特開 2023-148199 容器

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023148199

(43)【公開日】2023-10-13

(54)【発明の名称】容器

(51)【国際特許分類】

   B65D 77/04 20060101AFI20231005BHJP

   B65D 43/08 20060101ALN20231005BHJP

【ＦＩ】

B65D77/04 A

B65D43/08 210

【審査請求】未請求

【請求項の数】4

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022056097

(22)【出願日】2022-03-30

(71)【出願人】

【識別番号】000128898

【氏名又は名称】株式会社オリエンタル

(74)【代理人】

【識別番号】100097065

【弁理士】

【氏名又は名称】吉井 雅栄

(72)【発明者】

【氏名】吉川 吉彦

【テーマコード（参考）】

3E067

3E084

【Ｆターム（参考）】

3E067AB01

3E067BA09C

3E067BA10B

3E067BB01C

3E067BB14B

3E067BB14C

3E067BB16B

3E067BB17C

3E067BB24C

3E067BC02B

3E067BC03C

3E067BC07C

3E067CA07

3E067EA18

3E067EA32

3E067EB27

3E067EC11

3E067FA04

3E067FC01

3E084AA05

3E084AA14

3E084AA24

3E084AA34

3E084AA37

3E084AB10

3E084BA01

3E084CA03

3E084CC03

3E084DA03

3E084DB13

3E084DC03

3E084FA09

3E084FC09

3E084GA08

3E084GB12

(57)【要約】

【課題】容体係止用上縁部を備えた外周部を簡易に実現可能な容器を提供すること。
【解決手段】外周部２と、外周部２の内側に設けられる容体部７とからなり、外周部２は、帯板部６が立直状態にして平面視枠形に配設されていて、この外周部２の内側に縁部を係止して容体部７が設けられ、帯板部６は、外板部８に内板部９が重合されているとともに、内板部９の上縁部が外板部８の上縁部よりも低い位置に設けられ、内板部９の上縁部と外板部８との間の係止用間隙10を介して外板部８の内面から内側に突出している内板部９の上縁部が容体係止用上縁部11として構成され、容体係止用上縁部11に容体部７の縁部に設けられている係止部12が係止されることによって帯板部６の内側に容体部７が設けられている容器。
【選択図】図２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

平面視枠形の外周部と、この外周部の内側に設けられる容体部とからなり、
前記外周部は、帯板部が立直状態にして平面視枠形に配設されている構成とされていて、この外周部の内側に縁部を係止して前記容体部が設けられており、
前記帯板部は、外板部に内板部が重合されている構成であるとともに、前記内板部の上縁部が前記外板部の上縁部よりも低い位置に設けられ、
この内板部の上縁部と前記外板部との間の係止用間隙を介して前記外板部の内面から内側に突出している前記内板部の上縁部が容体係止用上縁部として構成されて、この容体係止用上縁部が前記帯板部の内側に設けられ、
この容体係止用上縁部に、前記容体部の縁部に設けられている係止部が係止されることによって前記帯板部の内側に前記容体部が設けられていることを特徴とする容器。

【請求項2】

前記帯板部は、前記外板部の下部が内側に折り返し形成され、この内側折り返し板部が前記内板部として構成されて外板部に内板部が重合されている構成であるとともに、この内板部の上縁部は、前記外板部の上縁部よりも低い位置に設けられて、この内板部の上縁部が前記容体係止用上縁部として構成されていることを特徴とする請求項１記載の容器。

【請求項3】

前記内板部は、上縁部が前記外板部に対し内側に傾倒自在に設けられ、傾倒させて外板部の内面から内側に突出させたこの内板部の上縁部と外板部との間の間隙が前記係止用間隙として構成されているとともに、この内板部の上縁部で構成されている前記容体係止用上縁部が、前記帯板部の内側に設けられていることを特徴とする請求項１，２のいずれか１項に記載の容器。

