Z方向においける素子本体20の中央よりも素子上面201に近い部分に出射部20a3,20a4を有している。したがって、第1端面膜31は、第1端面203の出射部20a3を覆うことができる。また、第2端面膜32は、第2端面204の出射部20a4を覆うことができる。
【0021】
本実施形態において、半導体発光装置10の素子下面202は、第1端面膜31と第2端面膜32により覆われていない。
ここで、本実施形態に対する比較例について説明する。なお、比較例の説明において、本実施形態の半導体発光装置10と同じ構成部材について、同じ名称、符号を用いる。
【0022】
比較例の半導体発光装置は、図示しないが、本実施形態の半導体発光装置10に対して、素子上面201と同様に、素子下面202の一部が第1端面膜と第2端面膜とにより覆われている。この素子下面202を覆う第1端面膜と第2端面膜は、素子上面201を覆う第1上面被覆部312および第2上面被覆部322と同様の厚さを有している。
【0023】
比較例の半導体発光装置は、動作を確認する等のテスト装置に搬送された後、テスト装置にセットされる。素子下面202を覆う第1端面膜と第2端面膜は、半導体発光素子のハンドリングにおけるこすれや引っかかり等によって、剥落したり、膜片が素子本体の端面膜と部分的に繋がった状態となった部分的な剥離となったりすることがある。このような剥離は、半導体発光装置における特性劣化等の不具合の要因となる。また、上記のような剥離が半導体発光装置を利用した製品内において生じると、製品において不良等の不具合の要因となる。
【0024】
上述したように、本実施形態において、半導体発光装置10の素子下面202は、第1端面膜31と第2端面膜32により覆われていない。したがって、第1端面膜31と第2端面膜32は、半導体発光装置10のハンドリングにおいて、こすれたり引っかかったりすることが生じ難い。したがって、本実施形態の半導体発光装置10は、不具合の発生を抑制することができる。
【0025】
素子下面202を構成する第2電極22の全体は、第1端面膜31および第2端面膜32に覆われずに露出している。第2電極22は、半導体発光装置10を利用する製品の接続パッド等に対して、はんだ等の接合部材によって接続される。したがって、半導体発光装置10の動作によって半導体発光装置10に生じる熱は、第2電極22の全体から接続パッド等へと放熱される。このように、半導体発光装置10は、良好な放熱性を有することができる。
【0026】
(製造方法)
図4~
図12を参照して、半導体発光装置10の製造方法の一例を説明する。
図4に示すように、半導体発光装置の製造方法は、レーザバー50を用意する工程を含む。
【0027】
レーザバー50は、直方体状に形成されている。レーザバー50は、バー上面501、バー下面502、バー側面503,504を有している。バー上面501とバー下面502は、Z方向(厚さ方向)において互いに反対側を向く。バー側面503,504は、レーザバー50の幅方向(X方向)において互いに反対側を向く。
【0028】
レーザバー50は、長さ方向(Y方向)に配置された複数の素子本体20を含む。
図4において、破線は、個々の素子本体20の範囲を示す。
図1~
図3に示すように、素子本体20は、素子上面201、素子下面202、端面203,204、側面205,206を有している。バー上面501は、複数の素子上面201(
図1参照)により構成される。バー下面502は、複数の素子下面202(
図1参照)により構成される。バー側面503,504は、複数の端面203,204(
図1参照)により構成される。
【0029】
レーザバー50は、たとえば、レーザウェハを分割して形成される。レーザウェハは、所定の半導体基板と、半導体基板上に形成された各種の半導体層(活性層20aを含む)と、上面の電極層と下面の電極層とを含む。レーザバー50は、このレーザウェハを所定の幅W50にて劈開して形成される。
【0030】
図5に示すように、半導体発光装置の製造方法は、スペーサバー60を用意する工程を含む。
