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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023148312
(43)【公開日】2023-10-13
(54)【発明の名称】アクセルペダル装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 26/02 20060101AFI20231005BHJP
   B60W 50/16 20200101ALI20231005BHJP
   G05G 1/30 20080401ALI20231005BHJP
   G05G 5/03 20080401ALI20231005BHJP
【FI】
B60K26/02
B60W50/16
G05G1/30 E
G05G5/03 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022056259
(22)【出願日】2022-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】100123696
【弁理士】
【氏名又は名称】稲田 弘明
(74)【代理人】
【識別番号】100100413
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 温
(72)【発明者】
【氏名】建部 崇典
(72)【発明者】
【氏名】矢吹 直人
(72)【発明者】
【氏名】古川 和樹
【テーマコード(参考)】
3D037
3D241
3J070
【Fターム(参考)】
3D037EA06
3D037EB02
3D037EB04
3D037EB25
3D241BA59
3D241DA14Z
3D241DA39Z
3D241DB02Z
3D241DB05Z
3D241DC46Z
3J070AA32
3J070BA11
3J070BA17
3J070BA51
3J070DA01
(57)【要約】
【課題】乗員による操作の精度を向上できるアクセルペダル装置を提供する
【解決手段】足踏み式のペダル30により車両1のアクセル操作が行われるアクセルペダル装置を、ペダルを加振する加振部601と、加振部に10乃至50Hzの周波数成分と100乃至300Hzの周波数成分との少なくとも一方を含む加振波形でペダルを加振させる加振制御部600とを備える構成とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
足踏み式のペダルにより車両のアクセル操作が行われるアクセルペダル装置であって、
前記ペダルを加振する加振部と、
前記加振部に、10乃至50Hzの周波数成分と100乃至300Hzの周波数成分との少なくとも一方を含む加振波形で前記ペダルを加振させる加振制御部と
を備えることを特徴とするアクセルペダル装置。
【請求項2】
前記アクセル操作がシビアとなる所定のアクセル操作シビア状態を判別するアクセル操作状態判別部を備え、
前記加振制御部は、前記アクセル操作シビア状態が判別された場合に、判別されない場合に対して前記加振波形の振幅を増加させること
を特徴とする請求項1に記載のアクセルペダル装置。
【請求項3】
前記車両の車速を検出する車速検出部を備え、
前記加振制御部は、前記車速の増加に応じて前記加振波形の振幅を増加させること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアクセルペダル装置。
【請求項4】
前記ペダルの操作速度を検出する操作速度検出部を備え、
前記加振制御部は、前記操作速度の増加に応じて前記加振波形の振幅を増加させること
を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のアクセルペダル装置。
【請求項5】
路面からの振動入力を検出する振動入力検出部を備え、
前記加振制御部は、前記振動入力の振幅増加に応じて、前記加振波形の振幅を増加させること
を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のアクセルペダル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両のアクセル操作が行われるアクセルペダル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両のペダル式操作装置等に関する技術として、例えば、特許文献1には、ペダルを効果的に加振して、確実に運転者に報知するため、踏込み操作に応じてペダル部材に反力を付加する反力付加手段と、ペダル部材を加振する加振手段と、加振手段の振動周波数を制御する加振制御手段とを備え、ペダル部材の共振周波数に基づいて加振の振動周波数を制御する車両用ペダル装置が記載されている。
特許文献2には、運転者に不快感、違和感を与えることなく、確実な情報提示を行うため、振動の周波数、振動の提示時間、振動振幅、及び複数の振動子の提示時間間隔の少なくとも一つを、人間の触感覚特性に合わせ、かつ、ドライバによって仮現運動現象が知覚されるように、危険状態に対して選択された複数の振動子を振動させて警告情報を提示する車両用情報提示装置が記載されている。
