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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148234
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】フォイル型気体軸受
(51)【国際特許分類】
   F16C 27/02 20060101AFI20231005BHJP
【FI】
F16C27/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056143
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】篠田 史也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 文博
(72)【発明者】
【氏名】國枝 享仁
【テーマコード(参考)】
3J012
【Fターム(参考)】
3J012AB20
3J012BB01
3J012CB05
3J012DB04
3J012EB10
3J012EB11
3J012FB01
(57)【要約】
【課題】トップフォイルの負荷容量の低下を抑制できるフォイル型気体軸受を提供すること。
【解決手段】フォイル型気体軸受は、トップフォイル20と、バンプフォイルと、軸受ハウジングと、を備えている。トップフォイル20は、周方向Bに位置する一端である自由端51と、周方向Bに位置する他端であり、周方向Bにおいて自由端51と所定の隙間Sをおいて対向し、軸受ハウジングに固定される固定端52と、を有している。隙間Sは、周方向Bにずれるように配置されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸をラジアル方向で支持するフォイル型気体軸受であって、
1枚の薄板で形成される筒状のトップフォイルと、
前記トップフォイルを弾性的に支持するバンプフォイルと、
前記トップフォイル及び前記バンプフォイルを収容する軸受ハウジングと、を備え、
前記トップフォイルは、
前記トップフォイルの周方向に位置する一端である自由端と、
前記トップフォイルの周方向に位置する他端であり、前記周方向において前記自由端と所定の隙間をおいて対向し、前記軸受ハウジングに固定される固定端と、を有し、
前記隙間は、前記周方向にずれるように配置されることを特徴とするフォイル型気体軸受。
【請求項2】
前記自由端は、前記トップフォイルの軸方向のうち一方向に向かうにつれて前記周方向のうち一方向に段階的にずれるように配置された複数の縁により形成され、
前記固定端は、前記自由端を形成する前記縁の各々に対向する部位により形成され、
前記自由端を形成する1つの前記縁には、前記固定端を形成する1つの前記部位が対向しており、
前記隙間は、互いに対向する前記縁と前記部位とにより前記軸方向のうち一方向に向かうにつれて前記周方向のうち一方向に段階的にずれるように配置されており、
前記トップフォイルは、前記自由端を形成する1つの前記縁を一端とし、当該縁に対向する1つの部位を他端とする円弧状の延設板部を複数有している、請求項1に記載のフォイル型気体軸受。
【請求項3】
前記トップフォイルは、全ての前記延設板部が前記軸方向に継ぎ目なく一体的に連続している連続板部を有している、請求項2に記載のフォイル型気体軸受。
【請求項4】
前記自由端は、前記トップフォイルの軸方向に対して傾斜しており、
前記固定端は、前記自由端に沿って延びている、請求項1に記載のフォイル型気体軸受。
【請求項5】
前記自由端と前記固定端との前記隙間の距離は一定である請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のフォイル型気体軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転軸をラジアル方向に支持するフォイル型気体軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
フォイル型気体軸受は、トップフォイルと、バンプフォイルと、軸受ハウジングと、を備えている。トップフォイルは、1枚の薄板を筒状に形成した部材である。バンプフォイルは、トップフォイルを弾性的に支持する。軸受ハウジングは、トップフォイル及びバンプフォイルを収容する。
【0003】
例えば、特許文献1で紹介されている一般的なフォイル型気体軸受におけるトップフォイルは、1つの自由端と、1つの固定端と、を有している。自由端は、トップフォイルの周方向に位置する端である。固定端は、トップフォイルの周方向で自由端とは反対側に位置する端である。固定端は、軸受ハウジングに固定されている。自由端及び固定端は、周方向において自由端と固定端との間に隙間を形成するように対向している。隙間は、トップフォイルの軸方向の全長に直線状に延びている。
【0004】
このようなフォイル型気体軸受は、回転軸の回転数が所定の回転数に到達するまでは、回転軸がトップフォイルに接触する。そして、回転軸の回転数が所定の回転数に到達したとき、回転軸とトップフォイルとの間には、回転軸の回転により引き込まれた空気により空気膜が形成される。トップフォイルと回転軸との間に形成される空気膜の動圧により回転軸が浮上する。このため、回転軸の回転数が所定の回転数に到達すると、フォイル型気体軸受は、回転軸に接触することなく空気膜により回転軸を支持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-9556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、トップフォイルにおいて隙間が形成された部分は、負荷容量が大きく低下する。回転軸が回転したとき、トップフォイルにはラジアル荷重が作用する。ラジアル荷重がトップフォイルの隙間が形成された部分に作用したとき、ラジアル荷重が負荷容量を上回ると、回転軸がトップフォイルに接触する。よって、回転軸及びトップフォイルが摩耗したり、回転軸とトップフォイルとが焼き付いたりする虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するフォイル型気体軸受は、回転軸をラジアル方向で支持するフォイル型気体軸受であって、1枚の薄板で形成される筒状のトップフォイルと、前記トップフォイルを弾性的に支持するバンプフォイルと、前記トップフォイル及び前記バンプフォイルを収容する軸受ハウジングと、を備え、前記トップフォイルは、前記トップフォイルの周方向に位置する一端である自由端と、前記トップフォイルの周方向に位置する他端であり、前記周方向において前記自由端と所定の隙間をおいて対向し、前記軸受ハウジングに固定される固定端と、を有し、前記隙間は、前記周方向にずれるように配置される。
【0008】
上記構成によれば、トップフォイルに形成される隙間が周方向にずれている。このため、トップフォイルには、隙間の任意の位置に軸方向で隣り合う壁部が存在する。トップフォイルの内側に挿通される回転軸が回転したとき、トップフォイルには、ラジアル荷重が作用する。トップフォイルの隙間が形成されている部分にラジアル荷重が作用しても、隙間の任意の位置に軸方向で隣り合う壁部によりラジアル荷重を受けることができる。よって、トップフォイルの軸方向の全長に直線状に隙間が形成されるフォイル型気体軸受と比較して、トップフォイルの負荷容量の低下を抑制できる。
