(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148306
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】電動工具用収納ケース
(51)【国際特許分類】
B25H 3/02 20060101AFI20231005BHJP
A61L 2/10 20060101ALI20231005BHJP
【FI】
B25H3/02
A61L2/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056252
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003052
【氏名又は名称】弁理士法人勇智国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水野 峻汰
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 将裕
【テーマコード(参考)】
3C012
4C058
【Fターム(参考)】
3C012BH01
4C058AA26
4C058AA30
4C058BB06
4C058DD11
4C058DD14
4C058DD16
4C058KK02
4C058KK23
(57)【要約】
【課題】電動工具に付着したウィルスや細菌の除去に資する技術を提供する。
【解決手段】電動工具収納ケースは、本体と、蓋と、電源部と、少なくとも1つの光源と、制御装置とを備える。本体は、底壁と、底壁の周縁から底壁に交差する方向に突出する周壁とを有する。蓋は、周壁の突出端により規定される開口を開放又は閉塞可能に構成されている。蓋は、上壁を有する。少なくとも1つの光源は、電源部から供給される電力によって、紫外線を含む光を発するように構成されている。制御装置は、電源部から少なくとも1つの光源への電力供給を制御するように構成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁と、前記底壁の周縁から前記底壁に交差する方向に突出する周壁とを有する本体と、
前記周壁の突出端により規定される開口を開放又は閉塞可能な蓋であって、上壁を有する蓋と、
電源部と、
前記電源部から供給される電力によって、紫外線を含む光を発するように構成された少なくとも1つの光源と、
前記電源部から前記少なくとも1つの光源への電力供給を制御するように構成された制御装置とを備えた電動工具収納ケース。
【請求項2】
前記少なくとも1つの光源は、前記底壁、前記周壁、及び前記上壁のうち少なくとも1つの内側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電動工具収納ケース。
【請求項3】
前記紫外線は、深紫外線であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動工具収納ケース。
【請求項4】
前記底壁、前記周壁、及び前記上壁のうち少なくとも1つの内側に配置された少なくとも1つの紫外線反射材を更に備えた請求項1~3の何れか1つに記載の電動工具収納ケース。
【請求項5】
前記少なくとも1つの光源と、前記少なくとも1つの紫外線反射材とは、前記底壁、前記周壁、及び前記上壁のうち互いに対向する壁の内側に夫々配置されていることを特徴とする請求項4に記載の電動工具収納ケース。
【請求項6】
前記電動工具が収容される位置を規定するように構成された位置規定部を更に備え、
前記少なくとも1つの紫外線反射材は、前記位置規定部によって画定される領域内に配置されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の電動工具収納ケース。
【請求項7】
前記位置規定部は、前記本体又は前記蓋に対して選択的に着脱可能であることを特徴とする請求項6に記載の電動工具収納ケース。
【請求項8】
前記底壁、前記周壁、及び前記上壁のうち少なくとも1つの内側に配置された少なくとも1つの紫外線吸収材を更に備えた請求項1~7の何れか1つに記載の電動工具収納ケース。
【請求項9】
前記蓋が前記開口を閉塞する閉位置にあることを検出するように構成された第1検出装置を更に備え、
前記制御装置は、前記蓋が前記閉位置にある場合にのみ、前記少なくとも1つの光源を点灯するように構成されていること特徴とする請求項1~8の何れか1つに記載の電動工具収納ケース。
【請求項10】
前記開口を閉塞する閉位置で前記蓋を前記本体にロックするように構成されたロック機構と、
前記蓋が前記ロック機構によってロックされていることを検出するように構成された第2検出装置とを備え、
前記制御装置は、前記蓋がロックされている場合にのみ、前記少なくとも1つの光源を点灯するように構成されていること特徴とする請求項1~9の何れか1つに記載の電動工具収納ケース。
【請求項11】
前記電源部は、前記電動工具に着脱可能なバッテリと電気的に接続可能な第1接続部、及び、外部電源と電気的に接続可能な第2接続部のうち少なくとも一方を含むこと特徴とする請求項1~10の何れか1つに記載の電動工具収納ケース。
【請求項12】
前記電源部は、前記第1接続部及び前記第2接続部を含むこと特徴とする請求項11に記載の電動工具収納ケース。
【請求項13】
前記第1接続部は、前記本体の内部に配置されていること特徴とする請求項11又は12に記載の電動工具収納ケース。
【請求項14】
外部からの手動操作が可能な操作部を更に備え、
前記制御装置は、前記操作部を介して入力された指示に応じて、前記少なくとも1つの光源の動作を制御するように構成されていることを特徴とする請求項1~13の何れか1つに記載の電動工具収納ケース。
【請求項15】
外部機器と通信が可能な通信装置を更に備え、
前記制御装置は、前記通信装置を介して前記外部機器から入力された指示に応じて、前記少なくとも1つの光源の動作を制御するように構成されていることを特徴とする請求項1~14の何れか1つに記載の電動工具収納ケース。
【請求項16】
前記周壁の外面又は前記上壁の外面に配置され、前記前記少なくとも1つの光源の動作態様に関する情報を表示可能な表示部を更に備えた請求項1~15の何れか1つに記載の電動工具収納ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動工具を収納可能なケースに関する。
【背景技術】
【0002】
本体ケースと、本体ケースを開閉可能な蓋体とを備え、電動工具を収納可能なケースが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ウィルスや細菌に対する防衛意識が高まっている。複数の作業者によって共用されうる電動工具にも、ウィルスや細菌の除去に関する要望が存在する。
【0005】
上述の状況に鑑み、本開示は、電動工具に付着したウィルスや細菌の除去に資する技術を提供することを、非限定的な1つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の非限定的な1つの態様によれば、本体と、蓋と、電源部と、少なくとも1つの光源と、制御装置とを備えた電動工具収納ケースが提供される。本体は、底壁と、底壁の周縁から、底壁に交差する方向に突出する周壁とを有する。蓋は、周壁の突出端により規定される開口を開放又は閉塞可能に構成されている。少なくとも1つの光源は、電源部から供給される電力によって、紫外線を含む光を発するように構成されている。制御装置は、電源部から少なくとも1つの光源への電力供給を制御するように構成されている。