特許文献3には、ブレーキペダルから車両情報が得られるようにするため、ブレーキペダルに対してペダル反力を加える反力アクチュエータを備え、ペダル反力を調整することによりブレーキペダルを介して運転者に車両に関する情報伝達を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007- 22396号公報
【特許文献2】特開2008- 77631号公報
【特許文献3】特開2002-104153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
運転者は、アクセルペダルを操作する際に、スプリングによって返される反力(踏力)と、車両の加速度、挙動等を感じとり、操作量の微調整を行っている。
しかし、人間の操作は、反力が小さくなるほど空間的分解能が粗くなり、操作の精度が低下する。
これに対して、スプリングのばね定数を増加させるなどして、アクセル操作に対する反力を増大することも考えられるが、この場合、アクセル操作に要する操作力が大きくなって運転者に疲労感や違和感を与えてしまう。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、乗員による操作の精度を向上できるアクセルペダル装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明のアクセルペダル装置は、足踏み式のペダルにより車両のアクセル操作が行われるアクセルペダル装置であって、前記ペダルを加振する加振部と、前記加振部に、10乃至50Hzの周波数成分と100乃至300Hzの周波数成分との少なくとも一方を含む加振波形で前記ペダルを加振させる加振制御部とを備えることを特徴とする。
人による操作力(反力)の認識には、深部感覚と皮膚感覚とがあり、それぞれに対応する受容体(受容器)が反応することで反力を感じ取っている。ここで、反力が微小であるペダルの踏み始めの領域においては、皮膚感覚が支配的となる。
本発明によれば、皮膚感覚を司る受容体であるパチニ小体の感度が良好な周波数帯域(100乃至300Hz)と、マイスナー小体の感度が良好な周波数帯域(10乃至50Hz)との少なくとも一方でペダルを加振することにより、これらの受容体が刺激され、運転者が足の裏から受ける圧力変化を感じやすくなる。特に、皮膚感覚において最も応答が早いとされるパチニ小体の感度が良好な周波数帯域でペダルを加振することにより、より効果的にこのような効果を得ることができる。
これにより、運転者がペダルの操作量を知覚する空間分解能が向上し、精度が高いペダル操作を行うことが可能となる。このため、車両の運転しやすさや、走行のスムーズさを改善することができる。
また、ペダルの反力自体を増加させる(例えばスプリングのばね定数を高める)必要はないため、運転者の疲労感が悪化することがない。
特に、モータジェネレータを走行用動力源とする電動車両や、内燃機関のスロットルが電動アクチュエータによって駆動されるスロットルバイワイヤ式の車両の場合には、従来の車両であったような、スロットルケーブル(リンケージ)等を介したエンジンや駆動系からペダルへの振動の伝搬が低減される。
本発明においては、このような場合であっても、ペダルを加振して皮膚感覚の受容体を刺激することで、上述した効果を確保することができる。
【0006】
本発明において、前記アクセル操作がシビアとなる所定のアクセル操作シビア状態を判別するアクセル操作状態判別部を備え、前記加振制御部は、前記アクセル操作シビア状態が判別された場合に、判別されない場合に対して前記加振波形の振幅を増加させる構成とすることができる。
これによれば、アクセル操作がシビアとなる状況(典型的には氷雪路、泥濘路、非舗装路など)で、加振波形の振幅を増加させることにより、上述したペダル操作を精確化する効果を促進し、車両が不安定な状態や危険な状態に陥り、あるいは、トラクションコントロールや挙動制御が頻繁に介入して運転者に制御ビジー感を与えることを防止できる。
例えば、車両は、運転者により選択可能な複数の運転モードを有し、運転者が低摩擦係数(低μ)路走行モード(氷雪路モード、悪路走行モード等)を選択した場合に、アクセル操作シビア状態であると判別することができる。また、例えば、駆動輪の空転を検出した場合に駆動力を抑制するトラクションコントロール制御、制動力による車輪ロック時に車輪の回転を回復させるアンチロックブレーキ制御、アンダーステア又はオーバーステア挙動の発生時に、挙動を抑制する方向のヨーモーメントを発生させる挙動安定化制御の少なくとも一つの介入時に、アクセル操作シビア状態であると判別することができる。
【0007】
本発明において、前記車両の車速を検出する車速検出部を備え、前記加振制御部は、前記車速の増加に応じて前記加振波形の振幅を増加させる構成とすることができる。
これによれば、車速の増加に応じて路面から伝搬される振動の振幅が増加した場合であっても、この増加に応じて加振波形の振幅を増加させることにより、上述した効果を確保することができる。
【0008】
本発明において、前記ペダルの操作速度を検出する操作速度検出部を備え、前記加振制御部は、前記操作速度の増加に応じて前記加振波形の振幅を増加させる構成とすることができる。