【0009】
上記のフォイル型気体軸受は、前記自由端は、前記トップフォイルの軸方向のうち一方向に向かうにつれて前記周方向のうち一方向に段階的にずれるように配置された複数の縁により形成され、前記固定端は、前記自由端を形成する前記縁の各々に対向する部位により形成され、前記自由端を形成する1つの前記縁には、前記固定端を形成する1つの前記部位が対向しており、前記隙間は、互いに対向する前記縁と前記部位とにより前記軸方向のうち一方向に向かうにつれて前記周方向のうち一方向に段階的にずれるように配置されており、前記トップフォイルは、前記自由端を形成する1つの前記縁を一端とし、当該縁に対向する1つの部位を他端とする円弧状の延設板部を複数有しているとよい。
【0010】
上記構成によれば、トップフォイルに形成される隙間は、周方向及び軸方向に離散的に配置される。よって、隙間がトップフォイルの軸方向の全長に延びないうえに、隙間の任意の位置に軸方向で隣り合う延設板部を、ラジアル荷重を受ける壁部とすることができる。したがって、トップフォイルの軸方向の全長に直線状に隙間が形成されるフォイル型気体軸受と比較して、トップフォイルの負荷容量の低下をより抑制できる。
【0011】
上記のフォイル型気体軸受において、前記トップフォイルは、全ての前記延設板部が前記軸方向に継ぎ目なく一体的に連続している連続板部を有しているとよい。
例えば、トップフォイルに挿通される回転軸が低速回転している、又は回転していない場合、トップフォイルに回転軸が接触する場合がある。
【0012】
上記構成によれば、例えば、連続板部が鉛直方向の下方に位置する状態でフォイル型気体軸受を使用する場合、回転軸が低速回転しているとき、又は回転軸が回転しないときに連続板部に回転軸が接触する。よって、トップフォイルにおいて隙間が形成された部分に回転軸が接触することを抑制できる。
【0013】
上記のフォイル型気体軸受において、前記自由端は、前記トップフォイルの軸方向に対して傾斜しており、前記固定端は、前記自由端に沿って延びているとよい。
上記構成によれば、自由端と固定端との間に形成される隙間を軸方向で挟みこむ壁部が少なくとも存在する。よって、トップフォイルの軸方向の全長に直線状に隙間が形成されるフォイル型気体軸受と比較して、トップフォイルの負荷容量の低下を抑制できる。
【0014】
上記のフォイル型気体軸受において、前記自由端と前記固定端との前記隙間の距離は一定であるとよい。
上記構成によれば、自由端と固定端との隙間の距離が一定であることにより、トップフォイルの負荷容量の低下をより抑制できる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、トップフォイルの負荷容量の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】フォイル型気体軸受の第1実施形態の正面図である。
図2】第1実施形態のトップフォイルの斜視図である。
図3】第1実施形態のトップフォイルの展開図である。
図4】第1実施形態と回転軸との配置を示す斜視図である。
図5】フォイル型気体軸受の第2実施形態におけるトップフォイルが展開された状態を示す平面図である。
図6】第2実施形態におけるトップフォイルの斜視図である。
図7】第2実施形態におけるトップフォイルの側面図である。
図8】フォイル型気体軸受の第3実施形態におけるトップフォイルが展開された状態を示す平面図である。
図9】第3実施形態におけるトップフォイルの側面図である。
図10】フォイル型気体軸受の変更例におけるトップフォイルが展開された状態を示す平面図である。
図11】変更例におけるトップフォイルの側面図である。
図12】変更例におけるトップフォイルの側面図である。
図13】変更例におけるトップフォイルの側面図である。
図14】フォイル型気体軸受の変更例におけるトップフォイルが展開された状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
以下、フォイル型気体軸受を具体化した第1実施形態を図1図4にしたがって説明する。
【0018】
<フォイル型気体軸受>
図1に示すように、フォイル型気体軸受10は、筒状のトップフォイル20と、3つのバンプフォイル30と、筒状の軸受ハウジング40と、を備えている。トップフォイル20及びバンプフォイル30は、金属材料製である。
【0019】
トップフォイル20の軸線mが延びる方向を軸方向Aとする。トップフォイル20の軸線mを中心として描く円が延びる方向を周方向Bとする。トップフォイル20の軸線mに直交する方向を径方向Rとする。
【0020】
軸受ハウジング40は、トップフォイル20及び全てのバンプフォイル30を収容している。軸受ハウジング40には、3つの切り欠き溝41が形成されている。3つの切り欠き溝41は、軸受ハウジング40の内周面40aに設けられている。3つの切り欠き溝41は、周方向Bにおいて等間隔に配置されている。3つの切り欠き溝41は、軸方向Aにおいて軸受ハウジング40の内周面40aの全長に設けられている。
【0021】
<トップフォイル>
図2及び図3に示すように、トップフォイル20は、1枚の薄板で形成される筒状である。なお、図3には、トップフォイル20が展開された平板状の薄板である状態を示している。
【0022】
<トップフォイルが展開された状態>
以下、トップフォイル20が展開された平板状の薄板である状態を前提としてトップフォイル20の構成を説明する。
【0023】
図3に示すように、トップフォイル20は、長板状である。トップフォイル20の長縁が延びる方向を長縁方向Cとする。長縁方向C及びトップフォイル20の厚さ方向の双方向に直交する方向であって、トップフォイル20の短縁が延びる方向をトップフォイル20の短縁方向Dとする。
【0024】
トップフォイル20は、長縁方向Cにおいて、第1端21と、第2端22と、を有している。トップフォイル20は、短縁方向Dにおいて、第3端23と、第4端24と、を有している。第3端23及び第4端24は、長縁方向Cに直線状に延びている。
【0025】
長縁方向Cにおいて、第1端21から第2端22に向かう方向を第1長縁方向C1とする。短縁方向Dにおいて、第3端23から第4端24に向かう方向を第1短縁方向D1とする。
【0026】
第1端21は、階段状である。第1端21は、第1縁211と、第2縁212と、第3縁213と、第1接続縁214と、第2接続縁215と、を有している。第1縁211は、第3端23の長縁方向Cにおける一端23aに連続している。第1縁211は、第3端23から第1短縁方向D1に延びている。
【0027】
第1接続縁214は、第1縁211に接続されている。第1接続縁214は、第1縁211のうち短縁方向Dにおいて第3端23とは反対側の部分に接続されている。第1接続縁214は、第1縁211から第1長縁方向C1に延びている。第1接続縁214は、第3端23と平行である。
【0028】
第2縁212は、第1接続縁214に接続されている。第1接続縁214は、第1縁211と第2縁212とを接続している。第2縁212は、第1接続縁214から第1短縁方向D1に延びている。
【0029】