【0007】
本態様の電動工具収納ケースは、紫外線を含む光を発する光源を備えている。よって、光源から発せられる紫外線によって、収容された電動工具に付着したウィルスや細菌の少なくとも一部を除去することができる。また、制御装置は、光源への電力供給を制御することで、光源の点灯、消灯等、光源の動作を適宜制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】蓋が閉位置にあるときの電動工具収納ケースの斜視図である。
【
図2】蓋が開位置にあるときの電動工具収納ケースの斜視図である。
【
図3】電動工具収納ケースの内部構造を示す模式図である。
【
図4】本体内に配置された位置規定部の説明図である。
【
図5】本体内に配置された別の位置規定部の説明図である。
【
図7】
図6のA-A線における断面図であって、ロック部材がアンロック位置にあるときのロック機構と第2検出装置の説明図である。
【
図8】
図6のA-A線における断面図であって、ロック部材がロック位置にあるときのロック機構と第2検出装置の説明図である。
【
図11】本体と、開位置にある蓋を上からみた図であって、光源の配置の一例の説明図である。
【
図13】電動工具収納ケースの電気的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の非限定的な一実施形態において、少なくとも1つの光源は、底壁、周壁、及び上壁のうち少なくとも1つの内側に配置されていてもよい。この実施形態によれば、収容された電動工具の少なくとも一部に紫外線を照射しやすい光源の配置が実現される。
【0010】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、少なくとも1つの光源から発せられる光に含まれる紫外線は、深紫外線(UV-C)であってもよい。この実施形態によれば、ウィルスや細菌の除去効果を高めることができる。
【0011】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、電動工具収納ケースは、底壁、周壁、及び上壁のうち少なくとも1つの内側に配置された少なくとも1つの紫外線反射材を更に備えてもよい。この実施形態によれば、少なくとも1つの紫外線反射材が光源から発せられた紫外線を反射して、電動工具に効率的に当てることが可能となる。
【0012】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、少なくとも1つの光源と、少なくとも1つの紫外線反射材とは、底壁、周壁、及び上壁のうち互いに対向する壁の内側に夫々配置されていてもよい。この実施形態によれば、光源から発せられた紫外線を反射しやすい紫外線反射材の配置が実現される。
【0013】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、電動工具収納ケースは、電動工具が収容される位置を規定するように構成された位置規定部を備えてもよい。少なくとも1つの紫外線反射材は、位置規定部によって画定される領域内に配置されていてもよい。この実施形態によれば、少なくとも1つの紫外線反射材は、電動工具の近傍で、電動工具に効率的に紫外線を当てることが可能となる。
【0014】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、位置規定部は、本体又は蓋に対して選択的に着脱可能であってもよい。この実施形態によれば、本体に収容される電動工具に応じて位置規定部を交換することが可能となる。よって、電動工具収納ケースを異なる種類の電動工具に共通して使用することが可能となる。
【0015】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、電動工具収納ケースは、底壁、周壁、前記上壁のうち少なくとも1つの内側に配置された少なくとも1つの紫外線吸収材を更に備えてもよい。この実施形態によれば、紫外線吸収材により、紫外線による本体及び蓋の劣化を抑制することができる。
【0016】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、電動工具収納ケースは、第1検出装置を更に備えてもよい。第1検出装置は、蓋が本体の開口を閉塞する閉位置にあることを検出するように構成されていてもよい。制御装置は、蓋が閉位置にある場合にのみ、少なくとも1つの光源を点灯するように構成されていてもよい。この実施形態によれば、蓋が開かれている状態では、光源から紫外線が発せられないため、紫外線が使用者に当たる可能性を低減することができる。
【0017】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、電動工具収納ケースは、ロック機構と、第2検出装置とを更に備えてもよい。ロック機構は、本体の開口を閉塞する閉位置で蓋を本体にロックするように構成されていてもよい。第2検出装置は、蓋が前記ロック機構によってロックされていることを検出するように構成されていてもよい。制御装置は、蓋がロックされている場合にのみ、少なくとも1つの光源を点灯するように構成されていてもよい。この実施形態によれば、紫外線が使用者に当たる可能性を確実に低減することができる。
【0018】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、電源部は、電動工具に着脱可能なバッテリと電気的に接続可能な第1接続部、及び、外部電源と電気的に接続可能な第2接続部のうち少なくとも一方を含んでもよい。この実施形態によれば、光源に電力を供給可能な合理的構成が実現される。
【0019】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、電源部は、電動工具に着脱可能なバッテリと電気的に接続可能な第1接続部、及び、外部電源と電気的に接続可能な第2接続部を含んでもよい。この実施形態によれば、バッテリ又は外部電源を選択的に使用可能となるため、利便性が向上する。
【0020】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、電動工具に着脱可能なバッテリと電気的に接続可能な第1接続部は、本体の内部に配置されていてもよい。この実施形態によれば、光源から発せられる紫外線によって、電動工具のみならず、電源として使用されるバッテリに付着したウィルスや細菌の少なくとも一部を除去することができる。
【0021】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、電動工具収納ケースは、外部からの手動操作が可能な操作部を更に備えてもよい。制御装置は、操作部を介して入力された指示に応じて、少なくとも1つの光源の動作を制御するように構成されていてもよい。この実施形態によれば、使用者は、操作部を介して所望の指示を入力し、光源を動作させることができる。