スペーサバー60は、概略直方体状に形成されている。スペーサバー60は、バー上面601、バー下面602を有している。長さ方向(Y方向)から視て、スペーサバー60の断面形状は、バー下面602を含む凸状に形成されている。バー上面601の幅W61は、バー下面602の幅W62よりも大きい。本実施形態において、スペーサバー60は、スペーサバー60の厚さ方向から視て、バー下面602は、スペーサバー60の幅方向におけるバー上面601の中央となるように形成されている。たとえば、スペーサバー60のバー上面601の幅W61は、レーザバー50の幅W50以上である。スペーサバー60の幅W61は、レーザバー50の幅W50と等しいことが好ましい。なお、レーザバー50の幅W50は、レーザバー50の製造過程において生じるバラツキを含む。スペーサバー60の幅W61は、このようなバラツキによるレーザバー50の幅W50の最大値と等しいことが好ましい。スペーサバー60は、レーザバー50の長さL50よりも大きい長さL60を有している。
【0031】
図6~
図8に示すように、半導体発光装置の製造方法は、治具70に複数のレーザバー50と複数のスペーサバー60とを交互に積層する工程を含む。
治具70は、ベース71、支持部材72,73を含む。ベース71は、横方向(Y方向)に長い直体状に形成されている。支持部材72,73は、ベース71の上面に立設されている。支持部材72,72は、ベース71の上面711に垂直な方向(Z方向)に延びるように形成されている。
【0032】
支持部材72,73は、それぞれ保持溝721,731を有している。支持部材72,73は、保持溝721,731が互いに対向するように配置されている。保持溝721,731は、支持部材72,73が延びるZ方向に沿って形成されている。保持溝721,731は、レーザバー50およびスペーサバー60を挿入可能に形成されている。保持溝721,731の幅W70は、レーザバー50の幅W50、スペーサバー60の幅W61よりも大きい。
【0033】
図7に示すように、第1支持部材72は、保持溝721を形成する保持部722,723を有している。保持部723は、保持部722よりも長い。同様に、第2支持部材73は、保持溝731を形成する保持部732,733を有している。保持部733は、保持部732よりも長い。これにより、保持部723,733は、支持部材72,73が配列された方向(Y方向)、および保持溝721,731が延びる方向(Z方向)に直交するX方向を向く当てつけ面723a,733aを有している。当てつけ面723a,733aを有する保持部723,733は、当てつけ部に対応する。
図8に示すように、保持部723,733の間の間隔L70は、レーザバー50の長さL50よりも小さい。
【0034】
図9~
図11に示すように、半導体発光装置の製造方法は、治具70に、複数のレーザバー50と複数のスペーサバー60とを交互に積層する工程を含む。なお、
図9~
図11では、第1支持部材72、レーザバー50、およびスペーサバー60について示している。第2支持部材73については、第1支持部材72とレーザバー50およびスペーサバー60の関係と同様である。
【0035】
図9に示すように、レーザバー50は、吸着部材81によって吸着され、
図7、
図8に示す支持部材72,73の間に配置される。
図9は、吸着部材81の一例を示すものであり、吸着部材81の形状等は任意の形状に変更することができる。
図10に示すように、レーザバー50のバー側面503の側から、当てつけ部材82を用いてレーザバー50を支持部材72の当てつけ面723aに押し当てる。
図10は、当てつけ部材82の一例を示すものであり、当てつけ部材82の形状等は任意の形状に変更することができる。
図11に示すように、レーザバー50とスペーサバー60とが当てつけ面723aに沿って積層される。なお、図示しないが、スペーサバー60は、レーザバー50と同様に、当てつけ部材82を用いて支持部材72の当てつけ面723aに押し当てられる。
【0036】
図11に示すように、スペーサバー60のバー上面601は、レーザバー50のバー下面502に接する。
図4,
図5に示すように、スペーサバー60のバー上面601は、レーザバー50の幅W50以上の幅W61を有している。したがって、レーザバー50のバー下面502は、スペーサバー60のバー上面601により覆われる。
【0037】
また、スペーサバー60のバー下面602は、レーザバー50のバー上面501に接する。スペーサバー60のバー上面601は、レーザバー50の幅W50以上の幅W61を有している。スペーサバー60のバー下面602は、スペーサバー60のバー上面601に対して、スペーサバー60の幅方向の中央に位置している。したがって、レーザバー50のバー上面501は、バー側面503,504の側の部分が露出する。