これによれば、ペダルの操作速度の増加に応じて加振波形の振幅を増加させることで、ペダルの踏み込み動作、戻し動作を行う際における運転者の反力の感じやすさを効果的に向上することができる。特に、操作速度が速い場合は、加振振幅を増大させて反力感(圧感)を強調することで、操作速度に応じた変化を運転者に感じさせ、減衰項として作用させることができる。
【0009】
本発明において、路面からの振動入力を検出する振動入力検出部を備え、前記加振制御部は、前記振動入力の振幅増加に応じて、前記加振波形の振幅を増加させる構成とすることができる。
これによれば、例えば路面やタイヤのパターン形状が粗いことなどにより、路面から伝達される振動が増大する場合であっても、加振波形の振幅を増加させることによって、上述した効果を確保することができる。
ここで、振動入力検出部として、例えば、車両のバネ下部分(サスペンション装置のストロークに伴い、車体本体に対して可動する部分)の加速度を検出する加速度センサ、パワーステアリング装置においてステアリングシャフトに作用するトルクを検出するトルクセンサなどを用いることができる。
ここで、加振制御部は、路面からの振動入力の特定の周波数帯域(典型的には100乃至300Hzを含む帯域)を抽出し、抽出された帯域における振幅の増加に応じて加振波形の振幅を増加させる構成とすることができる。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明によれば、乗員による操作の精度を向上できるアクセルペダル装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明を適用したアクセルペダル装置の実施形態を有する車両のシステム構成を模式的に示す図である。
図2】実施形態におけるペダル部の構成を示す模式図である。
図3】実施形態における振動子制御ユニットの構成を模式的に示す図である。
図4】実施形態における加振波形の一例を模式的に示す図である。
図5】皮膚が圧力を受けた際に受容体が発する電気パルスのタイミングを模式的に示す図である。
図6】パチニ小体及びマイスナー小体の周波数に対する感度分布を示す図である。
図7】第1ゲイン調整部におけるゲイン調整の一例を模式的に示す図である。
図8】第2ゲイン調整部におけるゲイン調整の一例を模式的に示す図である。
図9】加速度センサの出力履歴の一例を模式的に示す図である。
図10】振動振幅演算部におけるトルク振幅の算出手法を模式的に示す図である。
図11】第3ゲイン調整部におけるゲイン調整の一例を模式的に示す図である。
図12】アクセルペダルの操作量と反力との相関の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用したアクセルペダル装置の実施形態について説明する。
実施形態のアクセルペダルは、例えば、乗用車等の自動車であって、走行用動力源としてモータジェネレータを有する電動車両のアクセル操作を行うものである。
図1は、実施形態のアクセルペダル装置を有する車両のシステム構成を模式的に示す図である。
なお、図1において、実線は電気的な接続を示し、破線はブレーキフルードの液圧伝達を示している。
図2は、実施形態におけるペダル部の構成を示す模式図である。
【0013】
車両1は、ブレーキ制御ユニット100、ハイドロリックコントロールユニット200、モータジェネレータ制御ユニット300、アクセルペダル30(図2参照)、パワーステアリング制御ユニット400、走行モード制御ユニット500、振動子制御ユニット600等を有する。
これらの各ユニットは、それぞれCPU等の情報処理部、RAMやROMなどの記憶部、入出力インターフェイス、及び、これらを接続するバス等を有するマイコンを備える。
また、各ユニットは、例えばCAN通信システムなどの車載LANを介して、あるいは直接に接続され、相互に通信を行うことが可能となっている。
【0014】
ブレーキ制御ユニット100は、図示しないブレーキペダルの操作に応じて、液圧式摩擦ブレーキと、回生発電ブレーキとを協調制御するものである。
また、ブレーキ制御ユニット100は、アンチロックブレーキ制御、挙動安定化制御を行う機能を有する。
アンチロックブレーキ制御は、制動中に車輪の回転が固着するホイールロックを検出した場合に、当該車輪の制動力を周期的に低減するものである。
挙動安定化制御は、アンダーステア挙動又はオーバステア挙動の発生時に、左右車輪の制動力差により復元方向のヨーモーメントを発生させるものである。
ブレーキ制御ユニット100には、車速センサ101、加速度センサ102、ブレーキペダルセンサ110、反力発生装置120が接続されている。
また、車両1のブレーキ装置は、さらにマスタシリンダ130を有する。
【0015】
車速センサ101は、車輪を回転可能に支持する図示しないハブベアリングハウジングに設けられ、各車輪の回転角速度に応じた車速信号を発生する。
ブレーキ制御ユニット100は、車速センサ101の出力に基づいて、車両1の走行速度(車速)を演算する。
【0016】
加速度センサ102は、車輪を車体に対してストローク可能に支持する図示しないサスペンション装置において、いわゆるばね下部分に設けられている。