【0022】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、電動工具収納ケースは、外部機器と通信が可能な通信装置を更に備えてもよい。なお、通信装置は、外部機器と無線通信が可能であっても、有線通信が可能であってもよく、その通信方式は特に限定されない。制御装置は、通信装置を介して外部機器から入力された指示に応じて、少なくとも1つの光源の動作を制御するように構成されていてもよい。この実施形態によれば、使用者は、電動工具収納ケースとは別個の外部機器(例えば、携帯端末)を介して所望の指示を入力し、光源を動作させることができる。よって、使用者は、電動工具収納ケースから離れた場所にいる場合にも外部機器を介して光源を動作させることができるため、利便性が向上する。
【0023】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、電動工具収納ケースは、周壁の外面又は上壁の外面に配置され、前記少なくとも1つの光源の動作態様に関する情報を表示可能な表示部を更に備えてもよい。この実施形態によれば、使用者は表示部を視認して光源の動作態様を把握できるため、利便性が向上する。
【0024】
以下、図面を参照して、本開示に係る電動工具収納ケースの代表的且つ非限定的な実施形態について、具体的に説明する。
【0025】
まず、電動工具収納ケース1(以下、単に収納ケース1という)の概略構成について説明する。
【0026】
図1~
図3に示すように、収納ケース1は、中空体であって、電動工具91等を収容するための収容空間20を内部に有する。本実施形態では、収納ケース1は、手持ち式の電動工具91(
図4参照)等を少なくとも収容可能に構成されている。
【0027】
収納ケース1は、本体2と、蓋3とを備えている。本体2及び蓋3は、何れも合成樹脂製である。本体2は、一方向に開口する有底の箱状体である。蓋3は、本体2の開口201を閉塞する閉位置(
図1に示す位置)と、開口201を開放する開位置(
図2に示す位置)との間で変位可能である。収納ケース1の内側には、少なくとも1つの光源5が取り付けられている。光源5は、紫外線を含む光を発する光源(紫外線光源)である。また、収納ケース1は、光源5に電力を供給する電源部6と、光源5の動作を制御するコントローラ7とを備える。収納ケース1では、コントローラ7は、電源部6から光源5への電力供給を制御することで、光源5の動作(点灯、消灯)を制御する。光源5から放射される紫外線は、収納ケース1に収容された電動工具91等に付着したウィルスや細菌の少なくとも一部を除去することができる。
【0028】
以下、収納ケース1の詳細構成について説明する。
【0029】
まず、本体2の構成について説明する。
【0030】
図1~
図3に示すように、本体2は、底壁21と、底壁21の周縁から、底壁21に交差する方向(詳細には、実質的に直交する方向)に突出する筒状の周壁22とを含む。底壁21は、蓋3が開閉されるときに、地面、床、台車、机等の上に載置される前提の部分である。以下では、説明の便宜上、収納ケース1の底壁21が、水平面上に載置されたときの姿勢を基準として、収納ケース1の方向を定義する。つまり、収納ケース1の底壁21が水平面上に載置されたときに水平方向に直交する方向が、収納ケース1の上下方向である。水平面上に配置される側が収納ケース1の下側であり、水平面から離れる側が上側である。周壁22は、底壁21から上方に延びている。周壁22の突出端(上端)によって規定される(囲まれる)開口201は、本体2の外部から本体2の内部空間にアクセスすることを可能とする。
【0031】
本実施形態の本体2は、概ね矩形箱状である。底壁21は概ね長方形状の壁部であり、周壁22は、矩形筒状の壁部である。周壁22は、長方形状の底壁21に対応して、矩形状の4つの側壁を含む。以下では、説明の便宜上、周壁22のうち底壁21の長辺に接続する2つの側壁を、夫々、前壁221、後壁223といい、底壁21の短辺に接続する2つの側壁を、夫々、左壁225、右壁227というものとする。なお、本体2の形状は、ここに例示されるものに限られず、例えば、底壁21の形状は、円、楕円、多角形であってもよく、底壁21の形状に応じて、周壁22の構成も変更されうる。
【0032】
次に、蓋3について説明する。
【0033】
図1~
図3に示すように、蓋3は、上壁31と、上壁31の周縁から下方に突出する筒状の周壁32とを含む。本体2の周壁22及び蓋3の周壁32は、全体として、収納ケース1の周壁を構成する。本体2と同様、長方形状の上壁31に対応して、周壁32は、矩形状の4つの側壁を含む矩形筒状の壁部として形成されている。以下では、説明の便宜上、周壁32のうち上壁31の長辺に接続する2つの側壁を、夫々、前壁321、後壁323といい、上壁31の長辺に接続する2つの側壁を、夫々、左壁325、右壁327というものとする。
【0034】
なお、蓋3の形状がここに例示されるものに限られないことは、本体2と同様である。例えば、本実施形態で例示される蓋3の周壁32は、上下方向において、本体2の周壁22よりも大幅に短い。よって、本体2の底壁21と周壁22とが、電動工具91等の収容空間20を実質的に規定している。しかしながら、周壁22、32は、上下方向において同程度の長さを有してもよい。そして、本体2の底壁21と周壁22とが、電動工具91等の収容空間20の一部を規定し、蓋3の上壁31と周壁32とが、収容空間20の一部を規定してもよい。つまり、本開示で言う「本体」と「蓋」という概念は便宜上のものであり、収納ケース1は、互いに連結された2つの部材の内部に収容空間20が規定された中空体であればよい。
【0035】
蓋3の後壁323は、本体2の後壁223の上端部に複数のヒンジ(図示略)を介して連結されている。これにより、蓋3は、閉位置(
図1に示す位置)と、開位置(
図2に示す位置)との間で回動可能である。なお、蓋3が閉位置にあるとき、蓋3の周壁32の下端面が本体2の周壁22の上端面に実質的に当接し、蓋3は、本体2の上端の開口201を閉塞する(覆う)。蓋3が開位置にあるとき、蓋3は、周壁32が周壁22の上端から離間し、開口201を開放する。なお、蓋3は、必ずしも本体2に回動可能に連結されている必要はない。例えば、蓋3は、本体2から取り外し可能であって、本体2の上端部に嵌合されることで、本体2の開口201を覆うように構成されてもよい。
【0036】
以上に説明した本体2及び/又は蓋3には、位置規定部25、操作部81、表示部83、ロック機構4、第1検出装置85、第2検出装置87が設けられうる。以下、これらの構成について、順に説明する。
【0037】
まず、
図4及び
図5を参照して、位置規定部25について説明する。位置規定部25は、電動工具91等が収容される位置(収容空間20において電動工具91等が保持される位置)を規定するように構成されており、本体2又は蓋3の内部に設けられうる。
【0038】
図4に示す例では、位置規定部25は、本体2に取り付けられた少なくとも1つの仕切り部材251として構成されている。仕切り部材251は、例えば、本体2の内部空間において、電動工具91が配置される領域と他の領域とを仕切る、及び/又は、電動工具91を所定位置で保持するように構成されうる。更に、別の仕切り部材251によって、電動工具91以外の物品(例えば、バッテリ93、バッテリの充電器95、アクセサリが収容された容器、ライト等)が配置される領域が仕切られていてもよい。仕切り部材251は、本体2に取り外し不能に固定されていてもよいし、本体2から取り外し可能であってもよい。仕切り部材251の形状は特に限定されず、例えば、板状であってもよいし、棒状(ピン状)であってもよい。蓋3が収容空間20の一部を規定する場合、同様に、蓋3に少なくとも1つの仕切り部材251が設けられうる。
