IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 豊田合成株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-シャッタ式物入れ 図1
  • 特開-シャッタ式物入れ 図2
  • 特開-シャッタ式物入れ 図3
  • 特開-シャッタ式物入れ 図4
  • 特開-シャッタ式物入れ 図5
  • 特開-シャッタ式物入れ 図6
  • 特開-シャッタ式物入れ 図7
  • 特開-シャッタ式物入れ 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148203
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】シャッタ式物入れ
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/04 20060101AFI20231005BHJP
   E06B 9/02 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B60R7/04 C
E06B9/02 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056105
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】岩田 弘
【テーマコード(参考)】
3D022
【Fターム(参考)】
3D022CB00
3D022CC00
3D022CD19
(57)【要約】
【課題】シャッタの操作荷重を低減しつつ、簡単な構成によりシート部材に弛みが生じることを抑制することができるシャッタ式物入れを提供する。
【解決手段】シャッタ式物入れは、開口部11を有する物入れ本体10と、開口部11を開閉可能に構成されたシャッタ20と、シャッタ20を湾曲した状態で格納するシャッタ格納部30とを備えている。物入れ本体10及びシャッタ格納部30には、一対のガイド溝部40が設けられている。シャッタ20は、シャッタ本体21と、シャッタ本体21を表面21a側から覆うシート部材24とを備えている。シャッタ本体21及びシート部材24の双方の幅方向における端は、ガイド溝部40内に位置している。シャッタ20の第2端部20bには、規制部26が設けられている。シャッタ20が閉位置にあるときに、シャッタ20の移動方向において規制部26とシャッタ本体21との間には隙間Gが形成される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する物入れ本体と、前記開口部の開口面に沿って移動することで前記開口部を開閉可能に構成されたシャッタと、前記物入れ本体と隣り合って設けられ、前記シャッタを湾曲した状態で格納するように構成されたシャッタ格納部と、を備え、前記物入れ本体及び前記シャッタ格納部には、前記シャッタの幅方向の両側に位置し、前記シャッタの移動を案内する一対のガイド溝部が設けられているシャッタ式物入れであって、
前記シャッタは、互いに連結された複数のスラットを有し、湾曲可能に構成されたシャッタ本体と、前記シャッタ本体を表面側から覆う可撓性のシート部材と、を備えており、
前記シャッタ本体及び前記シート部材の双方の幅方向における端は、前記ガイド溝部内に位置しており、
前記シャッタの移動方向における第1端部には、操作部が設けられており、
前記シャッタの移動方向における前記第1端部とは反対側の第2端部には、前記シャッタ本体及び前記シート部材のいずれか一方に設けられ、他方に対して前記一方とは反対側から当接することで、前記シート部材が前記シャッタ本体から離れることを規制する規制部が設けられており、
前記シャッタが前記開口部を閉塞している閉位置にあるときに、前記移動方向において前記規制部と前記他方との間には隙間が形成される、
シャッタ式物入れ。
【請求項2】
前記規制部は、前記シャッタ本体における前記シート部材とは反対側の面に対向するとともに前記シャッタ本体よりも前記移動方向の前側に延びる第1部分と、前記シート部材における前記シャッタ本体とは反対側の面に対向するとともに前記シート部材よりも前記移動方向の前側に延びる第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを連結する連結部と、を有しており、
前記規制部は、前記シャッタ本体または前記シート部材に固定されている、