加速度センサ102は、例えば、サスペンションアーム、ハブベアリングハウジングなどのばね下側に設けられる部品の上下方向加速度を検出する。
加速度センサ102は、路面からの振動入力を検出する振動入力検出部である。
また、ブレーキ制御ユニット100には、上述した挙動安定化制御等のため、図示しない車体前後加速度センサ、車体左右加速度センサ、ヨーレートセンサ等が設けられる。
【0017】
ブレーキペダルセンサ110は、ブレーキペダルの操作量(踏込量)を検出するエンコーダを有する。
反力発生装置120は、ブレーキ制御ユニット100からの指令に応じて、ブレーキペダルが初期位置(踏み込まれていない位置)に戻る方向の反力を発生させるものである。
反力発生装置120は、例えば電動アクチュエータ等の駆動用動力源を用いて、回生発電ブレーキが利用される場合などに反力の発生を行う。
【0018】
マスタシリンダ130は、ブレーキペダルの踏面部の踏み込み動作に応じて、摩擦ブレーキの作動流体であるブレーキフルードを加圧するものである。
マスタシリンダ130が発生したブレーキフルード液圧は、配管を介してハイドロリックコントロールユニット200に伝達される。
【0019】
ハイドロリックコントロールユニット(HCU)200は、各車輪のホイルシリンダ210のブレーキフルード液圧を個別に調節する機能を有する液圧制御装置である。
ハイドロリックコントロールユニット200は、ブレーキフルードを加圧する電動ポンプ、及び、各ホイルシリンダのブレーキフルード液圧を制御する増圧弁、減圧弁、圧力保持弁などを備えている。
【0020】
ハイドロリックコントロールユニット200には、ブレーキフルード配管を介して、マスタシリンダ130、ホイルシリンダ210等が接続されている。
マスタシリンダ130が発生したブレーキフルード液圧は、ハイドロリックコントロールユニット200を経由して、ホイルシリンダ210に伝達されるようになっている。
ハイドロリックコントロールユニット200は、マスタシリンダ130が発生するブレーキフルード液圧にオーバライドして、各ホイルシリンダのブレーキフルード液圧を増減する機能を有する。
ホイルシリンダ210は、各車輪に設けられ、例えばディスクロータにブレーキパッドを押圧し、ブレーキフルード液圧に応じた摩擦力(制動力)を発生させる。
【0021】
また、ブレーキ制御ユニット100における回生協調制御において、回生発電ブレーキの制御分担比が発生、増加した場合には、ハイドロリックコントロールユニット200は、マスタシリンダ130から伝達されるブレーキフルードの液圧を、減圧又は遮断する機能を備えている。
この場合には、液圧式摩擦ブレーキの使用時を模擬した感覚を運転者に与えるため、ブレーキ制御ユニット100は、反力発生装置120を用いて、ブレーキペダルの反力を発生させる。
【0022】
マスタシリンダ130は、ブレーキペダルの踏み込み動作に応じて、摩擦ブレーキの作動流体であるブレーキフルードを加圧するものである。
マスタシリンダ130が発生したブレーキフルード液圧は、配管を介してハイドロリックコントロールユニット200に伝達される。
【0023】
ハイドロリックコントロールユニット(HCU)200は、各車輪のホイルシリンダ210のブレーキフルード液圧を個別に調節する機能を有する液圧制御装置である。
ハイドロリックコントロールユニット200は、ブレーキフルードを加圧する電動ポンプ、及び、各ホイルシリンダのブレーキフルード液圧を制御する増圧弁、減圧弁、圧力保持弁などを備えている。
【0024】
ハイドロリックコントロールユニット200には、ブレーキフルード配管を介して、マスタシリンダ130、ホイルシリンダ210等が接続されている。
マスタシリンダ130が発生したブレーキフルード液圧は、ハイドロリックコントロールユニット200を経由して、ホイルシリンダ210に伝達されるようになっている。
ハイドロリックコントロールユニット200は、マスタシリンダ130が発生するブレーキフルード液圧にオーバライドして、各ホイルシリンダのブレーキフルード液圧を増減する機能を有する。
ホイルシリンダ210は、各車輪に設けられ、例えばディスクロータにブレーキパッドを押圧し、ブレーキフルード液圧に応じた摩擦力(制動力)を発生させる。
【0025】
また、ブレーキ制御ユニット100における回生協調制御において、回生発電ブレーキの制御分担比が発生、増加した場合には、ハイドロリックコントロールユニット200は、マスタシリンダ130から伝達されるブレーキフルードの液圧を、減圧又は遮断する機能を備えている。
この場合には、液圧式摩擦ブレーキの使用時を模擬した感覚を運転者に与えるため、ブレーキ制御ユニット100は、反力発生装置120を用いて、ブレーキペダルの反力を発生させる。
【0026】
モータジェネレータ制御ユニット300は、モータジェネレータ310及びその補機類を統括的に制御するものである。
モータジェネレータ310は、車両1の走行用動力源として用いられる回転電機である。
モータジェネレータ制御ユニット300は、走行用バッテリ等の電源から供給される電力を、モータジェネレータ310に供給するためのインバータ等を有する。
【0027】
モータジェネレータ310は、例えば、車体(ばね上部分)にマウントされ、デファレンシャル(差動機構)、ドライブシャフト等を介して、車輪に駆動力を伝達する構成とすることができるが、これに限らず、例えばインホイールモータとしてもよい。