第2接続縁215は、第2縁212に接続されている。第2接続縁215は、第2縁212のうち短縁方向Dにおいて第1接続縁214とは反対側の部分に接続されている。第2接続縁215は、第2縁212から第1長縁方向C1に延びている。第2接続縁215は、第1接続縁214と平行である。
【0030】
第3縁213は、第2接続縁215に接続されている。第2接続縁215は、第2縁212と第3縁213とを接続している。第3縁213は、第2接続縁215から第1短縁方向D1に延びている。第3縁213は、第4端24の長縁方向Cにおける一端24aに接続されている。
【0031】
第2端22は、階段状である。第2端22は、第1縁221と、第2縁222と、第3縁223と、第1接続縁224と、第2接続縁225と、を有している。第1縁221は、第3端23における長縁方向Cにおける他端23bに接続されている。第1縁221は、第3端23から第1短縁方向D1に延びている。第1縁221の短縁方向Dにおける長さは、第1縁211の短縁方向Dにおける長さと同じである。
【0032】
第1接続縁224は、第1縁221のうち短縁方向Dにおいて第3端23とは反対側の部分から第1長縁方向C1に延びている。第2縁222は、第1接続縁224に接続されている。第1接続縁224は、第1縁221と第2縁222とを接続している。第2縁222は、第1接続縁224から第1短縁方向D1に延びている。第2縁222の短縁方向Dにおける長さは、第2縁212の短縁方向Dにおける長さと同じである。
【0033】
第2接続縁225は、第2縁222のうち短縁方向Dにおいて第1接続縁224とは反対側の部分から第1長縁方向C1に延びている。第2接続縁225は、第1接続縁224と平行である。
【0034】
第3縁223は、第2接続縁225に接続されている。第2接続縁225は、第2縁222と第3縁223とを接続している。第3縁223は、第2接続縁225から第1短縁方向D1に延びている。第3縁223は、第4端24の長縁方向Cにおける他端24bに接続されている。第3縁223の短縁方向Dにおける長さは、第3縁213の短縁方向Dにおける長さと同じである。
【0035】
第1縁211、第2縁212、及び第3縁213は、第1短縁方向D1に向かうにつれて、第1長縁方向C1に段階的にずれるように配置されている。第1縁221、第2縁222、及び第3縁223は、第1短縁方向D1に向かうにつれて、第1長縁方向C1に段階的にずれるように配置されている。なお、本実施形態において、トップフォイル20は、2つの長縁を有している。
【0036】
<第1延設板部、第2延設板部、及び第3延設板部>
長縁方向Cにおいて第1端21の第1接続縁214と、第2端22の第1接続縁224とを結ぶ仮想線を第1仮想線VL1とする。長縁方向Cにおいて第1端21の第2接続縁215と第2端22の第2接続縁225とを結ぶ仮想線を第2仮想線VL2とする。
【0037】
トップフォイル20は、第1延設板部P1と、第2延設板部P2と、第3延設板部P3と、を有している。第1延設板部P1は、トップフォイル20において、第1縁211,221と、第1接続縁214と、第3端23と、第1仮想線VL1とにより区画される部分である。第2延設板部P2は、トップフォイル20において、第2縁212,222と、第2接続縁215と、第1接続縁224と、第1仮想線VL1と、第2仮想線VL2とにより区画される部分である。第3延設板部P3は、トップフォイル20において、第3縁213,223と、第4端24と、第2接続縁225と、第2仮想線VL2とにより区画される部分である。各延設板部P1,P2,P3は、長板状である。
【0038】
<第1切れ目及び第2切れ目>
トップフォイル20は、第1切れ目25と、第2切れ目26と、を有している。第1切れ目25は、第1延設板部P1と第2延設板部P2との境界において、第1縁221から第1仮想線VL1に沿って直線状に設けられている。第1切れ目25は、第1延設板部P1と第2延設板部P2との境界を一部分だけ切断した部位である。
【0039】
第2切れ目26は、第2延設板部P2と第3延設板部P3との境界において、第2縁222から第2仮想線VL2に沿って直線状に設けられている。第2切れ目26は、第2延設板部P2と第3延設板部P3との境界を一部分だけ切断した部位である。
【0040】
<第1折り目、第2折り目、及び第3折り目>
トップフォイル20には、第1折り目27と、第2折り目28と、第3折り目29とが存在する。図3の破線で示すように、第1折り目27は、長縁方向Cにおいて第1縁221から所定の距離だけ離れた位置に設けられている。第1折り目27は、短縁方向Dに延びている。第1折り目27は、第3端23から第1切れ目25の終端に至るまで延びている。トップフォイル20において、第1折り目27から第1縁221までの部分を第1折り曲げ部27aとする。第1折り曲げ部27aは、トップフォイル20を筒状に形成したときにトップフォイル20の径方向Rの外側に向けて折り曲げられる部分である。
【0041】
第2折り目28は、長縁方向Cにおいて第2縁222から所定の距離だけ離れた位置に設けられている。第2折り目28は、短縁方向Dに延びている。第2折り目28は、第1接続縁224から第2切れ目26の終端に至るまで延びている。トップフォイル20において、第2折り目28から第2縁222までの部分を第2折り曲げ部28aとする。第2折り曲げ部28aは、トップフォイル20を筒状に形成したときにトップフォイル20の径方向Rの外側に向けて折り曲げられる部分である。
【0042】
第3折り目29は、第3縁223から第3縁213に向けて所定の距離だけ離れた位置に設けられている。第3折り目29は、短縁方向Dに延びている。第3折り目29は、第2接続縁225から第4端24に至るまでのびている。トップフォイル20において、第3折り目29から第3縁223までの部分を第3折り曲げ部29aとする。第3折り曲げ部29aは、トップフォイル20を筒状にしたときにトップフォイル20の径方向Rの外側に向けて折り曲げられる部分である。各折り目27,28,29は、各折り曲げ部27a,28a,29aの折り曲げ位置を示している。
【0043】
<連続板部>
第1端21の第3縁213は、長縁方向Cにおいて、第1折り目27と第1端21の第2縁212との間に配置されている。すなわち、短縁方向Dにおいて、第1端21と第2端22とが重ならない。トップフォイル20は、短縁方向Dにおいて各延設板部P1,P2,P3が継ぎ目なく一体的に連続している連続板部P4を有している。
【0044】
第3縁213に沿って延びる仮想線を第3仮想線VL3とする。第1折り目27に沿って延びる仮想線を第4仮想線VL4とする。連続板部P4は、第3縁213と、第3仮想線VL3と、第3端23の一部と、第1折り目27と、第4仮想線VL4と、第4端24の一部とにより区画される部分である。
【0045】
<第1延設板部、第2延設板部、第3延設板部、連続板部の長縁方向の長さ>
第1延設板部P1において、第1縁211から第1折り目27までの長縁方向Cの長さL1は、軸受ハウジング40の内周面40aの円周よりも若干小さい。第2延設板部P2において、第2縁212から第2折り目28までの長縁方向Cの長さL2は、軸受ハウジング40の内周面40aの円周よりも若干小さい。第3延設板部P3において、第3縁213から第3折り目29までの長縁方向Cの長さL3は、軸受ハウジング40の内周面40aの円周よりも若干小さい。第1延設板部P1の長さL1、第2延設板部P2の長さL2、及び第3延設板部P3の長さL3は、全ての同じである。連続板部P4の長縁方向Cの長さは、長さL1,L2,L3の3分の1である。