【0038】
半導体発光装置の製造方法は、第1端面膜51(
図12参照)を形成する工程を含む。この第1端面膜51は、
図1に示すように個片化された半導体発光装置10において第1端面膜31となる膜である。
図11において、レーザバー50のバー側面503の側から、たとえばスパッタリング法により、
図12に示す第1端面膜51を形成する。なお、第1端面膜51の形成は、たとえば真空蒸着法、CVD法によるものであってもよい。第1端面膜51は、スペーサバー60により覆われていないレーザバー50の表面、つまり、レーザバー50のバー側面503と、バー側面503の側のバー上面501の部分を覆うように形成される。
【0039】
半導体発光装置の製造方法は、第2端面膜52(
図12参照)を形成する工程を含む。この第2端面膜52は、
図1に示すように個片化された半導体発光装置10において第2端面膜32となる膜である。
図11において、レーザバー50のバー側面504の側から、たとえばスパッタリング法により、
図12に示す第2端面膜52を形成する。なお、第2端面膜52の形成は、たとえば真空蒸着法、CVD法によるものであってもよい。第2端面膜52は、スペーサバー60により覆われていないレーザバー50の表面、つまり、レーザバー50のバー側面504と、バー側面504の側のバー上面501の部分を覆うように形成される。
【0040】
図12に示すように、半導体発光装置の製造方法は、個片化する工程を含む。たとえば、劈開、ダイシング、スクライブ、等によって、レーザバー50を分割して複数の半導体発光装置10を得る。
【0041】
(効果)
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)半導体発光装置10は、素子本体20を有する。素子本体20は、互いに反対側を向く素子上面201および素子下面202と、素子上面201が向くZ方向と直交するX方向において互いに反対側を向く第1端面203および第2端面204と、素子上面201に形成された第1電極21と、素子下面202に設けられた第2電極22と、を有する。また、半導体発光装置10は、第1端面203を覆う第1端面膜31と、第2端面204を覆う第2端面膜32と、を含む。
【0042】
第1端面膜31は、第1端面203から素子上面201まで連続的に素子本体20を覆うように形成されている。第2端面膜32は、第2端面204から素子上面201まで連続的に素子本体20を覆うように形成されている。そして、第2電極22により構成される素子下面202の全体は、第1端面膜31および第2端面膜32に覆われずに露出している。したがって、第1端面膜31と第2端面膜32が半導体発光装置10のハンドリングにおいて、こすれたり引っかかったりすることが生じ難い。したがって、本実施形態の半導体発光装置10は、不具合の発生を抑制することができる。
【0043】
(2)半導体発光装置10において、第1端面膜31は、第1端面203を覆うとともに、第1端面203から素子上面201までを連続的に覆うように形成されている。また、第2端面膜32は、素子本体20の第2端面204を覆うとともに、第2端面204から素子上面201までを連続的に覆うように形成されている。素子本体20は、第1端面203と第2端面204とにおいて、Z方向においける素子本体20の中央よりも素子上面201に近い部分に出射部20a3,20a4を有している。したがって、第1端面膜31は、第1端面203の出射部20a3を覆うことができる。また、第2端面膜32は、第2端面204の出射部20a4を覆うことができる。
【0044】
(3)素子下面202を構成する第2電極22の全体は、第1端面膜31および第2端面膜32に覆われずに露出している。第2電極22は、半導体発光装置10を利用する製品の接続パッド等に対して、はんだ等の接合部材によって接続される。したがって、半導体発光装置10の動作によって半導体発光装置10に生じる熱は、第2電極22の全体から接続パッド等へと放熱される。このように、半導体発光装置10は、良好な放熱性を有することができる。
【0045】
(変更例)