モータジェネレータ制御ユニット300は、モータジェネレータ310が出力トルクを発生する駆動モードと、モータジェネレータ310が回生発電を行い、車輪側から伝達されるトルクを吸収し、制動力を発生する回生発電モードとを切り換える。
【0028】
駆動モードにおいては、モータジェネレータ制御ユニット300は、アクセルペダル30の操作量等に基づいて設定される要求トルクに、モータジェネレータ310が実際に発生する実トルクが一致するよう制御する。
回生発電モードにおいては、モータジェネレータ制御ユニット300は、ブレーキ制御ユニット100から指令される要求制動力に応じて、モータジェネレータ310における吸収トルクを制御する。
【0029】
図2に示すアクセルペダル30は、運転者がアクセル操作を行う足踏み式の操作部である。
アクセルペダル30は、ブラケット31、レバー部32、踏面部33等を有する。
ブラケット31は、レバー部32を、車幅方向に沿った回転軸回りに回動可能に支持する基部である。
ブラケット31は、レバー部32を、復元方向(初期位置側)に付勢する図示しないスプリングを有する。
ブラケット31は、車室前部に設けられた隔壁であるトーボードTに取り付けられている。
レバー部32は、ブラケット31から下方側かつ斜め後方側へ突出した部材である。
踏面部33は、レバー部32の突端部(ブラケット31側とは反対側の端部)に設けられ、乗員の足の裏面と当接する部分である。
【0030】
モータジェネレータ制御ユニット300には、アクセルペダルセンサ301が接続されている。
アクセルペダルセンサ301は、アクセルペダル30のレバー部32の回転角度位置を検出するエンコーダを有する。
アクセルペダルセンサ301は、ブラケット31に設けられている。
モータジェネレータ制御ユニット300は、アクセルペダルセンサ301の出力に基づいて、踏面部33の初期位置からの前進量(踏込量)を検知する。
【0031】
パワーステアリング制御ユニット400は、車両1の操向輪(典型的には前輪)を操舵する図示しない操舵装置に、運転者の操舵操作に応じたアシスト力や、自動操舵時における操舵力を与える電動パワーステアリング装置を統括的に制御する。
パワーステアリング制御ユニット400には、舵角センサ410、トルクセンサ420、モータ430等が接続されている。
【0032】
舵角センサ410は、操舵装置における操舵角を検出するセンサ(舵角検出部)である。
トルクセンサ420は、運転者が操舵操作を行う図示しないステアリングホイールが接続されたステアリングシャフトに負荷されるトルクを検出するセンサである。
パワーステアリング制御ユニット400は、トルクセンサ420が検出したトルク等に応じて、アシスト力の制御を行う。
モータ430は、操舵装置にアシスト力、操舵力を与え、ラック推力を発生させる電動アクチュエータである。
モータ430の出力は、パワーステアリング制御ユニット400により制御される。
【0033】
走行モード制御ユニット500は、運転者からの走行モード選択操作に応じて、車両1の走行特性を切り換えるものである。
走行モード制御ユニット500には、運転者が走行モード選択操作を行う走行モード選択スイッチ501が接続されている。
走行モードとして、例えば、通常走行に用いられる通常モードと、氷雪路走行に用いられる氷雪路走行モードとを有する構成とすることができる。
氷雪路走行モードが選択された場合、例えば、ブレーキ制御ユニット100は、アンチロックブレーキ制御、挙動安定化制御を、低μ路に最適化した制御に変更する。
また、モータジェネレータ制御ユニット300は、アクセルペダル30の操作量に対するモータジェネレータ310のトルクの立上り特性を、穏やかに(操作量の増加量に対するトルクの増加率を小さく)なるよう変化させる。
【0034】
振動子制御ユニット600は、振動子601に、所定の加振波形を有する駆動電流、電圧を供給する加振制御部である。
振動子601は、アクセルペダル30の踏面部33等を加振する加振部である。
振動子601として、例えば、供給される電圧の変動に応じた振動を発生するボイスコイル及び振動板を有する構成とすることができる。
例えば、振動子601として、小型のスピーカを利用することができる。
振動子601は、例えば、図2に示すように、アクセルペダル30のブラケット31に取り付けられる。
振動子601の振動は、ブラケット31、レバー部32、踏面部33を順次伝搬して、運転者の足に伝達される。
【0035】
図3は、実施形態における振動子制御ユニットの構成を模式的に示す図である。
振動子制御ユニット600は、波形生成部610、第1ゲイン調整部620、第2ゲイン調整部630、路面振動モニタ部640、振動振幅演算部650、第3ゲイン調整部660、ゲイン選択部670等を有する。
【0036】
波形生成部610は、振動子601の駆動電力の電圧波形である加振波形の基本波(ゲイン等が未調整であるもの)を生成する。
図4は、実施形態における加振波形の一例を模式的に示す図である。
図4において、横軸は時間を示し、縦軸は電圧を示している。
図4に示すように、加振波形は、一例として、矩形波とすることができるが、これに限定されず他の波形であってもよい。