【0046】
<トップフォイルを筒状に形成した状態>
図2及び図3に示すように、展開された状態のトップフォイル20を筒状に形成する場合、第1縁211と第1折り目27とが対向するように第1延設板部P1を円弧状に湾曲させる。同様に、第2縁212と第2折り目28とが対向するように第2延設板部P2を円弧状に湾曲させる。同様に、第3縁213と第3折り目29とが対向するように第3延設板部P3を円弧状に湾曲させる。そして、第1折り曲げ部27a、第2折り曲げ部28a、及び第3折り曲げ部29aは、径方向Rの外側に突出するように折り曲げられる。第1折り曲げ部27a、第2折り曲げ部28a、及び第3折り曲げ部29aは、周方向Bにおいて等間隔に配置されている。
【0047】
図1図2、及び図3に示すように、筒状のトップフォイル20の外径は、軸受ハウジング40の内周面40aの直径よりも小さい。トップフォイル20の軸方向Aは、展開されたトップフォイル20における短縁方向Dと一致する。すなわち、展開された状態のトップフォイル20の第1短縁方向D1は、筒状のトップフォイル20の軸方向Aのうち一方向である。
【0048】
トップフォイル20の周方向Bは、展開されたトップフォイル20の長縁方向Cと一致する。すなわち、展開された状態のトップフォイル20における第1長縁方向C1は、筒状のトップフォイル20の周方向Bのうち一方向である。
【0049】
図2に示すように、第1接続縁214と第1接続縁224とは軸方向Aで接触している。第2接続縁215と第2接続縁225とは軸方向Aで接触している。
第1縁211と、第1折り目27との間には、所定の第1隙間S1が形成されている。第1縁211と第1折り目27とは軸方向Aに平行に延びている。第1隙間S1は、第1縁211と、第1折り目27と、第2延設板部P2とにより囲まれるとともにトップフォイル20の第1短縁方向D1とは反対の方向に開口している。
【0050】
第2縁212と第2折り目28との間には、所定の第2隙間S2が形成されている。第2縁212と第2折り目28とは軸方向Aに平行に延びている。第2隙間S2は、第2縁212と、第2折り目28と、第1延設板部P1と、第3延設板部P3とにより囲まれている。
【0051】
第3縁213と第3折り目29との間には、所定の第3隙間S3が形成されている。第3縁213と第3折り目29とは軸方向Aに平行に延びている。第3隙間S3は、第3縁213と、第3折り目29と、第2延設板部P2とにより囲まれるとともにトップフォイル20の第1短縁方向D1に開口している。
【0052】
トップフォイル20は、全ての延設板部P1,P2,P3が軸方向Aに継ぎ目なく一体的に連続している連続板部P4を有している。
<自由端、固定端、隙間の配置、壁部>
図1に示すように、筒状のトップフォイル20が軸受ハウジング40に収容された状態において、トップフォイル20は、径方向Rにおいて軸受ハウジング40の内周面40aと所定の間隔をあけて配置されている。
【0053】
トップフォイル20の各折り曲げ部27a,28a,29aは、各切り欠き溝41に嵌合されている。各折り曲げ部27a,28a,29aは、各切り欠き溝41に固定されている。なお、説明の便宜上、図1には、各切り欠き溝41と各折り曲げ部27a,28a,29aとの間に隙間が存在している。しかし、実際には各折り曲げ部27a,28a,29aは、各切り欠き溝41を形成する面に固定されている。
【0054】
図1及び図2に示すように、トップフォイル20において、第1縁211、第2縁212、及び第3縁213は、軸受ハウジング40に固定されない。第1縁211、第2縁212、及び第3縁213は、トップフォイル20の周方向Bに位置する一端である自由端51を形成している。自由端51は、複数の縁211,212,213により形成されている。トップフォイル20は、周方向Bに位置する一端である自由端51を有している。
【0055】
トップフォイル20は、第1折り曲げ部27a及び第1折り目27、第2折り曲げ部28a及び第2折り目28、第3折り曲げ部29a及び第3折り目29により形成される固定端52を有している。トップフォイル20は、軸受ハウジング40に固定される固定端52を有している。第1折り曲げ部27a及び第1折り目27は、第1縁211に対向する部位である。第2折り曲げ部28a及び第2折り目28は、第2縁212に対向する部位である。第3折り曲げ部29a及び第3折り目29は、第3縁213に対向する部位である。自由端51を形成する1つの縁には、固定端52を形成する1つの部位が対向している。固定端52は、自由端51を形成する縁211,212,213の各々に対向する部位により形成されている。
【0056】
固定端52は、周方向Bにおいて自由端51と所定の隙間Sをおいて対向している。隙間Sは、第1隙間S1と、第2隙間S2と、第3隙間S3とにより形成されている。第1隙間S1、第2隙間S2、及び第3隙間S3は、周方向Bにおいてトップフォイル20に等間隔に配置されている。隙間Sは、第1短縁方向D1に向かうにつれて第1長縁方向C1に段階的にずれるように配置されている。すなわち、隙間Sは、周方向Bにずれるように配置されている。固定端52は、トップフォイル20の周方向Bにおいて自由端51とは反対側に位置している。このため、固定端52は、トップフォイル20の周方向Bに位置する他端である。
【0057】
第1隙間S1、第2隙間S2、及び第3隙間S3の周方向Bにおける幅は、軸方向Aにおいて変化しない。第1隙間S1、第2隙間S2、及び第3隙間S3の各々の周方向Bの幅は同じである。すなわち、自由端51と固定端52との隙間Sの距離は一定である。
【0058】
第1延設板部P1は、自由端51を形成する1つの縁である第1縁211を一端として、第1縁211に対向する第1折り曲げ部27a及び第1折り目27を他端とする円弧状である。第2延設板部P2は、自由端51を形成する1つの縁である第2縁212を一端として、第2縁212に対向する第2折り曲げ部28a及び第2折り目28を他端とする円弧状である。第3延設板部P3は、自由端51を形成する1つの縁である第3縁213を一端として、第3縁213に対向する第3折り曲げ部29a及び第3折り目29を他端とする円弧状である。よって、トップフォイル20は、自由端51を形成する1つの縁を一端とし、当該縁に対向する固定端52を形成する部位を他端とする円弧状の延設板部を複数有している。
【0059】
トップフォイル20は、第1隙間S1及び第3隙間S3の任意の位置に軸方向Aで隣り合う第2延設板部P2を有している。トップフォイル20は、第2隙間S2の任意の位置に軸方向Aで隣り合う第1延設板部P1及び第3延設板部P3を有している。したがって、第1延設板部P1、第2延設板部P2、及び第3延設板部P3は、隙間Sの任意の位置に軸方向Aで隣り合う壁部である。
【0060】
<バンプフォイル>
図1に示すように、各バンプフォイル30は、トップフォイル20と軸受ハウジング40の内周面40aとの間に配置されている。バンプフォイル30は、周方向Bにおいて隣り合う固定端52の間の各々に配置されている。各バンプフォイル30は、その厚さ方向に円弧状に湾曲した支持部30aを複数有している。各バンプフォイル30は、波板である。各支持部30aは、弾性変形可能である。各バンプフォイル30の支持部30aは、トップフォイル20に接触している。よって、各バンプフォイル30は、トップフォイル20を弾性的に支持している。