上記実施形態は例えば以下のように変更できる。上記実施形態と以下の各変更例は、技術的な矛盾が生じない限り、互いに組み合せることができる。なお、以下の変更例において、上記実施形態と共通する部分については、上記実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0046】
・
図13に示すように、半導体発光装置10Aは、第1端面被覆部311の第1下端部311aと第1上面被覆部312の端部312aは、丸められた形状であってもよい。また、第1端面膜31において、第1端面被覆部311と第1上面被覆部312とが繋がる部分31cについて丸められた形状であってもよい。第2端面被覆部321の第2下端部321aと第2上面被覆部322の端部322aは、丸められた形状であってもよい。また、第2端面膜32において、第2端面被覆部321と第2上面被覆部322とが繋がる部分32cについて丸められた形状であってもよい。
【0047】
・
図14に示すように、半導体発光装置10Bは、素子下面202を構成する第2電極22において、第1端面203の側の端部が第1端面膜31により覆われていてもよい。つまり、第1端面膜31は、第1端面203を覆う第1端面被覆部311と、素子上面201の一部を覆う第1上面被覆部312と、素子下面202の一部を覆う第1下面被覆部313とを有している。X方向において、第1下面被覆部313の長さL313は、第1上面被覆部312の長さL312よりも短い。たとえば、第1下面被覆部313の長さL313は、第1上面被覆部312の長さL312の1/5以下である。好ましくは、第1下面被覆部313の長さL313は、第1上面被覆部312の長さL312の1/10以下である。また、第1下面被覆部313の厚さT313は、第1上面被覆部312の厚さT312よりも薄い。
【0048】
また、第2電極22において、第2端面204の側の端部が第2端面膜32により覆われいてもよい。つまり、第2端面膜32は、第2端面204を覆う第2端面被覆部321と、素子上面201の一部を覆う第2上面被覆部322と、素子下面202の一部を覆う第2下面被覆部323とを有している。X方向において、第2下面被覆部323の長さL323は、第2上面被覆部322の長さL322よりも短い。たとえば、第2下面被覆部323の長さL323は、第2上面被覆部322の長さL322の1/5以下である。好ましくは、第2下面被覆部323の長さL323は、第2上面被覆部322の長さL322の1/10以下である。また、第2下面被覆部323の厚さT323は、第2上面被覆部322の厚さT322よりも薄い。
【0049】
図11に示すように、レーザバー50のバー下面502全体は、スペーサバー60のバー上面601と接する。しかしながら、レーザバー50のバー下面502とスペーサバー60のバー上面601との間に隙間が生じることがある。この隙間は、たとえば、レーザバー50に生じる反り等に起因する。このように生じる隙間によって、上記の第1下面被覆部313と第2下面被覆部323との少なくとも一方が形成されうる。このように係止絵される第1下面被覆部313、第2下面被覆部323は、上記実施形態と同様に、半導体発光装置10のハンドリングにおいて、こすれたり引っかかったりすることが生じ難い。したがって、本実施形態の半導体発光装置10は、不具合の発生を抑制することができる。
【0050】
・
図15に示すように、半導体発光装置10Cは、第1端面膜31において、第1上面被覆部312の膜厚は、第1端面203の側の厚さに対して、素子本体20の中央の側(第2端面204の側)の厚さが薄くてもよい。同様に、第2端面膜32において、第2上面被覆部322の膜厚は、第2端面204の側の厚さに対して、素子本体20の中央の側(第1端面203の側)の厚さが薄くてもよい。
図14に示す半導体発光装置10Bのように第1下面被覆部313を備えるものにおいて、第1上面被覆部312と同様に、第1端面203の側の厚さに対して、素子本体20の中央の側(第2端面204の側)の厚さが薄くてもよい。また、第2下面被覆部323を備えるものにおいて、第2上面被覆部322と同様に、第2端面204の側の厚さに対して、素子本体20の中央の側(第1端面203の側)の厚さが薄くてもよい。
【0051】
・