請求項1に記載のシャッタ式物入れ。
【請求項3】
前記規制部は、前記シャッタの幅方向において互いに間隔をあけて複数設けられている、
請求項1または請求項2に記載のシャッタ式物入れ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッタ式物入れに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のシャッタ式物入れとしては、例えば特許文献1に記載の扉装置がある。特許文献1に記載の扉装置は、物体の一部に設けられた開口部を選択的に開閉状態にするべく当該開口部にスライド可能に設けられた扉を有している。扉は、すだれ状の湾曲可能な扉本体と、扉本体に対して表面側に位置するように重ねて設けられた可撓性のシート状部材とを有している。物体には、扉本体を湾曲した状態でスライド自在にガイドする一対のガイド溝が設けられている。扉本体及びシート状部材の双方の幅方向における端は、ガイド溝内に位置している。
【0003】
扉のスライド方向における第1端部には、取っ手が設けられている。詳しくは、第1端部においては、扉本体及びシート状部材の端部同士が板状のブラケットを介して結合されている。取っ手は、ブラケットに一体に形成されている。
【0004】
扉のスライド方向における第1端部とは反対側の第2端部には、扉本体及びシート状部材の端部同士を連結する連結構造が設けられている。連結構造は、矩形孔を有し、シート状部材の端部に連結されたプロテクタと、扉本体と一体に設けられ、矩形孔に対してスライド方向に変位自在に挿入されるバー状突部と、バー状突部とプロテクタとの間に介装される圧縮コイルばねとを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-57372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
こうした特許文献1に記載の扉装置によれば、一対のガイド溝により扉本体及びシート状部材のスライドがガイドされる。そのため、扉本体及びシート状部材を各別にガイドするガイド溝を設ける場合に比べて、扉装置の構成が簡単になる。
【0007】
また、扉本体とシート状部材とが貼り合わされて一体とされた扉に比べて、扉の曲げ荷重が小さくなるため、扉の操作荷重が低減される。
また、扉を開けるのに伴ってガイド溝の湾曲部分を扉が通過する際に、シート状部材に対して内周側に位置する扉本体が先行することによりスライド方向において両者間に生じるずれが、圧縮コイルばねの弾性変形により吸収される。そのため、上記ずれによりシート状部材が扉本体から離れるように撓み変形することが抑制される。
【0008】
ところで、こうした扉装置においては、圧縮コイルばね及び圧縮コイルばねを取り付けるための構成を備えているため、部品点数が増加するとともに、扉の構成が複雑化するといった問題がある。
【0009】
これに対して、上記連結構造に代えて、シート状部材及び扉本体同士をブラケットなどを介して結合すると、扉の曲げ荷重が大きくなるため、扉の操作荷重が増大するといった問題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するためのシャッタ式物入れは、開口部を有する物入れ本体と、前記開口部の開口面に沿って移動することで前記開口部を開閉可能に構成されたシャッタと、前記物入れ本体と隣り合って設けられ、前記シャッタを湾曲した状態で格納するように構成されたシャッタ格納部と、を備え、前記物入れ本体及び前記シャッタ格納部には、前記シャッタの幅方向の両側に位置し、前記シャッタの移動を案内する一対のガイド溝部が設けられているシャッタ式物入れであって、前記シャッタは、互いに連結された複数のスラットを有し、湾曲可能に構成されたシャッタ本体と、前記シャッタ本体を表面側から覆う可撓性のシート部材と、を備えており、前記シャッタ本体及び前記シート部材の双方の幅方向における端は、前記ガイド溝部内に位置しており、前記シャッタの移動方向における第1端部には、操作部が設けられており、前記シャッタの移動方向における前記第1端部とは反対側の第2端部には、前記シャッタ本体及び前記シート部材のいずれか一方に設けられ、他方に対して前記一方とは反対側から当接することで、前記シート部材が前記シャッタ本体から離れることを規制する規制部が設けられており、前記シャッタが前記開口部を閉塞している閉位置にあるときに、前記移動方向において前記規制部と前記他方との間には隙間が形成される。