【請求項4】

前記帯板部で構成されている前記外周部は紙製であり、この外周部の内側に設けられている前記容体部は合成樹脂製であることを特徴とする請求項１～３のいずれか１項に記載の蓋付き容器。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、例えば食品の収納に適した容器に関するものである。

【背景技術】

【0002】

出願人は、この種の容器として、特許第７０３１８６４号（特許文献１）を取得している。

【0003】

この特許文献１を簡単に説明すると、枠状の外周部と、食品等を収納するための凹部が形成された合成樹脂製の容体部とからなり、前記外周部には、内側面に周方向に沿って容体係止用上縁部が設けられていて、この外周部の上から前記容体部を落し込みつつ、容体部の上方外周縁の係合凹部を前記容体係止用上縁部に係止することで組立てできる簡易容器である。

【0004】

また、前記外周部は、一枚の帯状に形成された例えばポリスチレンシート等の発泡樹脂製板材が、予め板面に形成された屈曲部に沿って屈曲されて、前記容体部を囲繞する平面視方形状の枠状板体に形成されており、さらにこの外周部の内側面には、外方に向かって凹設する溝部（横溝部）が切り込み形成されているとともに、同時に溝部の下側溝面の奥部から下方に向かって（奥側溝面の下方延長線上に沿って）切り込みが形成され、この溝部に形成した切り込み部（縦溝部）より内側部分が内側に傾斜するように突出変形されて、この内側に傾斜突出する部分が前記容体係止用上縁部として構成されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0005】

【特許文献1】特許第７０３１８６４号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0006】

本発明は、上記特許文献１とは異なる簡易構造により、内側に容体係止用上縁部が設けられている前記外周部を構成可能な容器を提供するものである。

【課題を解決するための手段】

【0007】

添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。

【0008】

平面視枠形の外周部２と、この外周部２の内側に設けられる容体部７とからなり、
前記外周部２は、帯板部６が立直状態にして平面視枠形に配設されている構成とされていて、この外周部２の内側に縁部を係止して前記容体部７が設けられており、
前記帯板部６は、外板部８に内板部９が重合されている構成であるとともに、前記内板部９の上縁部が前記外板部８の上縁部よりも低い位置に設けられ、
この内板部９の上縁部と前記外板部８との間の係止用間隙10を介して前記外板部８の内面から内側に突出している前記内板部９の上縁部が容体係止用上縁部11として構成されて、この容体係止用上縁部11が前記帯板部６の内側に設けられ、
この容体係止用上縁部11に、前記容体部７の縁部に設けられている係止部12が係止されることによって前記帯板部６の内側に前記容体部７が設けられていることを特徴とする容器に係るものである。

【0009】

また、前記帯板部６は、前記外板部８の下部が内側に折り返し形成され、この内側折り返し板部が前記内板部９として構成されて外板部８に内板部９が重合されている構成であるとともに、この内板部９の上縁部は、前記外板部８の上縁部よりも低い位置に設けられて、この内板部９の上縁部が前記容体係止用上縁部11として構成されていることを特徴とする請求項１記載の容器に係るものである。

【0010】

また、前記内板部９は、上縁部が前記外板部８に対し内側に傾倒自在に設けられ、傾倒させて外板部８の内面から内側に突出させたこの内板部９の上縁部と外板部８との間の間隙が前記係止用間隙10として構成されているとともに、この内板部９の上縁部で構成されている前記容体係止用上縁部11が、前記帯板部６の内側に設けられていることを特徴とする請求項１，２のいずれか１項に記載の容器に係るものである。

【0011】

また、前記帯板部６で構成されている前記外周部２は紙製であり、この外周部２の内側に設けられている前記容体部７は合成樹脂製であることを特徴とする請求項１～３のいずれか１項に記載の蓋付き容器に係るものである。