【0039】
図5に示す例では、位置規定部25は、本体2に設けられた少なくとも1つの凹部254として構成されている。少なくとも1つの凹部254は、電動工具91(及び電動工具91以外の物品)に対応する形状を有し、電動工具91(及び電動工具91以外の物品)は、凹部254に嵌め込まれ、保持される。なお、凹部254は、本体2に嵌め込まれた取り外し可能なホルダ253に形成されていてもよいし、本体2の底壁21に直接形成されていてもよい。前者の場合、使用者は、ホルダ253を、別の種類の電動工具91等に対応する凹部254を有する別のホルダ253に交換することができる。この場合、使用者は、収納ケース1を別の種類の電動工具91の持ち運びにも利用することができるため、収納ケース1の利便性が向上する。蓋3が収容空間20の一部を規定する場合、同様に、蓋3にホルダ253や凹部254が設けられうる。
【0040】
以下、
図1を参照して、操作部81及び表示部83について説明する。
【0041】
外部からの手動操作が可能な操作部81及び情報を表示可能な表示部83は、夫々、本体2又は蓋3の外面に設けられうる。使用者は、操作部81を手動操作することで、各種指示や情報を入力することができる。操作部81を介して入力される指示は、例えば、光源5の点灯開始又は消灯の指示、点灯時間(光源が継続して点灯される時間)等に関する情報を含みうる。表示部83に表示される情報は、例えば、操作部81を介して入力された指示や光源5の動作態様に関する情報を含みうる。使用者は、表示部83を視認することで、光源5の動作態様を容易に把握することができる。操作部81及び表示部83は、夫々、電線(図示略)を介して、コントローラ7(詳細には、制御回路71(
図13参照))に電気的に接続されている。
【0042】
図1に示す例では、操作部81及び表示部83は、上壁31の外面(収納ケース1の上面)に配置されている。この場合、収納ケース1が地面等に載置された状態での操作部81の操作及び表示部83の視認が容易となる。あるいは、操作部81及び表示部83は、周壁32の外面又は本体2の周壁22の外面(収納ケース1の側面)に設けられてもよい。また、操作部81と表示部83とは、夫々、収納ケース1の別の部位に配置されてもよい。あるいは、操作部81(及び表示部83)は、本体2及び蓋3とは別個に設けられた専用の操作ユニット(例えば、リモコン)に配置されていてもよい。操作ユニットは、電線を介して、又は無線でコントローラ7に接続されうる。
【0043】
操作部81は、使用者による手動操作に応じて指示を入力可能である限り、いかなる構成であってもよい。例えば、各種スイッチ(押しボタン式、スライド式、摘まみ式等)、タッチセンサ(静電容量式、抵抗膜式)等が採用されうる。なお、静電容量式のタッチセンサが採用される場合、操作部81が収納ケース1の上面に設けられても、収納ケース1の上に載置された別の収納ケース1又は別の物品による操作部81の誤動作の可能性を効果的に低減することができる。
【0044】
図1に示す例では、操作部81は、オン/オフスイッチ811と、時間設定スイッチ813とを含む。オン/オフスイッチ811は、光源5の点灯又は消灯の指示を入力するためのスイッチである。オン/オフスイッチ811は、入力された指示に対応する信号を、コントローラ7(制御回路71)に出力する。時間設定スイッチ813は、光源5の点灯時間を設定するためのスイッチである。時間設定スイッチ813は、設定された点灯時間に対応する信号を、コントローラ7(制御回路71)に出力する。
【0045】
表示部83には、情報を表示可能ないかなる装置が採用されてもよい。例えば、発光ダイオード(LED)、セグメントLED/液晶、液晶ディスプレイ等が採用されうる。
【0046】
図1に示す例では、表示部83は、インジケータライト831と、ディスプレイ833とを含む。インジケータライト831は、LEDを含み、光源5が点灯されている間点灯されることで、光源5が点灯中であることを報知する。ディスプレイ833には、設定された光源5の点灯時間が表示される。インジケータライト831の点灯/消灯、ディスプレイ833の表示は、コントローラ7(制御回路71)によって制御される。なお、インジケータライト831は省略され、例えば、光源5の点灯中と消灯中とでディスプレイ833の点灯時間の表示態様が変更されることで、光源5の点灯状態が表示されてもよい。
【0047】
以下、
図6~
図8を参照して、ロック機構4について説明する。
【0048】
ロック機構4は、本体2に対して蓋3を閉位置でロック可能である限り、いかなる構成であってもよい。典型的には、ロック機構4は、本体2と蓋3に夫々設けられ、互いに係合可能な第1係合部と第2係合部とを備える。
図1の例では、ロック機構4の数は2であるが、1であっても3以上であってもよい。
【0049】
図6~
図8に示す例では、ロック機構4は、本体2に設けられたロック部材41と、蓋3に設けられた突起43とを含む。
【0050】
ロック部材41の下部は、ピン42を介して、本体2の前壁221に連結されており、ピン42の軸周りに回動可能に支持されている。ピン42は実質的に左右方向に延びている。また、ピン42は、上下方向に移動可能に前壁221に支持されている。より詳細には、ピン42の両端部は、前壁221に形成された溝231に嵌め込まれている。溝231は、上下方向に延びる長溝であり、ピン42の両端部は溝231に沿って上下方向に摺動可能である。かかる構成により、ロック部材41は、ピン42と共に前壁221に対して上下方向に移動可能、且つ、ピン42の軸周りに前後方向に回動可能である。また、ロック部材41の上後端部には、突起411が設けられている。突起411は、下方に突出している。
【0051】
突起43は、蓋3の前壁321に設けられている。突起43は、側面視L字状であって、前壁321から前方に突出する第1部分431と、第1部分の前端部から上方に延びる第2部分432とを含む。ロック部材41の突起411は、前壁321の外面(前面)と第2部分432との間の隙間に挿入可能である。
【0052】
ロック機構4を用いて蓋3をロックする手順は、具体的には以下の通りである。まず、
図7に実線で示すように、ロック部材41がアンロック位置にあるとき、ロック部材41の上部は蓋3の突起43から前方に離間しており、ピン42は溝231内の下端部内にある。続いて、
図7に一点鎖線で示すように、ロック部材41がアンロック位置から上方に移動され、ピン42が溝231内の上端部内に配置される。その後、
図8に一点鎖線で示すように、ロック部材41は後方に回動される。
図8に実線で示すように、ロック部材41が下方に移動され、ロック部材41の突起411が、蓋3の前壁321の外面と第2部分432との間の隙間に挿入されると、ロック部材41はロック位置に配置される。
【0053】