図16に示すように、半導体発光装置10Dは、X方向において、第1電極21の長さは、素子本体20を構成する半導体層の長さ(第1端面203から第2端面204までの長さ)よりも短くてもよい。この場合、半導体層の上面と第1電極21の上面とが素子本体20の素子上面201を構成する。そして、第1端面膜31と第2端面膜32は、それぞれ素子上面201の一部を覆うように形成される。第2電極22の長さを素子本体20の長さよりも短くしてもよい。
【0052】
・発光層20a、出射部20a3,20a4の位置は適宜変更されてもよい。
図17に示すように、半導体発光装置10Eの素子本体20は、素子本体20の厚さ方向において、素子本体20の中央よりも素子下面202の側に発光層20aを含む。これにより、素子本体20は、第1端面203において、厚さ方向における素子本体20の中央よりも素子下面202の側に出射部20a3を有している。また、素子本体20は、第2端面204において、厚さ方向における素子本体20の中央よりも素子下面202の側に出射部20a4を有している。
【0053】
・第1端面膜31と第2端面膜32のいずれか一方が省略されてもよい。
本開示で使用される「~上に」という用語は、文脈によって明らかにそうでないことが示されない限り、「~上に」と「~の上方に」との双方の意味を含む。したがって、「第1層が第2層上に形成される」という表現は、或る実施形態では第1層が第2層に接触して第2層上に直接配置され得るが、他の実施形態では第1層が第2層に接触することなく第2層の上方に配置され得ることが意図される。すなわち、「~上に」という用語は、第1層と第2層との間に他の層が形成される構造を排除しない。
【0054】
本開示で使用されるZ軸方向は必ずしも鉛直方向である必要はなく、鉛直方向に完全に一致している必要もない。したがって、本開示による種々の構造(たとえば、
図1に示される構造)は、本明細書で説明されるZ軸方向の「上」および「下」が鉛直方向の「上」および「下」であることに限定されない。たとえば、X軸方向が鉛直方向であってもよく、またはY軸方向が鉛直方向であってもよい。
【0055】
(付記)
本開示から把握できる技術的思想を以下に記載する。なお、限定する意図ではなく理解の補助のために、付記に記載される構成要素には、実施形態中の対応する構成要素の参照符号が付されている。参照符号は、理解の補助のために例として示すものであり、各付記に記載された構成要素は、参照符号で示される構成要素に限定されるべきではない。
【0056】
(付記1)
互いに反対側を向く素子上面(201)および素子下面(202)と、前記素子上面(201)が向く第1方向(Z)と直交する第2方向(X)において互いに反対側を向く第1端面(203)および第2端面(204)と、前記素子上面(201)に形成された第1電極(21)と、前記素子下面(202)に設けられた第2電極(22)と、を有する素子本体(20)と、
少なくとも前記第1端面(203)を覆う第1端面膜(31)と、
を含み、
前記素子本体(20)は、前記第1端面(203)において、前記第1方向(Z)における前記素子本体(20)の中央よりも前記素子上面(201)に近い部分に光を出射する出射部(20a3)を有し、
前記第1端面膜(31)は、前記第1端面(203)を覆う第1端面被覆部(311)と、前記素子上面(201)の一部を覆う第1上面被覆部(312)と、前記素子下面(202)の一部を覆う第1下面被覆部(313)と、を有し、前記第2方向(X)において、前記第1下面被覆部(313)の長さ(L313)は前記第1上面被覆部(312)の長さ(L312)よりも短い、
半導体発光装置。
【0057】
(付記2)
前記第1上面被覆部(312)の長さ(L312)に対して、前記第1下面被覆部(313)の長さ(L313)は、1/5以下である、付記1に記載の半導体発光装置。
【0058】
(付記3)
前記第1上面被覆部(312)の厚さ(T312)に対して、前記第1下面被覆部(313)の厚さ(T313)は薄い、付記1または2に記載の半導体発光装置。
【0059】
(付記4)
前記第1上面被覆部(312)は、前記第1端面(203)の側の厚さに対して、前記第2端面(204)の側の厚さが薄い、付記1から付記3のいずれか一つに記載の半導体発光装置。
【0060】
(付記5)
前記第1下面被覆部(313)は、前記第1端面(203)の側の厚さに対して、前記第2端面(204)の側の厚さが薄い、付記1から付記4のいずれか一つに記載の半導体発光装置。