【発明の効果】

【0012】

本発明は上述のように構成したから、外周部の内側に設けられている容体係止用上縁部に、容体部の縁部に設けられている係止部を係止することによって、この外周部の内側に容体部が設けられている容器を簡易に組立てでき、しかも前記外周部は、帯板部が外板部に内板部が重合されているとともに、前記内板部の上縁部が前記外板部の上縁部よりも低い位置に設けられている構成であるので、例えば紙製や合成樹脂製の帯板部を上述の形状に折り返し形成するだけで、内板部の上縁部が前記容体係止用上縁部として機能する外周部を簡易に設計実現可能となるなど、極めて実用性に優れた容器となる。

【0013】

また、請求項２，３記載の発明においては、前記作用・効果を確実に発揮する容体係止用上縁部付きの外周部を構成可能な帯板部を簡易構成にして容易に設計実現可能となる一層実用性に優れた構成の容器となる。

【0014】

また、請求項４記載の発明においては、前記作用効果を確実に発揮する外周部と、前記作用効果を確実に発揮する容体部とを簡易構成にして容易に設計実現可能となる一層実用性に優れた構成の容器となる。

【図面の簡単な説明】

【0015】

【図1】本実施例を示す分解斜視図である。

【図2】本実施例を示す、一部を切欠いた説明拡大側面図である。

【図3】本実施例の帯板部を構成する厚紙の展開状態を示す正面図である。

【図4】本実施例の帯板部の作成手順を示す説明側断面図である。

【図5】本実施例の帯板部を示す正面図である。

【発明を実施するための形態】

【0016】

本発明の最適な実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示し簡単に説明する。

【0017】

本発明の容器１は、帯板部６が立直状態にして平面視枠形に配設されている外周部２と、この外周部２の内側に設けられる容体部７とからなり、前記外周部２の内側に設けられている容体係止用上縁部11に、容体部７の縁部に設けられている係止部12を係止することによって、この外周部２の内側に前記容体部７が設けられている。

【0018】

また、前記外周部２を構成する前記帯板部６は、外板部８に内板部９が重合されている構成であるとともに、前記内板部９の上縁部が前記外板部８の上縁部よりも低い位置に設けられ、この内板部９の上縁部と前記外板部８との間の係止用間隙10を介して前記外板部８の内面から内側に突出している前記内板部９の上縁部が前記容体係止用上縁部11として構成されて、この容体係止用上縁部11が前記帯板部６の内側に設けられている。

【0019】

即ち、例えば紙製や合成樹脂製の帯板部６を、外板部８に内板部９が重合され且つ内板部９の上縁部が外板部８の上縁部よりも低い位置に配設する形態に折り返し形成するだけで、内板部９の上縁部が前記容体係止用上縁部11として機能する前記外周部２を簡易に設計実現可能である。

【実施例0020】

本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。

【0021】

本実施例は、上部開口形の容器１と、この容器１の上部開口部を着脱自在に覆い閉塞する蓋体４とを備えた蓋付き容器に関するものである。

【0022】

本実施例の要旨である前記容器１について説明すると、帯板部６が立直状態にして平面視方形の枠状に折曲形成されてなる外周部２と、薄い合成樹脂製で一体成形された容体部７とからなり、前記外周部２の内側に、前記容体部７を落とし込むように収容し縁部を係止することによって外周部２に容体部７が係止状態に組付けられた方形容体に構成されている（図１参照）。

【0023】

具体的には、前記帯板部６は、厚さ１ｍｍ程度の硬質な横長の厚紙19で構成されており、この帯板部６の長さ方向の両端部が接続手段により重合接続されて枠形（環状）に構成されている（図１参照）とともに、図５に示すようにこの帯板部６の内側面の所定の四箇所には、縦（鉛直）方向に長さを有する凹溝状の枠折曲用溝15が設けられ（溝形成刃を用いて切り込み形成され）、この四箇所の枠折曲用溝15を折縁部として各箇所が直角に折曲されることにより、この四箇所の直角折曲部が角隅部となる方形枠状の前記外周部２に構成されており、さらにこの四箇所の枠折曲用溝15を介して外周部２は扁平帯板状に折り畳むことも可能（図示省略）に構成されて、この折り畳み状態で外周部２は梱包・出荷されるように構成されている。尚、外周部２（帯板部６）は、発泡合成樹脂製でも良い。