【0011】
同構成によれば、シート部材がシャッタ本体から離れることが、規制部により規制される。これにより、シート部材に弛みが生じることに起因してシート部材がシャッタ格納部の内面に擦れることが抑制される。
【0012】
また、上記構成によれば、規制部は、シャッタ本体及びシート部材のいずれか一方に設けられている。また、シャッタが開口部を閉塞している閉位置にあるときに、シャッタの移動方向において規制部と、シャッタ本体及びシート部材のうち規制部が設けられていない他方との間には隙間が形成される。そのため、上記隙間によって、上記移動方向においてシャッタ本体とシート部材との相対移動が許容されることにより、シャッタの曲げ荷重が低減する。その結果、シャッタの操作荷重を低減できる。
【0013】
したがって、シャッタの操作荷重を低減しつつ、簡単な構成によりシート部材に弛みが生じることを抑制できる。
上記シャッタ式物入れにおいて、前記規制部は、前記シャッタ本体における前記シート部材とは反対側の面に対向するとともに前記シャッタ本体よりも前記移動方向の前側に延びる第1部分と、前記シート部材における前記シャッタ本体とは反対側の面に対向するとともに前記シート部材よりも前記移動方向の前側に延びる第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを連結する連結部と、を有しており、前記規制部は、前記シャッタ本体または前記シート部材に固定されている。
【0014】
同構成によれば、第1部分、第2部分、及び連結部を有し、シャッタ本体及びシート部材とは別部材として構成される規制部が、シャッタ本体またはシート部材に固定される。このため、規制部をシャッタ本体またはシート部材と一体形成する場合に比べて、シャッタ本体及びシート部材の構成を簡単にできる。
【0015】
上記シャッタ式物入れにおいて、前記規制部は、前記シャッタの幅方向において互いに間隔をあけて複数設けられている。
同構成によれば、例えば、上記幅方向において第2端部の中央部に1つの規制部を設ける場合に比べて、上記幅方向において第2端部の広い範囲にわたって上述した作用効果が発揮される。また、例えば、第2端部に上記幅方向に延びる長尺状の規制部を設ける場合に比べて、上記幅方向において第2端部の広い範囲にわたって上述した作用効果を発揮しつつ、規制部の材料を低減することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、シャッタの操作荷重を低減しつつ、簡単な構成によりシート部材に弛みが生じることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、シャッタ式物入れの一実施形態について、シャッタが開口部を閉塞している状態を示す斜視図である。
図2図2は、図1の2-2線に沿った断面図である。
図3図3は、図2の3-3線に沿った断面図である。
図4図4は、図1のシャッタ式物入れについて、シャッタを示す斜視図である。
図5図5は、図4の5-5線に沿った断面図である。
図6図6は、図1のシャッタ式物入れについてシャッタが開かれる途中の状態を示す図であって、図2に対応する断面図である。
図7図7は、図6の規制部を中心に拡大して示す断面図である。
図8図8は、図1のシャッタ式物入れについてシャッタが開かれている状態を示す図であって、図2に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図1図8を参照して、シャッタ式物入れの一実施形態について説明する。なお、各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張または簡略化して示す場合がある。また、各構成の寸法比率は、実際とは異なる場合がある。
【0019】
<シャッタ式物入れの基本構成>
図1及び図2に示すように、シャッタ式物入れは、例えば自動車のセンタコンソール等に設けられるものであり、開口部11を有する物入れ本体10と、開口部11を開閉するシャッタ20とを有している。
【0020】
また、シャッタ式物入れは、シャッタ20を格納するシャッタ格納部30と、シャッタ20の移動を案内する一対のガイド溝部40とを有している。
以下、各構成について詳細に説明する。
【0021】
<物入れ本体10>
図1及び図2に示すように、物入れ本体10は、開口部11を構成する周壁12と、周壁12に連結され、開口部11の開口面11Aと対向する底壁15とを有している。