【0061】
(付記6)
少なくとも前記第2端面(204)を覆う第2端面膜(32)を含み、
前記素子本体(20)は、前記第2端面(204)において、前記第1方向(Z)における前記素子本体(20)の中央よりも前記素子上面(201)に近い部分に光を出射する出射部(20a4)を有し、
前記第2端面膜(32)は、前記第2端面(204)を覆う第2端面被覆部(321)と、前記素子上面(201)の一部を覆う第2上面被覆部(322)と、前記素子下面(202)の一部を覆う第2下面被覆部(323)と、を有し、前記第2方向(X)において、前記第2下面被覆部(323)の長さは前記第2上面被覆部(322)の長さよりも短い、
付記1から付記5のいずれか一つに記載の半導体発光装置。
【0062】
(付記7)
前記第2上面被覆部(322)の長さ(L322)に対して、前記第2下面被覆部(323)の長さ(L323)は、1/5以下である、付記6に記載の半導体発光装置。
【0063】
(付記8)
前記第2上面被覆部(322)の厚さ(T322)に対して、前記第2下面被覆部(323)の厚(T323)さは薄い、付記6または付記7に記載の半導体発光装置。
【0064】
(付記9)
前記第2上面被覆部(322)は、前記第2端面(204)の側の厚さに対して、前記第1端面(203)の側の厚さが薄い、付記6から付記8のいずれか一つに記載の半導体発光装置。
【0065】
(付記10)
前記第2下面被覆部(323)は、前記第2端面(204)の側の厚さに対して、前記第1端面(203)の側の厚さが薄い、付記6から付記9のいずれか一つに記載の半導体発光装置。
【0066】
(付記11)
前記第2方向(X)において、前記第1上面被覆部(312)の長さは前記第2上面被覆部(322)の長さと異なる、付記6から付記10のいずれか一つに記載の半導体発光装置。
【0067】
(付記12)
前記第2方向(X)において、前記第1下面被覆部(313)の長さは前記第2下面被覆部(323)の長さと異なる、付記7から付記11のいずれか一つに記載の半導体発光装置。
【0068】
(付記13)
互いに反対側を向く素子上面(201)および素子下面(202)と、前記素子上面(201)が向く第1方向(Z)と直交する第2方向(X)において互いに反対側を向く第1端面(203)および第2端面(204)と、前記素子上面(201)に形成された第1電極(21)と、前記素子下面(202)に設けられた第2電極(22)と、を有する素子本体(20)と、
前記第1端面(203)を覆う第1端面膜(31)と、
前記第2端面(204)を覆う第2端面膜(32)と、
を含み、
前記素子本体(20)は、前記第1端面(203)および前記第2端面(204)の少なくとも一方において、前記第1方向(Z)における前記素子本体(20)の中央よりも前記素子上面(201)に近い部分に光を出射する出射部(20a3,20a4)を有し、
前記第1端面膜(31)は、前記第1端面(203)から前記素子上面(201)まで連続的に前記素子本体(20)を覆うように形成され、
前記第2端面膜(32)は、前記第2端面(204)から前記素子上面(201)まで連続的に前記素子本体(20)を覆うように形成され、
前記第2電極(22)により構成される前記素子下面(202)の全体は、前記第1端面膜(31)および前記第2端面膜(32)に覆われずに露出している、
半導体発光装置。
【0069】
(付記14)
前記素子下面(202)の側の前記第1端面膜(31)の第1下端部と前記第2端面膜(32)の第2下端部とは、前記第1方向(Z)において、前記素子下面(202)と同じ位置にある、付記13に記載の半導体発光装置。
【0070】
(付記15)
前記素子下面(202)の側の前記第1端面膜(31)の第1下端部と前記第2端面膜(32)の第2下端部とは、前記第1方向(Z)において、前記素子下面(202)よりも突出していない、付記13または付記14に記載の半導体発光装置。
【0071】
(付記16)
前記第1端面膜(31)と前記第2端面膜(32)は、前記第1電極(21)の一部を覆うように形成されている、付記13から付記15のいずれか一つに記載の半導体発光装置。
【0072】
(付記17)