【0024】

また、前記外周部２となった際の帯板部６の一方の対角線上に存する二箇所の枠折曲用溝15Ａは、比較的幅広な縦溝状に切除されていて、この枠折曲用溝15Ａに隣接する帯板部６の二辺が、この枠折曲用溝15Ａを介して平面視９０度以上となる方向へ折曲可能となるように構成されている。

【0025】

また、前記外周部２となった際の帯板部６の他方の対角線上に存する二箇所の枠折曲用溝15Ｂは、前記枠折曲用溝15Ａより幅狭な縦溝状に切除されていて、枠折曲用溝15Ｂに隣接する帯板部６の二辺が、この枠折曲用溝15Ｂを介して平面視約９０度の角度をなす位置まで折曲可能となるように構成されている。即ち、この９０度をなした状態から、枠折曲用溝15Ｂを介して枠折曲用溝15Ｂに隣接する帯板部６の二辺を平面視９０度以上に拡大する方向へ折曲することはできるが、平面視９０度以下に折曲することは、枠折曲用溝15Ｂに隣接する帯板部６の端縁の一方が他方に接触または双方の端縁同士が接触することによって困難となるように構成されている。

【0026】

言い換えると、枠折曲用溝15Ｂは、この枠折曲用溝15Ｂに隣接する前記紙材５の二辺のなす角度が９０度になる前記外周部２の展開状態から、この枠折曲用溝15Ｂに隣接する前記紙材５の二辺のなす角度が１８０度になる外周部２の折り畳み状態までの間の約９０度範囲のみに折曲範囲が規制されている。従って、展開状態の外周部２を折り畳む時には、この枠折曲用溝15Ｂに隣接する帯板部６の二辺のなす角度が９０度以上に拡大する方向にのみ折り畳み可能となるように構成され、逆に折り畳み状態の外周部２を展開する時にはこの枠折曲用溝15Ｂに隣接する帯板部６の二辺のなす角度が平面視約９０度となったところでこれ以上は角度を縮小する方向に折曲できなくなるように（外周部２が方形枠形に展開された状態を越えて再び折り畳み状態とはならないように）構成されている。

【0027】

また、この帯板部６の両端部の接続手段について説明すると、帯板部６の両端部に糊代18が設けられて、この糊代18を介して両端部が糊付けされる構成が採用されているが、帯板部６の両端部が紙テープやビニールテープなどの粘着テープで接着されるような構成が採用されていても良いし、他の接続手段が採用されていても良い。

【0028】

また、図５に示すように、この外周部２を構成する帯板部６には、前記枠折曲用溝15と重なる四隅の前記角部の角縁の上下方向のやや上側寄り位置に、この角縁と交差するようにして水平スリット状（横長角孔状）の係合孔３が貫通形成されている。

【0029】

この係合孔３は、前記蓋体４に設けられている後述の係止凸部５が係止するためのものであって、例えば前記帯板部６を構成する厚紙19に、この帯板部６を前記枠折曲用溝15を介して折曲する（方形枠状体とする）前に予め形成しておくと良い。

【0030】

また、詳しく図示していないが、本実施例の外周部２（帯板部６）を構成する厚紙19には、図３に示した折曲前の展開状態の一側面（図３において奥側に存する面）に、防水性，耐久性，装飾性などの機能を有する外装シート（図示省略）が貼設されていて、この厚紙19が折曲されてなる前記帯板部６は、後述する外板部８の外側面と、後述する前記内板部９の内側面と、外板部８と内板部９の連設部（上部と下部）とに外装シートが表出するように構成されている。