【0037】
実施形態において、加振波形の周波数は、例えば、100乃至300Hzの範囲に卓越周波数を有するように設定することができる。
なお、本明細書において、卓越周波数とは、他の周波数の振幅に対して振幅が特に大きい周波数を示すものとする。一般に、このような卓越周波数は、複数の固有値(固有振動数)のなかで特に振幅が大きいものと一致する場合が多い。
以下、その理由について説明する。
【0038】
踏面部33に触れる運転者の足が、触感(皮膚感覚)を取得する感覚受容体(触覚センサ)として、メルケル細胞、マイスナー小体、パチニ小体などがある。
図5は、皮膚が物体に触れた際に受容体が発する電気パルスのタイミングを模式的に示す図である。
図5において、横軸は時間を示し、縦軸は上段から順に、圧力、及び、メルケル細胞、マイスナー小体、パチニ小体の電気パルス発生状態を示している。
【0039】
メルケル細胞は、応答が比較的遅く、直流成分に対応する。
マイスナー小体は、接触圧力の変化率(速度)が発生しているときに対応する。
マイスナー小体は、速度が出ているときに常に反応することから、仮にノイズ信号としてマイスナー小体の感度が高い周波数のものを用いた場合、ドライバが振動として感じやすくなると考えられる。
パチニ小体は、過渡的変化の瞬間に対応し、これらの受容体のなかでは最も感度が高いとされる。
ドライバが微小操作の反力を感じ取る受容体として、パチニ小体が支配的であると考えられる。
【0040】
図6は、パチニ小体及びマイスナー小体の周波数に対する感度分布を示す図である。
図6において、横軸は周波数を示し、縦軸は閾値上の振幅を示しており、値が小さいほど感度が良いことを表わす。
図6に示すように、パチニ小体は、100乃至300Hz付近の領域において、良好な感度を示すことから、実施形態においては、100乃至300Hzの周波数帯域内に卓越周波数を有する加振波形を用いている。
また、加振波形にさらに10乃至50Hzの周波数帯域の成分を加えることにより、マイスナー小体を刺激する効果を得ることもできる。
【0041】
第1ゲイン調整部620は、加振波形に対して、以下説明する第1のゲイン調整を行うものである。
第1のゲイン調整は、車速の変化に応じて、加振波形のゲインを変化させるものである。
第1のゲイン調整は、車速の増加に応じて、路面からの振動などにより、アクセルペダル30に伝達される振動のレベルが変化した場合であっても、振動子601が発生するレベルが適正に維持されるよう行われる。
図7は、第1ゲイン調整部におけるゲイン調整の一例を模式的に示す図である。
図7において、横軸は車速を示し、縦軸は加振波形に乗算されるゲインを示している。
ゲインは、例えば、車速の増加に応じて増加する構成とすることができる。
【0042】
第2ゲイン調整部630は、第1のゲイン調整後の加振波形に対して、さらに以下説明する第2のゲイン調整を行うものである。
第2のゲイン調整は、アクセルペダル30の操作速度に応じたゲイン調整を行うものである。
アクセルペダル30の操作速度(踏面部33が回動する角速度)は、アクセルペダルセンサ301が検出するアクセルペダル30の操作量(踏込量)の時間微分によって求めることができる。
【0043】
図8は、第2ゲイン調整部におけるゲイン調整の一例を模式的に示す図である。
図8において、横軸はペダル操作速度(一例として、踏面部33の角速度)を示し、縦軸は加振波形に乗算されるゲインを示している。
ゲインは、例えば、ペダル操作速度の増加に応じて増加する構成とすることができる。
ここで、ペダル操作速度に対するゲインの増加率は、ペダルの操作速度が小さい領域において、操作速度が大きい領域に対して大きくなり、かつ、ペダル操作速度の増加に応じて漸減するよう設定されている。
第2ゲイン調整部630は、ペダル操作速度に代えて、あるいは、ペダル操作速度とともに、アクセルペダル30の操作量(踏込量)の増加に応じて、ゲインを増加させる構成としてもよい。
この場合、アクセルペダル30の操作量に応じたゲイン調整を行うことで、ばね・剛性項として効果を出すことができる。
また、例えば走行用動力源の要求トルク(目標トルク)など、アクセルペダル30の操作量に相関するパラメータの増加に応じてゲインを増加させても、同様の効果を得ることができる。
【0044】
路面振動モニタ部640は、加速度センサ102の出力をモニタし、かつ、所定の期間にわたって履歴を保持する機能を有する。
図9は、加速度センサの出力履歴の一例を模式的に示す図である。
図9において、横軸は時間を示し、縦軸は加速度センサ102の検出値(ばね下の上下方向加速度)を示している。
加速度センサ102の出力履歴に関するデータは、振動振幅演算部650に提供される。
【0045】
振動振幅演算部650は、路面振動モニタ部640から提供された加速度センサ102の出力に、バンドパスフィルタ処理を施して特定の周波数領域の成分を抽出し、この周波数領域の振動振幅を演算するものである。
図10は、振動振幅演算部における振動振幅の算出手法を模式的に示す図である。
図10において、横軸は周波数を示し、縦軸は加速度センサ102の検出値を示している。
バンドパスフィルタは、例えば、100乃至300Hzの帯域に含まれる一部(一例として250Hz近傍)の周波数帯域を抽出する構成とすることができる。