前記第1端面(203)を覆う前記第1端面膜(31)は、前記第1端面(203)から前記素子上面(201)まで連続するように形成されており、
前記第2端面(204)を覆う前記第2端面膜(32)は、前記第2端面(204)から前記素子上面(201)まで連続するように形成されている、
付記13から付記16のいずれか一つに記載の半導体発光装置。
【0073】
(付記18)
前記第1方向(Z)および前記第2方向(X)と直交する第3方向において、前記素子下面(202)の側の前記第1端面膜(31)の端部は凹凸状に形成されている、付記13から付記17のいずれか一つに記載の半導体発光装置。
【0074】
(付記19)
前記第1方向(Z)および前記第2方向(X)と直交する第3方向において、前記素子下面(202)の側の前記第2端面膜(32)の端部は凹凸状に形成されている、付記13から付記18のいずれか一つに記載の半導体発光装置。
【0075】
(付記20)
前記素子上面(201)を覆う前記第1端面膜(31)は、前記第1端面(203)の側の厚さに対して、前記第2端面(204)の側の厚さが薄い、付記13から付記19のいずれか一つに記載の半導体発光装置。
【0076】
(付記21)
前記素子上面(201)を覆う前記第2端面膜(32)は、前記第2端面(204)の側の厚さに対して、前記第1端面(203)の側の厚さが薄い、付記13から付記20のいずれか一つに記載の半導体発光装置。
【0077】
(付記22)
短冊状に形成された複数のレーザバー(50)を用意する工程と、
短冊状に形成された複数のスペーサバー(60)を用意する工程と、
治具に前記複数のレーザバー(50)と前記スペーサバー(60)とを交互に積層する工程と、
前記複数のレーザバー(50)の長さ方向に沿った第1バー側面(503)を覆う第1端面膜(51,31)を形成する工程と、
前記複数のレーザバー(50)の幅方向において前記第1バー側面(503)と反対側を向く第2バー側面(504)を覆う第2端面膜(52,32)を形成する工程と、
を含み、
前記複数のレーザバー(50)は、厚さ方向において互いに反対側を向く素子上面(201)および素子下面(202)と、厚さ方向および長さ方向と直交する幅方向において互いに反対側を向く第1端面(203)および第2端面(204)とを有し、前記第1端面(203)および前記第2端面(204)の少なくとも一方から光を出射するように構成され、前記長さ方向に配置された複数の素子本体(20)を含み、前記第1バー側面(503)は前記複数の素子本体(20)の第1端面(203)により構成され、前記第2バー側面(504)は前記複数の素子本体(20)の第2端面(204)により構成され、
前記複数のスペーサバー(60)は、厚さ方向において互いに反対側を向く上面および下面を有し、前記素子上面(201)の幅は前記素子下面(202)の幅以上であり、
前記治具は、前記複数のレーザバー(50)および前記複数のスペーサバー(60)を積層する積層方向と平行な当てつけ面を有する当てつけ部を含み、
前記複数のレーザバー(50)と前記複数のスペーサバー(60)とを交互に積層する工程において、前記第1バー側面(503)と前記スペーサバー(60)の側面とを当てつけ治具により前記当てつけ部の前記当てつけ面に押し当てるようにした、
半導体発光装置の製造方法。
【0078】
(付記23)
前記治具は、前記複数のレーザバー(50)と前記複数のスペーサバー(60)の積層方向に延びる保持溝を有する第1支持部材および第2支持部材を有し、前記第1支持部材および前記第2支持部材は、それぞれの前記保持溝が対向するとともに前記第1支持部材と前記第2支持部材との間の間隔が前記複数のレーザバー(50)の長さよりも広く配置され、前記当てつけ部は、前記第1支持部材および前記第2支持部材において、互いに他方の支持部材に向けて突出するとともに前記一対の当てつけ部の間の間隔が前記複数のレーザバー(50)の長さよりも短くなるように形成されている、
付記22に記載の半導体発光装置の製造方法。
【0079】
(付記24)
前記当てつけ部は、前記第1支持部材および前記第2支持部材において、前記保持溝に沿って設けられている、
付記23に記載の半導体発光装置の製造方法。
【0080】
(付記25)
前記治具の前記当てつけ面に前記第1バー側面(503)および前記スペーサバー(60)の側面を押し当てる、