【0022】
開口部11は、平面視長方形状である。
周壁12は、開口部11の長辺を構成する一対の第1周壁13(図1参照)と、開口部11の短辺を構成する一対の第2周壁14(図2参照)とを有している。
【0023】
周壁12と底壁15とによって、例えば飲料容器や小物等の物品が収容される空間Sが構成されている。
<シャッタ20>
図1から図4に示すように、シャッタ20は、シャッタ本体21と、可撓性のシート部材24と、シャッタ20を操作するための取っ手25aを有する操作部25と、規制部26とを有している。シャッタ20は、全体として長方形板状である。
【0024】
なお、以降において、シャッタ20の長手方向を単に長手方向Xとして説明する。また、シャッタ20の幅方向を単に幅方向Yとして説明する。また、シャッタ20の厚さ方向を単に厚さ方向Zとして説明する。
【0025】
シャッタ本体21は、長手方向Xに並んだ複数のスラット22と、複数のスラット22を連結するテープ部材23とを有している。
図3に示すように、スラット22は、例えば硬質樹脂材料により形成されている。スラット22は、幅方向Yに長い長尺状のスラット本体22aと、スラット本体22aの幅方向Yにおける両端面22bから外側に向けて突出する円柱状の軸部22cとを有している。
【0026】
テープ部材23は、例えば不織布テープである。テープ部材23は、複数のスラット22の表面側に貼り付けられている。
図2及び図4に示すように、シャッタ本体21は、複数のスラット22がテープ部材23によって互いに連結されることにより長手方向Xに対して湾曲可能に構成されている。
【0027】
図3に示すように、シート部材24は、例えば軟質樹脂材料により形成される基材、伸縮性を有する樹脂材料により形成されるとともにシート部材24の意匠面24aを構成する表層、及び基材と表層との間に位置するとともに双方を接着する接着層といった複数の層(いずれも図示略)により構成されている。
【0028】
図3及び図4に示すように、シート部材24は、シャッタ本体21を表面21a側から覆っている。シート部材24は、シャッタ本体21の表面21a全体を覆っている。
シート部材24の意匠面24aは、本実施形態では平滑面である。
【0029】
図1に示すように、操作部25は、シャッタ20の移動方向(図1では、長手方向X)の一端(以下、第1端部20a)に設けられている。操作部25は、第1端部20aにおいてシャッタ本体21とシート部材24とを一体とするように構成されている。
【0030】
図1及び図4に示すように、規制部26は、シャッタ20の移動方向(図1では、長手方向X)の他端(以下、第2端部20b)に複数(本実施形態では2つ)設けられている。
【0031】
一対の規制部26は、幅方向Yにおいて互いに間隔をあけて設けられている。
図5に示すように、規制部26は、シャッタ本体21と対向する第1部分26aと、シート部材24と対向する第2部分26bと、第1部分26aと第2部分26bとを連結する連結部26cとを有している。
【0032】
第1部分26aは、厚さ方向Zにおいてシャッタ本体21のうちシート部材24と対向する表面21aとは反対側の裏面21bに対向している。第1部分26aは、シャッタ20が移動する移動方向(図5では、長手方向X)においてシャッタ本体21よりも前側(図5の左右方向における左側)に延びている。
【0033】
第2部分26bは、厚さ方向Zにおいてシート部材24のうちシャッタ本体21と対向する裏面24bとは反対側の意匠面24aに対向している。本実施形態では、規制部26のうち第2部分26bが、シート部材24の意匠面24aに接着等の方法により固定されている。第2部分26bは、シャッタ20の移動方向(図5では、長手方向X)においてシート部材24よりも前側(図5の左側)に延びている。
【0034】
長手方向Xにおいて連結部26cとシャッタ本体21及びシート部材24との間には、厚さ方向Zにおいて均一に隙間Gが形成されている。
規制部26は、第1部分26aがシャッタ本体21に対してシート部材24とは反対側から当接することで、シート部材24がシャッタ本体21から離れることを規制するように構成されている。
【0035】
<シャッタ格納部30>
図1図2図6、及び図8に示すように、シャッタ格納部30は、シャッタ20を湾曲した状態で格納するように構成されたものであり、長手方向Xにおいて物入れ本体10と隣り合って設けられている。
【0036】