ロック部材41がロック位置にあるときには、突起411(第1係合部)と突起43(第2係合部)との係合により、ロック部材41の回動が妨げられる。よって、蓋3はロック部材41によって本体2にロックされ、閉位置から開位置へ移動不能である。なお、蓋3のロックを解除する手順は、基本的に上述のロック手順の逆である。
【0054】
以下、
図9及び
図10を参照して、第1検出装置85について説明する。
【0055】
第1検出装置は、蓋3が閉位置にあることを検出するように構成された装置である。第1検出装置85は、非接触式の検出装置であってもよいし、接触式の検出装置であってもよい。第1検出装置85は、コントローラ7(詳細には、制御回路71(
図13参照))に電気的に接続されている。詳細は後述するが、コントローラ7(制御回路71)は、第1検出装置85の検出結果に基づいて、光源5の動作を制御することができる。
【0056】
図9に示す例では、第1検出装置85には、ホールセンサ851が採用されている。ホールセンサ851は、ホール素子を備えた周知のセンサであって、所定の検出範囲内にある磁石852を検出可能である。ホールセンサ851は、磁石852の検出に応じて、特定の信号をコントローラ7へ出力するように構成されている。
【0057】
ホールセンサ851は、本体2の前壁221の上端部の内面に固定されている。磁石852は、蓋3の前壁321の下端部の内面に固定されている。あるいは、この配置とは逆に、ホールセンサ851が蓋3に固定され、磁石852が本体2に固定されてもよい。蓋3が閉位置(
図9に示す位置)にあるとき、磁石852は、ホールセンサ851の検出範囲内に配置される。よって、ホールセンサ851は信号を出力する。一方、蓋3が開位置に向けて図の矢印方向に回動されると、磁石852は、ホールセンサ851の検出範囲から離脱するため、ホールセンサ851は信号を出力しない。このように、ホールセンサ851は、蓋3が閉まっていることを検出し、対応する信号をコントローラ7へ出力する。
【0058】
また、
図10に示す例では、第1検出装置85として、モーメンタリスイッチ855が採用されている。モーメンタリスイッチ855は、ボタンが押圧されている間オン状態で維持され、押圧が解除されるとオフ状態に復帰するように構成されたスイッチである。モーメンタリスイッチ855は、オン状態にある場合、特定の信号をコントローラ7へ出力するように構成されている。
【0059】
モーメンタリスイッチ855は、本体2の前壁221の上端に固定されている。蓋3の前壁321の下端には、モーメンタリスイッチ855のボタンの押圧用の突起856が設けられている。但し、
図9の例と同様、この配置関係は逆であってもよい。蓋3が閉位置(
図10に示す位置)にあるとき、モーメンタリスイッチ855は、突起856によって押圧され、オン状態である。よって、モーメンタリスイッチ855は信号を出力する。一方、蓋3が開位置に向けて図の矢印方向に回動されると、突起856によるモーメンタリスイッチ855の押圧が解除されるため、モーメンタリスイッチ855は信号を出力しない。このように、モーメンタリスイッチ855は、蓋3が閉まっていることを検出し、対応する信号をコントローラ7へ出力する。
【0060】
なお、第1検出装置85として、上述の例の他、例えば、リードスイッチや、光学式のセンサ(例えば、フォトインタラプタ)が採用されうる。また、第1検出装置85の位置も、上述の例示に限られず、適宜変更されうる。
【0061】
以下、
図7及び
図8を参照して、第2検出装置87について説明する。
【0062】
第2検出装置87は、ロック部材41がロック位置にあることを検出するように構成された装置である。第2検出装置87は、第1検出装置85と同様、非接触式の位置検出装置であってもよいし、接触式の検出装置であってもよい。第2検出装置87は、コントローラ7(詳細には、制御回路71(
図13参照))に電気的に接続されている。詳細は後述するが、コントローラ7(制御回路71)は、第2検出装置87の検出結果に基づいて、光源5の動作を制御することができる。
【0063】
図7及び
図8に示す例では、第2検出装置87として、周知の構成を有するホールセンサ871が採用されている。ホールセンサ871は、蓋3の前壁321の内部に固定されている。また、ロック部材41の上端部(詳細には突起411)には、磁石872が固定されている。ロック部材41がアンロック位置(
図7に示す位置)にあるとき、磁石872は、ホールセンサ871の検出範囲外にあるため、ホールセンサ851は信号を出力しない。一方、ロック部材41がロック位置(
図8に示す位置)にあるとき、磁石872は、ホールセンサ851の検出範囲内にあるため、ホールセンサ851は信号を出力する。このように、ホールセンサ871は、蓋3がロックされていることを検出し、対応する信号をコントローラ7へ出力する。
【0064】
なお、詳細な図示と説明は省略するが、ホールセンサ871に代えて、モーメンタリスイッチ、リードスイッチ、フォトインタラプタ等が第2検出装置87として採用されてもよい。また、第2検出装置87の位置も、上述の例示に限られず、適宜変更されうる。なお、ロック機構4が複数設けられている場合、第2検出装置87の数は1であってもよいし、複数であってもよい。
【0065】
【0066】
上述のように、光源5には、ウィルスや細菌の除去を目的として、紫外線光源が採用されている。紫外線は、波長の違いにより、紫外線A波(UV-A)、紫外線B波(UV-B)、紫外線C波(深紫外線ともいう)(UV-C)に分類される。光源5には、UV-A、UV-B、UV-Cのうち何れを含む光を発する紫外線光源が採用されてもよい。また、光源5の種類は特に限定されず、ランプ(例えば、メタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプ、水銀放電ランプ)やLEDが採用されうる。但し、ウィルスや細菌の不活化能力に鑑みると、深紫外線光源が採用されることが好ましい。不活化能力の高いUV-Cを効率よく発生することができるという観点からは、深紫外線LED(UV-C LED)が採用されるとより好ましい。
【0067】
光源5は、収納ケース1に収容される電動工具91等が、光源5から放射されるUV-Cに曝されるように、収納ケース1(本体2、蓋3)の内側に取り付けられる。光源5の数及び配置は、光源5の種類(例えば、光の指向性、強度)や、収納ケース1内の電動工具91等の配置等に応じて適宜選択されうる。例えば、蓋3の上壁31の内面310、本体2の底壁21の内面210、周壁22の内面220のうち少なくとも1つに、1つ又は複数の光源5が配置されうる。
【0068】
図11の例では、複数の光源5が、上壁31の内面310の全体に満遍なく配置されている。しかしながら、電動工具91等の配置に応じて、内面310の一部の領域(例えば、右半分、左半分、中央部)にのみ、少なくとも1つの光源5が配置されてもよい。例えば、
図12に示す例では、電動工具91は、収容空間20のうち左半分の領域内に設けられた凹部254に嵌め込まれ、保持されている。紫外線は、ウィルスや細菌の除去には有用であるが、合成樹脂製品は、長時間紫外線に曝されると劣化しやすい。そこで、この例では、蓋3の内面310のうち、蓋3が閉位置に配置されたときに電動工具91に対向する(電動工具91の真上に配置される)領域311内にのみ、複数の光源5(深紫外線LED)が取り付けられている。内面210、220に光源5が配置される場合、同様にして、光源5の数及び配置が適宜選択されうる。