抽出された周波数帯域における振動振幅(一例として周波数帯域の平均値)Aは、第3ゲイン調整部660に提供される。
【0046】
第3ゲイン調整部660は、第2のゲイン調整後のノイズ信号に対して、さらに以下説明する第3のゲイン調整を行うものである。
第3ゲイン調整部660は、路面振動モニタ部640、振動振幅演算部650の出力に基づいて、第3のゲイン調整を行う。
【0047】
図11は、第3ゲイン調整部におけるゲイン調整の一例を模式的に示す図である。
図11において、横軸は振動振幅演算部650が演算したトルク振幅を示し、縦軸は加振波形に乗算されるゲインを示している。
図11に示すように、第3ゲイン調整部660は、路面からの振動振幅の増加に応じて、ゲインを増加させる。
第3ゲイン調整部660において、振動子601から付加する加振振幅をΔA、振動振幅演算部650から得た路面からの振動振幅をAとした場合、ΔA/Aは、ウェーバー比Wと考えらえる。
そこで、このウェーバー比Wが予め設定された所定値となるようにゲイン調整を行うことで、ウェーバー・フェヒナーの法則から、安定した効果を得られると考えられる。
【0048】
ゲイン選択部670は、第1ゲイン調整部620、第2ゲイン調整部630、第3ゲイン調整部660がそれぞれ設定したゲインを乗算した値をもとに、段階的に大きさが異なった複数のゲイン値を生成するとともに、走行モード選択部500において選択された走行モードに応じて、複数のゲイン値から、一つのゲイン値を選択する。
ゲイン選択部670は、例えば、氷雪路走行モードが選択された場合には、アクセル操作によるホイールスピンや挙動の乱れが発生しやすいアクセル操作シビア状態であるものとして、通常時に対して大きいゲインを選択する。
また、例えば、駆動輪の空転を検出した場合に駆動力を抑制するトラクションコントロール制御、制動力による車輪ロック時に車輪の回転を回復させるアンチロックブレーキ制御、アンダーステア又はオーバーステア挙動の発生時に、挙動を抑制する方向のヨーモーメントを発生させる挙動安定化制御の少なくとも一つの介入時に、アクセル操作シビア状態であると判別し、通常時に対して大きいゲインを選択するようにしてもよい。
【0049】
以下、実施形態のアクセルペダル装置における振動子601による加振の効果について説明する。
図12は、アクセルペダルの操作量と反力との相関の一例を示す図である。
図12において、横軸はアクセルペダル30の操作量を示し、縦軸は乗員の足に作用する反力を示している。
図12において、実線で示すように、反力が操作力に対してリニアに立ち上がるようにし、かつ、操作力の増加量に対する反力の増加率を比較的小さくした場合、アクセルペダル30の操作量が小さい領域において反力が微小となり、運転者の足裏に圧力が伝達される面積が微小となり、運転者が反力を精確に知覚することが困難となる。
【0050】
これに対し、図12に破線で示すように、操作力の増加量に対する反力の増加率を比較的大きくした場合、アクセルペダル30の操作量が小さい領域においても反力を増加させることができ、このような領域での操作性に関しては有利である。
しかし、この場合、アクセルペダル30の操作に要する踏力が大きくなり、運転者の疲労を招くことが懸念される。
そこで、図12に一点鎖線で示すように、操作量が比較的少ない領域のみ操作力の増加量に対する反力の増加率を大きくし、それ以外の領域では増加率を低減することも考えられる。
しかし、この場合、操作量に対する反力のリニアリティが損なわれ、運転者に不自然さや、運転のし難さを感じさせてしまうことが懸念される。
【0051】
これに対し、本実施形態によれば、アクセルペダル30の踏面部33を、パチニ小体の感度が良好である100乃至300Hzの周波数帯域に卓越周波数を有する加振波形で加振することにより、アクセルペダル30の実際の反力を大きくすることなく、乗員の足の受容体を刺激して、踏面部33から足が受ける圧力を強調することができる。
これにより、運転者は、比較的反力が小さく疲労感を招きにくいアクセルペダル30であっても、アクセルペダル30の操作量を感じとる際の空間分解能を向上することができ、アクセルペダル30を精確に操作することができる。
【0052】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)皮膚感覚を司る受容体であるパチニ小体及びマイスナー小体の感度が良好な周波数帯域でアクセルペダル30を加振することにより、これらの受容体が刺激され、運転者が足の裏から受ける圧力変化を感じやすくなる。
これにより、運転者がアクセルペダル30の操作量を知覚する空間分解能が向上し、精度が高いペダル操作を行うことが可能となる。このため、車両1の運転しやすさや、走行のスムーズさを改善することができる。
また、アクセルペダル30の反力自体を増加させる(例えばスプリングのばね定数を高める)必要はないため、運転者の疲労を抑制できる。さらに、空間分解能が向上するため、少ないストロークでも操作しやすくなり、スペース効率が向上しかつ運転者の疲労軽減を図ることができる。