シャッタ格納部30は、外周壁31と、環状の内周壁32と、外周壁31及び内周壁32の幅方向Yにおける両端を連結する一対の側壁部33とを有している。
図8に示すように、シャッタ20がシャッタ格納部30に格納されている状態、すなわちシャッタ20が開かれている開位置において、外周壁31は、シャッタ20の表面、すなわちシート部材24の意匠面24aを覆っている。
【0037】
内周壁32は、上記開位置において、シャッタ20の表面とは反対側の裏面、すなわちシャッタ本体21の裏面21bを覆っている。
一対の側壁部33は、シャッタ20の幅方向Yにおける両側の端を覆っている。
【0038】
<ガイド溝部40>
図1から図3に示すように、ガイド溝部40は、物入れ本体10及びシャッタ格納部30の双方において、幅方向Yの両側に設けられている。
【0039】
ガイド溝部40は、長手方向Xにおいて直線状に延びる直線部41と、直線部41から連続して延びるとともに湾曲している湾曲部42とを有している。
直線部41は、第1周壁13のうち開口部11を構成する部分と隣り合う位置に設けられている(図3参照)。
【0040】
湾曲部42は、シャッタ格納部30の側壁部33に設けられている。
図3に示すように、ガイド溝部40内には、シャッタ本体21の軸部22cと、シート部材24の幅方向Yにおける端24cとの双方が位置している。
【0041】
図2図6、及び図8に示すように、シャッタ20は、ガイド溝部40に沿って案内されることによって開口部11を閉塞している閉位置(図2参照)と、開位置(図8参照)との間を移動可能に構成されている。このとき、シャッタ20のうち第1端部20aを含む部分は、開口部11の開口面11Aに沿って移動する。より詳しくは、第1端部20aは、開口面11Aの面方向のうち長手方向Xに移動する。
【0042】
次に、本実施形態の作用について説明する。
図6及び図7に示すように、シャッタ本体21に対してシート部材24とは反対側から規制部26の第1部分26aが当接することで、シート部材24がシャッタ本体21から離れることが規制される。これにより、シート部材24に弛みが生じることに起因してシート部材24がシャッタ格納部30の外周壁31の内面31aに擦れることが抑制される。なお、図7には、規制部26を設けられていない場合のシャッタ格納部30におけるシャッタ20Aのシート部材24Aの状態を二点鎖線にて示している。
【0043】
また、本実施形態の構成によれば、規制部26は、シート部材24に固定されている。また、シャッタ20が開口部11を閉塞している閉位置(図2参照)にあるときに、ガイド溝部40の直線部41に沿ったシャッタ20の移動方向(図2では、長手方向X)において規制部26と、シャッタ本体21及びシート部材24との間には隙間Gが形成される。そのため、上記隙間Gによって、シャッタ20の移動方向(図6及び図7では、ガイド溝部40の湾曲部42の延在方向)においてシャッタ本体21とシート部材24との相対移動が許容されることにより、シャッタ20の曲げ荷重が低減する。その結果、シャッタ20の操作荷重が低減される。
【0044】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)シャッタ式物入れは、開口部11を有する物入れ本体10と、開口部11を開閉可能に構成されたシャッタ20と、シャッタ20を湾曲した状態で格納するように構成されたシャッタ格納部30とを備えている。物入れ本体10及びシャッタ格納部30には、シャッタ20の幅方向Yの両側に位置し、シャッタ20の移動を案内する一対のガイド溝部40が設けられている。シャッタ20は、互いに連結された複数のスラット22を有し、湾曲可能に構成されたシャッタ本体21と、シャッタ本体21を表面21a側から覆う可撓性のシート部材24とを備えている。シャッタ本体21の軸部22c及びシート部材24の幅方向Yにおける端24cは、ガイド溝部40内に位置している。シャッタ20の第1端部20aには、操作部25が設けられている。第1端部20aとは反対側の第2端部20bには、シート部材24に規制部26が設けられている。シャッタ20が開口部11を閉塞している閉位置にあるときに、長手方向Xにおいて規制部26とシャッタ本体21及びシート部材24との間には隙間Gが形成される。
【0045】
こうした構成によれば、上述した作用を奏する。したがって、シャッタ20の操作荷重を低減しつつ、簡単な構成によりシート部材24に弛みが生じることを抑制できる。