【0069】
また、光源5から放射される紫外線を、電動工具91等に効果的に当てるために、収納ケース1の内側には、少なくとも1つの紫外線反射材55が設けられうる。紫外線反射材55には、いかなる公知の紫外線反射材が採用されてもよい。また、紫外線反射材55は、例えば、板(シート)、フィルム、塗料等として構成されうる。
【0070】
紫外線反射材55の数及び配置は、紫外線反射材55の種類や、収納ケース1内の光源5及び電動工具91等の配置等に応じて適宜選択されうる。例えば、光源5から放射された紫外線を効率的に反射すべく、少なくとも1つの光源5と、少なくとも1つの紫外線反射材55とが、蓋3の上壁31の内面310、本体2の底壁21の内面210、周壁22の内面220のうち、互いに対向する面に夫々配置されていてもよい。例えば
図11に示すように、光源5が上壁31の内面310に配置される場合、対向する底壁21の内面210に紫外線反射材55が配置される。
【0071】
あるいは、光源5から発せられた紫外線を電動工具91等に集中的に当てるべく、少なくとも1つの紫外線反射材55が、上述の位置規定部25によって画定される領域内に配置されていてもよい。例えば、
図4に示す例において、板状の仕切り部材251のうち、電動工具91等と対向する面全体又は一部に、シート状の紫外線反射材55が貼り付けられていてもよい。あるいは、
図5に示す例において、凹部254の内面全体又は一部に、塗料である紫外線反射材55が塗布されていてもよい。紫外線反射材55は、特にウィルスや細菌が付着しやすい部分に対応する領域(例えば、電動工具91の把持部に対向する領域)にのみ配置されてもよい。
【0072】
更に、
図4及び
図5に示すように、紫外線による合成樹脂製の本体2及び蓋3の劣化を抑制するために、収納ケース1の内側には、少なくとも1つの紫外線吸収材57が設けられうる。紫外線吸収材57には、いかなる公知の紫外線吸収材が採用されてもよい。紫外線吸収材57は、例えば、板(シート)フィルム、塗料等として構成されうる。紫外線吸収材57は、例えば、収納ケース1の内面のうち、光源5及び紫外線反射材55が配置されていない領域全体に配置されてもよいし、光源5に対向する領域にのみ配置されてもよい。例えば、
図5に示す例において、ホルダ253のうち、凹部254が形成されていない部分に、紫外線吸収材57が塗布されていてもよい。
【0073】
【0074】
電源部6は、光源5等に電力を供給するために設けられている。
図3に示す例では、電源部6は、バッテリ93を着脱可能な2つのバッテリ装着部61と、バッテリ93以外の外部電源に接続可能なコネクタ65とを含む。
【0075】
2つのバッテリ装着部61には、夫々、2種類の異なるバッテリ93(例えば、18Vバッテリと36Vバッテリ)を着脱可能である。バッテリ93は、例えば、電動工具91に取り外し可能に装着されて電動工具91に電力を供給する周知のバッテリである。また、周知の構成であるため簡単に説明すると、各バッテリ装着部61は、バッテリ93の一対の溝に係合可能な一対のスライドレール615と、バッテリ93のロック部材に係合可能な凹部(図示略)とを備えている。また、各バッテリ装着部61は、バッテリ93用の端子611を備えている。端子611は、バッテリ93が所定位置に配置されるのに応じて、バッテリ93の端子(図示略)と電気的に接続可能である。端子611は、電線を介して、コントローラ7(詳細には、電源回路72(
図13参照))に電気的に接続されている。
【0076】
バッテリ装着部61は、本体2の内部に設けられている。よって、光源5から放射される紫外線により、バッテリ装着部61に装着されたバッテリ93に付着したウィルスや細菌の少なくとも一部を除去することができる。また、バッテリ装着部61のスライドレール615は、上下方向に延在しており、バッテリ93は、下方にスライドされてバッテリ装着部61に装着される。よって、使用者は、蓋3が開位置にある状態の本体2に対し、バッテリ93を容易に装着する、又は取り外すことができる。
【0077】
コネクタ65は、DC電源入力用のコネクタ(いわゆるDCジャック)であって、接続コードを介して、例えば、ACアダプタ、自動車のシガーソケット、USBデバイス等と電気的に接続可能である。つまり、コネクタ65は、バッテリ93以外の外部電源と電気的に接続可能である。なお、ACアダプタ等の出力側のコネクタ(いわゆるDCプラグ)は、本体2の外部でコネクタ65に接続可能である。コネクタ65は、電線を介して、コントローラ7(詳細には、電源回路72(
図13参照))に電気的に接続されている。
【0078】
このような構成の電源部6によれば、使用者は、光源5の電源として、2種類のバッテリ93、外部電源を選択的に使用可能となるため、利便性が向上する。但し、電源部6は、1つのバッテリ装着部61とコネクタ65とを備えてもよいし、バッテリ装着部61のみ、又は、コネクタ65のみを備えてもよい。あるいは、電源部6は、外部のAC電源に接続可能なプラグを備えてもよいし、充電式の内蔵バッテリを備えてもよい。
【0079】
以下、
図3及び
図13を参照して、コントローラ7の物理的構成及び収納ケース1全体の電気的構成の一例について説明する。
【0080】
図3に示す例では、コントローラ7は、ケース79と、ケース79に収容され、制御回路71等が搭載された回路基板70とを備える。紫外線からの保護のため、ケース79の外面は、紫外線吸収材57で覆われていると好ましい。コントローラ7は、収納ケース1内に配置されている。なお、コントローラ7は、本体2に収容されてもよいし、蓋3の内側に取り付けられていてもよい。
【0081】
図13は、収納ケース1の電気的構成の一例を示す。この例では、コントローラ7は、制御回路71と、電源回路72と、アンド回路73、74と、駆動回路76と、通信回路77と、アンテナ78とを備える。
【0082】
制御回路71は、CPU、ROM、RAM等を含むマイクロコントローラユニット(MCU)で構成されており、収納ケース1の各部の動作を制御する。制御回路71には、電源回路72と、アンド回路74と、駆動回路76と、通信回路77とが接続されている。
【0083】
電源回路72には、電源部6のバッテリ装着部61の端子611と、コネクタ65とが接続されている。電源回路72は、端子611を介してバッテリ93から供給される電力、又は、コネクタ65を介して外部電源から供給される電力を所定の電圧に調整して、制御回路71、光源5等に電力を供給する。電源回路72と光源5の間にはスイッチ75が配置されている。スイッチ75は、通常はオフ状態であり、アンド回路74によってオン状態に切り替えられる。
【0084】
なお、バッテリ93が端子611に接続され、且つ、外部電源がコネクタ65に接続されている場合には、制御回路71は、外部電源からの電力を優先的に使用するように電源回路72を制御してもよい。また、制御回路71は、外部電源からの電力で端子611に接続されたバッテリ93を充電するように電源回路72を制御してもよい。
【0085】
アンド回路73は、第1検出装置85と、第2検出装置87と、アンド回路74とに接続されている。アンド回路73は、第1検出装置85及び第2検出装置87の両方から信号が出力されているときにのみ、アンド回路74に信号を出力する。つまり、アンド回路73は、蓋3が閉じられ、且つ、ロックされている場合にのみ、アンド回路74に信号を出力する。