このため、モータジェネレータ310を走行用動力源とする電動車両であり、スロットルケーブル(リンケージ)等を介したエンジンや駆動系からアクセルペダル30への振動の伝搬がない状態であっても、アクセルペダル30を加振して皮膚感覚の受容体を刺激することで、上述した効果を確保することができる。
(2)アクセル操作がシビアとなる氷雪路走行モードの選択時に、加振波形の振幅を増加させることにより、上述したペダル操作を精確化する効果を促進し、車両1が不安定な状態や危険な状態に陥り、あるいは、トラクションコントロールや挙動制御が頻繁に介入して運転者に制御ビジー感を与えることを防止できる。
(3)車速の増加により路面から伝搬される振動の振幅が増加することに応じて、加振波形の振幅を増加させることにより、上述した効果を確保することができる。
(4)アクセルペダル30の操作速度の増加に応じて、加振波形の振幅を増加させることにより、アクセルペダル30の踏み込み動作、戻し動作を行う際における運転者の反力の感じやすさを効果的に向上することができる。特に、操作速度が速い場合は、加振振幅を増大させて反力感(圧感)を強調することで、操作速度に応じた変化を運転者に感じさせ、減衰項として作用させることができる。
(5)路面からの振動入力の振幅増加に応じて、加振波形の振幅を増加させることにより、例えば路面やタイヤのパターン形状が粗いことなどにより、路面から伝達される振動が増大する場合であっても、加振波形の振幅を増加させることによって、上述した効果を確保することができる。
【0053】
(変形例)
本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)アクセルペダル装置やこれにより制御される走行用動力源、及び、車両の構成は、上述した実施形態に限定されず、適宜変更することができる。
例えば、本発明は、エンジン-電気ハイブリッド車両(HEV)や、内燃機関のみを走行用動力源とする車両にも適用することができる。
(2)実施形態においては、氷雪路走行モードが選択された場合にアクセル操作シビア状態であるとして、加振波形の振幅を増加させているが、これに限らず、他の手法によってアクセル操作シビア状態を検出してもよい。
例えば、泥濘路などの悪路走行用の走行モードや、スポーツ走行用の走行モード(タイヤ横力が大きい場合に、タイヤ前後力の余裕が乏しい)を有する車両の場合は、これらの走行モードが選択された場合に、加振波形の振幅を増加させる構成としてもよい。
また、車両が路面の摩擦係数を推定する機能を有する場合には、推定された摩擦係数の低下に応じて、アクセル操作シビア状態を判別するようにしてもよい。
また、外気温が、路面の凍結リスクが高くなる所定の閾値以下である場合に、アクセル操作シビア状態を判別するようにしてもよい。
また、降雨状態、降雪状態、未舗装路走行状態を判別した場合に、アクセル操作シビア状態を判別するようにしてもよい。
また、駆動力が過大なことによる駆動輪のスリップアップ(ホイールスピン)の検出頻度(一例としてトラクションコントロール制御の介入頻度)が所定以上である場合に、アクセル操作シビア状態であると判別するようにしてもよい。
(3)実施形態においては、路面からの振動をサスペンション装置のばね下部分の加速度に基づいて検出しているが、路面からの振動を検出する手法はこれに限らず、適宜変更することができる。
例えば、ばね下部分に設けられるホイルシリンダに接続されたブレーキフルードの配管(ブレーキライン)に振動ピックアップを設けてもよい。
また、パワーステアリング装置のトルクセンサの出力に基づいて、路面からの振動を検出するようにしてもよい。
(4)実施形態では、加振波形として、一例として矩形波のものを用いているが、これに限らず、例えば正弦波、三角波、ランダム波など、他の波形のノイズ信号を用いてもよい。また、ゲインの調整手法も実施形態の構成に限定されず、適宜変更することができる。
(5)振動子(加振部)の具体的な構成や、加振の原理、設置箇所などは、実施形態に限定されず、適宜変更することができる。
(6)実施形態におけるアクセルペダルの構成は一例であって、本発明は、他の形態のアクセルペダルにも適用することができる。例えば、本発明は、踏面部を回動させる支軸が踏面部の下方に設けられたいわゆるオルガン式のアクセルペダルにも適用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 車両
100 ブレーキ制御ユニット 101 車速センサ
102 加速度センサ 110 ブレーキペダルセンサ
120 反力発生装置 130 マスタシリンダ
200 ハイドロリックコントロールユニット
210 ホイルシリンダ
300 モータジェネレータ制御ユニット
310 モータジェネレータ
30 アクセルペダル 31 ブラケット
32 レバー部 33 踏面部
400 パワーステアリング制御ユニット
301 アクセルペダルセンサ
410 舵角センサ 420 トルクセンサ
430 モータ
500 走行モード選択部 501 走行モード選択スイッチ
600 振動子制御ユニット 601 振動子
610 波形生成部 620 第1ゲイン調整部
630 第2ゲイン調整部 640 路面振動モニタ部
650 振動振幅演算部 660 第3ゲイン調整部
670 ゲイン選択部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12