【0061】
各バンプフォイル30は、固定板部31を有している。各バンプフォイル30の固定板部31は、各切り欠き溝41に嵌合されている。各固定板部31は、各折り曲げ部27a,28a,29aとともに切り欠き溝41に嵌合されている。各固定板部31は、各切り欠き溝41に固定されている。なお、説明の便宜上、図1には、各切り欠き溝41と各固定板部31との間に隙間が存在している。しかし、実際には各固定板部31は、各切り欠き溝41を形成する面に固定されている。
【0062】
[本実施形態の作用]
本実施形態の作用を説明する。
図4に示すように、フォイル型気体軸受10は、回転軸60をラジアル方向に支持する。ラジアル方向とは、上述した径方向Rに一致する方向である。フォイル型気体軸受10は、連続板部P4を鉛直方向Vdの下方に位置した状態で使用される。図4の二点鎖線で示すように、回転軸60は、トップフォイル20の内側を貫通する。回転軸60が回転していないとき、もしくは低速回転しているとき、回転軸60は、連続板部P4により支持される。
【0063】
回転軸60の回転数が所定の回転数に到達したとき、トップフォイル20と回転軸60との間には、回転軸60の回転により引き込まれた空気により形成される空気膜が形成される。このため、回転軸60の回転数が所定の回転数に到達すると、フォイル型気体軸受10は、回転軸60に接触することなく空気膜により回転軸60を支持する。トップフォイル20の内側に挿通される回転軸60が回転したとき、トップフォイル20には、ラジアル荷重が作用する。
【0064】
トップフォイル20の隙間Sの位置は、トップフォイル20のうちで負荷容量が比較的に低い箇所である。よって、トップフォイル20は、ラジアル荷重を受けると、隙間Sが周方向Bに広がるように弾性変形する。換言すると、トップフォイル20は、自由端51が固定端52から離れるように弾性変形する。そして、トップフォイル20の弾性変形を各バンプフォイル30が弾性的に支持する。このため、トップフォイル20を軸受ハウジング40に対して接触させずに回転軸60が支持される。
【0065】
本実施形態によれば、トップフォイル20に形成される隙間Sが周方向Bにずれている。このため、トップフォイル20には、隙間Sの任意の位置に軸方向Aで隣り合う壁部としての第1延設板部P1、第2延設板部P2、及び第3延設板部P3が存在する。
【0066】
トップフォイル20の隙間Sが形成されている部分にラジアル荷重が作用しても、隙間Sの任意の位置に軸方向Aで隣り合う第1延設板部P1、第2延設板部P2、及び第3延設板部P3が、ラジアル荷重を受ける。よって、トップフォイル20の軸方向Aの全長に直線状に隙間が形成されるフォイル型気体軸受と比較して、トップフォイル20の負荷容量の低下が抑制される。
【0067】
[本実施形態の効果]
本実施形態の効果を説明する。
(1-1)隙間Sが周方向Bにずれるように配置されている。このため、トップフォイル20の隙間Sが形成されている部分にラジアル荷重が作用しても、隙間Sの任意の位置に軸方向Aで隣り合う第1延設板部P1、第2延設板部P2、及び第3延設板部P3によりラジアル荷重を受けることができる。よって、トップフォイル20の軸方向Aの全長に直線状に隙間が形成されるフォイル型気体軸受と比較して、トップフォイル20の負荷容量の低下を抑制できる。
【0068】
(1-2)トップフォイル20に形成される隙間Sは、周方向B及び軸方向Aに離散的に配置される。よって、隙間Sがトップフォイル20の軸方向Aの全長に延びないうえに、隙間Sの任意の位置と軸方向Aで隣り合う第1延設板部P1、第2延設板部P2、及び第3延設板部P3を、ラジアル軸受を受ける壁部とすることができる。したがって、トップフォイル20の軸方向Aの全長に直線状に隙間が形成されるフォイル型気体軸受と比較して、トップフォイル20の負荷容量の低下をより抑制できる。
【0069】
(1-3)トップフォイル20は、連続板部P4を有している。回転軸60が低速回転している、又は回転軸60が回転しない場合、連続板部P4により回転軸60を支持できる。よって、トップフォイル20に形成される隙間Sに回転軸60が接触することを抑制しやすい構成にできる。また、第1接続縁214と第1接続縁224とが接触している部分や、第2接続縁215と第2接続縁225とが接触している部分に回転軸60が接触することを抑制しやすい構成にできる。
【0070】
(1-4)隙間Sの距離が一定であることにより、トップフォイル20の負荷容量の低下をより抑制できる。
[第2実施形態]
以下、フォイル型気体軸受を具体化した第2実施形態を図5図6、及び図7にしたがって説明する。なお、本実施形態の第1実施形態との主な相違点は、トップフォイル20の形状を変更した点である。その点について詳しく説明し、第1実施形態と同じ構成については、同じ符号を付し、詳細な説明を割愛する。
【0071】
<トップフォイルが展開された状態>
以下、トップフォイル20が展開された平板状の薄板である状態を前提としてトップフォイル20の構成を説明する。
【0072】
図5に示すように、トップフォイル20は、その厚さ方向から見たときに平行四辺形状である。トップフォイル20の第1端21は、第3端23の一端23aと第4端24の一端24aとを接続している。第1端21は、第3端23の一端23aから第1長縁方向C1に向かうにつれて第1短縁方向D1に向けて直線状に延びている。
【0073】
トップフォイル20の第2端22は、第3端23の他端23bと第4端24の他端24bとを接続している。第2端22は、第3端23の他端23bから第1長縁方向C1に向かうにつれて第1短縁方向D1に向けて直線状に延びている。第1端21と第2端22とは互いに平行に延びている。
【0074】
トップフォイル20には、折り目20aが存在する。図5の破線で示すように、折り目20aは、長縁方向Cにおいて第2端22から所定の距離だけ離れた位置に設けられている。折り目20aは、第2端22に平行に延びている。折り目20aは、第3端23から第4端24に至るまで延びている。トップフォイル20において、折り目20aから第2端22までの部分を折り曲げ部20bとする。折り曲げ部20bは、トップフォイル20を筒状に形成したときにトップフォイル20の径方向Rの外側に向けて折り曲げられる部分である。折り目20aは、折り曲げ部20bの折り曲げ位置を示している。トップフォイル20において、第1端21から折り目20aまでの長縁方向Cの長さL4は、軸受ハウジング40の内周面40aの円周よりも若干小さい。
【0075】
第4端24の一端24aは、長縁方向Cにおいて、第3端23の一端23aと、第3端23と折り目20aとの交点との間に配置されている。すなわち、短縁方向Dにおいて、第1端21と第2端22とが重ならない。第4端24の一端24aから第3端23に向けて短縁方向Dに延びる仮想線を第5仮想線VL5とする。折り目20aと第3端23との交点から第4端24に向けて短縁方向Dに延びる仮想線を第6仮想線VL6とする。
【0076】
トップフォイル20は、第1部位20cと、第2部位20dと、第3部位20eと、を有している。第1部位20cは、第1端21と、第5仮想線VL5と、第3端23の一部とにより区画された部分である。第2部位20dは、第5仮想線VL5と、第6仮想線VL6と、第3端23の一部と、第4端24の一部とにより区画された部分である。第3部位20eは、折り目20aと、第6仮想線VL6と、第4端24の一部とにより区画された部分である。