(2)規制部26は、シャッタ本体21におけるシート部材24とは反対側の裏面21bに対向する第1部分26aを有している。また、規制部26は、シート部材24におけるシャッタ本体21とは反対側の意匠面24aに対向する第2部分26bを有している。また、規制部26は、第1部分26aと第2部分26bとを連結する連結部26cを有している。規制部26は、シート部材24に固定されている。
【0046】
こうした構成によれば、第1部分26a、第2部分26b、及び連結部26cを有し、シャッタ本体21及びシート部材24とは別部材として構成される規制部26が、シート部材24に固定される。このため、規制部26をシャッタ本体21またはシート部材24と一体形成する場合に比べて、シャッタ本体21及びシート部材24の構成を簡単にできる。
【0047】
(3)規制部26は、シャッタ20の幅方向Yにおいて互いに間隔をあけて複数設けられている。
こうした構成によれば、例えば、幅方向Yにおいて第2端部20bの中央部に1つの規制部26を設ける場合に比べて、幅方向Yにおいて第2端部20bの広い範囲にわたって上述した作用効果が発揮される。また、例えば、第2端部20bに幅方向Yに延びる長尺状の規制部26を設ける場合に比べて、幅方向Yにおいて第2端部20bの広い範囲にわたって上述した作用効果を発揮しつつ、規制部26の材料を低減することができる。
【0048】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0049】
・シート部材24の意匠面24aは、本実施形態で例示したように平滑面に限定されず、例えば凹凸形状を有するものであってもよい。
・規制部26の数は、本実施形態で例示した2つに限定されず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0050】
・規制部26の形状は、本実施形態で例示したように連結部26cと、シャッタ本体21及びシート部材24との間に厚さ方向Zにおいて均一に隙間Gが形成されるものに限定されない。例えば、規制部26の形状は、厚さ方向Zにおいて連結部26cの中央部ほどシャッタ本体21及びシート部材24との間の隙間Gが大きくなる、すなわち連結部26cが湾曲した形状となるものであってもよい。
【0051】
・規制部26は、本実施形態で例示したように、規制部26の第2部分26bがシート部材24の意匠面24a側に固定されるものに限定されない。例えば、規制部26の第1部分26aのみをシャッタ本体21の裏面21bに固定するようにしてもよい。
【0052】
・規制部26は、本実施形態で例示したようにシャッタ本体21及びシート部材24とは別部材として構成されるものに限定されず、シート部材24またはシャッタ本体21と一体に設けるようにしてもよい。この場合、例えばシート部材24の長手方向Xの前側(図5の左側)の端部を延長してシャッタ本体21の裏面21bと対向するように折り返すことによって規制部26を構成してもよい。また、シャッタ本体21の長手方向Xの前側(図5の左側)の端部を延長してシート部材24の意匠面24aと対向するように折り返すことによって規制部26を構成してもよい。
【0053】
・本実施形態では、シャッタ20が閉位置から開位置まで移動する間、規制部26と、シャッタ本体21及びシート部材24との間には常に隙間Gが形成されているものを例示したが、この態様に限定されない。例えば、シャッタ20は、開位置に移動する途中、または開位置において規制部26と、シャッタ本体21及びシート部材24の少なくとも一方とがシャッタ20の移動方向において当接するものであってもよい。
【符号の説明】
【0054】
G…隙間
S…空間
X…長手方向
Y…幅方向
Z…厚さ方向
10…物入れ本体
11…開口部
11A…開口面
12…周壁
13…第1周壁
14…第2周壁
15…底壁
20…シャッタ
20A…シャッタ
20a…第1端部
20b…第2端部
21…シャッタ本体
21a…表面
21b…裏面
22…スラット
22a…スラット本体
22b…端面
22c…軸部
23…テープ部材
24…シート部材
24A…シート部材
24a…意匠面
24b…裏面
24c…端
25…操作部
25a…取っ手
26…規制部
26a…第1部分
26b…第2部分
26c…連結部
30…シャッタ格納部
31…外周壁
31a…内面
32…内周壁
33…側壁部
40…ガイド溝部
41…直線部
42…湾曲部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8