付記22から付記24のいずれか一つに記載の半導体発光装置の製造方法。
【0081】
(付記26)
前記スペーサバー(60)において、前記長さ方向から視た断面形状は、前記幅方向の中央に前記長さ方向に延び、前記素子下面(202)を含む凸状を有し、前記スペーサバー(60)を、前記素子下面(202)を前記レーザバー(50)の前記素子上面(201)に接するように前記レーザバー(50)に積層する、
付記22から付記25のいずれか一つに記載の半導体発光装置の製造方法。
【0082】
(付記27)
前記レーザバー(50)を分割して、個片化された半導体発光装置を得る工程を含む、付記22から付記26のいずれか一つに記載の半導体発光装置の製造方法。
【0083】
(付記28)
互いに反対側を向く素子上面(201)および素子下面(202)と、前記素子上面(201)が向く第1方向(Z)と直交する第2方向(X)において互いに反対側を向く第1端面(203)および第2端面(204)と、前記素子上面(201)に形成された第1電極(21)と、前記素子下面(202)に設けられた第2電極(22)と、を有する素子本体(20)と、
少なくとも前記第1端面(203)を覆う第1端面膜(31)と、
を含み、
前記素子本体(20)は、前記第1端面(203)において、前記第1方向における前記素子本体(20)の中央よりも前記素子下面(202)に近い部分に光を出射する出射部(20a3)を有し、
前記第1端面膜(31)は、前記第1端面(203)を覆う第1端面被覆部(311)と、前記素子上面(201)の一部を覆う第1上面被覆部(312)と、前記素子下面(202)の一部を覆う第1下面被覆部(313)と、を有し、前記第2方向(X)において、前記第1下面被覆部(313)の長さ(L313)は前記第1上面被覆部(312)の長さ(L312)よりも短い、
半導体発光装置。
【0084】
(付記29)
少なくとも前記第2端面(204)を覆う第2端面膜(32)を含み、
前記素子本体(20)は、前記第2端面(204)において、前記第1方向(Z)における前記素子本体(20)の中央よりも前記素子下面(202)に近い部分に光を出射する出射部(20a4)を有し、
前記第2端面膜(32)は、前記第2端面(204)を覆う第2端面被覆部(321)と、前記素子上面(201)の一部を覆う第2上面被覆部(322)と、前記素子下面(202)の一部を覆う第2下面被覆部(323)と、を有し、前記第2方向(X)において、前記第2下面被覆部(323)の長さは前記第2上面被覆部(322)の長さよりも短い、
付記1から付記5のいずれか一つに記載の半導体発光装置。
【0085】
以上の説明は単に例示である。本開示の技術を説明する目的のために列挙された構成要素および方法(製造プロセス)以外に、より多くの考えられる組み合わせおよび置換が可能であることを当業者は認識し得る。本開示は、特許請求の範囲を含む本開示の範囲内に含まれるすべての代替、変形、および変更を包含することが意図される。
【符号の説明】
【0086】
10,10A~10D 半導体発光装置
20 素子本体
201 素子上面
202 素子下面
203 第1端面
204 第2端面
205 第1側面
206 第2側面
20a 発光層
20a3 出射部
20a4 出射部
21 第1電極
22 第2電極
31 第1端面膜
31c 部分
311 第1端面被覆部
311a 第1下端部
312 第1上面被覆部
312a 端部
313 第1下面被覆部
32 第2端面膜
32c 部分
321 第2端面被覆部
321a 第2下端部
322 第2上面被覆部
322a 端部
323 第2下面被覆部
50 レーザバー
501 バー上面
502 バー下面
503 バー側面
504 バー側面
51 第1端面膜
52 第2端面膜
60 スペーサバー
601 バー上面
602 バー下面
70 治具
71 ベース
711 上面
72 第1支持部材
721 保持溝
722 保持部
723 保持部
723a 当てつけ面
73 第2支持部材
731 保持溝
732 保持部
733 保持部
733a 当てつけ面
81 吸着部材
82 当てつけ部材
L312 長さ
L313 長さ
L322 長さ
L323 長さ
L50 長さ
L60 長さ
L70 間隔
T312 厚さ
T313 厚さ
T322 厚さ
T323 厚さ
W50 幅
W61 幅
W62 幅
W70 幅