【0077】
<トップフォイルを筒状に形成した状態>
図5及び図6に示すように、展開された状態のトップフォイル20を筒状に形成する場合、第1端21と折り目20aとが対向するようにトップフォイル20を円弧状に湾曲させる。そして、折り曲げ部20bは、径方向Rの外側に突出するように折り曲げられる。
【0078】
図6及び図7に示すように、折り曲げ部20bは、軸方向Aに対して傾斜している。径方向Rにおいて折り曲げ部20bを見たとき、折り曲げ部20bは、第1長縁方向C1に向かうにつれて第1短縁方向D1に向けて延びている。なお、折り曲げ部20bは、図示しないが、軸受ハウジング40の切り欠き溝41に固定される。この場合、切り欠き溝41は、折り曲げ部20bが延びる方向に沿って軸受ハウジング40の内周面40aに設けられるとよい。
【0079】
第1端21と、折り目20aとの間に所定の隙間S4が形成されている。第1端21と折り目20aとは平行に延びている。第1端21及び折り目20aは、軸方向Aに対して傾斜している。隙間S4は、第1長縁方向C1に向かうにつれて第1短縁方向D1に向けて連続的にずれるように配置されている。隙間S4は、軸方向Aに対して傾斜している。すなわち、隙間S4は、周方向Bにずれるように配置されている。
【0080】
<自由端、固定端、壁部>
トップフォイル20において、第1端21は、軸受ハウジング40に固定されない。よって、第1端21は、自由端51である。第1端21は、トップフォイル20の周方向Bに位置する一端である。トップフォイル20は、周方向Bに位置する一端である自由端51を有している。自由端51は、軸方向Aに対して傾斜している。
【0081】
トップフォイル20は、折り曲げ部20b及び折り目20aにより形成される固定端52を有している。トップフォイル20は、軸受ハウジング40に固定される固定端52を有している。固定端52は、周方向Bにおいて自由端51と所定の隙間S4をおいて対向している。固定端52は、自由端51に沿って延びている。固定端52は、周方向Bにおいて自由端51とは反対側に位置している。このため、固定端52は、トップフォイル20の周方向Bに位置する他端である。
【0082】
隙間S4は、自由端51と固定端52との間に形成されている。隙間S4の周方向Bにおける幅は、軸方向Aにおいて変化しない。よって、自由端51と固定端52との隙間S4の距離は一定である。
【0083】
トップフォイル20は、隙間S4の任意の位置に軸方向Aで隣り合う第1部位20c及び第3部位20eを有している。したがって、第1部位20c及び第3部位20eは、隙間S4の任意の位置に軸方向Aで隣り合う壁部である。第1部位20c及び第3部位20eは、隙間S4を軸方向Aで挟み込む位置に配置されている。
【0084】
[本実施形態の作用及び効果]
本実施形態の作用及び効果を説明する。
(2-1)隙間S4は、周方向Bにずれるように配置されている。このため、トップフォイル20の隙間S4が形成されている部分にラジアル荷重が作用しても、隙間S4の任意の位置に軸方向Aで隣り合う第1部位20c及び第3部位20eによりラジアル荷重を受けることができる。よって、トップフォイル20の軸方向Aの全長に直線状に隙間が形成されるフォイル型気体軸受と比較して、トップフォイル20の負荷容量の低下を抑制できる。
【0085】
(2-2)自由端51は、軸方向Aに対して傾斜している。そして、固定端52は、自由端51に沿って延びている。隙間S4は、自由端51と固定端52との間に形成されている。
【0086】
このため、隙間S4を軸方向Aで挟みこむ第1部位20c及び第3部位20eが少なくとも存在する。よって、トップフォイル20の軸方向Aの全長に直線状に隙間が形成されるフォイル型気体軸受と比較して、トップフォイル20の負荷容量の低下を抑制できる。
【0087】
(2-3)自由端51と固定端52との隙間S4の距離が一定であることにより、トップフォイル20の負荷容量の低下をより抑制できる。
[第3実施形態]
以下、フォイル型気体軸受を具体化した第3実施形態を図8及び図9にしたがって説明する。なお、本実施形態の第1実施形態との主な相違点は、トップフォイル20の形状を変更した点である。その点について詳しく説明し、第1実施形態と同じ構成については、同じ符号を付し、詳細な説明を割愛する。
【0088】
<トップフォイルが展開された状態>
以下、トップフォイル20が展開された平板状の薄板である状態を前提としてトップフォイル20の構成を説明する。
【0089】
図8に示すように、第3端23及び第4端24の短縁方向Dの中央を第3端23及び第4端24と平行に延びる仮想線を第7仮想線VL7とする。
トップフォイル20の第1端21は、第1縁21aと、第2縁21bと、を有している。第1縁21aは、第3端23の一端23aから第7仮想線VL7に向けて延びている。第1縁21aは、第1長縁方向C1に向かうにつれて第1短縁方向D1に向けて直線状に延びている。第2縁21bは、第4端24の一端24aから第7仮想線VL7に向けて延びている。第2縁21bは、第1長縁方向C1に向かうにつれて第1短縁方向D1とは反対の方向に直線状に延びている。第2縁21bは、第1縁21aに接続されている。
【0090】
トップフォイル20の第2端22は、第1縁22aと、第2縁22bと、を有している。第1縁22aは、第3端23の他端23bから第7仮想線VL7に向けて延びている。第1縁22aは、第1長縁方向C1に向かうにつれて第1短縁方向D1に向けて直線状に延びている。第1縁22aは、第1縁21aと平行である。
【0091】
第2縁22bは、第4端24の他端24bから第7仮想線VL7に向けて延びている。第2縁22bは、第1長縁方向C1に向かうにつれて第1短縁方向D1とは反対の方向に直線状に延びている。第2縁22bは、第2縁21bと平行である。
【0092】
トップフォイル20には、第1折り目20f及び第2折り目20gが存在する。図8の破線で示すように、第1折り目20fは、長縁方向Cにおいて第1縁22aから所定の距離だけ離れた位置に設けられている。第1折り目20fは、第1縁22aに平行に延びている。第1折り目20fは、第3端23から第7仮想線VL7に至るまで延びている。
【0093】
図8の破線で示すように、第2折り目20gは、長縁方向Cにおいて第2縁22bから所定の距離だけ離れた位置に設けられている。第2折り目20gは、第2縁22bに平行に延びている。第2折り目20gは、第4端24から第7仮想線VL7に至るまで延びている。第2折り目20gは、第1折り目20fに連続している。
【0094】
トップフォイル20は、切れ目20hを有している。切れ目20hは、第1縁22aと第2縁22bとの交点から第1折り目20fと第2折り目20gとの交点まで直線状に設けられている。切れ目20hは、第7仮想線VL7に沿って設けられている。切れ目20hは、トップフォイル20をその厚さ方向に切断している。
【0095】
トップフォイル20において、第1折り目20fから第1縁22aまでの部分を第1折り曲げ部20iとする。第1折り曲げ部20iは、トップフォイル20を筒状に形成したときにトップフォイル20の径方向Rの外側に向けて折り曲げられる部分である。第1折り目20fは、第1折り曲げ部20iの折り曲げ位置を示している。