【0086】
アンド回路74は、アンド回路73と、制御回路71と、スイッチ75とに接続されている。アンド回路73は、アンド回路73及び制御回路71の両方から信号が出力されているときにのみ、スイッチ75をオンとする。つまり、アンド回路73は、蓋3が閉じられ、且つ、ロックされており、更に、制御回路71からアンド回路74に信号が出力された場合にのみ、スイッチ75をオンとする。スイッチ75がオンとされると、電源回路72から光源5への電力供給が可能となる。
【0087】
駆動回路76は、光源5を点灯するための回路である。制御回路71は、駆動回路76を介して光源5に電源電力を供給することで、光源5を点灯させる。
【0088】
通信回路77は、アンテナ78と接続されており、アンテナ78を介して外部機器(例えば、携帯端末)と無線通信可能である。なお、通信方式は特に限定されるものではない。通信回路77は、アンテナ78を介して外部機器から受信した情報に応じた信号を、制御回路71に出力する。外部機器からは、例えば、光源5の点灯又は消灯の指示、光源5の点灯時間の設定に関する情報が送信されうる。また、通信回路77は、制御回路71からの信号に応じて、アンテナ78を介して外部機器に情報を送信することもできる。
【0089】
また、制御回路71には、操作部81(オン/オフスイッチ811及び時間設定スイッチ813)と、表示部83(インジケータライト831及びディスプレイ833)と、第1検出装置85と、第2検出装置87とが接続されている。
【0090】
制御回路71は、時間設定スイッチ813又は通信回路77から、光源5の点灯時間の設定に関する信号を取得した場合、その信号に応じて点灯時間を設定し、RAMに記憶させるとともに、ディスプレイ833に点灯時間を表示させる。また、制御回路71は、オン/オフスイッチ811又は通信回路77から取得した光源5の点灯又は消灯の指示に関する信号と、第1検出装置85及び第2検出装置87から取得した信号とに応じて駆動回路76を制御し、光源5への電力供給(光源5の動作)を制御する。また、制御回路71は、光源5の動作とあわせて、インジケータライト831の動作を制御する。
【0091】
以下、
図14を参照して、制御回路71によって実行される点灯制御処理の一例について説明する。なお、この点灯制御処理は、電源部6及び電源回路72を介してバッテリ93又はバッテリ93以外の外部電源から制御回路71への電力供給が開始されるのに応じて開始され、電力供給が停止されると終了される。制御回路71は、ROMに予め記憶されたプログラムに基づいて処理を実行する。なお、以下の説明及び図では、処理中の各「ステップ」を「S」と簡略表記する。
【0092】
制御回路71は、まず、第1検出装置85から信号が出力されたか否か、つまり、蓋3が閉じられているか否かを判断する(S1)。制御回路71は、蓋3が閉じられていないと判断した場合(S1:NO)、第1検出装置85から信号の監視に戻る(S1)。制御回路71は、蓋3が閉じられていると判断した場合(S1:YES)、第2検出装置87から信号が出力されたか否か、つまり、蓋3がロックされているか否か判断する(S2)。制御回路71は、蓋3がロックされていないと判断した場合(S2:NO)、第1検出装置85から信号の監視に戻る(S1)。
【0093】
制御回路71は、蓋3がロックされていると判断した場合(S2:YES)、オン/オフスイッチ811又は通信回路77から信号が出力されたか否か、つまり、光源5の点灯が指示されたか否かを判断する(S3)。制御回路71は、点灯が指示されていないと判断した場合(S3:NO)、第1検出装置85から信号の監視に戻る(S1)。
【0094】
制御回路71は、点灯が指示されたと判断した場合(S3:YES)、駆動回路76を介して光源5を点灯し(S4)、更に、表示部83のインジケータライト831を点灯する(S5)。なお、制御回路71は、S3で通信回路77から信号を取得した場合(つまり、外部機器から指示が入力された場合)、通信回路77から外部機器に光源5の点灯を開始したことを示す情報を送信させてもよい。
【0095】
また、制御回路71は、S4において、駆動回路76に信号を出力するのとあわせて、アンド回路74にも信号を出力する。上述したように、アンド回路74は、アンド回路73及び制御回路71からの信号を取得した場合にのみ、スイッチ75をオンとして、電源回路72から光源5への電力供給を可能とする。このため、例えば、蓋3が閉じられていない/ロックされていないにもかかわらず、何らかの不具合で制御回路71がアンド回路74に信号を出力しても、アンド回路73が正常に動作する限り、アンド回路74はスイッチ75をオン状態としない。よって、光源5は点灯されない。
【0096】
続いて、制御回路71は、第2検出装置87から信号が出力されたか否か、つまり、蓋3がロックされているか否か判断する(S11)。制御回路71は、蓋3がロックされていると判断した場合(S11:YES)、第1検出装置85から信号が出力されたか否か、つまり、蓋3が閉じられているか否かを判断する(S12)。制御回路71は、蓋3が閉じられていると判断した場合(S12:YES)、オン/オフスイッチ811又は通信回路77から信号が出力されたか否か、つまり、光源5の消灯が指示されたか否かを判断する(S13)。
【0097】
制御回路71は、消灯が指示されていないと判断した場合(S13:NO)、設定された点灯時間が経過したか否かを判断する(S14)。なお、点灯時間が経過したか否かは、光源5を点灯してからの経過時間が、時間設定スイッチ813及び/又は通信回路77を介して設定され、RAMに記憶された点灯時間を超えたか否かで判断することができる。制御回路71は、設定された点灯時間が経過していないと判断した場合(S14:NO)、第2検出装置87から信号の監視に戻る(S11)。
【0098】
制御回路71は、設定された点灯時間が経過したと判断した場合(S14:YES)、光源5を消灯する(S15)。制御回路71は、更に、表示部83のインジケータライト831を消灯する(S16)。なお、制御回路71は、S13で通信回路77から信号を取得した場合(つまり、外部機器から指示が入力された場合)、通信回路77から外部機器に光源5を消灯したことを示す情報を送信させてもよい。制御回路71は、第1検出装置85から信号の監視に戻る(S1)。
【0099】
また、制御回路71は、蓋3がロックされていないと判断した場合(S11:NO)、蓋3が閉じられていないと判断した場合(S12:NO)、光源5の消灯が指示されたと判断した場合(S13:YES)には、そのままS15の処理に進み、光源5を消灯する。
【0100】
以上に説明したように、
図14の点灯制御処理では、制御回路71は、第1検出装置85及び第2検出装置87の検出結果に基づき、蓋3が閉じられているか否か、及び、蓋3がロックされているか否かを判断する。制御回路71は、蓋3が閉じられ、且つ、ロックされていると判断した場合にのみ、点灯開始の指示に応じて光源5を点灯する。よって、紫外線が使用者に当たる可能性を確実に低減することができる。
【0101】
また、制御回路71は、光源5の点灯中に、蓋3のロックが解除された、又は、蓋3が開かれたと判断した場合には、消灯の指示がなくても光源5を消灯する。つまり、点灯開始のみならず、点灯の継続にも、蓋3が閉じられ、且つ、ロックされていることが条件とされている。よって、紫外線が使用者に当たる可能性を更に確実に低減することができる。