【0031】

また、本実施例の前記容体部７は、例えば、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリスチレン（ＰＳ）、ポリエチレンテレフタラート（ＰＥＴ）等の合成樹脂製の薄厚材で構成され、図１に示すように上部開口型であって前記外周部２の外形と略同形の平面視方形状をなし且つ外周部２内に収容可能な大きさの容体（箱体）に形成（一体成形）されている。尚、この容体部７の形状については、本実施例に限らず、平面視で六角形や八角形や太鼓形や瓢箪形や丸形やこれらの変形形状などの様々な形状を採用可能であり、これらの様々な形状の容体部７に対応する形状の前記外周部２を用意することも簡易に可能である。

【0032】

また、この容体部７は、図１，図２に示すように外周部全周が外方へ鍔状に突設されているとともに、この全周鍔が上部が溝底となる逆溝形状に形成（一体成形）されていて、この逆溝状の全周鍔が前記外周部２(帯板部６)の内側面に設けられている容体係止用上縁部11に上方から掛止係止可能な係止部12（周縁係止凹部12）として構成され、この係止部12の四隅の角部を除いた広範囲が前記外周部２に設けられている容体係止用上縁部11に係止されることによって前記帯板部６（外周部２）の内側に前記容体部７が取付けられている。

【0033】

また、この容体部７は、複数を積み重ねてネスティングできる形状に形成されている。

【0034】

また、ここで、前記容体係止用上縁部11を有する前記外周部２（帯板部６）についてさらに詳しく説明すると、前記横長の帯板部６を構成する厚紙19は、図３に示すようにその内側面の上縁部寄りと下部寄り位置とに水平横方向に長さを有する凹溝状の重合用切欠溝13が設けられ（溝形成刃を用いて切り込み形成され）、図４に示すようにこの上下の重合用切欠溝13を折縁として上縁部と下縁部が（枠形の外周部２となった際の）内側に向けて折曲されている。

【0035】

即ち、横長帯板部６は、上部と下部とが二重に折り重ねられ、この折り重ね状態が接着等の止着手段により保持されて外板部８に内板部９が重合され（外板部８の上部と下部が内側に折り返し形成され）た形態に形成されており、この上下の内板部９のうちの下側内板部９Ａの上縁部が外板部８の上縁部より低い位置に設けられている（図４（ｂ），図５参照）。

【0036】

また、この下側内板部９Ａの上縁部と前記外板部８との間には、係止用間隙10が設けられている。具体的には、前記下側内板部９Ａには前記外板部８との重合側面の途中部に水平方向に長さを有する凹溝状の傾倒用切欠溝14が予め設けられ（溝形成刃を用いて前記厚紙19に予め切り込み形成され）ており（図２，図４（ｂ）参照）、この傾倒用切欠溝14より下方側が前記止着手段により前記外板部８と重合保持され、この傾倒用切欠溝14より上方側は、外板部８に接着されずにこの傾倒用切欠溝14を折縁として前記外板部８に対し内側に傾倒自在に設けられ、傾倒させて外板部８の内側面から内方に突出させたこの下側内板部９Ａの上縁部と外板部８との間の間隙が前記係止用間隙10として構成されている。尚、この傾倒用切欠溝14は、前記帯板部６が前記外周部２に形成された際の前記下側内板部９Ａの内側面（本実施例で傾倒用切欠溝14が形成されている面の反対側面）に設けられている構成が採用されていても良いし、この傾倒用切欠溝14より下方側の下側内板部９Ａが前記外板部８と止着されていない（外板部８と重合保持されていない）構成が採用されていても良い。

【0037】

そして、この下側内板部９Ａの上縁部が前記容体係止用上縁部11として構成されて、この容体係止用上縁部11が前記帯板部６の内側の略全周に設けられ、この容体係止用上縁部11に後述の前記容体部７の周縁部に設けられている係止部12が係止されるとともに、前記係止用間隙10に係止部12の垂下外縁部が配設されることによって前記帯板部６（前記外周部２）の内側に前記容体部７が組付けられるように構成されている。