【0096】
トップフォイル20において、第2折り目20gから第2縁22bまでの部分を第2折り曲げ部20jとする。第2折り曲げ部20jは、トップフォイル20を筒状に形成したときにトップフォイル20の径方向Rの外側に向けて折り曲げられる部分である。第2折り目20gは、第2折り曲げ部20jの折り曲げ位置を示している。切れ目20hは、第1折り曲げ部20iと第2折り曲げ部20jとを分離している。
【0097】
トップフォイル20において、第1縁21aから第1折り目20fまでの長縁方向Cの長さは、第2縁21bから第2折り目20gまでの長縁方向Cの長さと同じである。すなわち、トップフォイル20において、第1端21から第1折り目20f及び第2折り目20gまでの長縁方向Cの長さL5は、常に同じ大きさである。長さL5は、軸受ハウジング40の内周面40aの円周よりも若干小さい。
【0098】
第1端21における第1縁21aと第2縁21bとの交点は、長縁方向Cにおいて、第1折り目20fと第3端23との交点と、第3端23の一端23aとの間に配置されている。第1端21における第1縁21aと第2縁21bとの交点は、長縁方向Cにおいて、第2折り目20gと第4端24との交点と、第4端24の一端24aとの間に配置されている。すなわち、短縁方向Dにおいて、第1端21と第2端22とが重ならない。
【0099】
第1縁21aと第2縁21bとの交点を通過して短縁方向Dに延びる仮想線を第8仮想線VL8とする。第1折り目20fと第3端23との交点と、第2折り目20gと第4端24との交点とを結ぶ仮想線を第9仮想線VL9とする。
【0100】
トップフォイル20は、第1部位20kと、第2部位20mと、第3部位20nと、第4部位20pと、を有している。第1部位20kは、第1縁21aと、第3端23の一部と、第8仮想線VL8とにより区画された部分である。第2部位20mは、第2縁21bと、第4端24の一部と、第8仮想線VL8とにより区画された部分である。第3部位20nは、第8仮想線VL8と、第9仮想線VL9と、第3端23の一部と、第4端24の一部とにより区画された部分である。第4部位20pは、第9仮想線VL9と、第1折り目20fと、第2折り目20gとにより区画された部分である。
【0101】
<トップフォイルを筒状に形成した状態>
図8及び図9に示すように、展開された状態のトップフォイル20を筒状に形成する場合、第1縁21aと第1折り目20fとが対向するように、且つ第2縁21bと第2折り目20gとが対向するようにトップフォイル20を円弧状に湾曲させる。そして、第1折り曲げ部20i及び第2折り曲げ部20jは、径方向Rの外側に突出するように折り曲げられる。
【0102】
図9に示すように、第1折り曲げ部20iは、軸方向Aに対して傾斜している。第2折り曲げ部20jは、軸方向Aに対して傾斜している。径方向Rにおいて第1折り曲げ部20iを見たとき、第1折り曲げ部20iは、第1長縁方向C1に向かうにつれて第1短縁方向D1に向けて延びている。径方向Rにおいて第2折り曲げ部20jを見たとき、第2折り曲げ部20jは、第1長縁方向C1に向かうにつれて第1短縁方向D1とは反対の方向に向けて延びている。なお、各折り曲げ部20i,20jは、図示しないが、軸受ハウジング40の切り欠き溝41に固定される。この場合、切り欠き溝41は、各折り曲げ部20i,20jが延びる方向に沿って軸受ハウジング40の内周面40aに設けられるとよい。
【0103】
第1折り目20fと第2折り目20gとの交点は、軸方向Aにおいて第1縁21aと第2縁21bとに挟まれる位置に配置されている。
第1縁21a及び第1折り目20fは、軸方向Aに対して傾斜している。トップフォイル20が円弧状に湾曲した状態において、第2縁21b及び第2折り目20gは、軸方向Aに対して傾斜している。
【0104】
第1端21と、各折り目20f,20gとの間に隙間S5が形成されている。第1縁21aと第1折り目20fとは平行に延びている。第2縁21bと第2折り目20gとは平行に延びている。隙間S5は、第1長縁方向C1に向かうにつれて第1短縁方向D1に向けて延びる部分と、第1長縁方向C1に向かうにつれて第1短縁方向D1とは反対の方向に延びる部分と、を含んでいる。隙間S5は、第1長縁方向C1に向かうにつれて短縁方向Dに連続的にずれるように配置されている。隙間S5は、軸方向Aに対して傾斜している。すなわち、隙間S5は、周方向Bにずれるように配置されている。
【0105】
<自由端、固定端、壁部>
トップフォイル20において、第1端21は、自由端51である。第1端21は、トップフォイル20の周方向Bに位置する一端である。トップフォイル20は、周方向Bに位置する一端である自由端51を有している。自由端51は、軸方向Aに対して傾斜している。
【0106】
トップフォイル20は、各折り曲げ部20i,20j及び各折り目20f,20gにより形成される固定端52を有している。トップフォイル20は、軸受ハウジング40に固定される固定端52を有している。固定端52は、周方向Bにおいて自由端51と所定の隙間S5をおいて対向している。固定端52は、自由端51に沿って延びている。固定端52は、周方向Bにおいて自由端51とは反対側に位置している。このため、固定端52は、トップフォイル20の周方向Bに位置する他端である。
【0107】
隙間S5は、自由端51と固定端52との間に形成されている。隙間S5の周方向Bにおける幅は、軸方向Aにおいて変化しない。よって、自由端51と固定端52との距離は一定である。
【0108】
トップフォイル20は、隙間S5の任意の位置に軸方向Aで隣り合う第1部位20k、第2部位20m、及び第4部位20pを有している。したがって、第1部位20k、第2部位20m、及び第4部位20pは、隙間S4の任意の位置に軸方向Aで隣り合う壁部である。第1部位20k及び第3部位20nは、隙間S4の一部を軸方向Aで挟み込む位置に配置されている。
【0109】
[本実施形態の作用及び効果]
本実施形態の作用及び効果を説明する。
(3-1)隙間S5は、周方向Bにずれるように配置されている。このため、トップフォイル20の隙間S5が形成されている部分にラジアル荷重が作用しても、隙間S5の任意の位置に軸方向Aで隣り合う第1部位20k、第2部位20m、及び第4部位20pによりラジアル荷重を受けることができる。よって、トップフォイル20の軸方向Aの全長に直線状に隙間が形成されるフォイル型気体軸受と比較して、トップフォイル20の負荷容量の低下を抑制できる。
【0110】
(3-2)自由端51は、軸方向Aに対して傾斜している。そして、固定端52は、自由端51に沿って延びている。隙間S5は、自由端51と固定端52との間に形成されている。
【0111】
このため、隙間S5を軸方向Aで挟みこむ第1部位20k及び第2部位20mが少なくとも存在する。よって、トップフォイル20の軸方向Aの全長に直線状に隙間が形成されるフォイル型気体軸受と比較して、トップフォイル20の負荷容量の低下を抑制できる。
【0112】
(3-3)自由端51と固定端52との隙間S5の距離が一定であることにより、トップフォイル20の負荷容量の低下をより抑制できる。
[変更例]
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施できる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