【0102】
更に、上述のように、制御回路71のみならず、保護回路として機能するアンド回路73、74が設けられることで、制御回路71の不具合にも対応可能なコントローラ7が実現されている。
【0103】
また、制御回路71は、光源5の点灯開始後には、継続して蓋3が閉じられ、ロックされていれば、設定された点灯時間の経過後に光源5を消灯する。また、制御回路71は、光源5の点灯時間の経過前に消灯の指示を認識した場合には、光源5を消灯する。つまり、使用者は所望の点灯時間を設定でき、且つ、適宜、点灯時間中でも光源5を消灯させることができる。よって、収納ケース1の利便性が向上する。また、光源5は、点灯時間の間、又は、点灯開始から消灯が指示されるまでの間だけ点灯される。よって、蓋3が閉じられ、且つ、ロックされている間中、光源5が継続して点灯される場合に比べ、消費電力を低減することができる。
【0104】
なお、
図13に例示された収納ケース1の電気的構成及び
図14に例示された点灯制御処理には、例えば、以下の非限定的な変更が加えられうる。
【0105】
例えば、コントローラ7の制御回路71は、MCUに代えて、又はMCUに加えて、別個の電子部品(例えばディスクリート素子)の組合せを備えてもよい。あるいは、制御回路71は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)を備えてもよいし、プログラマブル・ロジック・デバイス(例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array))を備えてもよい。つまり、制御回路71の機能の一部又は全部は、ハードウェアで達成されてもよいし、ソフトウェアで達成されてもよい。
【0106】
第1検出装置85、第2検出装置87のうち一方は省略されてもよい。つまり、蓋3が閉じているか否か、及び、蓋3がロックされているか否かのどちらかにのみ基づいて、光源5の動作が制御されてもよい。つまり、点灯制御処理において、S1、S2のうち一方と、S11、S12のうち一方とは、省略されうる。また、この変更に応じてアンド回路73、74の構成は変更されうる。アンド回路73は省略され、アンド回路74は、第1検出装置85、第2検出装置87のうち一方と、制御回路71に接続されてもよい。また、アンド回路73、74は、省略されてもよい。
【0107】
操作部81、通信回路77及びアンテナ78、点灯時間を表示するためのディスプレイ833は、省略されてもよい。つまり、使用者による点灯開始又は消灯の指示、点灯時間の設定は、必ずしも行われなくてもよい。この場合、例えば、点灯制御処理では、S3、S13、S14が省略される。そして、第1検出装置85及び第2検出装置87の検出結果に基づき、蓋3が閉じられ、且つ、ロックされていると判断される間中、光源5が点灯され、蓋3が開かれた、又は、ロックが解除されたと判断されるのに応じて、光源5が消灯される。なお、インジケータライト831も省略されてもよい。
【0108】
また、通信回路77及びアンテナ78(又は操作部81)が省略され、操作部81(又は外部機器)のみから使用者による点灯開始及び消灯の指示、点灯時間の設定が行われてもよい。操作部81及び/又は外部機器からは、点灯開始の指示のみが入力可能であって、点灯時間は一律に定められていてもよい。操作部81及び/又は外部機器からは、点灯開始及び消灯の指示のみが入力可能であってもよい。この例では、第1検出装置85及び第2検出装置87が省略され、光源5は、指示に応じて点灯又は消灯されればよい。つまり、点灯制御処理において、S1、S2、S11、S12が省略されうる。
【0109】
上記実施形態の各構成要素(特徴)と本開示又は発明の各構成要素(特徴)の対応関係を以下に示す。但し、実施形態の各構成要素は単なる一例であって、本開示又は本発明の各構成要素を限定するものではない。
【0110】
制御回路71及びアンド回路73、74は、「制御装置」の一例である。バッテリ装着部61の端子611は、「第1接続部」の一例である。コネクタ65は、「第2接続部」の一例である。通信回路77及びアンテナ78は、「通信装置」の一例である。
【0111】
なお、上記実施形態は単なる例示であり、本開示に係る電動工具収納ケースは、例示された電動工具収納ケース1に限定されるものではない。上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【0112】
本発明及び上記実施形態の趣旨に鑑み、以下の態様が構築される。以下の態様のうち何れか1つのみ、あるいは複数が、実施形態の電動工具収納ケース1及びその変形例、あるいは各請求項に記載された発明と組み合わされて採用されうる。
[態様1]
前記少なくとも1つの光源は、少なくとも1つのLEDを含む。
[態様2]
前記位置規定部は、前記電動工具を所定位置で保持可能な凹部又は凸部を備え、且つ、前記本体又は前記蓋に対して選択的に着脱可能なホルダである。
[態様3]
前記第1検出装置は、前記本体に対する前記蓋の位置を検出する非接触式のセンサ、又は、前記蓋が前記閉位置に配置されるのに応じて動作する接触式のスイッチである。
[態様4]
前記ロック機構は、前記本体に設けられた第1係合部と、前記蓋に設けられ、前記第1係合部に対してロック位置に配置されるのに応じて前記第1係合部と係合する第2係合部とを含み、
前記第2検出装置は、前記第1係合部と前記第2係合部とが互いに係合していることを検出するように構成されている。
上記実施形態のロック部材41(突起411)は「第1係合部」の一例である。突起43は、「第2係合部」の一例である。
[態様5]
前記第2検出装置は、前記第2係合部に対する前記第1係合部の位置を検出する非接触式のセンサ、又は、前記第1係合部と前記第2係合部とが互いに係合するのに応じて動作する接触式のスイッチである。
【符号の説明】
【0113】
1:電動工具収納ケース、2:本体、3:蓋、4:ロック機構、5:光源、6:電源部、7:コントローラ、20:収容空間、21:底壁、22:周壁、25:位置規定部、31:上壁、32:周壁、41:ロック部材、42:ピン、43:突起、55:紫外線反射材、57:紫外線吸収材、61:バッテリ装着部、65:コネクタ、71:制御回路、72:電源回路、73:アンド回路、74:アンド回路、75:スイッチ、76:駆動回路、77:通信回路、78:アンテナ、79:ケース、81:操作部、83:表示部、85:第1検出装置、87:第2検出装置、91:電動工具、93:バッテリ、95:充電器、201:開口、210:内面、220:内面、221:前壁、223:後壁、225:左壁、227:右壁、231:溝、251:仕切り部材、253:ホルダ、254:凹部、310:内面、311:領域、321:前壁、323:後壁、325:左壁、327:右壁、411:突起、431:第1部分、432:第2部分、611:端子、615:スライドレール、811:オフスイッチ、813:時間設定スイッチ、831:インジケータライト、833:ディスプレイ、851:ホールセンサ、852:磁石、855:モーメンタリスイッチ、856:突起、871:ホールセンサ、872:磁石、A:紫外線、B:紫外線、C:紫外線、L:側面視