【0038】

また、前記下側内板部９Ａの、前記各枠折曲用溝15（15Ａ，15Ｂ）の前記傾倒用切欠溝14より上側部分が厚紙19の表裏方向に貫通した切欠部20に形成されているとともに、この切欠部20は、左右の端縁の夫々が上側ほど対向間隔を拡大する傾斜縁21に形成されている。そして、この切欠部20および傾斜縁21を形成したことによって、前記外周部２の角隅部にあっては前記容体係止用上縁部11が存在せず（容体係止用上縁部11は前記帯板部６の内側の全周にはなく、四箇所の角隅部（切欠部20）を除いた略全周に周設され）、これによりこの容体係止用上縁部11には、前記容体部７の係止部12の角隅部を除いた箇所が係止されて外周部２の内側に容体部７が組付けられている。

【0039】

即ち、合成樹脂製で一体成形される係止部12付きの容体部７は、脱型時の抜け易さを考慮して角隅部の係止部12は平面視直角形状ではなくＲ形状とならざるを得ないが、この角隅部のＲ形状係止部12を平面視直角状に折曲された容体係止用上縁部11に係止しようとすると、この角隅部の容体係止用上縁部11は係止部12に接触・干渉し易くこれが挿入抵抗となって組付け作業の障害となるおそれがあったが、外周部２の角隅部に容体係止用上縁部11が設けられていない本実施例においては、このような障害は生じず外周部２への容体部７の組付け作業が容易に行われる。

【0040】

本実施例の前記蓋体４は、前記容器１の外形と同等の平面視長方形状に形成されているとともに、四隅の角部に、この蓋体４で前記容器１の上部開口部を覆い閉塞した際に前記外周部２に設けられている係合孔３に係脱自在に係止する前記係止凸部５が内側に突出するようにして設けられている。

【0041】

具体的には、蓋体４はポリスチレン（ＰＳ）、ポリエチレンテレフタラート（ＰＥＴ）、ポリカーボネート（ＰＣ）等の透明な前記合成樹脂板材からなり、図１に示すように、周縁部全周に前記外周部２の上縁部に被嵌（外嵌）する側断面逆Ｌ字状の被嵌縁部16が外方へ突設（一体成形）されているとともに、この被嵌縁部16には、四隅の角部の垂下外縁部の内面に内側に向けて水平帯状に突設する形状の前記係止凸部５が設けられ（一体成形され）ている。

【0042】

また、この係止凸部５は、図２に示すように側断面形状が内側に向かって凸湾曲する形状に形成されて、前記係合孔３に対する係止・係脱が容易に行われるように構成されているとともに、この係止凸部５の係合孔３への係止嵌合によって、蓋体４が容器１の上部開口部を覆い閉塞した状態（蓋体４が容器１に被嵌係止した状態）に保持されるよう構成されている。

【0043】

また、この蓋体４には、四隅の角部のうちの一箇所に摘み片17が突設（一体成形）されていて、この摘み片17を利用して蓋体４の開閉操作が容易に行われるように構成されている。

【0044】

図示していないが、本実施例の蓋付き容器に、商品名，賞味期限，内容物の成分等を表示（プリント）した帯を掛け回すことでの蓋体４開放防止作用を付加させても良い（このような帯掛けをせずとも、四隅部の係合孔３と係止凸部５の凹凸係合係止力により十分な蓋体４開放防止作用が発揮されることが出願人の試作実験により確認されている。）。

【0045】

また、この蓋体４は、複数を積み重ねてネスティングできる形状に形成されている。即ち、本実施例の蓋付き容器は、前記外周部２と容体部７と蓋体４とを分離した状態で出荷されるが、この際、帯状に折り畳んだ複数の外周部２と複数積み重ねた容体部７と複数積み重ねた蓋体４とを嵩張らない状態で運搬したり格納したりすることが可能である。

【0046】

尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。

【符号の説明】

【0047】

２ 外周部
６ 帯板部
７ 容体部
８ 外板部
９ 内板部
10 係止用間隙
11 容体係止用上縁部
12 係止部

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】