【0113】
○ 第1実施形態において、トップフォイル20を以下のように変更してもよい。
図10に示すように、展開された状態のトップフォイル20を前提として説明する。第1縁211,221、第2縁212,222、第3縁213,223、各折り目27,28,29は、第1長縁方向C1に向かうにつれて第1短縁方向D1に向けて直線状に延びるように形状を変更してもよい。本変更例のトップフォイル20を筒状に形成した場合について以下説明する。
【0114】
図11図12、及び図13に示すように、自由端51が軸方向Aに対して傾斜している。固定端52が軸方向Aに対して傾斜している。自由端51及び固定端52は、平行である。
【0115】
図11に示すように、トップフォイル20において、第3延設板部P3の一部が軸方向Aにおいて第3隙間S3に隣り合っている。よって、第3延設板部P3は、第2延設板部P2と同様に、第3隙間S3の任意の位置に軸方向Aで隣り合う壁部である。
【0116】
図12に示すように、トップフォイル20において、第2延設板部P2の一部が軸方向Aにおいて第2隙間S2に隣り合っている。よって、第2延設板部P2は、第1延設板部P1及び第3延設板部P3と同様に、第2隙間S2の任意の位置に軸方向Aで隣り合う壁部である。
【0117】
図13に示すように、トップフォイル20において、第1延設板部P1の一部が軸方向Aにおいて第1隙間S1に隣り合っている。よって、第1延設板部P1は、第2延設板部P2と同様に、第1隙間S1の任意の位置に軸方向Aで隣り合う壁部である。
【0118】
○ 上記変更例において、第1縁211,221、第2縁212,222、第3縁213,223、各折り目27,28,29は、第1長縁方向C1に向かうにつれて第1短縁方向D1に向けて直線状に延びていたが、これに限らない。例えば、第1縁211,221、第2縁212,222、第3縁213,223、各折り目27,28,29が曲線状となっていてもよい。自由端51及び固定端52の形状は、適宜変更してもよい。
【0119】
○ 第1実施形態において、トップフォイル20は、連続板部P4を有していなくてもよい。以下、具体的に説明する。
図14に示すように、展開された状態のトップフォイル20を前提として説明する。
【0120】
トップフォイル20の第2縁212の位置は、長さL1の2/3の大きさの距離だけ第1縁211から第1長縁方向C1に向けて離れた位置と一致している。トップフォイル20の第3縁213の位置は、長さL2の2/3の大きさの距離だけ第2縁212から第1長縁方向C1に向けて離れた位置と一致している。すなわち、短縁方向Dにおいて、第1端21の一部と、第2端22の一部とが重なっている。このため、各延設板部P1,P2,P3が短縁方向Dにおいて連続しない状態となる。
【0121】
○ 第1実施形態において、第1隙間S1、第2隙間S2、及び第3隙間S3が周方向Bに等間隔に配置されていたが、これに限らない。第1隙間S1、第2隙間S2、及び第3隙間S3は、周方向Bに所定の間隔をおいて配置されていればよい。すなわち、隙間Sは、周方向Bにずれるように配置されていればよい。
【0122】
○ 第1実施形態において、トップフォイル20において、自由端51は、複数の縁211,212,213により形成されている。そして、トップフォイル20において、固定端52は、自由端51を形成する縁の各々に対向する部位により形成されている。自由端51を形成する縁の数を4つ以上としてもよい。そして、固定端52は、自由端51を形成する縁の各々に対向する部位を有していればよい。なお、自由端51を形成する縁の数に応じて、延設板部の数が増減する。
【0123】
○ 第1実施形態において、第1切れ目25及び第2切れ目26は、直線状に形成されていたが、短縁方向Dに幅を有する切れ込みであってもよい。
○ 第2及び第3実施形態において、第1端21の全体が軸方向Aに対して傾斜しており、第2端22の全体が軸方向Aに対して傾斜していたが、これに限らない。例えば、第1端21及び第2端22は、軸方向Aに延びる部分を含んでいてもよい。このため、自由端51は、軸方向Aに対して傾斜している部分を少なくとも含んでいることが好ましい。同様に、固定端52は、軸方向Aに対して傾斜している部分を少なくとも含んでいることが好ましい。そして、隙間S4,S5は、第1端21における軸方向Aに対して傾斜している部分と、第2端22における軸方向Aに対して傾斜している部分との間に少なくとも形成されていればよい。
【0124】
○ 第2及び第3実施形態において、自由端51の形状、及び固定端52の形状は適宜変更してもよい。ただし、隙間S4,S5がトップフォイル20の軸方向Aの一端から他端に向けて直線的に連通しないように形状を変更する。
【0125】
○ 第2及び第3実施形態において、短縁方向Dにおいて、第1端21と第2端22とが重なるように第1端21の形状及び第2端22の形状を変更してもよい。
○ 第3実施形態において、切れ目20hは、直線状に形成されていたが、短縁方向Dに幅を有する切れ込みであってもよい。
【0126】
○ 上記各実施形態において、自由端51と固定端52との隙間S,S4,S5の距離は一定でなくてもよい。自由端51と固定端52とが平行に延びていなくてもよい。第2及び第3実施形態に本変更例を適用する場合、隙間S4,S5がトップフォイル20の軸方向Aの一端から他端に向けて直線的に連通しないように自由端51及び固定端52の形状を変更する。
【0127】
○ 上記各実施形態において、固定端52は、軸受ハウジング40の切り欠き溝41に嵌合されることにより固定されていたが、これに限らない。例えば、固定端52は、軸受ハウジング40の内周面40aに溶接することにより固定してもよい。この場合、切り欠き溝41は、バンプフォイル30の固定板部31を固定するために使用する。なお、バンプフォイル30は、軸受ハウジング40の内周面40aに溶接することにより固定してもよい。固定端52及びバンプフォイル30を溶接により固定する手法を採用する場合、軸受ハウジング40の切り欠き溝41は省略してもよい。また、固定端52を溶接により固定する手法を採用する場合、トップフォイル20における第1折り目27、第2折り目28、第3折り目29、及び、第1折り曲げ部27a、第2折り曲げ部28a、第3折り曲げ部29aは省略してもよい。
【0128】
○ 上記各実施形態において、バンプフォイル30は、3つ採用されていたが、採用数を適宜変更してもよい。例えば、バンプフォイル30は1つだけ採用されてもよい。この場合、固定端52が複数存在するのであれば、全ての固定端52の軸受ハウジング40への固定を妨げないように形状を適宜変更する。
【符号の説明】
【0129】
10…フォイル型気体軸受、20…トップフォイル、30…バンプフォイル、40…軸受ハウジング、51…自由端、52…固定端、60…回転軸、211…自由端を形成する縁としての第1縁、212…自由端を形成する縁としての第2縁、213…自由端を形成する縁としての第3縁、A…軸方向、B…周方向、C1…周方向のうち一方向としての第1長縁方向、D1…軸方向のうち一方向としての第1短縁方向、P1…第1延設板部、P2…第2延設板部、P3…第3延設板部、P4…連続板部、S,S4,S5…隙間。
図1
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